JP2008142920A - 積層成形体の成形方法並びに成形装置 - Google Patents

積層成形体の成形方法並びに成形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008142920A
JP2008142920A JP2006329449A JP2006329449A JP2008142920A JP 2008142920 A JP2008142920 A JP 2008142920A JP 2006329449 A JP2006329449 A JP 2006329449A JP 2006329449 A JP2006329449 A JP 2006329449A JP 2008142920 A JP2008142920 A JP 2008142920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
molding
mold
model
die
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006329449A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiaki Haga
文昭 芳賀
Ikuo Kumagai
郁雄 熊谷
Tadakazu Kiuchi
忠和 木内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kasai Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kasai Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kasai Kogyo Co Ltd filed Critical Kasai Kogyo Co Ltd
Priority to JP2006329449A priority Critical patent/JP2008142920A/ja
Publication of JP2008142920A publication Critical patent/JP2008142920A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C43/00Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
    • B29C43/02Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor of articles of definite length, i.e. discrete articles
    • B29C43/04Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor of articles of definite length, i.e. discrete articles using movable moulds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C43/00Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
    • B29C43/02Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor of articles of definite length, i.e. discrete articles
    • B29C43/18Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor of articles of definite length, i.e. discrete articles incorporating preformed parts or layers, e.g. compression moulding around inserts or for coating articles
    • B29C43/183Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor of articles of definite length, i.e. discrete articles incorporating preformed parts or layers, e.g. compression moulding around inserts or for coating articles the preformed layer being a lining, e.g. shaped in the mould before compression moulding, or a preformed shell adapted to the shape of the mould

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】積層成形体の成形方法並びに成形装置であって、ソフト感を良好に維持するとともに、シャープな外観形状を確保し、かつ表皮のセット作業を簡素化し、表皮の成形性能を高める。
【解決手段】樹脂芯材20、111の表面に表皮30、112をモールドプレス成形工法、射出成形工法により一体化する際、表皮30、112を加熱軟化処理した後、アシストモデル70に一体化した表皮セット枠75に直接セットするか、表皮30、112を保持した表皮枠80をアシストモデル70の表皮枠用受け治具76に装着するかのいずれかの方法を採用することで、表皮30、112のセット作業を簡素化し、かつ表皮30、112の加熱後、迅速に成形を可能とすることで、絞模様の転写を良好に行ない、シャープな形状出しを可能にする。
【選択図】図3

Description

この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に好適な積層成形体の成形方法並びに成形装置に係り、特に、クッション性能を良好に維持できるとともに、シャープな外観形状を忠実に現出できる積層成形体の成形方法並びに成形装置に関する。
従来から、ドアトリム、ラゲージサイドトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品としては、車体パネルへの取付剛性並びに形状保持性を備えた樹脂芯材の表面に表面風合い、並びにソフト感が良好な表皮を貼着して構成されることが多い。例えば、図23,図24を基にドアトリム1を例示して説明する。ドアトリム1は、樹脂芯材2の表面に表皮3を一体貼着して構成されている。この樹脂芯材2としては、コスト、成形性等を考慮して、ポリプロピレン樹脂にフィラーを適宜混入した複合ポリプロピレン系樹脂材料が使用されている。また、表皮3としては、製品表面側からクロス3a、ポリウレタンフォーム3bからなる二層の積層シート材料が使用されている。この表皮3については、クロス3aにより良好な表面風合いを確保し、ポリウレタンフォーム3bのクッション性により、ソフト感を良好に維持できる機能を備えている。尚、図中符号1aはアームレストを示す。
次に、ドアトリム1の成形方法に使用する従来の成形金型4について、図25を基に説明する。成形金型4は、可動側である成形上型5と、その下方に位置する固定側の成形下型6と、成形下型6に連設されている射出機7とから大略構成されている。成形上型5は、シリンダ5aにより所定ストローク上下動可能に構成され、成形上型5の上下動作により、成形上下型5,6は、型締め、型開きが行なわれる。また、成形下型6には、射出機7から供給される溶融樹脂Mの樹脂通路として、マニホールド6a、ゲート6bが設けられている。そして、成形金型4が型開き状態にある時、表皮3の周縁をクランプ枠8により保持した状態で成形金型4内に投入する。次いで、成形上型5を所定ストローク下降操作して、図26に示すように、成形上下型5,6の型クリアランスが所定値に到達した時、射出機7から溶融樹脂Mがマニホールド6a、ゲート6bを通じて成形下型6の型面所定位置に分配供給される。
更に、成形上型5の下降動作が続行し、成形上下型5,6の型クリアランスが一定値になった時(成形上型5が下死点に到達した時)、溶融樹脂Mは、成形上下型5,6間のキャビティ形状に沿っていきわたり、所望厚みで所望形状の樹脂芯材2が成形されるとともに、この樹脂芯材2の表面に表皮3が一体貼着されて成形が完了する(図27参照)。従来の積層成形体及びその成形方法については、特許文献1に詳細に記載されている。
特開平10−100176号公報
このように、従来の成形金型4による樹脂芯材2と表皮3との同時成形においては、図26に示す溶融樹脂Mの供給時、溶融樹脂Mの熱により、表皮3におけるポリウレタンフォーム3b等のクッション層がダメージを受け、成形後、クッション性能が低下し、ソフト感に劣るという欠点が指摘されている。例えば、製品表面のショアC硬度は62程度である。
更に、表皮3の形状保持は、樹脂芯材2に依存しているため、アームレスト1a等のコーナー部はシャープな形状出しができず、外観意匠性についても良好なものとはいえなかった。例えば、アームレスト1aのコーナー部の曲率はR5(Rは2.5が理想)である。加えて、表皮3の原反自体に絞模様が設けられている場合には、アームレスト1aのように、展開率の高い部位では絞模様が伸び、変形することから、外観意匠性を低下させる要因となっている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、表皮と樹脂芯材とを一体化してなる積層成形体の成形方法並びに成形装置であって、良好なソフト感が得られ、かつシャープな外観形状の現出が可能となり、しかも成形サイクルを短縮化でき、コストダウンを招来する積層成形体の成形方法並びに成形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形上下型内に表皮をセットし、成形上下型間で形成されるキャビティ内に溶融樹脂を供給することで樹脂芯材を所要形状に成形するとともに、樹脂芯材の表面に表皮を一体化してなる積層成形体の成形方法において、前記成形上型に真空吸引機構が付設された成形上下型と、成形上型と協働して表皮を成形するために成形上下型内に投入されるアシストモデルとからなる成形装置を使用し、型開き状態にある成形上下型内に投入されるアシストモデルには、加熱軟化処理した表皮が直接、あるいは表皮枠を介してセットされ、このアシストモデルのシリンダの駆動により、モデル型と表皮とを上昇させて、成形上型とモデル型との間で表皮をプレス圧着するとともに、成形上型に真空吸引機構を動作させることで、成形上型の型面に沿って表皮を薄肉状に真空・プレス成形する表皮の成形工程と、前記成形工程で成形した表皮を成形上型の真空吸引力により成形上型に保持する一方、モデル型をシリンダ駆動により下降操作し、アシストモデルを成形上下型の外部に退避させた後、表皮を保持した成形上型を所定ストローク下降操作し、成形上型が下死点に到達する直前、あるいは到達した後のいずれかのタイミングでキャビティ内に溶融樹脂を供給し、樹脂芯材を所望の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材の表面に表皮を積層一体化する樹脂芯材と表皮との一体化工程とからなることを特徴とする。
ここで、積層成形体は、樹脂芯材と表皮とから構成されており、樹脂芯材の素材として、熱可塑性樹脂が使用されているが、1種類の熱可塑性樹脂、あるいは2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用できる。また、熱可塑性樹脂中に充填剤を混入しても良く、充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。更に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種添加剤が配合されても良い。
一方、表皮としては、成形金型から絞模様を転写するために、熱可塑性樹脂シートの単一シート材料か、あるいは熱可塑性樹脂シートをトップ層として、その裏面にポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂成形体からなるクッション層を裏打ちした積層シート材料を使用することができる。尚、所望ならば、裏面にバッキングシートやメリヤス布等をラミネートしても良い。
更に、積層成形体の用途としては、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に適用できる他に、鉄道車両等の内装パネルや、家屋の内装パネル等に適用することもできる。
次いで、本発明方法を実施する際に使用する成形装置は、樹脂芯材の表面に表皮を一体化してなる積層成形体を所要形状に成形してなる積層成形体の成形装置において、前記成形装置は、所定ストローク上下動する可動側の成形上型と、成形上型の下方に位置する固定側の成形下型と、成形上下型内に投入され、成形上型と協働して、表皮にプレス圧を加えるアシストモデルとから構成され、上記成形上型に表皮を真空成形するための真空吸引機構が配設されているとともに、上記アシストモデルには、加熱軟化処理した表皮をセットする表皮セット枠が一体化されていることを特徴とする。
また、本発明方法を実施する際に使用する成形装置の更に別の実施形態においては、樹脂芯材の表面に表皮を一体化してなる積層成形体を所要形状に成形してなる積層成形体の成形装置において、前記成形装置は、所定ストローク上下動する可動側の成形上型と、成形上型の下方に位置する固定側の成形下型と、成形上下型内に投入され、成形上型と協働して、表皮にプレス圧を加えるアシストモデルとから構成され、上記成形上型に表皮を真空成形するための真空吸引機構が配設されているとともに、上記アシストモデルには、表皮枠を支持する受け治具が設けられていることを特徴とする。
更に詳しくは、成形上型は、プレス機に連結され、所定ストローク上下動可能であるとともに、表皮を真空成形する一方、溶融樹脂の射出充填時、成形上型に表皮を保持する関係で真空吸引機構が備わっている。一方、成形下型は、射出機から供給される溶融樹脂の樹脂通路としてのマニホールド、ゲートが設けられている。
また、表皮を精度良く成形するために、成形上下型内にアシストモデルが投入される。このアシストモデルは、成形上型との間で表皮を挟み付けて薄肉状に成形するために成形下型のコア部の形状にほぼ合致するモデル型を備えており、成形上下型の型外から型内にアシストモデルを搬送するための搬送機構と、モデル型を成形上型側に押し上げ、成形上型との間で表皮をプレス圧着する昇降機構を備えるとともに、加熱軟化処理した表皮のホルダ機能を備えている。表皮をセット保持するホルダ機能としては、アシストモデルの上部側に表皮セット枠が設けられていても良く、また、表皮を支持する表皮枠を受けるための表皮枠用受け治具がアシストモデルの上部側に設けられていても良い。
そして、本発明方法は、表皮の成形工程と、表皮と樹脂芯材との一体化工程に大別される。まず、表皮の成形工程としては、表皮セット枠を一体化したアシストモデルを使用した場合には、成形上下型が型開き状態にある時、アシストモデルが型内に投入されるが、加熱処理した表皮は、成形上下型内に位置するアシストモデルの表皮セット枠にセットしても、また、待機状態のアシストモデルにセットしても良い。次いで、アシストモデルの昇降機構(昇降シリンダ)が駆動して、モデル型及び表皮セット枠が上昇する。この時、成形上型の真空吸引機構も動作しており、表皮が成形上型の型面に沿って真空成形されるとともに、成形上型とモデル型との間で表皮を挟み込み、プレス圧着することで、真空・プレス圧着により表皮は加熱後、素早く成形される。従って、コーナー部形状等、精度の良い形状出しが可能になるとともに、絞模様も忠実に現出することができる。
一方、アシストモデルに表皮枠を受ける表皮枠用受け治具を設けた場合には、型開き状態にある成形上下型内にアシストモデルを投入した後、加熱軟化処理した表皮を支持する表皮枠をアシストモデルの表皮枠用受け治具に装着し、その後、モデル型及び表皮枠を成形上型側に向けて上昇させて、成形上型の真空吸引作用により表皮を真空成形するとともに、成形上型とモデル型との間のプレス圧で表皮を薄肉状に精度良く成形することができる。この場合においても、表皮を加熱後、素早く成形されるため、コーナー部等の形状出しを精度良く行なえるとともに、絞模様等も忠実に現出することができる。更に、アシストモデルの表皮枠用受け治具に対して加熱軟化処理した表皮を支持する表皮枠を装着すれば良いため、一人作業で簡単に表皮のセット作業が行なえる。
次いで、表皮を成形した後、成形上型の真空吸引作用が継続するため、表皮は成形上型の型面に保持された状態でアシストモデルがシリンダの収縮作用によりモデル型及び表皮セット枠、あるいは表皮枠を保持した表皮枠用受け治具が下降し、その後、成形上下型の型締めに干渉しない位置にまでアシストモデルが退避する。次いで、表皮を保持した状態で成形上型が所定ストローク下降し、成形上下型の型クリアランスが所定値に到達した後、射出機からマニホールド、ゲートを通じて成形下型の型面に溶融樹脂が供給される。そして、成形上型が下死点まで下降した際、溶融樹脂が成形上下型間のプレス圧により隅々にまでいきわたり、樹脂芯材が所要形状に成形されるとともに、その表面に表皮が一体化される。
そして、本発明方法によれば、加熱軟化処理した表皮を型開き状態にある成形上下型内に投入した後、プレス上型の真空吸引機構を動作させることで、表皮を真空成形するとともに、アシストモデルと成形上型間で表皮をプレス圧着することにより、表皮を均一で、かつ薄肉状に成形することができる。次いで、表皮を真空吸引力により成形上型に保持した状態でキャビティ内に溶融樹脂が供給されるため、溶融樹脂からの熱的ダメージが表皮に及ぶことがなく、クッション層のクッション性能を良好に維持できる。また、表皮を製品形状に真空成形及びプレス成形した状態で成形上型に保持し、溶融樹脂の供給を行なうため、溶融樹脂の流動性を良好に維持できるとともに、製品のハイライト線等、シャープな外観形状を忠実に現出することができる。更に、成形上型の真空吸引機構と成形上型とアシストモデルとの間のプレス圧とにより表皮を良好に成形できるため、成形上型の型面から絞模様を良好に転写することができる。従って、従来の高価な絞付きシートを使用することなく、廉価な絞なしシートを使用しても精度の良い絞模様の転写が行なえる。
更に、本発明方法によれば、アシストモデルには、表皮セット枠が一体化されているか、あるいは表皮枠を受ける表皮枠用受け治具が備わっているため、表皮のセット作業が簡単に行なえるとともに、表皮をセットしてすぐに表皮の成形が行なえるため、表皮を加熱処理してから成形するまでの間の待ち時間が短いことから、生産性並びに成形性を高めることができる。また、表皮が加熱処理されてすぐに成形されるため、シャープな形状出しが可能になるとともに、均一な絞模様を忠実に転写することができる等、成形性並びに意匠性を良好に維持することができる。
以上説明した通り、本発明に係る積層成形体の成形方法は、アシストモデルに一体化した表皮セット枠に加熱軟化処理した表皮をセットするか、あるいは加熱軟化処理した表皮を支持する表皮枠をアシストモデルの表皮枠用受け治具に装着するかの方法により、アシストモデルに加熱軟化処理した表皮をセットした後、成形上型の型面に沿って表皮を真空成形するとともに、成形上型とモデル型との間で表皮をプレス圧着するため、表皮を均一厚みでかつ薄肉状に成形することができ、型締め直前、あるいは型締め後に溶融樹脂を供給する際、表皮と成形下型との間に充分なクリアランスが確保されており、表皮のクッション層に加わる熱的ダメージが少ない。更に、製品形状に賦形され、その形状を保持するため積層成形体はソフト感に優れ、かつシャープなハイライト線等、外観形状をシャープに現出することができるとともに、樹脂の流動性を向上させることにより、ショートショット等が生じることがないため、成形性を高めることができるという種々の効果を有する。
更に、本発明に係る積層成形体の成形方法は、加熱軟化処理した表皮をアシストモデルに一体化した表皮セット枠にセットするか、あるいは加熱軟化処理した表皮をセットした表皮枠をアシストモデルに設けた表皮枠用受け治具に装着することで、表皮を簡単にアシストモデルに装着することができる。その後、アシストモデルを駆動させて成形上型との間で表皮を成形するため、廉価な絞なしシートを使用しても、真空成形時に成形上型から絞模様を精度良く転写することができる。従って、展開率の高い部位においても、絞流れ等の外観不良が生じることがなく、外観見栄えの優れた積層成形体を廉価に成形できるとともに、表皮を加熱処理したため、成形するまでの待ち時間が少ないことから、表皮が適正温度を保持でき、シャープな形状出しが可能になる等、成形性を向上させることができるという効果を有する。
以下、本発明に係る積層成形体の成形方法並びに成形装置の実施例について、ドアトリムの成形方法及びそれに使用する成形装置を例示して詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図9は本発明の第1実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は本発明方法に使用する成形装置の全体構成を示す説明図、図4乃至図9は本発明に係るドアトリムの成形方法の各工程を示す説明図である。
まず、図1,図2において、ドアトリム10は、所望の曲面形状に成形され、図示しないドアパネルへの取付剛性並びに形状保持性を有する樹脂芯材20の表面に表面外観並びに表面感触に優れた表皮30を積層一体化して構成されている。尚、ドアトリム10には、各種付属部品が装着されている。例えば、中接部には、インサイドハンドルエスカッション11が取り付けられており、中接部の下方に位置するアームレスト12は、室内側に膨出する形状に成形され、アームレスト12の上面にプルハンドルユニット13、パワーウインドウスイッチエスカッション14が取り付けられている。また、アームレスト12の下方には、備品を収容できるドアポケット15が配備され、そのフロント側には、ドアトリム10と一体、あるいは別体にスピーカグリル16が取り付けられている。
そして、上記ドアトリム10における樹脂芯材20としては、熱可塑性樹脂の材料を使用し、後述するモールドプレス成形工法の他に射出成形工法等の各種成形工法を採用することができる。使用する熱可塑性樹脂材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等がある。
一方、表皮30としては、本実施例ではトップ層31、クッション層32の二層積層体からなるシート材料が使用されており、トップ層31としては、TPO(サーモプラスチックオレフィン)樹脂、PVC樹脂、PP樹脂等の熱可塑性樹脂シートが使用され、クッション層32としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂シートが使用されている。
ところで、本発明方法により形成されたドアトリム10は、従来のモールドプレス成形工法、真空成形工法に比べ、製品のソフト感並びに製品の外観形状(シャープ形状)が改善されている。すなわち、ショアC硬度が56であり、優れたクッション性能を備えているとともに、R2.5のように、成形金型のRとほぼ等しいRを備えている。更に、ドアトリム10における表皮30の外観は、成形金型から絞模様が転写され、絞模様の現出が非常に良好であり、意匠性においても優れたものとなっている。
次いで、上記ドアトリム10を成形するための成形装置40の構成を図3を基に説明する。成形装置40は、樹脂芯材20と表皮30とを一体にモールドプレス成形することができる相互に型締め、型開き可能な成形上型50、成形下型60と、表皮30を成形上型50と協働して成形できるように、成形上下型50,60内に投入されるアシストモデル70とから大略構成されている。
更に詳しくは、成形上型50は、プレス機51と連結され、プレス機51の駆動により、所定ストローク上下動可能に構成されており、ドアトリム10の製品面を形作るドアトリム10の製品面形状に一致する型面52が形成され、この型面には、絞模様が刻設されている。また、成形上型50には、真空吸引機構Vcが設けられている。すなわち、成形上型50の型面52には、多数の真空吸引孔53が開設され、真空吸引孔53と連通する空気室54と、真空吸引ポンプ55との間に真空吸引管56が配設され、この真空吸引管56には開閉バルブ57が設けられ、開閉バルブ57を図示しないスイッチ機構により開閉操作し、成形上型50に真空吸引力を選択的に付与することができる。また、この実施例では、上記真空吸引孔53に加えて、もっぱら表皮30を保持する機能をもつ外周真空吸引孔53aが設けられている。この外周真空吸引孔53aは図示はしないが、上記真空吸引機構Vcと別系統の真空吸引ポンプ等を採用しても良く、また、上記真空吸引機構Vcと切替弁を介して接続しても良い。一方、成形上型50の下方に位置する成形下型60は、射出機61から供給される溶融樹脂Mの樹脂通路となるマニホールド62、ゲート63が設けられており、これらマニホールド62、ゲート63を通じて溶融樹脂Mは成形下型60の型面上に分配供給される。
ところで、本発明方法に使用する成形装置40は、成形上型50と、アシストモデル70との間で表皮30を精度良くかつ短時間に成形できるようにしたことが特徴であり、そのためにアシストモデル70は、表皮30を直接セットできる表皮30のホルダ機能を備えている。すなわち、アシストモデル70は、外部の待機位置と成形上下型50,60内部の作業位置との間で往復できるように、搬送機構としての搬送テーブル71が設けられている。この搬送テーブル71は、シリンダやコンベア等の図示しない駆動機構に連結されており、この搬送テーブル71の上面には、4箇所等、複数個所にシリンダ72が取り付けられ、このシリンダ72に支持台座73が上下動可能に支持されている。更に、この支持台座73の上面ほぼ中央に、成形下型60のコア部形状と一致するモデル型74がアルミダイキャスト品等から形成されて取り付けられており、このモデル型74と成形上型50の型面52との間で表皮30を薄肉状に成形できる機能を備えている。
そして、本発明では、上記アシストモデル70において、モデル型74の外周に沿って表皮セット枠75が一体に形成されている。すなわち、表皮セット枠75は、フランジ状の支持フレーム751に表皮30を載置固定するために、支持フレーム751の上面に固定用ピン752が設けられており、支持フレーム751から下方に延びるガイドバー753は支持台座73の貫通孔731内に貫通支持されており、付勢バネ754により常時上方にバネ付勢されている。尚、成形上型50の型面52には、表皮30の圧着時、固定用ピン752を逃げるためのピン逃げ孔521が固定用ピン752に対応して設けられている。このように、本発明の第1実施例における成形装置40の特徴は、アシストモデル70に表皮30のホルダ機能を付与することで、成形上型50に表皮30をセットする従来の作業に比べ表皮30のセット作業を簡単かつ迅速に行なえる。
次に、図4乃至図9に基づいて、上記成形装置40を使用してドアトリム10を成形する各工程について説明する。まず、図4に示すように、成形上下型50,60が型開き状態にある時、まず、アシストモデル70が成形上下型50,60の型内に投入される。そして、図示するように、アシストモデル70における表皮セット枠75の支持フレーム751上に図示しない加熱炉内で所定温度に加熱軟化処理した表皮30をセットする。従って、アシストモデル70における表皮セット枠75に加熱軟化処理した表皮30を載置して、固定用ピン752に突き刺すことで簡単に表皮30のセット作業を完了させることができる。また、アシストモデル70を成形上下型50,60内に投入する前段階で表皮30をアシストモデル70にセットする工程を採用しても良いが、表皮30の加熱温度が冷める前に素早く成形を行なうためには、図示するように成形上下型50,60内に投入されたアシストモデル70に表皮30をセットするのが好ましい。
次いで、図5に示すように、アシストモデル70を上昇駆動させる。具体的には、搬送テーブル71上に取り付けられているシリンダ72が伸長動作することで、支持台座73が所定ストローク上昇し、これにより、モデル型74が支持台座73のストロークと同一ストローク上昇するとともに、表皮セット枠75についても、一体的に上昇する。そして、このアシストモデル70の上昇動作と同期して、成形上型50の真空吸引機構Vcが稼動する。
この時、表皮セット枠75が表皮30を介して成形上型50に当接した時点で成形上型50の内面の真空吸引機構Vcが稼動して真空吸引孔53を通じて表皮30を成形上型50の型面に沿って真空成形され、アシストモデル70が完全に上昇した時点で成形上型50の外周の真空吸引機構が稼動し、外周真空吸引孔53aを通じて真空吸引力が作用し、表皮30を成形上型50の型面に確実に保持することができる。
従って、図示するように、表皮30の周縁部分は、成形上型50とアシストモデル70の表皮セット枠75の支持フレーム751によりシールされ、成形上型50の型面52に沿って真空成形されるとともに、成形上型50の型面52と、アシストモデル70におけるモデル型74との間で表皮30がプレス圧着加工されることで、表皮30が薄肉状に成形される。この時、成形上型50における型面52に刻設されている絞模様が精度良く表皮30の表面に転写されるとともに、コーナー部等、シャープな形状出しが可能となる。このように、表皮30は、成形上型50における真空成形と、成形上型50とアシストモデル70との間のプレス圧着成形により、ほぼ均一な厚みの薄肉状に成形されるとともに、表皮30を加熱軟化処理してすぐに成形が行なわれるため、待ち時間が少なく、シャープな形状出しが可能になるとともに、絞模様を精度良く転写することができる。
その後、成形された表皮30を真空吸引力により成形上型50に保持した状態でアシストモデル70におけるシリンダ72が収縮動作することで、図6に示すように、モデル型74と表皮セット枠75が下降する。この時、表皮30は、真空吸引力により成形上型50に吸着保持されているため、表皮30は表皮セット枠75に対して簡単に剥離する。その後、図7に示すように、アシストモデル70は、搬送テーブル71が図示しない搬送機構の動作により後退し、成形上下型50,60外にアシストモデル70が退避する。
次いで、図8に示すように、プレス機51の駆動により、成形上型50は所定ストローク下降するが、成形上型50の型面52は、表皮30が薄肉で、かつ真空成形された状態で保持されており、成形上下型50,60の型クリアランスが所定位置に到達した時、射出機61からマニホールド62、ゲート63を通じて溶融樹脂Mを成形下型60の型面に供給する。この溶融樹脂Mの素材としては、上述した汎用の熱可塑性樹脂材料が使用できる。本実施例では、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)が使用されており、タルクが適宜割合で混入されていても良い。
このように、本発明方法においては、上述したように、アシストモデル70に表皮30を直接セットすることで、表皮30のセット作業が簡単に行なえ、かつ表皮30の成形性を高めることができるとともに、成形上型50の型面に沿って薄肉状に成形された表皮30が保持された状態で溶融樹脂Mが供給されるため、表皮30のクッション層32の裏面と成形下型60の型面とのクリアランスがほぼ一定に確保されており、溶融樹脂Mの流動性を良好に維持できるとともに、表皮30がテント張り状態にならないため、クッション層32に溶融樹脂Mからの熱的ダメージが及ぶことが少なく、クッション層32のクッション性能を良好に維持でき、製品のソフト感を強調できる。
そして、図9に示すように、プレス機51の駆動により、成形上型50を下死点まで下降操作すれば、溶融樹脂Mがキャビティの隅々にまでいきわたり、樹脂芯材20が所望の曲面形状に成形されるとともに、この樹脂芯材20の表面側に表皮30が一体化されてドアトリム10の成形が完了する。次いで、成形完了後は、プレス機51の駆動により成形上型50が上昇し、型開きが行なわれた後、所要形状に成形された積層成形体であるドアトリム10を取り出せば良い。
以上のように、本発明方法によれば、ドアトリム10における表皮30は、樹脂芯材20とプレス一体化する前に所要形状に成形されているため、表皮30の形状保持性が良好であり、アームレスト12等のコーナー部のハイライト線等、シャープな外観形状を精度良く現出することができ、外観性能に優れたドアトリム10を成形することができる。尚、本発明方法においては、溶融樹脂Mの射出のタイミングとして、成形上型50が型締めされる前に行なったが、成形上下型50,60を型締めした後に射出充填する射出成形工法を採用することもできる。
更に、本発明方法においては、表皮30をアシストモデル70に予めセットしておき、アシストモデル70の成形上型50に対するプレス圧着時に表皮30も同時にセットできるため、表皮30のセット作業が簡単に行なえるとともに、表皮30を加熱処理した後、成形を開始するまでの待ち時間が少なく、表皮30を適正温度に維持できるため、成形性、絞転写性とも良好に維持できる。
図10乃至図22は本発明の第2実施例を示すもので、図10(a),(b)は本発明方法により成形したドアトリムアッパーを一部に採用した上下二分割タイプのドアトリムを示す正面図並びに断面図、図11は本発明の第2実施例に使用する成形装置の大略構成を示す全体図、図12は同成形装置における成形上型の反転状態を示す説明図、図13は同成形装置におけるアシストモデルの平面図、図14は同アシストモデルにおける表皮枠用受け治具と表皮枠との関係を示す説明図、図15乃至図17は図11に示す成形装置を使用する表皮の成形工程を示す各説明図、図18乃至図19はアシストモデルにおける表皮枠用受け治具の変形例を示す各説明図、図20は図19に示す表皮枠用受け治具の作用を示す説明図、図21,図22はアシストモデルにおける表皮枠用受け治具の更に変形例の構成を示す各説明図である。
図10において、上下二分割タイプのドアトリム100は、ドアトリムアッパー110とドアトリムロア120との上下二分割体から構成されており、ドアトリムアッパー110は、樹脂芯材111の表面に表皮112を一体貼着して構成されている。更に、表皮112には、トップ層112aとクッション層112bからなる二層構造の積層シート材料が使用されているとともに、樹脂芯材111は、第1実施例における樹脂芯材20と同一の成形方法により成形されている。そして、第2実施例においては、上下二分割タイプのドアトリム100におけるドアトリムアッパー110の成形方法について本発明方法が適用されている。
図11は、ドアトリムアッパー110の成形方法に使用する成形装置40の全体構成を示すもので、成形上型50、成形下型60の構成は、第1実施例と同様であるため、その説明は省略する。第1実施例と相違する点は、アシストモデル70の構成である。すなわち、第1実施例では、アシストモデル70に表皮セット枠75を一体化した構成を採用したが、この第2実施例においては、アシストモデル70に表皮枠用受け治具76を設け、この表皮枠用受け治具76に表皮30を支持する表皮枠80をワンタッチでスライド装着することで作業性をより高めたことが特徴である。
従って、成形対象が第1実施例では一体型のドアトリム10であるのに対して、第2実施例では上下二分割タイプのドアトリム100におけるドアトリムアッパー110であることから、成形上型50の型面52の形状が相違するとともに、アシストモデル70と成形上型50との関係について、図12,図13に示すように、アシストモデル70にロケートピン77が作業者側に1箇所、射出機61側に2箇所設置され、これと対応するように成形上型50についてもロケートピン77を差し込むためのロケート孔58が3箇所に設けられている。従って、アシストモデル70の上昇動作時、成形上型50とアシストモデル70の良好な嵌合性を確保することができる。
そして、この第2実施例においては、アシストモデル70に設けた表皮枠用受け治具76に対して、図14に示すように、表皮112をセットした表皮枠80を矢印方向にスライド装着すれば良いため、一人の作業者で表皮112をアシストモデル70にセットすることが可能となり、作業の省人化を図れる有利さがある。尚、表皮枠80は、表皮112を突き刺して保持するための表皮固定用ピン81が所定ピッチ間隔で設けられているとともに、表皮枠80の底面の4隅部には、表皮枠用受け治具76と磁性吸引力により表皮枠80を保持させるためにマグネット82が埋め込まれている。よって、金属製の表皮枠用受け治具76とマグネット82との磁性吸引力により表皮枠80を表皮枠用受け治具76で保持して、表皮112を成形上型50に保持させた状態で成形が行なわれる。
すなわち、図15に示すように、成形上下型50,60が型開き状態にある時、アシストモデル70が成形上下型50,60の型内に搬送機構により投入される。そして、このアシストモデル70における表皮枠用受け治具76に対して作業者は表皮枠80に表皮112をセットした後、図示しない加熱炉により所定温度に加熱軟化処理した後、表皮112を保持した表皮枠80を表皮枠用受け治具76に装着する。この時、一人の作業者で表皮112のセット作業を完了させることができる。
その後、図16に示すように、アシストモデル70のシリンダ72を伸長動作して、モデル型74及び表皮枠用受け治具76を上昇させ、成形上型50における真空吸引機構Vcを駆動させる。すなわち、表皮枠80が表皮30を介して成形上型50に当接した時点で成形上型50の内面の真空吸引孔53を通じて真空吸引力が作用し、表皮112を成形上型50の型面に沿って真空成形する。そして、アシストモデル70が完全に上昇した時点で成形上型50の外周に設けた外周真空吸引孔53aを通じて真空吸引力が作用し、表皮112を所要形状に成形した状態で成形上型50の型面に確実に保持する。このように、第1実施例同様、表皮112については成形上型50の型面52に沿って真空成形するとともに、成形上型50とモデル型74との間でプレス圧着が行なわれ、絞模様が忠実に現出されるとともに、シャープな形状出しが行なわれる。次いで、成形上型50の真空吸引作用を継続したままアシストモデル70におけるシリンダ72が収縮動作することで、図17に示すように、モデル型74及び表皮枠用受け治具76が下降するが、この時、表皮枠用受け治具76に対して表皮枠80は磁性吸引力により強固に一体化しているため、表皮112のみを成形上型50に残して表皮枠80をアシストモデル70側に回収することができる。そして、アシストモデル70を成形上下型50,60の外部に退避させた後、第1実施例同様、成形上型50を下降操作して、溶融樹脂Mを分配供給した後、成形上下型50,60の型締めにより、樹脂芯材111と表皮112とからなるドアトリムアッパー110を一体成形することができる。
従って、この第2実施例においても、表皮112を成形上型50を真空成形するとともに、成形上型50とアシストモデル70のモデル型74のプレス圧着により薄肉状に成形できるため、溶融樹脂Mのモールドプレス成形時、樹脂芯材111の成形性を高め、かつ外観不良を未然に防止できるとともに、表皮112のセット作業を第1実施例よりも簡単に行なうことができ、表皮112を加熱後、すぐに成形できるため、絞模様を忠実に現出でき、かつシャープな形状出しが行なえる等、第1実施例同様の効果がある。加えて、表皮112がセットを作業者一人で簡単に行なうことができるという付随的な利点がある。
図18は、アシストモデル70における表皮枠用受け治具76の改良例を示すもので、表皮枠用受け治具76の入口部分の幅を広げ、かつガイド傾斜面761を設けてガイド性を高めた改良例が示されている。次いで、図19についても、アシストモデル70における表皮枠用受け治具76と表皮枠80との関係を示すもので、この変形例においては、表皮枠80の底面にマグネット82が省略されている。その代わり、セット枠受け治具76の両側縁に押さえ用フランジ78が設けられている。従って、図20に示すように、表皮112を成形上型50の型面に真空成形とプレス圧着により薄肉状に成形した後、アシストモデル70を下降操作した時、表皮枠用受け治具76における押さえ用フランジ78により、アシストモデル70側に表皮枠80が回収されることで、マグネット82を廃止することができるとともに、表皮枠80のスライド挿入作業についても、スライド装着時にマグネット82の磁性吸引力がスライド挿入の妨げにならないため、表皮枠80を表皮枠用受け治具76にセットする際のセット作業を円滑に行なうことができる。また、図21,図22に示すように、表皮枠用受け治具76の入口部分にストッパー片79を設けておけば、このストッパー片79により表皮枠80が不用意に外部に脱落することがなく、表皮枠80を表皮枠用受け治具76に確実に保持することができる。
以上説明した実施例1、実施例2では、樹脂芯材20の表面に表皮30を同時に成形してなる一体型のドアトリム10の成形方法、あるいは樹脂芯材111の表面に表皮112を同時に成形してなるドアトリムアッパー110を一部に採用した上下二分割タイプのドアトリム100の成形方法にそれぞれ本発明方法を適用したが、その他に、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品全般の成形方法に本発明方法を適用することができるとともに、鉄道車両等の内装パネルや家屋の内装パネル等の成形方法において本発明を適用することもできる。また、成形上下型50,60の型締め直前に溶融樹脂Mを供給するというモールドプレス成形工法を使用したが、成形上下型50,60を型締めした後、溶融樹脂Mを射出充填する射出成形工法に流用することもできる。
本発明方法を適用して製作した自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法に使用する成形装置の第1実施例の構成を示す全体図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムの成形方法における表皮のセット工程を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムの成形方法におけるアシストモデルの上昇による表皮の成形工程を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムの成形方法におけるアシストモデルの下降操作を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムの成形方法におけるアシストモデルの後退操作を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムの成形方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 図3に示す成形装置を使用するドアトリムの成形方法における表皮と樹脂芯材の一体化工程を示す説明図である。 本発明方法を使用して製作したドアトリムアッパーを一部に採用した上下二分割タイプの自動車用ドアトリムを示す(a)正面図、及び(b)断面図である。 本発明に係る積層成形体の成形装置の第2実施例の構成を示す説明図である。 図11に示す成形装置における成形上型の反転図である。 図11に示す成形装置におけるアシストモデルの平面図である。 図11に示す成形装置におけるアシストモデルの表皮枠用受け治具と表皮枠とを示す説明図である。 図11に示す成形装置を使用するドアトリムアッパーの成形方法における表皮のセット工程を示す説明図である。 図11に示す成形装置を使用するドアトリムアッパーの成形方法における表皮の成形工程を示す説明図である。 図11に示す成形装置を使用するドアトリムアッパーの成形工程におけるアシストモデルの後退操作を示す説明図である。 図11に示す成形装置におけるアシストモデルの表皮枠用受け治具の改良例を示す説明図である。 図11に示す成形装置におけるアシストモデルの表皮枠用受け治具の改良例を示す説明図である。 図19に示すアシストモデルの作用を示す説明図である。 図11に示す成形装置におけるアシストモデルの表皮枠用受け治具の更なる改良例を示す説明図である。 図21に示すアシストモデルの作用を示す説明図である。 従来のドアトリムを示す正面図である。 図23中XXIV−XXIV線断面図である。 従来のドアトリムの成形装置の構成を示す概要図である。 従来のドアトリムの成形方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。
符号の説明
10 ドアトリム
20 樹脂芯材
30 表皮
31 トップ層
32 クッション層
40 成形装置
50 成形上型
51 プレス機
52 型面
53 真空吸引孔
53a 外周真空吸引孔
54 空気室
55 真空ポンプ
56 真空吸引管
57 開閉バルブ
60 成形下型
61 射出機
62 マニホールド
63 ゲート
70 アシストモデル
71 搬送テーブル
72 シリンダ
73 支持台座
74 モデル型
75 表皮セット枠
76 表皮枠用受け治具
77 ロケートピン
80 表皮枠
81 表皮固定用ピン
82 マグネット
100 上下二分割型のドアトリム
110 ドアトリムアッパー
111 樹脂芯材
112 表皮
112a トップ層
112b クッション層
120 ドアトリムロア
M 溶融樹脂
Vc 真空吸引機構

Claims (4)

  1. 成形上下型(50,60)内に表皮(30,112)をセットし、成形上下型(50,60)間で形成されるキャビティ内に溶融樹脂(M)を供給することで樹脂芯材(20,111)を所要形状に成形するとともに、樹脂芯材(20,111)の表面に表皮(30,112)を一体化してなる積層成形体(10,110)の成形方法において、
    前記成形上型(50)に真空吸引機構(Vc)が付設された成形上下型(50,60)と、成形上型(50)と協働して表皮(30,112)を成形するために成形上下型(50,60)内に投入されるアシストモデル(70)とからなる成形装置(40)を使用し、型開き状態にある成形上下型(50,60)内に投入されるアシストモデル(70)には、加熱軟化処理した表皮(30,112)が直接、あるいは表皮枠(80)を介してセットされ、このアシストモデル(70)のシリンダ(72)の駆動により、モデル型(74)と表皮(30,112)とを上昇させて、成形上型(50)とモデル型(74)との間で表皮(30,112)をプレス圧着するとともに、成形上型(50)に真空吸引機構(Vc)を動作させることで、成形上型(50)の型面に沿って表皮(30,112)を薄肉状に真空・プレス成形する表皮(30,112)の成形工程と、
    前記成形工程で成形した表皮(30,112)を成形上型(50)の真空吸引力により成形上型(50)に保持する一方、モデル型(74)をシリンダ(72)駆動により下降操作し、アシストモデル(70)を成形上下型(50,60)の外部に退避させた後、表皮(30,112)を保持した成形上型(50)を所定ストローク下降操作し、成形上型(50)が下死点に到達する直前、あるいは到達した後のいずれかのタイミングでキャビティ内に溶融樹脂(M)を供給し、樹脂芯材(20,111)を所望の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材(20,111)の表面に表皮(30,112)を積層一体化する樹脂芯材(20,111)と表皮(30,112)との一体化工程と、
    からなることを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. 表皮(30,112)の成形工程において、成形上下型(50,60)が型開き状態にある時、アシストモデル(70)を成形上下型(50,60)内に投入した後、加熱軟化処理した表皮(30,112)を支持する表皮枠(80)をアシストモデル(70)の上部側に設けられた表皮枠用受け治具(76)にスライド装着することを特徴とする請求項1に記載の積層成形体の成形方法。
  3. 樹脂芯材(20,111)の表面に表皮(30,112)を一体化してなる積層成形体(10,110)を所要形状に成形してなる積層成形体(10,110)の成形装置(40)において、
    前記成形装置(40)は、所定ストローク上下動する可動側の成形上型(50)と、成形上型(50)の下方に位置する固定側の成形下型(60)と、成形上下型(50,60)内に投入され、成形上型(50)と協働して、表皮(30,112)にプレス圧を加えるアシストモデル(70)とから構成され、上記成形上型(50)に表皮(30,112)を真空成形するための真空吸引機構(Vc)が配設されているとともに、上記アシストモデル(70)には、加熱軟化処理した表皮(30,112)をセットする表皮セット枠(75)が一体化されていることを特徴とする積層成形体の成形装置。
  4. 樹脂芯材(20,111)の表面に表皮(30,112)を一体化してなる積層成形体(10,110)を所要形状に成形してなる積層成形体(10,110)の成形装置(40)において、
    前記成形装置(40)は、所定ストローク上下動する可動側の成形上型(50)と、成形上型(50)の下方に位置する固定側の成形下型(60)と、成形上下型(50,60)内に投入され、成形上型(50)と協働して、表皮(30,112)にプレス圧を加えるアシストモデル(70)とから構成され、上記成形上型(50)に表皮(30,112)を真空成形するための真空吸引機構(Vc)が配設されているとともに、上記アシストモデル(70)には、表皮枠(80)を支持する表皮枠用受け治具(76)が設けられていることを特徴とする積層成形体の成形装置。
JP2006329449A 2006-12-06 2006-12-06 積層成形体の成形方法並びに成形装置 Withdrawn JP2008142920A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006329449A JP2008142920A (ja) 2006-12-06 2006-12-06 積層成形体の成形方法並びに成形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006329449A JP2008142920A (ja) 2006-12-06 2006-12-06 積層成形体の成形方法並びに成形装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008142920A true JP2008142920A (ja) 2008-06-26

Family

ID=39603632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006329449A Withdrawn JP2008142920A (ja) 2006-12-06 2006-12-06 積層成形体の成形方法並びに成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008142920A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013184354A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Toyota Boshoku Corp 複合部材の製造方法及び複合部材の製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013184354A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Toyota Boshoku Corp 複合部材の製造方法及び複合部材の製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4906421B2 (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形金型
CN1982035A (zh) 用于制造模制物品的真空模塑方法和装置
JP3904204B2 (ja) 自動車用内装部品及びその端末処理方法
JP4133451B2 (ja) 自動車用内装部品及びその製造方法並びに成形金型
JP2001225339A (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形装置
JP2006231535A (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JP2007203499A (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形金型
JP2009154428A (ja) 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP4889119B2 (ja) 発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置
JP2007223218A (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形金型
JP2008142920A (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形装置
JP4310790B2 (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JP5450032B2 (ja) 表皮の圧着方法並びに圧着装置
JP4917907B2 (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形装置
JP4135916B2 (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JP2001293737A (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形装置
JP2010234689A (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形装置
JP4743506B2 (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JP3750915B2 (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形装置
JP2008126428A (ja) 表皮の貼着方法並びに貼着装置
JP2005028722A (ja) 自動車用内装部品及びその製造方法並びに成形金型
JP2008114478A (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形装置
JP3745933B2 (ja) 積層成形体の成形方法
JP2010179485A (ja) 積層成形品の成形方法並びに成形装置
JP3925859B2 (ja) 装飾シートの圧着方法及び圧着用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100302