JP2002265444A - 1−(3−ベンジルオキシプロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導体およびその使用方法 - Google Patents

1−(3−ベンジルオキシプロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導体およびその使用方法

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JP2002265444A
JP2002265444A JP2001065686A JP2001065686A JP2002265444A JP 2002265444 A JP2002265444 A JP 2002265444A JP 2001065686 A JP2001065686 A JP 2001065686A JP 2001065686 A JP2001065686 A JP 2001065686A JP 2002265444 A JP2002265444 A JP 2002265444A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医薬品の製造原料として有用な新規な1−(3
−ベンジルオキシプロピル)−5−(2−置換プロピ
ル)インドリン誘導体およびその使用方法を提供する。 【構成】医薬品の製造原料として有用な、式 【化1】 (Rはカルボキシ基、カルバモイル基、アミノ基また
は、式 【化2】 で表される基を示し、*1が付された炭素原子はR配置
の炭素原子またはRS配置の炭素原子を示し、但し*1
が付された炭素原子がRS配置の場合、Rはカルボキシ
基を示す)で表される1−(3−ベンジルオキシプロピ
ル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導体およ
び、それを用いる排尿困難症治療剤として有用な、式 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品の製造中間
体として有用な、一般式
【0002】
【化13】
【0003】(式中のRはカルボキシ基、カルバモイル
基、アミノ基または、式
【0004】
【化14】
【0005】で表される基を示し、*1が付された炭素
原子はR配置の炭素原子またはRS配置の炭素原子を示
し、但し*1が付された炭素原子がRS配置の場合、R
はカルボキシ基を示す)で表される1−(3−ベンジル
オキシプロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリ
ン誘導体に関するものである。
【0006】更に詳しく述べれば、本発明は、例えば、
排尿困難症治療剤として有用な、式
【0007】
【化15】
【0008】で表されるインドリン誘導体(化学名:
(R)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−〔2−
〔2−〔2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フ
ェノキシ〕エチルアミノ〕プロピル〕インドリン−7−
カルボキサミド)の製造中間体として有用な前記一般式
(I)で表される1−(3−ベンジルオキシプロピル)
−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導体、および
その使用方法に関するものである。
【0009】
【従来の技術】前記式(A)で表されるインドリン誘導
体およびその薬理学的に許容される塩は、選択的な尿道
平滑筋収縮抑制作用を有し、血圧に対する影響の少ない
排尿困難症治療剤として有用な光学活性な化合物である
ことが報告されている(特開平6−220015号公
報)。
【0010】前記式(A)で表される化合物の製造方法
としては、上記特開平6−220015号公報に、式
【0011】
【化16】
【0012】で表される5−(2−アミノプロピル)イ
ンドリン誘導体を製造中間体として用いる方法が記載さ
れている。すなわち、1)前記式(B)で表される化合
物をメタンスルホン酸2−〔2−(2,2,2−トリフ
ルオロエトキシ)フェノキシ〕エチルと反応させること
により、式
【0013】
【化17】
【0014】で表されるインドリン誘導体を製し、2)
これを(+)−マンデル酸を用いて光学分割を行い、式
【0015】
【化18】
【0016】で表される光学活性な5−(2−アミノプ
ロピル)インドリン誘導体を得た後、3)アミノ基への
保護基の導入、4)脱アセチル化、5)シアノ基のカル
バモイル基への変換、6)インドリン環への3−(te
rt−ブチルジメチルシロキシ)プロピル基の導入、
7)tert−ブチルジメチルシリル基の除去、8)そ
してアミノ基の保護基の除去という反応工程を経る方法
が報告されている。
【0017】上記特開平6−220015号公報記載の
方法は多数の工程を要するものであり、しかも前記式
(C)から(+)−マンデル酸を用いる光学分割方法
は、得られるR配置の光学活性体である前記式(D)で
表されるインドリン誘導体の収率が約11%と低いもの
であり、工業的規模での製造において効率上満足できる
ものではない。更に、前記式(C)で表されるインドリ
ン誘導体の光学分割において他方の光学活性体の再利用
ができないために、製造した前記式(C)で表されるイ
ンドリン誘導体の大半が無駄になるなど極めて不経済な
方法であった。
【0018】以上のように、これまで報告されている、
前記式(B)で表されるインドリン誘導体を製造中間体
とする製造方法は多くの課題を有しており、工業的規模
での製造および環境問題上必ずしも満足できる製造方法
ではない。そのため、より効果的かつ効率的に前記式
(A)で表される光学活性なインドリン誘導体を製造す
る方法が求められていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、医薬
品、例えば排尿困難症治療剤として有用な前記式(A)
で表される光学活性なインドリン誘導体を製造するため
に好適な新規な製造中間体およびその使用方法を提供す
ることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、医薬品、
例えば排尿困難症治療剤として有用な前記式(A)で表
される光学活性なインドリン誘導体の工業的規模での製
造に好適な方法を見出すべく鋭意研究した結果、式
【0021】
【化19】
【0022】で表される光学活性なインドリン誘導体を
製造中間体として経由することにより、前記式(A)で
表される光学活性なインドリン誘導体を効果的かつ効率
的に製造でき、工業的規模での製造にも好適であること
を見出した。
【0023】すなわち、1)この光学活性なインドリン
誘導体(Ie)を、式
【0024】
【化20】 (式中のXは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシ
ルオキシ基、トシルオキシ基である)で表されるN−ア
ルキル化剤と、塩基存在下反応させ、式
【0025】
【化21】 で表される1−(3−ベンジルオキシプロピル)−5−
(2−置換プロピル)インドリン誘導体を得、2)次い
で化合物(F)のシアノ基をカルバモイル基に変換し、
【0026】
【化22】
【0027】で表される1−(3−ベンジルオキシプロ
ピル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導体と
した後、3)化合物(G)を脱ベンジル化することによ
り、容易に効果的かつ効率的に高純度の前記式(A)で
表される光学活性なインドリン誘導体を製造することが
できる。
【0028】前記式(Ie)で表される光学活性なイン
ドリン誘導体は以下のようにして製造することができ
る。すなわち、
【0029】
【化23】
【0030】(式中の*2が付された炭素原子はRS配
置の炭素原子を示す)で表されるインドリン誘導体に、
シス−(1S,2R)−(−)−2−ベンジルアミノシ
クロヘキサンメタノールを光学分割剤として用いて処理
して、式
【0031】
【化24】
【0032】で表されるジアステレオマー塩を得、次い
で得られたジアステレオマー塩(Ib)を、脱塩処理し
て、式
【0033】
【化25】
【0034】で表される化合物とし、さらに化合物(I
c)とアンモニアとを反応させ、式
【0035】
【化26】
【0036】で表される化合物へ導いた後、化合物(I
d)を次亜塩素酸ナトリウムで処理することにより、前
記式(Ie)で表される光学活性なインドリン誘導体を
得る。本発明は、これら一連の知見に基づきなされたも
のである。
【0037】本発明において、RS配置とはラセミ化合
物に限るのではなく、R配置とS配置の混合物の意味で
ある。
【0038】本発明の前記式(Ia)で表される化合物
は以下のようにして製造する事ができる。
【0039】
【化27】
【0040】1H−インドール(II)に対して3−ベ
ンジルオキシプロピルブロマイドを用いてN−アルキル
化を行い、得られた1−アルキルインドリン誘導体に対
し、N,N−ジメチルホルムアミドおよびオキシ塩化リ
ンを用いてホルミル化を行うことによりホルミル誘導体
(III)を得ることができる。このホルミル誘導体
(III)に対して2−ホスホノプロピオン酸トリエチ
ル(IV)およびn−ブチルリチウムを用いてホーナー
・エモンズ反応を行いメタクリル酸誘導体へと導いた
後、メタクリル酸部分の二重結合を水素雰囲気下で接触
還元することにより2−プロピオン酸エステル誘導体
(V)を得ることができる。この2−プロピオン酸エス
テル誘導体(V)にN,N−ジメチルホルムアミドおよ
びオキシ塩化リンを用いてホルミル基を導入した後、導
入したホルミル基にヒドロキシアミンを反応させてオキ
シム基へと変換し、さらにオキシム基に対して無水酢酸
を用いて脱水反応を行いシアノ基とすることによりニト
リル誘導体(VI)へ導くことができる。このニトリル
誘導体(VI)のエステル基を水酸化ナトリウムで加水
分解することにより、本発明のインドリン誘導体(I
a)を製造することができる。
【0041】また本発明の前記式(Ib)〜(Ie)で
表される化合物の製造方法は以下の通りである。
【0042】
【化28】
【0043】工程1 インドリン誘導体(Ia)に対して、有機溶媒中0.5
から3当量のシス−(1S,2R)−(−)−2−ベン
ジルアミノシクロヘキサンメタノールを反応させること
によりジアステレオマー塩(Ib)を得る。
【0044】有機溶媒としては、ヘキサン、酢酸エチル
またはそれらの混合溶媒を用いることができ、ヘキサン
と酢酸エチルの比が1:1の混合溶媒が好適である。有
機溶媒量は溶媒の種類にもより異なるが、ヘキサンと酢
酸エチルの混合比が1:1の混合溶媒の場合、化合物
(Ia)1gに対して概ね5〜20mL用いるのが好適
である。反応温度は概ね室温から溶媒の還流温度で行わ
れる。得られたジアステレオマー塩(Ib)は必要に応
じ酢酸エチル、ヘキサンまたはそれら混合溶媒を用いて
再結晶することにより精製することができ、なかでも酢
酸エチルとヘキサンの比が1:1の混合溶媒が好適であ
る。
【0045】工程2 ジアステレオマー塩(Ib)を、酸処理もしくはアルカ
リ処理することにより脱塩し、光学活性なインドリン誘
導体(Ic)を得る。
【0046】酸処理は、酢酸、クエン酸等の有機酸や、
塩化水素等の無起算を含む水溶液を用いて行うことがで
き、アルカリ処理は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等塩基を含む水溶液を用いて行うことができる。
【0047】光学活性なインドリン誘導体(Ic)を単
離する場合、酸処理により脱塩した後、有機溶媒で抽出
するか、もしくは、アルカリ処理により脱塩した後、水
層を有機溶媒により洗浄し、次いで水層を酸処理し、有
機溶媒で抽出することにより行うことができる。抽出の
際用いることができる有機溶媒としては、酢酸エチル、
塩化メチレン、ジエチルエーテル等を挙げることがで
き、酢酸エチルが好適である。
【0048】また、脱離したシス−(1S,2R)−
(−)−2−ベンジルアミノシクロヘキサンメタノール
は、ジアステレオマー塩(Ib)を酸処理後、化合物
(Ic)を有機溶媒にて抽出後の水層をアルカリ性にし
て有機溶媒で抽出するか、あるいは、ジアステレオマー
塩(Ib)をアルカリ処理後に水層を有機溶媒を用いて
抽出することにより回収し、光学分割剤として再度利用
することができる。抽出の際用いることのできる有機溶
媒としては、酢酸エチル、塩化メチレン、ジエチルエー
テル等を挙げることができる。
【0049】工程3 得られた光学活性なインドリン誘導体(Ic)をアンモ
ニアと反応させアミド化することにより化合物(Id)
を得る。
【0050】アミド化反応は、カルボジイミダゾール等
の縮合剤を1〜3当量用いて、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルム
アミド等の有機溶媒中、1当量もしくは過剰のアンモニ
アを反応させることによりアミド誘導体(Id)へ導く
ことができる。反応温度は概ね0℃から溶媒の還流温度
で行われ、反応時間は溶媒の種類や反応温度により異な
るが、概ね1〜24時間である。
【0051】工程4 化合物(Id)を次亜塩素酸ナトリウムで処理すること
により化合物(Ie)を得る。
【0052】この反応は化合物(Id)をイソプロパノ
ール等のアルコール系の溶媒中、水酸化ナトリウム等の
塩基存在下、1当量もしくは過剰の次亜塩素酸ナトリウ
ム水溶液で処理することにより、得ることができる。反
応温度は概ね0℃から溶媒の還流温度で行われ、反応時
間は溶媒の種類や反応温度により異なるが、概ね30分
間から12時間である。
【0053】また、スキーム2の工程2においてジアス
テレオマー塩(Ib)を分離した際の回収母液を濃縮乾
固した残留物を塩酸で処理した後、有機溶媒による抽出
物を濃縮乾固し、その残留物をN,N−ジメチルホルム
アミド中にて炭酸カリウム存在下エチルブロマイドを反
応させ、反応混合物を水で希釈後、有機溶媒を用いて抽
出し、その抽出物をエタノール中にてナトリウムエトキ
シドで処理し、次いで水酸化ナトリウム水溶液で処理す
ることにより、前記光学活性体の出発原料である式(I
a)で表されるインドリン誘導体を再生できる。
【0054】このようにして得られたインドリン誘導体
(Ia)は、スキーム2の工程1の原料として再利用す
ることができ、くり返し前記光学分割を施すことにより
効率的にジアステレオマー塩を製造することができる。
【0055】本発明の新規化合物(Ia)〜(Ie)は、
医薬品の製造中間体として極めて有用であり、例えば以
下の方法により、排尿困難症治療薬として有用な前記式
(A)で表される光学活性なインドリン誘導体を製造す
ることができる。
【0056】
【化29】
【0057】工程1 光学活性なインドリン誘導体(Ie)に、有機溶媒中、
塩基の存在下、一般式(E)で表されるアルキル化剤を
用いてN−アルキル化を行い化合物(F)を得る。
【0058】用いる有機溶媒としては、例えば、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノール等が挙げられる。塩基としては、例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セ
シウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン等が挙げられる。アルキル化剤(E)および塩基は、
インドール誘導体(Ie)に対して、1〜5当量の範囲
から適宜選択して用いることが出来、アルキル化剤
(E)および塩基は、等モル使用するか、いずれかを過
剰に用いても良い。反応温度は概ね室温から溶媒の還流
温度で行われ、反応時間は溶媒の種類や反応温度により
異なるが、概ね1〜48時間である。
【0059】工程2 インドール誘導体(F)をジメチルスルホキシド中、塩
基存在下、過酸化水素水で処理することによりシアノ基
をカルバモイル基に変換し、インドール誘導体(G)を
得る。
【0060】用いる塩基としては、例えば、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の水溶液が挙げられ、水酸化ナトリウムの水溶液が
好適である。反応温度は概ね0〜100℃で行われ、反
応時間は溶媒の種類や反応温度により異なるが、概ね3
0分間から12時間である。
【0061】工程3 インドール誘導体(G)をアルコール系溶媒中、パラジ
ウム炭素等の触媒存在下、水素圧1〜10気圧で脱ベン
ジル化することにより、排尿困難症治療薬として有用な
化合物(A)を得る。
【0062】用いるアルコール系溶媒としては、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙
げられる。反応温度は概ね室温〜80℃で行われ、反応
時間は溶媒の種類や反応温度により異なるが、概ね1〜
12時間である。
【0063】
【実施例】本発明の内容を以下の参考例および実施例に
てさらに詳しく説明するが、本発明は、これらに限定さ
れるものではない。尚、実施例における光学純度は、
(R)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−
7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピ
オン酸もしくは(S)−3−〔1−(3−ベンジルオキ
シプロピル)−7−シアノインドリン−5−イル〕−2
−メチルプロピオン酸の光学純度を示し、HPLC(高
速液体クロマトグラフィー)を用いて以下の条件にて測
定した。
【0064】使用カラム:Chiralpak OJ 4.6×250 m
m(Daicel Chemical Inc., LTD) 移動相:ヘキサン/エタノール/酢酸=750/250
/2 流速:1.0mL/分 カラム温度:室温 検出波長:254nm
【0065】参考例1 1−(3−ベンジルオキシプロピル)−5−ホルミルイ
ンドリン インドリン18.20gと3−ベンジルオキシプロピル
ブロミド35.00gのN,N−ジメチルホルムアミド
60mL溶液に、炭酸水素ナトリウム15.40gを
加えて50℃にて一晩、80℃にて2時間加熱撹拌し
た。放冷後、反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチル層を合わせ炭酸水素ナトリウム水溶液
および食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。減圧下に溶媒を留去し、残留物にトルエンを加え
て再び減圧下に溶媒を留去し1−(3−ベンジルオキシ
プロピル)インドリン43.29gを得た。N,N−ジ
メチルホルムアミド 100mLに氷冷下オキシ塩化リ
ン28.7mLを滴下し室温にて30分間撹拌した。こ
の溶液に氷冷下1−(3−ベンジルオキシプロピル)イ
ンドリン42.79gのN,N−ジメチルホルムアミド
20mL溶液を滴下し室温にて2時間撹拌した。反応混
合物を水に少しずつ注ぎ室温にて30分間撹拌した後、
炭酸ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸
エチル層を合わせ、水、炭酸水素ナトリウム水溶液およ
び食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下に溶媒を留去し、残留物にトルエンを加えて
再び減圧下に溶媒を留去し1−(3−ベンジルオキシプ
ロピル)−5−ホルミルインドリン47.15gを得
た。
【0066】NMR(CDCl3) δ ppm:1.85-
1.95 (2H, m), 3.00-3.10 (2H, m), 3.30-3.40 (2H,
m), 3.50-3.65 (4H,m), 4.50 (2H, s), 6.39 (1H, d, J
=8.8 Hz), 7.25-7.40 (5H, m), 7.50-7.60 (2H, m), 9.
65 (1H, s)
【0067】参考例2 3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)インドリン
−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸エチル 2−ホスホノプロピオン酸トリエチル36.40gの乾
燥テトラヒドロフラン150mL溶液に、−60〜−1
5℃の範囲でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.
53mol/L)100mLを加え−60℃にて1時間
撹拌した。この溶液に、−60〜−15℃の範囲で1−
(3−ベンジルオキシプロピル)−5−ホルミルインド
リン47.15gの乾燥テトラヒドロフラン150mL
溶液を滴下した後、徐々に室温に戻しながら一晩撹拌し
た。反応混合物に1mol/L塩酸500mLを加え、
室温にて30分間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチル層を合わせ、0.5mol/L塩酸、炭酸水
素ナトリウム水溶液および食塩水で順次洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、3−
〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)インドリン−5
−イル〕−2−メチルアクリル酸エチル58.52gを
得た。3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)イン
ドリン−5−イル〕−2−メチルアクリル酸エチル5
8.52gのエタノール300mL溶液に、5%パラジ
ウム炭素12.00gを加え室温にて水素雰囲気下2時
間撹拌した。不溶物をろ去した後、減圧下溶媒を留去
し、残留物にトルエンを加え、再び減圧下に溶媒を留去
し、3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)インド
リン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸エチル5
5.33gを得た。
【0068】NMR(CDCl3) δ ppm:1.12
(3H, d, J=6.9 Hz), 1.21 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.85-1.
95 (2H, m), 2.45-2.55 (1H, m), 2.55-2.70 (1H, m),
2.85-2.95 (3H, m), 3.10-3.20 (2H, m), 3.25-3.35 (2
H, m), 3.55-3.60 (2H, m), 4.09 (2H, q, J=7.3 Hz),
4.52 (2H,s), 6.39 (1H, d, J=7.9 Hz), 6.83 (1H, d,
J=7.9 Hz), 6.87 (1H, s), 7.20-7.40(5H, m)
【0069】参考例3 3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シア
ノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸エ
チル N,N−ジメチルホルムアミド100mLに氷冷下オキ
シ塩化リン27.2mLを滴下した後、室温にて30分
間撹拌した。この溶液に室温下3−〔1−(3−ベンジ
ルオキシプロピル)インドリン−5−イル〕−2−メチ
ルプロピオン酸エチル54.8gのN,N−ジメチルホ
ルムアミド30mL溶液を滴下し、50℃にて2時間加
熱撹拌した。反応混合物に水を少しずつ注ぎ、室温にて
30分間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチ
ル層を合わせ、炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下
に溶媒を留去し、残留物にトルエンを加えて再び減圧下
に溶媒を留去し、3−〔1−(3−ベンジルオキシプロ
ピル)−7−ホルミルインドリン−5−イル〕−2−メ
チルプロピオン酸エチル53.73gを得た。3−〔1
−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−ホルミルイン
ドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸エチル5
3.73gのトルエン200mL溶液に、ヒドロキシル
アミン塩酸塩11.3gとピリジン43.5mLを加え
70℃にて3時間加熱撹拌した。次いで反応混合物に無
水酢酸25.1mLを加え70℃にて一晩加熱撹拌し
た。放冷後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチル層を合わせ2mol/Lの塩酸、炭酸
水素ナトリウム水溶液および食塩水で順次洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残
留物にトルエンを加えて再び減圧下に溶媒を留去し、3
−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シアノ
インドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸エチ
ル57.42gを得た。
【0070】NMR(CDCl3) δ ppm:1.13
(3H, d, J=7.3 Hz), 1.21 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.90-2.
00 (2H, m), 2.45-2.55 (1H, m), 2.55-2.65 (1H, m),
2.80-2.90 (1H, m), 2.90-2.95 (2H, m), 3.50-3.60 (2
H, m), 3.60-3.70 (4H, m), 4.10 (2H, q, J=7.3 Hz),
4.51 (2H,s), 6.91 (2H, s), 7.25-7.40 (5H, m)
【0071】実施例1 3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シア
ノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸 3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シア
ノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸エ
チル57.42gのエタノール300mL溶液に、2m
ol/L水酸化ナトリウム水溶液100mLを加え、室
温にて一晩撹拌した。反応混合物に食塩水を加え、トル
エンと酢酸エチルの混合液で洗浄した後、水層を濃塩酸
で中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合わ
せ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下に溶媒を留去し、残留物にトルエンを加えて再び
減圧下に溶媒を留去し、3−〔1−(3−ベンジルオキ
シプロピル)−7−シアノインドリン−5−イル〕−2
−メチルプロピオン酸43.80gを得た。3−〔1−
(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シアノインドリ
ン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸33.80g
にジイソプロピルエーテル100mLを加え、30分間
加熱し、不溶物をろ去した後,室温で一晩さらに氷冷下
1.5時間撹拌した。析出した結晶をろ取し,冷ジイソ
プロピルエーテルで洗浄後,減圧下50℃で3時間乾燥
し、3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−
シアノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン
酸22.10gを得た。
【0072】NMR(CDCl3) δ ppm:1.16
(3H, d, J=7.3 Hz), 1.90-2.00 (2H, m), 2.45-2.55 (1
H, m), 2.60-2.70(1H, m), 2.85-3.00 (3H, m), 3.50-
3.70 (6H, m), 4.51 (2H, s), 6.93 (2H, s), 7.25-7.4
0 (5H, m)
【0073】実施例2 (R)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−
7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピ
オン酸のシス−(1S,2R)−(−)−2−ベンジル
アミノシクロヘキサンメタノール塩 3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シア
ノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸2
0.00gとシス−(1S,2R)−(−)−2−ベン
ジルアミノシクロヘキサンメタノール11.6gを酢酸
エチル100mLに加熱溶解し、活性炭1.00gを加
え、30分間室温で撹拌した。不溶物をろ去した後、ろ
液にヘキサン100mLを少しずつ加えて、別途調整し
たジアステレオマー塩を接種し室温にて一晩撹拌した。
析出した結晶をろ取し、ヘキサン/酢酸エチル=2/1
の混合溶媒で洗浄後、減圧下50℃にて3時間乾燥して
ジアステレオマー塩13.47gを得た。得られたジア
ステレオマー塩13.47gを酢酸エチル80mLに溶
解し、ヘキサン80mLを少しずつ加えた後、室温にて
一晩撹拌した。析出した結晶をろ取し、ヘキサン/酢酸
エチル=2/1の混合溶媒で洗浄し、減圧下50℃にて
3時間乾燥してジアステレオマー塩9.34g (光学純
度70.4%ee)を得た。この操作をさらに2回繰り
返して、(R)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロ
ピル)−7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチ
ルプロピオン酸のシス−(1S,2R)−(−)−2−
ベンジルアミノシクロヘキサンメタノール塩5.99g
(光学純度92.8%ee)を得た。
【0074】NMR(CDCl3) δ ppm:1.10
(3H, d, J=7.3 Hz), 1.30-1.50 (4H, m), 1.55-1.70 (2
H, m), 1.80-1.90(1H, m), 1.90-2.00 (2H, m), 2.10-
2.20 (1H, m), 2.40-2.50 (1H, m), 2.50-2.60 (1H,
m), 2.80-2.95 (3H, m), 3.00-3.10 (1H, m), 3.45-3.5
5 (2H, m), 3.60-3.75 (5H, m), 3.90-4.05 (4H, m),
4.51 (2H, s), 6.94 (1H, s), 6.96 (1H, s), 7.25-7.4
0 (10H, m)
【0075】実施例3 (R)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−
7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピ
オン酸 (R)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−
7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピ
オン酸のシス−(1S,2R)−(−)−2−ベンジル
アミノシクロヘキサンメタノール塩5.00g(光学純
度92.8%ee)を1mol/L塩酸50mLと酢酸
エチル50mLの混合液に加え、室温にて1時間撹拌し
た。酢酸エチル層を分取し、食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し(R)−
3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シア
ノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸
3.20gを得た(光学純度91.8%ee)。
【0076】NMR(CDCl3) δ ppm:1.16
(3H, d, J=7.3 Hz), 1.90-2.00 (2H, m), 2.45-2.55 (1
H, m), 2.60-2.70(1H, m), 2.85-3.00 (3H, m), 3.50-
3.70 (6H, m), 4.51 (2H, s), 6.93 (2H, s), 7.25-7.4
0 (5H, m)
【0077】実施例4 (R)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−
7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピ
オン酸アミド (R)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−
7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピ
オン酸3.00gのアセトニトリル50mL溶液に、
1,1’−カルボニルジイミダゾール2.57gを加
え、室温にて一晩撹拌した。この溶液に飽和アンモニア
アセトニトリル溶液20mLを加えた後密封し、室温に
て一晩撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出
し、酢酸エチル層を炭酸水素ナトリウム水溶液および食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
減圧下留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=6/4→8
/2→10/0)にて精製することにより(R)−3−
〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シアノイ
ンドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸アミド
2.83gを得た。
【0078】NMR(CDCl3) δ ppm:1.17
(3H, d, J=6.6 Hz), 1.90-2.00 (2H, m), 2.35-2.45 (1
H, m), 2.45-2.55(1H, m), 2.75-2.85 (1H, m),2.85-2.
95 (2H, m), 3.50-3.60 (2H, m), 3.60-3.70 (4H, m),
4.51 (2H, s), 5.20 (1H, bs), 5.25 (1H, bs), 6.93
(1H, s), 6.95 (1H, s), 7.25-7.40 (5H, m)
【0079】実施例5 (R)−5−(2−アミノプロピル)−1−(3−ベン
ジルオキシプロピル)インドリン−7−カルボニトリル (R)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−
7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピ
オン酸アミド1.00gのイソプロパノール15mL溶
液に、室温下5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液14mL
を加えた。次に水冷下2mol/Lの水酸化ナトリウム
水溶液7mLを加え、30分間撹拌した後、45℃にて
1時間加熱撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチ
ルで抽出後、酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、(R)
−5−(2−アミノプロピル)−1−(3−ベンジルオ
キシプロピル)インドリン−7−カルボニトリル0.9
15gを得た。
【0080】NMR(CDCl3) δ ppm:1.08
(3H, d, J=6.3 Hz), 1.90-2.00 (2H, m), 2.34 (1H, d
d, J=13.6, 7.9 Hz), 2.52 (1H, dd, J=13.6, 5.4 Hz),
2.90-3.00 (2H, m), 3.00-3.10 (1H, m), 3.50-3.60
(2H, m), 3.60-3.70 (4H, m), 4.52 (2H, s), 6.93 (1
H, bs), 6.94 (1H, bs), 7.25-7.40 (5H, m)
【0081】実施例6 3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピル)−7−シア
ノインドリン−5−イル〕−2−メチルプロピオン酸 実施例2においてジアステレオマー塩を晶析させた時の
回収母液の溶媒を減圧下留去、得られた残留物17.3
5gに1mol/L塩酸150mLと酢酸エチル150
mLを加え室温にて30分間撹拌した。酢酸エチル層を
分取した後、水層を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を合わせ、1mol/L塩酸および食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留
去し、(S)−3−〔1−(3−ベンジルオキシプロピ
ル)−7−シアノインドリン−5−イル〕−2−メチル
プロピオン酸17.35gを得た(光学純度39.0%
ee)。この(S)−3−〔1−(3−ベンジルオキシ
プロピル)−7−シアノインドリン−5−イル〕−2−
メチルプロピオン酸12.20gをN,N−ジメチルホ
ルムアミド50mLに溶解し、炭酸カリウム6.00g
とエチルブロマイド4.0mLを加え、室温にて一晩撹
拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出後、
酢酸エチル層を合わせ炭酸水素ナトリウム水溶液および
食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下に溶媒を留去し、残留物にトルエンを加え再び減
圧下に溶媒を留去した。得られた残留物11.90gを
エタノール100mLに溶解し、ナトリウムエトキシド
2.00gを加え、一晩加熱還流した。反応混合物に1
mol/L水酸化ナトリウム水溶液29mLを加え、さ
らに2時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮乾固し、
残留物に水を加え酢酸エチルで洗浄した後、水層を濃塩
酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合
わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下に溶媒を留去し、残留物をジイソプロピルエ
ーテル40mLから結晶化して、3−〔1−(3−ベン
ジルオキシプロピル)−7−シアノインドリン−5−イ
ル〕−2−メチルプロピオン酸8.12gを得た。
【0082】NMR(CDCl3) δ ppm:1.16
(3H, d, J=7.3 Hz), 1.90-2.00 (2H, m), 2.45-2.55 (1
H, m), 2.60-2.70(1H, m), 2.85-3.00 (3H, m), 3.50-
3.70 (6H, m), 4.51 (2H, s), 6.93 (2H, s), 7.25-7.4
0 (5H, m)
【0083】実施例7 (R)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−〔2−
〔2−〔2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フ
ェノキシ〕エチルアミノ〕プロピル〕インドリン−7−
カルボキサミド (R)−5−(2−アミノプロピル)−1−(3−ベン
ジルオキシプロピル)インドリン−7−カルボニトリル
0.80gのtert−ブタノール8mL溶液に、炭酸
ナトリウム0.291gとメタンスルホン酸2−〔2−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェノキシ〕エ
チル0.863gを加え、一晩加熱還流した。反応混合
物に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、酢酸エチル層
を合わせ、炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で順
次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶
媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(アミノプロピル修飾シリカゲル:45g、溶出溶
媒:酢酸エチル)にて精製することにより(R)−1−
(3−ベンジルオキシプロピル)−5−〔2−〔2−
〔2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェノキ
シ〕エチルアミノ〕プロピル〕インドリン−7−カルボ
ニトリル0.564gを得た。
【0084】NMR(CDCl3) δ ppm:1.05
(3H, d, J=6.3 Hz), 1.90-2.00 (2H, m), 2.42 (1H, d
d, J=13.6, 6.9 Hz), 2.60 (1H, dd, J=13.6, 6.3 Hz),
2.80-2.95 (3H, m), 2.95-3.10 (2H, m), 3.50-3.60
(2H, m), 3.60-3.70 (4H, m), 4.05-4.15 (2H, m), 4.
25-4.35 (2H,m), 4.52 (2H, s), 6.85-7.10 (6H, m),
7.25-7.40 (5H, m)
【0085】(R)−1−(3−ベンジルオキシプロピ
ル)−5−〔2−〔2−〔2−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)フェノキシ〕エチルアミノ〕プロピル〕
インドリン−7−カルボニトリル0.50gのジメチル
スルホキシド5mL溶液に、30%過酸化水素水0.1
35mLと5mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.0
54mLを加え、室温にて一晩撹拌した。さらに30%
過酸化水素水0.100mLと5mol/L水酸化ナト
リウム水溶液0.100mLを加え、室温にて5時間撹
拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を合わせ、炭酸水素ナトリウム水溶液
および食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。減圧下に溶媒を留去し、残留物をアミノプロピル
修飾シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:
酢酸エチル/ヘキサン=1/1→7/3)にて精製する
ことにより(R)−1−(3−ベンジルオキシプロピ
ル)−5−〔2−〔2−〔2−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)フェノキシ〕エチルアミノ〕プロピル〕
インドリン−7−カルボキサミド0.391gを得た。
【0086】NMR(CDCl3) δ ppm:1.06
(3H, d, J=6.2 Hz), 1.80-1.95 (2H, m), 2.51 (1H, d
d, J=13.5, 7.0 Hz), 2.72 (1H, dd, J=13.5, 6.3 Hz),
2.90-3.20 (7H, m), 3.44 (2H, t, J=8.2Hz), 3.51 (2
H, t, J=6.3Hz), 4.05-4.15 (2H, m), 4.31 (2H, q, J=
8.4Hz), 4.48(2H, m),5.42 (1H, bs), 6.85-7.05 (5H,
m), 7.15-7.40 (7H, m)
【0087】(R)−1−(3−ベンジルオキシプロピ
ル)−5−〔2−〔2−〔2−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)フェノキシ〕エチルアミノ〕プロピル〕
インドリン−7−カルボキサミド0.35gのエタノー
ル3mL溶液に、氷冷下1mol/L塩酸1.44mL
と10%パラジウム炭素0.060gを加え、水素雰囲
気下室温にて3時間撹拌した。不溶物をろ去し、ろ液に
水を加えた後、酢酸エチルで洗浄した。水層を炭酸ナト
リウムで中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を合わせ、炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で順
次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶
媒を留去し、残留物を酢酸エチル3mlで結晶化し、析
出した結晶をろ取した。得られた結晶を酢酸エチル/ヘ
キサン=1/1の混合溶媒2mLで洗浄後、減圧下50
℃にて一晩乾燥して(R)−1−(3−ヒドロキシプロ
ピル)−5−〔2−〔2−〔2−(2,2,2−トリフ
ルオロエトキシ)フェノキシ〕エチルアミノ〕プロピ
ル〕インドリン−7−カルボキサミド0.207gを得
た。
【0088】NMR(CDCl3) δ ppm:1.08
(3H, d, J=6.2Hz), 1.75-1.85 (2H, m), 2.53 (1H, dd,
J=13.6, 6.7Hz),2.68 (1H, dd, J=13.6, 6.6Hz), 2.90
-3.10 (5H, m), 3.19 (2H, t, J=6.7Hz),3.41 (2H, t,
J=8.5Hz), 3.75 (2H, t, J=5.6Hz), 4.05-4.15 (2H,
m), 4.30 (2H, q, J=8.4Hz), 5.79 (1H, bs), 6.65 (1
H, bs), 6.85-7.05 (5H, m),7.16 (1H, s)
【0089】
【発明の効果】本発明は医薬品、例えば排尿困難症治療
剤として有用な前記式(A)で表される光学活性なイン
ドリン誘導体の新規製造中間体およびその中間体を用い
る化合物(A)の製造方法を提供するものである。本発
明の製造中間体を経由することにより、効果的かつ効率
的に前記式(A)で表される光学活性なインドリン誘導
体等の医薬品を製造することができ、工業的規模での製
造および環境問題上好適である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中のRはカルボキシ基、カルバモイル基、アミノ基
    または、式 【化2】 で表される基を示し、*1が付された炭素原子はR配置
    の炭素原子またはRS配置の炭素原子を示し、但し*1
    が付された炭素原子がRS配置の場合、Rはカルボキシ
    基を示す)で表される1−(3−ベンジルオキシプロピ
    ル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導体。
  2. 【請求項2】式 【化3】 (式中の*2が付された炭素原子はRS配置の炭素原子
    を示す)で表される請求項1記載の1−(3−ベンジル
    オキシプロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリ
    ン誘導体。
  3. 【請求項3】式 【化4】 で表される請求項1記載の1−(3−ベンジルオキシプ
    ロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導
    体。
  4. 【請求項4】式 【化5】 で表される請求項1記載の1−(3−ベンジルオキシプ
    ロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導
    体。
  5. 【請求項5】式 【化6】 で表される請求項1記載の1−(3−ベンジルオキシプ
    ロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導
    体。
  6. 【請求項6】式 【化7】 で表される請求項1記載の1−(3−ベンジルオキシプ
    ロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリン誘導
    体。
  7. 【請求項7】式 【化8】 で表される請求項1または6記載の1−(3−ベンジル
    オキシプロピル)−5−(2−置換プロピル)インドリ
    ン誘導体を、式 【化9】 (式中のXは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシ
    ルオキシ基、トシルオキシ基である)で表されるフェノ
    キシエチル誘導体と塩基存在下反応させる事により、式 【化10】 で表される1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2
    −置換プロピル)インドリン誘導体を製し、該インドリ
    ン誘導体のシアノ基をカルバモイル基に変換して製し
    た、式 【化11】 で表される1−(3−ベンジルオキシプロピル)−5−
    (2−置換プロピル)インドリン誘導体を脱ベンジル化
    することを特徴とする、式 【化12】 で表される1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2
    −置換プロピル)インドリン誘導体の製造方法。
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