JP7223365B2 - 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、表側面又は裏側面の一部に所定部材が一体的に設けられた発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関する技術分野に属する。
従来より、表側面又は裏側面に所定部材(芯材や表皮材等)が一体的に設けられた発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置はよく知られている。例えば特許文献1及び2には、成形型の型開き時に、芯材や表皮材を成形型内にセットし、成形型の型締めにより成形型の固定型と可動型との間に形成されたキャビティに、溶融した発泡性樹脂を充填することが開示されている。また、特許文献1には、キャビティへの発泡性樹脂の充填の完了後に、可動型を成形型の型開き方向に後退させる(所謂コアバックさせる)ことで、発泡性樹脂を発泡させることが開示されている。
特開2010-082842号公報 特開2008-173896号公報
ところで、上記所定部材が発泡樹脂成形品の表側面又は裏側面の一部に設けられる場合がある。この場合、成形型の型開き時に、上記所定部材が成形型の固定型又は可動型の成形面に部分的にセットされる。そして、キャビティにおける上記所定部材がセットされていない側に対応する第1対応部と、上記所定部材がセットされている側に対応する第2対応部とにおいて、溶融した発泡性樹脂が略同時に充填完了され、その充填完了後に、可動型を成形型の型開き方向に後退させることで、発泡性樹脂を発泡させる。
しかし、上記のように上記所定部材が固定型又は可動型の成形面に部分的にセットされた場合、キャビティの上記第1対応部と上記第2対応部とでは、通常、充填された発泡性樹脂の冷却速度が異なるという問題がある。すなわち、上記所定部材が、キャビティに充填された発泡性樹脂の熱を固定型又は可動型に伝達するのを阻害することになり、キャビティの上記第2対応部では、上記第1対応部に対して、発泡性樹脂の冷却速度が遅くなる。
このため、キャビティ全体への発泡性樹脂の充填完了後における或るタイミングで可動型の後退(コアバック)を開始したときに、その後退開始時(つまり発泡開始時)において、上記第1対応部と上記第2対応部とで発泡性樹脂の温度が異なり、この結果、上記第1対応部と上記第2対応部とで、発泡性樹脂の発泡性が異なって、発泡後の発泡性樹脂の気泡の大きさが異なってしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定部材が固定型又は可動型の成形面に部分的にセットされる場合において、発泡性樹脂全体で均一な大きさの気泡が得られる、発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1態様では、表側面又は裏側面の一部に所定部材が一体的に設けられた発泡樹脂成形品の成形方法を対象として、固定型及び可動型を有する成形型における該固定型又は該可動型の成形面に、上記所定部材を部分的にセットするセット工程と、上記セット工程の終了後に、上記成形型の型締めにより上記固定型と上記可動型との間に形成されたキャビティに、溶融した発泡性樹脂を充填する充填工程と、上記充填工程の終了後に、上記可動型を上記成形型の型開き方向に後退させて上記発泡性樹脂を発泡させる発泡工程とを備え、上記充填工程は、上記キャビティにおける上記所定部材がセットされていない側に対応する第1対応部と、上記キャビティにおける上記所定部材がセットされている側に対応する第2対応部とにおいて、上記発泡性樹脂を略同時に充填完了させる工程であり、上記充填工程の開始後でかつ上記発泡工程の開始前に、上記キャビティの上記第1対応部における上記発泡性樹脂を加熱すること、及び、上記キャビティの上記第2対応部における上記発泡性樹脂を冷却すること、の少なくとも一方を実行する樹脂温度調整工程を更に備えるものとする。
上記の成形方法により、可動型の後退開始時(発泡開始時)において、キャビティの第2対応部における発泡性樹脂の温度を、第1対応部における発泡性樹脂の温度に近づけることができるか、又は、略同じにすることができる。この結果、第1対応部と第2対応部とで発泡性樹脂の発泡性が略同じになり、発泡後の発泡性樹脂の気泡の大きさを揃えることができる。尚、上記所定部材は、キャビティに充填された発泡性樹脂の熱を固定型又は可動型に伝達するのを阻害する部材であればよい。
上記発泡樹脂成形品の成形方法において、上記発泡工程における上記可動型の後退は、上記キャビティの上記第1対応部における上記発泡性樹脂の温度と、上記キャビティの上記第2対応部における上記発泡性樹脂の温度とが略同じであるときに開始する、ことが好ましい。
このことにより、発泡性樹脂全体で均一な大きさの気泡がより確実に得られるようになる。
上記発泡樹脂成形品の成形方法の一実施形態では、上記所定部材は、上記発泡樹脂成形品の表側面に設けられる表皮材である。
このことで、発泡樹脂成形品の外観性や人が所定部材(表皮材)に触ったときの感触を向上させることができる。
上記所定部材が表皮材である場合の一例では、上記表皮材は、表皮層と、該表皮層の裏側面に設けられたクッション層とを有する。
これにより、発泡樹脂成形品を人が触るような箇所に配置することができるとともに、人が所定部材(表皮材)に触ったときの感触をより一層向上させることができる。
また、上記所定部材が表皮材である場合の別の例では、上記発泡樹脂成形品は、車両用の内装材である。
このことにより、車両において外観性が要求される内装材や、車両の乗員が触る可能性が高い内装材に用いるのに適した発泡樹脂成形品が得られる。
本発明の第2態様では、表側面又は裏側面の一部に所定部材が一体的に設けられた発泡樹脂成形品の成形装置を対象として、固定型及び可動型を有し、該固定型又は該可動型の成形面に上記所定部材を部分的にセット可能な成形型と、上記可動型を上記固定型に対して近接及び離間するように移動させて上記成形型の型締め及び型開きを行う可動型駆動手段と、上記可動型の成形面に上記所定部材が部分的にセットされかつ上記成形型が型締めされているときに、該固定型と該可動型との間に形成されたキャビティに、溶融した発泡性樹脂を充填する充填手段とを備え、上記可動型駆動手段は、上記充填手段による上記キャビティへの上記発泡性樹脂の充填完了後に、上記可動型を上記成形型の型開き方向に後退させて上記発泡性樹脂を発泡させるように構成され、上記充填手段は、上記キャビティにおける上記所定部材がセットされていない側に対応する第1対応部と、上記キャビティにおける上記所定部材がセットされている側に対応する第2対応部とにおいて、上記発泡性樹脂を略同時に充填完了させるように構成され、上記充填手段による上記キャビティへの充填開始後でかつ上記可動型駆動手段による上記可動型の後退の開始前に、上記キャビティの上記第1対応部における上記発泡性樹脂を加熱すること、及び、上記キャビティの上記第2対応部における上記発泡性樹脂を冷却すること、の少なくとも一方を実行する樹脂温度調整手段を更に備えている。
この構成により、上記発泡樹脂成形品の成形方法と同様に、発泡性樹脂全体で均一な大きさの気泡が得られるようになる。
以上説明したように、本発明の発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置によると、所定部材が固定型又は可動型の成形面に部分的にセットされる場合において、発泡性樹脂全体で均一な大きさの気泡が得られようになる。
本発明の実施形態に係る、発泡樹脂成形品の成形装置の概略を示す側面図(部分断面図)である。 発泡樹脂成形品を簡略化して示す断面図である。 表皮材が可動型の成形面にセットされた状態で型締めが完了した状態を示す、成形型、固定プラテン及び可動プラテンの断面図である。 溶融した発泡性樹脂がキャビティの第1対応部及び第2対応部に供給されている状態を示す図3相当図である。 可動型が成形型の型開き方向に後退完了した状態を示す図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る、発泡樹脂成形品の成形装置1の概略を示す。この成形装置1は、固定型3と可動型4とを有する成形型2と、成形型2の型締め及び型開きを行う成形型開閉装置21と、成形型2の型締めにより固定型3と可動型4との間に形成されたキャビティ5に、溶融した発泡性樹脂11(図4及び図5参照)を射出して充填する射出装置31とを備える。固定型3のキャビティ5に接する面は、固定型3の成形面3aとされ、可動型4のキャビティ5に接する面は、可動型4の成形面4aとされる。
射出装置31は、成形型2の固定型3及び後述の固定プラテン22に設けられたホットランナー6に接続される加熱シリンダ32を有し、この加熱シリンダ32には、ホッパ33が接続されている。このホッパ33には、化学発泡の場合、発泡性樹脂材料(例えばポリプロピレン)のペレットと化学発泡剤とが投入され、物理発泡の場合、上記ペレットのみが投入される。物理発泡の場合には、加熱シリンダ32に接続されたガス注入部34から、ガス(窒素、二酸化炭素等)が注入される。ホッパ33に投入されたペレットは、加熱シリンダ32内に供給され、この加熱シリンダ32内で、不図示のヒータにより溶融する。尚、化学発泡剤は、加熱シリンダ32内で熱分解により発泡ガスを発生する。
加熱シリンダ32内には、図示を省略するスクリューが加熱シリンダ32の軸心回りに回転可能にかつ加熱シリンダ32の軸心方向(水平方向)に移動可能に設けられている。このスクリューにおける成形型2とは反対側の端部(後端部)が、スクリューを回転させる回転機構(モータを含む)とスクリューを移動させる移動機構(モータを含む)とを有するスクリュー駆動装置37に連結されている。そして、スクリューがスクリュー駆動装置37の回転機構によって回転しながら移動機構によって成形型2側に移動する(前進する)ことで、加熱シリンダ32内で溶融した発泡性樹脂11が、ホットランナー6を介してキャビティ5内に射出供給される。
ホットランナー6は、加熱シリンダ32に接続された共通部6aと、共通部6aから分岐してそれぞれキャビティ5に接続される第1分岐部6b及び第2分岐部6cとを有する。第1分岐部6b及び第2分岐部6cにおけるキャビティ5への開口には、該開口を開閉する第1バルブゲート8及び第2バルブゲート9がそれぞれ設けられている。
成形型開閉装置21は、固定型3が取り付けられた固定プラテン22と、可動型4が取り付けられた可動プラテン23と、可動プラテン23に連結された可動型駆動装置26とを有する。本実施形態では、可動型駆動装置26は、詳細な図示は省略するが、油圧シリンダを有していて、この油圧シリンダへの油圧の給排により、可動プラテン23及び可動型4を固定型3に対して近接及び離間するように移動させる。
可動プラテン23には、固定プラテン22に向かって水平に延びる複数の筒状部材24が設けられ、固定プラテン22には、複数の筒状部材24内で可動プラテン23に向かってそれぞれ水平に延びる複数の軸部材25が設けられている。各軸部材25には、各筒状部材24の内径と略同じ外径を有する摺動部25aが設けられており、可動プラテン23及び可動型4の移動時に、各軸部材25の摺動部25aが各筒状部材24内を摺動することで、可動プラテン23及び可動型4が水平方向に移動するように案内される。このように可動型駆動装置26は、可動型4を固定型3に対して近接及び離間するように移動させて、成形型2の型締め及び型開きを行う。また、可動型駆動装置26は、キャビティ5に充填された発泡性樹脂11を発泡させるために、成形型2の型締め状態から可動型4を成形型2の型開き方向に後退させる(所謂コアバックさせる)役割も有する。
本実施形態では、固定型3における成形面3aの近傍には、複数の固定側加熱水路41が、成形面3aに沿って延びるように設けられている。これら固定側加熱水路41は、固定型3及び固定プラテン22内に設けられた不図示の固定側加熱水供給路と、制御弁43が設けられた固定側加熱水供給配管42とを介して加熱装置44に接続されている。制御弁43が開かれているとき、加熱装置44により加熱された加熱水が、固定側加熱水供給配管42及び固定側加熱水供給路を介して固定側加熱水路41に供給される。尚、固定側加熱水路41に供給された加熱水は、不図示の固定側加熱水戻り路及び固定側加熱水戻り配管を介して加熱装置44に戻される。
また、可動型4における成形面4aのうち後述の表皮材62がセットされない部分の近傍には、複数の可動側加熱水路46が、成形面4aに沿って延びるように設けられている。これら可動側加熱水路46は、可動型4及び可動プラテン23内に設けられた不図示の固定側加熱水供給路と、制御弁48が設けられた可動側加熱水供給配管47を介して加熱装置44に接続されている。制御弁48が開かれているとき、加熱装置44により加熱された加熱水が、可動側加熱水供給配管47及び固定側加熱水供給路を介して可動側加熱水路46に供給される。尚、可動側加熱水路46に供給された加熱水は、不図示の可動側加熱水戻り路及び可動側加熱水戻り配管を介して加熱装置44に戻される。
一方、可動型4における成形面4aのうち後述の表皮材62がセットされる部分の近傍には、複数の冷却水路51が、成形面4aに沿って延びるように設けられている。これら冷却水路51は、可動型4及び可動プラテン23内に設けられた不図示の冷却水供給路と、制御弁53が設けられた冷却水供給配管52とを介して冷却装置54に接続されている。制御弁53が開かれているとき、冷却装置54により冷却された冷却水が、冷却水供給配管52及び冷却水供給路を介して冷却水路51に供給される。尚、冷却水路51に供給された冷却水は、不図示の冷却水戻り路及び冷却水戻り配管を介して冷却装置54に戻される。
制御弁43,48,53は、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填開始後でかつ可動型4の後退の開始前に開かれる。本実施形態では、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填完了から可動型4の後退開始までの間において、制御弁43,48,53が開かれる。但し、これに限らず、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填開始から、又は、充填途中から可動型4の後退開始までの間において、制御弁43,48,53を開くようにしてもよい。また、制御弁43,48,53が互いに異なる期間に開くようにしてもよい。
可動型駆動装置26における油圧シリンダ(詳細には、油圧シリンダへの油圧給排用のバルブ)、スクリュー駆動装置37における回転機構及び移動機構の各モータ、第1及び第2バルブゲート8,9、並びに、制御弁43,48,53の作動は、コントロールユニット50により制御される。このコントロールユニット50は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラーであって、コンピュータプログラム(OS等の基本制御プログラム、及び、OS上で起動されて特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)を実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラムおよびデータを格納するメモリと、種々の信号の入出力を行うための入出力(I/O)バスとを含む。
本実施形態では、可動型駆動装置26が、可動型駆動手段を構成し、射出装置31、ホットランナー6(共通部6a、第1分岐部6b及び第2分岐部6c)、第1バルブゲート8及び第2バルブゲート9が、充填手段を構成する。また、固定側加熱水路41、可動側加熱水路46、冷却水路51、固定側及び可動側加熱水供給配管42,47、冷却水供給配管52、制御弁43,48,53、加熱装置44及び冷却装置54は、樹脂温度調整手段を構成する。
本実施形態では、成形装置1(成形型2)により成形される発泡樹脂成形品は、図2に簡略化して示すように、表側面の一部に、所定部材としての表皮材62が一体的に設けられた発泡樹脂成形品60である。すなわち、発泡樹脂成形品60は、キャビティ5に充填された発泡性樹脂11が固化した本体部61と、該本体部61の表側面の一部に一体的に設けられた表皮材62とを有する。表皮材62は、後述の如く、発泡樹脂成形品60を成形する際に、可動型4の成形面4aに部分的にセットされて、キャビティ5における表皮材62がセットされている側に対応する部分(後述の第2対応部5b)における発泡性樹脂11の熱を可動型4に伝達するのを阻害する。
本実施形態では、表皮材62は、表皮層62aと、該表皮層62aの裏側面に設けられたクッション層62bとを有する収縮性部材である。表皮層62aは、例えば塩化ビニル樹脂で構成され、クッション層62bは、例えば、電子線架橋によるポリオレフィンフォーム(ペフ)で構成される。尚、表皮材62は、収縮性部材でなくてもよい(クッション層62bを有していなくてもよい)。
発泡樹脂成形品60は、例えば車両用の内装材として用いられる。車両用の内装材としては、具体的には、トリム(ドアトリム等)、センターコンソール、トランクボード等が挙げられる。これら内装材の表側面における特に乗員が触れる可能性が高い箇所に表皮材が設けられる。
次に、図2に示す発泡樹脂成形品60の成形方法について、図3~図5により説明する。
先ず、作業者が、成形型2の型開き状態で、可動型4の成形面4aに、表皮材62を部分的にセットする。表皮材62がセットされる成形面4aには、表皮材62に刺さるピン等の支持部材(図示省略)が複数設けられており、これら複数の支持部材により表皮材62が成形面4aに支持されてセットされる。
その後、作業者がスイッチ操作を行うと、その操作情報がコントロールユニット50に入力され、この操作情報が入力されたコントロールユニット50からの指令に基づいて、成形型2の型締めから次の型開きまで、発泡樹脂成形品60の成形のための一連の動作が行われる。
具体的に、成形型開閉装置21の可動型駆動装置26によって、表皮材62がセットされた可動型4が固定型3に向けて移動して、成形型2の型締めが行われる。
図3に示すように、成形型2の型締め完了状態において、キャビティ5は、表皮材62がセットされていない側に対応する第1対応部5aと、表皮材62がセットされている側に対応する第2対応部5bとに分かれる。そして、ホットランナー6の第1分岐部6bは、第1バルブゲート8を介して第1対応部5aに接続され、第2分岐部6cは、第2バルブゲート9を介して第2対応部5bに接続される。
成形型2の型締め完了後、図4に示すように、第1バルブゲート8及び第2バルブゲート9が開かれて、射出装置31によって、溶融した発泡性樹脂11がキャビティ5に供給される。本実施形態では、第1対応部5aと第2対応部5bとにおいて、発泡性樹脂11を略同時に充填完了するように、第1バルブゲート8及び第2バルブゲート9の開度が設定されている。
第1バルブゲート8及び第2バルブゲート9は、スクリュー駆動装置37の移動機構のモータが駆動されてから、第1設定時間が経過したときに閉じられる。この第1設定時間は、発泡樹脂成形品60の本体部61の成形に必要な量の発泡性樹脂11がキャビティ5の第1対応部5a及び第2対応部5bに充填されるような時間に予め設定される。
第1バルブゲート8及び第2バルブゲート9が閉じられたとき(キャビティ5への発泡性樹脂11の充填完了時)から所定時間が経過したときに、成形型開閉装置21の可動型駆動装置26によって、可動型4が成形型2の型開き方向に後退を開始する。可動型4は型締め位置から、予め設定された設定量だけ後退する(図5参照)。この設定量は、発泡樹脂成形品60の本体部61の厚みから、型締め状態で成形したと仮定した場合に得られる本体部61の厚みを引いた量である。可動型4の後退により発泡性樹脂11が発泡する。
本実施形態では、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填完了時から上記所定時間が経過するまでの間(つまり、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填完了時から可動型4の後退開始までの間)に、制御弁43,48,53が開かれて、固定側及び可動側加熱水路41,46内を加熱水が流れるとともに、冷却水路51内を冷却水が流れる。これにより、キャビティ5の第1対応部5aにおける発泡性樹脂11が加熱されるとともに、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11が冷却される。
本実施形態では、第2対応部5bでは、可動型4側で発泡性樹脂11が冷却水により冷却される一方、固定型3側で発泡性樹脂11が加熱水により加熱されるが、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11の全体としては、冷却されるようになっている。これは、固定型3への熱伝達量が大きいために、固定型3側も冷却水により冷却すると、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11を冷却しすぎるからである。
また、第1対応部5aでは、固定型3側及び可動型4側の両側で発泡性樹脂11が加熱される。但し、その加熱により、発泡性樹脂11の温度の低下速度を遅くするだけであり、固定型3及び可動型4への熱伝達により、発泡性樹脂11の温度は低下していく。
表皮材62によって可動型4への熱伝達が阻害されるので、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11の温度の低下速度は、第1対応部5aにおける発泡性樹脂11の温度の低下速度よりも遅い。このため、第1対応部5aにおける発泡性樹脂11を加熱しかつ第2対応部5bにおける発泡性樹脂11を冷却しない場合には、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填完了時に、第1対応部5aと第2対応部5bとで、発泡性樹脂11の温度が同じあっても、その後は、両者の温度差が大きくなっていく。このため、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填完了後に、可動型4の後退を開始した場合、その後退開始時(つまり発泡開始時)において、第1対応部5aと第2対応部5bとで発泡性樹脂11の温度が異なり、この結果、第1対応部5aと第2対応部5bとで、発泡性樹脂11の発泡性が異なって、発泡後の発泡性樹脂11の気泡の大きさが異なってしまう。
これに対し、本実施形態では、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填完了時から上記所定時間が経過するまでの間、第1対応部5aにおける発泡性樹脂11を加熱しかつ第2対応部5bにおける発泡性樹脂11を冷却するので、充填完了時の当初は、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11の温度の低下速度が、第1対応部5aにおける発泡性樹脂11の温度の低下速度よりも遅いために、第1対応部5aと第2対応部5bとで、発泡性樹脂11の温度差が生じるものの、第1対応部5aにおける発泡性樹脂11の温度の低下速度が次第に遅くなる一方、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11の温度の低下速度が次第に速くなるので、第1対応部5aと第2対応部5bとで発泡性樹脂11の温度が同じになるときがある。第1対応部5aと第2対応部5bとで発泡性樹脂11の温度が同じになる時点を含む所定期間の間は、第1対応部5aと第2対応部5bとで発泡性樹脂11の温度が略同じであると言える。上記所定時間は、上記所定期間の間に可動型4の後退が開始するような時間に設定される。
このように、第1対応部5aと第2対応部5bとで、可動型4の後退開始時(発泡開始時)の発泡性樹脂11の温度を略同じにすることで、第1対応部5aと第2対応部5bとで、発泡性樹脂11の発泡性が略同じになって、発泡後の発泡性樹脂11の気泡の大きさが揃うことになる。
可動型4の後退完了から、発泡性樹脂11が完全に固化するような時間に予め設定された第2設定時間が経過したとき、成形型2の型開きが開始し、型開きが完了した状態で、発泡樹脂成形品60がキャビティ5から取り出される。
したがって、本実施形態では、キャビティ5への発泡性樹脂11の充填完了時から上記所定時間が経過するまでの間に、キャビティ5の第1対応部5aにおける発泡性樹脂11を加熱するとともに、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11を冷却するようにしたので、第1対応部5aと第2対応部5bとで発泡性樹脂11の発泡性を略同じにすることができ、発泡後の発泡性樹脂11の気泡の大きさを揃えることができるようになる。よって、発泡性樹脂11全体で均一な大きさの気泡が得られようになる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、キャビティ5の第1対応部5aにおける発泡性樹脂11を加熱するとともに、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11を冷却するようにしたが、第1対応部5aと第2対応部5bとで、可動型4の後退開始時の発泡性樹脂11の温度を略同じにすることができるのであれば、第1対応部5aにおける発泡性樹脂11の加熱、及び、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11のいずれか一方のみを実行するようにしてもよい。
また、第1対応部5aと第2対応部5bとで、可動型4の後退開始時の発泡性樹脂11の温度を略同じにできなくても、可動型4の後退開始時(発泡開始時)において、キャビティ5の第2対応部5bにおける発泡性樹脂の温度が、第1対応部5aにおける発泡性樹脂の温度に近づくように、第1対応部5aにおける発泡性樹脂11の加熱、及び、第2対応部5bにおける発泡性樹脂11の少なくとも一方を実行するだけであってもよい。
さらに、上記実施形態では、発泡樹脂成形品60の表側面の一部に表皮材62が設けられているが、発泡樹脂成形品60の裏側面の一部に、所定部材として、芯材や吸音材等が一体的に設けられていてもよい。芯材や吸音材等は、固定型3の成形面3aに部分的にセットされる。但し、芯材や吸音材等には、ホットランナー6の第2分岐部6cにおけるキャビティ5への開口を塞がないような孔が形成される。このように、発泡樹脂成形品60は、表側面又は裏側面の一部に所定部材が一体的に設けられたものであればよい。この所定部材は、キャビティ5に充填された発泡性樹脂11の熱を固定型3又は可動型4に伝達するのを阻害する部材であればよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、表側面又は裏側面の一部に所定部材が一体的に設けられた発泡樹脂成形品の成形方法に有用である。
1 発泡樹脂成形品の成形装置
2 成形型
3 固定型
3a 成形面
4 可動型
4a 成形面
5 キャビティ
5a 第1対応部
5b 第2対応部
6 ホットランナー(充填手段)
8 第1バルブゲート(充填手段)
9 第2バルブゲート(充填手段)
11 溶融した発泡性樹脂
26 可動型駆動装置(可動型駆動手段)
31 射出装置(充填手段)
41 固定側加熱水路(樹脂温度調整手段)
42 固定側加熱水供給配管(樹脂温度調整手段)
43 制御弁
44 加熱装置(樹脂温度調整手段)
46 可動側加熱水路(樹脂温度調整手段)
47 可動側加熱水供給配管
48 制御弁
51 冷却水路
52 冷却水供給配管
53 制御弁
54 冷却配管(樹脂温度調整手段)
60 発泡樹脂成形品
62 表皮材
62a 表皮層
62b クッション層

Claims (6)

  1. 表側面又は裏側面の一部に所定部材が一体的に設けられた発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    固定型及び可動型を有する成形型における該固定型又は該可動型の成形面に、上記所定部材を部分的にセットするセット工程と、
    上記セット工程の終了後に、上記成形型の型締めにより上記固定型と上記可動型との間に形成されたキャビティに、溶融した発泡性樹脂を充填する充填工程と、
    上記充填工程の終了後に、上記可動型を上記成形型の型開き方向に後退させて上記発泡性樹脂を発泡させる発泡工程とを備え、
    上記充填工程は、上記キャビティにおける上記所定部材がセットされていない側に対応する第1対応部と、上記キャビティにおける上記所定部材がセットされている側に対応する第2対応部とにおいて、上記発泡性樹脂を略同時に充填完了させる工程であり、
    上記充填工程の開始後でかつ上記発泡工程の開始前に、上記キャビティの上記第1対応部における上記発泡性樹脂を加熱すること、及び、上記キャビティの上記第2対応部における上記発泡性樹脂を冷却すること、の少なくとも一方を実行する樹脂温度調整工程を更に備えることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  2. 請求項1記載の発泡樹脂成形品の成形方法において、
    上記発泡工程における上記可動型の後退は、上記キャビティの上記第1対応部における上記発泡性樹脂の温度と、上記キャビティの上記第2対応部における上記発泡性樹脂の温度とが略同じであるときに開始することを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  3. 請求項1又は2記載の発泡樹脂成形品の成形方法において、
    上記所定部材は、上記発泡樹脂成形品の表側面に設けられる表皮材であることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  4. 請求項3記載の発泡樹脂成形品の成形方法において、
    上記表皮材は、表皮層と、該表皮層の裏側面に設けられたクッション層とを有することを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  5. 請求項3又は4記載の発泡樹脂成形品の成形方法において、
    上記発泡樹脂成形品は、車両用の内装材であることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  6. 表側面又は裏側面の一部に所定部材が一体的に設けられた発泡樹脂成形品の成形装置であって、
    固定型及び可動型を有し、該固定型又は該可動型の成形面に上記所定部材を部分的にセット可能な成形型と、
    上記可動型を上記固定型に対して近接及び離間するように移動させて上記成形型の型締め及び型開きを行う可動型駆動手段と、
    上記可動型の成形面に上記所定部材が部分的にセットされかつ上記成形型が型締めされているときに、該固定型と該可動型との間に形成されたキャビティに、溶融した発泡性樹脂を充填する充填手段とを備え、
    上記可動型駆動手段は、上記充填手段による上記キャビティへの上記発泡性樹脂の充填完了後に、上記可動型を上記成形型の型開き方向に後退させて上記発泡性樹脂を発泡させるように構成され、
    上記充填手段は、上記キャビティにおける上記所定部材がセットされていない側に対応する第1対応部と、上記キャビティにおける上記所定部材がセットされている側に対応する第2対応部とにおいて、上記発泡性樹脂を略同時に充填完了させるように構成され、
    上記充填手段による上記キャビティへの充填開始後でかつ上記可動型駆動手段による上記可動型の後退の開始前に、上記キャビティの上記第1対応部における上記発泡性樹脂を加熱すること、及び、上記キャビティの上記第2対応部における上記発泡性樹脂を冷却すること、の少なくとも一方を実行する樹脂温度調整手段を更に備えていることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
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