JPH10110165A - アルミン酸塩蛍光体の製造方法 - Google Patents

アルミン酸塩蛍光体の製造方法

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JPH10110165A
JPH10110165A JP26429396A JP26429396A JPH10110165A JP H10110165 A JPH10110165 A JP H10110165A JP 26429396 A JP26429396 A JP 26429396A JP 26429396 A JP26429396 A JP 26429396A JP H10110165 A JPH10110165 A JP H10110165A
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aluminum
phosphor
producing
oxide
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JP26429396A
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Inventor
Koji Kitamura
幸二 北村
Shozo Oshio
祥三 大塩
Shigeru Horii
堀井  滋
Tomizo Matsuoka
富造 松岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光ランプやディスプレイ等の発光デバイス
に使用されているアルミン酸塩蛍光体の高効率化するア
ルミン酸塩蛍光体製造方法を提供する。 【解決手段】 マグネシウム化合物を含み、熱分解によ
り酸化物となる一種以上のアルカリ土類金属化合物と、
熱分解により酸化物となる希土類化合物と、熱分解によ
り酸化物となるアルミニウム化合物を混合し、加熱によ
り得られるアルミン酸塩蛍光体で、マグネシウム化合物
を、アルミン酸塩蛍光体の化学量論組成に対し、0原子
パーセント(%)より多く、3原子%以下を過剰に添加
し、水蒸気を含む水素ガスと窒素ガスの混合ガスからな
る還元雰囲気中では、水素濃度が0.1体積%以上10
体積%以下、水蒸気を含まない水素ガスと窒素ガスの混
合ガスからなる還元雰囲気中では、水素濃度が10体積
%以上の条件で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプやディ
スプレイ等に用いられるアルミン酸塩蛍光体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】1974年 J.M.P.J.Verstegen らに
よって、3波長域発光形蛍光ランプ用として開発された
アルミン酸塩蛍光体は、3波長域発光形蛍光ランプの普
及と共に広く利用されるようになってきた。
【0003】このようなアルミン酸塩蛍光体の1つであ
る(Ba0.9,Eu0.1)MgAl1017蛍光体の最新の
焼成方法については、例えば、第63回電気化学会講演
要旨集(1996年)第226頁に示されているよう
に、炭酸バリウム、酸化ユーロピウム、塩基性炭酸マグ
ネシウム、酸化アルミニウム原料を化学量論組成(Ba
0.9,Eu0.1)MgAl1017の原子比となるよう秤量
した混合物を、水素窒素混合ガスの還元雰囲気中で合成
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、省エネルギーと
いう観点から、蛍光ランプやディスプレイ等の発光デバ
イスの消費電力削減が課題となってきている。そのため
前記発光デバイスに使用されているアルミン酸塩蛍光体
の高効率化が望まれている。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、熱分解により酸化物となるマグネシウム化合物を過
剰に添加する事により、蛍光体の発光効率が向上したア
ルミン酸塩蛍光体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造方法は、マグネ
シウム化合物を含み、熱分解により酸化物となる一種以
上のアルカリ土類金属化合物と、熱分解により酸化物と
なる希土類化合物と、熱分解により酸化物となるアルミ
ニウム化合物を混合し、加熱する事により得られるアル
ミン酸塩蛍光体で、マグネシウム化合物を、アルミン酸
塩蛍光体の化学量論組成に対し、0原子パーセントより
多く、3原子パーセント以下を過剰に添加し、還元雰囲
気中で焼成することを特徴をする。
【0007】本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造方法
は、水素ガスと窒素ガスの混合ガス及び水蒸気からなる
還元雰囲気で水素ガスの濃度が0.1体積パーセント以
上10体積パーセント以下である。
【0008】また、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法は、水素ガスと窒素ガスの混合ガスからなる還元雰
囲気の水素ガスの濃度が、10体積パーセント以上であ
る。
【0009】また、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法は、アルミニウム化合物が球状または略球状の酸化
アルミニウムである。
【0010】また、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法は、アルカリ土類金属化合物が、バリウム化合物お
よびマグネシウム化合物であり、希土類化合物がユーロ
ピウム化合物である。
【0011】また、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法は、アルカリ土類金属化合物がマグネシウム化合物
で、希土類化合物がセリウム化合物およびテルビウム化
合物である。
【0012】また、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法は、アルカリ土類金属化合物が、アルカリ土類金属
の酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩、硝酸塩ならびに塩化
物からなる群から選ばれた少なくとも1種のアルカリ土
類金属化合物である。
【0013】また、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法は、希土類化合物が、希土類元素の酸化物、炭酸
塩、硝酸塩ならびに塩化物からなる群から選ばれた少な
くとも1種の希土類化合物である。
【0014】また、本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法は、アルミニウム化合物が、アルミニウムの酸化
物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩ならびにアルコキシドから
なる群から選ばれた少なくとも1種のアルミニウム化合
物である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のアルミン酸塩蛍光体の製
造方法は、マグネシウム化合物を含み、熱分解により酸
化物となる一種以上のアルカリ土類金属化合物と、熱分
解により酸化物となる希土類化合物と、熱分解により酸
化物となるアルミニウム化合物を混合し、加熱する事に
より得られるアルミン酸塩蛍光体で、マグネシウム化合
物を、アルミン酸塩蛍光体の化学量論組成に対し、0原
子パーセントより多く、3原子パーセント以下を過剰に
添加し、還元雰囲気中で焼成すると、従来の化学量論組
成のアルミン酸塩蛍光体に比べ、発光効率が向上する。
【0016】アルミン酸塩蛍光体の原料の1つである熱
分解により酸化物となるアルカリ土類金属化合物として
は、アルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸
塩、硝酸塩または塩化物などが比較的安価で入手が容易
であり、比較的安定な化合物である。熱分解により酸化
物となるアルカリ土類金属化合物の好ましい具体例とし
ては、酸化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バリウム、塩
化バリウム、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化ストロ
ンチウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、
塩化ストロンチウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
【0017】また、前記アルミン酸塩蛍光体の原料の熱
分解により酸化物となる希土類化合物としては、希土類
元素の酸化物、炭酸塩、硝酸塩または塩化物などが比較
的希土類化合物の中では安価で入手が容易であり、比較
的安定な化合物である。具体的には、例えば、酸化ユー
ロピウム、酸化セリウム、酸化テルビウム、酸化ランタ
ン、酸化タマリウム等が例として挙げられる。
【0018】また、本発明で用いる、前記アルミン酸塩
蛍光体の原料の熱分解により酸化物となるアルミニウム
化合物としては、アルミニウムの酸化物、塩化物、硝酸
塩、硫酸塩ならびにアルコキシ基の炭素数が1〜4のア
ルコキシドなどが比較的安価で入手が容易であり、比較
的安定な化合物である。アルミン酸塩蛍光体の原料の熱
分解により酸化物となるアルミニウム化合物の具体例と
しては、例えば、酸化アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、トリイソプ
ロポキシアルミニウム等が挙げられる。酸化アルミニウ
ムの例としては、アルファアルミナ、ガンマアルミナが
挙げられる。なお、酸化物ではないアルミニウム化合物
を原料として用いる場合は、酸素以外の元素が不純物と
して蛍光体へ混入することを抑制するために、酸化雰囲
気で1000℃以上の温度で1時間以上の予備焼成して
おく。
【0019】また、本発明の製造方法は、前記アルミン
酸塩蛍光体の原料を十分均一に混合するために、アセト
ン、エタノール、水等による湿式にて、ボールミル等の
混合粉砕装置にて1時間以上の混合を行う。
【0020】さらに、本発明の製造方法は、前記アルミ
ン酸蛍光体の原料であるアルミニウム化合物の形状をあ
らかじめ合成後に実現したいアルミン酸塩蛍光体の形状
と同一もしくは略同一の形状のアルミニウム化合物を用
いると、焼成後のアルミン酸塩蛍光体がアルミニウム原
料の形状を反映することが解っている。従って前記アル
ミニウム原料の形状を選択することにより、同一形状も
しくは略同一形状の前記アルミン酸塩蛍光体を合成する
ことができる。即ち、球状化または、略球状化といった
形状制御も可能である。
【0021】合成されたアルミン酸塩蛍光体は、通常、
他の蛍光体とともに適宜の水性溶媒や有機溶媒等に、必
要に応じて樹脂バインダーと共に分散させて、蛍光ラン
プやディスプレイに塗布される。その後有機溶剤や樹脂
バインダーを飛ばすために、例えば600〜800℃で
の大気中で加熱される。その結果表面から酸化し、輝度
が低下することが我々の実験からわかっている。しかし
ながら球状または略球状のアルミン酸塩蛍光体を用いる
ことにより、蛍光体の比表面積が小さくなり前記大気中
での加熱に対し、輝度の低下の程度が極めて低くなり、
好適であることがわかっている。球状のアルミニウム化
合物としては、例えば、アルファアルミナ等のアルミニ
ウム化合物をプラズマ等の高温中にさらし、急冷する事
により球状化したものや、アドマテックス社製高純度球
状アルミナ“アドマファイン”の様に金属アルミニウム
を酸化雰囲気にて焼成する自己焼成法により球状化した
ものなどが挙げられる。また、略球状のアルミニウム化
合物としては、住友化学株式会社製アルミナ“スミコラ
ンダム”の様に、いったんガス化した後、結晶化させる
ことにより8面体等の多面体化した酸化アルミニウムな
どがある。
【0022】(実施例1) <化学式(Ba0.9,Eu0.1)Mg(100+x)/100Al
1017(以下BAM蛍光体と略称)で表わされるアルミ
ン酸塩蛍光体の製造方法(xは過剰に添加するマグネシ
ウム化合物の原子パーセントで、0<x≦3)>以下、
本発明の第1の実施例について(表1)を参照しながら
説明する。(表1)は化学式(Ba0.9,Eu0.1)Mg
Al1017で表わされる化学量論組成のアルミン酸塩蛍
光体となる各元素の化合物の重量パーセントで、マグネ
シウム化合物を、x原子パーセント過剰に添加したもの
である。
【0023】
【表1】
【0024】アルカリ土類金属化合物として炭酸バリウ
ムおよび塩基性炭酸マグネシウム、アルミニウム化合物
としてアルファアルミナ、希土類化合物として酸化ユー
ロピウムを用いた。そして、塩基性炭酸マグネシウム
は、xを0原子パーセントから3原子パーセントまで変
化させた。また、アルファアルミナとして、粒径5μm
の略球状アルミナを用いた。
【0025】(表1)の重量パーセント比の原料を乳鉢
やボールミル等でアセトンによる湿式にて混合粉砕し、
管状炉にて窒素ガスと水素ガスの混合ガスを用いて焼成
を行なった。窒素ガスの流量は380ml毎分、水素ガ
スの流量は20ml毎分で水素濃度は5体積パーセント
とした。1次焼成として400℃/時間の昇温速度で昇
温し、1350℃で2時間焼成後400℃/時間で温度
を下げた。
【0026】粉砕混合後、2次焼成として管状炉にてバ
ブラーを用いて水蒸気を添加した窒素ガスと水素ガスの
混合ガスを用いて焼成を行なった。窒素ガスの流量は3
80ml毎分、水素ガスの流量は20ml毎分で水素濃
度は5体積パーセントとした。400℃/時間の昇温速
度で昇温し、1700℃で2時間焼成後400℃/時間
で温度を下げるとアルミナ原料の形状を保った前記BA
M蛍光体が合成できる。
【0027】そして、2次焼成後の前記BAM蛍光体の
焼結体を粉砕後、さらに分級により凝集粒子を除去し粒
径の揃ったBAM蛍光体が得られる。
【0028】以上のように合成したBAM蛍光体の発光
効率を図1に示す。図1において、縦軸は前記BAM蛍
光体の発光スペクトルピーク波長での発光ピーク強度
(以下発光ピーク強度と表す)であり、従来技術を用い
て合成した化学量論組成の化学式(Ba0.9,Eu0.1
MgAl1017で表わされる蛍光体の発光ピーク強度を
100パーセントとして相対値を示している。
【0029】横軸は、マグネシウムの化学量論組成の組
成に対する過剰添加量である。図1において○印で示し
た点が本実施例の前記BAM蛍光体の発光ピーク強度の
相対値の実測データである。そして、図1において実線
aは実測データに基づいたピーク強度の変化を示すもの
である。従来技術を用いて合成した化学量論組成の化学
式(Ba0.9,Eu0.1)MgAl1017で表わされる蛍
光体の発光ピーク強度を、比較の為に図1のグラフ中に
破線bで示した。
【0030】図1において実測データに示されるよう
に、本実施例のBAM蛍光体の発光ピーク強度は、マグ
ネシウム化合物を過剰に添加した量が1原子パーセント
で最大となり、0原子パーセントより多く、3原子パー
セント以下で波線b以上となり従来技術を用いて合成し
た化学量論組成の化学式(Ba0.9,Eu0.1)MgAl1
017で表わされる蛍光体より高くなる。これは、増量
添加したマグネシウムが効率改善に寄与しているためと
考えられる。
【0031】この様に、マグネシウムの過剰な添加量を
0原子パーセントより多く、3原子パーセント以下とし
合成することにより、発光ピーク強度の高い、高効率の
前記BAM蛍光体を得ることができる。
【0032】(実施例2) <水蒸気を添加した還元雰囲気中で焼成したBAM蛍光
体の製造方法>次にマグネシウム化合物の過剰に添加し
た量を1原子パーセントに固定し、水蒸気を添加した水
素と窒素の混合ガス中で焼成したBAM蛍光体の発光特
性を図2に示す。
【0033】図2は、水素と窒素を混合した還元ガス中
にバブラーを用いて水蒸気を添加した場合の2次焼成時
に水素濃度を0.05から20体積パーセントまで水素
濃度を変化させた時のBAM蛍光体の発光ピーク強度の
変化を示している。なお、本実施例のその他の組成、合
成工程、及び合成条件は実施例1と同様である。
【0034】図2において、縦軸は、水蒸気を添加した
還元雰囲気中で焼成したBAM蛍光体の発光ピーク強度
であって、従来技術を用いて合成した化学量論組成の化
学式(Ba0.9,Eu0.1)MgAl1017で表わされる
蛍光体の発光ピーク強度を100パーセントとして相対
値を示している。
【0035】横軸は、水蒸気を添加した水素と窒素の混
合ガスの全流量にしめる水素の流量割合である。
【0036】図2において○印で示した点が本実施例の
蛍光体の発光ピーク強度の相対値の実測データである。
そして、図2において実線aは実測データに基づいたピ
ーク強度の変化を示すものである。従来技術を用いて合
成した化学量論組成の化学式(Ba0.9,Eu0.1)Mg
Al1017で表わされる蛍光体の発光ピーク強度を、比
較の為に図1のグラフ中に破線bで示した。
【0037】図2において実測データに示されるよう
に、本実施例の水蒸気を添加した還元雰囲気中で焼成し
たBAM蛍光体の発光ピーク強度は、水素濃度は5体積
パーセントで最大となり、0.1体積パーセント以上、
10体積パーセント以下で波線b以上となり、従来の技
術を用いて合成した化学量論組成の化学式(Ba0.9,E
0.1)MgAl1017で表わされる蛍光体より高くな
る。
【0038】これは、水蒸気を含む還元雰囲気中では水
蒸気を介して還元反応が促進され、水素濃度は0.1体
積パーセントより低い濃度では還元力が不十分で、10
体積パーセントより高濃度では還元力が強すぎるために
むしろ反応が阻害されているためであると考えられる。
【0039】この様に、2次焼成時に水素と窒素を混合
した、還元ガス中にバブラーを用いて水蒸気を添加し、
水素の濃度を0.1体積パーセント以上10体積パーセ
ント以下とすることにより、高効率のBAM蛍光体を得
ることができる。
【0040】(実施例3) <水素と窒素の混合ガス中で焼成したBAM蛍光体の製
造方法>次にマグネシウム化合物の過剰に添加した量を
1原子パーセントに固定し、水蒸気を添加せず水素と窒
素の混合ガス中で2次焼成した場合の水素濃度を5から
100体積パーセントまで変化させた時のBAM蛍光体
の発光特性を図3に示す。尚、本実施例のその他の組
成、合成工程及び合成条件は実施例1と同様である。
【0041】図3において、縦軸は、水素と窒素の混合
ガス中で焼成したBAM蛍光体の発光ピーク強度であっ
て、従来の技術を用いて合成した化学量論組成の化学式
(Ba0.9,Eu0.1)MgAl1017で表わされる蛍光
体の発光ピーク強度を100パーセントとして相対値を
示している。横軸は、水素と窒素の混合ガスの全流量に
しめる水素の流量割合である。
【0042】図3において○印で示した点が本実施例の
水素と窒素の混合ガス中で焼成したBAM蛍光体の発光
ピーク強度の相対値の実測データである。そして、図3
において実線aは実測データに基づいたピーク強度の変
化を示すものである。従来技術を用いて合成した化学量
論組成の化学式(Ba0.9,Eu0.1)MgAl1017
表わされる蛍光体の発光ピーク強度を、比較の為に図1
のグラフ中に破線bで示した。
【0043】図3において実測データに示されるよう
に、本実施例の水素と窒素の混合ガス中で焼成したBA
M蛍光体の発光ピーク強度は、水素濃度は20体積パー
セントで最大となり、10体積パーセント以上にて、波
線b以上となり従来法のBAM蛍光体より高くなる。こ
れは、10体積パーセント未満では、還元力は不十分で
あるが、10体積パーセント以上で十分であることによ
ると考えられる。
【0044】この様に、2次焼成時に水素と窒素を混合
した還元ガスの水素の濃度を10体積パーセント以上と
することにより、十分な還元力を有する還元雰囲気中で
合成され、より発光ピーク強度が高い高効率のBAM蛍
光体を得ることができる。
【0045】なお、実施例1において化学式(Ba0.9,
Eu0.1)MgAl1017で表わされるアルミン酸塩蛍
光体を用いて説明したが、化学式(Ce0.67,T
0.33)MgAl1119で表わされるアルミン酸塩蛍光
体を用いてもよい。
【0046】また、前記BAM蛍光体の原料のアルカリ
土類金属化合物として炭酸バリウム及び塩基性炭酸マグ
ネシウムを用いたが、硝酸バリウム、塩化バリウム等の
他のアルカリ土類金属化合物を用いてもよい。また、ア
ルミニウム化合物としてアルファアルミナを用いたが、
ガンマアルミナ、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウ
ム等の他のアルミニウム化合物を用いてもかまわない。
その際、酸化物ではないアルミニウム化合物は、酸化雰
囲気中にて1000℃以上の温度で1時間以上予備焼成
しておくと、酸素以外の不必要な元素が不純物として蛍
光体へ混入されることが抑制され、より好ましい。
【0047】更に、アルカリ土類金属化合物として、カ
ルシウム化合物やストロンチウム化合物を添加してもよ
い。また、輝度を更に上げるために酸化マンガン等のマ
ンガン化合物を添加するとさらに輝度を上げることがで
きる。
【0048】また、実施例1において、(Ba0.9,Eu
0.1)MgAl1017の例を示したが、バリウムをサマ
リウム、ツリウム、イッテルビウム、鉛に代表されるよ
り重い元素で1部または、全部を置換することにより、
蛍光体の格子振動を抑制し、蛍光体の発光効率がさらに
向上したり、発光スペクトルをよりシャープにする等ス
ペクトル形状を変化させる事ができる。マグネシウムを
亜鉛、銅、ベリリウムに、また、アルミニウムをガリウ
ム、インジウム、スカンジウムに置換してもその効果は
同様である。
【0049】
【発明の効果】本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造方法
は、マグネシウム化合物を含み、熱分解により酸化物と
なる一種以上のアルカリ土類金属化合物と、熱分解によ
り酸化物となる希土類化合物と、熱分解により酸化物と
なるアルミニウム化合物を混合し、加熱する事により得
られるアルミン酸塩蛍光体で、マグネシウム化合物を、
アルミン酸塩蛍光体の化学量論組成に対し、0原子パー
セントより多く、3原子パーセント以下を過剰に添加
し、水蒸気を含む水素ガスと窒素ガスの混合ガスからな
る還元雰囲気中では、水素濃度が0.1体積パーセント
以上10体積パーセント以下、水蒸気を含まない水素ガ
スと窒素ガスの混合ガスからなる還元雰囲気中では、水
素濃度が10体積パーセント以上の条件で焼成すること
により、蛍光体の発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のマグネシウム化合物の
化学量論組成に対する過剰の添加量と蛍光体の発光ピー
ク強度との関係を示す特性図
【図2】本発明の第2の実施例の水蒸気を添加した水素
と窒素の混合ガスの全流量にしめる水素の流量割合と蛍
光体の発光ピーク強度との関係を示す特性図
【図3】本発明の第3の実施例の水素と窒素の混合ガス
の全流量にしめる水素の流量割合と蛍光体の発光ピーク
強度との関係を示す特性図
フロントページの続き (72)発明者 松岡 富造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネシウム化合物を含み、熱分解により
    酸化物となる一種以上のアルカリ土類金属化合物と、熱
    分解により酸化物となる希土類化合物と、熱分解により
    酸化物となるアルミニウム化合物を混合し、加熱するこ
    とにより得られるアルミン酸塩蛍光体で、マグネシウム
    化合物を、アルミン酸塩蛍光体の化学量論組成に対し、
    0原子パーセントより多く、3原子パーセント以下を過
    剰に添加し、還元雰囲気中で焼成することを特徴をする
    アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  2. 【請求項2】還元雰囲気が、水素ガスと窒素ガスの混合
    ガス及び水蒸気からなる還元雰囲気であり、水素濃度が
    0.1体積パーセント以上10体積パーセント以下であ
    る請求項1記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】還元雰囲気が、水素ガスと窒素ガスの混合
    ガスからなる還元雰囲気であり、水素濃度が10体積パ
    ーセント以上である請求項1記載のアルミン酸塩蛍光体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】アルミニウム化合物が球状または略球状の
    酸化アルミニウムである請求項1〜3のいずれかに記載
    のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】マグネシウム化合物を含む一種以上のアル
    カリ土類金属化合物が、バリウム化合物を含み、希土類
    化合物がユーロピウム化合物である請求項1〜4のいず
    れかに記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】希土類化合物がセリウム化合物およびテル
    ビウム化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のア
    ルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  7. 【請求項7】マグネシウム化合物を含む一種以上のアル
    カリ土類金属化合物が、アルカリ土類金属の酸化物、炭
    酸塩、塩基性炭酸塩、硝酸塩ならびに塩化物からなる群
    から選ばれた少なくとも1種のアルカリ土類金属化合物
    である請求項1〜6のいずれかに記載のアルミン酸塩蛍
    光体の製造方法。
  8. 【請求項8】希土類化合物が、希土類元素の酸化物、炭
    酸塩、硝酸塩ならびに塩化物からなる群から選ばれた少
    なくとも1種の希土類化合物である請求項1〜6のいず
    れかに記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  9. 【請求項9】アルミニウム化合物が、アルミニウムの酸
    化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩ならびにアルコキシドか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種のアルミニウム化
    合物である請求項1〜6のいずれかに記載のアルミン酸
    塩蛍光体の製造方法。
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