JP2002283389A - 多層成形品の製造方法 - Google Patents
多層成形品の製造方法Info
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Abstract
金型を使用し、ソフトで触感の良い多層成形品を製造す
る。 【解決手段】 金型のキャビティ空間に第1樹脂を充填
して基材を成形した後、型締装置の型閉動作を利用して
キャビティ空間の容積を変化させ、キャビティ空間内に
空隙を生じさせ、空隙に発泡性を有した第2樹脂を充填
して発泡させることにより、ソフトで触感の多層成形品
を得る。また、基材樹脂を発泡させることで、発泡層と
発泡層が積層されて、さらに成形後の多層成形品の触感
が大きく向上し、高級感のある多層成形品を得ることが
できる。
Description
質材の樹脂を積層してクッション性を有する多層成形品
の製造方法に関するものであり、特に複雑な構造の金型
を使用することなく、ソフトな感触を有する多層成形品
を製造することのできる多層成形品の製造方法に関する
ものである。
する従来技術として、例えば、特開平8−309791
号公報に示される多層成形品の製造方法等が一般的に知
られており、前記公報に記載された多層成形品の製造方
法は、第1の射出ユニットから樹脂を射出してキャビテ
ィに樹脂を充填して一層目の成形品を成形した後、可動
型を後退させて一層目の成形品と可動型との間に二層目
用のキャビティを形成し、該二層目用のキャビティに第
2の射出ユニットから他の樹脂を射出して充填する。
構造成形品の成形を同一の金型内で行うため、工程の省
略化によるサイクルタイムの短縮によってコストダウン
が可能であると同時に、浮遊している塵が硬化する以前
の塗膜に付着して不良となる等といったことがほとんど
なく、高い品質の製品を得ることができる。そのため、
特に、外観に対して高い品質が要求される成形品に対し
て利用が検討されている。なお、前記した従来法以外に
複数個の金型を使用して多層成形品を製造する方法もあ
るが、金型を交換するために時間を要し、サイクルタイ
ムを短縮できないといった問題を有している。
た従来の多層成形方法において、硬質材の樹脂に、エラ
ストマー等といった軟質材の樹脂を積層してクッション
性を有する多層成形品を製造しようとした場合、軟質材
の樹脂単体では柔らかくクッション性を有していたとし
ても、多層成形品にすると硬く感じられ、クッション性
等の触感が期待ほど向上しないといった問題を生じた。
この原因は、積層している硬質材の樹脂が、軟質材の樹
脂の変形を拘束するためである。
は、触感を向上させるために軟質材の樹脂量を増量して
軟質材の層厚を大きくしたり、あるいは、軟質材の樹脂
をより柔らかくクッション性のあるものに変更する必要
があった。しかし、軟質材の樹脂量を増量すれば多層成
形品の重量が増えるといった問題を生じ、また軟質材の
樹脂をより柔らかくものに変更すれば成形品の強度等が
減少するといった問題を生じた。
のであり、ソフトで触感の多層成形品を得ることができ
る多層成形品の製造方法に関するものである。
め、本発明による多層成形品の製造方法は、 (1) 第1の射出装置により金型のキャビティ空間に
第1樹脂を充填して基材を成形する第1の工程と、前記
基材を成形した後に該キャビティ空間の容積を拡大する
ことにより空隙を生じさせる第2の工程と、第2の射出
装置により該空隙に発泡性を有した第2樹脂を充填して
該キャビティ空間内で発泡させる第3の工程とを備え、
金型内において基材にクッション性を有する発泡層を積
層して成形した。
造方法において、前記金型は、前記キャビティ空間の周
りを囲むように形成したシェアエッジ構造の嵌合部で嵌
め合わされる固定型と可動型とを備えており、該可動型
と該固定型とがシェアエッジ構造の嵌合部で嵌合したま
ま摺動することによってキャビティ空間の容積を拡大さ
せる構造とした。
成形品の製造方法において、前記第3の工程において、
前記キャビティ空間の容積を拡大させながら第2樹脂を
発泡させた。
項に記載の多層成形品の製造方法において、前記第1樹
脂は発泡性を有したものであって、前記第1の工程にお
いて、前記金型キャビティ空間を容積を拡大させながら
第1樹脂を発泡させた。
項に記載の多層成形品の製造方法において、前記第1樹
脂及び第2樹脂の少なくとも一つを発泡させる際におい
て、射出装置の射出動作に連動して、前記金型キャビテ
ィ空間を容積を拡大させた。
施形態の1例を詳細に説明する。図1〜図6は本発明の
実施形態に係り、図1は本発明方法に使用する多層射出
成形装置の全体構成図、図2及び図3は多層成形の際の
各工程ステップにおける金型と金型内の状態を説明する
概念図であり、図2は基材樹脂を発泡させない実施形態
の場合を示し、図3は基材樹脂を発泡させる他の実施形
態の場合を示す。図4は本発明の実施形態による多層成
形方法のフローチャートである。図5は基材樹脂を発泡
させた本発明による他の実施形態のフローチャートであ
る。図6は第2樹脂を充填する際においての型開挙動を
説明するための概念図である。
れる多層成形装置100は、図1に示すように、金型1
0と型締装置20と多層射出装置30と制御装置60と
を備えて構成される。多層射出装置30は第1の射出装
置30Aと第2の射出装置30Bから構成され、金型1
0は固定盤1に取り付けられた固定型3と可動盤2に取
り付けられた可動型4とからなる。
締サーボモータ22と、型締サーボモータ22を制御し
て駆動する図示しないモータ用のドライバを備え、可動
盤2は図示しないタイバーに案内されて、型締サーボモ
ータ22の駆動により可動型4とともに前後進できるよ
う構成されている。
可動盤2の位置を検出できるようにして配されており、
可動盤2の位置を検出した該位置センサHの出力信号
は、制御装置60に入力され、制御装置60は、該位置
センサHの出力信号よって可動盤2の位置を検知し、型
締サーボモータ22を制御する図示しないドライバに指
令信号を与えて、可動盤2を所望の位置に正確に移動さ
せることによって、可動盤2に取り付けられた可動型4
を固定盤1に取付けられた固定型3に対して所望の位置
に正確に移動させて金型10を自在に開閉し、型締でき
るよう構成されている。
うなトグルタイプの電動式の型締装置20を使用した
が、可動盤2を所望の位置に正確に、かつ、自在に移動
させることができ、金型に十分な型締力を負荷すること
のできる型締装置であれば本実施形態に限らないことは
勿論であり、油圧式であっても良く、またタイプもトグ
ルタイプに限らず直圧タイプ、又は他のタイプの型締装
置を本発明に用いても良い。
装置30Bは、バレルとバレルに内装されスクリュフラ
イトを有するスクリュと、該バレル内に第1樹脂を供給
するホッパと、該スクリュを前後進させる射出用サーボ
モータ(35A、35B)と、該スクリュを回転させる
スクリュ回転用モータ(37A、37B)と、前記射出
用サーボモータ(35A、35B)とスクリュ回転用電
動モータ(37A、37B)をそれぞれ制御して駆動す
る図示しないモータ用のドライバを備えており、前記バ
レル外周面には、図示しないヒータが取付けられてい
る。
0Bは、スクリュ回転用電動モータ(37A、37B)
によってスクリュが回転することにより、ホッパからペ
レット形状の樹脂がバレル内に供給される構造となって
おり、該供給されたペレット形状の樹脂は、バレルに取
付けられたヒータによって加熱され、また、スクリュの
回転によって混練圧縮作用を受けることによって溶融
し、スクリュ前方に送られる。
にあるノズル部には回転式のバルブ31Aが配され、バ
ルブ31Aが回転することによって、樹脂流路の開閉を
おこなうことができ、スクリュの前方に送られた第1樹
脂はバルブ31Aが開の状態となっている場合にのみ、
射出用サーボモータ37Aの駆動により前進するスクリ
ュによって、バレルの先端部にあるノズルから押出す
(射出と称することもある)ことができる。
レル先端部にあるノズル部には回転式のバルブ31Bが
配され、バルブ31Bが回転することによって、樹脂流
路の開閉をおこなうことができ、スクリュの前方に送ら
れた第2樹脂はバルブ31Bが開の状態となっている場
合にのみ、射出サーボモータ37Bの駆動により前進す
るスクリュによって、バレルの先端部にあるノズルから
押出すことができる。
構成として型締制御部と型締条件設定器を有し、多層射
出装置30を制御する構成として射出装置制御部と射出
条件設定器を有している。また、本実施形態では、金型
10の型開量Ltを制御するため、可動盤2の動きを位
置センサHで検知し常時測定しており、測定結果は制御
装置60に伝えられる構成となっている。
型キャビティ空間5(キャビティ空間5と称することも
ある)の周りを囲むようにシェアエッジ構造の嵌合部で
嵌め合わされる固定型3と可動型4とからなり、該金型
10を型締装置20に取り付け可動型4を固定型3に対
し前後進させることによって、固定型3と可動型4を該
嵌合部で嵌合したまま摺動することができるよう構成さ
れている。そのため、可動型4を固定型3に対して後進
させて、金型10を所望の寸法だけ型開きすると、固定
型3と可動型4は嵌合部で嵌合したまま嵌合部の長さの
距離だけは摺動することができる。これによって、金型
10は、嵌合部の長さの距離だけキャビティ空間5の容
積を変化させることができる。
樹脂を充填した後、可動型4を固定型3から離間させる
ことにより金型10を所望の寸法だけ型開きすると、第
1樹脂が可動型4のキャビティ面に付着して残る型構造
であるので、第1樹脂と固定型3のキャビティ面との間
に所望の距離を有した空隙(空間)が生じるようになっ
ている。成形後の成形品は、可動型4のキャビティ面に
付着して残るが、図示されていない製品突き出し装置に
よって可動型4より突き出して、取りだすことができる
構造となっている。
10を所望の寸法だけ型開きすると、第1樹脂と固定型
3のキャビティ面との間に所望の距離を有した空隙が生
じるような型構造になっているが、金型10の型開の際
に、可動型4のキャビティ面との間に空隙が生じるよう
な型構造になっていても良く、その場合は、可動型4の
キャビティ面と第1樹脂との間に生じた空隙に、第2樹
脂を充填できるようゲートが配されていれば良い。
を、図2、および、図4に基づいて以下に説明する。図
4(1)で成形開始(サイクルスタート)を始めた多層
成形工程は、図4(3)の工程において、型締装置20
の作動させて図2(2)に示すように金型10を型閉す
る。
力を負荷された後、切替バルブ31Aが閉から開に切替
わる。そして、図4(4)から(5)の工程に進み、射
出サーボモータ35Aを駆動して射出装置30Aを射出
動作することによって、図2(3)に示すように、基材
としての第1樹脂をキャビティ空間5内に射出充填す
る。その後、第1射出装置30Aは、スクリュ位置切替
えにより保圧工程に切り替わり、予め設定された時間の
間、保圧工程を行った後、切替バルブ31Aは開から閉
に切替わる。
リプロピレン(株式会社グランドポリマー社製/J70
5)であって、射出装置30Aのバレル設定温度200
℃で可塑化溶融している。
いタイマAが内蔵されており、タイマAは射出装置30
Aの保圧完了時から計時開始を始めている。次の図4
(6)の工程では、予め型締条件設定器に設定された設
定時間とタイマAの経過時間T1が同じになったとき金
型10の型締力の負荷を解除し、可動盤2の位置を位置
センサーHでモニターすることによって、金型10を所
望の量だけ正確に型開きし、予め型締条件設定器に設定
された型開量(本実施形態においては2mm)だけ型開
きを行ない、金型キャビティ空間5の容積を拡大させ
る。なお、本実施の形態においては、前記タイマAの経
過時間T1が15秒になったときに冷却完了として金型
10の型締力の負荷を解除した。
と称することもある)にあるように可動盤2の位置を制
御する。このことにより、第1樹脂と金型のキャビティ
面との間には所望の距離(本実施形態では2mm)を有
した空隙を生じる。勿論、この型開き時には、固定型3
と可動型4との間に形成されるキャビティ空間5は、樹
脂が漏れ出さないように、キャビティ空間5の周りを囲
むように形成したシェアエッジ構造の嵌合部にて、封止
されている。なお、この時の固定型3と可動型4との相
対位置は図2(4)に示す通りである。
充填完了後に、一旦金型をわずかに開いて型開状態とし
て第1樹脂と固定型3の金型キャビティ面との間に空隙
を生じさせたが、金型のキャビティ部に中子(可動コ
ア)を配しキャビティ可変機構とし、コア材の溶融樹脂
の充填完了後に、油圧シリンダ等の駆動手段によって該
中子を摺動させることにより前記空隙を生じさせる方法
を適用しても良い。
1は、短すぎると第1樹脂が内部まで固化しておらず成
形品の形が壊れてしまうため、成形品が壊れることなく
可動型4のキャビティ面に付着して残ることのできる最
短の時間とした。
が閉から開に切替わり射出装置30Bが射出動作するこ
とによって、図2(5)に示すように、第2樹脂を、第
1樹脂と固定型3のキャビティ面との間に生じた空隙
に、射出充填する。
脂は、サーモプラスチックエラストマであるTPE M
142E(トクヤマ株式会社製)に、無機系発泡剤であ
るポリスレンEE441(永和化成工業株式会社製)を
重量比で10%添加したものを、射出装置31Aのバレ
ル設定温度180℃で可塑化溶融したものである。ここ
で、前記無機系発泡剤のポリスレンは、化学発泡材入り
のマスターバッチであって、グレードによって異なる
が、マスターバッチ中に20〜40%程度の化学発泡剤
を含んでいる。なお、本実施形態の発泡成形品は非架橋
なのでマテリアルリサイクルが容易である。
工程に進み、切替バルブ31Bを開から閉に切替え、予
め型締条件設定器に設定された型開量(本実施形態にお
いては7mm)まで金型を開きながら、第2樹脂を発泡
させた。型開量が7mmまで金型10を一挙に開いて、
第2樹脂を発泡させても良いが、第2樹脂の発泡の程度
に合わせて徐々に金型を開くことが好ましく、第2樹脂
の発泡の程度に合わせて徐々に金型を開くことによっ
て、均一な発泡層を形成することが可能である。
mまで一挙に開かず、わずかに金型10を開く微少型開
を何回か繰り返して行う微少多段型開動作を行うことに
よって、発泡終了時に金型10が7mm開くように型開
速度を調整することにより、第2樹脂の発泡の程度に合
わせて徐々に金型を開いた。図6に多段型開制御の概念
図を示す。本実施の形態においては、前記微少多段型開
動作として、金型10を2mm開いて2秒保持すること
を2回繰り返した後、さらに3mm開くことによって、
合計7mmの型開をおこなった。
を何回か繰り返して行う微少多段型開動作を行う多段型
開制御を行ったが、第2樹脂の発泡の程度に合わせて徐
々に金型を開く型開制御はこれに限らず、樹脂の発泡程
度に合わせて金型を徐々に開く、ランプ制御を行っても
良い。図6にランプ制御の概念図を示す。
は、第1及び第2の射出装置の計量工程を行うと同時
に、型締サーボモータ22の作動させて、金型10を大
きく型開きし、成形品を金型から取出して1サイクルを
終了する。
の発泡倍率は2.47倍であり、表面硬度は、未発泡の
場合の軟質層(TPE M142E)側の硬度が、ショ
アA硬度で58であったのに対し、発泡させた場合の硬
度は、ショアA硬度で31になった。なお、前記微少多
段型開動作を行わず、金型10が一挙に6mm開くよう
にした場合において、得られた成形品の発泡層の発泡倍
率は1.97倍であって、ショアA硬度は36であっ
た。
明は、第2樹脂を発泡させることで、軽量で触感に優れ
た柔らかい多層成形品を得ることができる。また、これ
らの多層成形品を一つの金型を使用して、型締装置の型
閉動作を利用して行うことから、金型費が安価で済み、
コストを抑えることができる。
施形態と称することもある)として、発泡性の樹脂を第
1樹脂として用いて、多層成形方法を行った。以下、第
2実施形態による多層成形の工程を図3、および図5に
基づいて、簡略に説明する。
ト)を始めた多層成形工程は、図5(3)の工程におい
て、型締装置20の作動させて金型10を型閉する。
力を負荷された後、図5(4)から(5)の工程に進
み、切替バルブ31Aが閉から開に切替わり、射出装置
30Aが射出動作することによって、図3(3)に示す
ように、基材としての第1樹脂がキャビティ空間5に射
出充填される。
工程に進み、切替バルブ31Bを開から閉に切替え、予
め型締条件設定器に設定された型開量(第2実施形態に
おいては4mm)まで金型を開きながら、第2樹脂を発
泡させる。
ポリプロピレン(株式会社グランドポリマー社製/GP
−5)に無機系発泡剤であるポリスレンEE441(永
和化成工業株式会社製)を重量比で10%添加したもの
であって、射出装置30Aのバレル設定温度180℃で
可塑化溶融している。
挙に開いて、第1樹脂を発泡させても良いが、第1樹脂
の発泡の程度に合わせて徐々に金型を開くことが好まし
く、第1樹脂の発泡の程度に合わせて徐々に金型を開く
ことによって、均一な発泡層を形成することが可能であ
る。
が終了するまでの時間を予め計算しておき、発泡終了時
に金型10が4mm開くようにするため、金型10を4
mmまで一挙に開かず、金型を2mm開いて2秒保持し
た後、さらに金型を2mm開く工程とし、微少多段型開
行い、発泡終了時に金型10が4mm開くように型開速
度を調整した。なお、第1樹脂の発泡の程度に合わせて
徐々に金型を開く型開制御はこれに限らず、樹脂の発泡
程度に合わせて金型を徐々に開く、ランプ制御を行って
も良い。
と称することもある)にあるように可動盤2の位置を制
御する。勿論、この型開き時には、固定型3と可動型4
との間に形成されるキャビティ空間5は、樹脂が漏れ出
さないように、キャビティ空間5の周りを囲むように形
成したシェアエッジ構造の嵌合部にて、封止されてい
る。
いタイマAが内蔵されており、タイマAは射出装置30
Aの射出完了時から計時開始を始めている。次の図5
(6)の工程では、予め型締条件設定器に設定された設
定時間とタイマAの経過時間T1が同じになったとき金
型の型締力の負荷を解除し、可動盤2の位置を位置セン
サーHでモニターすることによって、金型を所望の量だ
け正確に型開きし、予め型締条件設定器に設定された型
開量(第2実施形態においては2mm)だけ、型開きを
行なう。
と称することもある)にあるように可動盤2の位置を制
御する。このことにより、第1樹脂と固定型3のキャビ
ティ面との間には所望の距離(第2実施形態では2m
m)を有した空隙を生じる。勿論、この型開き時には、
固定型3と可動型4との間に形成されるキャビティ空間
5は、樹脂が漏れ出さないように、キャビティ空間5の
周りを囲むように形成したシェアエッジ構造の嵌合部に
て、封止されている。なお、この時の固定型3と可動型
4との相対位置は図3(5)に示す通りである。
1Bが閉から開に切替わり射出装置30Bが射出動作す
ることによって、図3(6)に示すように、第2樹脂
を、第1樹脂と固定型3のキャビティ面との間に生じた
空隙に射出充填する。なお、本実施形態において使用し
た第2樹脂は、前記した実施形態と同様に、サーモプラ
スチックエラストマであるTPE M142E(トクヤ
マ株式会社製)に、無機系発泡剤であるポリスレンEE
441(永和化成工業株式会社製)を重量比で10%添
加したものを、射出装置31Aのバレル設定温度180
℃で可塑化溶融したものである。
工程に進み、切替バルブ31Bを開から閉に切替え、予
め型締条件設定器に設定された型開量(第2実施形態に
おいては8mm)まで金型を開きながら、第2樹脂を発
泡させた。本実施の形態においては、第2樹脂の発泡が
終了するまでの時間を予め計算しておき、発泡終了時に
金型10が7mm開くようにするため、金型10を7m
mまで一挙に開かず、前記した微少多段型開動作をおこ
ない、発泡終了時において、金型10が7mmまで開く
ように型開速度を調整した。なお、前述したように、第
2樹脂の発泡の程度に合わせて徐々に金型を開く型開制
御はこれに限らず、樹脂の発泡程度に合わせて金型を徐
々に開く、ランプ制御を行っても良い。
は、第1及び第2の射出装置の計量工程を行うと同時
に、型締サーボモータ22の作動により金型10を大き
く型開きし、成形品を金型から取出して1サイクルを終
了する。
成形後の多層成形品の触感が大きく向上し、高級感のあ
る多層成形品を得ることができた。
の種類は前述した実施形態に限るものでないことは勿論
であり、第1樹脂と第2樹脂が金型内において接合して
一体化して成形される組み合わせとなるように選定され
れば良く、第1樹脂としては、例えばポリスチレン、ポ
リカーネイト、ポリエチレンテレフタレート、あるいは
ABS樹脂等といったその他の樹脂を用いることができ
る。
モプラスチックエラストマ(熱可塑性エラストマ樹脂と
称することもある)が好ましいが、これに限るものでは
なく、発泡してクッション性を有することのできる樹脂
であれば良い。なお、サーモプラスチックエラストマ樹
脂は、常温では加硫ゴムの性質を示すが、加熱すると可
塑化されて一般的なプラスチック成形装置で成形できる
高分子材料であり、例えばプラスチックとエラストマの
ブレンドによって、あるいは、(ポリスチレン)−(ポ
リブタジエン)−(ポリスチレン)のようなブロックコ
ポリマー等の形で存在しているものを示しており、本発
明に用いる好ましいサーモプラスチックエラストマ樹脂
は、ポリスチレン系のサーモプラスチックエラストマ樹
脂に限らず、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリ
ブタジエン系等、どのようなサーモプラスチックエラス
トマ樹脂を用いても良い。第2樹脂として、前述したサ
ーモプラスチックエラストマ樹脂を用いると、金型内で
の成形性が非常に良く、かつ、成形後の多層成形品は、
触感に優れた柔らかい成形品となる。
(トクヤマ株式会社製)に、無機系発泡剤であるポリス
レンEE441(永和化成工業株式会社製)を重量比で
10%添加したものを使用した例を説明したが、表1の
組み合わせにおいて実験を行っており、表1に示す第2
樹脂は、発泡倍率に差があり成形した成形品に多少触感
に差がでるものの、それぞれの場合において、触感に優
れた柔らかい多層成形品を得ることができた。
の高い方が触感に優れているという傾向を有している。
発明は、第2樹脂を発泡させることで、軽量で触感に優
れた柔らかい多層成形品を得ることができる。また、本
発明は、これらの多層成形品を一つの金型を使用して、
型締装置の型閉動作を利用して行うことから、金型費が
安価で済むと共に、サイクルタイムを短縮して、コスト
を抑えることができる。
は、基材樹脂を発泡させることで、発泡層と発泡層が積
層されて、成形後の多層成形品の触感が著しく向上し、
軽量でありながら剛性が高く、断熱性の高い、高級感の
ある多層成形品となる。
である。
における金型と金型内の状態を説明するための概念図で
あり、基材樹脂を発泡させない場合の概念図である。
における金型と金型内の状態を説明する概念図であり、
基材樹脂を発泡させる場合の概念図である。
である。
の形態による多層成形方法のフローチャートである。
際においての型開挙動を説明するための概念図である。
Claims (5)
- 【請求項1】第1の射出装置により金型のキャビティ空
間に第1樹脂を充填して基材を成形する第1の工程と、
前記基材を成形した後に該キャビティ空間の容積を拡大
することにより空隙を生じさせる第2の工程と、第2の
射出装置により該空隙に発泡性を有した第2樹脂を充填
して該キャビティ空間内で発泡させる第3の工程とを備
え、金型内において基材にクッション性を有する発泡層
を積層して成形する多層成形品の製造方法。 - 【請求項2】前記金型は、前記キャビティ空間の周りを
囲むように形成したシェアエッジ構造の嵌合部で嵌め合
わされる固定型と可動型とを備えており、該可動型と該
固定型とがシェアエッジ構造の嵌合部で嵌合したまま摺
動することによってキャビティ空間の容積を拡大させる
構造とした請求項1記載の多層成形品の製造方法。 - 【請求項3】前記第3の工程において、前記キャビティ
空間の容積を拡大させながら第2樹脂を発泡させる請求
項1、又は請求項2記載の多層成形品の製造方法。 - 【請求項4】前記第1樹脂は発泡性を有したものであっ
て、前記第1の工程において、前記金型キャビティ空間
を容積を拡大させながら第1樹脂を発泡させる請求項1
〜請求項3までのいずれか1項に記載の多層成形品の製
造方法。 - 【請求項5】前記第1樹脂及び第2樹脂の少なくとも一
つを発泡させる際において、射出装置の射出動作に連動
して、前記金型キャビティ空間の容積を拡大させること
を特徴とする請求項1〜請求項4までのいずれか1項に
記載の多層成形品の製造方法。
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