JP2002265562A - リン含有エポキシ樹脂及び難燃性組成物 - Google Patents

リン含有エポキシ樹脂及び難燃性組成物

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JP2002265562A
JP2002265562A JP2001064252A JP2001064252A JP2002265562A JP 2002265562 A JP2002265562 A JP 2002265562A JP 2001064252 A JP2001064252 A JP 2001064252A JP 2001064252 A JP2001064252 A JP 2001064252A JP 2002265562 A JP2002265562 A JP 2002265562A
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epoxy resin
phosphorus
flame
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retardant
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Application number
JP2001064252A
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English (en)
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Tetsuro Imura
哲朗 井村
Takayoshi Hirai
孝好 平井
Yoshinobu Onuma
吉信 大沼
Tatsuto Yoshioka
達人 吉岡
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Japan Epoxy Resins Co Ltd
Original Assignee
Japan Epoxy Resins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化物の耐熱性、耐湿性を損なうことなく、
難燃性に優れた硬化物を与える熱硬化性のリン含有難燃
性エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 一般式(1)の及び/又は一般式(2)
のリン含有多価フェノール化合物とエポキシ樹脂を反応
させて得られるリン含有エポキシ樹脂。該リン含有エポ
キシ樹脂成分と硬化剤成分を含有するリン含有難燃性エ
ポキシ樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (式中、R及びR、R及びRは、アリール基で
置換されていても良いC 〜C10脂肪族炭化水素基、
とR及びRとRは互いに結合して環状構造を
形成していても良い。R及びRは、C〜Cの炭
化水素基、n及びmは0〜3の整数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層板、封止材、
接着剤、塗料及び電気絶縁材料として有用な、耐熱性及
び電気特性に優れた硬化物を与えるリン含有難燃性エポ
キシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水
性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから、
様々の分野で使用されている。使用されているエポキシ
樹脂としては、ビスフェノールAのジグリシジルエ−テ
ルやフェノ−ル又はクレゾールノボラック型のエポキシ
樹脂等のエポキシ樹脂が一般的である。しかし、上記エ
ポキシ樹脂単独では難燃性が無いため、高い難燃性を要
求される電気電子材料部品の用途にはハロゲン系難燃剤
を添加したり、エポキシ樹脂骨格中に臭素を導入するこ
とにより難燃性を付与した臭素化エポキシ樹脂が使用さ
れる。更に、難燃助剤として、三酸化アンチモンやその
他の難燃剤が併用される場合もあるが、主たる難燃成分
は塩素、臭素などのハロゲン含有物質である。
【0003】ところが、近年、ハロゲン系の難燃剤は社
会問題となっているダイオキシン類の発生原因の一つと
して懸念されており、ハロゲン系難燃剤や臭素化エポキ
シ樹脂についてもこのような有害物質の排出といった環
境面や、使用済みの電気・電子機器類のリサイクル性の
視点から、その使用が問題視されつつある。
【0004】そこで、これらのハロゲン系難燃剤や臭素
化エポキシ樹脂に替わる材料としてハロゲンを使用しな
い難燃化手法が開発されている。例えば、窒素系難燃剤
を応用した手法として、トリアジン環を有する化合物を
用いる方法(特開平03−62825号公報、特開平0
8−253557号公報参照)が提案されているが、ト
リアジン環を分子内に少量しか導入できないため、エポ
キシ硬化物の難燃性改良効果がそれ程高くなく、また、
親水性の極性基が多く硬化物の吸水率が高いという問題
もある。水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の
金属水和物を添加する方法(ドイツ特許出願公開第35
40524号明細書参照)も提案されているが、燃焼時
に有害なガス等を発生しないという意味で環境への影響
が少ない点では有利であるが、多量に配合すると接着性
をはじめとする機械強度や電気特性が低下したり、硬化
前後の作業性、加工性が悪化するなどの問題を抱えてい
る。
【0005】また、リン系化合物の難燃剤を添加する方
法(特開平11−124489号公報、特開平11−1
66035号公報参照)が提案されているが、このよう
なリン系化合物を添加する方法は、充分な難燃性を付与
させるために多量のリン系化合物を配合する必要があ
り、その結果、耐熱性、耐湿性、リン化合物のブリード
アウトや溶出などといった基本的な性能を著しく損なう
欠点を有している。
【0006】そこで、これらの問題を解決するためにエ
ポキシ樹脂のエポキシ基と反応する反応基を有する反応
型リン化合物をエポキシ樹脂組成物中にブレンドする方
法、反応型リン化合物をあらかじめエポキシ樹脂と反応
させて得られるリン含有エポキシ樹脂を使用する方法
(特開平04−11662号公報、特開平11−279
258号公報参照)も提案されている。しかし、このよ
うな反応型リン化合物を使用した系でも、リン化合物の
ブリードアウトや溶出などの問題は改良されるものの、
耐熱性や耐湿性の問題が完全に解決されるわけではな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のリン
含有エポキシ樹脂を用いることにより、エポキシ硬化物
の耐熱性、耐湿性を損なうことなく、難燃性に優れた硬
化物を与えることができる、熱硬化性のリン含有難燃性
エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リンを含
有する化合物について鋭意検討した結果、特定のリン含
有多価フェノール化合物とエポキシ樹脂を反応させて得
られるリン含有エポキシ樹脂を用いることで、耐熱性や
耐湿性等の性能を損なわず、難燃性の改良効果に優れる
硬化物を得ることができることを見出した。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(1)で表さ
れるリン含有多価フェノール化合物及び/又は下記一般
式(2)で表されるリン含有多価フェノール化合物とエ
ポキシ樹脂を反応させて得られるリン含有エポキシ樹脂
と、エポキシ樹脂成分の全部又は一部が該リン含有エポ
キシ樹脂であるエポキシ樹脂成分と硬化剤を含有するこ
とを特徴とする、リン含有難燃性エポキシ樹脂組成物に
関するものである。
【0010】
【化13】 (式中、R1及びR2は、アリール基で置換されていても
良い炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R1
とR2が結合して環状構造を形成していても良い。R
3は、炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは0〜3の
整数である。)
【0011】
【化14】 (式中、R4及びR5は、アリール基で置換されていても
良い炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R4
とR5が結合して環状構造を形成していても良い。R
6は、炭素数1〜6の炭化水素基であり、mは0〜3の
整数である。)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるリン含有多価
フェノール化合物としては、一般式(1)中のR1及び
2が、アリール基で置換されていても良い炭素数1〜
10の脂肪族炭化水素基であって、R1とR2が結合して
環状構造を形成していても良いものであり、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t
−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルへプチ
ル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、
シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メ
チルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、
ジフェニルメチル基等で、R1とR2が同一でも異なって
いても良い。また、R1とR2が結合して環状構造を形成
しているものとしては、例えば、テトラメチレン、シク
ロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、
シクロオクチレン、シクロデシレン、ノルボルニレン等
が挙げられ、また一般式(1)中のR3としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブ
チル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、
フェニル基等が挙げられ、nは0〜3の整数であり、n
が2又は3の場合は、R3のそれぞれが同一でも異なっ
ていても良い化学構造のものが挙げられる。
【0013】また、さらに、本発明に用いられるリン含
有多価フェノール化合物としては、一般式(2)中のR
4及びR5が、アリール基で置換されていても良い炭素数
1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R4とR5が結合
して環状構造を形成していても良いものであり、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチル
へプチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシ
ル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、
α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチ
ル基、ジフェニルメチル基等で、R4とR5は同一でも異
なっていても良い。また、R4とR5が結合して環状構造
を形成するものとしては、例えば、テトラメチレン、シ
クロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレ
ン、シクロオクチレン、シクロデシレン、ノルボルニレ
ン等が挙げられる。また、一般式(2)中のRとして
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−
ブチル基、フェニル基等が挙げられ、mは0〜3の整数
であり、mが2又は3の場合は、R6のそれぞれが同一
でも異なっていても良い化学構造のものが挙げられる。
【0014】これらの中で、一般式(1)の化合物とし
ては、特に、請求項2記載の式(3)のジメチル−2,
5−ジヒドロキシフェニルホスフィンオキサイド、式
(4)のジエチル−2,5−ジヒドロキシフェニルホス
フィンオキサイド、式(5)のジブチル−2,5−ジヒ
ドロキシフェニルホスフィンオキサイド、式(6)のビ
ス(2−フェニルエチル)−2,5−ジヒドロキシフェ
ニルホスフィンオキサイド、式(7)のシクロオクチレ
ン−2,5−ジヒドロキシフェニルホスフィンオキサイ
ド、式(2)の化合物としては、特に、式(8)のジメ
チル(1,4−ジヒドロキシナフチル)ホスフィンオキ
サイド、(9)のジエチル−(1,4−ジヒドロキシナ
フチル)ホスフィンオキサイド、式(10)のジブチル
−(1,4−ジヒドロキシナフチル)ホスフィンオキサ
イド、式(11)のビス(2−フェニルエチル)−
(1,4−ジヒドロキシナフチル)ホスフィンオキサイ
ド、式(12)のシクロオクチレン−(1,4−ジヒド
ロキシナフチル)ホスフィンオキサイドが好ましい。一
般式(1)及び一般式(2)で表されるリン含有多価フ
ェノール化合物は単独で用いても良いし、複数の種類を
併用しても良い。
【0015】なお、本発明のリン含有多価フェノール化
合物として、一般式(1)中のR1及びR2、一般式
(2)中のR4及びR5がそれぞれアリール基である場合
を除外しているが、これは、一般式(1)及び一般式
(2)のリン含有多価フェノール化合物を製造する前段
階の下記一般式(13)で表される化合物の製造におい
て、「R1及びR2は、アリール基で置換されていても良
い炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R1
2が結合して環状構造を形成していても良い。」を満
足する化合物が、R1とR2がアリール基である化合物よ
り、簡便に合成可能で、同等かそれ以上の効果を与える
からである。すなわち、一般式(13)で表される化合
物においてR1及びR2がアリール基であるものを合成し
ようとした場合、フェニルマグネシウムブロマイドやフ
ェニルリチウム等の高価で取り扱いの難しい有機金属化
合物類を出発原料とする必要があるが、R1及びR2がア
リール基以外の場合、その炭化水素基に対応する炭素−
炭素2重結合を有する化合物にホスフィン類を付加させ
るか、あるいは、その炭化水素基に対応するアルキルハ
ライド類等とホスフィン類とを反応させる等のより簡便
な反応が利用できる。
【0016】しかし、一般式(1)及び一般式(2)中
のR1及びR2、R4及びR5の一部又は全部がアリール基
であるリン含有多価フェノール化合物を使用して製造さ
れるリン含有エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分として本
発明のリン含有エポキシ樹脂と併用したり、あるいは一
般式(1)及び一般式(2)中のR及びR、R
びRの一部又は全部がアリール基であるリン含有多価
フェノール化合物を、本発明のリン含有多価フェノール
化合物と併用して製造されるリン含有エポキシ樹脂をエ
ポキシ樹脂として含有するリン含有難燃性エポキシ樹脂
組成物も本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成物と
同様の目的に使用できるものである。
【0017】
【化15】 (式中、R1及びR2は、アリール基で置換されていても
良い炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R1
とR2が結合して環状構造を形成していても良い。)
【0018】また、本発明の特定のリン含有多価フェノ
ール化合物は、その化学構造において、エステル結合等
の加水分解の可能性がある構造を持たないため、例え
ば、リンを含有する多価フェノール化合物である、10
−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オ
キサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイ
ドや、10−(1,4−ジヒドロキシ−2−ナフチル)
−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン
−10−オキサイドのようなその化学骨格中にリン酸エ
ステル結合を有するものに比べて、リン含有エポキシ樹
脂としてリン含有難燃性エポキシ樹脂組成物に使用した
場合に、加水分解による吸水率の増大が少ないことや、
電気特性を初めとする各種特性の変化が少ないこと、あ
るいは組成物の加工工程時や使用時に薬品処理する場合
の耐薬品性が良く、またアルカリ処理した場合に組成物
中にリン酸のアルカリ金属塩等としてアルカリ金属等が
残留する恐れが少ないといった効果が期待出来る。しか
し、本発明の特定のリン含有多価フェノール化合物と併
用して化学骨格中にリン酸エステル結合を有するもの
を、上記の問題点が顕著にならない程度に使用すること
は可能である。
【0019】本発明に用いられるエポキシ樹脂として
は、以下のものが挙げられる。 (1)ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂類;ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、3,
3',5,5'-テトラメチルビスフェノールF、テトラブチル
ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビフェノール、
3,3',5,5'-テトラメチルビフェノール、ハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、
ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシ
ン、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニル
エーテル、ジヒドロキシスチルベン類と、エピハロヒド
リンとから製造されるエポキシ樹脂等。
【0020】(2)グリシジルエーテル型多官能エポキ
シ樹脂類;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシク
ロペンタジエンフェノール樹脂、フェノールアラルキル
樹脂、ナフトールノボラック樹脂、テルペンフェノール
樹脂、重質油変性フェノール樹脂、などの種々のフェノ
ール類や、種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズア
ルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの
種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノ
ール樹脂等の各種のフェノール系化合物と、エピハロヒ
ドリンとから製造されるエポキシ樹脂等。
【0021】(3)グリシジルアミン類;ジアミノジフ
ェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミンなど
の種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造
されるエポキシ樹脂等。 (4)グリシジルエステル類;フタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸な
どの種々のカルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製
造されるエポキシ樹脂等。
【0022】(5)2段法エポキシ樹脂類;上記(1)
のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂類とジヒドロキ
シ化合物類との反応で得られる2段法エポキシ樹脂、ジ
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂類とジヒドロキシ化
合物類との組み合わせに更に上記(2)、(3)、
(4)のエポキシ樹脂類や多価フェノール類やモノフェ
ノール類等を適量加えて反応した2段法共重合エポキシ
樹脂等。
【0023】これらのエポキシ樹脂は単独で使用して
も、複数を組み合わせて併用しても良い。これらのエポ
キシ樹脂の中で、特に上記(1)のジグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂類が好ましく、更にこの中でビスフェ
ノールA、ビスフェノールF又は3,3',5,5'-テトラメチル
ビフェノールとエピハロヒドリンとから製造されるエポ
キシ樹脂がより好ましい。また、(1)のジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂類と多官能エポキシ樹脂類を併
用して耐熱性を上げることもできる。
【0024】なお、ここで言う多官能エポキシ樹脂と
は、エポキシ基を一分子中に平均2個より多く有するエ
ポキシ樹脂のことを言う。その場合の多官能エポキシ樹
脂としては、特に限定されるものではないが、特に
(2)のグリシジルエーテル型多官能エポキシ樹脂が好
ましく、更に、これらの多官能エポキシ樹脂の中でも軟
化点が80℃以下であるものが好ましく、さらに70℃
以下であるものがより好ましく、さらに65℃以下であ
るものが非常に好ましい。また、さらに、このような条
件を満たす多官能エポキシ樹脂の中でもフェノールノボ
ラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノー
ルAノボラック樹脂、フェノール類とヒドロキシベンズ
アルデヒドとの縮合物とエピハロヒドリンとから製造さ
れるエポキシ樹脂が好ましい。
【0025】また、(1)のジグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂類と(2)の多官能エポキシ樹脂類の重量比
率は100%/0%で通常の使用には充分であるが、前
述の様に、多官能エポキシ樹脂を併用して耐熱性を上げ
る目的には97%/3%〜20%/80%の間である必
要があり、さらに95%/5%〜30%/70%の間で
あることが、より好ましく、さらに92%/8%〜40
%/60%の間であることが非常に好ましい。もし軟化
点が80℃より高い多官能エポキシ樹脂を前述のような
比率で使用した場合は、リン含有エポキシ樹脂の粘度が
高くなり過ぎて加工性が悪くなったり、リン含有エポキ
シ樹脂を合成中にゲル化したりする。また、もし(1)
のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂類と(2)の多
官能エポキシ樹脂類の重量比率が20%より小/80%
より大〜0/100の場合も同様に、リン含有エポキシ
樹脂の粘度が高くなり過ぎて加工性が悪くなったり、リ
ン含有エポキシ樹脂の合成中にゲル化したりする。但
し、前述のような条件で高粘度になったリン含有エポキ
シ樹脂でも、組成物中でその配合量を減らしたり、他の
低粘度エポキシ樹脂や低粘度硬化剤等を組み合わせて使
用してもかまわないし、100%/0%〜97%/3%
の範囲の重量比率で使用する場合でも、耐熱性を上げる
効果が非常に少ないだけで、通常の使用にはこの重量比
率の範囲内で使用してもかまわない。
【0026】また、本発明のリン含有エポキシ樹脂を製
造する際に、一般式(1)又は一般式(2)で表される
リン含有多価フェノール化合物とエポキシ樹脂以外に、
必要に応じてジヒドロキシ化合物類を併用することもで
きる。そのようなジヒドロキシ化合物類としては、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノー
ルS、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビフェノー
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシノー
ル、カテコール、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられ
る。これらのジヒドロキシ化合物類は、単一種で使用し
ても複数種を併用しても良い。
【0027】本発明の一般式(1)及び一般式(2)で
表されるリン含有多価フェノール化合物は、前記一般式
(13)で表される有機リン化合物とキノン化合物を反
応させて得ることができる。一般式(13)で表される
有機リン化合物化合物としては、一般式(13)中のR
1及びR2が、アリール基で置換されていても良い炭素数
1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R1とR2が結合
して環状構造を形成していても良いものであり、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチル
へプチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシ
ル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、
α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチ
ル基、ジフェニルメチル基等でR1とR2が同一でも異な
っていても良く、また、R1とR2が結合して環状構造を
形成するものとして、例えば、テトラメチレン、シクロ
ペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シ
クロオクチレン、シクロデシレン、ノルボルニレン等の
2価の炭化水素基である化学構造のものが挙げられる。
【0028】本発明の前記一般式(13)で表される有
機リン化合物は、ホスフィンと例えば以下のような化合
物とをホスフィンのP−H基が1個残るように製造し、
さらに酸化反応でホスフィンオキサイド化合物とする反
応等で得ることができる(この酸化反応はキノン化合物
との反応後に行うこともできる)。
【0029】ホスフィンと反応させる化合物としては、
以下のものが挙げられる。エチレン、プロペン、1−ブ
テン、2−ブテン、2−メチルプロペン、1−ペンテ
ン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチ
ル−2−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2
−ブテン、3−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ド
デセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、シクロブ
テン、シクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロ
ヘキセン、メチレンシクロヘキサン、シクロヘプテン、
シクロオクテン、シクロドデセン、ビシクロ[3.2.
1]ヘプト−2−エン、スピロ[4.5]デカ−1,6−
ジエン、α−ピネン、β−ピネン、ノルボルネン、2−
ボルネン、α−フェンケン、カンフェン、スチレン、1
−プロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン、アリ
ルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、スチルベ
ン、イソスチルベン、インデン、1−メチレンインデ
ン、ビニルナフタレン、1,2−ジヒドロナフタレン、
1,4−ジヒドロナフタレン、アセナフチレン、1,3
−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、
1,5−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエ
ン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキ
サジエン、1,5−シクロオクタジエン、4−ビニルシ
クロヘキセン、d−リモネン、ジペンテン、テルピノレ
ン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネ
ン、α−フェランドレン、β−フェランドレン、シルベ
ストレン、ノルボルナジエン、1−フェニルー1,3−
ブタジエン、ジビニルベンゼン、1,4−ジフェニル−
1,3−ブタジエン。
【0030】ビニルフェノール、p−アリルフェノー
ル、p−(1−プロペニル)フェノール、アリルフェニ
ルエーテル、ビニルアニソール、p−(1−プロペニ
ル)アニソール、p−アリルアニソール、イソオイゲノ
ール、オイゲノール、5−アリル−2−メトキシフェノ
ール、サフロール、イソサフロール、ベンゾフラン、ピ
ラン、ベンゾピラン、ベンゾチオフェン、2−ピロリ
ン、3−ピロリン、インドール、3−メチルインドー
ル、2−フェニルインドール、、フラン、2−メチルフ
ラン、2,5−ジメチルフラン、2,5−ジフェニルフ
ラン、シオフェン、メチルチオフェン、2,5−ジメチ
ルチオフェン、ピロール、1−メチルピロール、2−メ
チルピロール、2,4−ジメチルピロール。
【0031】また、キノン化合物としては、1,4−ベ
ンゾキノン、1,2−ベンゾキノン、1,4−ナフトキ
ノン、1,2−ナフトキノン、2,6−ナフトキノン又
は、これらのキノン類に一般式(1)のR3に相当する
置換基で一般式(1)のn数で置換された置換キノン
類、例えば、メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−
ジメチルベンゾキノン、2−イソプロピル−5−メチル
ー1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノ
ン、t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、フェニル−
1,4−ベンゾキノン、あるいは一般式(2)のR6
相当する置換基で一般式(2)のmの数で置換された置
換キノン類、例えば、2−メチル−1,4−ナフトキノ
ン、5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げら
れる。これらのキノン類は、単一種で使用しても複数種
を併用しても良い。
【0032】本発明の前記一般式(1)及び一般式
(2)で表されるリン含有多価フェノール化合物は、例
えば、I.G.M.Campbell and I.D.R.Stevens, Chemica
l Communications,第505-506頁(1966)やZh.Obshch.khi
m.42(11),第2415-2418頁(1972)、特開昭60−1262
93号公報、特開昭61−236787号公報、特開平
05−331179号公報、特開平05−39345号
公報で示される方法で、一般式(13)で表される有機
リン化合物とキノン化合物を反応させて得ることが出来
る。
【0033】本発明のリン含有エポキシ樹脂は、前記一
般式(1)及び/又は一般式(2)のリン含有多価フェ
ノール化合物と、エポキシ樹脂とを反応させて得られる
が、この反応は公知の方法で行うことが可能である。こ
の反応には、必要に応じて触媒を用いることが出来る。
この触媒としては、エポキシ基とリン含有多価フェノー
ル化合物中のフェノール性水酸基及び必要に応じて使用
するビスフェノール化合物中のフェノール性水酸基との
反応を進めるような触媒能を持つ化合物であればどのよ
うなものでも良い。例えば、アルカリ金属化合物、有機
リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環
状アミン類、イミダゾール類等が挙げられる。アルカリ
金属化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸
ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリ
ウム、臭化ナトリウム、臭化リチウム、臭化カリウム、
沃化ナトリウム、沃化リチウム、沃化カリウム、フッ化
ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化カリウム、ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムメト
キシド、リチウムエトキシド、カリウムメトキシド、カ
リウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、ナト
リウムフェノキシド等のアルカリ金属フェノキシド、ア
ルキルフェノール類のアルカリ金属塩、ビスフェノール
類のアルカリ金属塩、水素化ナトリウム、水素化リチウ
ム、水素化カリウム、ナトリウムアミド等、酢酸ナトリ
ウム、ステアリン酸ナトリウム、フタル酸二ナトリウ
ム、フタル酸水素ナトリウム等の有機酸のアルカリ金属
塩が挙げられる。
【0034】有機リン化合物の具体例としては、トリフ
ェニルホスフィン、テトラ−n−ブチルホスホニウムブ
ロマイドなどが挙げられる。第3級アミンの具体例とし
ては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベン
ジルジメチルアミンなどが挙げられる。第4級アンモニ
ウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムク
ロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチ
ルアンモニウムクロライド、トリオクチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロ
オキサイドなどが挙げられる。イミダゾール類の具体例
としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが
挙げられる。環状アミン類の具体例としては、1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5
−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5等が挙げら
れる。これらの触媒は単独で使用することもできるし、
複数種類を併用することもできる。通常、触媒の使用量
は反応固形分中、0.001〜1重量%である。
【0035】また、この反応には、必要に応じて溶剤を
使用することができる。この溶剤としては、原料となる
エポキシ樹脂と、リン含有多価フェノール化合物、反応
生成物であるリン含有エポキシ樹脂等を溶解するものが
好ましいが、溶解性が良くなくても反応を阻害しないも
のであればどのようなものでも良い。例えば、芳香族系
溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、グリコールエーテ
ル系溶媒などが挙げられる。
【0036】芳香族系溶媒の具体例としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。ケトン系溶
媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2
−オクタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、
ジオキサンなどが挙げられる。アミド系溶媒の具体例と
しては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチル
アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピ
ロリドン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。グ
リコールエーテル系溶媒の具体例としては、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチル
エーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙
げられる。そして、これらの溶媒は併用することができ
る。
【0037】合成反応に溶剤を使用する場合、その反応
混合物中の固形分濃度は30%〜95%が好ましい。ま
た、反応途中で高粘性生成物が生じたときは溶媒を添加
して反応を続けることができる。また、反応終了後は溶
剤を蒸留等により除去したり、さらに溶剤を追加してリ
ン含有難燃性エポキシ樹脂組成物への使用に供すること
ができる。また反応時に溶剤を使用していなくても、反
応終了後に溶剤を加え溶解し、樹脂溶液としてリン含有
難燃性エポキシ樹脂組成物への使用に供することもでき
る。
【0038】本発明において、反応は使用する原料エポ
キシ樹脂、リン含有多価フェノール化合物、触媒、反応
生成物であるリン含有エポキシ樹脂が分解しない程度の
反応温度で行う。反応温度は、好ましくは50〜230
℃、より好ましくは120〜200℃である。アセトン
やメチルエチルケトンのような低沸点溶媒を反応時に使
用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反
応を行うことで反応温度を確保することができる。
【0039】以上の様にして得られたリン含有エポキシ
樹脂は、そのリン含有率が0.1〜8重量%である必要
があり、さらに0.2〜7.5重量%であることが好ま
しく、さらに0.3〜7重量%であることが非常に好ま
しい。
【0040】また、そのエポキシ当量は150〜500
0g/eqである必要があり、さらに200〜4500
g/eqであることが好ましく、さらに250〜400
0g/eqであることが非常に好ましい。リン含有多価
フェノール化合物の使用量が少なく、リン含有率が0.
1重量%より少ない場合は、充分な難燃性が得られず、
逆にリン含有多価フェノール化合物の使用量が多く、リ
ン含有率が8重量%を越え、そのエポキシ当量が500
0g/eqを越える場合は、リン含有エポキシ樹脂の粘
度が非常に高くなり、作業性や加工性が悪化するので好
ましくない。
【0041】また、この様にして得られたリン含有エポ
キシ樹脂は、本発明がハロゲンフリーで高度な難燃性を
発現するものを目的としているものであるため、ハロゲ
ン非含有であることが好ましい。したがって、ハロゲン
化変性されてないエポキシ樹脂やハロゲンを含まないリ
ン含有多価フェノール化合物を使用する必要がある。た
だし、エポキシ樹脂製造時の原料であるエピクロルヒド
リン由来の微量の塩素不純物やその他の原因で混入する
ハロゲン不純物は微量なら含んでいてもよく、具体的に
は、塩素及び臭素含有量が合計3000ppm以下であ
ることが必要であり、さらに2800ppm以下である
ことがより好ましく、さらに2500ppm以下である
ことが非常に好ましい。塩素及び臭素含有量が合計30
00ppmより多い場合、銅張り積層板にして長期熱劣
化試験を行うと銅箔引き剥がし強度の低下が顕著に発生
し好ましくない。これは、熱分解により微量発生するハ
ロゲン化水素ガスによる銅箔と樹脂界面部での劣化が原
因で接着強度が低下するためであると推定され、特に本
発明のリン含有エポキシ樹脂ではハロゲン不純物の悪影
響が大きく、塩素及び臭素含有量が一定量以上である
と、このような傾向が強く現れる。従って、具体的には
塩素及び臭素含有量が合計3000ppm以下であるこ
とが前述のように必要である。
【0042】このようにリン含有エポキシ樹脂の塩素及
び臭素含有量を低くするためには、製造後にアルカリで
処理し、その後水洗する等の脱ハロゲン化処理を行った
り、原料であるエポキシ樹脂の塩素及び臭素含有量を一
定量以下にすることで達成することができる。特に、原
料であるエポキシ樹脂の塩素及び臭素含有量を一定量以
下にする方法がより現実的である。具体的には、原料エ
ポキシ樹脂の塩素及び臭素含有量が合計5000ppm
以下であることが必要であり、さらに3000ppm以
下であることがより好ましく、さらに2000ppm以
下であることが非常に好ましい。
【0043】またリン含有多価フェノール化合物とエポ
キシ樹脂とを反応させる際に触媒を使用する場合、ハロ
ゲンを含まない触媒を使用することが好ましく、仮にハ
ロゲンを含むような触媒を使用する場合でも、その使用
量を少なくしたり、他のハロゲンを含まない触媒と併用
したり、反応後に水洗等の処理でハロゲンイオンを取り
除く等で、リン含有エポキシ樹脂中の塩素及び臭素含有
量が合計5000ppm以下にすることが必要である。
【0044】また、本発明のリン含有エポキシ樹脂に
は、リチウムイオン、ナトリウムイオンやカリウムイオ
ン含有量が低く抑えられていることが必要であり、具体
的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウム
イオン含有量の合計が10ppm以下であることが必要
であり、さらに5ppm以下であることがより好まし
く、さらに2ppm以下であることが非常に好ましい。
リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン
含有量が10ppmより多い場合、硬化剤やその他配合
剤の添加で薄くなるにしても、リン含有難燃性エポキシ
樹脂組成物中のリチウムイオン、ナトリウムイオン及び
カリウムイオン含有量が多くなり、それらの影響で、そ
の組成物の硬化物の絶縁特性等が悪化する。具体的に
は、積層板の場合、耐マイグレーション特性が悪化した
り、封止材の場合、半導体素子の配線が腐食し、信頼性
が著しく悪化する。但し、特定の用途、例えば、電気・
電子用途以外や、電気・電子用途でも、それ程高度な絶
縁信頼性が要求されない用途では、このようなリチウム
イオン、ナトリウムイオンやカリウムイオン含有量が多
い含有エポキシ樹脂を使用してもかまわない。
【0045】リン含有エポキシ樹脂中のリチウムイオ
ン、ナトリウムイオンやカリウムイオン含有量を低減さ
せるには、原料であるエポキシ樹脂のリチウムイオン、
ナトリウムイオンやカリウムイオン含有量が一定量以下
である必要がある。具体的には原料エポキシ樹脂のリチ
ウムイオン、ナトリウムイオンやカリウムイオン含有量
が合計15ppm以下であることが必要であり、さらに
合計10ppm以下であることがより好ましく、さらに
5ppm以下であることが非常に好ましい。またリン含
有多価フェノール化合物とエポキシ樹脂とを反応させる
際に触媒を使用する場合、リチウム、ナトリウムやカリ
ウム元素を含むものを使用するとリン含有エポキシ樹脂
中にこれらのアルカリ金属が残留するため、これらの元
素を含まない触媒を使用することが好ましい。仮にリチ
ウム、ナトリウムやカリウムを含むような触媒を使用す
る場合でも、その使用量を少なくしたり、他のリチウ
ム、ナトリウムやカリウムを含まない触媒と併用した
り、反応後に水洗等の処理でリチウム、ナトリウムやカ
リウムイオンを取り除く等で、リン含有エポキシ樹脂中
のリチウムイオン、ナトリウムイオンやカリウムイオン
含有量の合計が15ppm以下にすることが必要であ
る。
【0046】また、本発明のリン含有エポキシ樹脂に
は、末端基不純物である可鹸化塩素濃度及びα−グリコ
ール基濃度が低く抑えられていることが必要であり、具
体的には可鹸化塩素濃度が800wtppm以下であ
り、α−グリコール基濃度が200meq/kg以下で
あることが必要であり、さらに可鹸化塩素濃度が600
wtppm以下、α−グリコール基濃度が100meq
/kg以下であることがより好ましく、さらに可鹸化塩
素濃度が500wtppm以下、α−グリコール基濃度
が50meq/kg以下であることが非常に好ましい。
末端基不純物である可鹸化塩素濃度及びα−グリコール
基濃度が前述の値より多い場合、硬化剤やその他配合剤
の添加で薄くなるにしても、リン含有難燃性エポキシ樹
脂組成物中の可鹸化塩素濃度及びα−グリコール基濃度
が多くなる。
【0047】この可鹸化塩素基とα−グリコール基は、
本来硬化剤等と反応するエポキシ基であるべき部位が可
鹸化塩素基やα−グリコール基に置き換わっているた
め、硬化物の架橋点がその分減少してガラス転移温度が
低下したり、可鹸化塩素基やα−グリコール基自体が親
水性の水酸基を含むため、硬化物の耐湿性が著しく悪化
する等の問題が発生する。但し、可鹸化塩素基やα−グ
リコール基は極性の強い水酸基を含んでいるため、耐湿
性等には悪影響を及ぼすが、逆に接着性が良くなった
り、水酸基と反応する様な硬化剤等と使用する様な特定
の用途には、使用することも可能である。
【0048】リン含有エポキシ樹脂中の可鹸化塩素濃度
及びα−グリコール基濃度を低減させるには、原料であ
るエポキシ樹脂の可鹸化濃度及びα−グリコール基濃度
が一定量以下である必要がある。具体的には原料エポキ
シ樹脂の可鹸化塩素濃度及びα−グリコール含有量がそ
れぞれ1000wtppm以下、300meq/kg以
下であることが必要であり、さらにそれぞれ700wt
ppm以下、200meq/kg以下であり、さらにそ
れぞれ650wtppm以下、100meq/kg以下
であることが非常に好ましい。
【0049】なお、本発明のリン含有エポキシ樹脂は、
単一の物質ではなく、エポキシ樹脂とリン含有多価フェ
ノール化合物が反応して結合した複数種の異なる分子量
の化合物の混合物で分子量分布を有し、また、全ての成
分がリン含有多価フェノール化合物と結合しているわけ
ではなく、例えば、出発原料であるエポキシ樹脂が未反
応で残っている成分も含まれる組成物である。
【0050】本発明のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有す
る難燃性エポキシ樹脂組成物における硬化剤としては、
通常のエポキシ樹脂用硬化剤を使用することが出来る。
その使用できる硬化剤としては、例えば、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブチ
ルビスフェノールA、ハイドロキノン、レゾルシン、メ
チルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノ
ール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノ
ボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、フェ
ノールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエンフェノー
ル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ナフトールノボラッ
ク樹脂、重質油変性フェノール樹脂などの種々の多価フ
ェノール類、及び種々のフェノール類とヒドロキシベン
ズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザールな
どの種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フ
ェノール樹脂等の各種のフェノール樹脂類、メラミン、
アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のトリアジン誘
導体とフェノール類とアルデヒド類との縮合物、メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸等の酸無水
物類、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジ
アミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン、ジシアンジアミド等のアミン類などなどが挙げられ
る。
【0051】また、エポキシ基の重合を開始するタイプ
の硬化剤として、例えば、以下のものが挙げられる。ト
リフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物、テトラ
フェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのホ
スホニウム塩、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミ
ダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデ
シルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾ
ール、2,4-ジシアノ-6-[2-メチルイミダゾリル-(1)]-エ
チル-S-トリアジンなどのイミダゾール類、1-シアノエ
チル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2-
メチルイミダゾリウムイソシアヌレート、2-エチル-4-
メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、2-エチ
ル-1,4-ジメチルイミダゾリウムテトラフェニルボレー
トなどのイミダゾリウム塩、2,4,6-トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミンなど
のアミン類、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボ
レートなどのアンモニウム塩、1,5-ジアザビシクロ(5,
4,0)-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-5-ノ
ネンなどのジアザビシクロ化合物、それらジアザビシク
ロ化合物のテトラフェニルボレート、フェノール塩、フ
ェノールノボラック塩、2-エチルヘキサン酸塩など。
【0052】さらにトリフル酸(Triflic acid)塩、
三弗化硼素エーテル錯化合物、金属フルオロ硼素錯塩、
ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属
塩、アリールジアゾニウム化合物、芳香族オニウム塩、
IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート、チオピリ
リウム塩、MF6 -陰イオン(ここでMはリン、アンチモン
及び砒素から選択される)の形のVIb元素、アリール
スルホニウム錯塩、芳香族ヨードニウム錯塩、芳香族ス
ルホニウム錯塩、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フ
ェニル]スルフィド-ビス-ヘキサフルオロ金属塩(例え
ばリン酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等)、アリールス
ルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホ
ニウム又はヨードニウム塩等を用いることができる。こ
れらエポキシ樹脂用硬化剤は、1種単独でも、2種以上
併用しても良い。以上の硬化剤の中で、ジシアンジアミ
ド、フェノール類とアルデヒド類との縮合物、及びトリ
アジン誘導体とフェノール類とアルデヒド類との縮合
物、フェノールアラルキル樹脂の内の1種又は複数種を
併用することが好ましい。
【0053】本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成
物で使用される硬化剤の使用割合は、エポキシ基と反応
する基を持つ化合物を使用する場合は、全エポキシ樹脂
成分中のエポキシ基1モルに対して、全硬化剤成分中の
エポキシ基と反応する基の合計が0.2〜2.0モルに
なる量が好ましく、より好ましくは0.3〜1.5モル
になる量である。硬化剤成分としてエポキシ基の重合を
開始するタイプの硬化剤を使用する場合は、全エポキシ
樹脂成分100重量部に対して、0.1〜10重量部が好
ましく、より好ましくは0.3〜5重量部である。
【0054】本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成
物には、更にノンハロゲンタイプの難燃剤を併用するこ
ともできる。そのようなノンハロゲンタイプの難燃剤と
しては、例えば、一般式(1)、一般式(2)の化合物
や、一般式(1)、一般式(2)以外のエポキシ基と反
応する反応基を有するリン含有化合物や、リン酸エステ
ル化合物、縮合リン酸エステル化合物、リン酸アミド系
化合物、メラミンリン酸塩、ホスファゼン化合物、表面
被覆型赤リン等のリン化合物、グアニジン化合物、トリ
アジン化合物等の窒素化合物、シリコーン化合物、さら
に無機系難燃剤の水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム等の金属水酸化物、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合
物、スズ酸亜鉛、ジルコニウム化合物等が挙げられる。
これらのノンハロゲンタイプの難燃剤は、単独で配合し
ても良いし、複数種を併用して配合しても良い。
【0055】これらのノンハロゲンタイプの難燃剤のう
ち、特に金属水酸化物である水酸化アルミニウム又は水
酸化マグネシウムを使用することが好ましい。その配合
量は、本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成物中、
金属水酸化物が1〜50重量部であることが好ましく、
さらに5〜40重量部がより好ましい。但し、ここで言
う金属水酸化物の重量部は、特に積層板の場合はガラス
クロス等の基材を除いた成分中の重量比、また半導体封
止材等で金属水和物以外の無機充填剤が配合されている
場合は、その無機充填剤を除いた成分中の重量比を示
す。金属水酸化物は高温にさらされた時に脱水して水分
を発生することにより難燃性を発現するものであるが、
もし金属水酸化物の配合量が50重量部より多い場合、
難燃性は向上するが、実用時に比較的高温で処理された
場合に脱水による水分の発生が多くなるため、逆に硬化
物の耐熱性等に悪影響を及ぼす。但し、それ程高温で使
用したり処理したりすることのない用途や、金属水酸化
物の中でも脱水開始温度が高いものを使用する場合は、
むしろ金属水酸化物の配合量が多い程、難燃性以外にも
硬化物の熱膨張係数が低くなったり、剛性が高くなる利
点もあるため、50重量部より多く使用してもかまわな
い。また、これらの無機系難燃剤を使用する場合、それ
らの表面をシランカップリング剤、チタネート系カップ
リング剤、アルミネート系カップリング剤あるいはプラ
イマー処理する等の表面処理を行ったものも使用でき
る。
【0056】本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成
物には、必要に応じて無機充填剤、強化用繊維、硬化促
進剤、カップリング剤、可塑剤、顔料、着色剤、希釈
剤、可撓性付与剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、HALS等の光安定剤、ゴム微粒子
等の強化剤、溶剤、ノンハロゲンタイプ難燃剤等を適宜
に配合することができる。
【0057】そのような無機充填剤の種類としては、例
えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの金属
酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属
炭酸塩、ケイソウ土粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼
成クレイ、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカなど
のケイ素化合物、その他、ガラス粉、タルク、カオリ
ン、ドロマイト、マイカ、石英粉末、グラファイト、炭
化ケイ素、二酸化チタン、ボロンナイトライド、窒化ケ
イ素、二硫化モリブデン等が挙げられる。その形状とし
ては、破砕型又は球状が挙げられる。さらに繊維質の補
強剤や充填剤、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、
カ−ボンファイバ−、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、
ボロン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維及びア
ラミド繊維等である。各種の無機充填剤は、単独で又は
2種以上混合して用いられる。その使用量は、前述の無
機系難燃剤及び強化用繊維との合計で、組成物全体の9
5重量%以下であり、好ましくは93重量%以下であ
る。また、これらの無機充填剤からは、リチウムイオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金
属イオンが、樹脂中に溶出しないことが必要であるか、
実質問題にならない程度の溶出量であることが好まし
い。
【0058】硬化促進剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ
基と硬化剤中の活性基との反応を促進する化合物であ
る。その硬化促進剤としては、例えば、トリブチルホス
フィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシ
フェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホ
スフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィンなどのホス
フィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェ
ニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフ
ェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウム
テトラフェニルボレートなどのホスホニウム塩、2-メチ
ルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4
-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、1-
シアノエチル-2-メチルイミダゾール、2、4-ジシアノ-6-
[2-メチルイミダゾリル-(1)]-エチル-S-トリアジン、2、
4-ジシアノ-6-[2-ウンデシルイミダゾリル-(1)]-エチル
-S-トリアジンなどのイミダゾール類、1-シアノエチル-
2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2-メチル
イミダゾリウムイソシアヌレート、2-エチル-4-メチル
イミダゾリウムテトラフェニルボレート、2-エチル-1,4
-ジメチルイミダゾリウムテトラフェニルボレートなど
のイミダゾリウム塩、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメ
チル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、テトラメ
チルブチルグアニジン、N-メチルピペラジン、2-ジメチ
ルアミノ-1-ピロリンなどのアミン類、トリエチルアン
モニウムテトラフェニルボレートなどのアンモニウム
塩、1,5-ジアザビシクロ(5,4,0)-7-ウンデセン、1,5-ジ
アザビシクロ(4,3,0)-5-ノネン、1,4-ジアザビシクロ
(2,2,2)-オクタンなどのジアザビシクロ化合物、それら
ジアザビシクロ化合物のテトラフェニルボレート、フェ
ノール塩、フェノールノボラック塩、2-エチルヘキサン
酸塩などが挙げられる。
【0059】それらの硬化促進剤となる化合物の中で
は、三級アミン類、ホスフィン化合物、イミダゾール化
合物、ジアザビシクロ化合物、及びそれらの塩が好まし
い。これらの硬化促進剤は、単独で使用しても良いが、
2種以上を併用して使用することも可能である。また、
硬化促進剤の使用量は、全エポキシ樹脂成分100重量
部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは、0.0
2〜5重量部の割合で用いられる。硬化促進剤の配合割
合が0.01重量部未満であると、本発明組成物の硬化
促進効果が少なく、10重量部を越えると、硬化物の耐
水性が悪くなるため好ましくない。
【0060】本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成
物には、本発明のリン含有エポキシ樹脂以外のエポキシ
樹脂も配合することができる。その併用できるエポキシ
樹脂としては、特に指定は無く、本発明のリン含有エポ
キシ樹脂及びハロゲン化エポキシ樹脂以外のエポキシ樹
脂であれば、どのようなエポキシ樹脂でも使用可能であ
る。本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、以下の
ようなものを挙げることができる。
【0061】(1)ジグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールAD、3,3',5,5'-テトラメチルビスフェノールF、テ
トラブチルビスフェノールA、ビスフェノールS、ビフ
ェノール、3,3',5,5'-テトラメチルビフェノール、ハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロ
キノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチル
レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、ジヒドロキシスチルベン類と、エピ
ハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂等。
【0062】(2)グリシジルエーテル型多官能エポキ
シ樹脂類;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシク
ロペンタジエンフェノール樹脂、フェノールアラルキル
樹脂、ナフトールノボラック樹脂、テルペンフェノール
樹脂、重質油変性フェノール樹脂、などの種々のフェノ
ール類や、種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズア
ルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの
種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノ
ール樹脂等の各種のフェノール系化合物と、エピハロヒ
ドリンとから製造されるエポキシ樹脂等。
【0063】(3)グリシジルアミン類;ジアミノジフ
ェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミンなど
の種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造
されるエポキシ樹脂等。 (4)グリシジルエステル類;フタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサ
ヒドロフタル酸、ダイマー酸などの種々のカルボン酸類
と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂
等。 (5)2段法エポキシ樹脂類;上記(1)のジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂類とビスフェノール類との反
応で得られる2段法エポキシ樹脂、ジグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂類とビスフェノール類との組み合わせ
に更に上記(2)、(3)、(4)のエポキシ樹脂類や
多価フェノール類やモノフェノール類等を適量加えて反
応した2段法共重合エポキシ樹脂等。
【0064】本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成
物には、本発明のリン含有エポキシ樹脂やそれ以外のエ
ポキシ樹脂に含まれない各種樹脂や各種オリゴマーも配
合することができる。その併用できる各種樹脂や各種オ
リゴマーとしては、特に指定は無く、ハロゲン化されて
いない樹脂やオリゴマー以外ならどのようなものでも使
用可能である。
【0065】さらに、最終的な樹脂の性質を改善する目
的で、本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成物に
は、種々の硬化性モノマー、オリゴマー及び合成樹脂を
配合することができる。例えば、モノエポキシ等のエポ
キシ樹脂用希釈剤、マレイミド系、ベンゾオキサジン
系、液状ポリブタジエン系、シリコーン系等のモノマー
やオリゴマー、アルキト゛樹脂、メラミン樹脂、アクリル
樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニ
レンエーテル樹脂等が挙げられ、これらの1種又は2種
以上を組み合わせることが出来る。これらの硬化性モノ
マー、オリゴマー及び合成樹脂の配合割合は、本発明の
樹脂組成物の本来の性質を損なわない範囲の量、すなわ
ちリン含有エポキシ樹脂と必要に応じて配合するその他
のエポキシ樹脂、及び硬化剤の和を100重量部とし
て、それに対して50重量部以下が好ましい。
【0066】本発明のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬
化剤及び任意成分の配合手段としては、加熱溶融混合、
ロ−ル、ニーダーによる溶融混練、適当な有機溶剤を用
いての湿式混合及び乾式混合等が挙げられる。また、本
発明における、リン含有エポキシ樹脂を用いた組成物を
積層板に適用した場合、その積層板の吸水率(プレッシ
ャークッカー試験器、121℃×100%RH×5時間
処理)が2wt%以下であることが好ましく、1.6w
t%以下であることがより好ましく、さらに1.2wt
%以下であることが最も好ましい。吸水率が2wt%よ
り大きい場合、積層板の吸湿ハンダ耐熱性が悪化した
り、吸湿、吸水による電気特性の悪化の問題が発生する
ため好ましくない。
【0067】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明する。なお、例中の部は重量部を意味
する。また、エポキシ樹脂の各分析は次の様に行った。 全塩素:燃焼法で測定した。 可鹸化塩素:エポキシ樹脂をメチルエチルケトンに溶解
し、1N−NaOHエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液25mlを加え25℃で60分放置し、硝酸銀
標準溶液にて電位差滴定をした。 α−グリコール基濃度:エポキシ樹脂のα−グリコール
基濃度を過沃素酸酸化法により定量した。 リチウム、ナトリウム、カリウム分:原子吸光光度法に
て濃度測定を行った。
【0068】(リン含有エポキシ樹脂の製造例1)撹拌
機、還流装置及び温度計を備えた2リットルの四口フラ
スコ内にビスフェノールAのジグリシジルエーテル(エ
ポキシ当量186g/eq、全塩素1500ppm、可
鹸化塩素40ppm、α−グリコール含量40meq/
kg)820g、ジメチル−2,5−ジヒドロキシフェ
ニルホスフィンオキサイド[リン含有多価フェノール化
合物(a)]180g及び2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール0.5gを仕込み、系内を窒素雰囲気とした後、
昇温させ、150℃の温度で2時間、反応を行った。反
応終了後、淡黄色固体のリン含有エポキシ樹脂(A)1
000gを得た。このリン含有エポキシ樹脂(A)の性
状を表1に示す。
【0069】(リン含有エポキシ樹脂の製造例2〜1
4、及び比較製造例1〜2)原料エポキシ樹脂とリン含
有多価フェノール化合物を表1に示した種類、仕込み量
に変える以外は、上記製造例1と同様の操作を行い淡黄
色固体のリン含有エポキシ樹脂(B)〜(P)を得た。
これらのリン含有エポキシ樹脂の性状を表1に示す。ま
たリン含有エポキシ樹脂(E)の赤外チャートを図1に
示す。
【0070】(リン含有エポキシ樹脂の製造例15〜2
0)原料エポキシ樹脂(1)、(2)及びリン含有多価
フェノール化合物を表2に示した種類、仕込み量に変え
る以外は、上記製造例1と同様の操作を行い淡黄色固体
のリン含有エポキシ樹脂(Q)〜(V)を得た。これら
のリン含有エポキシ樹脂の性状を表2に示す。
【0071】(リン含有エポキシ樹脂の製造例21〜2
3)原料エポキシ樹脂、及びリン含有多価フェノール化
合物を表3に示した種類、仕込み量に変える以外は、上
記製造例1と同様の操作を行い淡黄色固体のリン含有エ
ポキシ樹脂(W)〜(Y)を得た。これらのリン含有エ
ポキシ樹脂の性状を表3に示す。
【0072】実施例1 o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピコート
180S70;ジャパンエポキシレジン社商品名、エポ
キシ当量210g/当量)25.0部、リン含有エポキ
シ樹脂(A)50部、フェノールノボラック(水酸基当
量104g/当量、軟化点95℃)25.0部にメチル
エチルケトン42.9部、メチルセロソルブ23.8部
を加えて均一な溶液とし、さらに水酸化アルミニウム
(ハイジライトH−32;昭和電工社商品名)17.6
部、2−エチル−4−メチルイミダゾール1部を加えて
撹拌し、水酸化アルミニウムが均一に分散されたワニス
とした後、ガラスクロスに含浸し、150℃、5分間乾
燥することによりプリプレグを得た。そのプリプレグの
ガラスクロス含有量は60重量%、水酸化アルミニウム
含量は6重量%であった。このプリプレグを8枚重ね合
わせ、熱プレスにて170℃×25kg/cm2×70
分間、加圧加熱硬化させて積層板を得た。この積層板の
物性値を表5に示す。
【0073】実施例2〜14、比較例1〜2 表4に示したリン含有エポキシ樹脂の種類、及び各成分
の配合量に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い
積層板を得た。これらの積層板の物性値を表5に示す。
【0074】実施例15〜20、実験例1〜2 表6に示したリン含有エポキシ樹脂の種類、硬化剤の種
類、及び各成分の配合量に変更した以外は実施例1と同
様の操作を行い積層板を得た。これらの積層板の物性値
を表7に示す。
【0075】実施例21〜23 表8に示したリン含有エポキシ樹脂の種類、及び各成分
の配合量に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い
積層板を得た。これらの積層板の物性値を表9に示す。
【0076】実施例24〜26 表10に示した硬化剤の種類、及び各成分の配合量に変
更した以外は実施例1と同様の操作を行い積層板を得
た。これらの積層板の物性値を表11に示す。
【0077】実施例27〜29 表12に示した各成分の配合量に変更した以外は実施例
1と同様の操作を行い積層板を得た。これらの積層板の
物性値を表13に示す。
【0078】評価方法 リン含有量:積層板のリン元素定量分析をプラズマ発光
分光法で行い、有機成分中のリン元素の重量%に換算し
て求めた。 塩素、臭素含有量:積層板の塩素、臭素含有量を燃焼法
により測定した。積層板中の塩素元素の重量%に換算し
て求めた。 水酸化アルミニウム含有量:積層板中のアルミニウム元
素定量分析をプラズマ発光分光法で行い、その値を水酸
化アルミニウム量に換算して求めた。
【0079】ガラスクロス含有量:積層板をルツボ中で
800℃まで加熱し燃焼させたのち、ガラスクロスのみ
を取り出し重量を測定しガラスクロス含有量を求めた。 ガラス転移温度:熱機械測定装置(TMA装置)にて、
昇温速度3℃/minで測定し、TMA曲線の変曲点よ
り求めた。 吸水率:5cm×5cmの積層板をプレッシャークッカ
ー試験器にて、121℃×100%RH×5時間の条件
で処理し、処理前後の重量変化から吸水率を計算した。
【0080】難燃性:Underwriters Laboratoriesの"T
est for Flammability of PlasticMaterials‐UL
94"に従って試験を実施した。 吸湿ハンダ耐熱性:2.5cm×2.5cmの積層板を
100℃煮沸水中に2時間浸漬後、260℃のハンダ浴
に20秒間浸漬させ、状態を観察し、次の略号で結果を
まとめた。 ○: 外観変化なし △: わずかに膨れ発生 ×: 膨れ発生 銅はく引き剥がし強度:銅はく(18μm厚)付き積層
板をJIS−C6481に従って測定した。表1、4、
5において、本発明のリン含有多価フェノール化合物
(a)〜(j)を用いたリン含有エポキシ樹脂A〜N
は、本発明以外のリン含有多価フェノール化合物(k)
及び(l)を用いたリン含有エポキシ樹脂O及びPよ
り、低吸水率で吸水ハンダ耐熱性に優れた硬化物を与え
る。これはリン含有多価フェノール化合物(k)及び
(l)には、加水分解しやすいリン酸エステル結合があ
るのに対し、本発明のリン含有多価フェノール化合物
(a)〜(j)には、その様な結合がないことに起因す
るものと考えられる。表2、6、7において、原料の多
官能エポキシ樹脂の使用量が非常に多い製造例19及
び、原料の多官能エポキシ樹脂の軟化点が高い製造例2
0のリン含有エポキシ樹脂U,Vは、高粘度で成形性が
悪く、実験例1及び2では積層板を成形できなかった
が、実施例19及び20の様に組成物中の配合量を減ら
すことにより積層板として成形することが可能であっ
た。但し、組成物中のリン含有率が低いため、難燃性は
V−1と1ランク低下した。しかしガラス転移温度は非
常に高くなるため、それ程高度な難燃性が必要とされな
い用途には有利に使用することができる。表3、8、9
において、高可鹸化塩素濃度のリン含有エポキシ樹脂
W、及び高αグリコール基濃度のリン含有エポキシ樹脂
Xは、吸水率が高く吸湿ハンダ耐熱性が良くなく、ガラ
ス転移温度も低下するが、銅はく引き剥がし強度は良好
なため、接着強度を重視する用途においては、むしろ有
利に使用できる。また、高ナトリウム含有量のリン含有
エポキシ樹脂Yは耐湿性等が良くないがガラス転移温度
はかえって高いため、耐湿性があまり重要でない用途に
は有利に使用できる。表10、11において、本発明の
リン含有エポキシ樹脂は、各種硬化剤との組み合わせで
良好な結果が得られた。表12、13において、本発明
のリン含有エポキシ樹脂と併用する水酸化アルミニウム
の配合量を変えて積層板の特性を評価した。実施例29
で水酸化アルミニウム含有量が積層板中24wt%(ガ
ラスクロスを除いた成分中60wt%)で吸湿ハンダ耐
熱性が良くなかったが、吸水率は水酸化アルミニウム含
有量が多くなる程、低下し、また低熱膨張係数や高剛性
といった特徴が出てくるため、高温での使用や処理が無
い用途では、むしろ有利に使用できる。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】
【発明の効果】本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂組
成物は、耐熱性、耐湿性や電気特性等に優れ、ハロゲン
フリーで高度な難燃性を達成することが出来るため、特
にプリント配線板用積層板、半導体封止用封止材、電気
絶縁用粉体塗料、電気・電子部品用注型材料、電気・電
子部品用接着材料等の電気・電子分野等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】リン含有エポキシ樹脂(E)の赤外チャートを
示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沼 吉信 三重県四日市市塩浜町1番地 ジャパンエ ポキシレジン株式会社開発研究所内 (72)発明者 吉岡 達人 三重県四日市市塩浜町1番地 ジャパンエ ポキシレジン株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4J002 CC042 CC052 CC062 CC182 CC192 CD051 CD061 CD201 CE002 DE076 DE146 EJ017 EJ027 EJ037 EL137 EN027 EN037 EN047 EN077 EN107 ET007 EU107 EU117 EU137 EU187 EU197 EV217 EV297 EW017 EY017 FD010 FD130 FD136 FD142 FD147 FD150 GF00 GH01 GJ01 GJ02 GQ01 4J036 AA01 AD07 AD08 AF01 AF06 AF08 AF27 AF36 BA01 BA06 CC02 DA01 DC31 FB06 FB07 FB09 JA03 JA06 JA07 JA08 4J040 EC341 GA03 GA05 GA28 HA136 HA156 HC16 HC20 KA16 KA36 LA02 LA08 NA13 NA19 NA20

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるリン含有多
    価フェノール化合物、 【化1】 (式中、R1及びR2は、アリール基で置換されていても
    良い炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R1
    とR2が結合して環状構造を形成していても良い。R
    3は、炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは0〜3の
    整数である。)及び/又は下記一般式(2)で表される
    リン含有多価フェノール化合物、 【化2】 (式中、R4及びR5は、アリール基で置換されていても
    良い炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R4
    とR5が結合して環状構造を形成していても良い。R
    6は、炭素数1〜6の炭化水素基であり、mは0〜3の
    整数である。)とエポキシ樹脂を反応させて得られるリ
    ン含有エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)及び一般式(2)で表さ
    れるリン含有多価フェノール化合物が、下記の式
    (3)、式(4)、式(5)、式(6)、式(7)、式
    (8)、式(9)、式(10)、式(11)及び式(1
    2)で表されるリン含有多価フェノール化合物から選ば
    れた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記
    載のリン含有エポキシ樹脂。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】
  3. 【請求項3】 前記リン含有多価フェノール化合物と反
    応させるエポキシ樹脂が、ジグリシジルエーテル型エポ
    キシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のリン含有エポキシ樹脂。
  4. 【請求項4】 前記リン含有多価フェノール化合物と反
    応させるエポキシ樹脂がジグリシジルエーテル型エポキ
    シ樹脂と多官能エポキシ樹脂の双方を含むことを特徴と
    する請求項1又は2記載のリン含有エポキシ樹脂。
  5. 【請求項5】 前記ジグリシジルエーテル型エポキシ樹
    脂が、ビスフェノールA、ビスフェノールF及び3,
    3’,5,5’−テトラメチルビフェノールから選ばれ
    る少なくとも1種とエピハロヒドリンとを反応させて製
    造されるエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項3
    又は4に記載のリン含有エポキシ樹脂。
  6. 【請求項6】 前記多官能エポキシ樹脂が、フェノール
    類とアルデヒド類との縮合物であるノボラック樹脂とエ
    ピハロヒドリンとの反応によって製造されるエポキシ樹
    脂であることを特徴とする請求項4又は5に記載のリン
    含有エポキシ樹脂。
  7. 【請求項7】 前記多官能エポキシ樹脂が、フェノール
    ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェ
    ノールAノボラック樹脂、及びフェノールとヒドロキシ
    ベンズアルデヒドとの縮合物である多価フェノール樹脂
    から選ばれる少なくとも1種とエピハロヒドリンとの反
    応によって製造されるエポキシ樹脂であることを特徴と
    する請求項4又は5に記載のリン含有エポキシ樹脂。
  8. 【請求項8】 前記多官能エポキシ樹脂の軟化点が80
    ℃以下で、該多官能エポキシ樹脂の使用量がジグリシジ
    ルエーテル型エポキシ樹脂と多官能エポキシ樹脂の合計
    重量の3〜80%であることを特徴とする請求項4〜7
    のいずれか1項に記載のリン含有エポキシ樹脂。
  9. 【請求項9】 前記リン含有エポキシ樹脂中のリン含有
    率が0.1〜8重量%で、リン含有エポキシ樹脂のエポ
    キシ当量が150〜5000g/eqであることを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のリン含有エ
    ポキシ樹脂。
  10. 【請求項10】 前記リン含有エポキシ樹脂中の塩素及
    び臭素の含有量が合計3000ppm以下であることを
    特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のリン含
    有エポキシ樹脂。
  11. 【請求項11】 前記リン含有エポキシ樹脂中のリチウ
    ムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有
    量の合計が15ppm以下であることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれか1項に記載のリン含有エポキシ樹
    脂。
  12. 【請求項12】 前記リン含有エポキシ樹脂中の末端基
    不純物である可鹸化塩素濃度が800wtppm以下で
    あり、α−グリコール基濃度が200meq/kg以下
    であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項
    に記載のリン含有エポキシ樹脂。
  13. 【請求項13】 エポキシ樹脂成分の全部又は一部が前
    記請求項1〜12のいずれか1項に記載のリン含有エポ
    キシ樹脂からなるエポキシ樹脂成分と硬化剤成分を含有
    することを特徴とするリン含有難燃性エポキシ樹脂組成
    物。
  14. 【請求項14】 前記リン含有難燃性エポキシ樹脂組成
    物中の塩素及び臭素の含有量が合計2000ppm以下
    であることを特徴とする請求項13記載のリン含有難燃
    性エポキシ樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 前記硬化剤成分がジシアンジアミド、
    フェノール類とアルデヒド類との縮合物、トリアジン誘
    導体とフェノール類とアルデヒド類との縮合物及びフェ
    ノールアラルキル樹脂から選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項13又は14に記載のリン含
    有難燃性エポキシ樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 前記リン含有難燃性エポキシ樹脂組成
    物に金属水酸化物が1〜50重量部配合されていること
    を特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の
    リン含有難燃性エポキシ樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 前記金属水酸化物が水酸化アルミニウ
    ム及び/又は水酸化マグネシウムであることを特徴とす
    る請求項16記載のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成
    物。
  18. 【請求項18】 前記請求項13〜17のいずれか1項
    に記載のリン含有難燃性エポキシ樹脂組成物からなる、
    プリント配線板用積層板、半導体封止用封止材、電気絶
    縁用粉体塗料、電気・電子部品用注型材及び電気・電子
    部品用接着材から選ばれるいずれかの材料に使用される
    接着剤組成物。
  19. 【請求項19】 プレッシャークッカー試験器で、12
    1℃、100%RH、5時間の条件で処理した後の吸水
    率が2重量%未満であることを特徴とする請求項13〜
    18のいずれか1項に記載のリン含有難燃性エポキシ樹
    脂組成物からなるプリント配線板用積層板に使用するリ
    ン含有難燃性エポキシ樹脂組成物。
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