JP3750915B2 - 積層成形体の成形方法並びに成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂芯材の表面に表皮材を一体貼着してなる積層成形体の成形方法並びに成形装置に係り、特に、成形時における表皮材の保持を安定して行なえるとともに、表皮材の剥離不良を確実に防止でき、美観的にも優れた積層成形体が得られる積層成形体の成形方法並びに成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11はドアパネルの室内面に内装される自動車用ドアトリムの構成を示すもので、自動車用ドアトリム1は、所望の曲面形状に成形された樹脂芯材2の表面に表皮材3が一体貼着されており、製品の周縁の全長、あるいはその一部に表皮材3の周縁端末3aを巻込み代として樹脂芯材2の裏面側に巻込み処理して仕上げ加工が行なわれる。
【0003】
上記自動車用ドアトリム1の製造方法としては、コールドプレス成形、モールドプレス成形等、種々の成形工法が使用できるが、コールドプレス成形工法を例示して説明すると、まず、図12に示すように、コールドプレス用成形上下型(成形上型4,成形下型5)が型開き状態にあるとき、表皮材3をセットした表皮投入機6がコールドプレス用成形上下型4,5内に進入し、表皮投入機6に内蔵するシリンダ(図示せず)の動作により、表皮材3が上昇し、上型4のサポートピン4aに保持される。
【0004】
そして、成形下型5の型面には、表皮材3の供給前に予め樹脂芯材2の素材である熱可塑性樹脂板Pが加熱軟化状態でセットされており、図13に示すように、成形上下型4,5の型締めにより、熱可塑性樹脂板Pから所望形状の樹脂芯材2を成形すると同時に、この樹脂芯材2の表面に表皮材3を一体化している。
【0005】
このとき、下降動作を行なう成形上型4に連れてサポートピン4aに保持されている表皮材3の巻込み代3aに過度のテンションが加わることになる。
【0006】
そして、最近では、成形上下型4,5によるコールドプレス成形時、表皮材3の特に巻込み代3aに過度のテンションが加わることを防止することを目的として、図14に示す表皮保持機構7が提案されている。
【0007】
このものは、サポート枠7aがサポート支柱7bにより支持されており、このサポート支柱7bは、成形下型5の貫通孔5a内に挿通し、上下動自在であり、サポート支柱7bの外周に巻装されている付勢スプリング7cにより常時上方にサポート枠7aが付勢されており、サポート枠7aを下方に押し込めば、付勢スプリング7cのバネ力より大きな押圧力に対してはサポート枠7aは下降を行なう。
【0008】
尚、表皮材3のセット時には、このサポート枠7aは、成形下型5の型面とほぼ同一面をなす位置まで上昇しており、サポート枠7aが上昇位置にあるとき、表皮材3がセットされる。
【0009】
そして、図15に示すように、成形上型4が下死点まで下降して、成形上下型4,5の型締めにより、樹脂芯材2と表皮材3が一体化される際、表皮材3の巻込み代3aは、サポート枠7aとサポートピン4aにより保持され、付勢スプリング7cのバネ力により、表皮材3の巻込み代3aに適度のテンションが加わるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サポート枠7a、サポート支柱7b、付勢スプリング7cから構成される表皮保持機構7を使用した場合、例えば、図16に示すように、プレス成形後、成形上型4が上昇すれば、付勢スプリング7cは外力が解除され、この付勢スプリング7cのバネ力により、サポート枠7aは最上方位置まで上昇し、このとき、積層成形体aは下型5の型面上に位置しているため、樹脂芯材2の縁部2aに表皮材の巻込み代3aから過度の負荷がかかり、表皮材3の巻込み代3aが剥離するという不具合が発生する。
【0011】
また、成形上型4が上昇した後、図17に示すように、積層成形体aを下型5から上方にエジェクタピン5bの突上げ動作により上方に突き上げられるが、このときにおいても、樹脂芯材2の周縁部2aにおいて表皮材3の巻込み代3aから過度の負荷がかかり、巻込み代3aの剥離を助長する結果となる。
【0012】
従って、上述した表皮保持機構7においては、付勢スプリング7cを用いて表皮材3に適正なテンションが加わるようになってはいるが、成形後の型開き時、及びエジェクタピン5bによる突上げ時に表皮材3の巻込み代3a基部に過度の負荷が加わることになり、巻込み代3aの剥離不良、また、ハイライト線を明確に形状出しすることができず、製品の周辺見栄えを低下させるという問題点が生じている。
【0013】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、積層成形体の成形方法並びに成形装置であって、プレス成形時には、表皮材に適正なテンションが加わり、成形性を良好に維持できることは勿論、成形後の型開き時、並びに成形品の突出し時において表皮材の周縁部に過度の負荷が加わることがなく、表皮材の剥離不良を抜本的に解決できる積層成形体の成形方法並びに成形装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、樹脂芯材の表面に表皮材を一体貼着してなる積層成形体の成形方法であって、成形下型の型面に供給される樹脂芯材の樹脂材料の上側に、表皮材をセットし、この表皮材の周縁部を成形上型のセットピンと成形下型における表皮セット枠により保持し、成形上型の下降操作時、表皮セット枠を支持する支持ポールを成形下型で保持しながら成形上型に追従して下降操作し、表皮材に適切なテンションを付与するとともに、プレス成形後は、成形下型に配設されているエジェクタプレートの突出し動作と連動して、支持ポールを突き上げ、積層成形体に対して表皮材の周縁部を追従させることを特徴とする。
【0015】
ここで、成形工法としては、モールドプレス成形工法、コールドプレス成形工法等が挙げられる。
【0016】
コールドプレス成形工法においては、樹脂芯材の素材として、木粉を混入したポリプロピレン樹脂板をTダイ押出成形機によりシート状に押し出し、このシート原反をヒーターにより加熱軟化処理した後、コールドプレス用成形下型にセットし、その後、成形型内に供給されるシート状の表皮材とともにコールドプレス成形により一体成形する。
【0017】
また、モールドプレス成形工法においては、型内に表皮材をセットした後、射出成形機からホットランナ、ゲートを通じてモールドプレス用成形下型の型面に溶融樹脂を分配供給し、モールドプレス用成形上下型を型締めすることにより、樹脂芯材と表皮材とを一体成形する。
【0018】
次いで、本発明方法に使用する積層成形体の成形装置は、樹脂芯材の表面に表皮材を一体貼着する成形上下型と、成形下型内に設けられ、積層成形体を突き上げるエジェクタプレートと、成形上型の表皮セットピンに対応して成形下型に設けられる表皮保持機構とから構成され、この表皮保持機構は、表皮セットピンと協働して表皮材の周縁部を保持する表皮セット枠と、この表皮セット枠を支持するように成形下型内のガイド孔内に上下動可能に挿通され、エジェクタプレートの上昇動作により上方に突き上げられる支持ポールと、成形上型からのプレス圧により支持ポールの急激な落下を規制し、この支持ポールを成形下型に安定して保持するように成形下型に設けられる支持ポール保持用ラバー体とから構成されていることを特徴とする。
【0019】
更に、本発明方法に使用する積層成形体の成形装置の変形態様は、樹脂芯材の表面に表皮材を一体貼着する成形上下型と、成形下型内に設けられ、積層成形体を突き上げるエジェクタプレートと、成形上型の周縁部に沿って設けられる表皮セットピンに対応して成形下型に設けられる表皮保持機構とから構成され、この表皮保持機構は、表皮セットピンと協働して表皮材の周縁部を保持する表皮セット枠と、この表皮セット枠を支持するように成形下型内のガイド孔内に上下動可能に挿通され、エジェクタプレートの上昇動作により上方に突き上げられる支持ポールと、この支持ポールを所定位置でロックできる有段階ロック機構と、支持ポールの急激な落下を防止するために、成形下型の上面と表皮セット枠との間に介装される落下防止用スプリングとから構成されていることを特徴とする。
【0020】
従って、本発明によれば、成形上型を下降操作して、成形上下型を型締めする際、型内に予めセットされている表皮材の周縁部は、成形上型のセットピンと、成形下型に設けた表皮保持機構の表皮セット枠との間に挟持された状態で、成形上型の下降と追随して表皮保持機構が下降する。このとき、表皮セット枠を支持している支持ポールは、保持用ラバー体により支持ポールの外周面が所定の摺動抵抗により保持されているか、あるいは落下防止用スプリングが介装されていることにより、支持ポールが急激に落下することがなく、成形上型の下降に追随するため、表皮材の周縁部を安定して保持することができる。
【0021】
そして、プレス成形後は、成形上型が上昇しても、表皮保持機構が上昇動作することがないため、表皮材の周縁部に負荷がかかることがなく、また、成形下型のエジェクタプレートにより、積層成形体が上方に突き上げられる際、エジェクタプレートと連動して支持ポールが上昇して、表皮セット枠も上昇動作するため、積層成形体の突上げ時においても表皮材の周縁部に負荷がかかることがない。
【0022】
更に、表皮セット枠が上昇位置にあるとき、支持ポールは保持用ラバー体の摺動抵抗、あるいはラチェット機構等により上昇位置で保持されているため、表皮材のセット作業を円滑に行なうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る積層成形体の成形方法並びに成形装置の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1,図2は本発明方法に係る積層成形体の一実施形態である自動車用ドアトリムを示す正面図並びに断面図、図3は本発明に係る積層成形体の成形装置の第1実施形態の全体構成を示す概要図、図4は図3に示す成形装置における要部を示す拡大図、図5は表皮保持機構における支持ポール保持用ラバー体を示す斜視図、図6乃至図9は本発明方法を自動車用ドアトリムの成形方法に適用した実施形態を示す各工程説明図、図10は本発明に係る積層成形体の成形装置における第2実施形態の全体構成を示す概要図である。
【0025】
図1,図2において、自動車用ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との上下2分割体から構成されており、ドアトリムアッパー20は、所望の曲面形状に成形された樹脂芯材21の表面に表皮材22を一体貼着してなる積層構造体から構成されており、ドアトリムロア30は、合成樹脂の射出成形体からなり、ドアポケット31及びスピーカグリル32等が一体成形されている。
【0026】
更に詳しくは、ドアトリムアッパー20を構成する樹脂芯材21並びに表皮材22の具体的な構成としては、タルクを混入したPP(ポリプロピレン)樹脂をモールドプレス成形することにより、所望の曲面形状に成形されており、表皮材22は、TPO(サーモプラスチックオレフィン)シートの裏面にポリエチレンフォームを裏打ちしてなるクッション性並びに手触り感、外観性能に優れた積層シート材料を素材として、表皮材22をモールドプレス成形型内に予めセットしておき、樹脂芯材21のモールドプレス成形時に一体貼着している。
【0027】
尚、参考までにドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合構造について説明すると、ドアトリムロア30の上縁に横方向に沿って所定ピッチ間隔でその裏面側から取付用ボス33を突設形成し、それと対応するように、ドアトリムアッパー20の下縁に取付孔23が開設され、取付用ボス33を取付孔23内に挿入して、取付用ボス33の先端側を熱溶着、あるいは超音波溶着等によりカシメ加工することにより、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを簡単に接合固定できる。
【0028】
ところで、本発明は、上記自動車用ドアトリム10におけるドアトリムアッパー20のように、樹脂芯材21と表皮材22との積層成形体において、プレス成形時、表皮材22を安定して保持することにより、表皮材22に適正なテンションを付与し、良好な成形性を確保するとともに、表皮材22の周縁部が樹脂芯材21から剥離するという不具合を有効に解決し、かつコーナーライン等の形状出しも明瞭に行なえ、外観性能にも優れたドアトリムアッパー20の成形方法並びに成形装置を提供することが特徴である。
【0029】
次いで、上記自動車用ドアトリム10におけるドアトリムアッパー20の成形工法として、モールドプレス成形工法を用いた実施形態について、図3乃至図5でモールドプレス成形装置の概要を説明し、図6乃至図9においてモールドプレス成形工法における各工程を説明する。
【0030】
まず、図3に示すように、本発明に係る成形装置40は、所定ストローク上下動可能な成形上型50と、成形上型50と対をなす固定側の成形下型60と、成形下型60の周縁部に沿って設けられている表皮保持機構70とから大略構成されている。
【0031】
更に詳しくは、成形上型50は、昇降用シリンダ51により所定ストローク上下動可能であり、成形上型50の周縁部の全周、あるいはその一部には、表皮材22の表面側から貫通して突刺し保持できるように先端が鋭利なセットピン52が設けられている。
【0032】
尚、この実施形態においては、一部のセットピン52が横方向に可動できるように、セットピン52を支持するブラケット53がガイドピン54に沿ってスライド可能に取り付けられているとともに、スプリング55により外方に付勢され、表皮材22の引込み力によりスプリング55を圧縮して、セットピン52が横方向にスライド可能なように構成されている。
【0033】
一方、成形下型60は、図示はしないが射出成形機が隣接設置され、この射出成形機から供給される溶融樹脂がマニホールド61、ゲート62を通じて成形下型60の型面上に供給されるという構成である。更に、この成形下型60内には、エジェクタプレート63が設けられており、このエジェクタプレート63の上昇動作により、図示しないエジェクタピンを上昇動作して、プレス成形後の積層成形体を脱型操作できる。尚、上述した成形上下型50,60は、ドアトリムアッパー20の製品形状に即したキャビティ部50aとコア部60aを備えている。
【0034】
更に、図3,図4に示すように、成形下型60に配設されている表皮保持機構70は、成形上型50のセットピン52と対応する位置に設けられており、プレート状の表皮セット枠71と、表皮セット枠71を支持する支持ポール72と、支持ポール72を適度の摩擦抵抗力で保持する支持ポール保持用ラバー体73とから構成されている。
【0035】
更に詳しくは、支持ポール72は、成形下型60のガイド孔64内に挿通されており、成形下型60内のガイド軸受け部65により上下動可能に支持されている。そして、この支持ポール72の下端72aは、支持ポール72が最下方位置にきたとき、エジェクタプレート63と対峙、あるいは当接して、エジェクタプレート63の上昇時、支持ポール72がそれと連動して上方に突き上げられる。
【0036】
次に、この支持ポール72を保持する支持ポール保持用ラバー体73は、硬質ウレタン等の弾性体を素材として、図5に示すように、支持ポール72の径b1に対して支持ポール保持用ラバー体73の挿通孔731の内径b2が少しだけ小径に設定されており、支持ポール保持用ラバー体73の挿通孔731には油溝732が形成されており、潤滑油を供給することにより、支持ポール72とラバー体73との間の摺動抵抗力を調整できるようになっている。
【0037】
また、このラバー体73を成形下型60に取り付けるには、ラバー体73に設けられている複数の取付孔733にボルト734を挿通して、成形下型60に締付け固定すれば良い。
【0038】
次いで、図6乃至図9に基づいて、ドアトリムアッパー20の成形方法における各工程について説明する。
【0039】
まず、図6に示すように、成形上下型50,60が型開き状態にあるとき、表皮セット枠71上に表皮材22を載置する。このとき、表皮保持機構70における表皮セット枠71は最上方位置にきており、フラット状で段差が生じることがないため、表皮材22のセット作業を簡単に行なうことができる。
【0040】
その後、図7に示すように、成形上型50が昇降用シリンダ51の駆動により下降して、成形上型50のセットピン52が表皮セット枠71上に載置されている表皮材22を突き刺し、表皮材22の周縁部は表皮セット枠71とセットピン52により確実に支持された状態であり、成形上型50の下降動作に応じて表皮セット枠71も下降を行なう。
【0041】
そして、成形上下型50,60の型間クリアランスが10〜30mmに到達したとき、図示しない射出成形機からの溶融樹脂Mがマニホールド61、ゲート62を通じて成形下型60の型面上に分配供給される。
【0042】
次いで、図8に示すように、成形上型50は、昇降用シリンダ51の動作により下死点まで下降して、溶融樹脂Mをキャビティ形状に沿って成形し、樹脂芯材21を所要形状に成形すると同時に表皮材22を一体貼着してドアトリムアッパー20の成形が行なわれる。
【0043】
このとき、成形上型50の下降動作に追随して、支持ポール72が成形下型60内を下降することにより、表皮セット枠71も下方に押し下げられるが、支持ポール保持用ラバー体73により支持ポール72が保持された状態で下降動作が行なわれ、支持ポール72が成形上型50のプレス圧をうけて急激に落下したりすることがないため、エジェクタプレート63に急激にぶつかり、破損を招いたりすることがなく、常に安定した状態で表皮材22を保持できる。
【0044】
そして、プレス成形が完了すれば、図9に示すようにエジェクタプレート63が上昇して、エジェクタピン63aによりドアトリムアッパー20が上方に突き上げられ、成形下型60からの脱型が行なわれるとともに、エジェクタプレート63の上昇により、支持ポール72の下端72aがエジェクタプレート63により上方に押し上げられ、支持ポール72と一体化している表皮セット枠71が上昇することにより、表皮材22の周縁部も上方に持ち上げられ、表皮材22の周縁部に過度の負荷が加わることがなく、表皮材の周縁部の剥離不良が皆無となる。
【0045】
そして、ドアトリムアッパー20を取り出せば、表皮セット枠71は最上方位置にきているため、次の成形サイクルを行なうための表皮材22のセット作業が簡単に行なえる。
【0046】
このように、本発明方法によれば、表皮セット枠71を支持する支持ポール72は、支持ポール保持用ラバー体73により適度の摺動抵抗をもって保持されているため、成形上型50の下降操作により成形上型50からプレス圧が加わった際、表皮セット枠71が急激に落下することがない。従って、衝撃音の発生やエジェクタプレート63,支持ポール72の破損等を招いたりすることがなく、常に成形上型50の下降動作と追従動作するため、表皮材22の周縁部を常に適正に保持でき、表皮材22に適正なテンションを付与することができ、シワ発生等の成形不良が生じることがない。
【0047】
更に、プレス成形後はエジェクタプレート63の上昇動作により、支持ポール72が上方に突き上げられ、表皮セット枠71上の表皮材22の周縁部についても積層成形体であるドアトリムアッパー20の突上げ動作と同様に上方に持ち上げられ、表皮材22に剥離を誘発する負荷が加わることがないため、表皮材22の剥離不良を抜本的に解決することができる。
【0048】
次いで、図10は、本発明に係る成形装置40の第2実施形態を示すもので、表皮保持機構70の一部を変更している。尚、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0049】
この第2実施形態においては、表皮セット枠71を支持する支持ポール72の外周面に所定ピッチ間隔で環状の係合溝74が設けられており、この係合溝74と係合するように成形下型60内にはボールプランジャ機構75が設けられている。
【0050】
すなわち、ボールプランジャ機構75は、径方向対向位置に一対のボール75aと、ボール75aを相対する方向に付勢するスプリング75bとからなり、支持ポール72は、有段階でロックされるという構成である。そして、係合溝74間での急激な落下を防止するために、落下防止用スプリング76が表皮セット枠71の下面と成形下型60の上面との間に介装されている。
【0051】
従って、ボールプランジャ機構75により、支持ポール72は、所定ストローク毎にロックされ、かつ落下防止用スプリング76が介装されているため、支持ポール72は、成形上型50からのプレス圧を受けても急激に落下することがなく、表皮材の周縁部を常に安定的に保持でき、表皮材22に適切なテンションを付与することができる。尚、ボールプランジャ機構75に替えて、慣用のラチェット機構を支持ポール72に設けるようにしても良い。
【0052】
以上説明した第1実施形態、第2実施形態は、モールドプレス成形工法を適用した成形装置40についてであるが、コールドプレス成形工法を利用するには、表皮材22をセットする前に加熱軟化処理した芯材原反、例えば木紛を混入したPP樹脂板等を加熱軟化処理した後、成形下型60の型面上にセットして行なえば良く、本発明方法並びに成形装置はモールドプレス成形工法、コールドプレス成形工法の双方に有効に適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、樹脂芯材と表皮材とからなる積層成形体の成形方法並びに成形装置において、表皮材の周縁部を保持する成形下型における表皮保持機構は、表皮セット枠を支持する支持ポールが成形下型に上下動可能に設けられており、この支持ポールはラバー体との摩擦抵抗力、あるいは落下防止用スプリングのバネ力により、成形上型に追従して下降動作を行なうため、表皮材の周縁部を安定して保持でき、シワ発生等の成形不良を未然に防止できるという効果を有する。
【0054】
更に、支持ポールは、成形下型に設けたエジェクタ機構と連動して動作し、表皮材の周縁部に何等負荷が加わることがないため、表皮材の巻込み代における剥離不良を確実に防止でき、生産効率を高めることができるとともに、製品コーナー部のハイライト線等、シャープな形状出しも忠実に行なえ、周縁部の外観見栄えを良好に保つことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層成形体の一実施形態を示す自動車用ドアトリムを示す正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】本発明方法に使用するモールドプレス成形装置の概略構成を示す説明図である。
【図4】図3に示すモールドプレレス成形装置における表皮保持機構を示す拡大断面図である。
【図5】図4に示す表皮保持機構における支持ポール保持用ラバー体を示す斜視図である。
【図6】本発明方法における表皮材のセット工程を示す説明図である。
【図7】本発明方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。
【図8】本発明方法におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。
【図9】本発明方法における積層成形体の突上げ時の状態を示す説明図である。
【図10】本発明に係る積層成形体の成形装置の第2実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図11】従来の自動車用ドアトリムの構成を示す断面図である。
【図12】従来の自動車用ドアトリムの成形方法における表皮のセット工程を示す説明図である。
【図13】従来の自動車用ドアトリムの成形方法におけるプレス成形工程を示す説明図である。
【図14】従来の自動車用ドアトリムの成形装置における表皮保持機構の従来例を示す説明図である。
【図15】図14に示す表皮保持機構における成形工程を示す説明図である。
【図16】従来の表皮保持機構における成形上型の上昇時の状態を示す説明図である。
【図17】従来の表皮保持機構における製品突上げ時の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 自動車用ドアトリム
20 ドアトリムアッパー
21 樹脂芯材
22 表皮材
30 ドアトリムロア
40 成形装置
50 成形上型
51 昇降用シリンダ
52 セットピン
60 成形下型
61 マニホールド
62 ゲート
63 エジェクタプレート
65 ガイド軸受部
70 表皮保持機構
71 表皮セット枠
72 支持ポール
73 支持ポール保持用ラバー体
731 挿通孔
732 油溝
74 係合溝
75 ボールプランジャ機構
76 落下防止用スプリング
M 溶融樹脂

Claims (3)

  1. 樹脂芯材(21)の表面に表皮材(22)を一体貼着してなる積層成形体(20)の成形方法であって、成形下型(60)の型面に供給される樹脂芯材(21)の樹脂材料(M)の上側に、表皮材(22)をセットし、この表皮材(22)の周縁部を成形上型(50)のセットピン(52)と成形下型(60)における表皮セット枠(71)により保持し、成形上型(50)の下降操作時、表皮セット枠(71)を支持する支持ポール(72)を成形下型(60)で保持しながら成形上型(50)に追従して下降操作し、表皮材(22)に適切なテンションを付与するとともに、プレス成形後は、成形下型(60)に配設されているエジェクタプレート(63)の突出し動作と連動して、支持ポール(72)を突き上げ、積層成形体(10)に対して表皮材(22)の周縁部を追従させることを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. 樹脂芯材(21)の表面に表皮材(22)を一体貼着する成形上下型(50,60)と、成形下型(60)内に設けられ、積層成形体(20)を突き上げるエジェクタプレート(63)と、成形上型(50)の表皮セットピン(52)に対応して成形下型(60)に設けられる表皮保持機構(70)とから構成され、この表皮保持機構(70)は、表皮セットピン(52)と協働して表皮材(22)の周縁部を保持する表皮セット枠(71)と、この表皮セット枠(71)を支持するように成形下型(60)内のガイド孔(64)内に上下動可能に挿通され、エジェクタプレート(63)の上昇動作により上方に突き上げられる支持ポール(72)と、成形上型(50)からのプレス圧により支持ポール(72)の急激な落下を規制し、この支持ポール(72)を成形下型(60)に安定して保持するように成形下型(60)に設けられる支持ポール保持用ラバー体(73)とから構成されていることを特徴とする積層成形体の成形装置。
  3. 樹脂芯材(21)の表面に表皮材(22)を一体貼着する成形上下型(50,60)と、成形下型(60)内に設けられ、積層成形体(20)を突き上げるエジェクタプレート(63)と、成形上型(50)の周縁部に沿って設けられる表皮セットピン(52)に対応して成形下型(60)に設けられる表皮保持機構(70)とから構成され、この表皮保持機構(70)は、表皮セットピン(52)と協働して表皮材(22)の周縁部を保持する表皮セット枠(71)と、この表皮セット枠(71)を支持するように成形下型(60)内のガイド孔(64)内に上下動可能に挿通され、エジェクタプレート(63)の上昇動作により上方に突き上げられる支持ポール(72)と、この支持ポール(72)を所定位置でロックできる有段階ロック機構(75)と、支持ポール(72)の急激な落下を防止するために、成形下型(60)の上面と表皮セット枠(71)との間に介装される落下防止用スプリング(76)とから構成されていることを特徴とする積層成形体の成形装置。
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