JP2002240099A - 成形装置、成形方法、シート枠および押さえ枠 - Google Patents

成形装置、成形方法、シート枠および押さえ枠

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JP2002240099A
JP2002240099A JP2001039755A JP2001039755A JP2002240099A JP 2002240099 A JP2002240099 A JP 2002240099A JP 2001039755 A JP2001039755 A JP 2001039755A JP 2001039755 A JP2001039755 A JP 2001039755A JP 2002240099 A JP2002240099 A JP 2002240099A
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Japan
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molding
sheet
thermoforming
mold
closed space
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Application number
JP2001039755A
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English (en)
Inventor
Akio Yoshikoshi
昭雄 吉越
Kenichi Mizoguchi
憲一 溝口
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Asano Laboratories Co Ltd
Original Assignee
Asano Laboratories Co Ltd
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形時に射出成形用樹脂が熱可塑性シー
トの表面に回り込んだり、表面の模様が薄くなったり消
えたりしていた。 【解決手段】 熱成形用型32と、この熱成形用型32
の成形面32aに対向して配置された加熱軟化した熱可
塑性シートS1を熱成形により成形面32aに密接させ
る熱成形機構と、成形面32aに相対向する閉位置に配
置されたとき成形面32aに連通する射出成形用の閉空
間を形成する閉空間形成用型42と、熱可塑性シートS
1が成形面32aに密接するとともに閉空間形成用型4
2が閉位置に配置されているとき同閉空間に射出成形用
樹脂を射出して成形する射出成形機構とを設けた。射出
成形時に熱成形された熱可塑性シートS1が型からずれ
ず、熱可塑性シートS1と型との形状も一致するので、
射出成形用樹脂が熱可塑性シートS1の表面に回り込ん
だり、表面の模様が薄くなったり消えたりしない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形装置、成形方
法、シート枠および押さえ枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の内装品等の成形品で
は、良好な外観となるよう、表面である衣装面にシボ等
の模様や彩色が施されたり、同衣装面がゴム質やクッシ
ョン性を有する材質とされたりしている。同時に、十分
な強度が得られるよう、裏面に衣装面とは異なる材質の
リブやボス等が形成されている。上記衣装面を形成する
ためには、真空成形や真空圧空成形により成形を行う成
形装置が用いられる。この成形装置は、熱可塑性シート
を加熱軟化する加熱軟化機構と、平面状に形成されたシ
ート枠を用いて加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形用
雌型の成形面に対向する位置に移送する移送機構と、移
送された熱可塑性シートをシート枠で押さえながら熱成
形用雌型の成形面に密接させる熱成形機構とを備えてい
る。この構成において、移送機構は、加熱軟化機構にて
加熱軟化された熱可塑性シートの端部をシート枠で挟持
して同熱可塑性シートを熱成形用雌型の成形面に対向す
る位置に移送する。すると、熱成形機構は、熱成形用雌
型における成形面の同一平面上となる周囲をシート枠で
押さえながら同成形面に形成された真空吸引孔に真空圧
を作用させ、同熱可塑性シートを熱成形用雌型の成形面
に密接させる。その結果、衣装面となる中間成形品が成
形される。
【0003】熱可塑性シートから成形を行う上記成形装
置では材質の異なるリブ等を形成することができないた
め、上記裏面を形成するために射出成形装置が用いられ
る。この射出成形装置は、射出成形用の閉空間を形成す
る射出成形用型と、同射出成形用型に射出成形用樹脂を
射出して硬化させることにより成形する射出成形機構と
を備えている。そして、射出成形用型の内側面に衣装面
を合わせて中間成形品を同射出成形用型に収容し、射出
成形用樹脂を射出して硬化させると、裏面にリブ等が形
成された成形品を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術に
おいては、次のような課題があった。すなわち、中間成
形品を射出成形用型に収容する際に位置が微妙にずれた
り、変形等により中間成形品と射出成形用型との形状が
完全に一致しないため、射出成形時に射出成形用樹脂が
衣装面に回り込むことがあった。また、衣装面にシボ等
の模様が施された中間成形品の場合、射出成形用型の内
側面の形状を中間成形品の模様に合わせることが困難で
あるため、射出成形時に射出される射出成形用樹脂の圧
力により衣装面の模様が薄くなったり消えたりしてい
た。なお、射出成形用型の内側面のみに模様を形成して
おいても、熱可塑性シートの温度が低いため、衣装面に
模様を形成することはできない。さらに、上述したシー
ト枠においては熱可塑性シートの端部の挟持を解放する
ための機構が複雑であるし、熱成形用雌型における成形
面の周囲が同一平面上にないときには使用することがで
きない。本発明は、上記課題にかんがみてなされたもの
で、射出成形用樹脂が熱可塑性シートの表面に回り込む
ことや、表面の模様が薄くなったり消えたりすることを
防止することが可能な成形装置、成形方法、シート枠お
よび押さえ枠の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、熱成形用型と、この熱成
形用型の成形面に対向して配置された加熱軟化した熱可
塑性シートを熱成形により同成形面に密接させる熱成形
機構と、上記熱成形用型の成形面に相対向する閉位置に
配置されたとき同成形面に連通する射出成形用の閉空間
を形成する閉空間形成用型と、上記熱成形機構が上記加
熱軟化した熱可塑性シートを上記成形面に密接させ、上
記閉空間形成用型が上記閉位置に配置されているとき、
上記閉空間に射出成形用樹脂を射出して成形する射出成
形機構とを具備する構成としてある。
【0006】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、加熱軟化した熱可塑性シートが熱成形用
型の成形面に対向して配置されると、熱成形機構は加熱
軟化した熱可塑性シートを熱成形により同成形面に密接
させる。また、閉空間形成用型は、熱成形用型の成形面
に相対向する閉位置に配置されたとき、同成形面に連通
する射出成形用の閉空間を形成する。ここで、熱成形機
構が加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形用型の成形面
に密接させ、閉空間形成用型が熱成形用型の成形面に相
対向する閉位置に配置されると、射出成形機構は同閉空
間に射出成形用樹脂を射出して成形する。すると、熱可
塑性シートを熱成形用型の成形面に密接させた状態で射
出成形を行うことができる。
【0007】すなわち、従来のように熱可塑性シートか
ら熱成形した中間成形品を射出成形用型に収容する必要
がないため、射出成形時に熱成形された熱可塑性シート
が型からずれず、熱可塑性シートと型との形状も完全に
一致する。したがって、射出成形時に射出成形用樹脂が
熱可塑性シートの表面に回り込むことを防止することが
可能となる。また、熱成形用型の成形面に模様を形成し
ておくことにより熱成形にて熱可塑性シートの表面にシ
ボ等の模様を施すことができるが、この場合も熱成形さ
れた熱可塑性シートが型からずれる等しない。このた
め、射出成形時に射出される射出成形用樹脂の圧力によ
り表面の模様が薄くなったり消えたりすることも防止す
ることが可能となる。
【0008】ここで、本発明を適用可能な熱可塑性シー
トは、熱可塑性を有する素材でシート状になっていれば
よい。例えば、ゴム材を混合した半硬質ABS樹脂、発
泡ポリ塩化ビニル樹脂等、様々なものが適用可能であ
る。また、本発明を適用可能な射出成形用樹脂は、上記
閉空間に射出して成形できる素材であればよく、ABS
樹脂、樹脂と無機質化合物等とを混合した二種以上の化
合物からなるもの、樹脂のリサイクル材等、様々なもの
が適用可能である。
【0009】加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形によ
り同成形面に密接させる構成は様々可能である。その一
例として、請求項2にかかる発明は、上記請求項1に記
載の成形装置において、上記熱成形用型の成形面には、
真空吸引孔が形成され、上記熱成形機構は、上記真空吸
引孔に真空圧を作用させる吸引機構を備える構成として
ある。
【0010】上記のように構成した請求項2にかかる発
明においては、吸引機構が熱成形用型の成形面に形成さ
れた真空吸引孔に真空圧を作用させると、同成形面に対
向して配置された加熱軟化した熱可塑性シートは成形面
側に吸引され、同成形面に密接させられる。すなわち、
上記真空吸引孔と吸引機構を備えることにより、真空成
形を行うことができる。ここで、熱可塑性シートにおけ
る成形面とは反対側に圧空を供給する機構を設けると、
真空圧空成形を行うことも可能となる。むろん、加熱軟
化した熱可塑性シートを熱成形により同成形面に密接さ
せる構成は、上述した以外にも可能である。例えば、圧
空成形やプレス成形により熱可塑性シートを成形面に密
接させる構成としてもよい。
【0011】閉空間形成用型が形成する射出成形用の閉
空間は、熱成形用型の成形面全部を含む空間であっても
よいし、この成形面の一部のみを含む空間であってもよ
い。閉空間が成形面の一部のみを含む空間である場合で
あっても、この閉空間に射出成形用樹脂を射出して成形
を行うと、熱成形された熱可塑性シートとともに射出成
形を行うことができる。射出成形機構は、熱成形機構が
加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形用型の成形面に密
接させ、閉空間形成用型が閉位置に配置されていると
き、射出成形用の閉空間に射出成形用樹脂を射出して成
形することができればよい。その際、加熱軟化した熱可
塑性シートを熱成形用型の成形面に密接させた後、閉空
間形成用型を閉位置に配置して射出成形を行ってもよい
し、閉空間形成用型を閉位置に配置した後、加熱軟化し
た熱可塑性シートを熱成形用型の成形面に密接させて射
出成形を行ってもよい。むろん、加熱軟化した熱可塑性
シートを熱成形用型の成形面に密接させるのと閉空間形
成用型を閉位置に配置するのを同時に行ってから、射出
成形を行ってもよい。
【0012】また、射出成形用の閉空間に射出成形用樹
脂を射出して成形する構成も様々可能である。その一例
として、請求項3にかかる発明は、上記請求項1または
請求項2のいずれかに記載の成形装置において、上記閉
空間形成用型には、上記閉空間に流通可能な射出口が形
成され、上記射出成形機構は、上記射出口から上記閉空
間に上記射出成形用樹脂を射出する構成としてある。
【0013】上記のように構成した請求項3にかかる発
明においては、射出成形機構が閉空間形成用型に形成さ
れた射出口から射出成形用の閉空間に射出成形用樹脂を
射出すると、熱成形用型の成形面に密接した熱可塑性シ
ートとともに射出成形を行うことができる。すなわち、
射出成形用の閉空間に射出成形用樹脂を射出して成形す
る構成の一例を提供することができる。むろん、上記閉
空間に流通可能な射出口を閉空間形成用型に形成する構
成は一例に過ぎない。例えば、射出口を有する別部材を
閉空間形成用型と熱成形用型との間に配置してもよい。
【0014】ここで、加熱軟化した熱可塑性シートを熱
成形用型の成形面に対向して配置する機構があると、製
造の際、好適である。そこで、請求項4にかかる発明
は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の成形装
置において、上記加熱軟化した熱可塑性シートの端部を
保持可能なシート枠と、このシート枠を上記熱成形用型
の成形面に対向する位置と所定のシート保持位置との間
で双方向に駆動するシート枠駆動機構とが設けられてい
る構成としてある。
【0015】上記のように構成した請求項4にかかる発
明においては、シート枠が加熱軟化した熱可塑性シート
の端部を保持すると、シート枠駆動機構はこのシート枠
を熱成形用型の成形面に対向する位置と所定のシート保
持位置との間で双方向に駆動する。すると、加熱軟化し
た熱可塑性シートをシート枠とともに同成形面に対向す
る位置に配置することができる。すなわち、自動で加熱
軟化した熱可塑性シートを移送して同成形面に対向する
位置に配置することができるので、利便性が向上する。
むろん、自動で加熱軟化した熱可塑性シートを配置する
構成は一例に過ぎず、手動で加熱軟化した熱可塑性シー
トを配置してもよい。なお、熱可塑性シートを加熱軟化
させる構成についても、自動であってもよいし、手動で
あってもよい。また、閉空間形成用型を閉位置に配置し
たり、射出成形後の成形品を取り出したりする構成につ
いても、自動であってもよいし、手動であってもよい。
【0016】加熱軟化した熱可塑性シートの端部を保持
したシート枠を上記成形面に対向する位置に移動させ、
熱成形用型と閉空間形成用型とで射出成形用の閉空間を
形成する構成の一例として、請求項5にかかる発明は、
上記請求項4に記載の成形装置において、上記熱成形用
型と閉空間形成用型のいずれかまたは組み合わせは、同
熱成形用型と閉空間形成用型とが上記閉空間を形成する
際に上記シート枠を収容可能な形状に形成されている構
成としてある。上記のように構成した請求項5にかかる
発明においては、シート枠は、熱成形用型と閉空間形成
用型とが射出成形用の閉空間を形成する際、熱成形用型
と閉空間形成用型の少なくとも一方に収容される。そし
て、これらの型にシート枠を収容した状態で上記閉空間
に射出成形用樹脂を射出して成形を行うことができる。
【0017】また、別の構成の一例として、請求項6に
かかる発明は、上記請求項4に記載の成形装置におい
て、上記シート枠は、上記加熱軟化した熱可塑性シート
に接触する面に形成されたシート吸引孔と、このシート
吸引孔に真空圧を作用させるシート吸引機構とを備える
構成としてある。上記のように構成した請求項6にかか
る発明においては、シート吸引機構がシート枠における
加熱軟化した熱可塑性シートに接触する面に形成された
シート吸引孔に真空圧を作用させると、同熱可塑性シー
トはシート枠に吸引される。すなわち、本シート枠はシ
ート吸引孔に真空圧を作用させるかどうかに応じて容易
に熱可塑性シートを吸引したり解放したりすることがで
きるので、利便性が向上する。その結果、熱可塑性シー
トを熱成形用型の成形面に対向する位置に移送した後、
射出成形を行う前に、シート枠を同位置から退避させる
ことが容易となる。
【0018】そこで、シート吸引機構の動作の一例とし
て、請求項7にかかる発明は、上記請求項6に記載の成
形装置において、上記シート吸引機構は、上記シート枠
が上記熱成形用型の成形面に対向する位置にあるときに
上記シート吸引孔への真空圧の供給を中止する構成とし
てある。上記のように構成した請求項7にかかる発明に
おいては、シート吸引孔への真空圧の供給は、シート枠
が熱成形用型の成形面に対向する位置にあるときに中止
される。すなわち、シート枠に保持された熱可塑性シー
トを解放する構成の一例を提供することができる。な
お、真空圧の供給を中止するタイミングは、シート枠の
位置が熱成形用型の成形面に対向する位置になった瞬間
であってもよいし、同成形面に対向する位置になってか
らしばらく経過したときであってもよい。
【0019】また、閉空間形成用型を駆動する機構を設
けた構成としてもよく、その構成の一例として、請求項
8にかかる発明は、上記請求項7に記載の成形装置にお
いて、上記閉空間形成用型を上記閉位置と所定の開位置
との間で双方向に駆動する閉空間形成用型駆動機構が設
けられ、この閉空間形成用型駆動機構は、上記シート枠
が上記熱成形用型の成形面に対向する位置から退避した
後、上記閉空間形成用型を上記開位置から閉位置に移動
させる構成としてある。上記のように構成した請求項8
にかかる発明においては、シート枠が熱成形用型の成形
面に対向する位置から退避した後、閉空間形成用型は開
位置から閉位置に移動する。すなわち、熱成形用型と閉
空間形成用型とが射出成形用の閉空間を形成して射出成
形を行うのと同時に、シート枠に別の加熱軟化した熱可
塑性シートを保持させて移送させることが可能となる。
したがって、連続成形時に効率よく成形を行うことがで
きる。
【0020】さらに、加熱軟化した熱可塑性シートを保
持して移送するシート枠の構成の一例として、請求項9
にかかる発明は、上記請求項4〜請求項8のいずれかに
記載の成形装置において、上記シート枠は、当該シート
枠を加熱するシート枠加熱機構を備える構成としてあ
る。すなわち、加熱軟化した熱可塑性シートは、シート
枠加熱機構にて加熱されたシート枠に保持されるので、
温度低下が防止される。また、熱可塑性シートを吸引し
て保持するシート枠の場合、熱可塑性シートの軟化状態
が保持され、シート吸引孔に密着しやすくなるので、よ
り確実に加熱軟化した熱可塑性シートを保持することが
できる。ここで、シート枠加熱機構は、様々な構成が可
能である。例えば、シート枠に埋め込まれたヒータで構
成してもよいし、シート枠に温風を供給する配管を設け
る構成としてもよい。
【0021】ところで、熱成形用型の成形面の周囲は、
平面状である場合もあれば、凹凸のある場合もある。そ
こで、請求項10にかかる発明は、上記請求項1〜請求
項9のいずれかに記載の成形装置において、上記熱成形
機構は、上記熱成形用型における成形面の周囲と略同一
形状の面が形成され、同成形面に対向して配置された加
熱軟化した熱可塑性シートを同成形面の周囲に密接固定
する押さえ枠を備える構成としてある。上記のように構
成した請求項10にかかる発明においては、押さえ枠
は、熱成形用型における成形面の周囲と略同一形状の面
が形成されているので、同成形面に対向して配置された
加熱軟化した熱可塑性シートを成形面の周囲に密接固定
することができる。すなわち、熱成形用型の成形面の周
囲が平面となっていなくても、熱可塑性シートを同成形
面に密接させる熱成形を行うことができる。
【0022】ここで、押さえ枠が熱可塑性シートを押さ
える構成の一例として、請求項11にかかる発明は、上
記請求項10に記載の成形装置において、上記押さえ枠
は、当該押さえ枠で囲まれる位置に配置されるとともに
同位置から退避可能なプラグを備える構成としてある。
上記のように構成した請求項11にかかる発明において
は、加熱軟化した熱可塑性シートは、押さえ枠で囲まれ
る位置に配置されたプラグとともに押さえ枠にて熱成形
用型の成形面方向に押さえられる。すなわち、加熱軟化
した熱可塑性シートを成形面方向に押さえる際、同熱可
塑性シートに加わる力が均一化する。このとき、プラグ
は押さえ枠で囲まれる上記位置から退避可能であるの
で、成形面に凸部があっても加熱軟化した熱可塑性シー
トを同成形面の周囲に密接固定することができる。な
お、プラグは押さえ枠で囲まれる上記位置から少しでも
退避することができればよく、退避したときにプラグの
一部が押さえ枠で囲まれる部分に残されていてもよい。
【0023】上述のように、本成形装置は熱成形された
熱可塑性シートとともに射出成形を行うことが可能であ
るが、この動作を連続して行うことができると工場の生
産ラインに組み込むのに好適である。そこで、請求項1
2にかかる発明は、熱可塑性シートを加熱軟化させる加
熱軟化機構と、熱成形用型と、上記加熱軟化機構にて加
熱軟化された上記熱可塑性シートを移送して、上記熱成
形用型の成形面に対向するように配置させる移送機構
と、上記成形面に対向して配置された上記加熱軟化した
熱可塑性シートを熱成形により同成形面に密接させる熱
成形機構と、上記熱成形用型の成形面に相対向する閉位
置に配置されたとき同成形面に連通する射出成形用の閉
空間を形成する閉空間形成用型と、この閉空間形成用型
を上記閉位置と所定の開位置との間で双方向に駆動する
閉空間形成用型駆動機構と、上記熱成形機構が上記加熱
軟化した熱可塑性シートを上記成形面に密接させ、上記
閉空間形成用型駆動機構が上記閉空間形成用型を上記閉
位置に配置したとき、上記閉空間に射出成形用樹脂を射
出して成形する射出成形機構とを具備する構成としてあ
る。
【0024】上記のように構成した請求項12にかかる
発明においては、加熱軟化機構が熱可塑性シートを加熱
軟化させると、移送機構は加熱軟化された熱可塑性シー
トを移送して熱成形用型の成形面に対向するように配置
させる。すると、熱成形機構は、移送機構にて配置され
た加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形により熱成形用
型の成形面に密接させる。また、閉空間形成用型駆動機
構は、閉空間形成用型を閉位置と所定の開位置との間で
双方向に駆動する。そして、熱成形機構が加熱軟化した
熱可塑性シートを同成形面に密接させ、閉空間形成用型
駆動機構が閉空間形成用型を閉位置に配置したとき、射
出成形用の閉空間は形成され、射出成形機構は同閉空間
に射出成形用樹脂を射出して成形する。すなわち、本発
明は、上記構成を有して熱成形された熱可塑性シートと
ともに射出成形を行う処理を連続して行う成形装置とし
ても有効であり、請求項2〜請求項11に記載された装
置構成を請求項12に記載された装置構成に対応させる
ことも可能であることは言うまでもない。また、射出成
形後の成形品を自動で取り出す構成としてもよい。
【0025】このように、成形を行う際の手法は必ずし
も実体のある装置に限られる必要はなく、その方法とし
ても機能することは容易に理解できる。このため、請求
項13にかかる発明は、熱成形用型の成形面に対向して
配置された加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形により
同成形面に密接させ、同熱成形用型の成形面に相対向す
る閉位置に閉空間形成用型を配置して同加熱軟化した熱
可塑性シートが密接した成形面に連通する射出成形用の
閉空間を形成し、この閉空間に射出成形用樹脂を射出し
て成形する構成としてある。また、請求項14にかかる
発明は、熱可塑性シートを加熱軟化させる加熱軟化工程
と、この加熱軟化工程にて加熱軟化された上記熱可塑性
シートを移送して、所定の熱成形用型の成形面に対向す
るように配置させる移送工程と、上記成形面に対向して
配置された上記加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形に
より同成形面に密接させる熱成形工程と、上記熱成形用
型の成形面に相対向する閉位置に配置されたとき同成形
面に連通する射出成形用の閉空間を形成する閉空間形成
用型を、上記閉位置と所定の開位置との間で双方向に駆
動する閉空間形成用型駆動工程と、上記加熱軟化した熱
可塑性シートが上記成形面に密接し、上記閉空間形成用
型が上記閉位置に配置されているとき、上記閉空間に射
出成形用樹脂を射出して成形する射出成形工程とを具備
する構成としてある。すなわち、必ずしも実体のある装
置に限らず、その方法としても有効であり、請求項2〜
請求項11に記載された装置構成を当該方法に対応させ
ることも可能であることは言うまでもない。
【0026】ところで、上述したシート吸引孔とシート
吸引機構を備えるシート枠は、シート吸引孔に真空圧を
作用させるかどうかに応じて容易に熱可塑性シートを吸
引したり解放したりすることができるので、単独のシー
ト枠としても機能する。そこで、請求項15にかかる発
明は、加熱軟化した熱可塑性シートの端部を保持すると
ともに、熱成形用型の成形面に対向する位置と所定のシ
ート保持位置との間で双方向移動可能に設けられたシー
ト枠であって、上記加熱軟化した熱可塑性シートに接触
する面に形成されたシート吸引孔と、このシート吸引孔
に真空圧を作用させるシート吸引機構とを備える構成と
してある。すなわち、シート吸引機構がシート枠におけ
る加熱軟化した熱可塑性シートに接触する面に形成され
たシート吸引孔に真空圧を作用させると、同熱可塑性シ
ートはシート枠に吸引される。したがって、シート吸引
孔に真空圧を作用させるかどうかに応じて容易に熱可塑
性シートを吸引したり解放したりすることができ、熱可
塑性シートを移送して配置する際の利便性を向上させる
ことが可能となる。
【0027】また、上記成形装置を構成する押さえ枠
も、熱成形用型における成形面の周囲の形状にかかわら
ず熱可塑性シートを同成形面に密接させる熱成形を行う
ことができるため、単独のシート枠としても機能する。
そこで、請求項16にかかる発明は、熱成形用型の成形
面に対向して配置された加熱軟化した熱可塑性シートを
熱成形により同成形面に密接させる際、同加熱軟化した
熱可塑性シートを固定する押さえ枠であって、上記熱成
形用型における成形面の周囲と略同一形状の面が形成さ
れ、同成形面に対向して配置された加熱軟化した熱可塑
性シートを同成形面の周囲に密接固定する構成としてあ
る。すなわち、熱成形用型における成形面の周囲と略同
一形状の面が形成されているので、同成形面に対向して
配置された加熱軟化した熱可塑性シートを成形面の周囲
に密接固定することができる。したがって、熱成形用型
の成形面の周囲が平面となっていなくても、熱可塑性シ
ートを同成形面に密接させる熱成形を行うことができ
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、射出成
形用樹脂が熱可塑性シートの表面に回り込むことや、表
面の模様が薄くなったり消えたりすることを防止するこ
とが可能な成形装置を提供することができる。また、請
求項2にかかる発明によれば、加熱軟化した熱可塑性シ
ートを熱成形により熱成形用型の成形面に密接させる構
成の一例を提供することができる。さらに、請求項3に
かかる発明によれば、射出成形用の閉空間に射出成形用
樹脂を射出して成形する構成の一例を提供することがで
きる。
【0029】さらに、請求項4にかかる発明によれば、
自動で加熱軟化した熱可塑性シートを移送して同成形面
に対向する位置に配置することができるので、利便性を
向上させることができる。さらに、請求項5にかかる発
明によれば、加熱軟化した熱可塑性シートの端部を保持
したシート枠を熱成形用型の成形面に対向する位置に移
動させ、熱成形用型と閉空間形成用型とで射出成形用の
閉空間を形成する構成の一例を提供することができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、本シート枠は
シート吸引孔に真空圧を作用させるかどうかに応じて容
易に熱可塑性シートを吸引したり解放したりすることが
できるので、利便性を向上させることができる。
【0030】さらに、請求項7にかかる発明によれば、
シート枠に保持された熱可塑性シートを解放する構成の
一例を提供することができる。さらに、請求項8にかか
る発明によれば、連続成形時に効率よく成形を行うこと
が可能となる。さらに、請求項9にかかる発明によれ
ば、加熱軟化した熱可塑性シートの温度低下を防止する
ことができる。
【0031】さらに、請求項10にかかる発明によれ
ば、熱成形用型の成形面の周囲が平面となっていなくて
も、熱可塑性シートを同成形面に密接させる熱成形を行
うことが可能となる。さらに、請求項11にかかる発明
によれば、加熱軟化した熱可塑性シートを成形面方向に
押さえる際、同熱可塑性シートに加わる力を均一化する
ことができる。さらに、請求項12にかかる発明によれ
ば、射出成形用樹脂が熱可塑性シートの表面に回り込む
ことや、表面の模様が薄くなったり消えたりすることを
防止しながら連続して成形を行うことが可能な成形装置
を提供することができる。
【0032】さらに、請求項13にかかる発明によれ
ば、射出成形用樹脂が熱可塑性シートの表面に回り込む
ことや、表面の模様が薄くなったり消えたりすることを
防止することが可能な成形方法を提供することができ
る。さらに、請求項14にかかる発明によれば、射出成
形用樹脂が熱可塑性シートの表面に回り込むことや、表
面の模様が薄くなったり消えたりすることを防止しなが
ら連続して成形を行うことが可能な成形方法を提供する
ことができる。さらに、請求項15にかかる発明によれ
ば、容易に熱可塑性シートを吸引したり解放したりする
ことができ、熱可塑性シートを移送して配置する際の利
便性を向上させることが可能なシート枠を提供すること
ができる。さらに、請求項16にかかる発明によれば、
熱成形用型の成形面の周囲が平面となっていなくても、
熱可塑性シートを同成形面に密接させる熱成形を行うこ
とが可能な押さえ枠を提供することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、下記の順序に従って本発明
の実施形態を説明する。 (1)装置の構成: (2)使用可能な熱可塑性シート、射出成形用樹脂: (3)装置の動作: (4)第二の実施形態:
【0034】(1)装置の構成:図1は、本発明の第一
の実施形態にかかる成形装置100の概略を斜視図によ
り示している。なお、本成形装置100は、自動車のイ
ンストルメントパネルを連続して成形する装置である。
図において、成形装置100は、概略、1ショット分に
カットされた熱可塑性シートS1が図示しない搬送機に
より上面に供給される載置台11と、載置台11に載置
された熱可塑性シートS1を移送する移送機50と、移
送中の熱可塑性シートS1を加熱軟化させる加熱機12
と、加熱軟化された熱可塑性シートS1に対して熱成形
を行うとともに射出成形も行う成形機20と、成形され
た成形品を移送する移送機13と、成形品に対してトリ
ミングを行うトリミング機14と、トリミングされた成
形品を載置する成形品取り出し台15とから構成されて
いる。以下、図1における右方向を前方向、左方向を後
方向、上方向を上方向、下方向を下方向、手前方向を右
方向、奥行方向を左方向として説明する。
【0035】上記構成において、載置台11は、内部の
図示しない駆動装置に取り付けられて所定ストロークの
範囲で上下動可能な昇降部11aを有している。この昇
降部11aが下降位置にあるとき、1ショット分にカッ
トされた熱可塑性シートS1が搬送機により昇降部11
aの上面に載置される。そして、昇降部11aの上方に
移送機50のシート枠51が配置されると、昇降部11
aは上昇し、載置された熱可塑性シートS1がシート枠
51の下面に当接してシート枠51に保持される。その
後、昇降部11aは下降位置に戻り、次の熱可塑性シー
トS1が昇降部11aの上面に供給される。
【0036】移送機50は、図2に示すように、概略、
シート枠51と、シート枠制御盤52と、空気配管53
や電気配線54と、ガイドレール55a,bと、シート
枠51が取り付けられるとともにガイドレール55aに
沿って設けられたチェーン56とから構成されている。
なお、図2は、移送機50を上面から見て示しており、
併せて、加熱機12と成形機20の位置を一点鎖線で示
している。シート枠51は、図3に示すように、平面状
の枠とされ、この平面が水平方向となるように設けられ
ている。そして、熱可塑性シートS1に接触する下面5
1aが平面となっている。なお、図3は、シート枠51
を下方から見て示した斜視図である。この下面51aに
は、全体にわたって多数のシート吸引孔51bが形成さ
れている。また、シート枠51の内部には、線状のヒー
タ51cが一周するように埋め込まれている。
【0037】シート枠51には、シート枠制御盤52と
の間に真空圧供給用の空気配管53と電源供給用の電気
配線54が取り付けられている。空気配管53のシート
枠51側の端部は、シート枠51の内部に形成された図
示しない空気通路を介してシート吸引孔51bに接続さ
れている。空気配管53のシート枠制御盤52側の端部
は、ソレノイドバルブ52aを介してシート枠制御盤5
2内部に設置された真空ポンプ52bに接続されてい
る。真空ポンプ52bがシート枠制御盤52の制御に従
って空気配管53から空気を吸引すると、シート吸引孔
51bに真空圧を作用させることができる。すると、シ
ート枠51は、シート吸引孔51bが設けられた下面5
1aにて熱可塑性シートS1を吸引保持することができ
る。すなわち、ソレノイドバルブ52aや真空ポンプ5
2bが設置されたシート枠制御盤52と、空気配管53
とは、シート吸引孔51bに真空圧を作用させるシート
吸引機構を構成している。一方、電気配線54はシート
枠51内のヒータ51cに接続されているので、シート
枠制御盤52が通電制御を行うと、ヒータ51cを発熱
させることができる。すなわち、ヒータ51cとシート
枠制御盤52と電気配線54は、シート枠51を加熱す
るシート枠加熱機構を構成している。
【0038】ガイドレール55a,bは、載置台11の
上方から加熱機12の位置を通りすぎて成形機20の位
置まで直線状に設置されている。左側に設置されたガイ
ドレール55aの右側面には溝が形成されており、この
溝にチェーン56が収容されている。シート枠51は、
左方向の端部をチェーン56に取り付けられており、ガ
イドレール55a,bに沿って、載置台11の上方から
加熱機12の位置を通りすぎて成形機20の位置まで移
動することができる。
【0039】チェーン56は、ガイドレール55aの左
側からシート枠制御盤52の内部に導入されており、シ
ート枠制御盤52の内部に設置されたモータ52cの駆
動によりガイドレール55aの周囲を周回動する。そし
て、モータ52cは、シート枠制御盤52の制御に従っ
て、シート枠51を、所定のシート保持位置である載置
台11の上方、加熱機12の位置、成形機20において
後述する熱成形用型の成形面に対向する位置となるよう
に前後双方向に駆動する。すなわち、モータ52cが設
置されたシート枠制御盤52と、ガイドレール55a,
bと、チェーン56とは、シート枠51を熱成形用型の
成形面に対向する位置と所定のシート保持位置との間で
双方向に駆動するシート枠駆動機構を構成する。また、
このシート枠駆動機構とシート枠51とは、加熱軟化さ
れる熱可塑性シートS1を移送して熱成形用型の成形面
に対向するように配置させる移送機構を構成する。
【0040】加熱機12には、一対のヒータ12a,1
2aが設けられている。シート枠51に吸引保持された
熱可塑性シートS1は、加熱機12に移送されると、一
対のヒータ12a,12aに上下において挟まれた位置
となる。そして、各ヒータ12a,12aに配置された
発熱体からの輻射熱により熱可塑性シートS1は加熱軟
化される。すなわち、ヒータ12a,12aを備える加
熱機12は、熱可塑性シートを加熱軟化させる加熱軟化
機構を構成している。その後、加熱軟化した熱可塑性シ
ートS1は、シート枠51に吸引保持されたまま、移送
機50にて成形機20に移送される。
【0041】図4は、前方向を臨む垂直断面にて成形機
20の概略を示す断面図である。図において、成形機2
0は、概略、熱成形部30と射出成形部40とから構成
されている。熱成形部30は、下方で上下駆動可能な下
テーブル31と、下テーブル31の上面に取り付けられ
た熱成形用型32と、中間位置で上下駆動可能な中テー
ブル33と、中テーブル33の下面に取り付けられて左
右駆動可能な押さえ枠34等を備えている。そして、加
熱軟化した熱可塑性シートS1を吸引保持したシート枠
51が熱成形用型32の上方にあるとき、下テーブル3
1と中テーブル33とが上下方向において接近して真空
成形を行うと、熱可塑性シートS1は同成形面32aに
押しつけられ、密接させられる。なお、本実施形態のよ
うに、真空成形にて熱可塑性シートを熱成形用型の成形
面に密接させるのは一例に過ぎず、熱成形であれば種々
の態様が可能である。例えば、圧空成形にて上方から圧
空を供給して熱可塑性シートを熱成形用型の成形面に押
しつけてもよいし、真空成形と圧空成形とを併用して熱
可塑性シートを同成形面に密接させてもよい。
【0042】熱成形用型32は、上面に成形面32aが
形成された金属製の型である。ここで、熱可塑性シート
S1における成形面32aに密接する面がインストルメ
ントパネルの表面である衣装面となるので、成形面32
aは、この衣装面のシボ等の模様や形状に対応するよう
に形成されている。また、成形面32aには、複数の真
空吸引孔32bが形成されている。この真空吸引孔32
bは熱成形用型32を上下方向に貫通しており、後述す
る吸引機構が真空吸引孔32bに真空圧を作用させるこ
とが可能となっている。さらに、熱成形用型32の内部
には、冷却液を通過させる複数の冷却通路32cも設け
られている。
【0043】なお、図4で示したように、熱成形用型3
2における成形面32aの周囲32dは、同一平面上に
ない。このため、加熱軟化した熱可塑性シートS1を平
面状のシート枠51を用いて同周囲32dで押さえるこ
とができず、このままでは熱成形を行うことができな
い。そこで、本実施形態では、図4と図5に示すよう
に、成形面32aの周囲32dと略同一形状の押圧面3
4aが形成された押さえ枠34を設け、成形面32aに
対向して配置された加熱軟化した熱可塑性シートS1を
同成形面32aの周囲32dに密接固定するようにして
いる。なお、図5は、押さえ枠34を下方から見て示し
た斜視図である。
【0044】この押さえ枠34は、下面に押圧面34a
を有する枠状の枠部34bや、同枠部34bを下面に固
定して中テーブル33の下面にて左右方向に移動可能に
取り付けられた基部34cや、基部34cの下面に設け
られたプラグ35を有している。ここで、プラグ35
は、押さえ枠34で囲まれる位置Pに配置されるととも
に同位置Pから上方向に退避することが可能である。ま
た、図4で示したように、中テーブル33の下面には空
気圧により駆動する空圧シリンダ34d(本実施形態で
は2本)が固定されており、空圧シリンダ34dから左
方向に突出して設けられたピストン34eが基部34c
の右側面に取り付けられている。そして、空圧シリンダ
34dの駆動により、枠部34bやプラグ35が設けら
れた基部34cは、中テーブル33の下面にて平行に形
成された一対のガイド33c,33cに沿って左右方向
に移動する。さらに、基部34cの内部には、プラグ3
5を上下方向に駆動する真空圧や圧空を供給するための
空気通路34fが設けられている。
【0045】枠部34bは、シート枠51で囲まれる空
間51dを貫通することが可能な形状とされている。そ
して、加熱軟化した熱可塑性シートS1を吸引保持した
シート枠51の上方に枠部34bが配置され、中テーブ
ル33が下降すると、枠部34bはシート枠51の空間
51dを貫通する。また、プラグ35が位置Pから上方
に退避し、下テーブル31が上昇すると、押さえ枠34
の押圧面34aは熱可塑性シートS1を熱成形用型32
の上記周囲32dに押さえる。その際、プラグ35は上
方に退避することにより熱成形用型32の成形面32a
に当接しない。ここで、押さえ枠34の押圧面34aは
熱成形用型32の上記周囲32dと略同一形状であるの
で、熱可塑性シートS1と成形面32aとで囲まれる空
間は閉空間となる。したがって、熱成形用型32の真空
吸引孔32bに真空圧を作用させると、加熱軟化した熱
可塑性シートS1を成形面32aに密接させることがで
きる。
【0046】一方、射出成形部40は、上方で上下駆動
可能な上テーブル41と、上テーブル41の下面に取り
付けられた閉空間形成用型42と、上テーブル41を貫
通して閉空間形成用型42の上面に取り付けられた射出
成形機43等を備えている。そして、シート枠51と押
さえ枠34が熱成形用型32の上方から退避し、下テー
ブル31と上テーブル41とが上下方向において接近す
ることにより、熱成形用型32と閉空間形成用型42と
が、同熱成形用型32の成形面32aと閉空間形成用型
42の下面に形成された射出成形面42aとで囲まれる
射出成形用の閉空間を形成する。その後、この閉空間に
溶融した射出成形用樹脂が射出されて射出成形が行われ
るようになっている。
【0047】閉空間形成用型42は、下面に射出成形面
42aが形成された金属製の型である。ここで、成形品
の射出成形面42a側の面がインストルメントパネルの
裏面となるので、射出成形面42aは、リブやボス等を
有する裏面に対応する形状に形成されている。射出成形
面42aの略中央部には、閉空間形成用型42を上下方
向に貫通する射出口42bが形成されている。ここで、
射出成形用樹脂を充填する射出成形用の閉空間を形成す
るために、射出成形面42aの周囲42cは、熱成形用
型32の周囲32dと略一致する形状に形成されてい
る。すなわち、射出口42bは同閉空間に流通可能であ
り、この射出口42bから射出成形機43により溶融し
た射出成形用樹脂が射出されるようになっている。ま
た、射出成形用樹脂が射出されるときに同閉空間から空
気を抜くための空気抜き孔42dが閉空間形成用型42
を上下方向に貫通して形成されている。さらに、閉空間
形成用型42の内部には、冷却液を通過させる複数の冷
却通路42eも設けられている。
【0048】ところで、上述した下テーブル31、中テ
ーブル33、上テーブル41は、油圧により上下動す
る。図6は、成形機20の油圧系統をブロック図により
示している。なお、図では電気系統を点線により示して
いる。図において、下テーブル31、中テーブル33、
上テーブル41は、それぞれ油圧シリンダ31a,33
a,41aが取り付けられており、同油圧シリンダ31
a,33a,41aの駆動により所定ストロークの範囲
で上下方向に移動する。各油圧シリンダ31a,33
a,41aは、共通の油圧ポンプ22に接続されたソレ
ノイドバルブ31b,33b,41bが取り付けられて
いる。ソレノイドバルブ31b,33b,41bは、3
ポジションバルブであり、油圧シリンダ31a,33
a,41aの前進、停止、後退に対応する切換位置を有
している。各ソレノイドバルブ31b,33b,41b
は、成形装置100全体の動作を制御するプログラマブ
ルコントローラ10aを有する制御盤10に電気配線に
て接続されている。なお、制御盤10は、上述したシー
ト枠制御盤52の制御も行っている。各ソレノイドバル
ブ31b,33b,41bは、この制御盤10の制御に
より油圧ポンプ22からの油圧を油圧シリンダ31a,
33a,41aに前進または後退方向となるように伝え
たり、遮断したりする。すると、油圧シリンダ31a,
33a,41aにピストンが前進または後退したり、停
止したりする。その結果、下テーブル31、中テーブル
33、上テーブル41は、所定の下降位置と上昇位置と
の間で上昇または下降したり、停止したりする。
【0049】詳細は後述するが、熱成形用型32を上面
に取り付けた下テーブル31が上昇位置にある場合、上
テーブル41が下降位置にあると、上テーブル41の下
面に取り付けられた閉空間形成用型42は熱成形用型3
2とともに射出成形用の閉空間を形成することができ
る。本実施形態では、このときの閉空間形成用型42の
位置が本発明にいう閉位置であり、上テーブル41が上
昇位置にあるときの閉空間形成用型42の位置が本発明
にいう開位置である。そして、閉空間形成用型42を閉
位置と開位置との間で双方向に駆動する上テーブル4
1、油圧シリンダ41a、ソレノイドバルブ41b、油
圧ポンプ22、制御盤10は、本発明にいう閉空間形成
用型駆動機構を構成している。
【0050】また、上述した押さえ枠34は、空気圧に
より左右方向に移動する。図7は、成形機20の空気圧
系統をブロック図により示している。なお、図では電気
系統を点線により示している。図において、押さえ枠3
4は、空圧シリンダ34dが取り付けられており、同空
圧シリンダ34dの駆動により所定ストロークの範囲で
左右方向に移動する。空圧シリンダ34dには、高圧空
気を供給する高圧ライン38に接続されたソレノイドバ
ルブ34gが取り付けられている。ソレノイドバルブ3
4gは、空圧シリンダ34dの前進、停止、後退に対応
する切換位置を有している。このソレノイドバルブ34
gは、制御盤10に電気配線にて接続されており、同制
御盤10の制御により高圧ライン38の高圧空気を空圧
シリンダ34dに前進または後退方向となるように供給
したり、遮断したりする。すると、空圧シリンダ34d
のピストン34eが前進、後退、停止し、押さえ枠34
は、熱成形用型32の上方となる所定の押さえ位置と同
押さえ位置の左方となる所定の退避位置との間で左方向
または右方向に移動したり、停止したりする。押さえ枠
34に設けられたプラグ35は、空気圧により上下動す
る。このプラグ35には、空気通路34fを介して、高
圧ライン38と真空ポンプ39とに接続されたソレノイ
ドバルブ35gが取り付けられている。このソレノイド
バルブ35gも制御盤10に電気配線にて接続されてお
り、同制御盤10の制御によりプラグ35に高圧ライン
38の高圧空気を供給したり、真空ポンプ39の真空圧
を作用させたりする。その結果、プラグ35は、押さえ
枠34で囲まれる所定の位置Pと同位置Pから上方向の
所定の退避位置との間で上下動したり、停止したりす
る。
【0051】なお、熱成形用型32を上下方向に貫通し
ている複数の真空吸引孔32bは、下テーブル31に設
けられた空気通路31cを介してソレノイドバルブ32
gに接続されている。このソレノイドバルブ32gは、
真空ポンプ39に接続されており、電気配線にて接続さ
れた制御盤10の制御により真空吸引孔32bに真空圧
を作用させたり、真空圧の供給を中止したりする。すな
わち、真空ポンプ39とソレノイドバルブ32gと制御
盤10とは、本発明にいう吸引機構を構成する。
【0052】また、閉空間形成用型42を上下方向に貫
通する射出口42bの位置に合わせて、上テーブル41
の上面に射出成形機43が取り付けられている。なお、
図4の射出成形機43は簡略化して記載しており、実際
には射出口42bに接続されたノズル内の射出成形用樹
脂が冷却されて硬化しないように閉空間形成用型42か
ら若干隙間が設けられたり、ヒータが取り付けられたり
している。図8は、溶融した射出成形用樹脂の流れをブ
ロック図により示している。なお、図では電気系統を点
線により示している。図において、射出成形機43は、
樹脂供給口43aにて射出成形用樹脂供給ポンプ43b
が取り付けられている。射出成形用樹脂供給ポンプ43
bは、通電されて熱を発生するヒータを有する樹脂タン
ク43cに接続されている。この射出成形用樹脂供給ポ
ンプ43bは、制御盤10に電気配線にて接続されてお
り、同制御盤10の制御によりヒータにて加熱溶融され
た射出成形用樹脂を適宜射出成形機43に供給する。す
ると、射出成形機43は、供給される溶融した射出成形
用樹脂を一時的に内部の貯溜室に貯溜する。この貯溜室
の周囲にはヒータが取り付けられており、貯溜している
射出成形用樹脂の温度低下を防止する。射出成形機43
も電気配線にて制御盤10に接続されており、同制御盤
10の制御により貯溜室内のスクリューを作動させ、貯
溜室に貯留した射出成形用樹脂を射出口42bから射出
する。すなわち、成形面32aに熱可塑性シートS1が
密接した熱成形用型32と閉空間形成用型42とが形成
する射出成形用の閉空間に溶融した射出成形用樹脂が射
出されることになる。
【0053】なお、熱成形用型32と閉空間形成用型4
2の内部には、射出成形用樹脂を射出した後に温度を低
下させて硬化させるため、制御盤10に制御された図示
しない冷却液供給機構からの冷却液を通過させる複数の
冷却通路32c,42eが形成されている。ここで、冷
却液としては様々な成分のものを適用することができ、
本実施形態では冷却水を採用している。すなわち、上記
閉空間に射出された射出成形用樹脂は、冷却液にて冷却
される熱成形用型32や閉空間形成用型42に熱を吸収
され、温度が低下して硬化する。その結果、下面に熱成
形された熱可塑性シートS1を有する成形品を、熱可塑
性シートS1と一体的に射出成形用樹脂を射出成形する
ことにより、得ることができる。その後、下テーブル3
1と上テーブル41とが上下方向に離反すると、硬化し
た成形品を取り出すことが可能となる。この成形品は、
移送機13に設けられたシート枠13aに端部を挟持さ
れ、トリミング機14に移送される。このシート枠13
aは、成形品の端部の形状に合わせた位置に複数のクラ
ンプを有し、同クランプにて成形品の端部を挟持するこ
とが可能である。
【0054】トリミング機14は、スチールルールダイ
14aと台座14bとを備えている。熱可塑性シートS
1と一体的に射出成形された成形品がトリミング機14
に移送され、端部の挟持が解除されると、スチールルー
ルダイ14aから下方に突設されたトムソン刃が熱可塑
性シートS1越しに台座14b側へ押し当てられ、成形
品から余分な熱可塑性シートS1が切除される。その
後、トリミングされた成形品は、再びシート枠13aに
端部を挟持され、移送機13にて成形品取り出し台15
の上方に移送され、この成形品取り出し台15の上面に
載置される。そして、図示しない搬送機構により、トリ
ミングされた成形品が搬送されていく。
【0055】(2)使用可能な熱可塑性シート、射出成
形用樹脂:以上の構成とされた成形装置100で熱成形
を行うことが可能な熱可塑性シートは、熱可塑性を有す
る素材でシート状になっていればよい。素材としては、
例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ゴム材を混合した半硬質ABS樹脂、発泡ポリ塩化ビニ
ル樹脂、サーモプラスチックオレフィン(TPO)、ポ
リプロピレン樹脂とエチレン−アクリル酸共重合樹脂と
を積層したもの等、様々なものを利用することが可能で
ある。また、様々な厚みのシートを採用することができ
る。
【0056】また、本発明を適用可能な射出成形用樹脂
は、射出成形用の閉空間に射出して成形できる素材であ
ればよい。例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂
等、様々なものが適用可能である。熱可塑性シートと同
様の素材を採用することもできる。また、樹脂と無機質
化合物等とを混合した二種以上の化合物からなる樹脂を
使用してもよい。射出成形用樹脂は、衣装面の裏側に形
成されるため、リサイクル材を使用するのに好適であ
る。むろん、衣装面を形成する熱可塑性シートにリサイ
クル材を使用することも可能であることは言うまでもな
い。
【0057】(3)装置の動作:以下、制御盤10の制
御に基づく成形装置100の動作の一例を図9、図10
のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、
1ショット分にカットされた熱可塑性シートS1が載置
台11の昇降部11aに載置され、載置台11の昇降部
11aは上昇位置にあるものとする。この状態としてお
いて、制御盤10からの指令を受けたシート枠制御盤5
2は、ソレノイドバルブ52aを切り換えてシート枠5
1のシート吸引孔51bに真空圧を作用させる(タイミ
ングT1)。なお、図9では、真空圧を作用させている状
態をON、真空圧を作用させていない状態をOFFと記
載している。すると、シート枠51は、シート吸引孔5
1bが設けられた下面51aにて熱可塑性シートS1を
吸引保持する。このとき、シート枠51は内部のヒータ
51cの発熱により加熱されており、吸引保持する熱可
塑性シートS1に熱を供給する。すなわち、熱可塑性シ
ートS1はシート枠51の下面51aに接触する部分が
若干加熱軟化され、シート吸引孔51bに密着しやすく
なるので、確実に熱可塑性シートS1が保持される。
【0058】次に、同シート枠制御盤52は、モータ5
2cの駆動によりシート枠51を載置台11の上方の位
置(図9のP1)から加熱機12の位置(図9のP2)
を通して成形機20の位置(図9のP3)まで移動させ
る(タイミングT2)。シート枠51に吸引保持された熱
可塑性シートS1は、加熱機12の位置を通過する際、
ヒータ12a,12aにより輻射加熱され、加熱軟化さ
れる。ここで、加熱されたシート枠51自身も熱可塑性
シートS1に熱を供給するので、熱可塑性シートS1の
温度低下が防止される。加熱軟化した熱可塑性シートS
1を吸引保持したシート枠51が成形機20の位置とな
った後、詳細は後述するが、成形機20で成形を行う。
この間、シート枠制御盤52はソレノイドバルブ52a
を切り換えてシート吸引孔51bへの真空圧の供給を中
止し(タイミングT3)、モータ52cの駆動によりシー
ト枠51を成形機20の位置から加熱機12の位置を通
して載置台11の上方の位置まで移動させる(タイミン
グT4)。以上のタイミングT1〜T4が1サイクルとなる。
【0059】成形機20で成形した後、制御盤10は図
示しないモータの駆動によりシート枠13aを成形品取
り出し台15の上方の位置(図9のP6)からトリミン
グ機14の位置(図9のP5)を通して成形機20の位
置(図9のP4)まで移動させる(タイミングT5)。次
に、シート枠13aに成形された成形品の端部を挟持さ
せる(タイミングT6)。なお、図9では、シート枠13
aが成形品の端部を挟持している状態をON、同端部を
挟持していない状態をOFFと記載している。さらに、
モータの駆動によりシート枠13aを成形機20の位置
からトリミング機14の位置まで移動させる(タイミン
グT7)。すると、成形品は、シート枠13aに端部を挟
持されてトリミング機14に移送される。
【0060】シート枠13aがトリミング機14の位置
となった後、一旦、シート枠13aに成形品の端部の挟
持を解除させる(タイミングT8)。そして、トリミング
機14にて成形品のトリミングを行った後、再びシート
枠13aに成形品の端部を挟持させ(タイミングT9)、
モータの駆動によりシート枠13aをトリミング機14
の位置から成形品取り出し台15の上方の位置まで移動
させ(タイミングT10)、シート枠13aに成形品の端
部の挟持を解除させる(タイミングT11 )。以上のタイ
ミングT5〜T11 が1サイクルとなる。すると、トリミン
グされた成形品は、成形品取り出し台15の上面に載置
され、図示しない搬送機構により搬送されていく。
【0061】なお、成形品をトリミングしている間、シ
ート枠51と移送機50を作動させ、次の熱可塑性シー
トS1を成形機に移送するようにしている。すなわち、
タイミングT1と同様、タイミングT21 でシート枠51の
シート吸引孔51bに真空圧を作用させ、タイミングT2
と同様、タイミングT22 でシート枠51を載置台11の
上方の位置から成形機20の位置まで移動させている。
以下、タイミングT3,T4の動作を行うと、次のサイクル
が完了する。ここで、タイミングT22 は、シート枠51
とシート枠13aとが同時に成形機20の位置とならな
いタイミングで設定可能である。このようにタイミング
T22 を設定することにより、インストルメントパネルを
効率よく連続して成形することができる。
【0062】図10は、成形機20の動作シーケンスを
タイミングチャートにより示している。なお、上記タイ
ミングT2でシート枠51を成形機20の位置まで移動さ
せるとき、上テーブル41と中テーブル33は上昇位
置、下テーブル31は下降位置、押さえ枠34は左方向
である熱成形用型32の成形面32aに対向する位置と
されている。また、プラグ35には圧空が供給されて押
さえ枠34で囲まれる位置Pとされている。シート枠5
1が成形機20の位置まで移動すると、図4で示したよ
うに、加熱軟化した熱可塑性シートS1は、シート枠5
1に吸引保持された状態で成形面32aに対向して配置
される。この状態で、制御盤10は、ソレノイドバルブ
33b,31bを切り換えて中テーブル33を下降位置
まで下降させるとともに下テーブル31を上昇位置まで
上昇させる(タイミングT41 )。すると、押さえ枠34
は下降してシート枠51で囲まれる空間51dを上から
下へ貫通し、熱成形用型32は上昇する。このとき、押
さえ枠34の押圧面34aの一部が熱可塑性シートS1
に接触するタイミングで、ソレノイドバルブ35gを切
り換えて、プラグ35に真空圧を作用させる(タイミン
グT42 )。この瞬間では、図11の要部断面図に示すよ
うに、プラグ35の下面も熱可塑性シートS1に接触し
ている。すなわち、押さえ枠34を使用して加熱軟化し
た熱可塑性シートS1を成形面32aの方向に押さえる
際、同押さえ枠34から熱可塑性シートS1に加わる力
が均一化する。そして、タイミングT42 でプラグ35に
真空圧を作用させることにより、プラグ35は退避位置
まで上昇する。中テーブル33が下降位置まで下降し、
下テーブル31が上昇位置まで上昇すると、図12の要
部断面図に示すように、押さえ枠34は成形面32aに
対向して配置された加熱軟化した熱可塑性シートS1を
同成形面32aの周囲32dに密接固定する。
【0063】次に、ソレノイドバルブ32gを切り換え
て、熱成形用型32の真空吸引孔32bに真空圧を作用
させる(タイミングT43 )。ここで、成形面32aと熱
可塑性シートS1とで閉空間が形成されているので、こ
の閉空間の空気が真空吸引孔32bから吸引される。す
ると、図13の要部断面図に示すように、加熱軟化した
熱可塑性シートS1は熱成形用型32の成形面32aに
密接させられる。このように、中テーブル33と下テー
ブル31とこれらのテーブルを駆動する機構や、押さえ
枠34や、上記吸引機構を構成する真空ポンプ39とソ
レノイドバルブ32gと制御盤10は、成形面32aに
対向して配置された加熱軟化した熱可塑性シートS1を
熱成形により同成形面32aに密接させる。すなわち、
本発明にいう熱成形機構が構成されている。また、押さ
え枠34は、成形面32aの周囲32dと略同一形状の
押圧面34aが形成されているので、本実施形態のよう
に同周囲32dが平面となっていなくても、加熱軟化し
た熱可塑性シートS1を同周囲32dに密接固定するこ
とができ、熱成形により熱可塑性シートS1を成形面3
2aに密接させることができる。このとき、プラグ35
は押さえ枠34で囲まれる位置Pから退避可能であるの
で、成形面に凸部があっても熱可塑性シートS1を同周
囲32dに密接固定することが可能である。
【0064】熱可塑性シートS1を成形面32aに密接
させた後、上述したタイミングT3でシート吸引孔51b
への真空圧の供給を中止する。その後、ソレノイドバル
ブ33b,31bを切り換えて中テーブル33を上昇位
置まで上昇させるとともに下テーブル31を下降位置ま
で下降させる(タイミングT44 )。すると、押さえ枠3
4は上昇してシート枠51の上方となり、熱成形用型3
2は下降する。このとき、シート枠51は熱可塑性シー
トS1の吸引保持を解除しているので、熱成形された熱
可塑性シートS1は成形面32aに密接したままであ
る。この状態を、図14の要部断面図に示している。す
なわち、シート枠51が熱成形用型32の成形面32a
に対向する位置にあるときにシート吸引孔51bへの真
空圧の供給を中止することにより、保持している熱可塑
性シートS1を容易に解放することができる。したがっ
て、後述する射出成形を行う前にシート枠51を成形機
20の位置から退避させることができ、成形品を連続し
て成形する際にシート枠51を効率よく駆動することが
できる。
【0065】次に、上述したタイミングT4でシート枠5
1を成形機20の位置から退避させ、載置台11の上方
の位置まで移動させる。同時に、ソレノイドバルブ34
gを切り換えて押さえ枠34を右方向の退避位置まで退
避させる(タイミングT45 )。むろん、タイミングT4と
タイミングT45 は異なるタイミングであってもよい。本
実施形態では、さらに、ソレノイドバルブ35gを切り
換えてプラグ35に圧空を供給し、プラグ35を位置P
まで下降させている。なお、プラグ35の下面が成形面
32aに接触しなければよいため、プラグ35を下降さ
せるタイミングは、タイミングT45 より後はもちろんの
こと、タイミングT45 よりも前とすることもできる。そ
の後、ソレノイドバルブ41b,31bを切り換えて上
テーブル41を下降位置まで下降させるとともに、下テ
ーブル31を再び上昇位置まで上昇させる(タイミング
T46 )。すると、図15の要部断面図に示すように、熱
成形用型32が上昇し、閉空間形成用型42は開位置か
ら下降して熱成形用型32の成形面32aに相対向する
閉位置に配置される。ここで、射出成形面42aの周囲
42cは熱成形用型32の周囲32dと略一致する形状
に形成されているので、閉空間形成用型42の射出成形
面42aと熱成形用型32の成形面32aとで閉空間V
1が形成される。すなわち、閉空間形成用型42は、成
形面32aに相対向する閉位置に配置されたとき同成形
面32aに連通する射出成形用の閉空間V1を形成す
る。このとき、熱可塑性シートS1は成形面32aに密
接したままであり、この熱可塑性シートS1の縁部は熱
成形用型32の周囲32dと閉空間形成用型42の周囲
42cとの間に挟まれている。
【0066】なお、シート枠51が成形面32aに対向
する位置から退避した後で閉空間形成用型42を開位置
から閉位置に移動させるので、閉空間V1を形成して射
出成形を行うのと同時にシート枠51に別の熱可塑性シ
ートS1を保持させて移送させることが可能となる。し
たがって、連続成形時に効率よく成形を行うことができ
る。
【0067】閉空間形成用型42が成形面32aに連通
する閉空間V1を形成した後、射出成形機43に溶融し
た射出成形用樹脂を閉空間V1に射出させる(タイミン
グT47 〜T48 )。すると、閉空間V1の空気が空気抜き
孔42dから外部に抜け、図16の要部断面図に示すよ
うに、熱可塑性シートS1が成形面32aに密接したま
ま閉空間V1に溶融した射出成形用樹脂が充填される。
その後、冷却液供給機構にて熱成形用型32と閉空間形
成用型42の内部の冷却通路32c,42eに冷却水を
通過させる。すると、熱成形用型32や閉空間形成用型
42が冷却水により冷却され、閉空間V1に射出された
射出成形用樹脂は熱可塑性シートS1とともに同熱成形
用型32や閉空間形成用型42に熱を吸収され、温度が
低下して硬化する。すなわち、閉空間V1に充填された
射出成形用樹脂は熱可塑性シートS1と一体的に硬化す
る。このように、射出成形用樹脂供給ポンプ43bから
溶融した射出成形用樹脂を供給される射出成形機43
と、冷却液供給機構と、制御盤10とは、加熱軟化した
熱可塑性シートS1が成形面32aに密接し、閉空間形
成用型42が閉位置に配置されているとき、射出口42
bから閉空間V1に射出成形用樹脂を射出して成形す
る。すなわち、本発明にいう射出成形機構が構成されて
いる。
【0068】射出成形用樹脂と熱可塑性シートS1が硬
化するタイミングで、ソレノイドバルブ41bを切り換
えて上テーブル41を上昇位置まで上昇させる(タイミ
ングT49 )。すると、図17の要部断面図に示すよう
に、閉空間形成用型42は開位置まで上昇し、硬化した
成形品S2が成形面32aに載置された状態となる。本
実施形態では、タイミングT49 で、ソレノイドバルブ3
2gを切り換えて真空吸引孔32bへの真空圧の供給を
中止している。なお、この真空圧の供給を中止するタイ
ミングは、熱可塑性シートS1が成形面32aに密接し
た後であればよいため、タイミングT44 の時点であって
もよい。その後、シート枠13aを成形機20の位置ま
で移動させ(図9のタイミングT5)、シート枠13aに
成形品S2の端部を挟持させて(図9のタイミングT
6)、シート枠13aをトリミング機14の位置まで移
動させると(図9のタイミングT7)、成形品S2は、ト
リミング機14に移送される。そして、上述したタイミ
ングT8〜T11 の動作を行うと、成形品S2はトリミング
され、図示しない搬送機構により搬送されていく。
【0069】一方、タイミングT7で成形品S2が成形機
20の位置からトリミング機14の位置まで移送される
と、ソレノイドバルブ31bを切り換えて下テーブル3
1を下降位置まで下降させ(タイミングT50 )、ソレノ
イドバルブ34gを切り換えて押さえ枠34を左方向で
ある成形面32aに対向する位置に戻す(タイミングT5
1 )。そして、上記タイミングT2で加熱軟化した熱可塑
性シートS1を吸引保持したシート枠51を成形機20
の位置まで移動させると、成形機20は図4で示した状
態となる。すなわち、以上のタイミングT41 〜T51 が1
サイクルとなる。その後は、タイミングT41 〜T51 の動
作を繰り返して行うことにより、熱可塑性シートと一体
的に射出成形用樹脂を射出成形する処理を連続して行う
ことができる。
【0070】このように、熱成形用型の成形面に対向し
て配置された加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形によ
り同成形面に密接させ、同熱成形用型の成形面に相対向
する閉位置に閉空間形成用型を配置して同加熱軟化した
熱可塑性シートが密接した成形面に連通する射出成形用
の閉空間を形成し、この閉空間に射出成形用樹脂を射出
して成形することにより、衣装面に熱成形された熱可塑
性シートを有する成形品を得ることができる。すると、
従来のように熱可塑性シートを熱成形した中間成形品を
射出成形専用の型に収容する必要がなくなる。すなわ
ち、熱成形された熱可塑性シートが型からずれず、熱可
塑性シートと型との形状も完全に一致する。したがっ
て、射出成形時に射出成形用樹脂が熱可塑性シートの衣
装面に回り込むことを防止することができる。また、衣
装面にシボ等の模様を施す場合、熱成形用型の成形面に
シボ等に対応した模様を形成しておくことによりシボ等
が施される。この場合でも、熱成形された熱可塑性シー
トが型からずれないため、射出される射出成形用樹脂の
圧力により衣装面の模様が薄くなったり消えたりするこ
ともない。
【0071】また、上述したシート枠51は、シート吸
引孔51bに真空圧を作用させるかどうかに応じて容易
に熱可塑性シートS1を吸引したり解放したりすること
ができるので、熱可塑性シートS1を移送して配置する
際の利便性を向上させることが可能となる。その結果、
熱可塑性シートS1を熱成形用型32の成形面32aに
対向する位置に移送した後、射出成形を行う前に同位置
から退避させることが容易となる。このように、本シー
ト枠51は利便性が大きいため、単独のシート枠として
も有効に機能する。
【0072】さらに、押さえ枠34は、熱成形用型32
の成形面32aの周囲32dが平面となっていなくて
も、熱可塑性シートS1を成形面32aに密接させる熱
成形を行うことができる。このように、本押さえ枠34
も利便性が大きいため、単独の押さえ枠としても有効に
機能する。
【0073】なお、上述の実施形態では、熱可塑性シー
トS1を加熱軟化して熱成形用型の成形面に対向して配
置する動作を自動で行っているが、加熱軟化した熱可塑
性シートを手動で同成形面に対向して配置してもよい。
この場合でも、熱可塑性シートと一体的に射出成形用樹
脂を射出成形することにより、衣装面に熱成形された熱
可塑性シートS1を有する成形品S2を得ることができ
る。また、閉空間形成用型を閉位置に配置する動作や射
出成形後の成形品S2を取り出す動作についても手動で
行ってもよい。
【0074】(4)第二の実施形態:ところで、射出成
形機43が射出成形用樹脂を射出する方向は、上述のよ
うに下方向とする以外にも様々可能である。図18は、
第二の実施形態にかかる成形装置の成形機120の概略
を垂直断面にて示している。この成形機120では、射
出成形用樹脂を水平方向に射出する射出成形機143を
用いている。図において、成形機120は、左方で水平
方向に駆動可能な左テーブル131と、左テーブル13
1の右側面に取り付けられた熱成形用型132と、右方
で水平方向に駆動可能な右テーブル141と、右テーブ
ル141の左側面に取り付けられた閉空間形成用型14
2と、右テーブル141を貫通して閉空間形成用型14
2の右側面に取り付けられた射出成形機143等を備え
ている。左テーブル131と右テーブル141は基部1
21の上面に設置されており、図示しない油圧系統の駆
動により左右方向に移動可能となっている。ここで、左
テーブル131と右テーブル141の四隅にて左右方向
に配置された棒状のガイド122が貫通しているので、
左テーブル131や右テーブル141はガイド122に
沿って移動する。
【0075】また、本成形装置は、加熱軟化した熱可塑
性シートS1を熱成形用型132の成形面132aに対
向する位置に移送するために、シート枠151を備えて
いる。シート枠151は、平面状の枠とされているが、
第一の実施形態とは異なり、この平面が鉛直方向となる
ように設けられている。このシート枠151は左側の枠
部151aと右側の枠部151bとを有しており、両枠
部151a,bが加熱軟化した熱可塑性シートS1を挟
持することにより保持する。また、シート枠151は図
示しない油圧系統により上下方向に駆動され、図18に
示す成形面132aに対向する位置と上方となる所定の
シート保持位置との間で双方向に移動する。
【0076】図のように、加熱軟化した熱可塑性シート
S1を保持したシート枠151が成形面132aに対向
する位置に配置されると、図示しない制御盤が熱成形用
型132をシート枠151の左側面に当接させるまで左
テーブル131を右方向に移動させる。ここで、成形面
132aの周囲132dは、枠部151aの形状に合わ
せて窪みを形成している。すると、加熱軟化した熱可塑
性シートS1の端部は、シート枠151に保持されたま
ま成形面132aの周囲に配置される。その後、真空吸
引孔132bに真空圧を作用させると、図19の要部断
面図に示すように、熱可塑性シートS1は成形面132
aに押しつけられ、密接させられる。このように、本実
施形態では、押さえ枠を用いずに熱可塑性シートS1を
熱成形している。
【0077】次に、閉空間形成用型142を枠部151
bの右側面に当接させるまで右テーブル141を左方向
に移動させる。ここで、射出成形面142aの周囲14
2cは、枠部151bの形状に合わせて窪みを形成して
いる。すると、図20の要部断面図に示すように、熱成
形された熱可塑性シートS1を保持したシート枠151
は熱成形用型132の周囲132dと閉空間形成用型1
42の周囲142cとに収容される。このとき、熱成形
用型132の成形面132aと閉空間形成用型142の
射出成形面142aとで囲まれる射出成形用の閉空間V
1が形成される。すなわち、本成形装置の熱成形用型1
32と閉空間形成用型142は、同熱成形用型132と
閉空間形成用型142とが閉空間V1を形成する際にシ
ート枠151を収容可能な形状に形成されている。な
お、シート枠を収容する形状は、熱成形用型にのみ形成
することも可能であるし、閉空間形成用型にのみ形成す
ることも可能である。
【0078】その後、射出成形機43から閉空間V1に
溶融した射出成形用樹脂を射出すると、熱可塑性シート
S1を成形面132aに密接させたまま閉空間V1に射
出成形用樹脂を充填することができる。そして、冷却水
を供給することにより熱成形用型132と閉空間形成用
型142を冷却し、閉空間V1に射出された射出成形用
樹脂から熱可塑性シートS1とともに熱を吸収すると、
同射出成形用樹脂は熱可塑性シートS1と一体的に硬化
する。硬化した成形品は、右テーブル141を右方向に
退避させると、取り出すことができる。なお、熱可塑性
シートS1の端部がシート枠151に保持されたままな
ので、このシート枠151を用いて成形品を成形面13
2aから移送することが可能である。このように、射出
成形機が射出成形用樹脂を射出する方向は、水平方向と
することも可能である。
【0079】以上説明したように、本発明によると、種
々の使用態様により、射出成形用樹脂が熱可塑性シート
の表面に回り込むことや、表面の模様が薄くなったり消
えたりすることを防止することが可能な成形装置を提供
することができる。むろん、上述した成形を行う際の手
法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、そ
の成形方法としても有効に機能することは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる成形装置の概
略を示す斜視図である。
【図2】移送機を上面から見て示す上面図である。
【図3】シート枠を下方から見て示した斜視図である。
【図4】前方向を臨む垂直断面にて成形機の概略を示す
断面図である。
【図5】押さえ枠を下方から見て示した斜視図である。
【図6】成形機の油圧系統を示すブロック図である。
【図7】成形機の空気圧系統を示すブロック図である。
【図8】溶融した射出成形用樹脂の流れを示すブロック
図である。
【図9】成形装置の動作シーケンスを示すタイミングチ
ャートである。
【図10】成形機の動作シーケンスを示すタイミングチ
ャートである。
【図11】中テーブルが下降し、下テーブルが上昇して
いるときの成形機の状態を示す要部断面図である。
【図12】押さえ枠が熱可塑性シートを熱成形用型の成
形面の周囲に密接固定したときの成形機の状態を示す要
部断面図である。
【図13】真空吸引孔に真空圧を作用させたときの成形
機の状態を示す要部断面図である。
【図14】中テーブルが上昇し、下テーブルが下降した
ときの成形機の状態を示す要部断面図である。
【図15】上テーブルが下降し、下テーブルが上昇した
ときの成形機の状態を示す要部断面図である。
【図16】溶融した射出成形用樹脂を射出成形用の閉空
間に射出したときの成形機の状態を示す要部断面図であ
る。
【図17】上テーブルが上昇したときの成形機の状態を
示す要部断面図である。
【図18】第二の実施形態にかかる成形装置の成形機の
概略を垂直断面にて示す断面図である。
【図19】左テーブルが右方向に移動して真空吸引孔に
真空圧を作用させたときの成形機の状態を示す要部断面
図である。
【図20】右テーブルが左方向に移動したときの成形機
の状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10…制御盤 12…加熱機 12a…ヒータ 20…成形機 22…油圧ポンプ 30…熱成形部 31…下テーブル 31a,33a,41a…油圧シリンダ 31b,33b,41b…ソレノイドバルブ 32…熱成形用型 32a…成形面 32b…真空吸引孔 32d…周囲 32g,34g,35g…ソレノイドバルブ 33…中テーブル 33c…ガイド 34…枠 34a…押圧面 34b…枠部 34c…基部 34d…空圧シリンダ 35…プラグ 38…高圧ライン 39…真空ポンプ 40…射出成形部 41…上テーブル 42…閉空間形成用型 42a…射出成形面 42b…射出口 42c…周囲 43…射出成形機 43a…樹脂供給口 43b…射出成形用樹脂供給ポンプ 43c…樹脂タンク 50…移送機 51…シート枠 51a…下面 51b…シート吸引孔 51c…ヒータ 51d…空間 52…シート枠制御盤 52a…ソレノイドバルブ 52b…真空ポンプ 52c…モータ 55a,b…ガイドレール 56…チェーン 100…成形装置 S1…熱可塑性シート S2…成形品 V1…閉空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AC03 AG28 AH26 CA11 CA17 CB01 CB11 CK06 CK15 CP06 CQ05 4F206 AC03 AG28 AH26 JA07 JB11 JQ81 4F208 AC03 AG28 AH26 MA01 MB01 MC03 MC04 MK02 MW01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱成形用型と、 この熱成形用型の成形面に対向して配置された加熱軟化
    した熱可塑性シートを熱成形により同成形面に密接させ
    る熱成形機構と、 上記熱成形用型の成形面に相対向する閉位置に配置され
    たとき同成形面に連通する射出成形用の閉空間を形成す
    る閉空間形成用型と、 上記熱成形機構が上記加熱軟化した熱可塑性シートを上
    記成形面に密接させ、上記閉空間形成用型が上記閉位置
    に配置されているとき、上記閉空間に射出成形用樹脂を
    射出して成形する射出成形機構とを具備することを特徴
    とする成形装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の成形装置におい
    て、 上記熱成形用型の成形面には、真空吸引孔が形成され、 上記熱成形機構は、上記真空吸引孔に真空圧を作用させ
    る吸引機構を備えることを特徴とする成形装置。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の成形装置において、 上記閉空間形成用型には、上記閉空間に流通可能な射出
    口が形成され、 上記射出成形機構は、上記射出口から上記閉空間に上記
    射出成形用樹脂を射出することを特徴とする成形装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の成形装置において、 上記加熱軟化した熱可塑性シートの端部を保持可能なシ
    ート枠と、 このシート枠を上記熱成形用型の成形面に対向する位置
    と所定のシート保持位置との間で双方向に駆動するシー
    ト枠駆動機構とが設けられていることを特徴とする成形
    装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項4に記載の成形装置におい
    て、 上記熱成形用型と閉空間形成用型のいずれかまたは組み
    合わせは、同熱成形用型と閉空間形成用型とが上記閉空
    間を形成する際に上記シート枠を収容可能な形状に形成
    されていることを特徴とする成形装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項4に記載の成形装置におい
    て、 上記シート枠は、 上記加熱軟化した熱可塑性シートに接触する面に形成さ
    れたシート吸引孔と、 このシート吸引孔に真空圧を作用させるシート吸引機構
    とを備えることを特徴とする成形装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項6に記載の成形装置におい
    て、 上記シート吸引機構は、上記シート枠が上記熱成形用型
    の成形面に対向する位置にあるときに上記シート吸引孔
    への真空圧の供給を中止することを特徴とする成形装
    置。
  8. 【請求項8】 上記請求項7に記載の成形装置におい
    て、 上記閉空間形成用型を上記閉位置と所定の開位置との間
    で双方向に駆動する閉空間形成用型駆動機構が設けら
    れ、 この閉空間形成用型駆動機構は、上記シート枠が上記熱
    成形用型の成形面に対向する位置から退避した後、上記
    閉空間形成用型を上記開位置から閉位置に移動させるこ
    とを特徴とする成形装置。
  9. 【請求項9】 上記請求項4〜請求項8のいずれかに記
    載の成形装置において、 上記シート枠は、当該シート枠を加熱するシート枠加熱
    機構を備えることを特徴とする成形装置。
  10. 【請求項10】 上記請求項1〜請求項9のいずれかに
    記載の成形装置において、 上記熱成形機構は、上記熱成形用型における成形面の周
    囲と略同一形状の面が形成され、同成形面に対向して配
    置された加熱軟化した熱可塑性シートを同成形面の周囲
    に密接固定する押さえ枠を備えることを特徴とする成形
    装置。
  11. 【請求項11】 上記請求項10に記載の成形装置にお
    いて、 上記押さえ枠は、当該押さえ枠で囲まれる位置に配置さ
    れるとともに同位置から退避可能なプラグを備えること
    を特徴とする成形装置。
  12. 【請求項12】 熱可塑性シートを加熱軟化させる加熱
    軟化機構と、 熱成形用型と、 上記加熱軟化機構にて加熱軟化された上記熱可塑性シー
    トを移送して、上記熱成形用型の成形面に対向するよう
    に配置させる移送機構と、 上記成形面に対向して配置された上記加熱軟化した熱可
    塑性シートを熱成形により同成形面に密接させる熱成形
    機構と、 上記熱成形用型の成形面に相対向する閉位置に配置され
    たとき同成形面に連通する射出成形用の閉空間を形成す
    る閉空間形成用型と、 この閉空間形成用型を上記閉位置と所定の開位置との間
    で双方向に駆動する閉空間形成用型駆動機構と、 上記熱成形機構が上記加熱軟化した熱可塑性シートを上
    記成形面に密接させ、上記閉空間形成用型駆動機構が上
    記閉空間形成用型を上記閉位置に配置したとき、上記閉
    空間に射出成形用樹脂を射出して成形する射出成形機構
    とを具備することを特徴とする成形装置。
  13. 【請求項13】 熱成形用型の成形面に対向して配置さ
    れた加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形により同成形
    面に密接させ、同熱成形用型の成形面に相対向する閉位
    置に閉空間形成用型を配置して同加熱軟化した熱可塑性
    シートが密接した成形面に連通する射出成形用の閉空間
    を形成し、この閉空間に射出成形用樹脂を射出して成形
    することを特徴とする成形方法。
  14. 【請求項14】 熱可塑性シートを加熱軟化させる加熱
    軟化工程と、 この加熱軟化工程にて加熱軟化された上記熱可塑性シー
    トを移送して、所定の熱成形用型の成形面に対向するよ
    うに配置させる移送工程と、 上記成形面に対向して配置された上記加熱軟化した熱可
    塑性シートを熱成形により同成形面に密接させる熱成形
    工程と、 上記熱成形用型の成形面に相対向する閉位置に配置され
    たとき同成形面に連通する射出成形用の閉空間を形成す
    る閉空間形成用型を、上記閉位置と所定の開位置との間
    で双方向に駆動する閉空間形成用型駆動工程と、 上記加熱軟化した熱可塑性シートが上記成形面に密接
    し、上記閉空間形成用型が上記閉位置に配置されている
    とき、上記閉空間に射出成形用樹脂を射出して成形する
    射出成形工程とを具備することを特徴とする成形方法。
  15. 【請求項15】 加熱軟化した熱可塑性シートの端部を
    保持するとともに、熱成形用型の成形面に対向する位置
    と所定のシート保持位置との間で双方向移動可能に設け
    られたシート枠であって、 上記加熱軟化した熱可塑性シートに接触する面に形成さ
    れたシート吸引孔と、 このシート吸引孔に真空圧を作用させるシート吸引機構
    とを備えることを特徴とするシート枠。
  16. 【請求項16】 熱成形用型の成形面に対向して配置さ
    れた加熱軟化した熱可塑性シートを熱成形により同成形
    面に密接させる際、同加熱軟化した熱可塑性シートを固
    定する押さえ枠であって、 上記熱成形用型における成形面の周囲と略同一形状の面
    が形成され、同成形面に対向して配置された加熱軟化し
    た熱可塑性シートを同成形面の周囲に密接固定すること
    を特徴とする押さえ枠。
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