JP4017146B2 - 積層成形体の成形方法及び成形金型 - Google Patents

積層成形体の成形方法及び成形金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドアトリム等の内装部品に好適な積層成形体の成形方法及びこれに使用する成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、車両の側壁パネル等には、各種内装部品が装着されている。図13に示す自動車用ドアトリム1を例示して説明する。尚、図13(a)はドアトリム1の正面図、図13(b)は同ドアトリム1の構成を示す断面図である。
【0003】
自動車用ドアトリム1は、保形性並びに車体パネルへの取付剛性を備えた樹脂芯材1aと、この樹脂芯材1aの表面に積層一体化され、感触が良好でかつ見栄え上も好ましい表皮1bとから構成されている。
【0004】
上記樹脂芯材1aは、ポリプロピレン(以下PPという)樹脂を素材として、モールドプレス成形、あるいは射出成形により所望の曲面形状に成形され、このモールドプレス成形、あるいは射出成形時に表皮1bが一体成形されることが多い。尚、表皮1bとしては、樹脂芯材1aとの接着性並びにリサイクル性を考慮して、TPO(サーモプラスチックオレフィン)シート等のオレフィン系樹脂シートが好ましい。
【0005】
上記自動車用ドアトリム1の製造方法について、モールドプレス成形工法を使用した従来例を図14乃至図16において説明する。ドアトリム1の成形方法に使用する成形金型2は、所定ストローク上下動可能な成形上型3と、成形上型3の下方に位置する固定側の成形下型4と、成形下型4に接続され、樹脂芯材1aの素材である溶融樹脂を供給する射出機5とから大略構成されている。
【0006】
更に詳しくは、成形上型3は、昇降シリンダ3aの駆動により下死点まで所定ストローク上下動可能であり、製品キャビティCの外周に沿って表皮1bをセットするセットピン3bが所定ピッチ間隔で設けられている。一方、成形下型4は、射出機5からの溶融樹脂Mの樹脂通路となるホットランナ4a、ゲート4bが形成され、成形下型4の型面上に溶融樹脂Mが分配供給される。
【0007】
そして、ドアトリム1の成形工程について説明すると、図14に示すように、成形上型3が型開き状態にあるとき、表皮投入機6が成形上下型3,4内に投入され、表皮投入機6の上面に予めセットされている表皮1bは、表皮投入機6に内装されている上下シリンダ(図示せず)の駆動により表皮1bが押し上げられ、セットピン3bに表皮1bが突き刺さり、セットピン3bにより表皮1bが保持される。
【0008】
その後、図15に示すように、昇降シリンダ3aが駆動して、成形上型3が下降するとともに、成形上型3が下死点まで到達する前に、射出機5からホットランナ4a、ゲート4bを通じて樹脂芯材1aの素材である溶融樹脂Mが成形下型4の型面上に供給され、図16に示すように、成形上型3が下死点まで下降して型締めされれば、溶融樹脂Mが所要形状に成形されて樹脂芯材1aが成形されるとともに、樹脂芯材1aの表面側に表皮1bが一体化される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、モールドプレス成形工法を使用してドアトリム1を成形する概略工程について説明したが、従来の成形方法においては、表皮1bは成形上型3に設けられているセットピン3bにより保持され、特にドアトリム1のアームレスト部等、展開率の高い部分においては表皮1bが成形型3,4内に引き込まれるため、特にセットピン3bとセットピン3bとの間では表皮1bがフリー状態であることから、成形時に表皮1bに加わるテンションにより成形型3,4内に表皮1bが過度に引き込まれ、寄りシワの発生等、製品の高展開率部分においてシワが発生し易いという不具合が指摘されている。
【0010】
更に、表皮1bのセット作業及び成形サイクル時間についても、まず、表皮投入機6に表皮1bをセットした後、表皮投入機6が成形金型2内にスライド動作して、更に、表皮投入機6のシリンダが上下動作することにより、表皮1bが成形上型3のセットピン3bに保持されるという仕組みであるため、表皮1bのセット作業に多くの時間を費やし、作業が面倒であるとともに、成形サイクルが長期化し、生産性を低下させる大きな要因となっている。
【0011】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、樹脂芯材の表面に表皮を積層一体化してなる積層成形体の成形方法及び成形金型において、製品形状が高展開率形状であってもシワが発生することがなく、外観意匠性に優れた積層成形体が成形できるとともに、表皮のセット作業が簡素化でき、かつ成形サイクル時間を短縮化でき、生産性を高めることができる積層成形体の成形方法及び成形金型を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、成形上下型間で画成される製品キャビティ内に溶融樹脂を射出充填することにより所要形状に成形される樹脂芯材と、該樹脂芯材の成形時に樹脂芯材の表面側に一体成形される表皮とからなる積層成形体の成形方法において、前記成形下型の製品キャビティ外周に沿って設けられ、少なくとも一部に弾性体を備えた下型パットの上面に沿って表皮の周縁部をセットする表皮のセット工程と、成形上型の下降動作により、成形上型の製品キャビティ外周の全長、あるいはその一部に配設され、少なくとも一部に弾性体を備えた上型パットと下型パットとの間で表皮の周縁部を挟持し、その後、製品キャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際、上型パットと下型パットにより表皮の周縁部を保持して、表皮に適切なテンションを付与しながら樹脂芯材と表皮とを一体成形する樹脂芯材と表皮との一体成形工程とからなることを特徴とする。
【0013】
ここで、積層成形体は、ドアトリム、リヤコーナートリム等、各種内装部品に適用できる。また、積層成形体の成形方法に使用する工法としては、モールドプレス成形工法、射出成形工法への適用が可能である。更に、成形下型の製品キャビティ外周に沿って設けられる下型パットの材質は、ウレタンフォーム、シリコーンゴム等の弾性体を使用する。
【0014】
そして、本願発明方法によれば、表皮のセット工程としては、成形下型に単純に表皮を載置すれば良く、特に製品キャビティの外周に設けられている下型パットに表皮の周縁部を位置決めするようにセットすれば良いため、表皮を成形金型内に簡単にセットすることができる。更に、表皮のセット工程後、成形上型が下降動作を始め、型締めする前にまず上型パットと下型パットが先行して当接し、両者間で表皮の周縁を挟持する。
【0015】
次いで、更に成形上型が下降動作すれば、表皮の周縁は、上型パットと下型パットとの間でクランプされた状態で成形が行なわれるため、製品キャビティ形状が高展開率形状であったとしても、表皮は上型パットと下型パットとの間で確実に保持されているので、金型のキャビティ内に表皮が過度に滑り込むことがなく、成形時に表皮に適切なテンションを付与することができる。
【0016】
そして、本発明方法によれば、成形上型の製品キャビティの外周に沿ってウレタンフォーム、シリコーンゴム等の弾性体からなる上型パットが設けられているため、成形上下型の型締め前に上型パットと下型パットとが先行して当接し、表皮を確実に挟持し、表皮に適切なテンションを付与できる。
【0017】
また、本発明方法によれば、キャビティ内への表皮の滑り込み量が大きい部位、すなわち高展開率部分においては、表皮の保持力を強化するために、上型パットは高展開率部分の影響を受ける部分に全長に沿って設けることが良く、逆に、比較的展開率が小さい部位には、上型パットを部分的に設けるようにしても良い。更に、表皮の保持力を調整する手段としては、ブロック状パットを断続的に設ける他に、パットの表皮当接面の面粗さを調整することで表皮の保持力を任意に調整することができる。
【0018】
次に、本発明に係る積層成形体の成形金型は、成形上下型間で画成される製品キャビティ内に溶融樹脂を射出充填することにより所要形状に成形される樹脂芯材と、該樹脂芯材の成形時に樹脂芯材の表面側に一体成形される表皮とからなる積層成形体の成形金型であって、前記成形金型は、所定ストローク上下動可能な成形上型と、この成形上型に対応して設けられる固定側の成形下型と、成形上型の製品キャビティ外周の全長、あるいはその一部に配設された上型パットと、成形下型の製品キャビティ外周に沿って配設された下型パットとから構成され、上記上型パット、下型パットは、少なくとも一部に弾性体を備えるとともに、型締め前に先行して上型パットと下型パットとが当接することを特徴とする。
【0019】
ここで、成形下型の製品キャビティ外周に沿って設けられる下型パットは、ウレタンフォームやシリコーンゴム等の弾性体単独でも、また、これら弾性体と金属との複合体を用いても良い。更に、成形上型の製品キャビティ外周に沿って設けられている上型パットは、下型パットと同一材質で形成されている
【0020】
そして、下型パットは、製品キャビティの外周に沿って全長に設けるのが表皮のセット作業を考慮した上では良いが、上型パットについては、製品キャビティの造形状を考慮して、展開率が少ない部位については部分的にブロック状の上型パットを断続的に設けるようにしても良い。
【0021】
更に、表皮のセット作業を考慮すれば、下型パットの高さ寸法は、成形下型におけるコア部の高さ寸法とほぼ同一に設定するのが良い。また、上型パットと下型パットで表皮の周縁部分を挟持する際、上型パットと下型パットに互いに係合する段部を設けるか、あるいは両者の対向面を傾斜面、もしくは湾曲面として表皮の保持面積を大きく確保することで、表皮の保持力をより強固にすることができ、シワ発生を可及的に防止できる。
【0022】
従って、本発明に係る成形金型によれば、成形下型の製品キャビティの外周に沿って少なくとも一部に弾性体を含む下型パットを設けるという構成であるため、簡易な構造ではあるものの、成形時における表皮に適切なテンションを付与でき、シワ発生を確実に防止できるとともに、表皮のセット工程を簡素化でき、かつ作業時間を短縮化できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る積層成形体の成形方法及びそれに使用する成形金型の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1,図2は本発明に係る積層成形体としてドアトリムに適用したもので、図1はドアトリムの正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図である。図3乃至図5は本発明に係る積層成形体の成形金型の構成を示すもので、図3は成形金型の全体図、図4は成形下型における下型パットの一部を示す斜視図、図5は上型パットと下型パットの関係を示す説明図である。
【0025】
図6乃至図9は本発明に係る積層成形体の成形方法をモールドプレス成形工法に適用した実施形態を示すもので、図6は表皮のセット工程を示す説明図、図7は表皮のクランプ状態を示す説明図、図8はモールドプレス成形工程を示す説明図、図9は本発明に係る積層成形体の成形金型における下型パットの変形例を示す各説明図である。また、図10乃至図12は本発明の第2実施形態を示すもので、図10は成形金型の説明図、図11は同成形金型における上型パットと下型パットの関係を示す説明図、図12は同成形金型における上下型パットの変形例を示す説明図である。
【0026】
まず、本発明の第1実施形態について、図1乃至図9を基に説明する。図1,図2において、ドアトリム10は、樹脂芯材11の表面に表皮12を貼付して構成されており、ドアトリム10の下部側には、樹脂成形体からなるロアメンバー13が取り付けられ、このロアメンバー13にスピーカグリル14が一体形成されている。
【0027】
更に詳しくは、上記ドアトリム10における樹脂芯材11は、タルクを混入したPP樹脂をモールドプレス成形することにより所要形状に成形され、更に、樹脂芯材11の表面に貼付される表皮12は、TPO(サーモプラスチックオレフィン)シートが使用され、樹脂芯材11のモールドプレス成形時に一体成形されている。尚、表皮12としては、TPOシートの他に不織布、織布シート等の布地シートや、TPO以外の樹脂シートを使用することもできる。ところで、このドアトリム10は、アームレスト部10a等、高展開率部分等においても製品表面にシワ等が生じることがなく、良好な外観意匠性が確保されている。
【0028】
次に、図3乃至図5に基づいて、上記ドアトリム10を成形するために使用する成形金型20の構造について説明する。尚、以下に説明する成形金型20は、モールドプレス成形工法を採用したものであるが、射出成形に適用することもできる。
【0029】
成形金型20は、所定ストローク上下動可能な成形上型30と、成形上型30の下方に位置する成形下型40と、成形下型40に接続されて樹脂芯材11の素材である溶融樹脂を供給する射出機50とから大略構成されている。
【0030】
更に詳しくは、成形上型30は、昇降シリンダ31の駆動により所定ストローク上下動可能であり、更に、成形上型30の下面4隅部には、ガイドピン32が下方に向けて突設形成されている。一方、成形下型40は、射出機50からの樹脂通路となるホットランナ41、及びホットランナ41から成形下型40の型面に溶融樹脂を分配供給するためのゲート42が複数箇所に形成されており、更に、成形上型30のガイドピン32を受けるためのガイドブッシュ43が同じく成形下型40の4隅部分に設けられている。
【0031】
ところで、本発明に係る成形金型20は、製品の高展開率部分においても成形時に表皮12に適切なテンションを付与することでシワ等が発生することがなく、成形性に優れるとともに、更に、表皮12のセット作業を簡素化できることに加えて、成形サイクルをも短縮化できる。
【0032】
そのために、本実施形態においては、成形上下型30,40の製品キャビティC(キャビティ部30aとコア部40aとから構成されている)の外周に沿ってそれぞれ上型パット60、下型パット70を配設したことが金型構造上の特徴である。そして、この上型パット60、下型パット70は、この第1実施形態においては、ウレタンフォームを使用しており、この他にシリコーンゴムやその他の弾性体で代替することもできる。
【0033】
この実施形態では、成形上型30がキャビティ型、成形下型40がコア型を構成しているため、上型パット60は、キャビティ部30aの外周に沿って設けられ、かつ成形下型40の下型パット70は、コア部40aの外周に沿って設けられている。更に、図4に示すように、下型パット70は、その高さ寸法d1は、コア部40aの高さ寸法d2とほぼ等しく設定されている。
【0034】
上記成形上型30におけるキャビティ部30aの外周に設けられる上型パット60は、高展開率部分については長尺体の上型パット60aとして、また、比較的展開率が小さい部位についてはブロック状の上型パット60bとして断続的に成形上型30の型面に設けられている。尚、上型パット60及び下型パット70は、それぞれ成形上下型30,40の型面に接着剤を介して接着固定されているが、より簡易構造の成形金型20としては、上型パット60を省略し、成形上型30に凸部を形成することで代替しても良い。
【0035】
本発明に係る成形金型20は、以上のように構成されているが、図1,図2に示すドアトリム10の製造方法に適用した具体例について、図6乃至図8を基に説明する。まず、図6は、表皮12のセット工程を示すもので、表皮12は、成形下型40に単にセットするだけで良い。すなわち、表皮12の周縁端末12aは、成形下型40の下型パット70を目安としてその上面に載置するだけで簡単に表皮12のセット作業が完了する。従って、表皮投入機を廃止でき、コストダウンが見込めるとともに、表皮12のセット時間も短縮化できる。
【0036】
次いで、表皮12のセット作業が完了すれば、昇降シリンダ31が駆動して、成形上型30が所定ストローク下降動作を行なう。このとき、成形上型30が下死点まで到達する前に、まず、成形上型30の上型パット60が成形下型40のコア部40aの外周に設けられている下型パット70に先当りし、型締め前に表皮12は、上型パット60と下型パット70との間で確実に挟持される。
【0037】
更に、図7に示す表皮12のクランプ状態が達成された後、射出機50から成形下型40のホットランナ41、ゲート42を通じて製品キャビティC内に溶融樹脂Mが分配供給されるとともに、更に、成形上型30が下降動作を継続して行ない、図8に示すように、成形上型30が下死点まで下降して型締めが行なわれる。
【0038】
上記溶融樹脂Mは、製品キャビティCの形状に即して所望の曲面形状を備えた樹脂芯材11として、成形されるとともに、アームレスト部10aの高展開率形状に追従して表皮12が樹脂芯材11の表面に一体貼着される。このとき、表皮12は、上型パット60と下型パット70で挟持された状態であるため、製品キャビティC内に表皮12が過度に滑り込むことがなく、表皮12に適切なテンションを付与でき、成形時に表皮12に寄りシワ等が生じることがない。
【0039】
従って、上型パット60と下型パット70により表皮12を保持することで、表皮12に適切なテンションを付与することにより、製品表面にシワ等の成形不良が生じることがなく、良好な外観性能が得られる。また、この第1実施形態では、成形下型40に設ける下型パット70を製品キャビティC、すなわち、コア部40aの外周全長に沿って設ける一方、上型パット60については、長尺状の上型パット60aと、断続的に設置したブロック状の上型パット60bとを組み合わせて構成したが、上型パット60についても、製品形状や表皮12の伸び特性等を考慮して、キャビティ部30aの外周全長に設けても良い。
【0040】
更に、図9に示すように、下型パット70として、図9(a)に示すように、シリコーンゴム等の弾性体71と金属72との複合体から構成しても良く、図9(b)に示すように、金属72の表面にフッ素樹脂加工面72aを備えるようにしても良い。また、図9(c)に示すように、金属72を断面T字状で補強しても良く、図9(d)に示すように、表皮の対向面側に弾性体71、基部側に金属72を配置するようにしても良い。このように、図9(a)〜図9(d)では下型パット70の構成について、シリコーンゴム等の弾性体71と金属72との複合体から構成したが、上型パット60に適用することもできる。
【0041】
次いで、図10乃至図12は、本発明に係る成形金型20の第2実施形態を示す。尚、第1実施形態と同一部分は同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。この第2実施形態では、図10,図11に示すように、上型パット60と下型パット70にそれぞれ係合する段部73、61が形成されている。
【0042】
従って、表皮12を成形下型40にセットする際は、表皮12を成形下型40における下型パット70上面にほぼ下型パット70が隠れるようにセットすれば良く、表皮12のセット工程後、成形上型30が下降動作を始めれば、まず、上型パット60と下型パット70が成形下型40が下死点に到達する前に先当りする。
【0043】
そして、図11に示すように、下型パット70の段部73に対して上型パット60の段部61が係合することで、表皮12を強固に保持することができ、複雑な曲面形状を成形するときでも、表皮12はキャビティC内に適度に引き込まれることがなく、表皮12に適切なテンションを付与することができ、成形性に優れるという有利さがある。
【0044】
次いで、図12(a),(b)は、上述した第2実施形態における上下型パット60,70の変形例を示すもので、図12(a)では、上下型パット60,70の対向面は傾斜面62,74に設定されている。また、図12(b)では、上下型パット60,70の対向面は湾曲面63,75に設定されている。
【0045】
従って、表皮12を上下型パット60,70により保持する際、保持面積を大きく確保できることから、表皮12の適切な保持力が得られ、良好な成形性能が得られるという利点がある。
【0046】
尚、以上説明した実施形態は、自動車用ドアトリム10の成形工程について説明したが、樹脂芯材11と表皮12との積層成形体であれば、リヤコーナートリム等、各種内装部品に適用できる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る積層成形体の成形方法及び成形金型は、成形下型の製品キャビティ外周に沿って型締め前に成形上型と先当りする下型パットを配設するという構成であり、表皮のセット作業は成形下型における下型パット上面に表皮を置くだけで良く、セット作業を簡素化でき、更に、従来の表皮投入作業に比べ、表皮のセット作業に費やす時間が少なくて済み、成形サイクルを短縮化できるという効果を有する。
【0048】
更に、本発明に係る積層成形体の成形方法及び成形金型は、成形上型が下降動作して、型締め前に成形上型(あるいは上型パット)と下型パットが先当りして、表皮の周縁部分をクランプ状に保持することができるため、高展開率部分においても型内に表皮が過度に引き込まれることがなく、表皮に適切なテンションを付与でき、製品表面にシワ等が生じることがなく、外観意匠性に優れた積層成形体を成形できるという効果を有する。
【0049】
更に、積層成形体の造形状に応じて、上型パットを長尺状の上型パットやブロック状の上型パットを断続的に設置する等、また、パットの面粗さ等を調整することで表皮の保持力を調整でき、製品形状に即した対応ができることから、積層成形体の造形自由度を拡大させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層成形体の一実施形態である自動車用ドアトリムを示す正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】本発明に係る積層成形体の成形金型の第1実施形態を示す全体図である。
【図4】図3に示す成形金型における下型パットのコーナー部分を示す斜視図である。
【図5】図3に示す成形金型における上型パットと下型パットとの関係を示す説明図である。
【図6】本発明に係る積層成形体の成形方法をドアトリムの成形方法に適用した実施形態を示す表皮のセット工程を示す説明図である。
【図7】本発明に係る積層成形体の成形方法をドアトリムの成形方法に適用した実施形態における表皮のクランプ状態を示す説明図である。
【図8】本発明に係る積層成形体の成形方法をドアトリムの成形方法に適用した実施形態におけるドアトリムの成形工程を示す説明図である。
【図9】図3に示す成形金型における下型パットの変形例を示す各説明図である。
【図10】本発明に係る成形金型の第2実施形態を示す全体図である。
【図11】図10に示す成形金型における上型パットと下型パットとの関係を示す説明図である。
【図12】本発明に係る成形金型の第2実施形態の変形例を示す説明図である。
【図13】従来のドアトリムを示す(a)正面図、(b)断面図である。
【図14】従来のドアトリムにおける成形工程における表皮のセット工程を示す説明図である。
【図15】従来のドアトリムの成形方法における溶融樹脂の供給工程を示す説明図である。
【図16】従来のドアトリムの成形方法におけるモールドプレス成形工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ドアトリム
11 樹脂芯材
12 表皮
20 成形金型
30 成形上型
30a キャビティ部
31 昇降シリンダ
32 ガイドピン
40 成形下型
40a コア部
41 ホットランナ
42 ゲート
43 ガイドブッシュ
50 射出機
60 上型パット
61 段部
62 傾斜面
63 湾曲面
70 下型パット
71 弾性体
72 金属
73 段部
74 傾斜面
75 湾曲面
C 製品キャビティ
M 溶融樹脂

Claims (5)

  1. 成形上下型(30,40)間で画成される製品キャビティ(C)内に溶融樹脂を射出充填することにより所要形状に成形される樹脂芯材(11)と、該樹脂芯材(11)の成形時に樹脂芯材(11)の表面側に一体成形される表皮(12)とからなる積層成形体の成形方法において、
    前記成形下型(40)の製品キャビティ(C)外周に沿って設けられ、少なくとも一部に弾性体を備えた下型パット(70)の上面に沿って表皮(12)の周縁部(12a)をセットする表皮(12)のセット工程と、
    成形上型(30)の下降動作により、成形上型(30)の製品キャビティ(C)外周の全長、あるいはその一部に配設され、少なくとも一部に弾性体を備えた上型パット(60)と下型パット(70)との間で表皮(12)の周縁部(12a)を挟持し、その後、製品キャビティ(C)内に溶融樹脂を射出充填する際、上型パット(60)と下型パット(70)により表皮(12)の周縁部(12a)を保持して、表皮(12)に適切なテンションを付与しながら樹脂芯材(11)と表皮(12)とを一体成形する樹脂芯材(11)と表皮(12)との一体成形工程と、
    からなることを特徴とする積層成形体の成形方法。
  2. 成形上下型(30,40)間で画成される製品キャビティ(C)内に溶融樹脂を射出充填することにより所要形状に成形される樹脂芯材(11)と、該樹脂芯材(11)の成形時に樹脂芯材(11)の表面側に一体成形される表皮(12)とからなる積層成形体の成形金型(20)であって、
    前記成形金型(20)は、所定ストローク上下動可能な成形上型(30)と、この成形上型(30)に対応して設けられる固定側の成形下型(40)と、成形上型(30)の製品キャビティ(C)外周の全長、あるいはその一部に配設された上型パット(60)と、成形下型(40)の製品キャビティ(C)外周に沿って配設された下型パット(70)とから構成され、上記上型パット(60)、下型パット(70)は、少なくとも一部に弾性体を備えるとともに、型締め前に先行して上型パット(60)と下型パット(70)とが当接することを特徴とする積層成形体の成形金型。
  3. 前記成形下型(40)の製品キャビティ(C)の外周に沿って設けられる下型パット(70)は、成形下型(40)におけるコア部(40a)の高さ寸法(d2)とほぼ同一の高さ寸法(d1)を有することを特徴とする請求項2に記載の積層成形体の成形金型。
  4. 前記成形上下型(30,40)の製品キャビティ(C)の外周に設けられる上型パット(60)と下型パット(70)は、相互に係合する段部(63,71)が設けられ、この段部(63,71)間で表皮(12)を挟持することで、表皮(12)の保持力が強化されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の積層成形体の成形金型。
  5. 前記成形上下型(30,40)の製品キャビティ(C)の外周に設けられる上型パット(60)及び下型パット(70)における相互の対向面は、傾斜面、あるいは湾曲面に設定されていることにより、上型パット(60)と下型パット(70)で表皮(12)を保持する際の保持面積を大きく確保したことを特徴とする請求項2又は3に記載の積層成形体の成形金型。
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