JP2001293737A - 積層成形体の成形方法並びに成形装置 - Google Patents

積層成形体の成形方法並びに成形装置

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JP2001293737A
JP2001293737A JP2000111611A JP2000111611A JP2001293737A JP 2001293737 A JP2001293737 A JP 2001293737A JP 2000111611 A JP2000111611 A JP 2000111611A JP 2000111611 A JP2000111611 A JP 2000111611A JP 2001293737 A JP2001293737 A JP 2001293737A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型抜き方向でパーティングラインの高低差が
ある積層成形体を簡単かつ廉価に成形できる積層成形体
の成形方法並びに成形装置を提供する。 【解決手段】 プレス上型30のキャビティ部30aの
外周に、固定側と可動側の上部枠32を設け、可動側上
部枠32bにスプリング35を介装し、常に下方にバネ
付勢するとともに、プレス下型40のコア部40a外周
に下部枠43を常にスプリング45のバネ力により上方
に付勢した状態で設け、下型40側のスプリング45の
バネ力をプレス上型30側のスプリング35のバネ力に
対して大きく設定することにより、プレス上下型30,
40による型締め時、表皮材12の周縁部をプレス上型
30のキャビティ部30aのパーティングラインに追随
させることにより、表皮材12の切れ、シワ等の成形不
良を抜本的に解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用内装部
品に好適な積層成形体の成形方法並びに成形装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車体パネルに内装される
自動車用内装部品の一例として、図12にラゲージルー
ムの側面に装着されるラゲージサイドトリム1の構成を
例示して説明する。ラゲージサイドトリム1は、保形性
並びに車体パネルへの取付剛性を備えた樹脂芯材1a
と、この樹脂芯材1aの表面側に積層一体化され、クッ
ション性を備える表皮材1bとの積層成形体から構成さ
れている。
【0003】そして、ラゲージサイドトリム1の成形工
法としては、モールドプレス成形工法、コールドプレス
成形工法等が適用できるが、モールドプレス成形工法を
適用した場合について図13,図14を基に説明する
と、モールドプレス成形装置2としては、プレス上型
3、プレス下型4、並びにプレス下型4に接続されてい
る射出成形機5とから構成されており、射出成形機5か
ら樹脂芯材1aの素材である溶融樹脂Mをプレス下型4
の型面上に供給するとともに、予めプレス上型3にセッ
トされている表皮材1bをプレス上下型3,4の型締め
により樹脂芯材1aと一体成形している。
【0004】ところで、ラゲージサイドトリム1のよう
に、型抜き方向でパーティングラインの高低差(図12
中aで示す寸法)がある場合には、プレス成形時に表皮
材1bは引き伸ばされ、シート切れ、樹脂漏れ、シワ発
生等の不良が発生しやすいため、図13に示すように、
表皮材1bの保持機構として、固定枠6と可動枠7とを
併用して、この可動枠7をエアシリンダ8により上下動
作させることにより対応している。
【0005】すなわち、表皮材1bのセット時には、エ
アシリンダ8が伸長状態であり、固定枠6と可動枠7と
はほぼ同一平面上に位置し、表皮投入機から表皮材1b
のセットが円滑に行なわれ、その後、図14に示すよう
に、モールドプレス成形時には、プレス上型3が下降動
作するのに連れて、エアシリンダ8が収縮して、可動枠
7が上昇し、プレス上下型3,4のパーティングライン
に追随するように表皮材1bのセット高さを調整でき、
表皮切れ、樹脂漏れ、シワの発生等の成形不良をなくす
ようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来で
は、ラゲージサイドトリム1のように、成形型のパーテ
ィングラインに高低差がある部品においては、エアシリ
ンダ8を動作させて対応していたため、エアシリンダ8
を設定するためのスペース、並びにエアシリンダ8を動
作させるための回路やそれを支持するための補強構造を
必要とし、コストアップを招来するとともに、動作回路
や支持機構等の付加設備を多く必要とするという不具合
が指摘されている。
【0007】更に、エアシリンダ8を動作させる時間だ
け成形サイクルが長期化するとともに、成形時には表皮
材1bからエアシリンダ8のピストンロッドにスラスト
方向に応力が加わり、エアシリンダ8の円滑な動作が長
期に亘り保証できず、メンテナンス上の問題があるとと
もに、表皮材1bのセットは、プレス上型3側にしかで
きず、プレス下型4への表皮材1bのセット作業が不可
能であり、表皮材1bのセット作業においても大きな制
約を受けているのが実情である。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、成形型におけるパーティングラインの高低差
を有する積層成形体の成形方法であって、金型設備、成
形コストを低減化できるとともに、表皮材のセットを上
下型いずれの側にも適用でき、しかも、成形サイクルも
短縮化できる積層成形体の成形方法並びに成形装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願に係る請求項1に記載の発明は、パーティング
ラインを立体形状に設定してなるプレス上下型により、
樹脂芯材と表皮材とを所要形状にプレス一体化してなる
積層成形体の成形方法において、プレス上下型のキャビ
ティ外周に沿って設けられた上部枠と下部枠がそれぞれ
上下動可能で対向する側に向けてバネ付勢されており、
表皮材を上部枠、下部枠のいずれか一方側にフラット状
にセットした後、プレス上型の下降によりフラット状の
表皮材の周縁を上部枠、下部枠とで上下から挟持すると
ともに、プレス上型の下降動作により、プレス上下型の
型締め時、上部枠と下部枠との双方のスプリングの平衡
作用により、表皮材をパーティングラインに追随させ
て、樹脂芯材と表皮材とのプレス一体化を行なうことを
特徴とする。
【0010】更に、本願に係る請求項2記載に記載の発
明は、パーティングラインを立体形状に設定してなるプ
レス上下型により、樹脂芯材と表皮材とを所要形状にプ
レス一体化してなる積層成形体の成形装置において、前
記プレス上型は、キャビティ部の外周に沿って表皮材の
周縁部の上面を保持する上部枠が設けられており、この
上部枠は、プレス上型とプレス下型のパーティング面の
上下位置により、パーティングラインが高位置にあるも
のにおいて、スプリングにより常に下方にバネ付勢され
た状態で上下動可能であるとともに、プレス下型のコア
部外周には、表皮材の周縁下面を保持する下部枠が設け
られており、この下部枠は、上下動可能に構成されると
ともに、スプリングにより常時上方に付勢され、上記上
部枠を下方に付勢するスプリングのバネ力に対して下部
枠を上方に付勢するスプリングのバネ力が大きく設定さ
れていることを特徴とする。
【0011】ここで、成形工法としては、モールド成形
工法、コールドプレス成形工法等が適用でき、モールド
プレス成形工法では、射出成形機から供給される溶融樹
脂がプレス下型のホットランナ、ゲートを通じてプレス
下型の型面に供給される。また、コールドプレス成形工
法においては、樹脂芯材の原反である複合樹脂板、ある
いは樹脂板等を加熱軟化処理後、プレス下型の型面上に
載置する。
【0012】そして、いずれの成形工法においても、プ
レス上型は、昇降用シリンダの駆動により所定ストロー
ク上下動可能であり、キャビティ部を備えているととも
に、プレス下型はプレス上型のキャビティ部に対応する
コア部を備えており、モールドプレス成形装置に適用す
る場合には、このプレス下型にホットランナ、ゲートが
内装される。
【0013】更に、プレス上下型に設けられる表皮保持
機構として、プレス上型のキャビティ部外周に沿って上
部枠が設けられ、プレス下型にはコア部外周に沿って上
部枠と対応する下部枠が設けられている。
【0014】そして、上部枠は、全長に沿って複数ブロ
ックに区画されており、パーティングラインの高低差に
応じて固定側上部枠と可動側上部枠とがそれぞれ設定さ
れ、可動側上部枠は上下動でき、かつ下方に向けて付勢
するスプリングが介装されている。
【0015】例えば、可動側上部枠としては、上部枠を
支持ロッドで支持し、この支持ロッドがプレス上型の型
内に没入することにより、上部枠が上下動可能であり、
プレス上型の型面と上部枠との間にスプリングを介装す
ることにより、上部枠は常に下方にバネ付勢されること
になる。
【0016】一方、プレス下型の下部枠は、支持ロッド
により支持され、この支持ロッドがプレス下型の挿通孔
内に上下動可能に収容され、プレス下型の型面と下部枠
との間にスプリングが介装されることにより、下部枠は
常に上方にバネ付勢されることになる。
【0017】ここで、上部枠のスプリングと下部枠のス
プリングのスプリング力について、所定の機能を発揮さ
せるためには、下部枠のスプリングのスプリング力を上
部枠のスプリングのスプリング力に対して大きく設定す
ることが必要である。
【0018】また、上部枠と下部枠との間で表皮材の周
縁部分を挟持状態で保持するが、例えば、上部枠の下面
にセットピンを所定ピッチで突設して、このセットピン
が表皮材を貫通し、かつ下部枠の差込み孔内に差し込ま
れることにより、表皮材を保持しても良いが、上部枠の
フラット状下面と下部枠のフラット状上面との間で表皮
材の周縁部分を挟持しても良く、更に、上部枠と下部枠
のうち、いずれかの一方側の対向面に表皮材の引込み方
向に沿って湾曲状となる湾曲面を形成しておけば、型内
への表皮材の滑り込みが期待できる。
【0019】更に、成形完了後は、プレス上型の上昇と
同時に下部枠がスプリングのバネ力により上方に付勢さ
れれば、プレス下型上の積層成形体周縁の表皮材に剥離
方向に外力が加わることになるが、型締め時、下部枠が
下降した状態で保持できるようにボールプランジャ等の
ロック機構を設けることが好ましく、このボールプラン
ジャ等によるロック機構は成形品のエジェクタ機構によ
る突上げ時にエジェクタプレートにより下部枠の支持ロ
ッドが上方に突き上げられてロックを解除させるように
すれば良い。
【0020】以上の構成から明らかなように、表皮材の
周縁部分を上部枠と下部枠との間で保持した状態でプレ
ス上型を下降操作すれば、上部枠のスプリング力と下部
枠のスプリング力との差異により上部枠側スプリングが
収縮して、表皮材はプレス上型のパーティングラインに
追随した状態で樹脂芯材と表皮材の一体成形が行なわれ
るため、表皮切れ、シワ等が生じることなく、樹脂芯材
と表皮材とを良好に一体成形できる。従って、従来のエ
アシリンダを廃止することができ、スプリングを利用し
た簡易型構造となる。
【0021】また、表皮材を上部枠と下部枠との間で挟
み込んで支持するため、表皮材のセット作業はプレス上
型の上部枠でもプレス下型の下部枠でもいずれにセット
することも可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る積層成形体の
成形方法並びに成形装置の実施形態について、添付図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0023】図1,図2はラゲージサイドトリムを示す
正面図並びに断面図、図3は本発明に係る成形装置の一
実施形態の構成を示す概要図、図4,図5は表皮保持機
構の構成を示す各説明図、図6乃至図10は本発明方法
の各工程を示す説明図、図11は表皮保持機構の別実施
形態の構成を示す説明図である。
【0024】図1,図2において、本発明に係る積層成
形体の一実施例であるラゲージサイドトリム10は、自
動車の後部荷物室両側の車体パネルに装着される内装部
品であり、所望の曲面形状に成形された樹脂芯材11
と、この樹脂芯材11の表面に一体貼着された表皮材1
2とから大略構成されている。
【0025】更に詳しくは、樹脂芯材11としては、ポ
リプロピレン樹脂90重量部に対してタルクを10重量
部混入した複合樹脂材料を使用し、後述するモールドプ
レス成形工法により図示する曲面形状に成形され、この
樹脂芯材11のモールドプレス成形時にTPO(サーモ
プラスチックオレフィン)シート、塩ビシート等のトッ
プ層12a裏面にポリエチレンフォーム等の発泡層12
bを積層した表皮材12が一体化されている。
【0026】更に、ラゲージサイドトリム10は、その
周縁端末13が同一平面上に位置するものではなく、一
般部端末13aに対して突出部端末13bが車室内側に
突出しており、図2中hに示す距離だけ突出部端末13
bが一般部端末13aに対して手前側に位置している。
このように、ラゲージサイドトリム10に代表される積
層成形体は、製品の周縁形状が二次元ではなく三次元形
状に設定されている。
【0027】次いで、上記ラゲージサイドトリム10を
モールドプレス成形する際に使用する成形装置20の構
成について、その全体構成を図3、表皮保持機構の構成
について図4,図5を基に説明する。
【0028】図3において、成形装置20は、プレス上
型30、プレス下型40、並びにプレス下型40に隣接
して付設される射出成形機50とから大略構成されてい
る。
【0029】更に詳しくは、プレス上型30は、昇降用
シリンダ31により所定ストローク上下動可能であり、
プレス下型40は、射出成形機50から供給される溶融
樹脂の通路であるホットランナ41、並びにゲート42
が設けられている。そして、プレス上下型30,40
は、ラゲージサイドトリム10の周縁端末13が三次元
形状に設定されていることから、プレス上型30のキャ
ビティ部30a並びにプレス下型40のコア部40aに
ついては、上下方向にその端末部分に高低差が設定され
ている。
【0030】ところで、本発明は、ラゲージサイドトリ
ム10のように、プレス上下型30,40におけるパー
ティングラインに高低差を有する積層成形体において、
表皮材12を簡単かつ確実に一体化できるように、独自
の表皮保持機構が設けられている。
【0031】すなわち、表皮材12の周縁部分を上下か
ら挟み込むことができるように、プレス上型30に設け
られる表皮保持機構として、表皮材12の周縁部に対応
して上部枠32が設けられており、この上部枠32の下
面には、所定ピッチ間隔で先端が鋭利なセットピン33
が配設されている。
【0032】そして、上部枠32は、パーティグライン
の高低差によって固定側上部枠32aと可動側上部枠3
2bが2種類設定され、各上部枠32a,32bはブロ
ック毎に分割して設けられており、特に可動側上部枠3
2bは、支持ロッド34がプレス上型30内に挿通さ
れ、スプリング35が可動側上部枠32bの上面とプレ
ス上型30の型面との間に介装されている。
【0033】一方、プレス下型40における表皮保持機
構は、コア部40aの外周に沿ってこれも表皮材12の
周縁部に対応して下部枠43がブロック毎に分割状に設
けられ、支持ロッド44が下部枠43の下面に所定ピッ
チ間隔で取り付けられており、この支持ロッド44はプ
レス下型40の挿通孔44a内に挿通されている。スプ
リング45が下部枠43の下面とプレス下型40の上面
との間に介装されており、下部枠43は上下動可能であ
るとともに、スプリング45のバネ力により、常時上方
にバネ付勢されている。尚、下部枠43は、便宣上、固
定側上部枠32a、可動側上部枠32bに対して、それ
ぞれ対応する下部枠43を43a,43bと符号化す
る。
【0034】また、本発明においては、上部枠32を下
方向に付勢するスプリング35のスプリング力と、下部
枠43を上方に付勢するスプリング45のスプリング力
との関係は、下部枠43のスプリング45のスプリング
力が上部枠32のスプリング35のスプリング力に対し
て強く設定されている。
【0035】成形装置20の全体構成は図3に示す通り
であり、表皮材12の表皮保持機構として更に詳細部分
を説明すると、図4(a)に示すように、上部枠32の
下面にセットピン33がキャップスクリュー33aを締
め付けることにより取り付けられており、このセットピ
ン33に対応して下部枠43の中央には、差込み孔33
bが開設されている。
【0036】従って、表皮材12の周縁部分を保持する
には、図4(b)に示すように、表皮材12の周縁部分
がセットピン33の鋭利な先端部分で貫通され、下部枠
43の差込み孔33b内に収容されることにより、表皮
材12の周縁部分は、上部枠32と下部枠43との間で
挟持され、かつセットピン33が表皮材12を上下に貫
通していることにより強固に保持される。
【0037】次に、図5に示すように、下部枠43を支
持する支持ロッド44は、成形が完了してプレス上型3
0が上昇した際、ラゲージサイドトリム10のエジェク
タ操作前にスプリング45のバネ力により上方に突出す
ることがないように、ボールプランジャ機構によりロッ
クされている。すなわち、2つのボールがプレス下型4
0の上面に支持ロッド44を左右から挟持する状態で設
けられており、このボール46は付勢スプリング46a
により支持ロッド44の周面に当接する方向に押圧され
ている。このボールプランジャ機構と対応するようにプ
レス上型30が下死点まで下降した際、支持ロッド44
が下方に押圧された位置で上記ボール46と合致する位
置の支持ロッド44の周面に窪み44bが形成されてい
る。
【0038】また、図3に示すように、この支持ロッド
44は、積層成形体10がエジェクタプレート47のエ
ジェクタピン47aによりエジェクタ操作される際にエ
ジェクタプレート47と連動して支持ロッド44が上方
に突き上げられ、ボールプランジャ機構によるロック機
構が解除され、スプリング45のバネ力により下部枠4
3が上方に位置することになる。
【0039】次いで、上述した構成の成形装置20を使
用して、樹脂芯材11と表皮材12とからなるラゲージ
サイドトリム10の成形工程について説明する。図6は
成形装置20におけるプレス上下型30,40の型開き
状態を示しており、この状態では、上部枠32並びに下
部枠43は、表皮材12のセットがやりやすいように、
それぞれ同一水平面上に位置している。
【0040】更に、表皮投入機60がプレス上下型3
0,40の型内に投入され、表皮投入機60の内蔵シリ
ンダの上下動作により、表皮投入機60上にセットされ
ている表皮材12は、上部枠32に対して押し上げら
れ、表皮材12は、セットピン33に貫通され、表皮材
12はその周縁部分に沿って上部枠32の下面に保持さ
れる。
【0041】そして、表皮材12のセット作業が完了す
れば、プレス上型30は、昇降用シリンダ31の動作に
より、所定ストローク下降して、表皮保持機構は、図4
(b)並びに図7に示すように、まず、表皮材12の周
縁部は、上部枠32と下部枠43とにより挟持されると
ともに、セットピン33に貫通され、強固に保持され
る。
【0042】その後、継続して昇降用シリンダ31の動
作によりプレス上型30が下降動作を継続し、プレス上
型30のキャビティ部30aの型面とプレス下型40の
コア部40aの型面との間の型間距離が10〜30mm
に到達した際、図8に示すように、射出成形機50、ホ
ットランナ41、ゲート42を通じてプレス下型40の
コア部40aの型面に溶融樹脂Mが供給される。
【0043】このとき、表皮材12は、固定側上部枠3
2aと対応する下部枠43aは下方向に押圧される一
方、可動側上部枠32bはスプリング35が収縮するが
対応する下部枠43bのスプリング45はほとんど収縮
していないため、可動側上部枠32bはプレス上型30
のパーティング面に近接する。このことは、双方のスプ
リング35,45のスプリング力に強弱を設定したこと
による。
【0044】そして、プレス上型30が下死点まで降下
して、樹脂芯材11と表皮材12の成形が行なわれると
きには、図9に示すように、固定側上部枠32aに対応
する下部枠43aはスプリング45がほとんど収縮した
状態にあり、それと対称的に可動側上部枠32bのスプ
リング35は収縮が大きく、かつこれに対応する下部枠
43bのスプリング45は若干収縮した状態である。
【0045】従って、表皮材12の周縁部分はプレス上
型30のキャビティ部30aの外周のパーティング面に
追随する形となり、表皮材12に過度のテンションが加
わることがないため、表皮切れやそれに付随して樹脂漏
れ、あるいはシワ発生等の成形不良が生じることがな
く、樹脂芯材11と表皮材12が良好にプレス一体化さ
れる。
【0046】そして、ラゲージサイドトリム10の成形
が完了すれば、図10(a)に示すように、プレス上型
30が上昇動作するが、プレス下型40に設けられてい
る下部枠43は、スプリング45のバネ力が作用して
も、ボールプランジャ機構により、ロックされているた
め、表皮材12の周縁部分が上方に持ち上がることがな
く、表皮材12の剥離という不具合が生じることがな
い。
【0047】また、図10(b)に示すように、エジェ
クタプレート47の動作により、エジェクタピン47a
が突き上がり、ラゲージサイドトリム10を突き上げす
る際に、このエジェクタプレート47により、支持ロッ
ド44が上方に突き上げられ、ボール46が支持ロッド
44の窪み44bから外れれば、スプリング45の付勢
力が作用して、下部枠43は図7に示す上方に位置する
ことになり、連続して表皮材12のセット作業を円滑に
行なうことができる。
【0048】このように、上記成形装置20を使用して
ラゲージサイドトリム10を成形する工法に適用すれ
ば、成形装置20は、表皮保持機構として、従来のエア
シリンダの替わりに上部枠32と下部枠43にそれぞれ
スプリング35,45を配置して、双方のスプリング3
5,45のスプリング力に差異をもたせるという簡単な
構成で表皮材12の成形不良を確実に防止できるという
ものであるから、エアシリンダを廃止することにより、
金型設備の簡素化、並びにエアシリンダの成形サイクル
廃止によるサイクルの短縮化とを図ることができ、しか
も、表皮材12は上部枠、下部枠のいずれにセットする
こともできるため、セット作業における制約も排除でき
る有利さがある。
【0049】次に、図11は表皮保持機構の改良例であ
り、セットピン33を廃止した改良例を示す。
【0050】図11(a)は、上部枠32のフラット状
下面と、下部枠43のフラット状上面の間で表皮材12
の周縁部分を挟持するというもので、スプリング35,
45のスプリング力を調整することにより、表皮材12
の保持力も適宜可変でき、また、複雑な曲面状に成形す
る場合、型内に表皮材12を多く引き込むことが可能と
なり、深絞り形状の一体成形に効果がある。
【0051】また、図11(b)に示すように、下部枠
43の上面に湾曲状当接部48を設けることにより、表
皮材12の周縁部分は、上部枠32のフラット状下面と
下部枠43上面に設けた湾曲状当接部48により、表皮
材12の下側は線接触状態となり、表皮材12成形時に
型内への表皮材12の引込み量を多く確保できるため、
深絞り成形により適している。
【0052】以上はモールドプレス成形工法に適用した
成形装置20を使用してラゲージサイドトリム10を成
形するという実施形態について説明したが、複合樹脂
板、樹脂板等を加熱軟化処理後、プレス下型40にセッ
トして、樹脂芯材11と表皮材12とのプレス一体成形
を行なうコールドプレス成形に適用することも可能であ
り、また、パーティングライン形状に高低差がある製品
であれば、ラゲージサイドトリム10以外の部品に適用
することも可能であるなど、本発明は実用的価値が高
い。
【0053】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る積層成
形体の成形方法並びに成形装置によれば、プレス上下型
に上部枠、下部枠をそれぞれ設け、各上部枠、下部枠に
スプリングを介装し、各スプリングのスプリング力に強
弱を設けることにより、表皮材をパーティングラインに
追随させるというものであるから、従来のエアシリンダ
を廃止することにより、金型設備が簡素化でき、設備コ
ストの低減化、成形サイクルの短縮化、スペースの簡素
化が図れるとともに、表皮材をプレス上型、プレス下型
のいずれにもセットでき、表皮材のセット作業の制約を
緩和でき、セット作業のバリエーションを高めることが
できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用して製作したラゲージサイド
トリムを示す正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】本発明に係る成形装置の一実施形態の構成を示
す概要図である。
【図4】図3に示す成形装置における表皮保持機構の構
成を示す説明図である。
【図5】図3に示す成形装置における下部枠のロック状
態を示す説明図である。
【図6】本発明方法における表皮材のセット工程を示す
説明図である。
【図7】本発明方法における表皮材の上部枠、下部枠に
よる挟持状態を示す説明図である。
【図8】本発明方法における溶融樹脂の供給工程を示す
説明図である。
【図9】本発明方法におけるモールドプレス成形工程を
示す説明図である。
【図10】本発明方法における成形後の下部枠の(a)
ロック状態、(b)ロック解除状態をそれぞれ示す説明
図である。
【図11】本発明に係る成形装置における表皮保持機構
の変形態様を示す各説明図である。
【図12】従来のラゲージサイドトリムの構成を示す断
面図である。
【図13】従来のラゲージサイドトリムの成形方法にお
ける表皮材のセット工程を示す説明図である。
【図14】従来のラゲージサイドトリムの成形工法にお
ける表皮材の追随状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ラゲージサイドトリム 11 樹脂芯材 12 表皮材 20 成形装置 30 プレス上型 30a キャビティ部 31 昇降用シリンダ 32 上部枠 32a 固定側上部枠 32b 可動側上部枠 33 セットピン 34 支持ロッド 35 スプリング 40 プレス下型 40a コア部 41 ホットランナ 42 ゲート 43 下部枠 44 支持ロッド 44a 挿通孔 44b 窪み 45 スプリング 46 ボール 47 エジェクタプレート 47a エジェクタピン 48 湾曲状当接部 50 射出成形機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーティングラインを立体形状に設定し
    てなるプレス上下型(30,40)により、樹脂芯材
    (11)と表皮材(12)とを所要形状にプレス一体化
    してなる積層成形体の成形方法において、 プレス上下型(30,40)のキャビティ外周に沿って
    設けられた上部枠(32)と下部枠(43)がそれぞれ
    上下動可能で対向する側に向けてバネ付勢されており、
    表皮材(12)を上部枠(32)、下部枠(43)のい
    ずれか一方側にフラット状にセットした後、プレス上型
    (30)の下降によりフラット状の表皮材(12)の周
    縁を上部枠(32)、下部枠(43)とで上下から挟持
    するとともに、プレス上型(30)の下降動作により、
    プレス上下型(30,40)の型締め時、上部枠(3
    2)と下部枠(43)との双方のスプリングの平衡作用
    により、表皮材(12)をパーティングラインに追随さ
    せて、樹脂芯材(11)と表皮材(12)とのプレス一
    体化を行なうことを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. 【請求項2】 パーティングラインを立体形状に設定し
    てなるプレス上下型(30,40)により、樹脂芯材
    (11)と表皮材(12)とを所要形状にプレス一体化
    してなる積層成形体の成形装置において、 前記プレス上型(30)は、キャビティ部(30a)の
    外周に沿って表皮材の周縁部の上面を保持する上部枠
    (32)が設けられており、この上部枠(32)は、プ
    レス上型(30)とプレス下型(40)のパーティング
    面の上下位置により、パーティングラインが高位置にあ
    るものにおいて、スプリング(35)により常に下方に
    バネ付勢された状態で上下動可能であるとともに、プレ
    ス下型(40)のコア部(40a)外周には、表皮材
    (12)の周縁下面を保持する下部枠(43)が設けら
    れており、この下部枠(43)は、上下動可能に構成さ
    れるとともに、スプリング(45)により常時上方に付
    勢され、上記上部枠(32)を下方に付勢するスプリン
    グ(35)のバネ力に対して下部枠(43)を上方に付
    勢するスプリング(45)のバネ力が大きく設定されて
    いることを特徴とする積層成形体の成形装置。
  3. 【請求項3】 プレス上型(30)に設けられる上部枠
    (32)の下面に、所定ピッチ間隔でセットピン(3
    3)が設けられており、このセットピン(33)は、表
    皮材(12)を貫通して、プレス下型(40)の下部枠
    (43)に設けられている差込み孔(33b)内に収容
    されて、上部枠(32)と下部枠(43)との間で表皮
    材(12)の周縁部を保持することを特徴とする請求項
    2に記載の積層成形体の成形装置。
  4. 【請求項4】 プレス上型(30)における上部枠(3
    2)のフラット状下面と、プレス下型(40)における
    下部枠(43)のフラット状上面との間で、表皮材(1
    2)の周縁部分を挟持することを特徴とする請求項2に
    記載の積層成形体の成形装置。
  5. 【請求項5】 上部枠(32)、下部枠(43)のいず
    れか一方側の対向面に湾曲状当接部(48)が形成され
    ていることを特徴とする請求項2に記載の積層成形体の
    成形装置。
  6. 【請求項6】 プレス下型(40)のコア部外周に沿っ
    て設けられている表皮材(12)の下側を保持する下部
    枠(43)は、支持ロッド(44)により支持されてお
    り、この支持ロッド(44)は、ポールプランジャ機構
    により下方位置でロック可能であり、エジェクタ機構
    (47)と連動して、ポールプランジャ機構による支持
    ロッド(44)のロック状態が解除されることを特徴と
    する請求項2乃至5のいずれかに記載の積層成形体の成
    形装置。
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