JP6272181B2 - 繊維強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軟化させた繊維強化樹脂シートを下金型及び上金型によって形成されるキャビティ内で賦形し、凹凸部を有する3次元形状の繊維強化樹脂成形品を得る繊維強化樹脂成形品の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂を含む繊維強化樹脂シートを、加熱軟化させた後、下金型及び上金型によって形成されるキャビティ内に充填して賦形することで、所望の形状の繊維強化樹脂成形品を得る製造方法が知られている。この製造方法では、熱可塑性樹脂シートを熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱した後に、下金型のキャビティ形成面(下側キャビティ形成面)に載置して型締めを行うことが一般的である。
しかしながら、繊維強化樹脂シートを下金型及び上金型(以下、これらを総称して金型ともいう)に接触させると、該繊維強化樹脂シートの熱が金型に奪われる。これによって冷却固化が促進されると、繊維強化樹脂シートの流動性が低下してしまう。従って、金型を型締めすることに先立って、下側キャビティ形成面に繊維強化樹脂シートを載置すると、型締め時の流動性が不足して、キャビティ内に繊維強化樹脂シートを十分に充填させることが困難になり易い。すなわち、繊維強化樹脂シートの賦形性が低下するため、所望の形状や強度の繊維強化樹脂成形品を高精度に得ることができない懸念がある。
そこで、特許文献1には、繊維強化樹脂シートの賦形性(流動性)を維持するべく、型締め直前まで、キャビティ形成面に繊維強化樹脂シートが接触することを回避して、繊維強化樹脂成形品を得る製造方法が提案されている。
具体的には、この製造方法では、下金型に対して昇降可能に複数の支持ピンが設けられた金型を使用する。この金型を型締めすることに先立ち、複数の支持ピンを、互いの上端面の水平方向位置が揃うように下側キャビティ形成面から突出させ、該上端面に繊維強化樹脂シートをキャビティ形成面と接触しないように載置する。次いで、これら複数の支持ピンを同時に下降させつつ、金型を閉じていき、上金型の上側キャビティ形成面が繊維強化樹脂シートと接する直前で支持ピンを下金型内に収納する。そして、上金型と下金型との間に形成されたキャビティ内で繊維強化樹脂シートを賦形し、冷却した後、金型を開放して繊維強化樹脂成形品を得る。
この製造方法では、上記の通り、支持ピンの上端面に対して、繊維強化樹脂を載置するのみで、何ら位置決め固定されていない状態で該上端面を下降させる。このため、繊維強化樹脂シートを支持ピンの上端面に載置してから、キャビティ内に充填させるまでの間に、繊維強化樹脂シートの位置ずれが生じてしまい、結局、繊維強化樹脂成形品を高精度に得ることができない懸念がある。これに対処すべく、支持ピンの上端面のそれぞれに対して、繊維強化樹脂シートを位置決め固定するように載置した状態で型締めを行うことが考えられる。この位置決め固定は、例えば、上端面のそれぞれに対して刺通ピン等を設け、繊維強化樹脂シートを上端面に載置するとともに、刺通ピンに刺通することで行うことができる。
特開平8−1698号公報
ところで、上記の製造方法によって、凹凸部を有する3次元形状の繊維強化樹脂成形品を得るためには、該繊維強化樹脂成形品の形状に応じた凸部や凹部を有するキャビティ内で繊維強化樹脂シートを賦形する必要がある。すなわち、下側キャビティ形成面の凹部から突出する第1支持ピンと、凸部から突出する第2支持ピンが下金型に対して昇降可能に設けられることになる。そして、これらの複数の支持ピンの上端面を、互いの水平方向位置が揃うように突出させてから、下側キャビティ形成面と面一になるまで下降させて型締めする。このため、第1支持ピンの第1上端面の下降距離が第2支持ピンの第2上端面の下降距離よりも大きくなる。
この下降距離の差によって、第1上端面及び第2上端面のそれぞれに繊維強化樹脂シートを位置決め固定した状態で型締めを行うと、繊維強化樹脂シートに対して、第1上端面と第2上端面との間を引き伸ばす方向の力が加えられる。これによって、繊維強化樹脂シートに変形許容量を超えた力が付与されると、破れ等が生じてしまい、繊維強化樹脂成形品に、強化繊維の配向乱れや樹脂含有量のばらつき等が生じ易くなる。
つまり、未成形の繊維強化樹脂シートと繊維強化樹脂成形品とでは外形寸法が異なるにも関わらず、互いの寸法差が考慮されずに、3次元形状のキャビティ形成面に対して、2次元形状の繊維強化樹脂シートが位置決め固定される。このため、上記の製造方法では、繊維強化樹脂シートの破れ等が生じ易く、3次元形状の繊維強化樹脂成形品を高精度に得ることは困難である。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、繊維強化樹脂シートの賦形性を良好に維持しつつ、破れ等が生じることを抑制して、3次元形状の繊維強化樹脂成形品を高精度且つ高品質に得ることが可能な繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、軟化させた繊維強化樹脂シートを下金型及び上金型によって形成されるキャビティ内で賦形し、凹凸部を有する3次元形状の繊維強化樹脂成形品を得る繊維強化樹脂成形品の製造方法であって、前記下金型に対して昇降可能に設けられる昇降部材の上面である載置面が、前記下金型の下側キャビティ形成面のうち前記繊維強化樹脂成形品の外縁部を形成する成形位置から突出して載置位置に到達するように前記昇降部材を上昇させる上昇工程と、前記載置位置にある前記載置面に前記繊維強化樹脂シートの外縁部であるシート外縁部を載置することで、前記繊維強化樹脂シートの前記シート外縁部とその内側の内側部との間に、自重による撓みで高低差を生じさせて予備成形体を形成する予備成形工程と、前記載置面と前記上金型の上側キャビティ形成面とで前記シート外縁部を挟持して位置決め固定した状態で、前記載置面が前記成形位置に到達するまで前記昇降部材を下降させるとともに、前記下金型及び前記上金型を閉じて、前記キャビティ内で前記予備成形体を賦形する賦形工程と、前記キャビティ内で賦形した前記予備成形体を冷却して前記繊維強化樹脂成形品を得る固化工程と、を有し、前記高低差が未成形の前記繊維強化樹脂シートと前記繊維強化樹脂成形品との外形寸法の差に応じた大きさになり、且つ前記予備成形工程の間、前記下側キャビティ形成面の前記載置面を除く部位に前記繊維強化樹脂シートが接触しないように、前記載置位置を設定することを特徴とする。
この繊維強化樹脂成形品の製造方法では、先ず、上昇工程によって、下側キャビティ形成面のうち、繊維強化樹脂成形品の外縁部に相当する部位を構成可能な載置面を載置位置に到達させるべく、上昇部材を上昇させる。次に、載置位置の載置面に、繊維強化樹脂シートのシート外縁部を載置することで予備成形体を形成する予備成形工程を行う。すなわち、予備成形工程では、繊維強化樹脂シートのシート外縁部と内側部との間に、自重による撓みで高低差を生じさせて、予備成形体を形成する。
この際、載置面が載置位置にあることで、予備成形体の高低差を、未成形の繊維強化樹脂シートと繊維強化樹脂成形品との外形寸法の差(以下、単に外形寸法差ともいう)に応じた大きさ、換言すると、繊維強化樹脂成形品の型締め方向の長さに応じた大きさにすることができる。また、予備成形工程を、下側キャビティ形成面の載置面を除く部位(他部位)と、繊維強化樹脂シートとを接触させずに行うことができる。
また、上記の予備成形体が形成される前又は後であって、型締めが行われる前に、載置面と上側キャビティ形成面とでシート外縁部を挟持する。これによって、載置面に対してシート外縁部を位置決め固定する。このようにして、シート外縁部を位置決め固定した状態で、載置面が成形位置に到達するまで昇降部材を下降させるとともに、下金型及び上金型を閉じて、キャビティ内で予備成形体を賦形する賦形工程を行う。その後、固化工程において、キャビティ内の予備成形体を冷却した後、脱型することで、繊維強化樹脂成形品を得ることができる。
すなわち、この製造方法では、外形寸法差に応じた3次元形状の予備成形体を予め形成する。この際、繊維強化樹脂シートと下側キャビティ形成面の他部位とが接触することが回避されているため、繊維強化樹脂シートの熱が金型に奪われて賦形性が低下することを抑制できる。
そして、この予備成形体を下側キャビティ形成面及び上側キャビティ形成面(以下、これらを総称してキャビティ形成面ともいう)に対して位置決め固定した状態で、上記の型締め工程を行う。このため、凹凸形状を有するキャビティ形成面に繊維強化樹脂シートを沿わせることに伴って、該繊維強化樹脂シートに過剰な変形が生じることや、変形許容量を超えた力が付与されることを抑制できる。従って、型締め時に、繊維強化樹脂シートが破れてしまうこと等を効果的に回避できる。その結果、繊維強化樹脂成形品に、強化繊維の配向乱れや樹脂含有量のばらつき等が生じることを回避できる。
以上から、この製造方法によれば、繊維強化樹脂シートの賦形性を良好に維持しつつ、破れ等が生じることを抑制して、3次元形状の繊維強化樹脂成形品を高精度且つ高品質に得ることが可能になる。
さらに、この位置決め固定は、下側キャビティ形成面のうち、繊維強化樹脂成形品の外縁部に相当する部位を構成可能な載置面と、上側キャビティ形成面との間にシート外縁部を挟持することで行われる。すなわち、繊維強化樹脂シートの内側部に、位置決め固定のための押圧痕等が形成されることを回避できる。その結果、美観意匠性に優れた繊維強化樹脂成形品を得ることが可能になる。
上記の繊維強化樹脂成形品の製造方法において、前記昇降部材は、前記下金型に対して摺動可能に内接される摺動ピンと、該摺動ピンの上端に設けられた載置板とを含み、前記載置板の上面が前記載置面を構成することが好ましい。この場合、例えば、昇降部材を昇降させるための機構等を、金型の外部に別途に設ける必要がない。従って、上記の通り高精度且つ高品質の繊維強化樹脂成形を簡素な構成で容易且つ低コストに得ることが可能になる。
上記の繊維強化樹脂成形品の製造方法において、前記予備成形工程では、前記載置面に前記シート外縁部を載置するとともに、前記載置面から突出する刺通ピンに該シート外縁部を刺通して位置決め固定し、前記賦形工程では、前記キャビティに対する前記シート外縁部の相対位置を固定した状態で型締めを行うことが好ましい。この場合、シート外縁部を載置面に載置してから、繊維強化樹脂シートをキャビティ内に充填させるまでの間に、位置ずれが生じることを一層効果的に抑制できる。従って、高精度且つ高品質の繊維強化樹脂成形品を一層容易に得ることが可能になる。
本発明では、載置位置まで突出させた載置面に繊維強化樹脂シートのシート外縁部を載置することで、型締めに先立って、繊維強化樹脂シートがキャビティ形成面に接触して冷却されることを回避できる。また、繊維強化樹脂シートのシート外縁部と内側部に高低差を生じさせて、繊維強化樹脂成形品に応じた形状の予備成形体を形成することができる。この予備成形体を載置面に対して位置決め固定した状態で、成形位置まで下降させ、その後、型締めを行う。このため、凹凸形状を有するキャビティ形成面に繊維強化樹脂シートを沿わせることに伴って、該繊維強化樹脂シートに過剰な変形が生じることや、変形許容量を超えた力が付与されることを抑制できる。
その結果、繊維強化樹脂シートの賦形性を良好に維持しつつ、破れ等が生じることを抑制して、3次元形状の繊維強化樹脂成形品を高精度且つ高品質に得ることが可能になる。
本発明に係る繊維強化樹脂成形品の製造方法を実施可能な成形装置の下金型の概略斜視構成図である。 図1の成形装置において、載置位置の載置面に繊維強化樹脂シートのシート外縁部を載置して、予備成形体を形成した状態を示す概略構成図である。 図2の繊維強化樹脂シートについて、賦形(予備成形)する前の外形寸法と、賦形後(繊維強化樹脂成形品)の外形寸法との差を説明するための説明図である。 図2の成形装置において、載置面を下降させつつ、下金型及び上金型を閉じている状態を示す概略構成図である。 図4の成形装置において、下金型及び上金型を型締めし、キャビティ内で予備成形体を賦形した状態を示す概略構成図である。 図5の成形装置において、下金型及び上金型の型開きを行った状態を示す概略構成図である。 図1の成形装置の変形例を示す要部概略構成図である。 図7に示す成形装置において、下金型及び上金型を型締めした状態を示す要部概略構成図である。
以下、本発明に係る繊維強化樹脂成形品の製造方法(以降では、単に、製造方法ともいう)につき、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る製造方法では、軟化させた繊維強化樹脂シートを下金型及び上金型によって形成されるキャビティ内で賦形し、凹凸部を有する3次元形状の繊維強化樹脂成形品を得る。繊維強化樹脂シートとしては、例えば、強化繊維をシート状にした繊維基材に熱可塑性樹脂を含浸させたものを採用することができる。この繊維基材は、1枚であっても複数枚が積層されていてもよい。
図1〜図6を参照しつつ、本実施形態に係る製造方法について、成形装置10を用いて実施する場合を例に挙げて説明する。成形装置10は、下金型12及び上金型14からなる金型と、下金型12に対して昇降可能に設けられる昇降部材16とを備えている。なお、図1では、上金型14の図示を省略している。
下金型12は固定型であり、可動型である上金型14が、鉛直方向に沿って下金型12に接近することで、金型が閉じられる。これによって、下金型12の下側キャビティ形成面18と、上金型14の上側キャビティ形成面20との間にキャビティ22(図5参照)が形成される。このキャビティ22内に、繊維強化樹脂シート24を予備成形して得られる予備成形体26(図2参照)を充填するように型締めが行われることで、該繊維強化樹脂シート24が所望の形状に成形される。すなわち、下側キャビティ形成面18及び上側キャビティ形成面20(以下、これらを総称してキャビティ形成面ともいう)のそれぞれは、繊維強化樹脂シート24を成形して得られる繊維強化樹脂成形品28の形状に応じた凹凸形状となっている。
昇降部材16は、複数の摺動ピン30と、載置板32とを備えている。複数の摺動ピン30は、下金型12に対して摺動可能に設けられている。載置板32は、繊維強化樹脂シート24の外縁部であるシート外縁部24a(図2〜図5参照)に沿った板形状であり、複数の摺動ピン30の上端に連続的に設けられている。すなわち、昇降部材16では、摺動ピン30が下金型12に対して昇降することに伴い、載置板32の上面である載置面32aが下側キャビティ形成面18の一部を構成する成形位置と、該成形位置から突出する載置位置との間を移動する。
例えば、図5に示すように、載置面32aは、成形位置にあるとき、下側キャビティ形成面18のうち、繊維強化樹脂成形品28の外縁部である成形外縁部28a(図3及び図6参照)に相当する部位を構成する。また、載置位置は、下側キャビティ形成面18のうち、載置面32aを除く部位である他部位18aに対して後述する高さとなるように設定され、載置面32aが載置位置にあるときに、シート外縁部24aが載置される。
載置板32には、載置面32aから突出する複数の刺通ピン34が設けられている。図1に示すように、複数の刺通ピン34のそれぞれは、複数の摺動ピン30の軸線方向上からずれた位置に配置されている。また、刺通ピン34は、上記のように、載置面32aに載置されたシート外縁部24aに刺通される。これによって、載置面32aに対してシート外縁部24aを位置決め固定することが可能になっている。なお、上金型14には、型締めした際に、下側キャビティ形成面18(載置面32a)から突出する刺通ピン34が収容される収容穴14a(図2、図4〜図6参照)が形成されている。
基本的には以上のように構成される成形装置10を用いて、繊維強化樹脂シート24を賦形することで、繊維強化樹脂成形品28を製造する製造方法について説明する。
先ず、図2に示すように、摺動ピン30を上昇させて、載置面32aを載置位置に到達させる上昇工程を行う。そして、この載置位置の載置面32aに、シート外縁部24aを載置することで予備成形体26を形成する予備成形工程を行う。なお、この際、シート外縁部24aに刺通ピン34を刺通させる。
この予備成形工程では、繊維強化樹脂シート24のシート外縁部24aとその内側の内側部24bとの間に、自重による撓みで高低差L1(図2参照)を生じさせることで、予備成形体26を形成する。
高低差L1は、図3に示すように、未成形の繊維強化樹脂シート24である未成形体24cの外形寸法Lbと、繊維強化樹脂成形品28との外形寸法Laの差(以下、単に外形寸法差ともいう)に応じた大きさである。換言すると、高低差L1は、繊維強化樹脂成形品28の型締め方向の長さに応じた大きさである。
すなわち、載置位置は、予備成形工程において、シート外縁部24aと内側部24bとの間に上記の高低差L1を形成することが可能な高さであり、且つ他部位18aと、繊維強化樹脂シート24とが接触しない高さに設定される。
また、予備成形体26が形成される前又は後であって、型締めが行われる前に、図4に示すように、載置面32aと上側キャビティ形成面20とでシート外縁部24aを挟持する。これによって、載置面32aに対してシート外縁部24aを位置決め固定する。
このようにして、シート外縁部24aを位置決め固定した状態で、載置面32aが摺動ピン30を下降させるとともに、下金型12及び上金型14を閉じる。そして、図5に示すように、載置面32aを成形位置に到達させるとともに、金型を型締めして、キャビティ22内で予備成形体26を賦形する賦形工程を行う。
その後、固化工程を行って、キャビティ22内で賦形された予備成形体26を冷却することで、繊維強化樹脂成形品28を得ることができる。図6に示すように、離型を行うことにより、繊維強化樹脂成形品28が取り出される。この際、昇降部材16をエジェクトピンとして用いることができる。すなわち、摺動ピン30を上昇させることで、載置面32aを成形位置から突出させることで、繊維強化樹脂成形品28を下金型12から押し出して取り出すことができる。
以上のように、この製造方法では、上記の通り、外形寸法差に応じた3次元形状の予備成形体26を予め形成する。この際、繊維強化樹脂シート24と下側キャビティ形成面18の他部位18aとが接触することが回避されているため、繊維強化樹脂シート24の熱が金型に奪われて賦形性が低下することを抑制できる。
そして、この予備成形体26をキャビティ形成面に対して位置決め固定した状態で、型締め工程を行う。このため、凹凸形状を有するキャビティ形成面に良好に繊維強化樹脂シート24を沿わせることができる。また、このように、キャビティ形成面に繊維強化樹脂シート24を沿わせることに伴って、該繊維強化樹脂シート24に過剰な変形が生じることや、変形許容量を超えた力が付与されることを抑制できる。従って、型締め時に、繊維強化樹脂シート24が破れてしまうこと等を効果的に回避できる。その結果、繊維強化樹脂成形品28に、強化繊維の配向乱れや樹脂含有量のばらつき等が生じることを回避できる。
従って、この製造方法によれば、繊維強化樹脂シート24の賦形性を良好に維持しつつ、破れ等が生じることを抑制して、3次元形状の繊維強化樹脂成形品28を高精度且つ高品質に得ることが可能になる。
また、上記の位置決め固定は、下側キャビティ形成面18のうち、成形外縁部28aに相当する部位を構成可能な載置面32aと、上側キャビティ形成面20との間にシート外縁部24aを挟持することで行われる。すなわち、繊維強化樹脂シート24の内側部24bに、位置決め固定のための押圧痕等が形成されることを回避できる。その結果、美観意匠性に優れた繊維強化樹脂成形品28を得ることが可能になる。
さらに、載置面32aから突出する刺通ピン34にシート外縁部24aを刺通して位置決め固定するため、キャビティ22に対するシート外縁部24aの位置ずれを一層効果的に抑制した状態で型締めを行うことができる。その結果、シート外縁部24aを載置面32aに載置してから、繊維強化樹脂シート24をキャビティ22内に充填させるまでの間に、位置ずれが生じることを一層効果的に抑制できる。従って、高精度且つ高品質の繊維強化樹脂成形品28を一層容易に得ることが可能になる。
なお、本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記の実施形態では、昇降部材16が、摺動ピン30と載置板32から構成されることとしたが、特にこれに限定されるものではない。昇降部材は、摺動ピンのみから構成されていてもよい。この場合、摺動ピンの上端面を載置面とすることができる。
また、上記の実施形態では、載置面32aから突出する複数の刺通ピン34が設けられ、且つ型締めした際に、載置面32aから突出する刺通ピン34が収容される収容穴14aが上金型14に形成されていることとした。しかしながら、特にこれに限定されるものではない。例えば、図7及び図8に示すように、刺通ピン34に代えて、載置面32aからの突出長さ(以下、単に突出長さともいう)を伸縮させることが可能な可動式の刺通ピン36が設けられてもよい。
具体的には、載置板32は、刺通ピン36と、弾性部材38とを収容する収容穴40が設けられている。弾性部材38は、刺通ピン36の先端側を載置面32aから突出させる方向に該刺通ピン36を弾発付勢する。また、上金型14の刺通ピン36に対応する位置には、収容穴14aが形成される代わりに、上側キャビティ形成面20が連続的に形成されている。すなわち、型締めの際に、上側キャビティ形成面20と刺通ピン36の先端とが接触することで、弾性部材38の付勢力に抗する押圧力が刺通ピン36に加えられ、突出長さが小さくなる。
従って、型締め前に載置面32aが載置位置にあるとき、刺通ピン36の突出長さが最大となるため、シート外縁部24aに刺通ピン36を容易に刺通できる。そして、載置面32aを成形位置に到達させるとともに、金型を型締めして、キャビティ22内で予備成形体26を賦形する際には、刺通ピン36をキャビティ22の大きさに応じた突出長さとすることができる(図8を参照)。すなわち、この場合、上金型14に収容穴14aを形成する必要がないため、得られる繊維強化樹脂成形品28の美観意匠性を向上させること、及び上金型14を容易に得ることが可能になる。
なお、上記の通り、繊維強化樹脂シート24のシート外縁部24aに刺通ピン34、36を刺通することで、貫通孔が形成される部位は、離型後のトリミングにより分離してもよい。
また、載置板32には、複数の刺通ピン34又は複数の刺通ピン36が設けられることとしたが、該刺通ピン34、36のそれぞれは、1つでもよく1つも設けられていなくてもよい。
10…成形装置 12…下金型
14…上金型 14a、40…収容穴
16…昇降部材 18…下側キャビティ形成面
18a…他部位 20…上側キャビティ形成面
22…キャビティ 24…繊維強化樹脂シート
24a…シート外縁部 24b…内側部
24c…未成形体 26…予備成形体
28…繊維強化樹脂成形品 28a…成形外縁部
30…摺動ピン 32…載置板
32a…載置面 34、36…刺通ピン
38…弾性部材

Claims (3)

  1. 軟化させた繊維強化樹脂シートを下金型及び上金型によって形成されるキャビティ内で賦形し、凹凸部を有する3次元形状の繊維強化樹脂成形品を得る繊維強化樹脂成形品の製造方法であって、
    前記下金型に対して昇降可能に設けられる昇降部材の上面である載置面が、前記下金型の下側キャビティ形成面のうち前記繊維強化樹脂成形品の外縁部を形成する成形位置から突出して載置位置に到達するように前記昇降部材を上昇させる上昇工程と、
    前記載置位置にある前記載置面に前記繊維強化樹脂シートの外縁部であるシート外縁部を載置することで、前記繊維強化樹脂シートの前記シート外縁部とその内側の内側部との間に、自重による撓みで高低差を生じさせて予備成形体を形成する予備成形工程と、
    前記載置面と前記上金型の上側キャビティ形成面とで前記シート外縁部を挟持して位置決め固定した状態で、前記載置面が前記成形位置に到達するまで前記昇降部材を下降させるとともに、前記下金型及び前記上金型を閉じて、前記キャビティ内で前記予備成形体を賦形する賦形工程と、
    前記キャビティ内で賦形した前記予備成形体を冷却して前記繊維強化樹脂成形品を得る固化工程と、を有し
    記予備成形工程の間、前記下側キャビティ形成面の前記載置面を除く部位に前記繊維強化樹脂シートが接触しないように、前記載置位置を設定することを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  2. 請求項1記載の繊維強化樹脂成形品の製造方法において、
    前記昇降部材は、前記下金型に対して摺動可能に内接される摺動ピンと、該摺動ピンの上端に設けられた載置板とを含み、前記載置板の上面が前記載置面を構成することを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の繊維強化樹脂成形品の製造方法において、
    前記予備成形工程では、前記載置面に前記シート外縁部を載置するとともに、前記載置面から突出する刺通ピンに該シート外縁部を刺通して位置決め固定し、
    前記賦形工程では、前記キャビティに対する前記シート外縁部の相対位置を固定した状態で型締めを行うことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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