JP2003039168A - 多電極パルスアーク溶接制御方法及び溶接装置 - Google Patents

多電極パルスアーク溶接制御方法及び溶接装置

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JP2003039168A
JP2003039168A JP2001224997A JP2001224997A JP2003039168A JP 2003039168 A JP2003039168 A JP 2003039168A JP 2001224997 A JP2001224997 A JP 2001224997A JP 2001224997 A JP2001224997 A JP 2001224997A JP 2003039168 A JP2003039168 A JP 2003039168A
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登史男 大縄
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多電極パルスアーク溶接制御方法のアーク長調
整方法に関する。 【解決手段】1つの溶接トーチから第1のワイヤ及び第
2のワイヤを送給し、第1のワイヤ及び第2のワイヤと
被溶接物との間に2つのアークをそれぞれ発生させて溶
接する多電極パルスアーク溶接制御方法において、第2
のワイヤに、第1のピーク電流の通電期間は第2のピー
ク電流を通電し、第1のベース電流の通電期間は第2の
ベース電流を通電し、第1の溶接電流のパルス周波数を
変化させて第1の溶接電流の平均値を増減させることに
よって第1のワイヤのアーク長を制御し、第2の溶接電
流の第2のピーク電流の値を変化させて第2の溶接電流
の平均値を増減させることによって第2のワイヤのアー
ク長を制御し、溶接作業者が条件出し中に溶接装置の外
部から第2の溶接電流の第2のピーク電流設定値を変更
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つの溶接トーチ
から互いに電気的に絶縁された2本の溶接ワイヤ(以
下、ワイヤという)と被溶接物との間に2つのアークを
発生させて溶接する多電極パルスアーク溶接制御方法の
アーク長調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多電極パルスアーク溶接制御方法では、
1つの溶接トーチに設けた電気的に絶縁した2つのチッ
プを通して2本のワイヤを送給して、それらのワイヤと
被溶接物との間に2つのアークを発生させて溶接を行
う。この溶接方法は、2本のワイヤが同時に溶融するの
で高溶着量を得ることができるので、薄板の溶接では4
[m/分]を超える高速溶接を行うことができ、また、
厚板の多層溶接では層数を減らして溶接を行うことがで
き、溶接作業の高効率化を図ることができる。かつ、本
溶接方法はパルスアーク溶接方法であるので、スパッタ
の発生が少なく、美しいビード外観を得ることができ
る。この溶接方法は、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウ
ム合金等の種々の金属に対して使用することができる。
【0003】[従来技術1]この溶接方法として、例え
ば、Welding Journalの1999年5月号の31〜34
頁に記載されている「Twin-Wire GMAW:Process Char
acteristics andApplications」には、2本のワイヤを
用いたGMAW(ガスメタルアーク溶接)において、図2に
示すパルス電流を2本のワイヤにそれぞれ通電し、この
2本のワイヤに通電するそれぞれのパルス電流のピーク
期間が重ならないように制御することが提案されてい
る。図2は、従来技術1の2本のワイヤにそれぞれのパ
ルス電流のピーク期間が重ならないように通電して制御
することを説明するためのパルス電流を示す図であり、
同図(A)は、第1のワイヤに通電する第1の溶接電流
AIwの時間変化を示しており、同図(B)は、第2の
ワイヤに通電する第2の溶接電流BIwの時間変化を示
している。AIp及びBIpは第1のピーク電流及び第
2のピーク電流であり、AIb及びBIbは第1のベー
ス電流及び第2のベース電流であり、ATp及びBTp
は第1のピーク電流通電時間及び第2のピーク電流通電
時間であり、ATb及びBTbは第1のベース電流通電
時間及び第2のベース電流通電時間である。この場合、
第1のワイヤに通電される第1の溶接電流AIwが第1
のベース電流通電時間ATbでは、第1のワイヤA1の
アークの電磁力が第2のワイヤB1のアークに強い影響
を与えないために、アーク長制御が安定する。
【0004】しかし、溶接速度を向上させるためには、
ワイヤの送給速度と平均溶接電流値とを増加させて、ワ
イヤの溶融量を増加させなければならない。そこで、平
均溶接電流値を大きくするためにパルス周波数を高くし
て第1の溶接電流AIwと第2の溶接電流BIwとのパ
ルス波形が、図3に示すように密になる場合、次の理由
によって大量のスパッタが発生する。図3は、パルス周
波数を高くして第1の溶接電流AIwと第2の溶接電流
BIwとのパルス波形が密になる場合を示す図である。
同図(A)に示す第1の溶接電流AIwの第1のピーク
電流AIpを通電した直後に同図(B)に示す第2の溶
接電流BIwの第2のピーク電流BIpを通電した場
合、第1のワイヤA1の溶滴離脱は、時刻t2の第1の
ピーク電流AIpから立ち下がった第1のベース電流A
Ibを通電し始める時期に発生する。この時期は同図
(B)に示すように、第2のピーク電流BIpが通電し
始める時期である。第2のピーク電流BIpの値が第1
のベース電流AIbの値よりもかなり大きな値である。
したがって、図4に示すように、第1のアークA3に作
用する電磁力Fによって第1のアークA3が第2のアー
クB3に引き寄せられた状態になる。図4は、図3に示
す時刻t2における溶滴1の離脱時のアーク状態を説明
する図である。同図において、第1のワイヤA1から溶
滴1が離脱するとき、溶滴1は第2のワイヤB1の方向
に飛び出すために溶融池に落下しないでスパッタに成
る。
【0005】また例えば、ワイヤの直径が1.2[m
m]の軟鋼ワイヤの場合、1パルス1溶滴移行を行う適
切なパルス条件は、一般的にピーク電流値が450
[A]乃至500[A]、ピーク電流通電時間が1.5
[ms]乃至2.0[ms]であって、ピーク電流値が
450[A]よりも小さいときは、溶融エネルギ及びピ
ンチ力が不足するために、数個のパルスで1個の溶滴が
ワイヤ先端から離脱するnパルス1溶滴移行又は短絡移
行になる。また、ピーク電流値が500[A]よりも大
きいときは、溶融エネルギ及びピンチ力が過大となるた
めに、1個のパルスによって数個の溶滴がワイヤ先端か
ら離脱する1パルスn溶滴移行となる。これらの場合、
スパッタの発生が増加し、アーク状態も不安定になる。
【0006】また、本出願の発明者は、溶接学会全国大
会講演概要第66集(2000)の240頁に記載して
いるように、第2のワイヤB1の平均通電電流値は、第
1のワイヤA1の平均通電電流値の約40[%]が適正
値であることを提案した。以下、その理由を説明する。
但し、以下の場合は第1のワイヤA1と第2のワイヤB
1に通電するパルス電流は同期させていない場合であ
る。図5は、2電極アーク溶接制御方法における第2の
ワイヤB1の平均通電電流値[A](横軸)と最大溶接
速度[m/min](縦軸)との関係を示す図である。
同図は、被溶接物が軟鋼で、直径が1.2[mm]の軟
鋼ワイヤを使用してアルゴンが80[%]と炭酸ガスが
20[%]とのシールドガスで、第1のワイヤA1の平
均通電電流値を300[A]、350[A]及び400
[A]に変化させて溶接したときの第2のワイヤB1の
平均通電電流値[A](横軸)と最大溶接速度[m/m
in](縦軸)との関係を示している。上記の3種の平
均通電電流値のうち、例えば、第1のワイヤA1の平均
通電電流値が400[A]であって、第2のワイヤB1
の平均通電電流値が100[A]のときは、第2のワイ
ヤB1のアークB3によって形成される溶接金属の量が
不足するために、溶接ビードが全体に亘り細くなり、ア
ンダカットが発生し、又は溶融池後方に流れようとする
湯流れを第2のワイヤB1のアークB3のアーク力が抑
えきれないためにハンピングビードが発生してしまう。
従って、最大溶接速度は2.3[m/min]に制限さ
れる。
【0007】また、第2のワイヤB1の平均通電電流値
を200[A]に増加させると、第2のワイヤB1の平
均通電電流値が過大になるために、第2のワイヤB1の
アークB3による溶融池の掘り下げが大きくなり、溶融
金属の流れが乱れて両アーク間に大きな湯溜まりが形成
され、この不安定な湯溜まりが溶接ビード形状を悪化さ
せる。従って、最大溶接速度は3.3[m/min]に
制限される。さらに、第2のワイヤB1の平均通電電流
値を250[A]まで増加させると、第2のワイヤB1
のアーク力がさらに過大になり、アンダカット又は不整
ビードが発生する傾向が増加する。従って、正常な溶接
ビードを形成させることができる最大溶接速度は2.2
[m/min]に低下してしまう。
【0008】これに対して、第2のワイヤB1の平均通
電電流値が約150[A]のときは、第2のワイヤB1
のアーク力が第1のワイヤA1のアーク力によって後方
に流れる溶融金属の流れを緩和し、溶接ビードの表面高
さを均一にするように作用するので、4.0[m/mi
n]の高速溶接の場合においても、溶接ビード形状が良
好である。
【0009】また同図において、第1のワイヤA1の平
均通電電流値が350[A]のときは、第2のワイヤB
1の平均通電電流値が約130[A]のときに、最大溶
接速度は4.2[m/min]となり溶接ビード形状も
良好である。また、第1のワイヤA1の平均通電電流値
が300[A]のときは、第2のワイヤB1の平均通電
電流値が約120[A]のときに、最大溶接速度は3.
2[m/min]となり溶接ビード形状が良好である。
このように、本出願人が提案した技術では、第2のワイ
ヤB1の平均通電電流値と第1のワイヤA1の平均通電
電流値との比がそれぞれ、150/400=0.38、
130/350=0.37、120/300=0.40
となるので、第2のワイヤB1の平均通電電流値が、第
1のワイヤA1の平均通電電流値の約40[%]のとき
に、正常な溶接ビードを最も高速度で形成することが可
能であった。
【0010】そこで、平均溶接電流値を大きくするため
にパルス周波数を高くした図3の波形において、1パル
ス1溶滴移行を行う適切なパルス条件を満たすと同時に
第2の溶接電流BIwの平均値を第1の溶接電流AIw
の平均値の約40[%]に設定しようとした場合、次の
問題が有る。例えば、ワイヤの直径が1.2[mm]の
軟鋼ワイヤの場合、第1のピーク電流AIpが500
[A]、第1のピーク電流通電時間ATpが2[m
s]、第2のピーク電流値BIpが450[A]、第2
のピーク電流通電時間BTpが1.5[ms]程度にし
かならないために、第1のワイヤA1と第2のワイヤB
1との平均電流値が高速溶接に適した第2の溶接電流B
Iwの平均値を第1の溶接電流AIwの平均値の約40
[%]にするという条件を満たすことができない。
【0011】また、第1のワイヤA1と第2のワイヤB
1との平均電流値が略同じ値になるために、1ワイヤ当
りの平均電流値を最大で(ピーク電流値+ベース電流
値)/2までしか大きくできないために、高速溶接に必
要な大電流化を図ることが困難である。
【0012】上記の問題点を解決するために、以下に示
す従来の技術(以下、従来技術2という)が提案されて
いる。また、高速溶接に適した第2の溶接電流BIwの
平均値を第1の溶接電流AIwの平均値の約40[%]
にするという条件を満たすために、第2のワイヤB1に
通電する電流のパルス周波数を第1のワイヤA1に通電
する電流のパルス周波数の1/n(nは2以上の自然
数)にする方法も提案されている。以下、従来技術2の
多電極パルスアーク溶接制御方法及び溶接装置について
説明する。
【0013】[従来技術2]図6は従来技術2(特願 2
000-164372)の多電極パルスアーク溶接装置の回路構成
を示すブロック図である。同図に示すように、この溶接
装置は、第1の溶接電源装置APS、第1のワイヤ送給
装置AWF、第1の送給速度設定回路AWS、第2の溶
接電源装置BPS、第2のワイヤ送給装置BWF、第2
の送給速度設定回路BWS及び溶接トーチ4から構成さ
れている。以下、同図を参照してこれらの構成装置につ
いて説明する。
【0014】溶接トーチ4には、相互に電気的に絶縁さ
れた第1のチップA41及び第2のチップB41が装着
されており、これらのチップA41及びB41を通して
第1のワイヤA1及び第2のワイヤB1が送給及び給電
されて、被溶接物2との間に第1のアークA3及び第2
のアークB3が発生する。
【0015】第1の溶接電源装置APSは、一点鎖線で
囲んだ範囲内の各回路ブロックから構成されており、以
下、これらの回路ブロックについて説明する。出力制御
回路INVは、商用電源を入力として出力制御し、アー
ク負荷に適した出力を供給する。一般的に、この出力制
御回路INVとしては、インバータ制御回路、チョッパ
制御回路、サイリスタ位相制御回路等が慣用されてい
る。例えば、上記のインバータ制御回路は以下の回路か
ら形成されている。すなわち、商用電源を整流する1次
側整流回路と、整流されたリップルのある電圧を平滑す
る平滑回路と、平滑された直流電圧を高周波交流に変換
するインバータ回路と、高周波交流をアーク負荷に適し
た電圧に降圧する高周波変圧器と、降圧された交流を再
び整流する2次側整流回路と、整流されたリップルのあ
る直流を平滑する直流リアクトルとから形成されてお
り、後述する電流誤差増幅信号Eiに従って上記のイン
バータ回路を形成する複数組のパワートランジスタが制
御されて出力制御が行われる。
【0016】電圧検出回路VDは、第1の溶接電圧AV
wを検出して平均化した電圧検出信号Vdを出力する。
電圧設定回路VSは、電源装置の外部に設けられてお
り、電圧設定信号Vsを出力する。電圧誤差増幅回路E
Vは、フィードバック信号である上記の電圧検出信号V
dと、目標値である上記の電圧設定信号Vsとの誤差を
増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。V/F変
換回路VFは、上記の電圧誤差増幅信号Evを入力とし
てV/F変換を行い、V/F変換信号Vfを出力する。
ピーク電流通電時間設定回路TPは、予め設定したピー
ク電流通電時間設定信号Tpを出力する。モノマルチバ
イブレータMMは、上記のV/F変換信号VfがLow
レベルからHighレベルに変化することをトリガとし
て、上記のピーク電流通電時間設定信号Tpによって設
定した時間Highレベルとなる図2で前述した第1の
パルス周期信号ATfを出力する。
【0017】変調回路MCは、上記の電圧誤差増幅回路
EV、V/F変換回路VF、ピーク電流通電時間設定回
路TP及びモノマルチバイブレータMMから形成され
る。この変調回路MCは、上記の電圧検出信号Vdと上
記の電圧設定信号Vsとを入力として、それらの信号間
の誤差によるパルス周波数変調制御によって上記の第1
のパルス周期信号ATfを出力する。
【0018】第1のピーク電流設定回路AIPは、予め
設定した第1のピーク電流設定信号AIpを出力する。
第1のベース電流設定回路AIBは、予め設定した第1
のベース電流設定信号AIbを出力する。第1の切換回
路ASWは、上記の第1のパルス周期信号ATfがHi
ghレベルのときはa側に接続されて上記の第1のピー
ク電流設定信号AIpを第1の電流制御設定信号AIsc
として出力し、上記の第1のパルス周期信号ATfがL
owレベルのときはb側に接続されて上記の第1のベー
ス電流設定信号AIbを第1の電流制御設定信号AIsc
として出力する。電流検出回路IDは、第1のパルス周
期信号ATfがHighレベル及びLowレベルのとき
の第1の溶接電流AIwを検出して、電流検出信号Id
を出力する。電流誤差増幅回路EIは、フィードバック
信号である上記の電流検出信号Idと、目標値である上
記の第1の電流制御設定信号AIscとの誤差を増幅し
て、電流誤差増幅信号Eiを出力する。この電流誤差増
幅信号Eiに従って上記の出力制御回路INVによって
上記の第1の溶接電流AIwの制御が行われて、第1の
溶接電圧AVwが印加される。
【0019】第1の送給速度設定回路AWSは、電源装
置の外部に設けられており、第1の送給速度設定信号A
Wsを出力する。送給制御回路WCは、上記の第1の送
給速度設定信号AWsを入力として、送給制御信号Wc
を出力する。第1のワイヤ送給装置AWFは、上記の送
給制御信号Wcに従って第1のワイヤA1の送給を制御
する。
【0020】次に、第2の溶接電源装置BPSを構成す
る各回路ブロックについて説明する。倍率設定回路NS
は、1以上の整数である倍率設定信号nを出力する。周
期変換回路TCは、第1の溶接電源装置APSから出力
された上記の第1のパルス周期信号ATf及び上記の倍
率設定信号nを入力として、第1のパルス周期信号AT
fと同期し、かつ、その信号のn倍の周期を有する信号
に変換して、第2のパルス周期信号BTfを出力する。
【0021】遅延時間設定回路TODは、遅延時間設定
信号Todを出力する。遅延回路ODは、第1のパルス周
期信号ATfの周期をn倍した周期を有する第2のパル
ス周期信号BTfがLowレベルからHighレベルに
変化したことをトリガとして、その時点から上記の遅延
時間設定信号Todで定まる期間Lowレベルとなる遅延
信号Odを出力する。論理積回路ANDは、上記の第2
のパルス周期信号BTf及び遅延信号Odの論理積(A
ND)を行い、切換信号Adを出力する。
【0022】第2の切換回路BSWは、上記の切換信号
AdがHighレベルのときはa側に接続されて第2の
ピーク電流設定信号BIpを第2の電流制御設定信号B
Iscとして出力し、上記の切換信号AdがLowレベル
のときはb側に接続されて上記の第2のベース電流設定
信号BIbを第2の電流制御設定信号BIscとして出力
する。電流誤差増幅回路EIは、フィードバック信号で
ある電流検出信号Idと、目標値である上記の第2の電
流制御設定信号BIscとの誤差を増幅して、電流誤差増
幅信号Eiを出力する。この電流誤差増幅信号Eiに従
って出力制御回路INVによって上記の第2の溶接電流
の制御が行われて、第2の溶接電圧BVwが印加する。
【0023】その他の符号の説明については、上記の第
1の溶接電圧AVw及び第1の溶接電流AIwを第2の
溶接電圧BVw及び第2の溶接電流BIwに、第1の送
給速度設定回路AWS及び第1の送給速度設定信号AW
sを第2の送給速度設定回路BWS及び第2の送給速度
設定信号BWsに、第1のワイヤ送給装置AWFを第2
のワイヤ送給装置BWFにそれぞれ読み替えると同様に
なるので、説明を省略する。結果的に、上記の第2の溶
接電源装置BPSによって第2の溶接電圧BVwが印加
されると共に、上記の第2のワイヤ送給装置BWFによ
って第2のワイヤB1が送給されて、被溶接物2との間
に第2のアークB3が発生して第2の溶接電流BIwが
通電される。
【0024】ここで、図7及び図8を参照して、第1の
溶接電流AIwのパルス周波数を変化させて第1のワイ
ヤA1のアーク長を一定に制御することを説明する。図
7は、第1のワイヤA1の突出し長さの時間の経過t及
び第1の溶接電流AIwのパルスの時間の経過tを示す
図であり、図8は、第1のワイヤA1の先端から被溶接
物2までの距離であるアーク長が変化したときの第1の
溶接電流AIw[A](横軸)と第1の溶接電圧AVw
[V](縦軸)との関係を示す図である。図7におい
て、(A)は第1のワイヤA1の突出し長さの時間の経
過tを示し、同図(B)は第1の溶接電流AIwのパル
スの時間の経過tを示している。同図の時刻t1乃至t
2の期間において、第1のワイヤA1のワイヤ送給速度
とワイヤ溶融量とがバランスしていて、このときのアー
ク長LaをLa2とし、図8に示すように第1の溶接電流
AIwがAIw2の状態になっているとする。
【0025】この状態のときに、図7に示す時刻t2
に、例えば被溶接物2の加工精度、位置決め精度等によ
って第1のチップA41の先端と被溶接物2の間の距離
DがD2からD1に長くなったとする。このとき、距離
D1に長くなった瞬間には図8に示すアーク長LaがLa
2からLa1に長くなる。このとき図6の第1の溶接電圧A
Vwの電圧検出信号VdがVd2からVd1に上昇してその
増加分ΔVd=Vd1−Vd2だけV/F変換信号Vfの周
波数が減少して第1のパルス周期ATfが増加し第1の
溶接電流AIwが減少して、第1のワイヤA1の溶融速
度が減少して、第1のワイヤA1のアーク長LaがLa1
からLa2に復帰する。しかし、第1のワイヤA1の突出
し長さLeがLe2からLe1に長くなる。
【0026】また、図7に示す時刻t3乃至t4の期間
において、第1のワイヤA1のワイヤ送給速度とワイヤ
溶融量とがバランスしていて、このときのアーク長La
がLa2とし、第1の溶接電流AIwがAIw2の状態になっ
ているとする。この状態のときに、時刻t4において、
例えば被溶接物2の加工精度、位置決め精度等によって
第1のチップA41の先端から被溶接物2までの距離D
がD2からD3に短くなったとする。このとき、距離D
3に短くなった瞬間には図8に示すアーク長LaがLa2
からLa3に短くなる。このとき図6の第1の溶接電圧A
Vwの電圧検出信号VdがVd2からVd3に低下してその
減少分ΔVd=Vd2−Vd3だけV/F変換信号Vfの周
波数が増加して第1のパルス周期ATfが減少し第1の
溶接電流AIwが増加して、第1のワイヤA1の溶融速
度が増加して、第1のワイヤA1のアーク長LaがLa3
からLa2に復帰する。しかし、第1のワイヤA1の突出
し長さLeがLe2からLe3に短くなる。
【0027】次に、図6に示した従来技術2の多電極パ
ルスアーク溶接装置において、倍率設定回路NSが出力
する倍率設定信号n=1の場合の溶接電流の波形を図9
に示し、倍率設定信号n=2の場合の溶接電流の波形を
図10に示す。図9は、従来技術2の倍率設定回路NS
が出力する倍率設定信号n=1の場合の溶接電流の波形
を示す図であり、図10は、従来技術2の倍率設定回路
NSが出力する倍率設定信号n=2の場合の溶接電流の
波形を示す図である。図9と図10とを比較すると、倍
率設定信号n=2に設定することによって、第2のワイ
ヤB1に通電する平均溶接電流を第1のワイヤA1に通
電する平均溶接電流の約40[%]にすることができ
る。この場合の溶滴移行現象を図11乃至図13を参照
して説明する。図11に示すように、時刻t2乃至t4
の期間は第1のワイヤA1及び第2のワイヤB1に第1
のピーク電流AIp及び第2のピーク電流BIpをそれ
ぞれ通電する。この第1のピーク電流AIp及び第2の
ピーク電流BIpを通電する期間は、電流値が大きいた
めにアークの硬直性の性質によって図12に示すよう
に、第1のアークA3及び第2のアークB3は第1のワ
イヤA1及び第2のワイヤB1の送給方向に発生する。
したがって、一方のアークが他方のアークの方向に引っ
張られることがなく、安定したアーク長制御を行うこと
ができる。さらに、第1のワイヤA1及び第2のワイヤ
B1からの溶滴離脱が図11に示す時刻t5付近で発生
し、アークの磁気的干渉の最も少ない第1のベース電流
AIb及び第2のベース電流BIbの通電期間に近い時
期に溶滴離脱が発生するため、図13に示すように、溶
滴1が溶融池内に落下して、スパッタの発生を著しく減
少させることができる。
【0028】また、従来技術2の第1のワイヤA1と第
2のワイヤB1とに第1の溶接電流AIwと第2の溶接
電流BIwとを同時に通電する溶接制御方法において、
倍率設定回路NSが出力する倍率設定信号nが第2のワ
イヤB1に通電するパルス電流のパルス周波数を第1の
ワイヤA1に通電するパルス周波数の1/nにすること
によって、高速溶接に適した第2の溶接電流BIwの平
均値を第1の溶接電流AIwの平均値の約40[%]に
するという条件を満たすことができる。
【0029】さらに、遅延時間設定信号Todを変化させ
て、第2のピーク電流BIpの通電期間BTpを第1の
ピーク電流の通電期間ATpと異なる期間にすることに
よって、種々の条件の溶接施工に使用することができ
る。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】2電極パルスアーク溶
接装置を用いて溶接作業を開始するときの、いわゆる条
件出しとして、理想的な第1のワイヤA1及び第2のワ
イヤB1のアーク長が図14に示す場合を仮定する。図
14はある溶接条件を設定した場合の理想的な第1のワ
イヤA1及び第2のワイヤB1のアーク長を示す図であ
って、説明を容易にするために、第1のワイヤA1及び
第2のワイヤB1のアーク長が同じ場合を示す。条件出
しにおいて溶接を行った場合、第1のワイヤA1及び第
2のワイヤB1のアーク長が図15に示すように成った
とする。図15は条件出しにおいて溶接を行った場合、
第1のワイヤA1及び第2のワイヤB1のアーク長を示
す図である。同図において、第1のワイヤA1のアーク
長が短いために、溶接作業者は溶接を行っている途中で
アーク長を長くするために図6に示した電圧設定回路V
Sの設定値を大きくする。したがって、第1のパルス周
期信号ATfのパルス周波数が増加し、第1の溶接電流
AIwが増加し、第1のワイヤA1の溶融速度が増加し
て第1のワイヤA1のアーク長を図14に示す適正なア
ーク長にすることができる。
【0031】しかし、第2のワイヤB1に通電する第2
の溶接電流BIwの第2のパルス周期信号BTfは、図
6のブロック図で前述したように、第1のワイヤA1に
通電する第1の溶接電流AIwの第1のパルス周期信号
ATfに同期しているために、第2の溶接電流BIwの
パルス周波数も増加して第2の溶接電流BIwが増加し
て、第2のワイヤB1の溶融速度が増加して、第2のワ
イヤB1のアーク長が図16に示すように図14に示し
た適正値よりも長くなる。図16は、電圧設定回路VS
の設定値を大きくすることによって、第2のワイヤB1
のアーク長が適正値よりも長くなる状態を示す図であ
る。
【0032】第2のワイヤB1のアーク長のみを変更す
る方法としては、第2の送給速度設定回路BWSの設定
を変更して第2のワイヤB1の送給速度を増減してアー
ク長を適正値にする方法がある。しかし、第2の送給速
度設定回路BWSの設定を変更して第2のワイヤB1の
送給速度を増減することは、被溶接物の開先に溶着する
金属量を増減させることであるために、溶融金属が不足
したときは開先を満たすことができずにアンダカットが
生じ、逆に、溶融金属が多すぎるときはオーバーラップ
が生じる場合がある。
【0033】また、第2のワイヤB1のアーク長のみを
変更する別の方法としては、図6に示す第2のベース電
流設定回路BIB又は第2のピーク電流設定回路BIP
又は遅延時間設定回路TODの設定値を変更することが
考えられる。しかし、通常のパルスアーク溶接装置にお
いては、溶接装置の機種ごとに所望の溶接電流値に対し
てベース電流値、ベース電流通電時間、ピーク電流値、
ピーク電流通電時間等が予め設定されているために、こ
れらの設定値を溶接作業中に変更することはできない。
したがって、第2のベース電流値又は第2のピーク電流
値の設定値を変更するためには、溶接作業を中断して、
図6に示す第2のベース電流設定回路BIB又は第2の
ピーク電流設定回路BIPの設定値を変更して、再び溶
接作業を行い、また第2のワイヤB1のアーク長が適正
値でないときは、再び溶接作業を中断して上記の設定値
を変更するという手間が掛かる。
【0034】
【課題を解決するための手段】出願時の請求項1に記載
の発明は、図17及び図18に示す実施例1であって、
第1のワイヤA1の第1の溶接電流AIwのパルス周波
数を変化させることによって第1のワイヤA1のアーク
長を制御し、第2のワイヤB1の第2の溶接電流BIw
の第2のピーク電流BIpの値を変化させることによっ
て第2のワイヤB1のアーク長を制御する場合であり、
1つの溶接トーチ4から互いに電気的に絶縁された第1
のワイヤA1及び第2のワイヤB1をそれぞれ予め設定
した送給速度で送給し、上記第1のワイヤA1には予め
設定した第1のピーク電流AIpの通電と予め設定した
第1のベース電流AIbの通電とを1周期とする通電を
繰り返すと共に、上記第2のワイヤB1には予め設定し
た第2のピーク電流BIpの通電と予め設定した第2の
ベース電流BIbの通電とを1周期とする通電を繰り返
し、上記第1のワイヤA1及び上記第2のワイヤB1と
被溶接物2との間に2つのアークA3及びB3をそれぞ
れ発生させて溶接する多電極パルスアーク溶接制御方法
において、上記第2のワイヤB1に、上記第1のピーク
電流AIpの通電期間は第2のピーク電流BIpを通電
し、上記第1のベース電流AIbの通電期間は第2のベ
ース電流BIbを通電し、第1の溶接電流AIwのパル
ス周波数を変化させて上記第1の溶接電流AIwの平均
値を増減させることによって上記第1のワイヤA1のア
ーク長を制御し、第2の溶接電流BIwの第2のピーク
電流BIpの値を変化させて第2の溶接電流BIwの平
均値を増減させることによって第2のワイヤB1のアー
ク長を制御し、溶接作業者が条件出し中に溶接装置の外
部から第2の溶接電流BIwの第2のピーク電流設定値
BIpを変更する多電極パルスアーク溶接制御方法であ
る。
【0035】出願時の請求項2に記載の発明は、図19
及び図22に示す実施例2であって、第1のワイヤA1
の第1の溶接電流AIwのパルス周波数を変化させるこ
とによって第1のワイヤA1のアーク長を制御し、第2
のワイヤB1の第2の溶接電圧BVwの第2のピーク電
圧BVpの値を変化させることによって第2のワイヤB
1のアーク長を制御する場合であり、1つの溶接トーチ
4から互いに電気的に絶縁された第1のワイヤA1及び
第2のワイヤB1をそれぞれ予め設定した送給速度で送
給し、上記第1のワイヤA1には予め設定した第1のピ
ーク電流AIpの通電と予め設定した第1のベース電流
AIbの通電とを1周期とする通電を繰り返すと共に、
上記第2のワイヤB1には予め設定した第2のピーク電
圧BVpの印加による第2のピーク電流BIpの通電と
第2のベース電圧BVbの印加による第2のベース電流
BIbの通電とを1周期とする通電を繰り返し、上記第
1のワイヤA1及び上記第2のワイヤB1と被溶接物2
との間に2つのアークA3及びB3をそれぞれ発生させ
て溶接する多電極パルスアーク溶接制御方法において、
上記第2のワイヤB1に、上記第1のピーク電流AIp
の通電期間は上記第2のピーク電圧BVpを印加して第
2のピーク電流BIpを通電し、上記第1のベース電流
AIbの通電期間は上記第2のベース電圧BVbを印加
して第2のベース電流BIbを通電し、第1の溶接電流
AIwのパルス周波数を変化させて上記第1の溶接電流
AIwの平均値を増減させることによって上記第1のワ
イヤA1のアーク長を制御し、第2の溶接電圧BVwの
第2のピーク電圧設定値BVpを変化させて第2のワイ
ヤB1のアーク長を制御し、溶接作業者が条件出し中に
溶接装置の外部から第2の溶接電圧BVwの第2のピー
ク電圧設定値BVpを変更する多電極パルスアーク溶接
制御方法である。
【0036】出願時の請求項3に記載の発明は、図17
に示す実施例1であって、1つの溶接トーチ4から互い
に電気的に絶縁された第1のワイヤA1及び第2のワイ
ヤB1をそれぞれ予め設定した送給速度で送給し、上記
第1のワイヤA1には予め設定した第1のピーク電流A
Ipの通電と予め設定した第1のベース電流AIbの通
電とを1周期とする通電を繰り返すと共に、上記第2の
ワイヤB1には予め設定した第2のピーク電流BIpの
通電と予め設定した第2のベース電流BIbの通電とを
1周期とする通電を繰り返し、上記第1のワイヤA1及
び上記第2のワイヤB1と被溶接物2との間に2つのア
ークA3及びB3をそれぞれ発生させて溶接する多電極
パルスアーク溶接装置において、上記第1のワイヤA1
と被溶接物2との間の第1の溶接電圧AVwを検出して
電圧検出信号Vdを出力する電圧検出回路VDと、電圧
設定信号Vsを出力する電圧設定回路VSと、上記電圧
検出信号Vd及び上記電圧設定信号Vsを入力としてそ
れらの信号間の誤差によるパルス周波数変調制御によっ
て第1のパルス周期信号ATfを出力する変調回路MC
と、第1のピーク電流設定信号AIpを出力する第1の
ピーク電流設定回路AIPと、第1のベース電流設定信
号AIbを出力する第1のベース電流設定回路AIB
と、上記第1のパルス周期信号ATfと上記第1のピー
ク電流設定信号AIpと上記第1のベース電流設定信号
AIbとを入力として上記第1のパルス周期信号ATf
によって上記第1のピーク電流設定信号AIpと上記第
1のベース電流設定信号AIbとを切り換えて第1の電
流制御設定信号AIscとして出力する第1の切換回路A
SWとから成り、上記第1の電流制御設定信号AIscに
よって上記第1の溶接電流AIwを制御する第1の溶接
電源装置APS並びに第2のピーク電流設定信号BIp
を出力する第2のピーク電流設定回路BIPと、第2の
ベース電流設定信号BIbを出力する第2のベース電流
設定回路BIBと、上記第1のパルス周期信号ATfと
上記第2のピーク電流設定信号BIpと上記第2のベー
ス電流設定信号BIbとを入力として上記第1のパルス
周期信号ATfによって上記第2のピーク電流設定信号
BIpと上記第2のベース電流設定信号BIbとを切り
換えて第2の電流制御設定信号BIscとして出力する第
2の切換回路BSWと、第2の溶接電流BIwの第2の
ピーク電流設定値を変更するためのピーク電流設定値調
整信号BIsを第2のピーク電流設定回路BIPに出力
し溶接作業者が条件出し中に操作できるように溶接装置
の外部に設けたピーク電流設定値調整回路BISとから
成り、上記第2の電流制御設定信号BIscによって第2
の溶接電流BIwを制御する第2の溶接電源装置BPS
から構成される多電極パルスアーク溶接装置である。
【0037】出願時の請求項4に記載の発明は、図19
に示す実施例2であって、1つの溶接トーチ4から互い
に電気的に絶縁された第1のワイヤA1及び第2のワイ
ヤB1をそれぞれ予め設定した送給速度で送給し、上記
第1のワイヤA1には予め設定した第1のピーク電流A
Ipの通電と予め設定した第1のベース電流AIbの通
電とを1周期とする通電を繰り返すと共に、上記第2の
ワイヤB1には予め設定した第2のピーク電圧BVpの
印加による第2のピーク電流BIpの通電と第2のベー
ス電圧BVbの印加による第2のベース電流BIbの通
電とを1周期とする通電を繰り返し、上記第1のワイヤ
A1及び上記第2のワイヤB1と被溶接物2との間に2
つのアークA3及びB3をそれぞれ発生させて溶接する
多電極パルスアーク溶接装置において、上記第1のワイ
ヤA1と被溶接物2との間の第1の溶接電圧AVwを検
出して電圧検出信号Vdを出力する電圧検出回路VD
と、電圧設定信号Vsを出力する電圧設定回路VSと、
上記電圧検出信号Vd及び上記電圧設定信号Vsを入力
としてそれらの信号間の誤差によるパルス周波数変調制
御によって第1のパルス周期信号ATfを出力する変調
回路MCと、第1のピーク電流設定信号AIpを出力す
る第1のピーク電流設定回路AIPと、第1のベース電
流設定信号AIbを出力する第1のベース電流設定回路
AIBと、上記第1のパルス周期信号ATfと上記第1
のピーク電流設定信号AIpと上記第1のベース電流設
定信号AIbとを入力として上記第1のパルス周期信号
ATfによって上記第1のピーク電流設定信号AIpと
上記第1のベース電流設定信号AIbとを切り換えて第
1の電流制御設定信号AIscとして出力する第1の切換
回路ASWとから成り、上記第1の電流制御設定信号A
Iscによって上記第1の溶接電流AIwを制御する第1
の溶接電源装置APS並びにピーク電圧設定信号BVp
を出力するピーク電圧設定回路BVPと、ベース電圧設
定信号BVbを出力するベース電圧設定回路BVBと、
上記第1のパルス周期信号ATfと上記ピーク電圧設定
信号BVpと上記ベース電圧設定信号BVbとを入力と
して上記第1のパルス周期信号ATfによって上記ピー
ク電圧設定信号BVpと上記ベース電圧設定信号BVb
とを切り換えて電圧制御設定信号BVscとして出力する
第2の切換回路BSWと、第2の溶接電圧BVwのピー
ク電圧設定値を変更するためのピーク電圧設定値調整信
号BVsをピーク電圧設定回路BVPに出力し溶接作業
者が条件出し中に操作できるように溶接装置の外部に設
けたピーク電圧設定値調整回路BVSとから成り、上記
電圧制御設定信号BVscによって第2の溶接電圧BVw
を制御する第2の溶接電源装置BPSから構成される多
電極パルスアーク溶接装置である。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本出願に係る発明の特徴
を最もよく表す図である。後述する図22と同じなの
で、説明は図22で後述する。発明の実施の形態は、出
願時の請求項1に記載の多電極パルスアーク溶接制御方
法であって、1つの溶接トーチ4から互いに電気的に絶
縁された第1のワイヤA1及び第2のワイヤB1をそれ
ぞれ予め設定した送給速度で送給し、上記第1のワイヤ
A1には予め設定した第1のピーク電流AIpの通電と
予め設定した第1のベース電流AIbの通電とを1周期
とする通電を繰り返すと共に、上記第2のワイヤB1に
は予め設定した第2のピーク電流BIpの通電と予め設
定した第2のベース電流BIbの通電とを1周期とする
通電を繰り返し、上記第1のワイヤA1及び上記第2の
ワイヤB1と被溶接物2との間に2つのアークA3及び
B3をそれぞれ発生させて溶接する多電極パルスアーク
溶接制御方法において、上記第2のワイヤB1に、上記
第1のピーク電流AIpの通電期間は第2のピーク電流
BIpを通電し、上記第1のベース電流AIbの通電期
間は第2のベース電流BIbを通電し、第1の溶接電流
AIwのパルス周波数を変化させて上記第1の溶接電流
AIwの平均値を増減させることによって上記第1のワ
イヤA1のアーク長を制御し、第2の溶接電流BIwの
第2のピーク電流BIpの値を変化させて第2の溶接電
流BIwの平均値を増減させることによって第2のワイ
ヤB1のアーク長を制御し、溶接作業者が条件出し中に
溶接装置の外部から第2の溶接電流BIwの第2のピー
ク電流設定値BIpを変更する多電極パルスアーク溶接
制御方法である。
【0039】
【実施例】[実施例1]図17は、出願時の請求項1及
び請求項3の実施例であって、本発明の多電極パルスア
ーク溶接装置の実施例1のブロック図を示す図である。
同図において、図6の従来技術の多電極パルスアーク溶
接装置と異なる箇所は、ピーク電流設定値調整回路BI
Sを溶接装置の外部に設けたことである。ピーク電流設
定値調整回路BISはピーク電流設定値調整信号BIs
を第2のピーク電流設定回路BIPに出力する。第2の
ピーク電流設定回路BIPはピーク電流設定値調整信号
BIsを入力して、第2のピーク電流設定値が変更され
る。その他は、図6に示した機能と同機能に同符号を付
し、説明を省略する。
【0040】図18は、実施例1の多電極パルスアーク
溶接制御方法の溶接電流を示す図であり、同図(A)は
第1のアークA3及び第2のアークB3を共に適正なア
ーク長に調整する過程を示す図であり、同図(B)は第
1の溶接電流AIwの時間変化を示す図であり、同図
(C)は第2の溶接電流BIwの時間変化を示す図であ
る。説明を容易にするために、図17に示す倍率設定信
号n=1とし、遅延時間設定信号Todで定まる期間を零
とする。
【0041】作業者が溶接の条件出しを開始し、時刻t
1から時刻t2の同図(A1)のアーク長を観察した結
果、第1のワイヤA1のアーク長が適正値よりも短いと
判断して、作業者が時刻t2において、図17に示す電
圧設定回路VSを調整して第1のパルス周期信号ATf
の周波数を増加させ第1ワイヤA1のワイヤ溶融速度を
増加させる。第1の溶接電流AIwが増加して、第1の
ワイヤA1のアーク長は適正値になる。しかし、第1の
ワイヤA1のアーク長は適正値になるが、逆に第2の溶
接電流BIwの第2のパルス周期信号BTfは、第1の
溶接電流AIwの第1のパルス周期信号ATfに同期し
ているために、第2の溶接電流BIwのパルス周波数も
増加して第2の溶接電流BIwが増加して、第2のワイ
ヤB1の溶融速度が増加して、同図(A2)に示すよう
に、第2のワイヤB1のアーク長が適正値よりも長くな
ってしまう。そこで、作業者が時刻t3において、図1
7に示す電源装置の外部に設けられたピーク電流設定値
調整回路BISを調整して、第2のピーク電流BIpを
減少させる指令を行うピーク電流設定値調整信号BIs
を第2のピーク電流設定回路BIPに出力する。その結
果、第2の溶接電流BIwが減少して、第2のワイヤB
1の溶融速度が減少して、同図(A3)に示すように、
第2のワイヤB1のアーク長が適正値に復帰する。
【0042】したがって、条件出しの作業中に第2のピ
ーク電流設定回路BIPの第2のピーク電流設定値BI
pを変更することができるので、第2のワイヤB1のア
ーク長を容易に適正値に合わすことができる。
【0043】[実施例2]図19は、出願時の請求項2
及び請求項4の実施例であって、本発明の多電極パルス
アーク溶接装置の実施例2のブロック図を示す図であ
る。図17の実施例1では、作業者が条件出しの作業中
に第2のピーク電流設定回路BIPの第2のピーク電流
設定値BIpを変更して第2のワイヤB1のアーク長を
適正値に合わせられるようにしたのに対して、図19の
実施例2では、作業者が条件出しの作業中にピーク電圧
設定回路BVPのピーク電圧設定値BVpを変更して第
2のワイヤB1のアーク長を適正値に合わせられるよう
にしている。図17のブロック図の第2の溶接電源装置
BPSの各構成が、図19のブロック図では第2の溶接
電源装置BPSの電圧検出回路VD、電圧誤差増幅回路
EV、ピーク電圧設定回路BVP、ベース電圧設定回路
BVB及びピーク電圧設定値調整回路BVSになってい
る。図19に示す実施例2においては、上記の第2の溶
接電源装置BPSの電圧検出回路VD、電圧誤差増幅回
路EV及びピーク電圧設定回路BVPを備えているの
で、図17に示す実施例1に比較して、第2の溶接電源
装置BPSにもアーク長制御機能を備えているので、第
2のアークB3にだけアーク長変動が生じた場合にも第
2のアークB3をも適正なアーク長に制御する機能を備
えている。
【0044】図19を参照して、図17と異なる構成に
ついて説明する。同図において、ピーク電圧設定値調整
回路BVSはピーク電圧設定値調整信号BVsをピーク
電圧設定回路BVPに出力する。ピーク電圧設定回路B
VPはピーク電圧設定値調整信号BVsを入力して、ピ
ーク電圧設定値が変更される。ピーク電圧設定回路BV
Pは、設定されたピーク電圧設定値に対応したピーク電
圧設定信号BVpを出力する。ベース電圧設定回路BV
Bは、予め設定したベース電圧設定信号BVbを出力す
る。第2の切換回路BSWは、上記の切替信号AdがH
ighレベルのときはa側に接続されて上記の第2のピ
ーク電圧設定信号BVpを第1の電流制御設定信号BV
scとして出力する。また、上記の切替信号AdがLow
レベルのときはb側に接続されて上記の第2のベース電
圧設定信号BVbを第2の電流制御設定信号BVscとし
て出力する。電圧誤差増幅回路EVは、フィードバック
信号である電圧検出信号Vdと、目標値である上記の第
2の電圧制御設定信号BVscとの誤差を増幅して、電圧
誤差増幅信号Evを出力する。この電圧誤差増幅信号E
vに従って出力制御回路INVによる出力制御が行われ
て、第2の溶接電圧BVwが印加される。その他は、図
6に示した機能と同機能に同符号を付し、説明を省略す
る。
【0045】前述したように、図19に示す実施例2に
おいては、図17に示す実施例1に比較して、第2の溶
接電源装置BPSにもアーク長制御機能を備えているの
で、まず最初に、図20及び図21を参照して、第2の
アークB3にだけアーク長変動が生じた場合にも第2の
アークB3をも適正なアーク長に制御する機能について
説明し、次に、図22を参照して、図17と同様の条件
出しの作業中に第2のピーク電圧設定回路BVPの第2
のピーク電圧設定値BVpを変更する機能について説明
する。
【0046】以下、図20及び図21を参照して、第2
のアークB3にだけアーク長変動が生じた場合にも第2
のアークB3をも適正なアーク長に制御する機能につい
て説明する。図19において、第1のワイヤA1につい
ては、第1の溶接電流AIwのパルス周波数を変化させ
て第1の溶接電流AIwの平均値を増減させることによ
って第1のワイヤA1のアーク長を制御する。また、第
2のワイヤB1については、第2のパルス周期BTfを
第1の溶接電流AIwの第1のパルス周期ATfに同期
させ、ピーク電圧設定回路BVPのピーク電圧設定信号
BVpの第2のパルス周期BTfを増減させて第2の溶
接電流BIwの第2のピーク電流BIpの値を変化させ
て第2の溶接電流BIwの平均値を増減させることによ
って第2のワイヤB1のアーク長を制御する。
【0047】ここで、上記の第2の溶接電流BIwの第
2のピーク電流BIpの値を変化させることによって第
2のワイヤB1のアーク長を制御することを説明する。
図20は、実施例2の多電極パルスアーク溶接制御方法
の溶接電流を示す図であり、同図(A)は第1の溶接電
流AIwの時間変化を示しており、同図(B)は第2の
溶接電流BIwの時間変化を示している。説明を容易に
するために、図Bに示す倍率設定信号n=1で、ピーク
電圧設定値調整回路BVSを調整しない場合とする。ま
た、図21は、第2のワイヤB1の先端から被溶接物2
までの距離であるアーク長が変化したときの第2のピー
ク電流BIp[A](横軸)と第2のピーク電圧BVp
[V](縦軸)との関係を示す図である。
【0048】図20に示す時刻t1からt2までの期間
は、図21に示す第2のピーク電流BIpとしてBIp2が
通電されて第2のワイヤB1のワイヤ送給速度とワイヤ
溶融量とがバランスしているとする。このときのアーク
長LbをLb2とする。そして、第1のワイヤA1と第2
のワイヤB1とは溶接トーチ4で一体であるので、上述
した第1のワイヤA1と同様に、図20に示す時刻t2
乃至t3の期間において、チップと被溶接物との間の距
離が変動してアーク長Lbが短くなり図21に示すLb3
になると、第2のピーク電流BIpは増加してBIp2から
BIp3となり、図20に示す時刻t3からt4までの期間
において通電する第2のピーク電流BIpが大きくな
る。したがって、第2のワイヤB1の溶融速度が増加し
てアーク長LbがLb2に復帰する。次に、図20に示す
時刻t3からt4までの期間において、チップと被溶接
物との間の距離が変動して、図21に示すように、アー
ク長Lbが長くなりLb1になると、第2のピーク電流B
Ipは減少してBIp2からBIp1となり、図20に示す時刻
t4からt5までの期間において通電する第2のピーク
電流BIpが小さくなる。したがって、第2のワイヤB
1の溶融速度が減少してアーク長がLb2に復帰する。そ
して、図20に示す時刻t4乃至t5において、前述し
た時刻t1乃至t2の期間と同じパルス周期の第2溶接
電流BIwが通電する。
【0049】以下、図22を参照して、図1と同様の条
件出しの作業中に第2のピーク電圧設定回路BVPの第
2のピーク電圧設定値BVsを変更する機能について説
明する。図22は、実施例2の多電極パルスアーク溶接
制御方法の溶接電流を示す図であり、同図(A)は第1
のアークA3及び第2のアークB3を共に適正なアーク
長に調整する過程を示す図であり、同図(B)は第1の
溶接電流AIwの時間変化を示す図であり、同図(C)
は第2の溶接電流BIwの時間変化を示す図である。説
明を容易にするために、図19に示す倍率設定信号n=
1とし、遅延時間設定信号Todで定まる期間を零とす
る。
【0050】作業者が溶接の条件出しを開始し、時刻t
1から時刻t2の同図(A1)のアーク長を観察した結
果、第1のワイヤA1のアーク長が適正値よりも短いと
判断して、作業者が時刻t2において、図19に示す電
圧設定回路VSを調整して第1のパルス周期信号ATf
の周波数を増加させ第1のワイヤA1のワイヤ溶融速度
を増加させる。第1の溶接電流AIwが増加して、第1
のワイヤA1のアーク長は適正値になる。しかし、第1
のワイヤA1のアーク長は適正値になるが、逆に第2の
溶接電流BIwの第2のパルス周期信号BTfは、第1
の溶接電流AIwの第1のパルス周期信号ATfに同期
しているために、第2の溶接電流BIwのパルス周波数
も増加して第2の溶接電流BIwが増加して、第2のワ
イヤB1の溶融速度が増加して、同図(A2)に示すよ
うに、第2のワイヤB1のアーク長が適正値よりも長く
なってしまう。そこで、作業者が時刻t3において、図
19に示す電源装置の外部に設けられたピーク電圧設定
値調整回路BVSを調整して、ピーク電圧設定値BVp
を減少させる指令を行うピーク電圧設定値調整信号BV
sをピーク電圧設定回路BVPに出力する。その結果、
第2の溶接電流BIwが減少して、第2のワイヤB1の
溶融速度が減少して、同図(A3)に示すように、第2
のワイヤB1のアーク長が適正値に復帰する。
【0051】したがって、条件出しの作業中にピーク電
圧設定回路BVPのピーク電圧設定値BVpを変更する
ことができるので、第2のワイヤB1のアーク長を容易
に適正値に合わすことができる。
【0052】
【発明の効果】本発明の多電極パルスアーク溶接制御方
法及び溶接装置は、実施例1においては、第2のワイヤ
B1に通電する第2の溶接電流BIwの第2のピーク電
流設定値を変更するためのピーク電流設定値調整回路B
ISを溶接装置の外部に設けたことによって、条件出し
の作業中に第2のピーク電流設定回路BIPの第2のピ
ーク電流設定値BVpを変更することができるので、第
2のワイヤB1のアーク長を容易に適正値に合わすこと
ができる。また、実施例2においては、第2のワイヤB
1に印加する第2の溶接電圧のピーク電圧設定値BVp
を変更するためのピーク電圧設定値調整回路BVSを溶
接装置の外部に設けたことによって、条件出しの作業中
にピーク電圧設定回路BVPのピーク電圧流設定値を変
更することができるので、第2のワイヤB1のアーク長
を容易に適正値に合わすことができる。この実施例2に
おいては、更に、第2の溶接電源装置BPSの電圧検出
回路VD、電圧誤差増幅回路EV及びピーク電圧設定回
路BVPを備えているので、実施例1に比較して、第2
の溶接電源装置BPSにもアーク長制御機能を備えてい
るので、第2のアークB3にだけアーク長変動が生じた
場合にも第2のアークB3をも適正なアーク長に制御す
る機能を備えているので、実施例1よりも溶接条件設定
範囲が広くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願に係る発明の特徴を最もよく表す図であ
る。
【図2】従来技術1の2本のワイヤにそれぞれのパルス
電流のピーク期間が重ならないように通電して制御する
ことを説明するためのパルス電流を示す図である。
【図3】従来技術1のパルス周波数を高くして第1の溶
接電流AIwと第2の溶接電流BIwとのパルス波形が
密になる場合を示す図である。
【図4】図3に示す時刻t2における溶滴1の離脱時の
アーク状態を説明する図である。
【図5】被溶接物が軟鋼で、直径が1.2[mm]の軟
鋼ワイヤを使用してアルゴンが80[%]と炭酸ガスが
20[%]とのシールドガスで消耗電極ガスシールドア
ーク溶接制御方法を実施したときの第2のワイヤB1の
平均通電電流値[A](横軸)と最大溶接速度[m/m
in](縦軸)との関係を示す図である。
【図6】従来技術2の多電極パルスアーク溶接装置の回
路構成を示すブロック図である。
【図7】第1のワイヤA1の突出し長さLeの時間の経
過t及び第1の溶接電流AIwのパルスの時間の経過t
を示す図である。
【図8】第1のワイヤA1の先端から被溶接物2までの
距離であるアーク長Laが変化したときの第1の溶接電
流AIw[A](横軸)と第1の溶接電圧AVw[V]
(縦軸)との関係を示す図である。
【図9】従来技術2の倍率設定回路NSが出力する倍率
設定信号n=1の場合の溶接電流の波形を示す図であ
る。
【図10】従来技術2の倍率設定回路NSが出力する倍
率設定信号n=2の場合の溶接電流の波形を示す図であ
る。
【図11】図6に示した第2の従来技術の多電極パルス
アーク溶接装置において、倍率設定回路NSが出力する
倍率設定信号n=2の場合の詳細な溶接電流の波形を示
す図である。
【図12】図6に示した第2の従来技術の多電極パルス
アーク溶接装置において、倍率設定回路NSが出力する
倍率設定信号n=2の場合のアークの発生状態を示す図
である。
【図13】図6に示した第2の従来技術の多電極パルス
アーク溶接装置において、倍率設定回路NSが出力する
倍率設定信号n=2の場合の溶滴移行を示す図である。
【図14】ある溶接条件を設定した場合の理想的な第1
のワイヤA1及び第2のワイヤB1のアーク長を示す図
である。
【図15】条件出しにおいて溶接を行った場合の第1の
ワイヤA1及び第2のワイヤB1のアーク長を示す図で
ある。
【図16】電圧設定回路VSの設定値を大きくすること
によって、第2のワイヤB1のアーク長が適正値よりも
長くなる状態を示す図である。
【図17】本発明の多電極パルスアーク溶接装置の実施
例1のブロック図を示す図である。
【図18】実施例1の多電極パルスアーク溶接制御方法
の溶接電流を示す図である。
【図19】本発明の多電極パルスアーク溶接装置の実施
例2のブロック図を示す図である。
【図20】実施例2の多電極パルスアーク溶接制御方法
の溶接電流を示す図である。
【図21】第2のワイヤB1の先端から被溶接物2まで
の距離であるアーク長Lbが変化したときの第2のピー
ク電流BIp[A](横軸)と第2のピーク電圧BVp
[V](縦軸)との関係を示す図である。
【図22】実施例2の多電極パルスアーク溶接制御方法
の溶接電流を示す図である。
【符号の説明】
1 溶滴 2 被溶接物 4 溶接トーチ A1 第1のワイヤ A3 第1のアーク A41 第1のチップ Ad 切換信号 AIB 第1のベース電流設定回路 AIb 第1のベース電流、第1のベース電流設定信号 AIP 第1のピーク電流設定回路 AIp 第1のピーク電流、第1のピーク電流設定信号 AIsc 第1の電流制御設定信号 AIw 第1の溶接電流 AND 論理積回路 APS 第1の溶接電源装置 ASW 第1の切換回路 ATf 第1のパルス周期、第1のパルス周期信号 ATb 第1のベース電流通電時間 ATp 第1のピーク電流通電時間 AVw 第1の溶接電圧 AWF 第1のワイヤ送給装置 AWS 第1の送給速度設定回路 AWs 第1の送給速度設定信号 B1 第2のワイヤ B3 第2のアーク B41 第2のチップ BIB 第2のベース電流設定回路 BIb 第2のベース電流、第2のベース電流設定信号 BIP 第2のピーク電流設定回路 BIp 第2のピーク電流、第2のピーク電流設定信号 BIS ピーク電流設定値調整回路 BIs ピーク電流設定値調整信号 BIsc 第2の電流制御設定信号 BIw 第2の溶接電流 BPS 第2の溶接電源装置 BSW 第2の切換回路 BTf 第2のパルス周期、第2のパルス周期信号 BTp 第2のピーク電流通電時間 BVB ベース電圧設定回路 BVb ベース電圧設定信号 BVS ピーク電圧設定値調整回路 BVs ピーク電圧設定値調整信号 BVP ピーク電圧設定回路 BVp ピーク電圧設定信号 BVw 第2の溶接電圧 BWF 第2のワイヤ送給装置 BWS 第2の送給速度設定回路 BWs 第2の送給速度設定信号 EI 電流誤差増幅回路 Ei 電流誤差増幅信号 EV 電圧誤差増幅回路 Ev 電圧誤差増幅信号 F 電磁力 ID 電流検出回路 Id 電流検出信号 INV 出力制御回路 La、Lb アーク長 MC 変調回路 MM モノマルチバイブレータ NS 倍率設定回路 n 倍率、倍率設定信号 OD 遅延回路 Od 遅延信号 TC 周期変換回路 TOD 遅延時間設定回路 Tod 遅延時間設定信号 TP ピーク電流通電時間設定回路 Tp ピーク電流通電時間設定信号 VD 電圧検出回路 Vd 電圧検出信号 VF V/F変換回路 Vf V/F変換信号 VS 電圧設定回路 Vs 電圧設定信号 WC 送給制御回路 Wc 送給制御信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された第1のワイヤ及び第2のワイヤをそれぞれ予め
    設定した送給速度で送給し、前記第1のワイヤには予め
    設定した第1のピーク電流の通電と予め設定した第1の
    ベース電流の通電とを1周期とする通電を繰り返すと共
    に、前記第2のワイヤには予め設定した第2のピーク電
    流の通電と予め設定した第2のベース電流の通電とを1
    周期とする通電を繰り返し、前記第1のワイヤ及び前記
    第2のワイヤと被溶接物との間に2つのアークをそれぞ
    れ発生させて溶接する多電極パルスアーク溶接制御方法
    において、前記第2のワイヤに、前記第1のピーク電流
    の通電期間は第2のピーク電流を通電し、前記第1のベ
    ース電流の通電期間は第2のベース電流を通電し、第1
    の溶接電流のパルス周波数を変化させて前記第1の溶接
    電流の平均値を増減させることによって前記第1のワイ
    ヤのアーク長を制御し、第2の溶接電流の第2のピーク
    電流の値を変化させて前記第2の溶接電流の平均値を増
    減させることによって前記第2のワイヤのアーク長を制
    御し、溶接作業者が条件出し中に溶接装置の外部から前
    記第2の溶接電流の前記第2のピーク電流設定値を変更
    する多電極パルスアーク溶接制御方法。
  2. 【請求項2】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された第1のワイヤ及び第2のワイヤをそれぞれ予め
    設定した送給速度で送給し、前記第1のワイヤには予め
    設定した第1のピーク電流の通電と予め設定した第1の
    ベース電流の通電とを1周期とする通電を繰り返すと共
    に、前記第2のワイヤには予め設定した第2のピーク電
    圧の印加による第2のピーク電流の通電と第2のベース
    電圧の印加による第2のベース電流の通電とを1周期と
    する通電を繰り返し、前記第1のワイヤ及び前記第2の
    ワイヤと被溶接物との間に2つのアークをそれぞれ発生
    させて溶接する多電極パルスアーク溶接制御方法におい
    て、前記第2のワイヤに、前記第1のピーク電流の通電
    期間は前記第2のピーク電圧を印加して前記第2のピー
    ク電流を通電し、前記第1のベース電流の通電期間は前
    記第2のベース電圧を印加して前記第2のベース電流を
    通電し、第1の溶接電流のパルス周波数を変化させて前
    記第1の溶接電流の平均値を増減させることによって前
    記第1のワイヤのアーク長を制御し、第2の溶接電圧の
    前記第2のピーク電圧設定値を変化させて前記第2のワ
    イヤのアーク長を制御し、溶接作業者が条件出し中に溶
    接装置の外部から前記第2の溶接電圧の前記第2のピー
    ク電圧設定値を変更する多電極パルスアーク溶接制御方
    法。
  3. 【請求項3】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された第1のワイヤ及び第2のワイヤをそれぞれ予め
    設定した送給速度で送給し、前記第1のワイヤには予め
    設定した第1のピーク電流の通電と予め設定した第1の
    ベース電流の通電とを1周期とする通電を繰り返すと共
    に、前記第2のワイヤには予め設定した第2のピーク電
    流の通電と予め設定した第2のベース電流の通電とを1
    周期とする通電を繰り返し、前記第1のワイヤ及び前記
    第2のワイヤと被溶接物との間に2つのアークをそれぞ
    れ発生させて溶接する多電極パルスアーク溶接装置にお
    いて、前記第1のワイヤと被溶接物との間の第1の溶接
    電圧を検出して電圧検出信号を出力する電圧検出回路
    と、電圧設定信号を出力する電圧設定回路と、前記電圧
    検出信号及び前記電圧設定信号を入力としてそれらの信
    号間の誤差によるパルス周波数変調制御によって第1の
    パルス周期信号を出力する変調回路と、第1のピーク電
    流設定信号を出力する第1のピーク電流設定回路と、第
    1のベース電流設定信号を出力する第1のベース電流設
    定回路と、前記第1のパルス周期信号と前記第1のピー
    ク電流設定信号と前記第1のベース電流設定信号とを入
    力として前記第1のパルス周期信号によって前記第1の
    ピーク電流設定信号と前記第1のベース電流設定信号と
    を切り換えて第1の電流制御設定信号として出力する第
    1の切換回路とから成り、前記第1の電流制御設定信号
    によって第1の溶接電流を制御する第1の溶接電源装置
    並びに第2のピーク電流設定信号を出力する第2のピー
    ク電流設定回路と、第2のベース電流設定信号を出力す
    る第2のベース電流設定回路と、前記第1のパルス周期
    信号と前記第2のピーク電流設定信号と前記第2のベー
    ス電流設定信号とを入力として前記第1のパルス周期信
    号によって前記第2のピーク電流設定信号と前記第2の
    ベース電流設定信号とを切り換えて第2の電流制御設定
    信号として出力する第2の切換回路と、第2の溶接電流
    の第2のピーク電流設定値を変更するためのピーク電流
    設定値調整信号を前記第2のピーク電流設定回路に出力
    し溶接作業者が条件出し中に操作できるように溶接装置
    の外部に設けたピーク電流設定値調整回路とから成り、
    前記第2の電流制御設定信号BIscによって前記第2の
    溶接電流BIwを制御する第2の溶接電源装置から構成
    される多電極パルスアーク溶接装置。
  4. 【請求項4】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された第1のワイヤ及び第2のワイヤをそれぞれ予め
    設定した送給速度で送給し、前記第1のワイヤには予め
    設定した第1のピーク電流の通電と予め設定した第1の
    ベース電流の通電とを1周期とする通電を繰り返すと共
    に、前記第2のワイヤには予め設定した第2のピーク電
    圧の印加による第2のピーク電流の通電と第2のベース
    電圧の印加による第2のベース電流の通電とを1周期と
    する通電を繰り返し、前記第1のワイヤ及び前記第2の
    ワイヤと被溶接物との間に2つのアークをそれぞれ発生
    させて溶接する多電極パルスアーク溶接装置において、
    前記第1のワイヤと被溶接物との間の第1の溶接電圧を
    検出して電圧検出信号を出力する電圧検出回路と、電圧
    設定信号を出力する電圧設定回路と、前記電圧検出信号
    及び前記電圧設定信号を入力としてそれらの信号間の誤
    差によるパルス周波数変調制御によって第1のパルス周
    期信号を出力する変調回路と、第1のピーク電流設定信
    号を出力する第1のピーク電流設定回路と、第1のベー
    ス電流設定信号を出力する第1のベース電流設定回路
    と、前記第1のパルス周期信号と前記第1のピーク電流
    設定信号と前記第1のベース電流設定信号とを入力とし
    て前記第1のパルス周期信号によって前記第1のピーク
    電流設定信号と前記第1のベース電流設定信号とを切り
    換えて第1の電流制御設定信号として出力する第1の切
    換回路とから成り、前記第1の電流制御設定信号によっ
    て第1の溶接電流を制御する第1の溶接電源装置並びに
    ピーク電圧設定信号を出力するピーク電圧設定回路と、
    ベース電圧設定信号を出力するベース電圧設定回路と、
    前記第1のパルス周期信号と前記ピーク電圧設定信号と
    前記ベース電圧設定信号とを入力として前記第1のパル
    ス周期信号によって前記ピーク電圧設定信号と前記ベー
    ス電圧設定信号とを切り換えて電圧制御設定信号として
    出力する第2の切換回路と、第2の溶接電圧のピーク電
    圧設定値を変更するためのピーク電圧設定値調整信号を
    前記ピーク電圧設定回路に出力し溶接作業者が条件出し
    中に操作できるように溶接装置の外部に設けたピーク電
    圧設定値調整回路とから成り、前記電圧制御設定信号に
    よって前記第2の溶接電圧を制御する第2の溶接電源装
    置から構成される多電極パルスアーク溶接装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100619597B1 (ko) * 2005-06-03 2006-09-01 주식회사 이앤에프열처리 체결품의 흑색 착색 방법
CN106891081A (zh) * 2017-04-28 2017-06-27 广船国际有限公司 一种立角接双丝自动焊接方法
CN109848519A (zh) * 2018-11-30 2019-06-07 北京新立机械有限责任公司 一种机器人双丝四脉冲新型焊接方法

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