JP4753420B2 - 樹脂成形品の成形方法並びに成形金型 - Google Patents

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Description

この発明は、複数の微細孔を有する樹脂成形品の成形方法並びに成形金型に係り、特に、成形金型の突出し機構部の構造を改良することで、樹脂成形品の成形後の突出し工程を円滑に進めることができる樹脂成形品の成形方法並びに成形金型に関する。
図8は、自動車のドアトリムの室内面側に取り付けられるツートンタイプの自動車用ドアトリム1を示す正面図であり、ツートンタイプのドアトリム1は、ドアトリムアッパー2と、ドアトリムロア3との上下二分割体から構成されている。そして、図9に示すように、ドアトリムアッパー2は樹脂芯材2aの表面に表皮2bを貼着して構成され、ドアトリムロア3は合成樹脂の単体品から構成されている。また、ドアトリム1の製造工程については、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3とを別個の成形金型でそれぞれ成形した後、両者をアッセンブリして製作される。この時、ドアトリムロア3と一体にスピーカグリル3aを成形するために、例えば、図10に示す成形金型4が従来から使用されている。
成形金型4は、所定ストローク上下動可能な成形上型5と、成形上型5と型締めされる成形下型6とから構成され、成形上型5は、昇降シリンダ5aの駆動により所定ストローク上下動作を行なうとともに、成形下型6は、樹脂通路となるマニホールド6a、ゲート6bが設けられており、これら樹脂通路を通じて図示しない射出機からキャビティ内に溶融樹脂が供給される。特に、スピーカグリル3aのような微細孔を形成するために、成形下型6には、パンチングブロック6cが嵌め込まれている。更に、ドアトリムロア3を成形上下型5,6の型締めにより成形した後、ドアトリムロア3を成形下型6から脱型するために、従来から、二段階の突出し工程が採用されている。すなわち、二段階の突出し工程を実施するには、一般部分の突き出しを行なう一般用突出し機構部7と、スピーカグリル3aのように、微細孔の突き出しを行なう微細孔用突出し機構部8とが必要である。具体的には、一般用突出し機構部7は、エジェクタプレート7aが駆動シリンダ7bにより、所定ストローク、通常120mm程度、上下動作を行なう。このエジェクタプレート7aに突出しピン7cやアンギュラピン7dが連結されており、ドアトリムロア3の成形後、ドアトリムロア3を上方に突き上げる。また、スピーカグリル3aのような微細孔の突き出しについては、微細孔用突出し機構部8は、エジェクタプレート8aに小径ピン8bが支持されており、この小径ピン8bにより、30mm程度の突き出しが行なわれ、スプリング8cによりエジェクタプレート8aは常に上方に付勢されている。例えば、スピーカグリルを備えたドアトリムの成形方法並びに成形金型については、特許文献1に詳細に記載されている。
特開平11−268046号公報
このように、従来では、微細孔からなるスピーカグリル3aを形成するために、複数のスプリング8cで上方にプレート8aを付勢するという構成の微細孔用突出し機構部8が一般用突出し機構部7の下方に設定されているが、このスプリング8cのバネ圧が強いため、両機構部7,8におけるエジェクタプレート7a,8a同士が干渉し、一般のエジェクタプレート7aが図11に示すように、上方に突き上げられ、一般の突出しピン7cが上方に突き出した状態となり、突出しピン7cの突き出しのバランス、戻り等の微調整に悪影響を及ぼすという欠点が指摘されている。
このように、突出しピン7cの出っ張りや、これに伴なう調整工数が多く必要となり、管理が面倒であるとともに、この突出しピン7cが僅かでも突き出した場合、ドアトリムロア3の製品表面に艶ムラ等の成形不良が生じ易く、一般用突出し機構部7と微細孔用突出し機構部8との干渉を回避させることが急務とされていた。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ドアトリムロア3におけるスピーカグリル3aのように、複数の微細孔を有する樹脂成形品の成形方法であって、樹脂成形品の一般部分と微細孔部分をそれぞれ別個に二段階で突き出す方法を採用するとともに、一般用突出し機構部と微細孔用突出し機構部との干渉が確実に回避できることにより、一般の突出しピンの出っ張り及びこれに伴なう調整工程を削減でき、突出しピンの突き出しや戻しのバランスも良好となり、成形不良を未然に防止できる樹脂成形品の成形方法並びに成形金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の微細孔を有する樹脂成形品の成形方法であって、成形上下型の型締め後、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、複数の微細孔を有する樹脂成形品を所要形状に成形した後、前記樹脂成形品の微細孔については小径ピンによる突出し工程を採用し、前記樹脂成形品の一般部分については突出しピンによる突出し工程を採用するとともに、前記小径ピン及び前記突出しピンのそれぞれの突出しストロークを相違させて突き出しを行なう樹脂成形品の成形方法において、前記小径ピンは、小径ピン用のエジェクタプレートの上面に立設支持され、前記突出しピンは、昇降自在な一般用のエジェクタプレートの上面に立設支持され、前記小径ピン用のエジェクタプレートの裏面側に位置するベースプレートと前記小径ピン用のエジェクタプレートとの間には、前記小径ピン用のエジェクタプレートを上方に付勢するスプリングが設けられており、前記小径ピン用のエジェクタプレートの上面に設けられたウレタンブッシュが前記一般用のエジェクタプレートの下面の凹部に嵌合し、嵌合したウレタンブッシュを介して前記小径ピン用のエジェクタプレートに伝達される前記一般用のエジェクタプレートからの引張力と、前記スプリングのバネ力との合力により、前記一般用のエジェクタプレートの上昇動作に追随して前記小径ピン用のエジェクタプレートが上昇し、前記小径ピンが前記樹脂成形品の微細孔を短寸ストローク上方に突き上げることを特徴とする。
更に、本発明に使用する成形金型は、複数の微細孔を有する樹脂成形品を成形するために使用する樹脂成形品の成形金型において、前記成形金型は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型と、樹脂成形品の一般部分を上方に突き出す一般用突出し機構部と、樹脂成形品における微細孔を局部的に突き出す微細孔用突出し機構部とを備え、前記一般用突出し機構部は、前記樹脂成形品の一般部分を上方に突出すための突出しピンを上面に立設支持してなる昇降自在な一般用のエジェクタプレートを備え、微細孔用突出し機構部は、前記樹脂成形品の微細孔を上方に突出すための小径ピンを上面に立設支持してなる小径ピン用のエジェクタプレートと、この小径ピン用のエジェクタプレートの裏面側に位置するベースプレートと前記小径ピン用のエジェクタプレートとの間に設けられるとともに、前記小径ピン用のエジェクタプレートを上方に付勢するスプリングと、前記小径ピン用のエジェクタプレートの上面に設けられたウレタンブッシュと、を備え、前記ウレタンブッシュが前記一般用のエジェクタプレートの下面の凹部に嵌合し、嵌合したウレタンブッシュを介して前記小径ピン用のエジェクタプレートに伝達される前記一般用のエジェクタプレートからの引張力と、前記スプリングのバネ力との合力により、前記一般用のエジェクタプレートの上昇動作に追随して前記小径ピン用のエジェクタプレートが上昇し、前記小径ピンが前記樹脂成形品における微細孔を短寸ストローク上方に突き上げるようになっていることを特徴とする。
ここで、複数の微細孔を有する樹脂成形品において、微細孔としては、スピーカグリル、樹脂成形品としては、自動車用ドアトリム、リヤパーセルシェルフ等に適用することができる。また、成形金型における成形上型は、昇降シリンダの駆動により、所定ストローク上下動可能であり、成形上型が下死点まで下降することにより、成形下型との間で型締めされ、所望形状のキャビティを形成し、樹脂成形品を所要形状に成形できる。一方、成形下型は、射出機から供給される溶融樹脂の樹脂通路となるマニホールド、ゲートが設けられており、上記樹脂通路を通じて成形下型の型面所定箇所に供給される。
従って、溶融樹脂の供給タイミングとしては、成形上下型の型締め後、行なっても良く、あるいは、型締め前に行なっても良い。また、成形下型は、ベースプレート上のスペーサブロックの間に支持され、スペーサブロックにより形成されるスペース内に樹脂成形品の突出し機構部が内装されている。樹脂成形品の突出し機構部としては、樹脂成形品の全体部分を長寸ストローク突き上げる一般用突出し機構部と、スピーカグリル等の微細孔を短寸ストローク突き上げる微細孔用突出し機構部とがあり、一般用突出し機構部は、シリンダにより所定ストローク上下動可能なエジェクタプレートに突出しピンやアンギュラピン等が支持されており、通常は、120mm程度上昇操作することで、樹脂成形品を上方に突き出すことができる。
一方、微細孔用突出し機構部は、突出しピンとしては、φ20程度の小径ピンであることから、破損を回避するために、30mm程度の短寸ストロークのみの突出し操作であり、この微細孔用突出し機構部におけるエジェクタプレートには、バネ圧を小さく設定したスプリングとウレタンブッシュとが設けられており、上記ウレタンブッシュは、一般用突出し機構部におけるエジェクタプレートに嵌まり込み、一般部のエジェクタプレートに引っ張られる。従って、一般部のエジェクタプレートからの引張り力が見込めるため、スプリングのバネ圧を低く設定することができる。
そして、本発明方法並びに本発明に係る成形金型によれば、スピーカグリル等の微細孔を成形した後、この微細孔を突き出すための突出し機構部は、エジェクタプレートが一般のエジェクタプレートに連繋して引っ張られるウレタンブッシュが設けられているため、一般のエジェクタプレートの上昇動作に追随して引っ張られることから、微細孔用突出し機構部におけるエジェクタプレートのバネ圧を低く設定することができる。従って、スプリングにより一般のエジェクタプレートが突き上げられることがないため、一般の突出しピンが型面からキャビティ内に突き出したりすることもなく、それに伴なう樹脂成形品の艶ムラ等の成形不良を未然に防止することができるとともに、突出しピンの突き出しや、戻しのバランスを良好に調整できるという効果がある。
以上説明した通り、本発明に係る樹脂成形品の成形方法並びに成形金型は、微細孔を有する樹脂成形品を所要形状に成形した後、一般用突出し機構部の動作により樹脂成形品を上方に突き出す全体の突出し工程と、スピーカグリル等の微細孔のみを突き出す局部突出し工程との二段階で行ない、特に、微細孔用突出し機構部については、一般用突出し機構部のエジェクタプレートの上昇時にウレタンブッシュ等の連繋部材を介して微細孔用突出し機構部におけるエジェクタプレートを同調して上昇させることができるため、微細孔用突出し機構部のスプリングのバネ圧を小さく設定できることから、一般用突出し機構部と微細孔用突出し機構部との干渉を有効に回避でき、樹脂成形品に艶ムラ等の成形不良が生じることがなく、外観見栄えを良好に保つことができるとともに、突出しピンの突き出し及びこれに伴なう調整工数を低減でき、一般用突出し機構部の調整作業を簡素化できるという効果を有する。
以下、本発明に係る樹脂成形品の成形方法並びに成形金型の好適な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図7は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したドアトリムロアを有するツートンタイプのドアトリムを示す正面図、図2は同ツートンタイプのドアトリムの構成を示す断面図、図3は本発明方法に使用する成形金型の全体構成を示す概要図、図4は図3に示す成形金型における微細孔用突出し機構部におけるエジェクタプレートの平面図、図5乃至図7は本発明方法における微細孔用突出し機構部の収容時、突出し初期時、突出し終了時をそれぞれ示す説明図である。
図1,図2において、本発明方法により製作したドアトリムの構成について簡単に説明する。ツートンタイプの自動車用ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の上下二分割体から構成されている。更に詳細には、ドアトリムアッパー20には、ドアロックを解除操作するインサイドハンドルユニット11が設けられているとともに、ドアトリムロア30との境界部分には、室内側に膨出するアームレスト12が設けられており、アームレスト12の上面には、パワーウインドウスイッチユニット等のスイッチ群13、プルハンドル14が取り付けられている。一方ドアトリムロア30には、アームレスト12の下方に備品を収容できるドアポケット15が設定され、ドアポケット15のフロント側には、スピーカグリル16がドアトリムロア30と一体に設けられている。
そして、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との構成について説明すると、図2に示すように、ドアトリムアッパー20は、樹脂芯材21の表面に表皮22を貼付した積層構造体から構成されており、樹脂芯材21としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいはこれらの熱可塑性樹脂にタルク等のフィラーを適宜配合した複合樹脂材料を使用して、モールドプレス成形、あるいは射出成形等により所望の曲面形状に成形されており、樹脂芯材21の成形時に表皮22が一体的に貼着されている。この表皮22としては、合成樹脂シート、クロス、不織布等の布地シート等から適宜選択されて良く、また、合成樹脂シート、布地シートの裏面にポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等のクッション層を裏打ちした積層シート材料を使用することもできる。そして、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合部については、ドアトリムロア30の接合部裏面に取付用ボス31が裏面側に向けて突出し形成され、ドアトリムアッパー20の取付孔23内に取付用ボス31を挿入した後、取付用ボス31の先端を超音波溶着カシメ、熱溶着カシメ等により固定することで、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを強固に接合一体化することができる。そして、スピーカグリル16については、ドアトリムロア30の成形時に微細孔32を一体に開設することで形成されている。
次いで、このドアトリムロア30を成形する際に使用する成形金型40の構成について、図3乃至図7に基づいて説明する。成形金型40は、所定ストローク上下動可能な成形上型50と、その下方に位置する成形下型60とから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型50は、昇降シリンダ51の駆動により、所定ストローク上下動作を行ない、成形下型60は、ベースプレート61に配置されたスペーサブロック62上に支持されており、図示しない射出機から供給される溶融樹脂材料は、マニホールド63、ゲート64を通じて成形下型60の型面上に供給される。そして、図3に示す成形上下型50,60の型開き状態から成形上下型50,60の型締めにより成形上下型50,60間に形成されるキャビティ形状に沿って溶融樹脂が射出充填されることで、ドアトリムロア30が所要形状に成形される。そして、微細孔32については、成形下型60にパンチングブロック65が嵌め込まれ、このパンチングブロック65により微細孔32が形成されることになる。そして、成形下型60とベースプレート61との間のスペース内に一般用突出し機構部70と、スピーカグリル16の微細孔用突出し機構部80とが設定されている。
一般用突出し機構部70は、エジェクタプレート71がシリンダ72の駆動により、所定ストローク(120mm前後)昇降自在であり、このエジェクタプレート71の上面に突出しピン73、アンギュラピン74が支持されており、アンギュラピン74の先端には、アンダーカット部の形状に対応したスライドコア75が設けられており、突出しピン73、アンギュラピン74は、エジェクタプレート71の上下動作により、ドアトリムロア30を成形した後、ドアトリムロア30を上方に突き出す。更に、ドアトリムロア30には、スピーカグリル16のように微細孔32が形成され、特に、微細孔32を形成した箇所は、成形下型60と、ドアトリムロア30との間の貼り付きを食い止めるために、φ20程度の小径ピン82が数多く設定されている。
すなわち、微細孔用突出し機構部80としては、図3,図4に示すように、エジェクタプレート81に複数の小径ピン82が取り付けられており、このエジェクタプレート81は、円盤状に形成され、上面の中心部に複数の小径ピン82が立設支持されるとともに、エジェクタプレート81の裏面には、ベースプレート61との間の4箇所にスプリング83が介装され、このスプリング83により、エジェクタプレート81は常時突出し方向にバネ付勢される。更に、エジェクタプレート81の上面の4方位には、ウレタンブッシュ84が取り付けられ、このウレタンブッシュ84は、一般用突出し機構部70のエジェクタプレート71の凹部71a内に嵌合され、嵌合状態においては、一般用突出し機構部70のエジェクタプレート71の上昇に追随して、微細孔用突出し機構部80のエジェクタプレート81が上昇することになる。また、ベースプレート61にストッパー兼用のガイドピン85が取り付けられ、このストッパー兼用のガイドピン85により、微細孔用突出し機構部80のエジェクタプレート81は、30mm程度の短寸ストローク上下動作を円滑に行なうことになる。
図5は双方の突出し機構部70,80の突出し前の状態を示しており、この状態では、微細孔用突出し機構部80におけるエジェクタプレート81のウレタンブッシュ84は、一般用突出し機構部70のエジェクタプレート71の凹部71a内に収容されている。そして、ウレタンブッシュ84により、エジェクタプレート81を一般用のエジェクタプレート71と同調させるため、スプリング83のバネ圧は、100kgf程度と、バネ圧が低く設定されている。このスプリング83により、一般のエジェクタプレート71に過度の応力が加わることがないため、一般用突出し機構部70における突出しピン73の出っ張り等の不具合がなく、突出しピン73の突き出し、戻し等の調整作業を簡素化することができる。
そして、成形後、ドアトリムロア30を突き出す突出し工程が開始されれば、図6に示すように、シリンダ72の駆動により、一般用のエジェクタプレート71が上昇し、突出しピン73、アンギュラピン74等の上昇により、ドアトリムロア30の全体が上方に突き出される。この時、エジェクタプレート71の凹部71a内に嵌まり込んでいるウレタンブッシュ84が上方に持ち上げられるため、微細孔用突出し機構部80のエジェクタプレート81が上昇し、スプリング83のバネ圧とあいまって、ドアトリムロア30の微細孔32を上方に突き出す。そして、図7に示すように、微細孔用突出し機構部80のエジェクタプレート81が30mm程度上昇すれば、ストッパー機能をもつガイドピン85の上端フランジ85aがストッパーとして機能し、エジェクタプレート81及び小径ピン82の上昇がその時点で停止し、一般のエジェクタプレート71のみが上昇して、一般部分が更に上方に突き出されることになる。
このように、スピーカグリル16等の微細孔用突出し機構部80の構成として、スプリング83とウレタンブッシュ84とを併用したため、一般用突出し機構部70と、微細孔用突出し機構部80との干渉を回避でき、成形不良を未然に防止できるとともに、突出しピン73等の突き出し、戻し等の調整作業を簡素化することができる。
本発明は、スピーカグリル16を設けたドアトリムロア30に適用したが、一体型のドアトリムのスピーカグリルに適用することもでき、また、スピーカグリルを一体化したリヤパーセルシェルフに適用することもできる。また、樹脂成形品の微細孔としては、エキストラクタグリルに適用することも可能である。
本発明方法を使用して製作したドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 本発明方法に使用する成形金型の全体構成を示す概要図である。 図3に示す成形金型における微細孔用突出し機構部におけるエジェクタプレートを示す平面図である。 図3に示す成形金型における微細孔用突出し機構部の突出し前の状態を示す説明図である。 図3に示す成形金型における微細孔用突出し機構部の突出し開始時の状態を示す説明図である。 図3に示す成形金型における微細孔用突出し機構部の突出し完了時の状態を示す説明図である。 従来のスピーカグリルを有するドアトリムの構成を示す正面図である。 図8中IX−IX線断面図である。 従来の成形金型を示す説明図である。 従来の成形金型における不具合点を示す説明図である。
符号の説明
10 ドアトリム
16 スピーカグリル
20 ドアトリムアッパー
30 ドアトリムロア
32 微細孔
40 成形金型
50 成形上型
51 昇降シリンダ
60 成形下型
61 ベースプレート
62 スペーサブロック
63 マニホールド
64 ゲート
65 パンチングブロック
70 一般用突出し機構部
71 エジェクタプレート
72 シリンダ
73 突出しピン
74 アンギュラピン
75 スライドコア
80 微細孔用突出し機構部
81 エジェクタプレート
82 小径ピン
83 スプリング
84 ウレタンブッシュ
85 ガイドピン

Claims (2)

  1. 複数の微細孔(32)を有する樹脂成形品(30)の成形方法であって、成形上下型(50,60)の型締め後、キャビティ(C)内に溶融樹脂を射出充填して、複数の微細孔(32)を有する樹脂成形品(30)を所要形状に成形した後、前記樹脂成形品(30)の微細孔(32)については小径ピン(82)による突出し工程を採用し、前記樹脂成形品(30)の一般部分については突出しピン(73)による突出し工程を採用するとともに、前記小径ピン(82)及び前記突出しピン(73)のそれぞれの突出しストロークを相違させて突き出しを行なう樹脂成形品(30)の成形方法において、
    前記小径ピン(82)は、小径ピン用のエジェクタプレート(81)の上面に立設支持され、前記突出しピン(73)は、昇降自在な一般用のエジェクタプレート(71)の上面に立設支持され、前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)の裏面側に位置するベースプレート(61)と前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)との間には、前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)を上方に付勢するスプリング(83)が設けられており、
    前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)の上面に設けられたウレタンブッシュ(84)が前記一般用のエジェクタプレート(71)の下面の凹部(71a)に嵌合し、嵌合したウレタンブッシュ(84)を介して前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)に伝達される前記一般用のエジェクタプレート(71)からの引張力と、前記スプリング(83)のバネ力との合力により、前記一般用のエジェクタプレート(71)の上昇動作に追随して前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)が上昇し、前記小径ピン(82)が前記樹脂成形品(30)の微細孔(32)を短寸ストローク上方に突き上げること
    を特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 複数の微細孔(32)を有する樹脂成形品(30)を成形するために使用する樹脂成形品(30)の成形金型(40)において、
    前記成形金型(40)は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型(50,60)と、樹脂成形品(30)の一般部分を上方に突き出す一般用突出し機構部(70)と、樹脂成形品(30)における微細孔(32)を局部的に突き出す微細孔用突出し機構部(80)とを備え、
    前記一般用突出し機構部(70)は、前記樹脂成形品(30)の一般部分を上方に突出すための突出しピン(73)を上面に立設支持してなる昇降自在な一般用のエジェクタプレート(71)を備え、
    微細孔用突出し機構部(80)は、前記樹脂成形品(30)の微細孔(32)を上方に突出すための小径ピン(82)を上面に立設支持してなる小径ピン用のエジェクタプレート(81)と、この小径ピン用のエジェクタプレート(81)の裏面側に位置するベースプレート(61)と前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)との間に設けられるとともに、前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)を上方に付勢するスプリング(83)と、前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)の上面に設けられたウレタンブッシュ(84)と、を備え、
    前記ウレタンブッシュ(84)が前記一般用のエジェクタプレート(71)の下面の凹部(71a)に嵌合し、嵌合したウレタンブッシュ(84)を介して前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)に伝達される前記一般用のエジェクタプレート(71)からの引張力と、前記スプリング(83)のバネ力との合力により、前記一般用のエジェクタプレート(71)の上昇動作に追随して前記小径ピン用のエジェクタプレート(81)が上昇し、前記小径ピン(82)が前記樹脂成形品(30)における微細孔(32)を短寸ストローク上方に突き上げるようになっていること
    を特徴とする樹脂成形品の成形金型。
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