JPH10251637A - アルミン酸塩蛍光体およびその製造方法 - Google Patents

アルミン酸塩蛍光体およびその製造方法

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JPH10251637A
JPH10251637A JP5892797A JP5892797A JPH10251637A JP H10251637 A JPH10251637 A JP H10251637A JP 5892797 A JP5892797 A JP 5892797A JP 5892797 A JP5892797 A JP 5892797A JP H10251637 A JPH10251637 A JP H10251637A
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aluminate
phosphor
aluminate phosphor
earth element
rare earth
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JP5892797A
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English (en)
Inventor
Koji Kitamura
幸二 北村
Shozo Oshio
祥三 大塩
Takeshi Nishiura
毅 西浦
Teruaki Shigeta
照明 重田
Shigeru Horii
堀井  滋
Tomizo Matsuoka
富造 松岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光ランプやディスプレイ等の発光デバイス
に使用されているアルミン酸塩蛍光体について反応促進
剤を添加せず、同一原料にて色度調整が可能なアルミン
酸塩蛍光体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 二種以上のアルカリ土類元素と、一種以
上の希土類元素と、アルミニウムから構成される第1の
アルミン酸塩蛍光体中に、前記アルミン酸塩蛍光体と異
なる結晶構造で、希土類元素を含み、その化学式がMA
laOb、MはCa、Sr,Baのいずれか一種以上のア
ルカリ土類元素であり、1≦a≦13、2.5≦b≦2
0.5で表される第2のアルミン酸塩蛍光体が混在させ
ることにより、反応促進剤を使用せず、色度が制御可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプやディ
スプレイ等に用いられるアルミン酸塩蛍光体およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミン酸塩蛍光体は、3波長域発光形
蛍光ランプの普及と共に、広く利用されるようになって
きている。また、近年はプラズマディスプレイパネル用
の青色蛍光体として注目されている。
【0003】このようなアルミン酸塩蛍光体の例とし
て、例えば「ザ セブンス インターナショナル シン
ポジウム オン ザ サイエンス アンド テクノロジ
ー オブ ライト ソーシズ シンポジウムプロシーデ
ィング(1995年) 第309章から310章」(T
he 7th International Symp
osium on The Science & Te
chnology ofLight Sources
Symposium prceedings(199
5)P.309−310)に示されているように反応促
進剤である弗化アルミニウムを添加し、1450℃〜1
600℃の温度で、Ba0.9−xSrxEu0.1M
g0.98Mn0.02Al10O17、0≦x≦0.
3なる組成にて、ストロンチウムとマンガンを添加し、
蛍光体を合成している。
【0004】一般に、この時ストロントウムやマンガン
の添加量を増減し、蛍光体の色度を制御し、蛍光体を使
用するランプや、ディスプレイに対応している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のア
ルミン酸塩蛍光体では、ランプやディスプレイ等のデバ
イスから、様々な色度での発光が要求されており、スト
ロンチウムやマンガンの発光スペクトルをシフトさせる
添加物の添加量を制御し、蛍光体を合成しなければなら
なかった。
【0006】また、従来のアルミン酸塩蛍光体の製造方
法においては、弗化アルミニウム等の反応促進剤を添加
し1450℃から1600℃の焼成温度で合成するた
め、弗化アルミニウム等の反応促進剤が合成炉や合成容
器を腐食劣化させてしまうという問題点があった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、同一の混合原料で、合成炉や合成容器の腐食劣化の
原因である反応促進剤を使用せず、1200℃から16
00℃の焼成温度で色度の異なるアルミン酸塩蛍光体を
一度に合成する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のアルミン酸塩蛍光体は、二種以上のアルカ
リ土類元素と、一種以上の希土類元素と、アルミニウム
から構成される第1のアルミン酸塩蛍光体中に、前記ア
ルミン酸塩蛍光体と異なる結晶構造で、希土類元素を含
み化学式MAlaOb、MはCa、Sr,Baのいずれか
一種以上のアルカリ土類元素であり、1≦a≦13、
2.5≦b≦20.5で表される第2のアルミン酸塩蛍
光体を混在させる。
【0009】本発明のアルミン酸塩蛍光体中の第1のア
ルミン酸塩蛍光体および第2のアルミン酸塩蛍光体の比
表面積は5平方メートル/g以下である。
【0010】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体中の
第1のアルミン酸塩蛍光体および第2のアルミン酸塩蛍
光体の形状は、球状または略球状である。
【0011】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体中の
第1のアルミン酸塩蛍光体はアルカリ土類元素がバリウ
ムとマグネシウムで、希土類元素がユーロピウムであ
る。
【0012】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体中
の、第1のアルミン酸塩蛍光体を構成するアルカリ土類
元素がバリウムとマグネシウムで、希土類元素がユーロ
ピウムであり、化学式がBa1-wEuwMgxAlyOz、
0.001≦w≦0.2、1≦x≦2、10≦y≦1
6、17≦z≦27で表わされる。
【0013】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体製造
方法はアルミン酸塩蛍光体原料を1200℃以上160
0℃以下の温度で還元ガス中にて焼成することにより、
二種以上のアルカリ土類元素と、一種以上の希土類元素
と、アルミニウムから構成される第1のアルミン酸塩蛍
光体と、希土類元素を含み化学式MAlaOb、MはC
a、Sr,Baのいずれか一種以上のアルカリ土類元素
であり、1≦a≦13、2.5≦b≦20.5、で表さ
れる第2のアルミン酸塩を同時に合成する。
【0014】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体製造
方法は焼成時の還元ガスが、水素と窒素の混合ガスから
なる。
【0015】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体製造
方法は、第1のアルミン酸塩蛍光体を構成するアルカリ
土類元素がバリウムとマグネシウムで、希土類元素がユ
ーロピウムであり、その化学式がBa1-wEuwMgxA
lyOz、0.001≦w≦0.2、1≦x≦2、10≦
y≦16、17≦z≦27で表わされる。
【0016】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体製造
方法は、第1および第2のアルミン酸塩蛍光体を構成す
るアルミニウムの原料としてアルミナを用い、前記アル
ミナの比表面積が5平方メートル/g以下である。
【0017】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体製造
方法は、第1および第2のアルミン酸塩蛍光体を構成す
るアルミニウム原料として、アルミナを用い、前記アル
ミナの形状が球状または略球状である。
【0018】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体製造
方法は、アルミン酸塩蛍光体を構成するアルカリ土類元
素がバリウムとマグネシウムで、希土類元素がユーロピ
ウムであり、その化学式がBa1-wEuwMgxAlyOz
で、0.001≦w≦0.2、1≦x≦2、10≦y≦
16、17≦z≦27で表わされる第1のアルミン酸塩
蛍光体と、第1のアルミン酸塩蛍光体と異なる結晶構造
で、希土類元素を含み、化学式がMAlaOb、MはC
a、Sr,Baのいずれか一種以上のアルカリ土類元
素、1≦a≦13、2.5≦b≦20.5で表される第
2のアルミン酸塩を別々に合成し、これらを混合して得
られる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のアルミン酸塩蛍光体およ
びその製造方法は、二種以上のアルカリ土類元素と、一
種以上の希土類元素と、アルミニウムから構成される第
1のアルミン酸塩蛍光体中に、前記アルミン酸塩蛍光体
と異なる結晶構造で、希土類元素を含み、その化学式が
MAlaOb、MはCa、Sr,Baのいずれか一種以上
のアルカリ土類元素であり、1≦a≦13、2.5≦b
≦20.5で表される第2のアルミン酸塩蛍光体が混在
させた蛍光体および、反応促進剤を使用せず、1200
℃から1600℃で焼成することにより2種類のアルミ
ン酸塩蛍光体を同時に合成するアルミン酸塩蛍光体の製
造方法である。
【0020】前記アルミン酸塩蛍光体を構成する元素の
一つであるアルカリ土類金属元素の好ましい具体例とし
ては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウムが挙げられる。
【0021】また、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法は、前記アルミン酸塩蛍光体の原料を十分均一に混
合するために、アセトン、エタノール、水などによる湿
式にて、ボールミル等の混合粉砕装置にて1時間以上の
混合を行う。
【0022】さらに、本発明のアルミン酸塩蛍光体およ
びその製造方法は、前記アルミン酸蛍光体の原料である
アルミニウム化合物の形状をあらかじめ合成後に実現し
たいアルミン酸塩蛍光体の形状と同一もしくは略同一の
形状のアルミニウム化合物を用い、焼成後のアルミン酸
塩蛍光体にアルミニウム原料の形状を反映させる。
【0023】この様に、前記アルミニウム原料の形状を
選択することにより、同一形状もしくは略同一形状の前
記アルミン酸塩蛍光体を合成することができる。
【0024】また、前記アルミン酸蛍光体の比表面積は
形状や粒径に依存することから、前記アルミン酸塩蛍光
体の比表面積の制御が可能である。さらに、アルミニウ
ム原料の形状や粒径を選択することにより、球状化また
は、略球状化といった形状制御も可能である。
【0025】合成されたアルミン酸塩蛍光体は、通常、
他の蛍光体とともに適宜の水性溶媒や有機溶媒等に、必
要に応じて樹脂バインダーと共に分散させて、蛍光ラン
プやディスプレイに塗布される。その後有機溶剤や樹脂
バインダーを飛ばすために、例えば600〜800℃で
の大気中で加熱される。このとき表面から酸化し、蛍光
体の発光輝度が低下することが我々の実験からわかって
いる。
【0026】しかしながら球状または略球状のアルミン
酸塩蛍光体を用いることにより、蛍光体の比表面積が小
さくなり前記大気中での加熱に対し、輝度の低下の度合
いが抑えられ、好適である。
【0027】球状のアルミニウム化合物としては、例え
ば、アルファアルミナ等のアルミニウム化合物をプラズ
マ等の高温中にさらし、急冷することにより球状化した
ものや、アドマテックス社製高純度球状アルミナ“商品
名アドマファイン”の様に金属アルミニウムを酸化雰囲
気にて焼成する自己焼成法により球状化したものなどが
挙げられる。また、略球状のアルミニウム化合物として
は、住友化学株式会社製アルミナ“商品名スミコランダ
ム”の様に、いったんガス化した後、結晶化させること
により8面体等の多面体化したアルミナなどがある。
【0028】
【実施例】
(実施例1) 「化学式BaMgAl10O17:Eu蛍光体(以下B
AM蛍光体と呼ぶ)およびその製造方法」以下、本発明
の第1の実施例について(表1)を参照しながら説明す
る。(表1)は化学式BaMgAl10O17:Euで
表わされるアルミン酸塩蛍光体を構成する各元素の原料
の化合物の重量パーセントである。
【0029】
【表1】
【0030】アルミン酸塩蛍光体を構成するアルカリ土
類元素の原料として、炭酸バリウムおよび塩基性炭酸マ
グネシウム、アルミン酸塩蛍光体を構成する希土類元素
の原料として酸化ユーロピウム、アルミン酸塩蛍光体を
構成するアルミニウムの原料としてアルファアルミナを
用いた。また、アルファアルミナとして、粒径2、5、
10、18μmの略球状アルミナを用いた。
【0031】(表1)の重量パーセント比の原料を、乳
鉢やボールミル等の混合機で、アセトンによる湿式にて
混合粉砕し、防爆乾燥機にて乾燥させた。その後、高純
度のアルミナ製容器に入れ、管状炉にて窒素ガスと水素
ガスの混合ガスを用いて焼成を行なった。窒素ガスの流
量は380ml毎分、水素ガスの流量は20ml毎分で
水素濃度は5体積パーセントとした。400℃/時間の
昇温速度で昇温し、1200℃から1800℃の温度で
2時間焼成後400℃/時間で温度を下げた。この様な
合成方法を用いることにより、アルミナ原料の形状を保
ったBAM蛍光体が合成できた。
【0032】そして、焼成したBAM蛍光体の焼結体を
粉砕後、さらに分級により凝集粒子を除去し粒径の揃っ
たBAM蛍光体が得られる。
【0033】この様にして合成したBAM蛍光体の色度
点のy値を図1に示す。図1で、縦軸はBAM蛍光体の
色度点のy値、横軸は、焼成温度である。図1で黒菱
形、黒四角、黒三角、黒丸印で示した点が、本実施例の
前記BAM蛍光体の色度点、y値の実測データである。
黒菱形、黒四角、黒三角、黒丸印が各々2、5、10、
18μmの略球状アルミナを用いたデータである。
【0034】図1において実測データに示すように、本
実施例のBAM蛍光体の色度であるy値は、低温側で粒
径に依存し、高温側ではほとんど粒径に依存しない。ま
た、焼成温度1200℃から1600℃の範囲で大きく
変化し、1600℃より高い温度で焼成した場合は、変
わらなかった。このことから、1200から1600℃
の範囲で焼成する事により同一の混合原料にて様々なy
値を有するアルミン酸塩蛍光体が合成できることがわか
った。さらに低温側での焼成ではアルミナ原料の粒径に
より色度点の制御ができる。すなわち1200℃から1
400℃で焼成することにより色度点を大きく変化させ
ることができる。
【0035】次に、合成した10μmのBAM蛍光体の
発光スペクトルを図2に示す。図2で、縦軸は相対発光
強度で、横軸は発光波長である。図2は発光の最大ピー
クで規格化している。
【0036】図2で実線が1200℃で焼成したBAM
蛍光体の発光スペクトル、粗い破線が1400℃で焼成
したBAM蛍光体の発光スペクトル、細かい破線が16
00℃、および1800℃で焼成したBAM蛍光体の発
光スペクトルである。
【0037】焼成温度1200℃から1600℃では、
焼成温度により発光スペクトルの500nm付近の発光
が変化し、焼成温度が上昇するに従い、発光が減少し
た。
【0038】また、焼成温度1600℃から1800℃
では500nm付近の発光は小さくなりほとんど変化し
なかった。合成したBAM蛍光体のy値の変化はこの5
00nm付近の発光スペクトルの変化に起因するものと
考えられる。
【0039】次に、合成した10μmのBAM蛍光体を
エックス線回折にて構造評価した結果を図3に示す。図
3で縦軸はBaAl24とBAM蛍光体のエックス線回
折スペクトルにおける最大ピークの強度比である。横軸
は焼成温度である。
【0040】図中黒菱形がBaAl24とBAM蛍光体
の最大ピークの強度比の実測データである。
【0041】図3から分かるように、焼成温度1200
℃から1600℃の範囲で、BAM蛍光体とBaAl2
4のエックス線回折ピークの強度比が大きく変化し、
1600℃以上では変化しなかった。すなわち、120
0℃から1600℃ではBAM蛍光体中にBaAl24
が混在し、1600℃以上では存在しない事を示す。
【0042】また、BaAl24にEuが添加されたB
aAl24:Euは500nm付近にピークを持つ発光
を示すことから、y値、発光スペクトルの変化はこのB
aAl24の変化によるものである。このことは図2の
発光スペクトルの変化傾向と一致する。
【0043】このことから、1200℃から1600℃
の焼成温度にて、BAM蛍光体を合成し、BaAl
24:Euの混在量を変化させることにより、y値をコ
ントロールすることができる。
【0044】(実施例2) 「BAM蛍光体とBaAl24:Eu蛍光体の混合アル
ミン酸塩蛍光体およびその製造方法」以下本発明の第2
の実施例について、まず、BAM蛍光体およびBaAl
24:Eu蛍光体の合成方法を(表1),(表2)を参
照しながら以下に示す。
【0045】(表2)は本発明の第1の実施例のBaA
24:Eu蛍光体原料および原料の重量パーセント比
を示す表である。
【0046】
【表2】
【0047】BAM蛍光体は、粒径10μmのアルミナ
原料を用いて、(表1)の重量パーセント比の原料を混
合機で、アセトンによる湿式にて混合粉砕し、防爆乾燥
機にて乾燥させた。その後、高純度のアルミナ製容器に
入れ、管状炉にて窒素ガスと水素ガスの混合ガスを用い
て焼成を行なった。窒素ガスの流量は380ml毎分、
水素ガスの流量は20ml毎分で水素濃度は5体積パー
セントとした。400℃/時間の昇温速度で昇温し、1
700℃の温度で2時間焼成後400℃/時間で温度を
下げた。この合成方法では、アルミナ原料の形状を保っ
た青色純度の高いBAM蛍光体が合成できた。
【0048】BaAl24:Eu蛍光体は、粒径10μ
mのアルミナ原料を用いて(表2)の重量パーセント比
の原料を混合機でアセトンによる湿式にて混合粉砕し、
防爆乾燥機にて乾燥させた。その後、高純度のアルミナ
製容器に入れ、管状炉にて窒素ガスと水素ガスの混合ガ
スを用いて焼成を行なった。
【0049】窒素ガスの流量は380ml毎分、水素ガ
スの流量は20ml毎分で水素濃度は5体積パーセント
とした。400℃/時間の昇温速度で昇温し、1700
℃の温度で2時間焼成後400℃/時間で温度を下げ
た。そして500nmに発光ピークを持つBaAl
24:Eu蛍光体が合成できた。
【0050】次に、BAM蛍光体とBaAl24:Eu
蛍光体を混合してできるアルミン酸塩蛍光体について、
図4を参照しながら説明する。
【0051】図4はBAM蛍光体とBaAl24蛍光体
混合し、混合されたアルミン酸塩蛍光体中に占めるBa
Al24:Eu蛍光体の重量割合の変化に伴う発光の色
度点であるy値の変化を示している。
【0052】図4からBaAl24:Eu蛍光体の重量
割合が増加するのに伴い、y値が増加した。
【0053】このことからBaAl24:EuとBAM
蛍光体を混合し、その重量割合を変化させることによ
り、y値を変化させることができる。
【0054】尚、実施例1で各元素の原子比が化学式
(Ba0.9、Eu0.1)MgAl10O17となる
各元素の原料の重量比で説明したが、化学式がBa1-w
EuwMgxAlyz、0.001≦w≦0.2、1≦x
≦2、10≦y≦16、17≦z≦27の原子比で表わ
される各元素の原料の重量比であれば成り立つ。
【0055】また、実施例1では反応促進剤を添加して
いないが、弗化アルミニウムや弗化バリウム等の弗化物
を、蛍光体の結晶成長が進まない範囲であれば添加して
も良い、具体的には、アルファアルミナ原料の重量に対
して1wt%以下であれば添加しても良い。
【0056】また、実施例1ではストロンチウムやマン
ガン等を添加しない例を示したが、添加した状態で焼成
温度を変化させても、同様に色度を制御できる。
【0057】また、実施例1でアルミン酸塩蛍光体を構
成するアルカリ土類元素の原料として、炭酸バリウムお
よび塩基性炭酸マグネシウムを用いたが、硝酸バリウ
ム、塩化バリウム等の他のアルカリ土類金属化合物を用
いてもよい。
【0058】また、アルミニウム化合物としてアルファ
アルミナを用いたが、ガンマアルミナ、水酸化アルミニ
ウムなどの他のアルミニウム化合物を用いてもかまわな
い。その際、酸化物ではないアルミニウム化合物は、酸
化雰囲気中にて1000℃以上の温度で1時間以上予備
焼成しておくと、酸素以外の不必要な元素が不純物とし
て蛍光体へ混入されることが抑制され、より好ましい。
【0059】また、実施例1、2で(表1)、(表2)
に示すようにユーロピウムのバリウムに対する原子比を
10原子%とする例を示したが0.01原子パーセント
以上30原子パーセント以下であればその効果は変わら
ない。
【0060】また、実施例2でBAM蛍光体およびBa
Al24:Eu蛍光体を1700℃にて焼成した例を示
したがBAM蛍光体については1600℃以上1800
℃以下、BaAl24:Eu蛍光体については1200
℃以上1800℃以下で合成してもその効果は変わらな
い。
【0061】また、実施例2で2種類のアルミン酸塩蛍
光体を混合しているが、2種類以上であってもその効果
は同様である。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明のアルミン酸塩蛍光
体は、二種以上のアルカリ土類元素と、一種以上の希土
類元素と、アルミニウムから構成される第1のアルミン
酸塩蛍光体中に、前記アルミン酸塩蛍光体と異なる結晶
構造で、希土類元素を含み化学式MAlaOb、MはC
a、Sr,Baのいずれか一種以上のアルカリ土類元素
であり、1≦a≦13、2.5≦b≦20.5、で表さ
れる第2のアルミン酸塩蛍光体を混在させること、さら
に反応促進剤を使用せず、1200℃から1600℃で
焼成することにより、同一混合原料で様々な色度を有す
るアルミン酸塩蛍光体を合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の蛍光体焼成温度と蛍光
体を発光させた時のy値との関係を示す特性図
【図2】本発明の第1の実施例の蛍光体焼成温度と蛍光
体発光スペクトルとの関係を示す特性図
【図3】本発明の第1の実施例の蛍光体焼成温度に対す
る、アルミン酸塩とアルミン酸塩蛍光体のエックス線回
折強度比の関係を示す特性図
【図4】本発明の第2の実施例のBaAl24:Eu蛍
光体のBAM蛍光体への混合重量割合とy値の関係を示
す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重田 照明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 堀井 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松岡 富造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二種以上のアルカリ土類元素と、一種以上
    の希土類元素と、アルミニウムから構成される第1のア
    ルミン酸塩蛍光体中に、前記アルミン酸塩蛍光体と異な
    る結晶構造で、希土類元素を含み、その化学式がMAl
    aObで、MはCa、Sr,Baのいずれか一種以上のア
    ルカリ土類元素であり、1≦a≦13、2.5≦b≦2
    0.5で表される第2のアルミン酸塩蛍光体が混在する
    ことを特徴とするアルミン酸塩蛍光体。
  2. 【請求項2】第1および第2のアルミン酸塩蛍光体の比
    表面積が5平方メートル/g以下であることを特徴とす
    る請求項1記載のアルミン酸塩蛍光体。
  3. 【請求項3】第1および第2のアルミン酸塩蛍光体の形
    状が、球状または略球状であることを特徴とする請求項
    1または2記載のアルミン酸塩蛍光体。
  4. 【請求項4】第1のアルミン酸塩蛍光体を構成するアル
    カリ土類元素がバリウムとマグネシウムで、希土類元素
    がユーロピウムであることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のアルミン酸塩蛍光体。
  5. 【請求項5】第1のアルミン酸塩蛍光体を構成するアル
    カリ土類元素がバリウムとマグネシウムで、希土類元素
    がユーロピウムであり、 その化学式がBa1-wEuwMgxAlyOz、 0.001≦w≦0.2、1≦x≦2、10≦y≦1
    6、17≦z≦27 で表わされることを特徴とする請求項4記載のアルミン
    酸塩蛍光体。
  6. 【請求項6】アルミン酸塩蛍光体原料を1200℃以上
    1600℃以下の温度で還元ガス中にて焼成することに
    より、二種以上のアルカリ土類元素と、一種以上の希土
    類元素と、アルミニウムから構成される第1のアルミン
    酸塩蛍光体と、希土類元素を含み、その化学式がMAl
    aOb、MはCa、Sr,Baのいずれか一種以上のアル
    カリ土類元素であり、1≦a≦13、2.5≦b≦2
    0.5で表される第2のアルミン酸塩蛍光体を同時に合
    成することを特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】還元ガスが、水素と窒素の混合ガスからな
    ることを特徴とする請求項6記載のアルミン酸塩蛍光体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】第1のアルミン酸塩蛍光体を構成するアル
    カリ土類元素がバリウムとマグネシウムで、希土類元素
    がユーロピウムであり、 その化学式がBa1-wEuwMgxAlyOz、 0.001≦w≦0.2、1≦x≦2、10≦y≦1
    6、17≦z≦27 で表わされることを特徴とする請求項6または7記載の
    アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  9. 【請求項9】第1および第2のアルミン酸塩蛍光体を構
    成するアルミニウムの原料としてアルミナを用い、前記
    アルミナの比表面積が5平方メートル/g以下であるこ
    とを特徴とする請求項8記載のアルミン酸塩蛍光体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】第1および第2のアルミン酸塩蛍光体を
    構成するアルミニウム原料として、アルミナを用い、前
    記アルミナの形状が球状または略球状であることを特徴
    とする請求項9記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  11. 【請求項11】アルカリ土類元素がバリウムとマグネシ
    ウムで、希土類元素がユーロピウムであり、その化学式
    がBa1-wEuwMgxAlyOz、 0.001≦w≦0.2、1≦x≦2、10≦y≦1
    6、17≦z≦27 で表わされる第1のアルミン酸塩蛍光体と、前記第1の
    アルミン酸塩蛍光体と異なる結晶構造で、希土類元素を
    含み、その化学式がMAlaObで、MはCa、Sr,B
    aのいずれか一種以上のアルカリ土類元素、1≦a≦1
    3、2.5≦b≦20.5で表される第2のアルミン酸
    塩蛍光体を別々に合成し、これらを混合して得られるこ
    とを特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316664A (ja) * 2000-03-03 2001-11-16 Toray Ind Inc ディスプレイ用蛍光体ペースト、ディスプレイ用部材およびディスプレイ
JP2002275464A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Kasei Optonix Co Ltd アルミン酸塩蛍光体,蛍光体ペースト組成物及びそれを用いた真空紫外線励起発光素子
KR20020084502A (ko) * 2001-05-02 2002-11-09 한국화학연구원 알루미네이트계 청색 및 녹색 형광체 분말의 제조방법
KR100502892B1 (ko) * 2002-08-13 2005-07-20 삼성에스디아이 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널용 형광체 페이스트 조성물

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