JP2008194984A - 2色成形品及びその成形方法 - Google Patents

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Masahiko Hara
正彦 原
Nobuaki Seki
伸明 関
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Abstract

【課題】2色成形品及びその成形方法であって、接合部分の見栄えを高めるとともに、接合強度を強化する。
【解決手段】ドアトリム(2色成形品)10は、表皮22を表面に貼付した樹脂基材21からなるドアトリムアッパー20と、樹脂単体品のドアトリムロア30とから構成され、単一の成形金型40を使用し、成形上下型41,42にそれぞれ上下側分割機構部50,60を配置することにより、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の各キャビティを良好に区画でき、かつ表皮22のクランプ機能を持たせることで、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30を連続的に射出成形を行ない、境界溝のない良好な外観見栄えを持つドアトリム10を成形する。
【選択図】図3

Description

この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に適用できる2色成形品及びその成形方法に係り、特に、合わせ部分の見栄えを向上させた2色成形品及びその成形方法に関する。
図12は、上下二分割構造の自動車用ドアトリム1を示す分解図であり、図13は、同自動車用ドアトリム1の構成を示す断面図である。図面において、自動車用ドアトリム1は、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3とから構成されている。そして、ドアトリムアッパー2は、所望の曲面形状に成形された樹脂芯材2aの表面に表皮2bを貼着した積層構造体からなり、モールドプレス成形工法、あるいはコールドプレス成形工法により樹脂芯材2aと表皮2bとが一体成形されている。
上記ドアトリムアッパー2の成形方法について、図14を基に説明する。まず、ドアトリムアッパー2を成形する成形金型4は、所定ストローク上下動可能な成形上型5と、成形上型5と対をなす固定側の成形下型6と、成形下型6と接続される射出機7とから大略構成されている。そして、成形上下型5,6を型締めした際、ドアトリムアッパー2の製品形状を形造るために成形上型5にはキャビティ部5aが形成され、成形下型6にはコア部6aが設けられている。上記成形上型5を所定ストローク上下動作させるために、昇降シリンダ5bが連結され、成形下型6には射出機7からの溶融樹脂Mの通路となるマニホールド6b、ゲート6cが設けられている。また、上下動作する成形上型5において、適正なプレス姿勢を維持させるために、成形下型6の4隅部にガイドポスト6dが設けられ、このガイドポスト6dに対応して成形上型5にはガイドブッシュ5cが設けられている。
従って、成形上下型5,6が型開き状態にある時、表皮2bを成形金型4内にセットし、その後、成形上下型5,6を型締めする直前か、または型締めした後のいずれかのタイミングで両金型5,6間のキャビティ内に射出機7からマニホールド6b、ゲート6cを通じて溶融樹脂Mを射出充填することにより、樹脂芯材2aを所要の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材2aの表面に表皮2bを一体成形している(例えば、特許文献1参照。)。尚、図14では、説明の便宜上、コア部6aの型面にオープン状態で溶融樹脂Mが供給されているが、実際は、溶融樹脂Mは成形上下型5,6の型締め後にキャビティ内に射出充填されても良い。一方、ドアトリムロア3は、合成樹脂の射出成形体からなり、ドアトリムアッパー2の成形金型4とは別個の図示しない射出成形金型を使用することで所要形状に成形される。
次いで、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合構造は、ドアトリムロア3の接合縁部に沿って、溶着用ボス3aが適宜ピッチ間隔で立設され、この溶着用ボス3aをドアトリムアッパー2に対応して開設されている取付孔2c内に挿入した後、溶着用ボス3aの先端部分に超音波溶着カシメ加工を施すことにより、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合一体化を図っている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−138268号公報 (第2頁、図3、図4)
特開2001−198936号公報 (第4頁、図8、図9)
このように、従来の上下二分割構造の自動車用ドアトリム1にあっては、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3とをそれぞれ別個の成形金型を使用して個別に成形し、その後両者を接合して超音波溶着加工により接合一体化するという工法を使用していたため、工程数が多く、かつ成形金型費用も嵩み、コストアップを招来するばかりでなく、生産性を低下させるという欠点が指摘されている。また、従来の接合構造にあっては、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合ラインは、接合部に沿って一部をラップさせた合わせ構造であるため、表面見栄えが劣るとともに、合わせ精度が安定しないという不具合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、分割型ドアトリム等の自動車用内装部品に好適な2色成形品であって、合わせ部分の見栄えを向上させた2色成形品を提供することを目的とする。更に、本発明は、上記2色成形品を単一の成形金型で成形することを可能にするとともに、従来に比べ工程数を短縮化することで、簡単かつ廉価に成形が可能となる2色成形品の成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形金型内に少なくとも2つ以上のキャビティが設定され、各キャビティに対応する射出機から溶融樹脂を射出充填して、複数の樹脂成形品を接合一体化してなる2色成形品において、前記一方側の樹脂成形品は、樹脂基材の表面に表皮が積層され、他方側の樹脂成形品に接合する部位には、接合用フランジが裏面側に向けて形成され、かつ表皮は、接合用フランジの外側面途中で水平方向に延在するように折曲される一方、他方側の樹脂成形品は、一方側の樹脂成形品の接合用フランジの先端コーナー部をまたいで外側面から底面にかけて該フランジを抱え込み支持する支持部が形成され、樹脂成形品の樹脂基材と、他方側の樹脂成形品との接触面積が多く確保されていることを特徴とする。
ここで、2色成形品とは、単一の成形金型に少なくとも2つ以上の異なるキャビティを設定し、各キャビティに異種材料の溶融樹脂を射出充填することで、少なくとも外観の異なる複数の樹脂成形品を接合一体化して成形される成形品のことをいう。尚、一方側の樹脂成形品の表面には、表皮を積層一体化することもできる。この2色成形品の用途としては、例えば、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品一般に適用できる。
上記樹脂成形品の樹脂材料としては、1種類の熱可塑性樹脂でも2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、これらの熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤が配合されても良い。
更に、双方の樹脂成形品の接合部に沿って、一方側の樹脂成形品の接合縁部には、裏面側に向く接合用フランジが形成されており、この接合用フランジの外側面から底面にかけて広範囲の面積で接触するように他方側の樹脂成形品には鉤状の支持部が形成されているため、双方の樹脂成形品の接合部に一体感を現出でき、外観性能を高めることができるとともに、双方の樹脂成形品の接合面積が多く確保されているため、接合強度も強化できる。
次いで、本発明に係る2色成形品の成形方法は、成形上下型を型締めするとともに、成形上型に配置した上側分割機構部と、成形下型に配置した下側分割機構部とを駆動させ、上下側ブロックを接合させて2つ以上のキャビティに区画し、各キャビティに対応する射出機から溶融樹脂を射出充填して、複数の樹脂成形品を接合一体化してなる2色成形品の成形方法において、成形上下型を型締めするとともに、上側分割機構部における上側ブロックを下降操作するとともに、下側分割機構部における下側ブロックを上昇させて、表皮の端末を上下側ブロックにより挟み付けて保持しながら、キャビティを分割し、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、接合用フランジを備えるように所要形状に成形する一方側の樹脂成形品の成形工程と、上側分割機構部における上側ブロックを上昇操作させるとともに、下側分割機構部における下側ブロックを下降操作し、第2のキャビティ及び上下側ブロックの下側に形成された新たなスペース内に溶融樹脂を射出充填して、一方側の樹脂成形品の接合用フランジの外側面から底面にかけて該接合用フランジを抱え込み支持するように他方側の樹脂成形品に支持部を形成することで他方側の樹脂成形品を一方側の樹脂成形品と接合一体化する他方側の樹脂成形品の成形工程とからなることを特徴とする。
ここで、本発明方法に使用する成形金型は、所定ストローク上下動可能な成形上型と、この成形上型の下方側に位置する固定側である成形下型と、成形下型に連結され、複数のキャビティに異なる溶融樹脂を供給する複数の射出機と、成形上下型にそれぞれ対応配置される上下側分割機構部とから構成されている。
成形上下型に配置される分割機構部としては、上側ブロックがシリンダ駆動により上下動可能に設けられ、上側分割機構部が構成されているとともに、下側分割機構部においても、下側ブロックがシリンダにより所定ストローク上下動可能に支持されている。そして、一方側の樹脂成形品に表皮を設定した場合は、上下側ブロックにより、表皮の端末を支持するとともに、複数のキャビティを上下側ブロックの接合により区画して一方側の樹脂成形品の素材である溶融樹脂を外部に漏出することなく第1のキャビティ内に射出充填することができる。また、他方側の樹脂成形品を成形する際には、上側ブロックが上昇し、下側ブロックが下降することで新たなスペースが形成され、第2のキャビティと新たなスペース内に溶融樹脂が射出充填され、双方の樹脂成形品が強固に接合一体化される。
このように、本発明方法は、成形上下型を型締めするとともに、成形上下型に配置した上下側分割機構部における各ブロックを接合させて表皮の端末をクランプ支持するとともに、キャビティを区画し、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、一方側の樹脂成形品を成形する工程と、上側ブロックを上昇させるとともに、下側ブロックを下降操作して、新たなスペースを形成して、第2のキャビティと新たなスペース内に溶融樹脂を射出充填して、他方側の樹脂成形品を一方側の樹脂成形品と一体化させる他方側の樹脂成形品の成形工程とから構成されている。
従って、本発明方法によれば、成形上下型に配置させた分割機構部を個々に動作させて表皮をクランプするとともに、キャビティを区画し、その後、各上下側ブロックをそれぞれ離間させて新たなスペースを形成して、他方側の樹脂成形品を成形するという一連の成形工程を同一の成形金型で行なうことができるため、金型設備を大幅に簡素化できるとともに、工程数も短縮化できる。
以上説明した通り、本発明に係る2色成形品は、外観の異なる複数の樹脂成形品同士を接合する接合部分に沿って成形上下型にそれぞれ上下側分割機構部を配置して、分割溝が形成されることなく、双方の樹脂成形品を一体化するというものであるから、接合部分の外観見栄えを向上させることができるという効果を有する。
また、一方側の樹脂成形品は、接合縁に沿って裏面側に向く接合用フランジが形成され、接合用フランジの外側面の中央部あたりからフランジの底面にかけて該フランジを抱え込み支持する支持部が他方側の樹脂成形品に形成されており、一方側の樹脂成形品の樹脂面と他方側の樹脂成形品との間の接触面積を多く確保できるため、両者の接合部分の強度を強化できるという効果を有する。
更に、本発明に係る2色成形品の成形方法は、同一の成形金型を使用して、かつ双方の樹脂成形品の接合部分に対応する成形金型内に上下側分割機構部を配置し、成形上下型の型締め時、上下側ブロックを接合させることで表皮をクランプし、かつ樹脂漏れすることなくキャビティを区画でき、一方側の樹脂成形品を精度良く成形することができるとともに、その後、分割機構部を動作させて、他方側の第2のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、一方側の樹脂成形品と一体化する他方側の樹脂成形品を成形するというものであるから、同一の成形金型を使用して、一連の工程で成形が可能となるため、金型設備の簡素化並びに成形工程数の短縮化を図ることができ、コストダウンを招来するという効果を有する。
以下、本発明に係る2色成形品及びその成形方法の好適な実施例について、上下二分割タイプ並びにその成形方法を例示して説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図11は本発明の一実施例を示し、図1はツートンタイプの自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同自動車用ドアトリムにおける分割ライン付近の構成を示す断面図、図4,図5は同自動車用ドアトリムを成形する成形金型を示すもので、図4は成形金型の全体図、図5は成形金型における分割機構部を示す構成説明図、図6乃至図11は同自動車用ドアトリムの製造方法における各工程を示す説明図である。
図1乃至図11に基づいて、本発明の一実施例を説明する。図1,図2において、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10は、積層構造体からなるドアトリムアッパー20と樹脂単体品からなるドアトリムロア30との上下二分割体から構成されている。上記ドアトリム10に装着される機能部品としては、ドアトリムアッパー20にインサイドハンドルエスカッション11、パワーウインドウスイッチエスカッション12が取り付けられている。一方、ドアトリムロア30には、ドアポケット用開口13が開設され、その背面側には、図2に示すように、ポケットバックカバー(樹脂成形体からなる)14が取り付けられており、ドアポケット用開口13のフロント側にスピーカグリル15がドアトリムロア30と一体あるいは別体に形成されている。
ところで、本発明に係る自動車用ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合部の外観見栄えや接合強度を高め、かつ工程数の短縮化並びに金型設備の簡素化を推し進めることが特徴である。すなわち、ドアトリムアッパー20は、図2に示すように、所望の曲面形状に成形され、保形性を有する樹脂基材21と、この樹脂基材21の表面側に積層一体化される加飾機能を持つ表皮22とから構成されている。一方、ドアトリムロア30は、樹脂単体品が採用されている。尚、図中符合16は車体パネルを示し、符号17は分割ラインを示す。
上記ドアトリムアッパー20における樹脂基材21の素材となる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、上記熱可塑性樹脂中に適宜フィラー、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維や、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子を素材とした充填剤が混入されていても良い。同様に、ドアトリムロア30の素材としても、上述した熱可塑性樹脂が使用されるが、樹脂単体品であるため、適切な色彩をつけるための顔料が混入されているとともに、製品表面に絞模様等が転写されている。
このように、図1乃至図3に示すドアトリム10は、積層構造体からなるドアトリムアッパー20と、樹脂単体品のドアトリムロア30とから構成され、外観上のアクセント効果により、優れた外観意匠性を備えている。尚、表皮22は、塩ビシートやTPOシート等の合成樹脂シート、合成樹脂フィルム、発泡体を使用することができる。また、織布、不織布、編布等の通気性シートを使用する場合には、裏面に非通気性のバッキングシートやバッキングフォームを裏打ちすれば、成形時における樹脂の侵み出しを防止できる。尚、TPOシート、あるいはポリエチレンフォーム等のポリオレフィン系樹脂フォームを裏打ちしたTPOシートを使用した場合、樹脂基材21としてポリオレフィン系樹脂を使用すれば、素材全体をオレフィン系樹脂材料で統一できるため、リサイクル面で有利である。
そして、本発明を適用したドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との分割部付近の見栄えが良好であり、外観意匠性に優れるとともに、両者の接合部分の強度も強化されており、良好な取付安定性が得られる。すなわち、図3を基にドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との境界部分の構成を詳細に説明すると、ドアトリムアッパー20は、上述したように、樹脂基材21の表面に表皮22を貼付した積層品から構成されているが、樹脂基材21は、接合縁に沿って裏面側に向くように、接合用フランジ23が形成され、表皮22は、接合用フランジ23の途中(ほぼ中央部分)で端末22aが接合用フランジ23の外側面23aから面直方向に立ち上がるように延在している。従って、図3から明らかなように、表皮22の端末22aがドアトリムロア30内にインサートされているため、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合強度が強化されている。
更に、ドアトリムアッパー20の接合用フランジ23に対してドアトリムロア30は、接合用フランジ23の外側面23aから底面23bにかけて当接して、接合用フランジ23を抱え込み支持する支持部31が設定されて樹脂基材21とドアトリムロア30の樹脂面同士の接触面を多く確保することで接合強度が強化されている。尚、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30は、分割ライン(図2,図3中符号17で示す)が設定され、この分割ライン17の上方のドアトリムアッパー20には段部20aが形成され、この段部20aにより成形時に樹脂漏れを回避する構成となっている。
次いで、図4,図5を基に成形金型40の構成について説明するとともに、図6乃至図11を基に各工程について説明する。まず、図4において、ドアトリム10の成形に使用する成形金型40は、所定ストローク上下動可能な成形上型41と、成形上型41と対をなす固定側の成形下型42と、成形下型42に接続される2基の射出機43a,43bとから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型41は、製品形状に合致したキャビティ部411が形成されており、成形上型41の上面に連結された昇降シリンダ412により所定ストローク上下駆動される。また、成形上型41の4隅部には、ガイド機構となるガイドブッシュ413が設けられている。
一方、成形下型42には、成形上型41のキャビティ部411に対応するコア部421が設けられている。また、このコア部421の型面に溶融樹脂を供給するために、成形下型42にマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bが設けられており、このマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bの樹脂通路を経て射出機43a,43bから供給される溶融樹脂M1,M2がコア部421の上面に形成されたドアトリムアッパー20の樹脂基材21を形成するための第1のキャビティ424内、及びドアトリムロア30を成形するための第2のキャビティ425内に供給される。尚、成形下型42の4隅部には、ガイド機構となるガイドポスト426が突設され、このガイドポスト426は、成形上下型41,42が型締めされる際、ガイドブッシュ413内に案内されることで成形上型41のプレス姿勢を適正に維持できる。
更に、図5に示すように、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の接合部分における成形金型40の成形上型41には上側分割機構部50が配置され、それと対応するように、成形下型42には下側分割機構部60が配置されている。上側分割機構部50は、上側ブロック51がシリンダ52により所定ストローク上下動可能に支持されているとともに、同様に、下側分割機構部60においても、下側ブロック61がシリンダ62により所定ストローク上下動可能に支持されている。そして、上下側分割機構部50,60における上下側ブロック51,61を接離操作することにより、第1のキャビティ424と、第2のキャビティ425を区画、あるいは連通させるとともに、ドアトリムアッパー20における表皮22のクランプ機能をも有している。
次いで、上述した成形金型40を使用して、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10を製造する方法の概要について説明する。まず、図6に示すように、表皮22を第1のキャビティ424内にセットする。そして、表皮22をセットした後、成形上型41の昇降シリンダ412が駆動して、成形上型41が所定ストローク下降して図7,図8に示すように、成形上下型41,42が型締めされて、この時、成形上型41に配置されている上側分割機構部50における上側ブロック51が下降するとともに、成形下型42に配置されている下側分割機構部60における下側ブロック61が上昇して、図8に拡大して示すように、双方の上下側ブロック51,61の接合により、表皮22の端末22aがクランプ保持されるとともに、双方の上下側ブロック51,61により、第1のキャビティ424と、第2のキャビティ425が確実に区画される。そして、表皮22の端末22aを上下側ブロック51,61によりクランプした状態で第1のキャビティ424内に溶融樹脂M1を射出充填する。溶融樹脂M1は、第1の射出機43aからマニホールド422a,ゲート423aを通じて射出充填されるが、溶融樹脂M1の射出のタイミングは、成形上下型41,42の型締め前に設定しても良い。この溶融樹脂M1の材質としては、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)にタルクが適宜割り合いで混入されているものが使用されている。
そして、第1のキャビティ424内に溶融樹脂M1が射出充填されて樹脂基材21が所要形状に成形され、この樹脂基材21の表面に表皮22が貼付されてドアトリムアッパー20が成形された後、図9に示すように、成形上型41に配置されている上側分割機構部50におけるシリンダ52が収縮動作することで、上側ブロック51が上昇するとともに、成形下型42の下側分割機構部60におけるシリンダ62も収縮動作して、下側ブロック61が下降して、第2のキャビティ425と連通する新たなスペース427が形成される。
更に、図10,図11に示すように、第2の射出機43bからマニホールド422b、ゲート423bを通じてドアトリムロア30成形用の第2のキャビティ425内に溶融樹脂M2が射出充填され、この溶融樹脂M2は、第2のキャビティ425と連通する新たなスペース427にも流れ込むため、第2のキャビティ425と新たなスペース427に溶融樹脂M2が射出充填され、ドアトリムアッパー20と一体にドアトリムロア30が成形される。この溶融樹脂M2の射出充填時、上側分割機構部50における上側ブロック51と、ドアトリムアッパー20の段部20aのシール性により溶融樹脂M2がドアトリムアッパー20側に漏出することがないとともに、新たなスペース427は、ドアトリムアッパー20の接合用フランジ23の外側面23aから底面23bにかけてこの接合用フランジ23を抱え込み支持するように設定されるため、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合部分の強度を強化することができる。尚、ドアトリムロア30の素材としての溶融樹脂M2は、本実施例では、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)を使用しているが、ドアトリムアッパー20の樹脂基材21に比べ、ドアトリムロア30は、製品表面に現われるため、顔料を混入して所望の彩色を施すか、あるいは絞模様を転写するのが好ましい。
このように、本発明方法によれば、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10を製造する際、成形下型42に2基の射出機43a,43bを連設して、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とについて、各樹脂通路を通じて溶融樹脂M1,M2を射出充填するとともに、成形上下型41,42に対応する分割機構部50,60を配置させ、表皮22のクランプ機能及び樹脂のシール性を実現することにより、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを一体化でき、単一の成形金型40を使用し、一連の工程でツートンタイプの自動車用ドアトリム10を簡単に製造することができ、廉価に製作できるという利点を備えている。
更に、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30は、ドアトリムアッパー20に接合用フランジ23が形成され、この接合用フランジ23の外側面23aに突き当たるようにドアトリムロア30が一体化されているため、両者の間に境界溝部が形成されることがなく、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の一体感を現出させることで良好な外観性能を付与することができるという効果がある。
以上説明した実施例は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とからなる上下二分割構造のドアトリム10であり、ドアトリムアッパー20として、樹脂基材21と表皮22との積層構造体からなる構成を適用したが、単一成形品からなるドアトリムアッパー20に適用することもできる。また、2色成形品であれば、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等、内装部品全般に適用することができる。
本発明に係る2色成形品をツートンタイプの自動車用ドアトリムに適用した一実施例を示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1に示す自動車用ドアトリムにおけるドアトリムアッパーとドアトリムロアとの間の境界部の構成を示す断面図である。 図1に示す自動車用ドアトリムを成形する際に使用する成形金型の全体構成を示す説明図である。 図4に示す成形金型における分割機構部の構成を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法における表皮のセット工程を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムアッパーの成形時における分割機構部の作用を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法における分割機構部の動作を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるキャビティ側ブロックの上昇動作を示す説明図である。 従来の上下二分割タイプのドアトリムを示す分解図である。 従来の上下二分割タイプのドアトリムの構成を示す断面図である。 従来のドアトリムアッパーの成形工程の概要を示す説明図である。
符号の説明
10 自動車用ドアトリム
16 車体パネル
17 分割ライン
20 ドアトリムアッパー
20a 段部
21 樹脂基材
22 表皮
23 接合用フランジ
23a 外側面
23b 底面
30 ドアトリムロア
31 支持部
40 成形金型
41 成形上型
42 成形下型
424 第1のキャビティ(ドアトリムアッパー成形用)
425 第2のキャビティ(ドアトリムロア成形用)
427 スペース
43a,43b 射出機
50 上側分割機構部
51 上側ブロック
52 シリンダ
60 下側分割機構部
61 下側ブロック
62 シリンダ
M1,M2 溶融樹脂

Claims (3)

  1. 成形金型(40)内に少なくとも2つ以上のキャビティ(424,425)が設定され、各キャビティ(424,425)に対応する射出機(43a,43b)から溶融樹脂(M1,M2)を射出充填して、複数の樹脂成形品(20,30)を接合一体化してなる2色成形品(10)において、
    前記一方側の樹脂成形品(20)は、樹脂基材(21)の表面に表皮(22)が積層され、他方側の樹脂成形品(30)に接合する部位には、接合用フランジ(23)が裏面側に向けて形成され、かつ表皮(22)は、接合用フランジ(23)の外側面(23a)途中で水平方向に延在するように折曲される一方、他方側の樹脂成形品(30)は、一方側の樹脂成形品(20)の接合用フランジ(23)の先端コーナー部をまたいで外側面(23a)から底面(23b)にかけて該フランジ(23)を抱え込み支持する支持部(31)が形成され、樹脂成形品(20)の樹脂基材(21)と、他方側の樹脂成形品(30)との接触面積が多く確保されていることを特徴とする2色成形品。
  2. 成形上下型(41,42)を型締めするとともに、成形上型(41)に配置した上側分割機構部(50)と、成形下型(42)に配置した下側分割機構部(60)とを駆動させ、上下側ブロック(51,61)を接合させて2つ以上のキャビティ(424,425)に区画し、各キャビティ(424,425)に対応する射出機(43a,43b)から溶融樹脂(M1,M2)を射出充填して、複数の樹脂成形品(20,30)を接合一体化してなる2色成形品(10)の成形方法において、
    成形上下型(41,42)を型締めするとともに、上側分割機構部(50)における上側ブロック(51)を下降操作するとともに、下側分割機構部(60)における下側ブロック(61)を上昇させて、表皮(22)の端末を上下側ブロック(51,61)により挟み付けて保持しながら、キャビティ(424,425)を分割し、第1のキャビティ(424)内に溶融樹脂(M1)を射出充填して、接合用フランジ(23)を備えるように所要形状に成形する一方側の樹脂成形品(20)の成形工程と、
    上側分割機構部(50)における上側ブロック(51)を上昇操作させるとともに、下側分割機構部(60)における下側ブロック(61)を下降操作し、第2のキャビティ(425)及び上下側ブロック(51,61)の下側に形成された新たなスペース(427)内に溶融樹脂(M2)を射出充填して、一方側の樹脂成形品(20)の接合用フランジ(23)の外側面(23a)から底面(23b)にかけて該接合用フランジ(23)を抱え込み支持するように他方側の樹脂成形品(30)に支持部(31)を形成することで他方側の樹脂成形品(30)を一方側の樹脂成形品(20)と接合一体化する他方側の樹脂成形品(30)の成形工程と、
    からなることを特徴とする2色成形品の成形方法。
  3. 複数の樹脂成形体(20,30)を接合一体化してなる2色成形品(10)を成形する成形金型(40)であって、この成形金型(40)は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型(41,42)と、成形上型(41)に配置され、上下動可能な上側ブロック(51)を備えた上側分割機構部(50)と、成形下型(42)に配置され、上下動可能な下側ブロック(61)をシリンダ(52)により上下動可能に構成された下側分割機構部(60)から構成されていることを特徴とする2色成形品の成形金型。
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JP2009051121A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Suzuki Motor Corp インモールド成形方法
JP2012056238A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Toyota Boshoku Corp 多色成形品の製造方法および多色成形品

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