JP2002275464A - アルミン酸塩蛍光体,蛍光体ペースト組成物及びそれを用いた真空紫外線励起発光素子 - Google Patents
アルミン酸塩蛍光体,蛍光体ペースト組成物及びそれを用いた真空紫外線励起発光素子Info
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Abstract
劣化の少ない、高輝度の青色ないし青緑色発光のアルミ
ン酸塩蛍光体、蛍光体ペースト組成物、及び真空紫外励
起発光素子を提供しようとするものである。 【解決手段】 Ba,Sr,Ca等のアルカリ土類金属元素と、
Eu2+,Mn2+等の元素と、Mg,Zn等の元素と、Al元素とを含
有するアルミン酸塩蛍光体において、拡散反射法による
蛍光体の赤外吸収スペクトルから波数3500cm-1における
クベルカムンク関数値[f(R)]ν3500と、波数1500cm-1に
おけるクベルカムンク関数値 [f(R)]ν15 00を求め、そ
の比であるα値([f(R)]ν1500/[f(R)]ν3500)が15以
上であるアルミン酸塩蛍光体、該蛍光体を用いた蛍光体
ペースト組成物、及び該蛍光体からなる蛍光体塗布膜を
有する真空紫外線励起発光素子である。
Description
以下の真空紫外線で励起して青色ないし青緑色に発光す
るアルミン酸塩蛍光体、蛍光体ペースト組成物、及び前
記蛍光体からなる蛍光膜を用いた真空紫外線励起発光素
子に関する。
Ne等の希ガスをガラスなどの外囲器に封入し、外囲器
内に形成された蛍光膜を、希ガス放電によって放射され
る真空紫外線で励起して発光させる真空紫外線励起発光
素子の開発が盛んに行われている。
ナーの読みとり用光源である細管ランプとして使われて
いる。このランプは、管の内壁面に、真空紫外線により
励起され発光する蛍光体の蛍光膜が形成されており、管
内にはXe、Xe−Ne等の希ガスが封入されている。
そして、管の両端もしくは管の外面に一対の電極が付設
されている。電気エネルギーを印可すると、細管内に希
ガス放電が起こり、真空紫外線が放射される。
する蛍光膜には(Y,Gd)BO3:Euなどの赤色蛍
光体、LaPO4 :Ce,Tbなどの緑色蛍光体、Ba
MgAl10O17:Eu、(Ba,Sr)MgAl
10O17:Eu,Mnなどの青色ないし青緑色蛍光体が単
独で又はそれらの3色蛍光体を混合して用いられる。
ズマディスプレイパネル(以下「PDP」という。)が
ある。PDPは原理的には、真空紫外線励起の細管ラン
プを小さくした3色のランプを平面状に並べたものであ
る。隔壁で区画された狭い放電空間(以下「セル」とい
う)がマトリックス状もしくはストライプ状に配置され
たものである。各セルには一対の電極が設けられ、各セ
ルの内側に蛍光体を塗布して蛍光膜が形成され、かつ各
セル内にはXe、Xe−Ne、Xe−Ne−He等の希
ガスが封入されている。電極から電気エネルギーを印加
すると、セル内に希ガス放電が起こり、真空紫外線が放
射される。この真空紫外線により蛍光体が励起されて可
視光を発し、この発光によって画像が表示される。
に発光する、(Y,Gd)BO3 :Euなどの赤色蛍光
体、Zn2 SiO4 :Mn、BaAl12O19:Mn、
(Ba,Sr,Mg)O・aAl2 O3 :Mnなどの緑
色蛍光体、BaMgAl10O17:Euなどの青色蛍光体
が使用されている。
ランプ、PDPなど適用される対象物により結合剤や溶
媒の種類が若干異なるものの、基本的には蛍光体とニト
ロセルロース、エチセルロースなどの結合剤を酢酸ブチ
ル、ブチルカルビトールなどの溶媒中で混合して泥状の
蛍光体ペースト組成物を調製し、これをそれぞれの真空
紫外線励起発光素子の細管やセルの内壁に塗布し、乾燥
した後、500℃前後の温度でベーキング処理して形成
するのが一般的である。
過程には、蛍光膜の形成に際し、蛍光体ペーストの塗
布、乾燥、ベーキング処理工程が必須となっている。こ
のベーキング処理工程において、蛍光体の発光輝度が低
下することが問題となっていた。このようなベーキング
処理工程における輝度低下は、特に真空紫外線励起発光
素子の蛍光膜用の代表的な青色ないし青緑色蛍光体であ
る、BaMgAl10O17:Eu蛍光体、(Ba,Sr)
MgAl10O17:Eu,Mn蛍光体など、Eu付活又は
EuとMnで共付活したアルミン酸塩蛍光体において顕
著であり、これらの蛍光体を素子化した真空紫外線励起
発光素子も、青色ないし青緑色発光成分の発光輝度の低
化を回避することができない。そこで、ベーキングによ
る輝度劣化の少ない高輝度の青色ないし青緑色蛍光体、
及び蛍光体ペースト組成物の開発が望まれている。
を解消し、成膜工程のベーキング処理による発光輝度の
劣化の少ない、高輝度の青色ないし青緑色発光のアルミ
ン酸塩蛍光体、蛍光体ペースト組成物、及び真空紫外励
起発光素子を提供しようとするものである。
ーキング処理による輝度劣化の大きい、Eu付活又はE
uとMnで共付活したアルミン酸塩蛍光体について詳細
に検討した結果、蛍光体の赤外線領域における特定波数
域での吸収と、水酸基(OH)によると見られる波数域
での吸収との比の値が、蛍光体のベーキング劣化と相関
関係にあり、この比の値が従来のものより大きいアルミ
ン酸塩蛍光体が、意外にもベーキング処理に対して顕著
な耐性を示すことを見いだした。このベーキング時の輝
度劣化の少ない蛍光体を用いて蛍光体ペースト組成物を
調製し、蛍光膜を形成すると、蛍光体粉体の発光輝度を
維持した高輝度の蛍光膜が得られ、良好な真空紫外線励
起発光素子が得られることがわかった。
アルカリ土類金属元素と、二価ユーロピウム元素(Eu
2+)又は二価ユーロピウム(Eu2+)と二価マンガン
(Mn2+)の2つの元素と、Mg及びZnの群から選択
される1種以上の元素と、Al元素とを少なくとも含有
するアルミン酸塩蛍光体において、拡散反射法による蛍
光体の赤外吸収スペクトルから波数3500cm-1にお
けるクベルカムンク関数値〔f(R)〕ν3500と、波数
1500cm-1におけるクベルカムンク関数値〔f
(R)〕ν1500を求め、その比であるα値(〔f
(R)〕ν1500/〔f(R)〕ν3500)が15以上であ
ることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体。 (2) 前記α値(〔f(R)〕ν1500/〔f(R)〕ν
3500)が22以上であることを特徴とする前記(1) 記載
のアルミン酸塩蛍光体。
蛍光体であることを特徴とする前記(1) 又は(2) 記載の
アルミン酸塩蛍光体。 (M1 1-x Eux )O・a(M2 1-y ,Mny )O・(5.5
−0.5ax)Al2 O3 (式中、M1 は、Ba,Sr及びCaの群から選択され
る1種以上のアルカリ土類金属元素を表し、M2 はMg
及びZnの群から選択される1種以上の元素を表し、a
値、x値及びy値は、それぞれ0<a≦2、0<x<
1、及び0≦y<1の条件を満たす数を表す。)
0<a≦2、0.05≦x≦0.5、0≦y≦0.2の
条件を満たす数であることを特徴とする前記(3) 記載の
アルミン酸塩蛍光体。 (5) 上記a値、x値及びy値が、それぞれ1≦a≦2、
0.05≦x≦0.5、0≦y≦0.2の条件を満たす
数であることを特徴とする前記(3) 記載のアルミン酸塩
蛍光体。 (6) 上記a値、x値及びy値が、それぞれ1≦a≦2、
0.05≦x≦0.5、y=0の条件を満たす数である
ことを特徴とする前記(3) 記載のアルミン酸塩蛍光体。
せてなる蛍光体ペースト組成物において、前記蛍光体が
前記(1) 〜(6) のいずれか1つに記載のアルミン酸塩蛍
光体であることを特徴とする蛍光体ペースト組成物。 (8) 上記蛍光体ペースト組成物中のアルミン酸塩蛍光体
の含有率が5〜60重量%であることを特徴とする前記
(7) 記載の蛍光体ペースト組成物。
器に希ガスを封入し、希ガス放電により蛍光体を励起し
て発光させる真空紫外線励起発光素子において、前記蛍
光膜が前記(7) 又は(8) 記載の蛍光体ペースト組成物に
より形成されてなることを特徴とする真空紫外線励起発
光素子。
MgAl10O17であるアルミン酸塩蛍光体の赤外線吸収
スペクトルを例示したものであり、図1の曲線aは本発
明のBa0.9Eu0.1 MgAl10O17蛍光体、曲線bは
従来のBa0.9 Eu0.1 MgAl10O 17の赤外線吸収ス
ペクトルの例である。なお、図1の赤外線吸収スペクト
ルはNicolet社製赤外線分光光度計を用いて拡散
反射法により求めた拡散反射率からクベルカムンク関数
を算出して得られた蛍光体粉体の吸収スペクトルであ
り、図1において横軸は波数であり、縦軸はクベルカム
ンク関数で表された相対吸収強度である。
蛍光体の吸収スペクトルを測定すると、波数がおよそ3
500cm-1の赤外域に弱い吸収を有し、この吸収は蛍
光体と結合しているOH基に起因したものであると考え
られる。従来のアルミン酸塩蛍光体はこの波数領域にお
ける吸収の程度が相対的に高い。同一組成の蛍光体にお
いても、この波数領域における吸収が相対的に低いアル
ミン酸塩ほど、ベーキング処理時の輝度劣化が少なく、
この蛍光体ペースト組成物を用いて蛍光膜にするときに
は、高輝度の蛍光膜を得ることができることを見いだし
て本発明を完成するに至った。
a、Sr及びCaの群から選択された1種以上のアルカ
リ土類金属元素と、二価ユーロピウム元素(Eu2+)
単独又は二価ユーロピウム元素(Eu2+)と二価マンガ
ン(Mn2+)の2つの元素と、Mg及びZnの群から
選択された1種以上の元素と、Al元素とを少なくと
も含有するアルミン酸塩蛍光体であって、従来のアルミ
ン酸塩蛍光体に比べて3500cm-1の波数領域におけ
る赤外線吸収強度が従来のアルミン酸塩蛍光体に比べて
小さいことが特徴である。
ン酸塩が真空紫外線で励起した時の発光輝度の点で特に
優れている。 (M1 1-x Eux )O・a(M2 1-y ,Mny )O・(5.5
−0.5ax)Al2 O3 (式中、M1 は、Ba,Sr及びCaの群から選択され
る1種以上のアルカリ土類金属元素を表し、M2 はMg
及びZnの群から選択される1種以上の元素を表し、a
値、x値及びy値は、それぞれ0<a≦2、0<x<
1、及び0≦y<1の条件を満たす数を表す。)
は結晶構造的には0から1までの値を取り得るが、十分
な発光強度を得るためには0.05〜0.5の範囲にあ
ることが好ましい。x値が0.05未満であっても、
0.5を越えても得られる蛍光体の発光強度は低くなる
ので、上記の範囲が好ましい。また、y値も結晶構造学
的には0から1までの値を取り得るが、十分な発光強度
を得るためには0.2以下であることが好ましい。な
お、y=0の場合は、発光色が青色発光を呈するが十分
な発光輝度を得ることができる。そして、この蛍光体の
粉末X線回折に基づくリートベルト解析法による結晶解
析によれば、a値は2以下であればよいが、特に1〜2
の範囲の組成の時に、特に高輝度の蛍光体を得ることが
できる。
知られているアルミン酸塩蛍光体と同様、これらの蛍光
体を構成する各金属の炭酸塩、酸化物等の化合物を原料
として化学量論的に所望の蛍光体組成となる割合で秤取
し十分混合してアルミナ坩堝等の耐熱容器に充填し、還
元性雰囲気中もしくは中性雰囲気中において1200〜
1700℃の温度で2〜40時間かけて1回もしくは複
数回焼成し、この焼成物に対し、分散、水洗、乾燥、篩
い分け等の蛍光体製造の際に通常施される蛍光体処理を
施すことによって製造することができる。焼成時には従
来のアルミン酸塩蛍光体製造の場合と同様に、原料混合
物中にフッ化物等のフラックスを混在させ焼成しても良
い。
弱還元性もしくは中性の雰囲気で行うとことにより、蛍
光体表面にOH基の少ない蛍光体を安定して製造できる
ので特に好ましい。
のアルミン酸塩蛍光体を用いる以外は、従来の蛍光体ペ
ースト組成物と同様に調製することができる。即ち、蛍
光体と結合剤と溶媒、又は蛍光体と予め結合剤を溶解さ
せた溶媒とを混合し、これを十分に混練し、分散させる
ことによって製造することができる。
ロース、ニトロセルロース、ポリエチレンオキサイド、
アクリル樹脂等を挙げることができる。また、ペースト
の粘度調整のために添加される溶媒は、水の他に、酢酸
ブチル、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセ
テート、テルピオネール等の有機溶媒を挙げることがで
きる。
ン酸塩蛍光体の添加量は、ペースト組成物の溶媒を除い
た全重量に対し、5〜60重量%の範囲が適当である。
これに溶媒を添加して粘度を調整する。この粘度は、塗
膜を所望の厚さに塗布するときの作業性、蛍光体ペース
ト組成物の塗布特性を確保する上で重要である。
l10O17で表されるアルミン酸塩蛍光体の蛍光体ペース
ト組成物で形成した蛍光膜を例に、蛍光膜として用いた
蛍光体のα値と蛍光膜の(発光輝度/y値)との相関を
示したものである。即ち、波数3500cm-1における
赤外吸収の強さの異なる複数の蛍光体を作製し、それら
の蛍光体ペースト組成物を使用し形成した各蛍光膜の真
空紫外線励起下での発光輝度を測定し、また、各ペース
ト中に含まれるそれぞれの蛍光体の波数3500cm-1
におけるクベルカムンク関数値〔f(R)〕ν3500と、
波数1500cm-1におけるクベルカムンク関数値〔f
(R)〕ν1500を求め、その比であるα値([f
(R)]ν1500/[f(R)]ν3500)と、先の(発光
強度/y)との相関を示したものである。
ペースト組成物中のアルミン酸塩蛍光体の、波数350
0cm-1の波長域での相対的な吸収の大小を評価する値
である。このα値は、図1に例示したスペクトルと同様
にして拡散反射法により各アルミン酸塩蛍光体粉末の赤
外線吸収スペクトルを測定して、クベルカムンクの関数
値〔f(R)〕と波数との相関曲線(粉体の吸収スペク
トル)を得た後、この曲線から水酸基に起因する吸収と
考えられる波数3500cm-1での吸収を表すクベルカ
ムンクの関数値〔f(R)〕ν3500と、基準値としての
相関性に優れた波数1500cm-1での吸収を表すクベ
ルカムンクの関数値〔f(R)〕ν1500をそれぞれ測定
し両者の比(〔f(R)〕ν1500/〔f(R)〕
ν3500)として定義したのがα値である。
定に用いたと同様のフーリエ変換赤外分光計である、自
記分光光度計(Nicolet社製、Avatar36
0)により、深さ約3mm、内径約10mmφの凹部を
有する円柱状セル内に蛍光体試料を充填し、セル内の試
料表面に光源からの光を入射させ、アルミニウムミラー
面を参照試料として拡散反射法により赤外線吸収スペク
トルを測定した。
用いて作成された各蛍光体ペースト組成物をガラス板上
に500μmの厚さで塗布し、これを120℃で30分
間乾燥させた後、更に500℃で30分間ベーキングし
て蛍光膜を形成した。この蛍光膜は、波長146nmの
真空紫外線を照射して発光させ、その時の発光輝度を求
めた。青色蛍光体の輝度はその発光色(色度点のy値)
に比例して大きく変わるため、発光色の異なる青色蛍光
体相互間の発光効率を比較する簡便な方法として輝度を
y値で割った値(輝度/y値)で比較することが一般に
行われている。
にCIE表色系色度座標のy値を同時に求めておき、輝
度をy値で割った値(輝度/y値)を算出し、α値が
4.56のアルミン酸塩蛍光体(Ba0.9 Eu0.1 Mg
Al10O17)からなる蛍光膜の(輝度/y値)を100
とした時の相対値で示した。図2における縦軸は各蛍光
膜の発光輝度をy値で除した値(輝度/y値)の相対値
とし、α値との相関関係を示した。
であって赤外線吸収スペクトルにおける波数1500c
m-1での吸収ピークに対する波数3500cm-1での吸
収ピークの相対強度が弱く、α値が4.56より大きな
アルミン酸塩蛍光体を用いた蛍光膜は、ベーキング処理
の影響が少なく、従来のアルミン酸塩蛍光体を用いた蛍
光膜よりも高い輝度の蛍光膜を得ることができ、特にα
値が22以上の大きなアルミン酸塩蛍光体を用いると、
ベーキングによる輝度劣化が少なく、より高輝度の蛍光
膜が得られる。
0.9 Eu0.1 MgAl10O17のアルミン酸塩蛍光体につ
いて示したが、組成式が(M1 1-x Eux )O・a(M
2 1-y,Mny )O・(5.5−0.5ax)Al2 O
3 で表される、これ以外のアルミン酸塩蛍光体について
も、図2とほぼ同様の傾向を示し、α値が15以上のア
ルミン酸塩蛍光体の蛍光膜は、ベーキングによる輝度劣
化が抑制され、真空紫外線励起下での発光輝度がより高
いことが確認された。特に、α値が22以上のときは上
記の改善効果が一層高いことが確認された。
ついて説明する。本発明の真空紫外線励起発光素子は、
上記の蛍光体ペースト組成物を用いて蛍光膜を作成する
ことを除いて、従来の真空紫外線励起発光素子と同様に
して作製することができる。即ち、本発明の真空紫外線
励起発光素子の1例であるPDPについてみると、ガラ
ス板などからなる背面板の片面に格子状に隔壁を設けて
複数のセルに区画し、複数のセルの各セルの隔壁及び背
面板上に蛍光体ペースト組成物を膜厚印刷などで塗布
し、ベーキングしてセル内に蛍光膜を形成する。ガラス
などの透明な前面板と背面板とを一定の間隙を隔てて対
向配置し、表示用の電極を設けてから前面板及び背面板
の周囲を封止して外囲器を形成し、その内部を排気しX
e、Ne−Xe等の希ガスを数千Paから数万Paの内
圧になるように封入して真空紫外線励起発光素子を得
る。
もう1つの例である細管ランプは、本発明のアルミン酸
塩蛍光体をニトロセルロース等の結着剤を含む酢酸ブチ
ル等の有機溶剤や、ポリエチレンオキサイド等を含む水
中に縣濁させて蛍光体ペースト組成物を調製し、ガラス
などの光に対して透明な細管の内壁に、流し塗り法など
によって塗布し、乾燥及びベーキング処理を施して蛍光
膜を形成する。その後、その両端、又は管壁を挟んだ細
管の内外部に電極を付設し、細管の内部に少量のArガ
ス、Xeガス等の希ガスを封入して完成する。
中で最高温度1450℃で昇降温時間を含め24時間か
けて焼成した。次いで,得られた焼成粉を分散し、乾燥
し、篩い分けの処理を行い、組成式が(Ba0.9 Eu
0.1 )MgAl10O17の実施例1のアルミン酸塩蛍光体
を得た。
記分光光度計(Nicolet社製、Avatar36
0)を用いて測定した。このスペクトルから波数350
0cm-1におけるクベルカムンク関数値〔f(R)〕ν
3500対する、波数1500cm-1における〔f(R)〕
ν1500の比α値(〔f(R)〕ν1500/〔f(R)〕ν
3500)を求めたところ、α値は24.9であった。
チルカルビトール10重量%及びエチルセルロース7重
量%の割合で加え十分に混練して実施例1の蛍光体ペー
スト組成物を調製し、この蛍光体ペースト組成物をガラ
ス板上に500μmの厚さで塗布し、120℃で30分
乾燥した後,空気中で500℃で30分間焼成して蛍光
体塗布膜を得た。得られた蛍光体塗布膜を146nmの
真空紫外線で励起して発光させたところ、その時の(発
光輝度/y)値は下記比較例1の蛍光体にかかる蛍光体
塗布膜の(発光輝度/y)値の154%であった。
散、乾燥、篩い分けの各処理を行った後、さらに真空乾
燥機中で10時間処理し、冷却し、再度分散、篩い分け
の処理を施した以外は実施例1のアルミン酸塩蛍光体と
同様にして組成式が(Ba0.9 Eu0.1 )MgAl10O
17の実施例2のアルミン酸塩蛍光体を得た。この蛍光体
の赤外線吸収スペクトルを実施例1と同様にして測定
し、α値を求めたところ、α値は23.8であった。
い、実施例1の蛍光体ペースト組成物と同様にして実施
例2の蛍光体ペースト組成物を調製し、さらに蛍光体塗
布膜を得た。得られた蛍光体塗布膜を146nmの真空
紫外線で励起して発光させたところ、その時の(発光輝
度/y)値は下記比較例1の蛍光体にかかる蛍光体塗布
膜の(発光輝度/y)値の164%であった。
体の製造における原料混合物に、蛍光体の重量に対して
1200ppmの割合で硫黄(S)を加えて、還元性雰
囲気中で最高温度1450℃で昇降温時間を含め24時
間かけて焼成した。次いで、得られた焼成粉に分散、乾
燥、篩い分けの各処理を行い、組成式が(Ba0.9 Eu
0.1 )MgAl10O17の実施例3のアルミン酸塩蛍光体
を得た。実施例1と同様にしてこの蛍光体の赤外線吸収
スペクトルを測定し、α値を求めたところ、α値は2
0.0であった。
い、実施例1の蛍光体ペースト組成物と同様にして実施
例3の蛍光体ペースト組成物を調製し、さらに蛍光体塗
布膜を得た。得られた蛍光体塗布膜を146nmの真空
紫外線で励起して発光させたところ、その時の(発光輝
度/y)値は下記比較例1の蛍光体にかかる蛍光体塗布
膜の(発光輝度/y)値の138%であった。
最高温度1450℃及び焼成時間24時間を、最高温度
1400℃及び焼成時間15時間に変更した以外は、実
施例1と同様にして組成式が(Ba0.9 Eu0.1 )Mg
Al10O17の比較例1のアルミン酸塩蛍光体を得た。実
施例1と同様にしてこの蛍光体の赤外線吸収スペクトル
を測定し、α値を求めたところ、α値は4.56であっ
た。
い、実施例1の蛍光体ペースト組成物と同様にして比較
例1の蛍光体ペースト組成物を調製し、さらに蛍光体塗
布膜を得た。得られた蛍光体塗布膜を146nmの真空
紫外線で励起して発光させて(発光輝度/y)値を求
め、この値を100と定めて、実施例の蛍光体塗布膜の
(発光輝度/y)値の相対的基準値とした。
体を30重量%、酢酸ブチル45重量%、及びニトロセ
ルロース25重量%をを混練りして実施例4の蛍光体ペ
ースト組成物を作製した。次いで、実施例4の蛍光体ペ
ースト組成物を外径4mmのガラス管内壁に塗布し、1
20℃で60分乾燥した後、600℃で10分間ベーキ
ングし、ガラス管の内壁に蛍光体塗布膜を形成した。次
いで、ガラス管の両端にニッケルの電極を付け、管内を
真空に排気した後、Ne98%−Xe2%の混合希ガス
を50Torr封入し、実施例4の真空紫外線励起発光
素子(希ガスランプ)を得た。得られた真空紫外線励起
発光素子に交流電圧を掛けて発光させたところ、管の中
心部の(輝度/y値)は同一の条件で点灯し、下記比較
例2の真空紫外線励起発光素子の140%であった。
較例1のアルミン酸塩蛍光体を用い、それ以外は実施例
4と同様にして比較例2の真空紫外線励起発光素子(希
ガスランプ)を製造した。実施例4の真空紫外線励起発
光素子(希ガスランプ)と同一の条件で点灯した。この
管の中央部の(輝度/y値)を求め、この値を100と
定めて実施例4の(輝度/y値)の相対的基準値とし
た。
た希ガスランプ(実施例4)の(発光輝度/y)は、α
値が4.56の蛍光体を用いた希ガスランプ(比較例
2)の140%という極めて高い輝度を示した。
より、アルミン酸塩蛍光体のベーキング時の輝度劣化を
大幅に抑制することができ、高輝度の真空紫外線励起発
光素子の提供を可能にした。
ペクトルである。
値と(発光輝度/y値)との相関関係を示したグラフで
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 Ba、Sr及びCaの群から選択される
1種以上のアルカリ土類金属元素と、Eu2+元素又はE
u2+とMn2+の2つの元素と、Mg及びZnの群から選
択される1種以上の元素と、Al元素とを少なくとも含
有するアルミン酸塩蛍光体において、拡散反射法による
蛍光体の赤外吸収スペクトルから波数3500cm-1に
おけるクベルカムンク関数値〔f(R)〕ν3500と、波
数1500cm-1におけるクベルカムンク関数値〔f
(R)〕ν1500を求め、その比であるα値(〔f
(R)〕ν1500/〔f(R)〕ν3500)が15以上であ
ることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体。 - 【請求項2】 上記蛍光体が、下記一般式で表される蛍
光体であることを特徴とする請求項1記載のアルミン酸
塩蛍光体。 (M1 1-x Eux )O・a(M2 1-y ,Mny )O・(5.5
−0.5ax)Al2 O3 (式中、M1 は、Ba,Sr及びCaの群から選択され
る1種以上のアルカリ土類金属元素を表し、M2 はMg
及びZnの群から選択される1種以上の元素を表し、a
値、x値及びy値は、それぞれ0<a≦2、0<x<
1、及び0≦y<1の条件を満たす数を表す。) - 【請求項3】 結合剤を含む溶媒中に蛍光体を分散させ
てなる蛍光体ペースト組成物において、前記蛍光体が請
求項1又は2記載のアルミン酸塩蛍光体であることを特
徴とする蛍光体ペースト組成物。 - 【請求項4】 外囲器の内部に蛍光膜を有し、該外囲器
に希ガスを封入し、希ガス放電により蛍光体を励起して
発光させる真空紫外線励起発光素子において、前記蛍光
膜が請求項3記載の蛍光体ペースト組成物により形成さ
れてなることを特徴とする真空紫外線励起発光素子。
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