JP2002262909A - 装飾部品およびその製造方法 - Google Patents

装飾部品およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002262909A
JP2002262909A JP2001067066A JP2001067066A JP2002262909A JP 2002262909 A JP2002262909 A JP 2002262909A JP 2001067066 A JP2001067066 A JP 2001067066A JP 2001067066 A JP2001067066 A JP 2001067066A JP 2002262909 A JP2002262909 A JP 2002262909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
treatment
decorative
hardened layer
austenitic stainless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001067066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4601845B2 (ja
Inventor
Hachiro Kushida
田 八 郎 串
Takeshi Inoue
上 健 井
Yukio Tanokura
幸 夫 田野倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP2001067066A priority Critical patent/JP4601845B2/ja
Publication of JP2002262909A publication Critical patent/JP2002262909A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4601845B2 publication Critical patent/JP4601845B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Adornments (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の装飾部品は、結晶粒の平均粒径が
100μm以下であるオーステナイト系ステンレス鋼か
らなり、該ステンレス鋼表面に炭素原子が固溶された硬
化層が形成されていることを特徴とする。本発明の装飾
部品の製造方法は、オーステナイト系ステンレス鋼に、
加工率30〜70%の条件で冷間加工を施して、所望の
装飾部品の形状に仕上げた後、該部品に、800〜12
00℃で1〜30分間加熱した後に急冷する溶体化処
理、フッ素系ガス雰囲気下に250〜500℃で行なう
フッ化処理、一酸化炭素を含む浸炭性ガス雰囲気下に4
00〜550℃で行なうガス浸炭処理、酸洗処理および
水洗処理をこの順で施すことを特徴とし、さらに必要に
応じて装飾部品表面をバレル研磨してもよい。 【効果】本発明によれば、表面に浸炭硬化層が形成され
ているオーステナイト系ステンレス鋼からなり、「ゆず
肌」のない滑らかな面ないし鏡面を有する、外観に優れ
た装飾部品とその製造方法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、装飾部品およびその製造
方法に関する。さらに詳しくは、いわゆる「ゆず肌」の
ない滑らかな面ないし鏡面を有する装飾部品たとえば時
計外装部品、およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】装飾部品(装飾品(完成品)を含
む)、特に腕時計、ブレスレット、ネックレス、あるい
は指輪などの装身具には、ステンレス鋼、チタン、チタ
ン合金などの金属が多用される。たとえば、腕時計にお
ける腕時計バンド、ベゼル、ケーシング、裏蓋、文字板
などの時計外装部品には、特に耐食性と装飾性に優れる
オーステナイト系ステンレス鋼が多く用いられる。装飾
部品たとえば腕時計バンドの製造方法の一例を挙げる
と、オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS316
系材より成る板材に冷間鍛造、さらには任意に切削加工
や孔開け加工を施し、腕時計バンドの駒の形状に仕上げ
る。そして、このようにして得られる駒と駒とを連結し
て腕時計バンドを完成させる。
【0003】近年、かかるオーステナイト系ステンレス
鋼の優れた耐食性を維持したまま、そのステンレス鋼表
面を硬質化させる技術が試みられている。たとえば特開
平9−71854号公報、特開平9−268364号公
報および特開平9−302456号公報には、オーステ
ナイト系ステンレス鋼に、フッ素系ガス雰囲気下で30
0〜500℃というような低温でフッ化処理を施して上
記不動態皮膜を炭素原子の浸透が容易なフッ化皮膜に変
化させ、その後、浸炭性ガス雰囲気下で400〜500
℃というような低温でオーステナイト系ステンレス鋼に
ガス浸炭処理を施し、さらに酸洗処理または機械的研磨
(たとえばバレル研磨)を施す技術が開示されている。
【0004】しかしながら、上記のようにガス浸炭処理
された時計外装部品たとえば駒の表面は、研磨したにも
かかわらず、時計外装に必要とされる美しい鏡面とはな
らなず、微細な凹凸が存在する「ゆず肌(オレンジピー
ル)」として観察される。ゆず肌は、装飾部品である腕
時計バンドの装飾的価値を著しく損なう。このゆず肌
は、ガス浸炭処理によって、ステンレス鋼の表面の金属
結晶粒内へ、該結晶粒界よりも多くの炭素が拡散固溶さ
れることに原因があると考えられる。すなわち、炭素が
粒状に形成された金属結晶粒内に浸透すると、金属結晶
粒内に高い歪みが生じて、外方に向けて膨出するため、
結晶粒と結晶粒界との間に段差が生じる。ステンレス鋼
の表面から見れば、結晶粒は結晶粒界より高くなる。こ
れらの段差が表面の微細な凹凸として観察される。
【0005】かかる結晶粒と結晶粒界との段差は、ガス
浸炭処理後の一連の処理、すなわち酸洗処理や機械的な
研磨を経ても無くならない。なぜならばガス浸炭処理に
より形成された硬化層が硬質であるため、機械的な研磨
では、その表面の微細な段差を小さくすることはできて
も、完全に取り除くことができないからである。その結
果、結晶粒がステンレス鋼の表面から浮き出て視認され
やすく、浮き出た多くの結晶粒がステンレス鋼表面の微
細な凹凸、すなわち「ゆず肌」として観察されるのであ
る。
【0006】したがって、表面に炭素原子を固溶させて
硬化層(浸炭層)を形成したオーステナイト系ステンレ
ス鋼からなる装飾部品であって、「ゆず肌」のない滑ら
かな面ないし鏡面を有する、外観に優れた装飾部品およ
びその製造方法の出現が望まれている。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、表面に炭素原子
を固溶させて硬化層(浸炭層)を形成したオーステナイ
ト系ステンレス鋼からなる装飾部品であって、「ゆず
肌」のない滑らかな面ないし鏡面を有する、外観に優れ
た装飾部品およびその製造方法を提供することを目的と
している。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る装飾部品は、結晶粒の平均
粒径が100μm以下であるオーステナイト系ステンレ
ス鋼からなり、該ステンレス鋼表面に炭素原子が固溶さ
れた硬化層が形成されていることを特徴としている。
【0009】前記硬化層中に、粗大クロム炭化物粒子が
存在しないことが耐食性の面から好ましい。前記硬化層
は、オーステナイト系ステンレス鋼表面から5〜50μ
mの深さにわたって形成されていることが好ましい。前
記硬化層の表面硬度は、ビッカース硬さ(HV;50g
荷重)で500以上であることが好ましい。
【0010】本発明に係る装飾部品の製造方法は、オー
ステナイト系ステンレス鋼に、加工率(断面減少率)3
0〜70%の条件で冷間加工を施して、所望の装飾部品
の形状に仕上げ、次いで、該部品に、800〜1200
℃で1〜30分間加熱した後に急冷する溶体化処理を施
し、次いで、該部品に、フッ素系ガス雰囲気下に250
〜500℃でフッ化処理を施し、次いで、該部品を、一
酸化炭素を含む浸炭性ガス雰囲気下に400〜550℃
でガス浸炭処理を施し、次いで、該部品に酸洗処理を施
した後、水洗処理を施すことを特徴としている。
【0011】この製造方法によれば、ゆず肌のない滑ら
から表面を有する装飾部品が得られる。また、前記水洗
処理後に、該部品の表面をバレル研磨することにより、
ゆず肌のない鏡面仕上げの装飾部品を得ることができ
る。前記ガス浸炭処理により装飾部品のオーステナイト
系ステンレス鋼表面に、表面から5〜50μmの深さに
わたって硬化層が形成されていることが好ましい。
【0012】前記ガス浸炭処理により装飾部品のオース
テナイト系ステンレス鋼表面に形成された硬化層中に、
粗大クロム炭化物粒子が存在しないことが耐食性の面か
ら好ましい。また、前記硬化層の表面硬度がビッカース
硬さ(HV;50g荷重)で500以上であることが好
ましい。
【0013】本発明に係る装飾部品の製造方法により得
られた装飾部品を形成しているオーステナイト系ステン
レス鋼の結晶粒の平均粒径は、通常100μm以下であ
る。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る装飾部品およ
びその製造方法について具体的に説明する。装飾部品 本発明に係る装飾部品は、結晶粒の平均粒径が100μ
m以下のオーステナイト系ステンレス鋼からなり、この
ステンレス鋼表面に炭素原子が固溶された硬化層(浸炭
層)が形成されている。この装飾部品には、ゆず肌が観
察されず、滑らかな面ないし鏡面を有している。
【0015】本願発明者らは、炭素原子を固溶させて硬
化層を形成した硬化処理後に、オーステナイト系ステン
レス鋼の結晶粒が細粒であれば、硬化層における結晶粒
と結晶粒界の段差が目立たず、硬化層の表面が平滑に視
認されることを見出し、さらにその結晶粒の大きさにつ
いて鋭意研究した。その結果、装飾部品、たとえば腕時
計バンドとしての美観を保つに充分な平滑さを、浸炭処
理(硬化処理)後におけるオーステナイト系ステンレス
鋼表面に得るためには、浸炭処理後におけるステンレス
鋼の結晶粒の平均粒径が少なくとも100μm以下であ
ればよいことを見出した。この浸炭処理後におけるステ
ンレス鋼の結晶粒の平均粒径が小さければ小さいほど、
ステンレス鋼表面は平滑に視認される。本発明で採用す
る低温下でのガス浸炭処理では、処理前後で結晶粒の粒
径が殆ど変わらないことが判明した。因みに従来の浸炭
処理後のオーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒の平均
粒径は約500〜1000μm程度であった。
【0016】本発明において、上記したように、ガス浸
炭処理後に研磨処理たとえばバレル研磨を施せば、硬化
層表面はさらに平滑になり、美しい鏡面を呈する。この
ようなオーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒の平均粒
径は、たとえば顕微鏡で拡大して観察すれば容易に調べ
ることができる。表面における結晶粒が観察しにくい場
合には、装飾部品、たとえば腕時計バンドの駒の断面を
顕微鏡で拡大して観察すればよい。この場合、硬化層に
おける結晶粒の平均粒径ばかりか、硬化層が形成されて
いない金属内部の結晶粒の平均粒径をも調べることがで
きる。
【0017】装飾部品の製造方法 (冷間加工および溶体化処理)上記のような本発明に係
る装飾部品の製造方法では、まずオーステナイト系ステ
ンレス鋼に、加工率(断面減少率)30〜70%の条件
で冷間加工を施して、所望の装飾部品の形状に仕上げた
後、この部品に、800〜1200℃で1〜30分間加
熱した後に急冷する溶体化処理を施す。
【0018】本発明で採用するガス浸炭処理は、オース
テナイト系ステンレス鋼が再結晶する温度領域まで達し
ない400〜550℃の範囲、たとえば480℃近傍の
低温領域で行なわれる。したがって、このガス浸炭処理
によって、オーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒と結
晶粒界の段差は大きくなっても、浸炭処理の前後で結晶
粒の平均粒径はほぼ変わらないため、炭素原子を固溶さ
せて硬化層を形成する浸炭処理前に、予めオーステナイ
ト系ステンレス鋼の結晶粒を細粒化しておけば、浸炭処
理後においてもその細粒化した結晶粒の大きさを保持す
ることができる。
【0019】たとえば、上記にしたように、オーステナ
イト系ステンレス鋼に冷間鍛造、切削加工、孔開け加工
などを施して、腕時計バンドの駒を所望の形状に仕上げ
るが、この駒におけるオーステナイト系ステンレス鋼の
結晶粒の平均粒径を、上記した範囲の大きさの細粒に制
御すると、ガス浸炭処理後も、結晶粒の大きさは浸炭処
理前の結晶粒の大きさと同じく細粒のままなので、浸炭
層(硬化層)を細粒化されたオーステナイト系ステンレ
ス鋼の表面に形成することができる。
【0020】本発明に係る装飾部品の製造方法では、オ
ーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒を細粒化させる手
段としては、冷間加工(たとえば冷間プレス加工、冷間
圧延加工)と溶体化処理(solution treatment)との組
み合わせが好ましい。たとえば、オーステナイト系ステ
ンレス鋼に、大きな加工率(断面減少率)をもって冷間
プレス加工を施して、所望の装飾部品の形状に仕上げ
る。
【0021】次いで、かかる部品に、溶体化処理を施
す。すなわち、この部品を800〜1200℃で5〜2
5分間加熱処理を行ない、その後に急冷する。このよう
な溶体化処理を部品に施すと、オーステナイト系ステン
レス鋼の結晶組識が再結晶することにより、冷間プレス
加工によってステンレス鋼に与えられた大きな加工歪み
が除去されて軟化するとととに、ステンレス鋼の結晶粒
が細粒化される。
【0022】本発明においては、上記の冷間プレス加工
に代わりに、オーステナイト系ステンレス鋼に冷間圧延
加工を施してもよい。また、冷間プレス加工を複数回繰
り返してもよいし、冷間圧延加工を複数回繰り返しても
よい。あるいは、少なくとも1回の冷間圧延加工と少な
くとも1回の冷間プレス加工とを組み合わせてもよい。
このように、少なくとも1種類の冷間加工をオーステナ
イト系ステンレス鋼に複数回施す場合は、それぞれの冷
間加工の後に、ステンレス鋼を溶体化処理することが好
ましい。この溶体化処理を省くと、ステンレス鋼の結晶
粒の大きさを細粒に制御できないばかりか、次に施され
る冷間加工における、ステンレス鋼の加工性が悪くな
る。
【0023】これらの一連の細粒化処理は容易に行なう
ことができるため、処理費用が安価ですむ。したがっ
て、かかる細粒化処理を採用すれば、経済的に有利であ
る。なお、高温で行なわれる熱間加工あるいは温間加工
では、オーステナイト系ステンレス鋼に、その結晶粒が
細粒化するに足るほどの加工歪みを与えることができな
いので、結晶粒を細粒化することはできない。また、加
熱処理の後に、オーステナイト系ステンレス鋼を徐々に
冷却する徐冷を施しても、ステンレス鋼の結晶粒を細粒
化することはできない。
【0024】また、ガス浸炭処理後に、結晶粒が上記し
た範囲の大きさの細粒に制御されたオーステナイト系ス
テンレス鋼を得るためには、冷間加工の加工率は、30
%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50
%以上、最も好ましくは70%以上である。この加工率
の上限は約70%、好ましくは約65%程度である。こ
の加工率が30%より下がると、オーステナイト系ステ
ンレス鋼の結晶粒を上記した範囲に細粒化するに足る大
きな加工歪みをステンレス鋼に与えることができないの
で、上記した範囲の細粒をオーステナイト系ステンレス
鋼に得ることが困難である。一般に、加工率が70%を
超えると加工負荷が大きくなりすぎるので、経済的に不
利である。したがって、冷間加工の加工率は、30〜7
0%、好ましくは40〜65%、さらに好ましくは50
〜65%、最も好ましくは55〜65%の範囲内である
ことが望ましい。
【0025】本発明においては、加工率30〜70%の
冷間加工を複数回繰り返してオーステナイト系ステンレ
ス鋼に施してもよい。上記溶体化処理における処理温度
が高すぎると、オーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒
が粗大化する。逆に、この処理温度が低すぎても、充分
な軟化効果が得られず、かつ結晶粒が充分に細粒化され
ない。したがって、これらのことを考慮すると、溶体化
処理における処理温度は、800〜1200℃、好まし
くは900〜1150℃が望ましい。
【0026】また、溶体化処理における加熱処理時間が
長すぎると、逆にオーステナイト系ステンレス鋼の結晶
粒が粗大化する。逆に、この加熱処理時間が短すぎて
も、再結晶されず、結晶粒が充分に細粒化されない。し
たがって、これらのことを考慮すると、溶体化処理にお
けるの加熱処理時間は、5〜25分であることが好まし
い。
【0027】溶体化処理における処理温度が高ければ加
熱処理時間を短く設定することが好ましく、処理温度が
低ければ加熱処理時間を長く設定することができる。し
たがって、たとえば溶体化処理における処理温度が80
0℃であるならば、加熱処理時間は25分以下、また溶
体化処理における処理温度が900℃であるならば、加
熱処理時間は15分以下であることが好ましい。また、
溶体化処理における処理温度が1000℃であるなら
ば、加熱処理時間は5分以下であることが好ましい。
【0028】本発明で用いられる装飾部品の基材として
のオーステナイト系ステンレス鋼は、マルテンサイト
系、あるいはフェライト系ステンレス鋼などの他のステ
ンレス鋼より、耐食性に優れているため、装飾部品(完
成品も含む)、特に身に付ける装身具の素材として好ま
しい。特に、オーステナイト系ステンレス鋼は、マルテ
ンサイト系、あるいはフェライト系ステンレス鋼などの
他のステンレス鋼に比べて、炭素原子の固溶が容易であ
るため、浸炭処理によって硬化層を形成するには有利で
ある。
【0029】オーステナイト系ステンレス鋼の中では、
SUS316系、特にSUS316L材が、浸炭処理
後、あるいはそれに続く研磨処理後の表面が、最も平滑
になるので好ましい。 (フッ化処理)次に、上記のようにして冷間加工と溶体
化処理が施された部品に、フッ化処理を施す。
【0030】このフッ化処理は、フッ素系ガス雰囲気下
に250〜500℃、好ましくは300〜500℃の条
件で行なわれる。このフッ化処理に際して用いられるフ
ッ化系ガスとしては、具体的には、NF 3、CF4、SF
4、C26、BF3、CHF3、HF、SF6、WF6、S
iF4、ClF3などのフッ素系化合物ガスが挙げられ
る。これらのフッ化系ガスは、1種単独で、あるいは2
種以上組み合わせて用いることができる。
【0031】また、これらのガス以外に、分子内にフッ
素を含む他のフッ素系ガスも上記フッ素系ガスとして用
いることができる。さらにまた、このようなフッ素化合
物ガスを熱分解装置で熱分解させて生成させたF2
ス、あるいは予め調製したF2ガスも上記フッ素系ガス
として用いることができる。このようなフッ素化合物ガ
スとF2ガスとは、任意に混合して用いられる。
【0032】上記フッ素化合物ガス、F2ガス等のフッ
素系ガスは、それぞれ1種単独で用いることもできる
が、通常は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで
希釈されて使用される。このような希釈されたガスにお
けるフッ素系ガス自身の濃度は、通常10,000〜1
00,000容量ppm、好ましくは20,000〜7
0,000容量ppm、さらに好ましくは30,000
〜50,000容量ppmである。本発明で最も好まし
く用いられるフッ素系ガスは、NF3である。NF3は、
常温でガス状であり、化学的安定性が高く、取り扱いが
容易である。このNF3ガスは、通常、窒素ガスと組み
合わせて上記の濃度範囲内で用いられる。
【0033】本発明におけるフッ化処理は、たとえば所
定の形状に加工した、腕時計バンド用のステンレス鋼製
の駒および連結部品、または腕時計用ベゼル、ケーシン
グ、裏蓋、文字盤などをフッ化処理用の炉内に入れ、上
記濃度のフッ素系ガス雰囲気下に、250〜500℃の
温度で行なわれる。フッ化処理時間は、処理物の種類・
大きさ等により異なるが、通常は、十数分から数十分で
ある。
【0034】このようなフッ化処理を行なうことによ
り、処理物表面に形成されたCr23を含む不動態皮膜
がフッ化皮膜に変化する。このフッ化皮膜は、炭素原子
の浸透性が良好であるので、次に行なわれるガス浸炭処
理により、オーステナイト系ステンレス鋼表面から内部
に炭素原子が浸透拡散し、浸炭(硬化)層を容易に形成
することができる。
【0035】(ガス浸炭処理)次に、上記のフッ化処理
が施された部品に、一酸化炭素を含む浸炭性ガス雰囲気
下に400〜550℃、好ましくは400〜500℃、
さらに好ましくは400〜480℃でガス浸炭処理を施
す。この浸炭処理の際に用いられる浸炭性ガスとして
は、炭素源ガスとして一酸化炭素を用い、通常、この一
酸化炭素と水素、二酸化炭素、窒素の混合ガスの形で用
いられる。
【0036】この浸炭性ガスの浸炭能力(カーボンポテ
ンシャル:Pc 値)は、通常、ガス雰囲気中のCOおよ
びCO2の分圧値Pco、Pco2を用いて次式で示される。 Pc =(Pco)2/Pco2 このPc 値が大きくなると、浸炭能力が大きくなり、オ
ーステナイト系ステンレス鋼の表面炭素濃度が高くなっ
て表面硬度が高くなるが、ガス浸炭処理用炉内のすすの
発生が多くなる。ただし、このPc 値をある一定の限界
点以上に設定しても、形成される浸炭硬化層の表面硬度
には限界がある。一方、このPc 値が小さくなると、浸
炭能力が小さくなり、オーステナイト系ステンレス鋼の
表面炭素濃度が低くなって表面硬度が低くなる。
【0037】本発明では、ガス浸炭処理温度を400〜
500℃という低温にすることにより、浸炭硬化層中に
Cr236 等の結晶質のクロム炭化物が析出せず、オ
ーステナイト系ステンレス鋼中のクロム原子が消費され
ないため、浸炭硬化層の優れた耐食性を維持することが
できる。また、この浸炭処理温度は低温であるため、こ
の浸炭処理によりクロム炭化物の粗大化も起こらず、し
かも、ステンレス鋼内部の軟化による強度低下も少な
い。しかしながら、浸炭処理温度が550℃以下で50
0℃を超える場合には、得られる浸炭硬化層中に、粗大
化したクロム炭化物粒子が微量ながら認められるが、本
発明においては、ゆず肌の問題は生じない。浸炭硬化層
中に、粗大クロム炭化物粒子が少なくなるほど、ステン
レス鋼は耐食性に優れ、しかも表面硬度が高くなるた
め、粗大クロム炭化物粒子は存在しないことが好まし
い。また、耐食性の面からも浸炭層中に粗大クロム炭化
物粒子は存在しないことが好ましい。
【0038】このようなガス浸炭処理法によれば、装飾
部品のオーステナイト系ステンレス鋼表面に浸炭硬化層
(炭素の拡散浸透層)が均一に形成される。これらの浸
炭硬化層には、Cr236 、Cr73、Cr32 等の
結晶質のクロム炭化物は生成されておらず、透過型電子
顕微鏡での観察よれば、粒径0.1μm以下の超微細な
金属炭化物が認められるのみである。この超微細な金属
炭化物は、透過型電子顕微鏡のスペクトル分析によれ
ば、装飾部品の基材であるオーステナイト系ステンレス
鋼と同一の化学組成を有しており、結晶質のクロム炭化
物ではない。これらの浸炭硬化層は、炭素原子がオース
テナイト系ステンレス鋼の金属格子中に侵入固溶クロム
炭化物を形成せず、この基材と同様のオーステナイト相
から形成されている。この多量の炭素原子の侵入固溶に
より、浸炭硬化層は大きな格子歪みを起こしている。上
記の超微細な金属炭化物と格子歪みとの複合効果によ
り、浸炭硬化層の硬度の向上を実現し、ビッカース硬さ
(HV;50g荷重)700〜1050という高硬度を
得ることができる。しかも、上記ガス浸炭処理により結
晶質のクロム炭化物が生成せず、基材中のクロム原子を
消費しないことから、浸炭硬化層は、オーステナイト系
ステンレス鋼が本来有している優れた耐食性と同程度の
耐食性を保持している。
【0039】ガス浸炭処理後の部品の表面には、極薄い
黒皮が形成されている。 (酸洗処理)次に、上記のガス浸炭処理が施された部品
に、酸洗処理を施す。具体的には、部品を酸性溶液に浸
漬する。この酸洗処理で用いられる酸性溶液としては、
特に限定されるものではなく、たとえばフッ酸、硝酸、
塩酸、硫酸、フッ化アンモニウムなどが用いられる。こ
れらの酸は、単独で用いることができるが、フッ化アン
モニウムと硝酸との混合液、硝酸とフッ酸との混合液、
硝酸と塩酸との混合液、硫酸と硝酸との混合液として用
いることもできる。
【0040】これらの酸性溶液の濃度は、適宜決定され
るが、たとえば硝酸と塩酸との混合液では、硝酸濃度が
15〜40重量%程度、塩酸濃度が5〜20重量%程度
であることが好ましい。また、硝酸溶液の濃度は10〜
30重量%程度が好ましい。また、これらの酸性溶液
は、常温で用いることができるし、高温で用いることも
できる。
【0041】さらに、酸洗処理として、硝酸、硫酸等の
電解溶液を使用して電解処理を行なってもよい。酸性溶
液への浸漬時間は、酸性溶液の種類にもよるが、通常は
約15〜90分程度である。この酸洗処理により、部品
の表面に形成された浸炭処理に起因する黒皮に含まれて
いる鉄が酸化溶解し、黒皮が除去されるが、この酸洗処
理のみでは、黒皮を完全に除去することはできない。し
かも、部品の表面、すなわちガス浸炭処理により形成さ
れた浸炭硬化層の表面は、酸性溶液への浸漬により鉄が
溶解し、粗面化される。
【0042】(水洗処理)次に、上記酸洗処理後、その
部品に水洗処理を施す。この水洗処理により、部品から
剥離しかかっている黒皮を洗い流すとともに、部品に付
着している酸性溶液を完全に洗い流し、酸性溶液による
浸炭硬化層の粗面化がさらに進行しないようにする。
【0043】なお、装飾部品のうち、腕時計バンドの構
成物品である駒、その連結部品などの表面に形成された
黒皮は、上記の酸洗処理および水洗処理により完全に除
去することはできない。 (バレル研磨)次に、水洗処理された部品の表面をバレ
ル研磨する。
【0044】具体的には、部品をバレル研磨装置のバレ
ル槽の内部に設置し、研磨媒体として好ましくはクルミ
のチップとアルミナ系研磨材をバレル槽内に入れる。そ
して、約10時間かけてバレル研磨を行ない、部品のオ
ーステナイト系ステンレス鋼表面に形成された浸炭硬化
層の最表面に形成された粗い面と、残っている黒皮を研
磨する。
【0045】上記の酸洗処理、水洗処理およびバレル研
磨を併用することにより、連結された駒、連結されてい
ない駒、駒の連結に使用が予定されている連結部品など
の表面に形成された黒皮を完全に除去することができ
る。このような時計外装部品が複雑な形状を成していて
も、この黒皮を完全に除去することができる。また、こ
のバレル研磨により、ヘアーライン加工等の機械的仕上
げ加工が施されていない、連結された駒、連結されてい
ない駒、駒の連結に使用が予定されている連結部品など
の装飾部品の表面を鏡面とすることができる。
【0046】なお、バレル研磨に代えてバフ研磨を行な
うと、連結された駒、連結されていない駒、駒の連結に
使用が予定されている連結部品などの装飾部品の表面に
形成された黒皮を完全に除去することは非常に困難であ
る。なお、装飾部品、たとえば時計外装部品は、かかる
バレル研磨後の浸炭層の表面硬度(HV)は、50g荷
重で500以上あれば、時計外装部品の硬さとしては充
分である。好ましくは50g荷重で600以上あればよ
い。
【0047】次に、必要に応じて、バレル研磨した装飾
部品たとえば腕時計バンドを構成する駒、連結されてい
る駒の表面を、さらにバフ研磨してもよい。なお、かか
るバフ研磨後の浸炭層の表面硬度(HV)は、50g荷
重で500以上あれば、時計外装部品の硬さとしては充
分である。好ましくは50g荷重で600以上あればよ
い。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、表面に炭素原子を固溶
させて硬化層を形成したオーステナイト系ステンレス鋼
からなる装飾部品であって、「ゆず肌」のない滑らかな
面ないし鏡面を有する、外観に優れた装飾部品およびそ
の製造方法を提供することができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。
【0050】
【実施例1】(腕時計バンド)オーステナイト系ステン
レス鋼(SUS316)からなる丸棒に、加工率70%
の冷間プレス加工を施し、所望の腕時計バンドの駒より
やや厚い板に成形した。次いで、その板に、1000℃
で5分間加熱した後に急冷する溶体化処理を施した。こ
のようにして得られた板におけるステンレス鋼の結晶粒
を500倍の顕微鏡で観察し、その平均粒径を測定した
結果、10μmであった。
【0051】次いで、この板を腕時計バンドの駒の長さ
に合わせて切断加工を施し、この板より小さい複数の切
片に切断した。次いで、この切片に加工率5%の冷間プ
レス加工を施し、所望の腕時計バンドの駒の形状に仕上
げた。次いで、その駒に、1000℃で5分間加熱した
後に急冷する溶体化処理を施した。この溶体化処理後の
駒におけるステンレス鋼の結晶粒の平均粒径は、18μ
mであった。このように、ステンレス鋼の結晶粒の平均
粒径が大きくなったのは、加工率の小さい冷間プレス加
工により、ステンレス鋼の結晶粒が粗大化したためであ
る。このようにして、上記の各切片より複数の駒を作製
した。
【0052】次いで、それぞれの駒の所定の位置に孔開
け加工を施して、連結孔を穿設し、連結孔に連結ピンを
挿入して、それぞれの駒を互いに連結させ、腕時計バン
ドを組み立てた。なお、この多数の駒を連結して成る腕
時計バンドの幾つかの駒は、携帯者の手首の太さに合わ
せてバンドの長さを調整できるように、隣接する駒から
取り外し可能な駒、いわゆる長さ調整用駒であり、長さ
調整用駒以外の駒は、隣接する駒から容易に分離できな
いように連結される駒である。また、連結部品として、
長さ調整用駒に用いられる連結部品(長さ調整用ピン)
と、その他の駒に用いられる連結部品(連結ピンと割パ
イプ、ローレットピン)を使用した。
【0053】次いで、腕時計バンドに、研磨処理、たと
えばバレル研磨やバフ研磨を施し、表面を平滑な鏡面と
した。次いで、この腕時計バンドを、金属製のマッフル
炉内に装入した後、480℃まで昇温した。次いで、フ
ッ素系ガス(5容量%のNF2と95容量%のN2との混
合ガス)をマッフル炉内に15分間吹き込み、フッ化処
理を行なった。
【0054】次いで、フッ素系ガスを排出した後、浸炭
性ガス(10容量%のCOと、20容量%のH2と、1
容量%のCO2と、69容量%のN2との混合ガス)を吹
き込み、480℃で12時間保持して浸炭処理を行なっ
た後、バンドを取り出した。取り出した浸炭処理後のバ
ンドの表面には黒皮が形成されていた。次いで、このバ
ンドを、フッ化アンモニウム3〜5容量%と硝酸2〜3
容量%を含む酸性水溶液に20分間浸漬した。
【0055】この酸洗処理により、バンドの駒表面に形
成されていた黒皮中に含まれている鉄が酸化溶解し、黒
皮の大部分は除去されていた。また、互いに隣接する駒
と駒における相対する面や、ピン孔の内壁、さらに駒と
駒とを連結する連結部品である、連結ピン、割パイプ、
長さ調整用ピンにも、黒皮は観察されなかった。しかし
ながら、バンドの駒の表面、すなわち、浸炭処理により
形成された浸炭層の表面は、酸性水溶液への浸漬により
鉄が溶解し、粗い面となっていた。
【0056】次いで、酸洗処理されたバンドを水洗し
た。次いで、水洗したバンドをバレル研磨装置のバレル
槽の内部に設置し、研磨媒体として、くるみのチップと
アルミナ系研磨剤をバレル槽内に入れた。そして、約1
0時間かけてバレル研磨を行ない、駒の浸炭層の最表面
に形成された粗い面を研磨した。これにより、浸炭層の
表面から1〜2μmの深さの領域が除去され、駒の表
面、すなわち浸炭層の最表面が鏡面となった。
【0057】以上の工程により、平滑に視認される鏡面
を呈する腕時計バンドが得られ、ゆず肌は観察されなか
った。このバンドにおけるステンレス鋼の結晶粒の平均
粒径は18μmであった。また、このバンドは、表面硬
度がビッカース硬さ(Hv;50g荷重)で800で耐
傷付き性に優れ、オーステナイト系ステンレス鋼(SU
S316)が本来有している優れた耐食性と同等の耐食
性を保持していた。予め多数の駒をまとめてバンドの形
態にしてから上記の各処理工程を行なったので、処理作
業にかかる人手と時間が削減され、処理コストを安価に
することができた。
【0058】また、連結部品も浸炭処理されるため、連
結部品の表面から数十μmの深さの領域に硬質な浸炭層
が形成された。その結果、連結部品の硬度が高くなり、
バンドの長手方向に沿ってバンドが引っ張られても、連
結ピンや長さ調整用ピンが曲がったり、折れたりしにく
くなった。この実施例1では、多数の駒をまとめてバン
ドの形態にしてから、フッ化処理、ガス浸炭処理、酸洗
処理、水洗処理およびバレル研磨処理を行なうので、こ
れらの処理工程における駒の取り扱いが容易で生産性に
優れている。
【0059】
【実施例2】(腕時計バンド)オーステナイト系ステン
レス鋼(SUS316)からなる丸棒を用いて、実施例
1と同様にして、複数の切片を得た。次いで、この切片
に切削加工を施し、所望の腕時計バンドの駒の形状に仕
上げた。
【0060】次いで、その駒に、1000℃で5分間加
熱した後に急冷する溶体化処理を施した。この溶体化処
理後の駒におけるステンレス鋼の結晶粒の平均粒径は、
10μmであった。このようにして、各切片より複数の
駒を作製した。以下、この複数の駒を用い、実施例1と
同様にして、腕時計バンドを得た。次いで、このバンド
に、実施例1と同様にして、フッ化処理、ガス浸炭処
理、酸洗処理、水洗、バレル研磨を行なった。
【0061】以上の工程により、平滑に視認される鏡面
を呈する腕時計バンドが得られ、ゆず肌は観察されなか
った。このバンドにおけるステンレス鋼の結晶粒の平均
粒径は10μmであって。また、このバンドは、表面硬
度がビッカース硬さ(Hv;50g荷重)で850で耐
傷付き性に優れ、オーステナイト系ステンレス鋼(SU
S316)が本来有している優れた耐食性と同等の耐食
性を保持していた。予め多数の駒をまとめてバンドの形
態にしてから上記の各処理工程を行なったので、処理作
業にかかる人手と時間が削減され、処理コストを安価に
することができた。
【0062】また、連結部品も浸炭処理されるため、連
結部品の表面から数十μmの深さの領域に硬質な浸炭層
が形成された。その結果、連結部品の硬度が高くなり、
バンドの長手方向に沿ってバンドが引っ張られても、連
結ピンや長さ調整用ピンが曲がったり、折れたりしにく
くなった。この実施例2では、多数の駒をまとめてバン
ドの形態にしてから、フッ化処理、ガス浸炭処理、酸洗
処理、水洗処理およびバレル研磨処理を行なうので、こ
れらの処理工程における駒の取り扱いが容易で生産性に
優れている。
【0063】
【実施例3】(腕時計バンド)厚さ10mmのオーステ
ナイト系ステンレス鋼(SUS316)から成る板材に
加工率60%の冷間圧延加工を施し、より薄い厚さ4m
mの板材に加工した。次いで、その板材に、1000℃
で5分間加熱した後に急冷する溶体化処理を施した。こ
の溶体化処理後の板材におけるステンレス鋼の結晶粒の
平均粒径は18μmであった。
【0064】以下、この薄い板材を用い、実施例1と同
様にして、腕時計バンドを得た。なお、溶体化処理後の
駒におけるステンレス鋼の結晶粒の平均粒径は34μm
であった。次いで、このバンドに、実施例1と同様にし
て、フッ化処理、ガス浸炭処理、酸洗処理、水洗、バレ
ル研磨を行なった。
【0065】以上の工程により、平滑に視認される鏡面
を呈する腕時計バンドが得られ、ゆず肌は観察されなか
った。このバンドにおけるステンレス鋼の結晶粒の平均
粒径は34μmであった。また、このバンドは、表面硬
度がビッカース硬さ(Hv;50g荷重)で800で耐
傷付き性に優れ、オーステナイト系ステンレス鋼(SU
S316)が本来有している優れた耐食性と同等の耐食
性を保持していた。予め多数の駒をまとめてバンドの形
態にしてから上記の各処理工程を行なったので、処理作
業にかかる人手と時間が削減され、処理コストを安価に
することができた。
【0066】また、連結部品も浸炭処理されるため、連
結部品の表面から数十μmの深さの領域に硬質な浸炭層
が形成された。その結果、連結部品の硬度が高くなり、
バンドの長手方向に沿ってバンドが引っ張られても、連
結ピンや長さ調整用ピンが曲がったり、折れたりしにく
くなった。この実施例3では、多数の駒をまとめてバン
ドの形態にしてから、フッ化処理、ガス浸炭処理、酸洗
処理、水洗処理およびバレル研磨処理を行なうので、こ
れらの処理工程における駒の取り扱いが容易で生産性に
優れている。
【0067】
【実施例4】(腕時計バンド)厚さ10mmのオーステ
ナイト系ステンレス鋼(SUS316)から成る板材に
加工率60%の冷間圧延加工を施し、より薄い厚さ4m
mの板材に加工した。次いで、その板材に、1000℃
で5分間加熱した後に急冷する溶体化処理を施した。こ
の溶体化処理後の板材におけるステンレス鋼の結晶粒の
平均粒径は18μmであった。
【0068】以下、この薄い板材を用い、実施例2と同
様に、切削加工を施し、所望の腕時計バンドの駒の形状
に仕上げた。この駒におけるステンレス鋼の結晶粒の平
均粒径は18μmであった。次いで、この駒を用い、実
施例1と同様にして、腕時計バンドを得た。溶体化処理
後の駒におけるステンレス鋼の結晶粒の平均粒径は18
μmであった。
【0069】次いで、このバンドに、実施例1と同様に
して、フッ化処理、ガス浸炭処理、酸洗処理、水洗、バ
レル研磨を行なった。以上の工程により、平滑に視認さ
れる鏡面を呈する腕時計バンドが得られ、ゆず肌は観察
されなかった。このバンドにおけるステンレス鋼の結晶
粒の平均粒径は18μmであった。また、このバンド
は、表面硬度がビッカース硬さ(Hv;50g荷重)で
840で耐傷付き性に優れ、オーステナイト系ステンレ
ス鋼(SUS316)が本来有している優れた耐食性と
同等の耐食性を保持していた。予め多数の駒をまとめて
バンドの形態にしてから上記の各処理工程を行なったの
で、処理作業にかかる人手と時間が削減され、処理コス
トを安価にすることができた。
【0070】また、連結部品も浸炭処理されるため、連
結部品の表面から数十μmの深さの領域に硬質な浸炭層
が形成された。その結果、連結部品の硬度が高くなり、
バンドの長手方向に沿ってバンドが引っ張られても、連
結ピンや長さ調整用ピンが曲がったり、折れたりしにく
くなった。この実施例4では、多数の駒をまとめてバン
ドの形態にしてから、フッ化処理、ガス浸炭処理、酸洗
処理、水洗処理およびバレル研磨処理を行なうので、こ
れらの処理工程における駒の取り扱いが容易で生産性に
優れている。
【0071】
【実施例5】(腕時計ケース)オーステナイト系ステン
レス鋼(SUS316)から成る丸棒に、加工率50%
の冷間圧延加工を施して板材に加工した。次いで、その
板材に、1000℃で5分間加熱した後に急冷する溶体
化処理を施した。この溶体化処理後の板材におけるステ
ンレス鋼の結晶粒の平均粒径は、26μmであった。
【0072】次いで、この板材に加工率30%の冷間プ
レス加工を施し、所望のケースの形状に成形した。次い
で、そのケースに、1000℃で5分間加熱した後に急
冷する溶体化処理を施した。この溶体化処理後の板材に
おけるステンレス鋼の結晶粒の平均粒径は、26μmで
あった。
【0073】次いで、この板材を切削加工、孔開け加工
して腕時計バンドを連結する連結ピンを挿入する連結孔
を形成し、腕時計ケースの形状に仕上げた。次いで、こ
の腕時計ケースを用い、実施例1と同様にして、フッ化
処理、ガス浸炭処理、酸洗処理、バレル研磨を行なっ
た。以上の工程により、平滑に視認される鏡面を呈する
腕時計ケースが得られ、ゆず肌は観察されなかった。こ
の腕時計ケースにおけるステンレス鋼の結晶粒の平均粒
径は、26μmであった。また、この腕時計ケースは、
表面硬度がビッカース硬さ(Hv;50g荷重)で79
0で耐傷付き性に優れ、オーステナイト系ステンレス鋼
(SUS316)が本来有している優れた耐食性と同等
の耐食性を保持していた。
【0074】
【実施例6】(ブレスレット)オーステナイト系ステン
レス鋼(SUS316)からなる丸棒に、加工率40%
の冷間プレス加工を施し、所望のブレスレットの駒より
やや厚い板に成形した。次いで、この厚い板に、100
0℃で5分間加熱した後に急冷する溶体化処理を施し
た。この溶体化処理後の厚い板におけるステンレス鋼の
結晶粒を500倍の顕微鏡で観察し、その平均粒径を測
定した結果、36μmであった。
【0075】次いで、この板をブレスレットの駒の長さ
に合わせて切断加工を施し、この板より小さい複数の切
片に切断した。次いで、この切片に加工率35%の冷間
プレス加工を施し、所望のブレスレットの駒の形状に仕
上げた。次いで、その駒に、1000℃で5分間加熱し
た後に急冷する溶体化処理を施した。この溶体化処理後
の駒におけるステンレス鋼の結晶粒の平均粒径は、30
μmであった。このようにして、各切片より複数の駒を
作製した。
【0076】次いで、それぞれの駒の所定の位置に孔開
け加工を施して、連結孔を穿設し、連結孔に連結ピンを
挿入して、それぞれの駒を互いに連結させ、ブレスレッ
トを組み立てた。次いで、このブレスレットを、金属製
のマッフル炉内に装入した後、480℃まで昇温した。
次いで、フッ素系ガス(5容量%のNF2と95容量%
のN2との混合ガス)をマッフル炉内に15分間吹き込
み、フッ化処理を行なった。
【0077】次いで、フッ素系ガスを排出した後、浸炭
性ガス(10容量%のCOと、20容量%のH2と、1
容量%のCO2と、69容量%のN2との混合ガス)を吹
き込み、480℃で12時間保持して浸炭処理を行なっ
た後、ブレスレットを取り出した。取り出した浸炭処理
後のブレスレットの表面には黒皮が形成されていた。次
いで、このブレスレットを、フッ化アンモニウム3〜5
容量%と硝酸2〜3容量%を含む酸性水溶液に20分間
浸漬した。
【0078】この酸洗処理により、ブレスレットの駒表
面に形成されていた黒皮中に含まれている鉄が酸化溶解
し、黒皮の大部分は除去されていた。また、互いに隣接
する駒と駒における相対する面や、ピン孔の内壁、さら
に駒と駒とを連結する連結部品にも、黒皮は観察されな
かった。しかしながら、ブレスレットの駒表面、すなわ
ち、浸炭処理により形成された浸炭層の表面は、酸性水
溶液への浸漬により鉄が溶解し、粗い面となっていた。
【0079】次いで、酸洗処理されたブレスレットを水
洗した。次いで、水洗したブレスレットをバレル研磨装
置のバレル槽の内部に設置し、研磨媒体として、くるみ
のチップとアルミナ系研磨剤をバレル槽内に入れた。そ
して、約10時間かけてバレル研磨を行ない、駒の浸炭
層の最表面に形成された粗い面を研磨した。これによ
り、浸炭層の表面から1〜2μmの深さの領域が除去さ
れ、駒の表面、すなわち浸炭層の最表面が鏡面となっ
た。
【0080】以上の工程により、平滑に視認される鏡面
を呈するブレスレットが得られ、ゆず肌は観察されなか
った。このブレスレットにおけるステンレス鋼の結晶粒
の平均粒径は、30μmであった。また、このブレスレ
ットは、表面硬度がビッカース硬さ(Hv;50g荷
重)で800で耐傷付き性に優れ、オーステナイト系ス
テンレス鋼(SUS316)が本来有している優れた耐
食性と同等の耐食性を保持していた。予め多数の駒をま
とめてブレスレットの形態にしてから上記の各処理工程
を行なったので、処理作業にかかる人手と時間が削減さ
れ、処理コストを安価にすることができた。
【0081】また、連結部品も浸炭処理されるため、連
結部品の表面から数十μmの深さの領域に硬質な浸炭層
が形成された。この実施例6では、多数の駒をまとめて
ブレスレットの形態にしてから、フッ化処理、ガス浸炭
処理、酸洗処理、水洗処理およびバレル研磨処理を行な
うので、これらの処理工程における駒の取り扱いが容易
で生産性に優れている。
【0082】
【実施例7】(ブレスレット)厚さ10mmのオーステ
ナイト系ステンレス鋼(SUS316)から成る板材に
加工率60%の冷間圧延加工を施し、より薄い厚さ4m
mの板材に加工した。次いで、その板材に、1000℃
で5分間加熱した後に急冷する溶体化処理を施した。こ
の溶体化処理後の板材におけるステンレス鋼の結晶粒の
平均粒径は18μmであった。
【0083】次いで、この板材に機械曲げ加工を行なっ
て輪状のブレスレットにした。この曲げ加工前後でブレ
スレットのステンレス鋼結晶粒の平均粒径は変わらず1
8μmであった。次いで、この輪状のブレスレットに、
実施例1と同様にして、フッ化処理、ガス浸炭処理、酸
洗処理、水洗、バレル研磨を行なった。
【0084】以上の工程により、平滑に視認される鏡面
を呈するブレスレットが得られ、ゆず肌は観察されなか
った。このブレスレットにおけるステンレス鋼の結晶粒
の平均粒径は18μmであった。また、このブレスレッ
トは、表面硬度がビッカース硬さ(Hv;50g荷重)
で840で耐傷付き性に優れ、オーステナイト系ステン
レス鋼(SUS316)が本来有している優れた耐食性
と同等の耐食性を保持していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21D 9/00 C21D 9/00 Q C23C 8/02 C23C 8/02 8/22 8/22 8/80 8/80 (72)発明者 田野倉 幸 夫 東京都西東京市田無町六丁目1番12号 シ チズン時計株式会社内 Fターム(参考) 3B114 AA03 JA07 4K028 AA01 AB01 AC08 4K042 AA25 BA03 CA16 DA01 DA04 DA06 DC02 DC04 DE02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶粒の平均粒径が100μm以下である
    オーステナイト系ステンレス鋼からなり、該ステンレス
    鋼表面に炭素原子が固溶された硬化層が形成されている
    ことを特徴とする装飾部品。
  2. 【請求項2】前記硬化層中に、粗大クロム炭化物粒子が
    存在しないことを特徴とする請求項1に記載の装飾部
    品。
  3. 【請求項3】前記硬化層が、表面から5〜50μmの深
    さにわたって形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の装飾部品。
  4. 【請求項4】前記硬化層の表面硬度がビッカース硬さ
    (HV;50g荷重)で500以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の装飾部品。
  5. 【請求項5】前記硬化層の表面が鏡面であることを特徴
    とする請求項4に記載の装飾部品。
  6. 【請求項6】オーステナイト系ステンレス鋼に、加工率
    (断面減少率)30〜70%の条件で冷間加工を施し
    て、所望の装飾部品の形状に仕上げ、 次いで、該部品に、800〜1200℃で1〜30分間
    加熱した後に急冷する溶体化処理を施し、 次いで、該部品に、フッ素系ガス雰囲気下に250〜5
    00℃でフッ化処理を施し、 次いで、該部品を、一酸化炭素を含む浸炭性ガス雰囲気
    下に400〜550℃でガス浸炭処理を施し、 次いで、該部品に酸洗処理を施した後、水洗処理を施す
    ことを特徴とする装飾部品の製造方法。
  7. 【請求項7】前記水洗処理後に、前記部品の表面をバレ
    ル研磨することを特徴とする請求項6に記載の装飾部品
    の製造方法。
  8. 【請求項8】前記ガス浸炭処理により装飾部品のオース
    テナイト系ステンレス鋼表面に、表面から5〜50μm
    の深さにわたって硬化層が形成されていることを特徴と
    する請求項6に記載の装飾部品の製造方法。
  9. 【請求項9】前記ガス浸炭処理により装飾部品のオース
    テナイト系ステンレス鋼表面に形成された硬化層中に、
    粗大クロム炭化物粒子が存在しないことを特徴とする請
    求項6に記載の装飾部品の製造方法。
  10. 【請求項10】前記ガス浸炭処理により装飾部品のオー
    ステナイト系ステンレス鋼表面に形成された硬化層の表
    面硬度がビッカース硬さ(HV;50g荷重)で500
    以上であることを特徴とする請求項6に記載の装飾部品
    の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項6〜10のいずれかに記載の製造
    方法により得られた装飾部品を形成しているオーステナ
    イト系ステンレス鋼の結晶粒の平均粒径が100μm以
    下であることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに
    記載の装飾部品の製造方法。
JP2001067066A 2001-03-09 2001-03-09 装飾部品およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4601845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001067066A JP4601845B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 装飾部品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001067066A JP4601845B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 装飾部品およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002262909A true JP2002262909A (ja) 2002-09-17
JP4601845B2 JP4601845B2 (ja) 2010-12-22

Family

ID=18925469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001067066A Expired - Fee Related JP4601845B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 装飾部品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4601845B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007004023A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Air Water Inc 金属ミラーおよびそれを用いたケーシング部材
JP2015014017A (ja) * 2013-07-03 2015-01-22 株式会社Ihi クロム炭化物層の形成方法及び機械部品
JP2020101530A (ja) * 2018-12-24 2020-07-02 メコ・エス アー 装飾品を製造するための方法
JP2020162924A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社青芳 金属製洋食器の表面処理方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04272143A (ja) * 1991-02-28 1992-09-28 Nippon Steel Corp 耐デント性の優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法
JPH07150331A (ja) * 1993-11-26 1995-06-13 Kawasaki Steel Corp 深絞り用高張力鋼板の製造方法
JPH0971854A (ja) * 1995-06-27 1997-03-18 Daido Hoxan Inc 浸炭硬化時計部材もしくは装飾品類およびそれらの製法
JPH1018017A (ja) * 1996-07-04 1998-01-20 Daido Hoxan Inc オーステナイト系金属に対する浸炭処理方法およびそれによって得られたオーステナイト系金属製品
JPH10195502A (ja) * 1997-01-09 1998-07-28 Ritsumeikan ステンレス鋼粉末、ステンレス鋼部材及び該ステンレス鋼部材の製造方法
JPH11158603A (ja) * 1997-11-28 1999-06-15 Maizuru:Kk 表面硬化オーステナイト鋼製品およびその製法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04272143A (ja) * 1991-02-28 1992-09-28 Nippon Steel Corp 耐デント性の優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法
JPH07150331A (ja) * 1993-11-26 1995-06-13 Kawasaki Steel Corp 深絞り用高張力鋼板の製造方法
JPH0971854A (ja) * 1995-06-27 1997-03-18 Daido Hoxan Inc 浸炭硬化時計部材もしくは装飾品類およびそれらの製法
JPH1018017A (ja) * 1996-07-04 1998-01-20 Daido Hoxan Inc オーステナイト系金属に対する浸炭処理方法およびそれによって得られたオーステナイト系金属製品
JPH10195502A (ja) * 1997-01-09 1998-07-28 Ritsumeikan ステンレス鋼粉末、ステンレス鋼部材及び該ステンレス鋼部材の製造方法
JPH11158603A (ja) * 1997-11-28 1999-06-15 Maizuru:Kk 表面硬化オーステナイト鋼製品およびその製法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007004023A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Air Water Inc 金属ミラーおよびそれを用いたケーシング部材
JP2015014017A (ja) * 2013-07-03 2015-01-22 株式会社Ihi クロム炭化物層の形成方法及び機械部品
JP2020101530A (ja) * 2018-12-24 2020-07-02 メコ・エス アー 装飾品を製造するための方法
JP2020162924A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社青芳 金属製洋食器の表面処理方法
JP7224033B2 (ja) 2019-03-29 2023-02-17 株式会社青芳 金属製洋食器の表面処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4601845B2 (ja) 2010-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4881983A (en) Manufacture of corrosion resistant components
EP1837414A1 (en) Decorative product and timepiece
WO1997037049A1 (fr) Alliage de titane a haute resistance, produits issus de cet alliage et procede de fabrication
CN104745996B (zh) 钛薄板的制作方法
EP3299487A1 (en) Method for surface hardening a cold deformed article comprising low temperature annealing
EP1146136B1 (en) Ornament and method for preparation thereof
JP4601845B2 (ja) 装飾部品およびその製造方法
JP4350225B2 (ja) 時計外装部品およびその製造方法
JP4658843B2 (ja) チタンまたはチタン合金装飾部材の製造方法
US6905758B1 (en) Decorative item and process for producing the same
JP4451536B2 (ja) 装飾部材およびその製造方法
JP3064908B2 (ja) 浸炭硬化時計部材もしくは装飾品類およびそれらの製法
JP3064937B2 (ja) オーステナイト系金属に対する浸炭処理方法およびそれによって得られたオーステナイト系金属製品
US4507184A (en) Method for finishing matted surface on a metal-made article for personal ornament
JP3005952B2 (ja) オーステナイト系金属に対する浸炭処理方法およびそれによって得られたオーステナイト系金属製品
JPH1017961A (ja) 高強度チタン合金およびその製品並びに該製品の製造方法
JP4651837B2 (ja) 食器類およびその製造方法
JP4668443B2 (ja) 硬質層を有する装飾部材
JP2002266083A (ja) 装飾部品およびその製造方法
JP2022030784A (ja) 時計用部品および時計
JP4463353B2 (ja) 時計外装部品およびその製造方法
JP2002527611A (ja) チタン合金製時計部材
JPH10195612A (ja) 金属装飾部材の硬化処理方法
JP3653089B1 (ja) 銀合金製品と装身具および銀合金製品の製造方法
JP2007004023A (ja) 金属ミラーおよびそれを用いたケーシング部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100929

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4601845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees