JP2007203499A - 積層成形体の成形方法並びに成形金型 - Google Patents

積層成形体の成形方法並びに成形金型 Download PDF

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Fumiaki Haga
文昭 芳賀
Ikuo Kumagai
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Abstract

【課題】積層成形体の成形方法並びに成形金型であって、絞なしの廉価な樹脂シートを使用しても、絞模様を製品表面に簡単かつ確実に転写できる積層成形体の成形方法並びに成形金型を提供する。
【解決手段】成形上型50にヒーター52からの熱を受ける熱電対53を配置して、型内に投入した表皮30を高温状態の成形上型50に押し付け、次いで、成形上型50を急冷することで、廉価な絞なしシート材料を使用し、別途加熱設備を必要とすることなく、成形と同時に絞模様31aを短時間に精度良く転写する。
【選択図】図3

Description

この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に好適な積層成形体の成形方法並びに成形金型に係り、特に、高価な絞付きシートを使用することなく、簡単な設備で絞模様を確実に表皮に転写することができる積層成形体の成形方法並びに成形金型に関する。
従来から、ドアトリム、ラゲージサイドトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品としては、車体パネルへの取付剛性並びに形状保持性を備えた樹脂芯材の表面に表面風合い、並びにソフト感が良好な表皮を貼着して構成されることが多い。例えば、図20,図21を基にドアトリム1を例示して説明する。ドアトリム1は、樹脂芯材2の表面に表皮3を一体貼着して構成されている。この樹脂芯材2としては、コスト、成形性等を考慮して、ポリプロピレン樹脂にフィラーを適宜混入した複合ポリプロピレン系樹脂材料が使用されている。また、表皮3としては、製品表面側からクロス3a、ポリウレタンフォーム3bからなる二層の積層シート材料が使用されている。この表皮3については、クロス3aにより良好な表面風合いを確保し、ポリウレタンフォーム3bのクッション性により、ソフト感を良好に維持できる機能を備えている。
次に、ドアトリム1の成形方法に使用する従来の成形金型4について、図22を基に説明する。成形金型4は、可動側である成形上型5と、その下方に位置する固定側の成形下型6と、成形下型6に連設されている射出機7とから大略構成されている。成形上型5は、シリンダ5aにより所定ストローク上下動可能に構成され、成形上型5の上下動作により、成形上下型5,6は、型締め、型開きが行なわれる。また、成形下型6には、射出機7から供給される溶融樹脂Mの樹脂通路として、ホットランナ6a、ゲート6bが設けられている。
そして、成形金型4が型開き状態にある時、表皮3の周縁をクランプ枠8により保持した状態で成形金型4内に投入する。次いで、成形上型5を所定ストローク下降操作して、図23に示すように、成形上下型5,6の型クリアランスが所定値に到達した時、射出機7から溶融樹脂Mがホットランナ6a、ゲート6bを通じて成形下型6の型面所定位置に分配供給される。更に、成形上型5の下降動作が続行し、成形上下型5,6の型クリアランスが一定値になった時(成形上型5が下死点に到達した時)、溶融樹脂Mは、成形上下型5,6間のキャビティ形状に沿ってゆきわたり、所望形状の樹脂芯材2が成形されるとともに、この樹脂芯材2の表面に表皮3が一体貼着されて成形が完了する。従来の積層成形体及びその成形方法については、特許文献1に詳細に記載されている。
特開平10−100176号公報
このように、従来の成形金型4による樹脂芯材2と表皮3との同時成形においては、例えば、表皮3として、絞付き樹脂シートを使用した場合には、ドアトリム1の造形上、アームレスト1a等の高展開率部位で表皮3が伸張し、絞模様が消失したり、また、テカリ等が発生するという不具合が指摘されている。
絞付き樹脂シートに替えて、廉価な絞なし樹脂シートを使用した場合には、予めヒーター等で加熱軟化処理を行なった後、成形金型の型面に形成した絞模様を転写させる必要があるため、専用の加熱設備が必要となり、材料コストを低減できる反面、設備費用が嵩むという欠点がある。また、加熱設備で加熱軟化処理を施した後、別途成形金型に搬送しなければならないため、加熱してから成形金型へのセットまでに工数がかかり、成形不良が生じ易いという欠点も同時に指摘されている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、絞なし樹脂シートを使用しても、絞模様を廉価、かつ精度良く転写することができる積層成形体の成形方法並びに成形金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形上下型内に表皮をセットし、成形上下型間で形成されるキャビティ内に溶融樹脂を供給することで樹脂芯材を所要形状に成形するとともに、樹脂芯材の表面側に表皮を一体化してなる積層成形体の成形方法において、前記成形上型には、ヒーターが付設されており、高温に加熱された成形上型の型面に表皮を当接させて、その後、成形上型を急冷することで、成形上型の絞模様を表皮に転写することを特徴とする。
ここで、積層成形体は、樹脂芯材と表皮とから構成されており、樹脂芯材の素材として、熱可塑性樹脂が使用され、1種類の熱可塑性樹脂、あるいは2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用できる。また、熱可塑性樹脂中に充填剤を混入しても良く、充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等がある。更に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種添加剤が配合されても良い。一方、表皮としては、成形金型から絞模様を転写するために、熱可塑性樹脂シートの単一シート材料か、あるいは熱可塑性樹脂シートをトップ層として、その裏面にポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂成形体を裏打ちした積層シート材料を使用することができる。尚、所望ならば、裏面にバッキングシートやメリヤス布等をラミネートしても良い。
更に、積層成形体の用途としては、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に適用できる他に、鉄道車両等の内装パネルや、家屋の内装パネル等に適用することもできる。
また、本発明方法に使用する成形金型は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型と、成形下型に連設される射出機とから構成されており、表皮を加熱して絞模様を転写できるように、成形上型にヒーターが設けられている。
従って、廉価タイプの絞なしの表皮を成形上下型が型開き状態にある時に成形金型内に投入し、その後、成形上型を下降操作すれば、表皮が成形上型の型面に接触する。そして、型締め前に成形下型の型面に溶融樹脂を供給した後、成形上下型を型締めし、成形上下型を急冷することでプレス成形を行なう。この一連の成形工程において、成形上型は予め150〜180℃に加熱され、型締め後は急冷されるため、成形上型の型面に設けられている絞模様が表皮に良好に転写される。
そして、本発明方法によれば、付設されたヒーターにより成形上型は所定の高温に加熱されているため、表皮を加熱する手間や専用の加熱設備を省くことができ、加熱処理を施すことなく表皮を成形金型内に投入して成形すれば良いため、工数を短縮化することができる。更に、高温状態の成形金型で表皮をプレス成形し、冷却することにより絞の転写性が向上し、外観性能を高めることができる。
次いで、本発明方法における別の好ましい実施の形態においては、成形上下型の型開時に、成形上下型内にアシストモデルを投入し、このアシストモデルを上昇操作し、表皮を成形上型の型面に押し付け、その後、成形上型を急冷することで、成形上型の絞模様を表皮に転写することを特徴とする。
ここで、アシストモデルは、成形下型の型面形状に合致した形状に形成され、搬送機構と昇降機構とを備えている。アシストモデルの搬送機構により、アシストモデルが待機位置から成形金型内に投入される一方、アシストモデルの昇降機構により、成形上型の型面に表皮を押圧する。そして、この実施の形態によれば、アシストモデルにより表皮を加熱状態にある成形上型に押し付け、急冷することにより賦形した絞形状を短時間で良好に転写することができる。更に、表皮に絞模様を転写した後は、表皮を成形上型に密着保持した状態で成形上型を下死点まで下降させ、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際、賦形された表皮と成形下型との間のクリアランスを一定に維持できるため、表皮に熱的ダメージが加わることがなく、また、溶融樹脂の流動性を高めることができる。
更に、本発明方法の好ましい実施の形態においては、前記成形上型には、冷却用エアを積層成形体の表面に吹き付けるためのブロワ管が配管され、積層成形体の成形後、成形上型を上昇させた後、ブロワ管から冷却用エアを積層成形体の表面に吹き付けて強制的に冷却することを特徴とする。
ここで、ブロワによる急冷は約10秒程度である。そして、この実施の形態によれば、加熱プレス後、成形上型を上昇させ、冷却用エアにより成形体の表面を急冷するため、賦形された絞形状が保持され易くなる。
以上説明した通り、本発明に係る積層成形体の成形方法は、成形上型にヒーターが付設されており、成形金型内に投入された表皮は、成形上型により加熱処理され、樹脂芯材の成形時に表皮が急冷されるため、成形上型の型面から絞模様を表皮に対して精度良く、かつ短時間に転写することができる。従って、別途加熱設備を必要とすることなく、成形と同時に絞模様を簡単に転写することができ、絞形状を良好に維持することができることから、廉価に外観性能の優れた積層成形体を提供することができるという効果を有する。
以下、本発明に係る積層成形体の成形方法並びに成形金型の実施例について、ドアトリムの成形方法及びそれに使用する成形金型の具体例を例示して詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図6は本発明の第1実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は本発明方法に使用する成形金型の全体構成を示す説明図、図4乃至図6は本発明の各工程を示す説明図である。
まず、図1,図2において、ドアトリム10は、所望の曲面形状に成形され、図示しないドアパネルへの取付剛性及び形状保持性を有する樹脂芯材20の表面に表面外観並びに表面感触に優れた表皮30を一体化して構成されている。尚、ドアトリム10には、各種付属部品が装着されている。例えば、中接部には、インサイドハンドルエスカッション11が取り付けられており、中接部の下方に位置するアームレスト12は、室内側に膨出する形状に成形され、アームレスト12の上面にプルハンドルユニット13、パワーウインドウスイッチエスカッション14が取り付けられている。また、アームレスト12の下方には、備品を収容できるドアポケット15が配備され、そのフロント側には、ドアトリム10と一体、あるいは別体にスピーカグリル16が取り付けられている。
そして、上記ドアトリム10における樹脂芯材20としては、熱可塑性樹脂の材料を使用し、成形工法としては、後述するモールドプレス成形工法の他に射出成形工法等の各種成形工法を採用することができる。使用する熱可塑性樹脂材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等がある。
一方、表皮30としては、本実施例ではトップ層31、クッション層32の二層積層体からなるシート材料が使用されており、トップ層31としては、TPO(サーモプラスチックオレフィン)、PVC樹脂、PP樹脂等の熱可塑性樹脂シートが使用され、クッション層32としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂シートが使用されている。尚、図示はしないが、所望ならばクッション層32の裏面にメリヤス布や不織布等のバッキング層を裏打ちしても良い。
ところで、本発明は、樹脂芯材20の表面に表皮30を一体化してなるドアトリム10において、特に、表皮30におけるトップ層31の表面に美麗な絞模様31aが形成され、外観意匠性が向上しており、特に絞模様を設けた高価な樹脂シート材料を使用するのではなく、絞模様が施されていない廉価タイプの樹脂シート材料を使用しても、簡単かつ廉価に絞模様31aを形成できることが特徴である。そのための成形金型40の構成を図3を基に説明する。成形金型40は、所定ストローク上下動可能な成形上型50と、成形上型50の下方に位置する成形下型60と、成形下型60に連設されている射出機70とから大略構成されている。
更に詳しくは、成形上型50は、昇降シリンダ51の駆動により所定ストローク上下動可能であるとともに、ヒーター52が付設されており、このヒーター52から成形上型50に配管されている熱電対53に伝熱されて成形上型50は150〜180℃の高温状態まで加温される。また、成形上型50には、冷媒を循環させる冷却用配管54が埋設されており、素材を冷却する際には、この冷却用配管54に冷媒が循環供給される。尚、成形上型50の型面には、その全面に亘り絞模様50aが刻設されている。一方、成形下型60は、射出機70から供給される溶融樹脂Mの樹脂通路となるマニホールド61、ゲート62が設けられており、これらマニホールド61、ゲート62を通じて成形下型60の型面所定位置に溶融樹脂Mが供給される。尚、図3中符号55は、表皮30の周縁を保持するクランプ枠を示している。
次いで、図4乃至図6に基づいて、本発明方法、すなわちドアトリム10の成形方法について説明する。まず、成形上下型50,60が型開き状態にある時、図4に示すように、クランプ枠55により表皮30の周縁が保持された状態で成形金型40内に投入される。そして、図5に示すように、昇降シリンダ51が駆動して、成形上型50が所定ストローク下降し、成形上下型50,60の型クリアランスが10〜20mmに到達した時、射出機70、マニホールド61、ゲート62を通じて樹脂芯材20の素材である溶融樹脂Mが供給される。この溶融樹脂Mの素材としては、上述した汎用の熱可塑性樹脂材料が使用でき、本実施例では、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)が使用されており、タルクが適宜割合で混入されていても良い。
また、ヒーター52からの熱が熱電対53を通して成形上型50に伝熱され、この成形上型50は、150〜180℃の高温に加熱されている。表皮30に有効に伝熱するためにヒーター52からの加熱のタイミングは、表皮30をセットする表皮30のセット工程から始めても良く、図5に示す成形上型50と表皮30とが接触する時点において、150〜180℃の高温状態に成形上型50が保たれていれば良い。次いで、図6に示すように、成形上型50は、昇降シリンダ51の駆動により下死点まで下降し、成形上下型50,60の型締めが行なわれ、溶融樹脂Mが成形上下型50,60間のキャビティ形状に沿ってゆきわたり、樹脂芯材20が所要形状にプレス成形される。このモールドプレス成形工程の初期時において、成形上型50は高温に加熱されており、高温に加熱された状態で5秒程度加圧され、その後、加熱を停止し、冷却用配管54に冷媒を循環させて急冷を行なう。この急冷時間としては、100℃以下の温度で10秒程度行なえば良い。
このように、一連の成形工程で成形されたドアトリム10は、樹脂芯材20が所望の曲面形状に成形され、この樹脂芯材20の表面に表皮30が一体化されるとともに、表皮30におけるトップ層31は、成形上型50の型面に形成されている絞模様50aが成形上型50の加熱、冷却により、トップ層31の製品表面に忠実に転写される。その結果、廉価な樹脂シート材料を使用しても、成形上型50に対して温度調整を行なうだけで、別途加熱工程を経ることなく、成形金型40内で加熱、冷却を行なうことにより、簡単かつ廉価に美麗な絞模様31aを表皮30に短時間で精度良く転写することができる。
従って、従来の高価な絞付き表皮を使用する場合に比べ、材料コストを抑えることができるとともに、絞残り性、テカリ等の不具合が生じることがない。そして、上述したように、絞なしの廉価な表皮材料を使用しても表皮加熱専用設備が不要となり、工数を削減でき、絞模様の転写性が向上し、外観意匠性が向上するという利点がある。
図7乃至図13は本発明の第2実施例を示すもので、第1実施例同様、ドアトリムの成形方法に本発明方法を適用している。この第2実施例における成形金型40Aは、第1実施例で使用する成形金型40の構成に加えて、成形上型50に真空吸引機構56が配設されるとともに、表皮30の予備成形を行なうアシストモデル80が付設されている。
具体的には、このアシストモデル80は、成形下型60の型面形状に合致した形状を備えた樹脂成形体、あるいはアルミニウム等の軽金属材料から構成されており、アシストモデル80は待機位置から成形金型40内に投入され、更に成形上型50の型面に表皮30を押圧するように突き上げ可能な構成になっている。すなわち、アシストモデル80の搬送機構81と昇降機構82が備わっており、搬送機構81によりアシストモデル80は図中矢印A方向にスライド可能に支持される一方、昇降機構82により図中矢印B方向に上下動可能に支持されている。
そして、この成形金型40Aを使用して、ドアトリム10の成形を行なえば、図8に示すように、成形金型40Aにおいて、成形上下型50,60が型開き状態にある時、成形金型40A内に表皮30の周縁をクランプ枠55により保持した状態で投入するとともに、その下方にアシストモデル80を搬送機構81の駆動により型内に投入する。この時、成形上型50は、ヒーター52がON状態にあり、熱電対53を通して成形上型50は所定の高温状態に維持されている。
その後、図9に示すように、アシストモデル80は、矢印で示すように、昇降機構82の駆動により上昇し、表皮30を成形上型50の型面に押し付ける。すなわち、成形上型50とアシストモデル80との間で表皮30を挟み付けて形状出しを行なう。この時、成形上型50は所定の高温状態に維持されている。その後、ヒーター52からの加熱を停止し、冷却用配管54に冷媒を循環させることで成形上型50を急冷させて、表皮30を賦形し、その際に表皮30の製品表面、すなわち、トップ層31の製品面に絞模様31aとして成形上型50の型面から絞模様50aを忠実に転写させる。
表皮30の予備成形が完了し、絞模様31aが忠実に転写されれば、アシストモデル80を昇降機構82の動作により下降させて、搬送機構81により成形金型40Aの外部に退避させる。そして、アシストモデル80を金型外に退避させた後、図10に示すように、昇降シリンダ51の駆動により、成形上型50を下降させるが、成形上型50の真空吸引機構56が動作して、成形上型50の型面に保持された状態で成形上型50と表皮30とが一体に下降し、成形上下型50,60の型クリアランスが10〜20mm程度に到達した時、射出機70からマニホールド61、ゲート62を通じて溶融樹脂Mがキャビティ内に供給される。
この時、第2実施例においては、表皮30は予備成形されて絞模様31aも転写され、成形上型50の型面に忠実にフィットした状態であり、この表皮30の裏面と、成形下型60の型面との間には一定のクリアランスが確保されているため、溶融樹脂Mの流動性を損なうことがないとともに、表皮30は熱的ダメージを過度に受けることがない等、成形不良も回避でき、成形性を向上させることができる。そして、図11に示すように、成形上型50が下死点まで下降して、成形上下型50,60の型締めにより、樹脂芯材20を所望の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材20の表面に表皮30を一体化することでドアトリム10の成形が完了する。
図12,図13は、本発明に係る第2実施例の変形例を示すもので、図12に示すように、成形上型50に付設された真空吸引機構56により、表皮30に真空成形を行なうようにしても良い。この場合においても、クランプ枠55により表皮30の周縁を保持した状態で真空吸引機構56を動作させる。この時、成形上型50は、ヒーター52による加熱工程及び冷却用配管54に冷媒を循環させることによる冷却工程が採用されているため、絞模様31aが転写されており、表皮30は予備成形時に絞模様31aが精度良く転写される。そして、図13に示すように、成形上型50が下降して、溶融樹脂Mが供給され、樹脂芯材20の成形とその表面に表皮30が一体化される。その際、良好な成形性が確保できる点はアシストモデル80を使用した場合と同等の作用効果が得られる。更に、図12,図13では、真空吸引機構56による真空成形機能を付加したため、金型設備をより簡素化できるという利点がある。
図14乃至図19は本発明の第3実施例を示す。この第3実施例における成形金型40Bは、成形上型50、成形下型60、射出機70とから構成されている点は第1実施例、第2実施例と同一である。すなわち、この第3実施例においては、成形上型50にヒーター52、熱電対53が設けられ、成形上型50が高温に加熱され、更に、冷却用配管54に冷媒を循環させることにより、急冷が行なわれる点は第1実施例、第2実施例と同様であるが、この第3実施例においては、成形上型50にエアブロー機構を構成するブロワ57、ブロワ管58が設けられている。
そして、この第3実施例においても、ドアトリム10の成形方法に適用した場合、図15に示すように、表皮30の周縁をクランプ枠55により保持して型開き状態にある成形上下型50,60内に投入する。この時には、成形上型50は、上述実施例同様、ヒーター52、熱電対53により所定の高温状態に加熱されている。次いで、図16に示すように、成形上型50が所定ストローク下降して、成形上下型50,60が一定クリアランスに到達した時、射出機70、マニホールド61、ゲート62を通して溶融樹脂Mが分配供給され、図17に示すように、成形上型50が下死点まで下降して、成形上下型50,60による型締めが行なわれ、樹脂芯材20が所望の曲面形状に成形され、この樹脂芯材20の表面に表皮30が一体化される。その際、表皮30は一定時間高温に成形上型50から加熱され、その後急冷されることで、表皮30の製品表面に美麗な絞模様31aが転写される工程は第1実施例と同様である。そして、その後、図18に示すように、成形上型50が上昇して、ブロワ57、ブロワ管58から冷却用エアが製品表面に吹き付けられ、10秒間程度冷却される。従って、エアブロー作用により急冷するため、成形時間が短縮化でき、絞模様31aについても保持され易くなる。
次いで、図19は、第3実施例の変形例を示すもので、表皮30を成形上型50に真空成形方法により予備成形可能なように成形上型50に真空吸引機構56を付設するとともに、この真空吸引機構56における真空ポンプ56aとブロワ57とを切り替えバルブ59を介して切り替え可能に設け、表皮30の真空成形時には、真空吸引機構56による真空吸引作用を成形上型50に機能させるとともに、成形後は、エアブロー機構に切り替えて、製品表面に冷却用エアを吹き付けるようにしても良い。
以上説明した実施例1乃至実施例3では、樹脂芯材20の表面に表皮30を同時に成形してなるドアトリム10の成形方法に本発明方法を適用したが、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品全般の成形方法に適用できるとともに、鉄道車両等の内装パネルや家屋の内装パネルの成形方法に適用することもできる。また、成形上下型50,60を型締めした後、溶融樹脂Mを射出充填しても良い。
本発明方法を適用して製作した自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 本発明に係る積層成形体の成形金型の第1実施例の構成を示す全体図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第1実施例における表皮のセット工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第1実施例における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第1実施例におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形金型の第2実施例の全体構成を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第2実施例における表皮のセット工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第2実施例における表皮の予備成形工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第2実施例における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第2実施例におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第2実施例に使用する成形金型の変形例を示す説明図である。 図12に示す成形金型における成形工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形金型の第3実施例の構成を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第3実施例における表皮のセット工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第3実施例における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第3実施例におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第3実施例におけるエアブローによる冷却工程を示す説明図である。 本発明に係る積層成形体の成形方法の第3実施例における変形例を示す説明図である。 従来の自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図20中XXI −XXI 線断面図である。 従来のドアトリムを成形する成形金型の概略図である。 従来のドアトリムの成形方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。
符号の説明
10 自動車用ドアトリム
20 樹脂芯材
30 表皮
31 トップ層
31a 絞模様
32 クッション層
40,40A,40B 成形金型
50 成形上型
51 昇降シリンダ
52 ヒーター
53 熱電対
54 冷却用配管
55 クランプ枠
56 真空吸引機構
57 ブロワ
58 ブロワ管
59 切り替えバルブ
60 成形下型
61 マニホールド
62 ゲート
70 射出機
80 アシストモデル
81 搬送機構
82 昇降機構
M 溶融樹脂

Claims (6)

  1. 成形上下型(50,60)内に表皮(30)をセットし、成形上下型(50,60)間で形成されるキャビティ内に溶融樹脂(M)を供給することで樹脂芯材(20)を所要形状に成形するとともに、樹脂芯材(20)の表面側に表皮(30)を一体化してなる積層成形体(10)の成形方法において、
    前記成形上型(50)には、ヒーター(52)が付設されており、高温に加熱された成形上型(50)の型面に表皮(30)を当接させて、その後、成形上型(50)を急冷することで、成形上型(50)の絞模様(50a)を表皮(30)に転写することを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. 成形上下型(50,60)の型開時に、成形上下型(50,60)内にアシストモデル(80)を投入し、このアシストモデル(80)を上昇操作し、表皮(30)を成形上型(50)の型面に押し付け、その後、成形上型(50)を急冷することで、成形上型(50)の絞模様(50a)を表皮(30)に転写することを特徴とする請求項1に記載の積層成形体の成形方法。
  3. 前記成形上型(50)には、冷却用エアを積層成形体(10)の表面に吹き付けるためのブロワ管(58)が配管され、積層成形体(10)の成形後、成形上型(50)を上昇させた後、ブロワ管(58)から冷却用エアを積層成形体(10)の表面に吹き付けて強制的に冷却することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層成形体の成形方法。
  4. 樹脂芯材(20)の表面に表皮(30)を一体化してなる積層成形体(10)をプレス成形する積層成形体(10)の成形金型(40)であって、この成形金型(40)は、所定ストローク上下動する可動側の成形上型(50)と、この成形上型(50)の下方に位置する固定側の成形下型(60)と、成形下型(60)と連設し、溶融樹脂を供給するための射出機(70)とから構成され、成形上型(50)には、表皮(30)を加熱するためのヒーター(52)が設けられていることを特徴とする積層成形体の成形金型。
  5. 前記成形上下型(50,60)には、成形下型(60)の型面形状に合致した形状のアシストモデル(80)が設けられており、成形上下型(50,60)内の所定位置にアシストモデル(80)を投入するための搬送機構(81)と、成形上型(50)の型面に表皮(30)を押し付けるための昇降機構(82)とが装備されていることを特徴とする請求項4に記載の積層成形体の成形金型。
  6. 前記成形上型(50)には、成形後の積層成形体(10)の表面を冷却するための冷却用エアを供給するブロワ(57)が付設されているとともに、冷却用エアの通路となるブロワ管(58)が成形上型(50)に配管されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の積層成形体の成形金型。
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