JP2002268205A - 電子回路部品製造用水現像性感光性ペースト、ならびにそれを用いた電子回路部品における機能材料膜の形成方法、多層セラミック基板の製造方法、電子回路部品および多層セラミック基板 - Google Patents

電子回路部品製造用水現像性感光性ペースト、ならびにそれを用いた電子回路部品における機能材料膜の形成方法、多層セラミック基板の製造方法、電子回路部品および多層セラミック基板

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JP2002268205A
JP2002268205A JP2001064647A JP2001064647A JP2002268205A JP 2002268205 A JP2002268205 A JP 2002268205A JP 2001064647 A JP2001064647 A JP 2001064647A JP 2001064647 A JP2001064647 A JP 2001064647A JP 2002268205 A JP2002268205 A JP 2002268205A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機粉末の含有割合が高く、また無機粉末の
粒径が小さく、そのため、内部での光の透過率が低くて
も、感光性樹脂成分を十分に硬化させることができ、ま
た、過現像状態となっても、良好なパターンを形成する
ことができ、したがって、微細なパターンの形成が容易
な電子回路部品製造用水現像性感光性ペーストを提供す
る。 【解決手段】 無機粉末、水現像性感光性樹脂成分およ
び光重合開始剤を含む、電子回路部品製造用水現像性感
光性ペーストにおいて、光重合開始剤として、内部硬化
型光重合開始剤と表面硬化型光重合開始剤とを併用し
て、光透過性の低い部分においても、十分な硬化を達成
でき、また、過現像状態となっても、良好なパターンを
形成することができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子回路部品製
造用水現像性感光性ペースト、ならびにそれを用いた電
子回路部品における機能材料膜の形成方法、多層セラミ
ック基板の製造方法、電子回路部品および多層セラミッ
ク基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信機器、衛星放送受信機
器、コンピュータ等に用いられる高周波電子回路部品
は、小型かつ高性能であることが強く求められている。
また、多層セラミック基板のような回路基板に代表され
る高周波電子回路部品の配線パターンに関しても、その
高密度化および信号の高速化への対応が要求されてお
り、これら高密度化や信号の高速化を達成するために
は、配線パターンの微細化および厚膜化が必要である。
【0003】従来より、高周波電子回路部品の配線パタ
ーンは、通常、銅等からなる導電性金属粉末と有機バイ
ンダおよび有機溶剤を含む有機ビヒクルとを混合した導
電性ペーストを用いて、絶縁性基板上に配線パターンと
なる導電性ペースト膜をパターニングされた状態で形成
し、次いで、これを乾燥した後、焼成するといった方法
で作製されている。ここで、パターニングされた導電性
ペースト膜を形成するにあたっては、スクリーン印刷法
を適用することが一般的であるが、この方法で形成した
配線パターンの配線幅および配線間ピッチの微細化につ
いては、50μm程度とすることが限界である。
【0004】そこで、スクリーン印刷では得ることが困
難であった微細パターンを得る方法として、たとえば、
特開昭54−121967号公報、特開昭54−135
91号公報および特開昭59−143149号公報に記
載されているように、感光性樹脂組成物に無機粉末を混
合した感光性ペーストを用い、これにフォトリソグラフ
ィ技術を適用して、微細なパターンの導電膜や絶縁体膜
のような機能材料膜を基板上に形成する方法が提案され
ている。
【0005】このような感光性ペーストにおいて、ペー
スト成分を構成する感光性樹脂組成物としては、従来か
ら公知の光重合性または光変性化合物を用いることがで
き、たとえば、(1)有機バインダと不飽和基などの反
応性官能基を有するモノマーまたはオリゴマーと芳香族
カルボニル化合物などの光重合開始剤との混合物、
(2)芳香族ビスアジドとホルムアルデヒドとの縮合体
などのいわゆるジアゾ樹脂、(3)エポキシ化合物など
の付加重合性化合物とジアリルヨウドニウム塩などの光
酸発生剤との混合物、(4)ナフトキノンジアジド系化
合物、などを用いることができる。
【0006】これらのうち、特に好ましいのは、(1)
有機バインダと不飽和基などの反応性官能基を有するモ
ノマーと芳香族カルボニル化合物などの光ラジカル発生
剤との混合物である。ここで、有機バインダとして、水
溶性のものを選択すれば、感光性ペーストを水現像性と
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】感光性ペーストにおい
て、感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を含むが、この
光重合開始剤としては、表面硬化型光重合開始剤が用い
られている。内部硬化型光重合開始剤を用いると、ペー
スト膜表面に存在する酸素のために、ラジカルの活性が
低下し、モノマーの重合が進行しにくくなるが、表面硬
化型光重合開始剤では、このような酸素阻害を受けにく
いためである。
【0008】しかしながら、上述の方法によって、焼成
後においても高い密度を有する機能材料膜、それゆえ、
導体膜にあっては高い電気伝導性を有し、絶縁体膜にあ
っては高い電気絶縁性を有する機能材料膜を得るために
は、焼成時の体積収縮に伴う断線や亀裂発生などの欠陥
を防ぐ必要があり、したがって、感光性ペースト中に混
合される導電性粉末や絶縁性粉末のような機能材料粉末
としての無機粉末の含有割合を高くしなければならな
い。
【0009】ところが、無機粉末の含有割合が高くなる
と、感光性ペースト膜の内部での光の透過率が低くな
り、表面硬化型光重合開始剤を光重合開始剤として添加
されている感光性ペーストの硬化が不十分になりやす
い。
【0010】上述のように、感光性ペーストの硬化が不
十分であると、感光性ペーストがアルカリ現像タイプで
ある場合には、現像してパターニングが終了した時点
で、パターンまわりの現像液を水洗浄することによって
現像をストップさせることができる。しかし、水現像タ
イプである場合には、元々、現像液が水であるため、水
洗浄によっては現像をストップさせることができず、過
現像となる。
【0011】このようなことから、無機材料粉末の含有
割合が高くなって、水現像性感光性ペーストの硬化が不
十分であると、過現像となり、その結果、パターン形成
を困難にしてしまうという問題を招く。
【0012】また、微細なパターンを得るためには、感
光性ペースト中に含まれる無機粉末の粒径を小さくする
必要がある。しかしながら、このように無機粉末の粒径
を小さくした場合であっても、ペースト膜の内部での光
の透過率が低くなり、上述した無機粉末の含有割合を高
くした場合と同様の問題に遭遇する。
【0013】そこで、この発明の目的は、無機粉末の含
有割合が高く、および/または無機粉末の粒径が小さ
く、そのため、内部での光の透過率が低くても、良好な
パターン形成が可能な電子回路部品製造用水現像性感光
性ペーストを提供しようとすることである。
【0014】この発明の他の目的は、上述した電子回路
部品製造用水現像性感光性ペーストを用いた電子回路部
品における機能材料膜の形成方法、多層セラミック基板
の製造方法、電子回路部品および多層セラミック基板を
提供しようとすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本件発明者は、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、電子回路部品
製造用水現像性感光性ペースト中の光重合開始剤とし
て、内部硬化型光重合開始剤と表面硬化型光重合開始剤
とを組み合わせて用いることによって、光透過性の低い
部分においても、十分な硬化を達成できることを見出
し、この発明をなすに至ったものである。
【0016】すなわち、この発明は、まず、無機粉末、
水現像性感光性樹脂成分および光重合開始剤を含む、電
子回路部品製造用水現像性感光性ペーストに向けられる
ものであって、上記課題を解決するため、光重合開始剤
として、内部硬化型光重合開始剤と表面硬化型光重合開
始剤とを併用することを特徴としている。
【0017】内部硬化型光重合開始剤とは、活性エネル
ギー線の照射により開裂し、その結果、開裂前には備え
ていた、紫外域あるいは可視領域における長波長域を吸
収し得る能力が消失し、これによる吸収が短波長化し、
そのため、開裂に必要な活性エネルギー線が、開裂前に
はモノマー表面に近い領域で吸収されていたものが、開
裂により吸収されずにモノマー内部にまで透過できるよ
うになり、この結果、モノマー内部に存在する開始剤が
開裂しやすくなり、モノマー内部の硬化を生じさせやす
い、光重合開始剤のことを言う。一般に、このように開
裂前後で吸収に差が生じることを、ブリーチング効果と
言う。
【0018】他方、表面硬化型光重合開始剤とは、開裂
前後の吸収域にあまり差がないため、活性エネルギー線
が、モノマー表面に近い領域で吸収され、モノマー内部
にまで到達しにくく、モノマー表面の硬化を生じさせや
すい、光重合開始剤のことを言う。
【0019】このように、この発明に係る電子回路部品
製造用水現像性感光性ペーストによれば、内部硬化型光
重合開始剤の特性を利用し、ペースト内部への光透過性
を高めることができるので、これと表面硬化型光重合開
始剤とを組み合わせることにより、光透過性の低いペー
スト内部での水現像性感光性樹脂成分を容易に硬化させ
ることができる。
【0020】なお、前述したように、内部硬化型光重合
開始剤は表面において酸素阻害を受けるので、内部硬化
型光重合開始剤のみを用いると、ペースト表面では硬化
しない。この発明のように、内部硬化型光重合開始剤を
表面硬化型光重合開始剤と併用することによって、ペー
スト表面および内部ともに硬化させることができること
になる。
【0021】この発明に係る感光性ペーストにおいて、
水現像性感光性樹脂成分は、より具体的な実施態様で
は、水溶性ポリマーまたは水溶性オリゴマー、および感
光性モノマーを含む。
【0022】特に、上述の水溶性ポリマーまたは水溶性
オリゴマーは、カルボキシル基を含有しないものである
ことが好ましく、この場合には、無機粉末として、多価
金属および/または多価金属化合物を含む粉末、特に、
銅を含む粉末、ホウ素イオンを含有する化合物を含む粉
末、および鉛イオンを含有する化合物を含む粉末を有利
に用いることができる。
【0023】他の局面から見た場合、上述の水溶性ポリ
マーまたは水溶性オリゴマーとしては、アクリル系共重
合体を含むものが好適に用いられ、感光性モノマーとし
ては、光ラジカル重合性モノマーを含むものが好適に用
いられる。
【0024】また、この発明に係る水現像性感光性ペー
ストにおいて、光重合開始剤の含有量は、当該水現像性
感光性ペースト全量に対して、0.1重量%以上かつ5
重量%以下であることが好ましい。
【0025】また、光重合開始剤において、内部硬化型
光重合開始剤の割合が10重量%以上かつ90重量%以
下であることが好ましい。
【0026】また、この発明に係る電子回路部品製造用
水現像性感光性ペーストにおいて、その用途に応じて、
無機粉末は、たとえば、金、銀、白金、パラジウム、
銅、鉄、ニッケル、タングステン、アルミニウムおよび
モリブデンから選ばれる少なくとも1種を含む粉末のよ
うな導電性粉末を含んでいても、たとえば、ガラス粉末
および/またはセラミック粉末のような絶縁性粉末を含
んでいてもよい。さらに、無機粉末として、導電性粉末
と絶縁性粉末との双方を含んでいてもよい。
【0027】この発明は、また、上述のような電子回路
部品製造用水現像性感光性ペーストを用いて実施され
る、電子回路部品における機能材料膜の形成方法にも向
けられる。この電子回路部品における機能材料膜の形成
方法(以下、「第1のパターン形成方法」と言う。)
は、無機材料として機能材料粉末を含む水現像性感光性
ペーストからなる水現像性感光性ペースト膜を形成する
工程と、水現像性感光性ペースト膜を露光しかつ現像す
ることによってパターニングする工程とを備えることを
特徴としている。
【0028】また、この発明において、電子回路部品に
おける機能材料膜の形成方法は、次のように実施されて
もよい。すなわち、この形成方法(以下、「第2のパタ
ーン形成方法」と言う。」は、機能材料粉末を含む水現
像性感光性ペーストからなる水現像性感光性ペースト膜
を支持体上に形成する工程と、水現像性感光性ペースト
膜を露光しかつ現像することによってパターニングする
工程と、パターニングされた水現像性感光性ペースト膜
を被転写体上へ転写する工程とを備えることを特徴とし
ている。
【0029】上述した第2のパターン形成方法におい
て、好ましくは、水現像性感光性ペーストとして、前述
したようなこの発明に係る電子回路部品製造用水現像性
感光性ペーストが用いられる。
【0030】この発明は、また、上述した第1または第
2のパターン形成方法によって形成された機能材料膜を
用いて製造された、電子回路部品にも向けられる。
【0031】さらに、この発明は、より特定的な多層セ
ラミック基板の製造方法にも向けられる。この多層セラ
ミック基板の製造方法は、第1のパターン形成方法を基
本的に適用するもので、前述したこの発明に係る電子回
路部品製造用水現像性感光性ペーストであって、無機材
料として機能材料粉末を含む水現像性感光性ペーストか
らなる水現像性感光性ペースト膜をセラミックグリーン
シート上に形成する工程と、水現像性感光性ペースト膜
を露光しかつ現像することによってパターニングする工
程と、水現像性感光性ペースト膜が形成された前記セラ
ミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーン
シートを積層することによって、生のグリーンシート積
層体を得る工程と、生のグリーンシート積層体を焼成す
る工程とを備えることを特徴としている。
【0032】また、この発明において、多層セラミック
基板の製造方法は、次のように実施されてもよい。すな
わち、この多層セラミック基板の製造方法は、第2のパ
ターン形成方法を基本的に適用するもので、機能材料粉
末を含む水現像性感光性ペーストからなる水現像性感光
性ペースト膜を支持体上に形成する工程と、水現像性感
光性ペースト膜を露光しかつ現像することによってパタ
ーニングする工程と、パターニングされた水現像性感光
性ペースト膜をセラミックグリーンシート上へ転写する
工程と、水現像性感光性ペースト膜が転写されたセラミ
ックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシ
ートを積層することによって、生のグリーンシート積層
体を得る工程と、生のグリーンシート積層体を焼成する
工程とを備えることを特徴としている。
【0033】上述の多層セラミック基板の製造方法にお
いて、好ましくは、水現像性感光性ペーストとして、こ
の発明に係る前述したような電子回路部品製造用水現像
性感光性ペーストが用いられる。
【0034】この発明は、また、上述したような製造方
法によって得られた、多層セラミック基板にも向けられ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】この発明に係る電子回路部品製造
用水現像性感光性ペーストは、たとえば、フォトリソグ
ラフィ技術を用いて、基板上に微細なパターンを有する
膜を形成するために有利に用いられる。より具体的に
は、水現像性感光性ペーストは、スクリーン印刷、スピ
ンコートまたはドクターブレードなどの公知の膜形成方
法によって基板上にペースト膜を形成するように付与さ
れ、乾燥される。次いで、所望のパターンを有するマス
クを通して、このペースト膜を露光した後、水によって
現像すれば、所望のパターンを有するパターン膜が形成
される。このパターン膜は、必要に応じて焼成処理され
る。
【0036】この発明に係る電子回路部品製造用水現像
性感光性ペーストは、無機粉末と、水現像性感光性樹脂
成分と、内部硬化型光重合開始剤および表面硬化型光重
合開始剤からなる光重合開始剤とを含む。上述の水現像
性感光性樹脂成分と光重合開始剤とからなる水現像性感
光性樹脂組成物としては、前述した従来から公知の水現
像性の、光重合性または光変性化合物を用いることがで
きるが、水現像性感光性樹脂成分は、好ましくは、水溶
性ポリマーまたは水溶性オリゴマー、および感光性モノ
マーをもって構成される。
【0037】水溶性ポリマーまたは水溶性オリゴマーと
して、好適に用いられるのは、アクリル系共重合体を含
むものであって、このアクリル系共重合体は、不飽和カ
ルボン酸エステルおよび/または不飽和カルボン酸を共
重合させることにより製造することができる。また、ア
クリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸と、不
飽和カルボン酸エステルと、不飽和カルボン酸のカルボ
キシル基の当量以下のグリシジル基を有する不飽和化合
物とを共重合させて、二重結合を有するアクリル系共重
合体を製造することもできる。
【0038】不飽和カルボン酸エステルとしては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エス
テル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの
メタクリル酸エステル、フマル酸モノエチルなどのフマ
ル酸エステルなどが挙げられる。
【0039】水現像性感光性ペーストに含まれる水現像
性感光性樹脂成分としての水溶性ポリマーまたは水溶性
オリゴマーとして、アクリル系共重合体を用いる場合、
水溶性とするために、そのガラス転移点を適度に低くす
るように重合条件を設定する必要がある。
【0040】また、水溶性ポリマーまたは水溶性オリゴ
マーとして、好適に用いることができるのは、カルボキ
シル基を含有しないものであり、さらに好適には、カル
ボキシル基を含有しないアクリル系共重合体である。カ
ルボキシル基を含有したポリマーまたはオリゴマーを使
用すると、無機粉末が多価金属および/または多価金属
化合物を含有する場合、多価金属および/または多価金
属化合物とポリマーまたはオリゴマーとが反応してペー
ストがゲル化することがあるからである。
【0041】カルボキシル基を含有しないアクリル系共
重合体としては、不飽和カルボン酸エステルのみを共重
合させたもの、あるいは、不飽和カルボン酸と、不飽和
カルボン酸エステルと、不飽和カルボン酸のカルボキシ
ル基の同当量のグリシジル基を有する不飽和化合物とを
共重合させて製造した、二重結合を有するアクリル系共
重合体などが挙げられる。
【0042】前述の多価金属としては、銅、鉄、アルミ
ニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、タングス
テンなどが挙げられる。特に、銅はカルボキシル基と反
応を起こしやすい。
【0043】また、前述の多価金属化合物としては、ホ
ウ素、鉛、銅、鉄などのイオンを含有するものが挙げら
れる。特に、ホウ素イオンおよび鉛イオンはカルボキシ
ル基と反応を起こしやすい。
【0044】また、感光性モノマーとして、好適に用い
られるのは、不飽和基などの反応性官能基を有する光ラ
ジカル重合性モノマーを含むものであって、たとえば、
ヘキサンジオールトリアクリレート、トリプロピレング
リコールトリアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2
−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレ
ート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレ
ート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化ノニル
フェノールアクリレート、1,3−ブタンジオールジア
クリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレ
ート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
トトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアク
リレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヒドロキシペンタアクリレート、エトキシ化ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコ
ールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノール
Aジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレートなどが挙げられる。
【0045】上述した感光性モノマーは、水溶性である
ことが、現像性の観点から好ましい。
【0046】また、この発明において好適に用いること
のできる代表的な内部硬化型光重合開始剤としては、次
の構造式(1)で示される2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン
−1が挙げられる。
【0047】
【化1】
【0048】他に好適な内部硬化型光重合開始剤を具体
的に示すと、たとえば、次のような化合物を挙げること
ができる。 (1)ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、
(2)ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、(3)
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、および
(4)ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド。
【0049】他方、一般に、表面硬化型光重合開始剤
は、大別して、自己開裂型と水素引き抜き型とに分類す
ることができる。
【0050】水素引き抜き型として、たとえばベンゾフ
ェノン、2,4−ジメチルチオキサントンなどを使用し
た場合、通常、光増感剤と併用される。この光増感剤と
して、アミン化合物が一般に使用され、具体的には、ト
リエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどが
挙げられる。
【0051】しかし、これらアミン化合物を用いた場
合、重合体の初期着色が大きくなるため、どちらかと言
えば、自己開裂型の光重合開始剤を用いることが好まし
い。自己開裂型の光重合開始剤としては、アセトフェノ
ン系光重合開始剤、α−ジカルボニル系光重合開始剤な
どがあり、これらは、硬化体の無色透明性の点でより好
適である。
【0052】上述のように、好適に用いられる表面硬化
型光重合開始剤としては、次の構造式(2)で示される
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノプロパン−1−オンが挙げられる。
【0053】
【化2】
【0054】その他、この発明において好適に使用でき
る表面硬化型光重合開始剤を具体的に例示すると、次の
とおりである。
【0055】アセトフェノン系光重合開始剤: (1)2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、(2)1
−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン、(3)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、(4)1−(4−イソプロピルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン。
【0056】α−ジカルボニル系光重合開始剤: (1)1,2−ジフェニルエタンジオン、(2)メチル
フェニルグリオキシレート。
【0057】なお、これらの表面硬化型重合開始剤は、
単独で、または2種以上を同時に用いることができる。
【0058】上述したような内部硬化型および表面硬化
型の双方を含めた光重合開始剤の添加量としては、水現
像性感光性ペースト全量に対して、0.1重量%以上か
つ5重量%以下とすることが好ましく、より好ましく
は、0.2重量%以上かつ3重量%以下である。0.1
重量%未満であると、光による硬化が不十分となりやす
く、また、5重量%を超えると、硬化性が大きくなりす
ぎ、微細なパターンを得ることが困難になるからであ
る。
【0059】また、光重合開始剤における、内部硬化型
光重合開始剤と表面硬化型光重合開始剤との割合につい
ては、前者が10重量%以上かつ90重量%以下である
ことが好ましく、より好ましくは、20重量%以上かつ
85重量%以下である。10重量%未満であると、硬化
が不十分となりやすく、また、90重量%を超えると、
表面硬化が不十分となるため、露光部が水による過現像
状態に耐えることができず、パターン形成が困難になる
からである。
【0060】この発明に係る電子回路部品製造用水現像
性感光性ペーストにおいて、無機粉末としては、導電性
粉末および/または絶縁性粉末を用いることができる。
【0061】導電性粉末としては、たとえば、金、銀、
白金、アルミニウム、パラジウム、銅、ニッケル、鉄、
モリブデン、タングステンなどの単体金属粉末、これら
金属の合金粉末、銅などの卑金属粉末表面に銀などの貴
金属を被覆したものなどを用いることができる。
【0062】なお、前述したように、水現像性感光性樹
脂成分としての水溶性ポリマーまたは水溶性オリゴマー
がカルボキシル基を含有しない場合には、導電性粉末と
して、銅などの多価金属を含むものを用いても、水現像
性感光性ペーストがゲル化するという問題は生じない。
【0063】導電性粉末は、球状、板状、塊状、棒状な
ど、いずれの形状を有していてもよいが、凝集がなく分
散性が良好であることが好ましく、その平均粒径は、
0.05〜10μmとされるのが好ましく、より好まし
くは、0.5〜5μmである。導電性粉末の平均粒径が
0.05μm未満であると、粒子の凝集力が大きく、電
子回路部品における導体を形成するための分散性の良好
な水現像性感光性ペーストが得られにくく、一方、導電
性粉末の平均粒径が10μmを超えると、微細な配線パ
ターンを得ることが困難であるからである。
【0064】また、水現像性感光性ペーストにおいて、
導電性粉末の含有割合は、60〜90重量%が好まし
く、より好ましくは、65〜85重量%である。導電性
粉末の含有割合が60重量%未満であると、焼成時の収
縮による断線や亀裂が生じやすく、適正がパターンを得
ることが困難であり、一方、導電性粉末の含有割合が9
0重量%を超えると、感光性樹脂成分量が不足し、十分
な硬化が得られにくいからである。
【0065】また、この発明に係る感光性ペーストにお
いて、無機粉末として、絶縁性粉末が用いられる場合、
絶縁性粉末として、セラミック粉末および/またはガラ
ス粉末を用いることができる。
【0066】上述のセラミック粉末としては、たとえ
ば、結晶化ガラス、ガラス複合系、非ガラス系の公知の
低温焼結性セラミック粉末を用いることができ、より具
体的には、Al2 3 などの絶縁性セラミック粉末、B
aTiO3 などの誘電体セラミック粉末、ニッケル亜鉛
フェライトなどのフェライト系粉末、RuO2 、Pb2
Ru2 7 、Mn・Co・Niの複合酸化物などの高抵
抗セラミック粉末、PZTなどの圧電体セラミック粉末
などが挙げられる。
【0067】また、ガラス粉末としては、より具体的に
は、SiO2 −PbO系、SiO2−ZnO系、SiO
2 −Bi2 3 系、SiO2 −K2 O系、SiO2 −N
2O系、SiO2 −PbO−B2 3 系、SiO2
ZnO−B2 3 系、SiO 2 −Bi2 3 −B2 3
系、SiO2 −K2 O−B2 3 系、SiO2 −Na 2
O−B2 3 系などが挙げられる。
【0068】なお、前述したように、水現像性感光性樹
脂成分としての水溶性ポリマーまたは水溶性オリゴマー
がカルボキシル基を含有しない場合には、絶縁性粉末と
して、ホウ酸や酸化鉛などの多価金属化合物を含むもの
を用いても、水現像性感光性ペーストがゲル化するとい
う問題は生じない。
【0069】これらの絶縁性粉末についても、前述した
導電性粉末の場合と同様、球状、板状、塊状、棒状な
ど、いずれの形状を有していてもよいが、凝集がなく、
分散性が良好であることが好ましく、そのため、平均粒
径は、0.1〜10μmとされるのが好ましい。
【0070】この発明に係る電子回路部品製造用水現像
性感光性ペーストには、必要に応じて、さらに、重合禁
止剤などの保存安定剤、酸化防止剤、染料、顔料、消泡
剤、界面活性剤なども、適宜、添加することができる。
【0071】また、この発明に係る水現像性感光性ペー
ストからなる膜を現像する際には、水を現像液として使
用するが、現像性の向上などを目的として、必要に応じ
て、界面活性剤を添加した水やアルカリを添加した水な
ども、適宜、現像液として使用できる。
【0072】次に、この発明による電子回路部品におけ
る機能材料膜の形成方法について説明する。この形成方
法には、前述したように、第1のパターン形成方法と第
2のパターン形成方法とがある。
【0073】第1のパターン形成方法による一実施形態
によれば、適宜の機能材料を含む水現像性感光性ペース
トを、スクリーン印刷法、スピンコート法等の方法によ
って、被塗布体上に塗布し、それによって水現像性感光
性ペースト膜を形成し、これを乾燥した後、露光しかつ
現像し、しかる後、焼成などの熱処理を施すことによっ
て、従来のスクリーン印刷法では得られない、たとえ
ば、幅やピッチが50μm以下の微細パターンを形成す
ることができる。
【0074】上述の被塗布体としては、アルミナ基板や
ガラス基板のほか、セラミックグリーンシート、ポリエ
ステルフィルムなども使用することができる。
【0075】なお、上述した乾燥は、具体的には、たと
えば、40〜100℃の温度で10分間〜2時間の条件
で行なわれる。
【0076】上述した第1のパターン形成方法を適用し
て、直接、セラミックグリーンシート上に水現像性感光
性ペーストを塗布した後、フォトリソグラフィ技術に基
づいて、水現像性感光性ペーストによるパターンを微細
かつ厚膜に形成し、しかる後、焼成などの熱処理を施す
ようにすれば、多層セラミック基板のような電子回路部
品を製造することができる。
【0077】また、水現像性感光性ペーストを用いて、
基板や支持体等の上に微細パターンを形成した後、機能
性有機バインダを含む混合物を塗布して積層構造を形成
し、焼成などの熱処理を施すことによっても、多層回路
基板または多層回路素子のような電子回路部品を製造す
ることができる。
【0078】上述の機能性有機バインダを含む混合物と
しては、たとえば、セラミック粉末と有機バインダとを
混合したもの、銅、銀等の導電性金属粉末に有機バイン
ダを混合したもの、あるいは、さらにガラス粉末を混合
したもの等が挙げられる。
【0079】上述したような電子回路部品における機能
材料膜の形成方法において、この発明に係る電子回路部
品製造用水現像性感光性ペーストを用いれば、この水現
像性感光性ペーストの感度が高いため、過現像状態にな
っても、安定してパターンを形成することができるの
で、ビアホール導体や導体膜等の電子回路部品にとって
必要な導体パターンを、微細にかつ厚膜をもって形成す
ることができ、高周波特性に優れた小型の回路基板また
は回路素子のような電子回路部品を製造することができ
る。したがって、チップインダクタ、チップ積層コンデ
ンサのような高周波チップ電子回路部品を、高密度化や
信号の高速化に十分に対応させることが可能になる。
【0080】次に、この発明に係る第1のパターン形成
方法を用いて製造された電子回路部品の一具体例につい
て、図1および図2を参照しながら説明する。図1は、
電子回路部品の一例としてのチップコイル1の外観を示
す斜視図であり、図2は、図1に示したチップコイル1
の主要部を分解して示す斜視図である。
【0081】チップコイル1は、コイル本体2を備えて
いる。コイル本体2は、図2に示すように、絶縁性基板
3、ならびにその上に順次積層された絶縁体層4、5、
6および7を備えている。また、コイル本体2の外表面
上であって各端部には、外部電極8および9が形成され
ている。
【0082】コイル本体2の内部には、図2に示すよう
に、コイルパターンの一部となる内部電極10、11、
12および13が形成されている。内部電極10は、絶
縁性基板3と絶縁体層4との間、内部電極11は、絶縁
体層4と絶縁体層5との間、内部電極12は、絶縁体層
5と絶縁体層6との間、内部電極13は、絶縁体層6と
絶縁体層7との間にそれぞれ設けられている。また、内
部電極10は、前述した外部電極8に電気的に接続さ
れ、他方、内部電極13は、外部電極9に電気的に接続
されている。
【0083】また、内部電極10〜13は、順次、ビア
ホール導体14〜16を介して電気的に接続され、これ
ら内部電極10〜13およびビアホール導体14〜16
によって、所定のコイルパターンが形成される。なお、
ビアホール導体14〜16は、図2において、各々の接
続位置が1点鎖線で示されているのみで、実際のものの
図示は、内部電極11〜13に隠れているので省略され
ている。
【0084】上述のコイルパターンに関して、より詳細
に説明すると、内部電極10は、絶縁体層4に設けられ
たビアホール導体14を介して、内部電極11と電気的
に接続され、内部電極11は、絶縁体層5に設けられた
ビアホール導体15を介して、内部電極12と電気的に
接続され、内部電極12は、絶縁体層6に設けられたビ
アホール導体16を介して、内部電極13と電気的に接
続されている。
【0085】このようなチップコイル1は、たとえば、
次のようにして製造される。
【0086】まず、アルミナなどからなる絶縁性基板3
を用意し、次いで、無機粉末として導電性粉末を含む、
この発明による水現像性感光性ペーストを用いて、絶縁
性基板3上に、所望のパターンを有する導体ペースト膜
を形成する。次いで、この導体ペースト膜を脱脂処理し
た後、たとえば、空気中において800℃の温度で1時
間程度焼成して、内部電極10を形成する。
【0087】次いで、無機粉末としてガラス粉末を含
む、この発明に係る水現像性感光性ペーストを用いて、
上述の内部電極10が形成された絶縁性基板3上に、絶
縁体ペースト膜を形成する。次いで、この絶縁体ペース
ト膜に、露光・現像処理を施すことによって、たとえば
直径50μmのビアホール導体14のための孔を形成す
る。さらに、この絶縁体ペースト膜を、大気中において
所定の温度で所定の時間焼成して、ビアホール導体14
のための孔を有する絶縁体層4を絶縁性基板3上に形成
する。
【0088】次いで、上述の孔に導電性ペーストを充填
し、乾燥し、それによって、内部電極10の一方端と電
気的に接続されたビアホール導体14を形成する。
【0089】その後、上述した方法と同様の方法を繰り
返すことによって、ビアホール導体14と電気的に接続
された内部電極11、絶縁体層5、ビアホール導体15
と電気的に接続された内部電極12、絶縁体層6、ビア
ホール導体16と電気的に接続された内部電極13、絶
縁体層7を順次形成することによって、コイル本体2を
得る。
【0090】そして、コイル本体2の外表面上に、外部
電極8および9を形成することによって、チップコイル
1を完成させる。
【0091】以上のような製造方法によれば、内部電極
10〜13を形成するために、この発明に係る水現像性
感光性ペーストを用いているので、現像時に過現像状態
になっても、微細かつ高精度な導体パターンを形成する
ことができる。また、絶縁体層4〜7を形成するため、
この発明に係る水現像性感光性ペーストを用いるととも
に、絶縁体層4〜6に位置するビアホール導体14〜1
6の各々のための孔を露光および現像によって形成して
いるので、この場合においても、現像時に過現像状態に
なっても、微細かつ高精度な孔を形成することができ、
その結果、ビアホール導体14〜16を微細かつ高精度
に形成することができる。
【0092】このようなことから、この発明に係る第1
のパターン形成方法を適用すれば、微細かつ高精度に導
体パターンやビアホール導体を形成できるので、電子回
路部品の小型化や信号の高速化に十分対応することがで
きる。
【0093】次に、この発明に係る第2のパターン形成
方法について、図3を参照して説明する。
【0094】まず、図3(1)に示すように、支持体2
1を用意し、この支持体21上に、スピンコーター、ス
クリーン印刷、ドクターブレード等の方法によって、水
現像性感光性ペーストを塗布し、40〜100℃の温度
で10分間〜2時間の条件で、これを乾燥して、ペース
ト膜22を形成する。
【0095】次いで、図3(2)に示すように、支持体
21上のペースト膜22に、所望のパターンが描画され
たマスク23を介して、たとえば、高圧水銀灯等からの
活性光線24を、20〜5000mJ/cm2 の露光量
で照射し、ペースト膜22を、所定のパターンをもって
露光する。これによって、活性光線24の照射された部
分すなわち露光部25は硬化し、後の現像処理によって
現像されない領域となり、残りの部分は、未露光部26
として残る。
【0096】次いで、上述した露光部25および未露光
部26を備えるペースト膜22に対して、水をスプレー
シャワー等によって作用させると、未露光部26が水に
溶け出して、すなわち現像されて、図3(3)に示すよ
うに、支持体21上に、パターニングされた露光部25
のみからなるペースト膜22が残る。
【0097】次いで、図3(4)に示すように、支持体
21上の露光部25のみによって与えられたペースト膜
22を、一般的な熱プレス装置を用いて、たとえば、1
〜200MPaの圧力および50〜150℃の温度を及
ぼす条件下で、5秒間〜5分間の時間をかけて、被転写
体27上へ熱転写する。
【0098】次いで、図3(5)に示すように、被転写
体27から支持体21を剥離することにより、被転写体
27上に、露光部25によって与えられかつ微細かつ高
精度にパターニングされたペースト膜22が形成され
る。
【0099】なお、転写用の支持体21としては、たと
えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリアミドフィルム等の樹脂フィルムを好適に用い
ることができる。また、ペースト膜22の転写性を改善
するため、支持体21上に、シリコンコート、ワックス
コート、メラミンコート等の離型処理を予め施しておい
てもよい。
【0100】以上の第2のパターン形成方法は、セラミ
ックグリーンシート上へのパターン形成、絶縁体セラミ
ック層または誘電体セラミック層上へのパターン形成、
プリント回路基板上へのパターン形成など、種々の用途
に適用することができる。たとえば、セラミックグリー
ンシート上へのパターン形成は、たとえば、多層セラミ
ック基板の製造方法において有利に適用することができ
る。
【0101】上述したセラミックグリーンシートは、セ
ラミック粉末と有機ビヒクルとを混合したスラリーをシ
ート状に成形したものであるが、スラリーには、さらに
ガス粉末が混合されていてもよい。
【0102】また、セラミックグリーンシートは、上述
の有機ビヒクルに感光性有機成分を混合した感光性グリ
ーンシートを使用し、フォトリソグラフィ技術に基づい
て、ビアホール導体のための微細な孔が形成されたもの
であってもよい。
【0103】次に、この発明の一実施形態による多層セ
ラミック基板の製造方法について、図4を参照しながら
説明する。
【0104】図4に示す多層セラミック基板31は、複
数の絶縁体層32および複数の誘電体層33を積層して
構成される積層体34を備えている。
【0105】積層体34の内部には、いくつかの内部導
体膜35およびいくつかのビアホール導体36が形成さ
れていて、これら内部導体膜35およびビアホール導体
36によって、たとえば、コンデンサパターン、コイル
パターン、ストリップライン等が形成されている。
【0106】また、積層体34の一方主面上には、チッ
プコンデンサ等のチップ部品37、厚膜抵抗体38、半
導体IC39等が設けられており、これらは、それぞれ
関連の外部導体膜40に電気的に接続されている。
【0107】このような多層セラミック基板31は、た
とえば、次のような方法によって製造される。
【0108】まず、ガラス粉末、所望の特性を有するセ
ラミック粉末および有機ビヒクルを混合して、スラリー
を作製し、このスラリーをドクターブレード法等によっ
てシート状に成形し、たとえば50〜150℃の温度で
乾燥させる、各工程を経て、絶縁体層32のための絶縁
体セラミックグリーンシートおよび誘電体層33のため
の誘電体セラミックグリーンシートをそれぞれ作製す
る。
【0109】次に、絶縁体セラミックグリーンシートお
よび誘電体セラミックグリーンシートの各々について、
必要に応じて、内部導体膜35およびビアホール導体3
6を形成する。ここで、内部導体膜35の形成にあたっ
ては、前述した第1のパターン形成方法および第2のパ
ターン形成方法のいずれかを適用することができる。ま
た、ビアホール導体36の形成にあたっては、そのため
の孔を形成する方法として、セラミックグリーンシート
を、この発明に係る水現像性感光性ペーストをもって構
成し、露光および現像工程を経て、これを形成すること
もできる。
【0110】次いで、上述のように内部導体膜35やビ
アホール導体36が形成されたセラミックグリーンシー
トを積み重ね、プレスすることによって、生のグリーン
シート積層体を得た後、これを所定温度にて焼成するこ
とによって、積層体34を得る。
【0111】次いで、積層体34の一方主面上に、前述
した第1のパターン形成方法または第2のパターン形成
方法を適用して、外部導体膜40を形成し、その後、チ
ップ部品37および半導体IC39を搭載するととも
に、厚膜抵抗体38を印刷することによって、多層セラ
ミック基板31を完成させる。
【0112】なお、この発明は、上述の図面を参照して
説明したようなチップコイルや多層セラミック基板に限
らず、チップコンデンサ、チップLCフィルタ、VCO
(Voltage Controlled Oscil
lator)やPLL(Phase Locked L
oop)等の高周波機能モジュール等の他の電子回路部
品にも有利に適用することができる。
【0113】以下に、この発明に係る電子回路部品製造
用水現像性感光性ペーストを、実験例に基づいて、より
具体的に説明する。
【0114】
【実施例1】この発明の範囲内にある実施例1〜9およ
びこの発明の範囲から外れる比較例1〜6としての各水
現像性感光性ペーストを作製した。
【0115】実施例および比較例の概略を述べると、実
施例に係る各水現像性感光性ペーストは、無機粉末と水
溶性アクリル系共重合体と光ラジカル重合性モノマーと
光重合開始剤とを含むとともに、光重合開始剤として、
内部硬化型光重合開始剤および表面硬化型光重合開始剤
の双方を含むものである。他方、比較例に係る各水現像
性感光性ペーストは、無機粉末と水溶性アクリル系共重
合体と光ラジカル重合性モノマーと光重合開始剤とを含
むが、光重合開始剤として、表面硬化型光重合開始剤お
よび内部硬化型光重合開始剤のいずれか一方しかを含ま
ないものである。
【0116】より具体的には、これら実施例および比較
例において、表1に示すように、無機粉末としては、平
均粒径が3.0μmのCu粉末(表1において「A
1」)、平均粒径が0.6μmのCu粉末(表1におい
て「A2」)、平均粒径が3.0μmのSiO2 −Pb
O−B2 3 系ガラス粉末(表1において「B」)、お
よび/または平均粒径が3.0μmのAl2 3 粉末
(表1において「C」)をそれぞれ用いた。
【0117】また、実施例および比較例の各々におい
て、感光性樹脂成分を構成するアクリル系共重合体とし
ては、親水性メタクリル酸エステルと疎水性メタクリル
酸エステルとの共重合体(表1において「ポリマー」)
を用い、同じく光ラジカル重合性モノマーとしては、エ
トキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(表
1において「モノマー」)を用いた。
【0118】また、実施例の各々において、および、比
較例のうち、光重合開始剤として内部硬化型光重合開始
剤を含むものにおいては、内部硬化型光重合開始剤とし
ては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(表1において
「A」)を用いた。
【0119】また、実施例の各々において、および、比
較例のうち、光重合開始剤として表面硬化型光重合開始
剤を含むものにおいては、表面硬化型光重合開始剤とし
ては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(表1にお
いて「B1」)、および2,4−ジエチルチオキサント
ン(表1において「B2」)をそれぞれ用いた。
【0120】そして、これら無機粉末、水溶性アクリル
系共重合体、光ラジカル重合性モノマー、内部硬化型重
合開始剤、および表面硬化型重合開始剤を、有機溶剤と
してのエチルカルビトールアセテート(表1において
「CA」)とともに、表1に示すような組成比率(重量
%)をもって十分に混合した後、3本ロールによって混
練することによって、実施例1〜9および比較例1〜5
による各水現像性感光性ペーストを作製した。
【0121】
【表1】
【0122】以上の実施例1〜9および比較例1〜6の
各々に含まれる、Cu粉末および/または絶縁性粉末の
含有割合、内部硬化型光重合開始剤の含有割合、ならび
に表面硬化型光重合開始剤の含有割合が、一覧できるよ
うに、以下の表2に示されている。
【0123】
【表2】
【0124】次いで、実施例1〜9および比較例1〜6
の各々に係る水現像性感光性ペーストを、ポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム上にスクリーン印刷
によって付与し、次いで、90℃にて1時間乾燥して、
厚み20μmのペースト膜を形成した。次に、このペー
スト膜に、マスクを通して、超高圧水銀灯の光線を10
00mJ/cm2 照射することによって、ペースト膜を
露光処理した後、水による現像を行なった。現像後、直
ちに90℃にて5分間乾燥した。
【0125】このようにしてパターニングされた各実施
例および各比較例に係るパターン膜について、PETフ
ィルム上での現像後の剥がれの発生の有無、ならびに、
顕微鏡観察による、解像度の測定を行なった。解像度
は、ライン/スペースでどのくらいの幅の微細パターン
が得られているかを求めたものである。これらの結果が
表3に示されている。
【0126】
【表3】
【0127】表3から、実施例1〜9によれば、解像度
が優れ、かつ現像後の剥がれのない状態で、微細なパタ
ーンを有するパターン膜が得られており、光重合開始剤
として、内部硬化型光重合開始剤と表面硬化型光重合開
始剤とを組み合わせて用いているので、水現像性感光性
ペーストにおいて、十分な硬化状態が達成されているこ
とがわかる。
【0128】特に、実施例3、5および6では、表2に
示すように、Cu粉末の含有割合またはCu粉末および
絶縁性粉末の含有割合が82重量%以上と高く、また、
実施例3〜7では、表1に示すように、「無機粉末」と
して「A2」が用いられ、その平均粒径が0.6μmと
小さく、いずれにおいても、ペースト膜中への光透過性
が低くなるが、それにも関わらず、上述したように、十
分な硬化状態が達成されていることに注目すべきであ
る。
【0129】なお、用いられる光重合開始剤において、
内部硬化型光重合開始剤の割合は、実施例1〜9のよう
に、10〜90重量%の範囲内に選ばれるのが好ましい
が、より好ましくは、実施例2〜8のように、20〜8
5重量%の範囲内に選ばれる。内部硬化型光重合開始剤
の割合を20〜85重量%の範囲内に選ぶことにより、
表2の実施例2〜8のように、30μm以下の解像度を
確実に得ることができる。
【0130】これらに対して、比較例1〜5では、光重
合開始剤として、表面硬化型光重合開始剤しか用いてい
ないので、水現像性感光性ペーストにおいて、十分な硬
化状態が達成されず、したがって、解像度が劣り、現像
後の剥がれが微細なパターン部分において発生し、微細
なパターンを有するパターン膜を形成することができな
かった。
【0131】また、比較例6では、光重合開始剤とし
て、内部硬化型光重合開始剤しか用いていないので、水
現像性感光性ペーストが硬化不足となり、現像後におい
て、すべてのペースト膜が剥がれ、パターン膜を形成す
ることが不可能であった。
【0132】
【実験例2】上述の実験例1に引き続いて、この実験例
2を実施した。
【0133】ホウケイ酸系ガラス粉末37.3g、アル
ミナ粉末24.9g、メタクリル酸/メタクリル酸メチ
ルの共重合割合が重量基準で25/75の共重合体(重
量平均分子量=50000)6.2g、エタノール3.
1g、および、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル0.5gを混合して得られたスラリーを、ドクター
ブレード法によってシート状に成形し、100℃で1時
間乾燥させて、厚み100μmのセラミックグリーンシ
ートを得た。
【0134】次いで、実験例1における実施例5および
6の感光性銅ペーストをそれぞれ用いて得られた、ライ
ン/スペース=20/20(μm)のパターンを有する
ペースト膜が形成されたPETフィルムを、上記セラミ
ックグリーンシートと重ね合わせ、10MPaおよび6
0℃の条件下で1分間熱プレスを行なった後、PETフ
ィルムを剥離することによって、ペースト膜をセラミッ
クグリーンシート上へ熱転写した。
【0135】このような方法で作製されたペースト膜を
形成する5枚のセラミックグリーンシートを重ね合わ
せ、200MPaおよび60℃の条件下で1分間熱プレ
スを行なった。
【0136】そして、上述のグリーンシート積層体を、
窒素雰囲気中において900℃の温度で焼成し、ライン
/スペース=10/30(μm)の銅パターンを内蔵し
た多層アルミナ基板を得ることができた。
【0137】
【実験例3】この実験例3は、上述の実験例2に引き続
いて実施されたものである。
【0138】実験例1における実施例5および6の各感
光性銅ペーストを用いて得られた、ライン/スペース=
20/20(μm)のパターンを有するペースト膜を形
成したPETフィルム上に、実験例2において得られた
スラリーをドクターブレード法によって塗布した。
【0139】次いで、上述のスラリー膜を、50℃で1
時間乾燥した後、10MPaおよび60℃の条件下で1
分間熱プレスを行なった後、PETフィルムを剥離し
た。
【0140】このような方法によってペースト膜が形成
された5枚のセラミックグリーンシートを作製し、これ
らを重ね合わせ、200MPaおよび60℃の条件下で
1分間熱プレスを行なった。
【0141】そして、上述のグリーンシート積層体を、
窒素雰囲気中において900℃の温度で焼成し、ライン
/スペース=10/30(μm)の銅パターンを内蔵し
た多層アルミナ基板を得ることができた。
【0142】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る電子回路
部品製造用水現像性感光性ペーストによれば、光重合開
始剤として、内部硬化型光重合開始剤と表面硬化型光重
合開始剤とを組み合わせて用いているので、光重合によ
って十分な硬化状態が達成されるとともに、過現像状態
となっても、良好なパターンを形成することができ、そ
れゆえ、微細なパターンを有するパターン膜を容易に形
成することができる。
【0143】したがって、このような電子回路部品製造
用水現像性感光性ペーストを用いて形成された導体膜や
絶縁体膜を備える、たとえば多層セラミック基板のよう
な電子回路部品によれば、導体膜や絶縁体膜に微細な形
態を容易に与えることができるので、このような電子回
路部品の小型化や高密度化に寄与できるとともに、導体
膜を厚くすることが容易であるので、電子回路部品を高
周波特性に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電子回路部品製造用水現像性感
光性ペーストを用いて製造される電子回路部品の一例と
してのチップコイル1の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示したチップコイル1に備える部品本体
2を分解して示す斜視図である。
【図3】この発明の好ましい実施形態の1つとしての第
2のパターン形成方法によってパターニングされたペー
スト膜22を形成する工程を順次示す断面図である。
【図4】この発明に係る電子回路部品製造用水現像性感
光性ペーストを用いて製造される電子回路部品の他の例
としての多層セラミック基板31を示す断面図である。
【符号の説明】
1 チップコイル 3 絶縁性基板 4〜7 絶縁体層 10〜13 内部電極 14〜16 ビアホール導体 21 支持体 22 ペースト膜 23 マスク 24 活性光線 25 露光部 26 未露光部 27 被転写体 31 多層セラミック基板 32 絶縁体層 33 誘電体層 34 積層体 35 内部導体膜 36 ビアホール導体 40 外部導体膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/028 G03F 7/028 H05K 1/09 H05K 1/09 D 3/46 3/46 H S Fターム(参考) 2H025 AA02 AA04 AB15 AB17 AB20 AC01 AD01 BC13 CA03 CA04 CA09 CA27 CC08 CC09 FA17 FA35 4E351 AA07 BB01 BB24 BB26 BB31 CC12 CC22 DD04 DD05 DD06 DD10 DD17 DD19 DD20 DD52 EE03 EE13 EE21 GG01 GG11 GG16 4J011 PA03 PA05 PA15 PA69 PB22 PB39 PC02 QA03 QA12 QA13 QA15 QA17 QA21 QA22 QA23 QA24 QA27 QA33 QA37 QB03 QB16 QB19 RA03 SA04 SA05 SA06 SA14 SA15 SA16 SA18 SA61 SA75 SA78 SA83 TA06 TA09 UA01 VA01 WA01 4J026 AA45 AC35 BA27 BA28 BA30 BA50 BB01 BB02 DB26 DB30 DB36 FA05 5E346 AA12 AA15 AA38 BB01 CC17 CC31 CC32 CC34 CC35 CC37 CC38 CC39 DD02 DD13 DD32 DD34 EE24 GG02 GG03 GG06 HH13 HH26

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粉末、水現像性感光性樹脂成分、お
    よび光重合開始剤を含む、感光性ペーストにおいて、前
    記光重合開始剤が、内部硬化型光重合開始剤と表面硬化
    型光重合開始剤とからなることを特徴とする、電子回路
    部品製造用水現像性感光性ペースト。
  2. 【請求項2】 前記水現像性感光性樹脂成分は、水溶性
    ポリマーまたは水溶性オリゴマー、および感光性モノマ
    ーを含む、請求項1に記載の電子回路部品製造用水現像
    性感光性ペースト。
  3. 【請求項3】 前記水溶性ポリマーまたは水溶性オリゴ
    マーは、カルボキシル基を含有しない、請求項2に記載
    の電子回路部品製造用水現像性感光性ペースト。
  4. 【請求項4】 前記無機粉末は、多価金属および/また
    は多価金属化合物を含む粉末である、請求項3に記載の
    電子回路部品製造用水現像性感光性ペースト。
  5. 【請求項5】 前記多価金属は、銅である、請求項4に
    記載の電子回路部品製造用水現像性感光性ペースト。
  6. 【請求項6】 前記多価金属化合物は、ホウ素イオンお
    よび鉛イオンの少なくとも一方を含有する化合物であ
    る、請求項4または5に記載の電子回路部品製造用水現
    像性感光性ペースト。
  7. 【請求項7】 前記水溶性ポリマーまたは水溶性オリゴ
    マーは、アクリル系共重合体を含み、前記感光性モノマ
    ーは、光ラジカル重合性モノマーを含む、請求項2ない
    し6のいずれかに記載の電子回路部品製造用水現像性感
    光性ペースト。
  8. 【請求項8】 前記光重合開始剤の含有量は、当該水現
    像性感光性ペースト全量に対して、0.1重量%以上か
    つ5重量%以下である、請求項1ないし7のいずれかに
    記載の電子回路部品製造用水現像性感光性ペースト。
  9. 【請求項9】 前記光重合開始剤において、前記内部硬
    化型光重合開始剤の割合が10重量%以上かつ90重量
    %以下である、請求項1ないし8のいずれかに記載の電
    子回路部品製造用水現像性感光性ペースト。
  10. 【請求項10】 前記無機粉末は、導電性粉末を含む、
    請求項1ないし9のいずれかに記載の電子回路部品製造
    用水現像性感光性ペースト。
  11. 【請求項11】 前記導電性粉末は、金、銀、白金、パ
    ラジウム、銅、鉄、ニッケル、タングステン、アルミニ
    ウムおよびモリブデンから選ばれる少なくとも1種を含
    む粉末である、請求項10に記載の電子回路部品製造用
    水現像性感光性ペースト。
  12. 【請求項12】 前記無機粉末は、絶縁性粉末を含む、
    請求項1ないし11のいずれかに記載の電子回路部品製
    造用水現像性感光性ペースト。
  13. 【請求項13】 前記絶縁性粉末は、ガラス粉末および
    /またはセラミック粉末を含む、請求項12に記載の電
    子回路部品製造用水現像性感光性ペースト。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれかに記載
    の電子回路部品製造用水現像性感光性ペーストであっ
    て、前記無機材料として機能材料粉末を含む水現像性感
    光性ペーストからなる水現像性感光性ペースト膜を形成
    する工程と、 前記水現像性感光性ペースト膜を露光しかつ現像するこ
    とによってパターニングする工程とを備える、電子回路
    部品における機能材料膜の形成方法。
  15. 【請求項15】 機能材料粉末を含む水現像性感光性ペ
    ーストからなる水現像性感光性ペースト膜を支持体上に
    形成する工程と、 前記水現像性感光性ペースト膜を露光しかつ現像するこ
    とによってパターニングする工程と、 パターニングされた前記水現像性感光性ペースト膜を被
    転写体上へ転写する工程とを備える、電子回路部品にお
    ける機能材料膜の形成方法。
  16. 【請求項16】 前記水現像性感光性ペーストとして、
    請求項1ないし13のいずれかに記載の電子回路部品製
    造用水現像性感光性ペーストを用いる、請求項15に記
    載の電子回路部品における機能材料膜の形成方法。
  17. 【請求項17】 請求項14ないし16のいずれかに記
    載の形成方法によって形成された機能材料膜を用いて製
    造された、電子回路部品。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし13のいずれかに記載
    の電子回路部品製造用水現像性感光性ペーストであっ
    て、前記無機材料として機能材料粉末を含む水現像性感
    光性ペーストからなる水現像性感光性ペースト膜をセラ
    ミックグリーンシート上に形成する工程と、 前記水現像性感光性ペースト膜を露光しかつ現像するこ
    とによってパターニングする工程と、 前記水現像性感光性ペースト膜が形成された前記セラミ
    ックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシ
    ートを積層することによって、生のグリーンシート積層
    体を得る工程と、 前記生のグリーンシート積層体を焼成する工程とを備え
    る、多層セラミック基板の製造方法。
  19. 【請求項19】 機能材料粉末を含む水現像性感光性ペ
    ーストからなる水現像性感光性ペースト膜を支持体上に
    形成する工程と、 前記水現像性感光性ペースト膜を露光しかつ現像するこ
    とによってパターニングする工程と、 パターニングされた前記水現像性感光性ペースト膜をセ
    ラミックグリーンシート上へ転写する工程と、 前記水現像性感光性ペースト膜が転写された前記セラミ
    ックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシ
    ートを積層することによって、生のグリーンシート積層
    体を得る工程と、 前記生のグリーンシート積層体を焼成する工程とを備え
    る、多層セラミック基板の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記水現像性感光性ペーストとして、
    請求項1ないし13のいずれかに記載の電子回路部品製
    造用水現像性感光性ペーストを用いる、請求項19に記
    載の多層セラミック基板の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項18ないし20のいずれかに記
    載の製造方法によって得られた、多層セラミック基板。
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