JP2007030291A - 多色成形品及びその成形方法並びに成形金型 - Google Patents

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Masahiko Hara
正彦 原
Nobuaki Seki
伸明 関
Junpei Kozuka
純平 古塚
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Abstract

【課題】複数のキャビティを区画する分割バーを内装した成形金型を使用して多色成形品を成形する多色成形品及びその成形方法並びに成形金型であって、溶融樹脂の外部への染み出しを確実に防止するとともに、成形サイクルを短縮化する。
【解決手段】ドアトリム(二色成形品)10は、異なる2つの樹脂成形品(ドアトリムアッパー20、ドアトリムロア30)の接合部に沿う境界溝部17を介して一体化されている。そして、境界溝部17を設定するために使用する分割バー51の上面及び分割バー51と隣接する成形金型42の型面の少なくとも一方側には、凹凸部53a,53b,44,45が形成されていることにより、溶融樹脂M1,M2が境界溝部17付近を流動する際、流速が低減されることにより、外部への染み出しを防止できるとともに、シール性が向上することから、成形サイクルを短縮化でき、しかも、境界溝部17付近の強度をアップさせることができる。
【選択図】図5

Description

この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に好適な多色成形品及びその成形方法並びに成形金型に係り、特に、境界溝部付近の外観性能を高めることができるとともに、成形サイクルを短縮化できる多色成形品及びその成形方法並びに成形金型に関する。
図16は、上下二分割構造の自動車用ドアトリム1を示す正面図であり、この自動車用ドアトリム1は、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との上下二分割体から構成され、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合部位は、境界溝部4が設定されている。次いで、上記ドアトリム1を成形する成形金型5の構成について、図17を基に説明する。成形金型5は、所定ストローク上下動可能な成形上型6と、その下方に位置する固定側の成形下型7と、成形下型7に接続され、溶融樹脂を供給する射出機8a,8bと、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との境界溝部4に配設され、キャビティを2つの分割されたキャビティC1,C2に区画する分割バー9とから大略構成されている。
そして、この成形金型5を使用して、二色成形品であるドアトリム1を成形する工程について説明する。まず、成形上型6を下降操作し、成形上下型6,7を型締めする。この時、図18(a),(b)に示すように、分割バー9はシリンダ9aの伸長動作により、上方に位置してドアトリムアッパー2を成形するためのキャビティC1とドアトリムロア3を成形するためのキャビティC2とを区画しており、第1の射出機8aから溶融樹脂M1がキャビティC1に射出充填される。尚、キャビティC1には、ドアトリムアッパー2の表皮2aが予めセットされており、表皮2aと樹脂成形品2bとの積層体からなるドアトリムアッパー2が成形される。
その後、シリンダ9aが収縮動作を行ない、図19(a),(b)に示すように、分割バー9が下降した後、第2の射出機8bから溶融樹脂M2がキャビティC2に射出充填され、更にこの溶融樹脂M2は、分割バー9が下降して生じるスペース内にも充填されてドアトリムアッパー2と一体化する形でドアトリムロア3が所要形状に成形されて、二色成形品であるドアトリム1の成形が完了する。上述したドアトリム1のような二色成形品の成形方法及び成形金型については、特許文献1に詳細に記載されている。
特開平10−278060号公報
このように、従来では、上下二分割構造の自動車用ドアトリム1のような多色成形品を同一の成形金型5を使用して成形する場合には、成形金型5内に内装される分割バー9を上下駆動させて行なっていたが、従来では、例えば、図18(a)に示すドアトリムアッパー2の成形時、分割バー9と成形上型6との間の接触強度が適切に維持されていない場合は、図20に示すように、溶融樹脂M1がキャビティC2側に染み出し、外観不良が生じるため、この分割バー9の上下ストローク動作を精度良く管理して、成形上型6に対する接触強度を常に均一に維持する必要があった。そして、そのため、射出圧を低く、かつ成形サイクルを時間をかけて行なう必要があり、成形性を低下させる大きな要因となっている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、成形金型内のキャビティを分割バーにより複数のキャビティに分割して各キャビティにそれぞれ専用の射出機から溶融樹脂を射出充填して成形される多色成形品及びその成形方法並びに成形金型であって、分割バー上面の形状又はその周囲の金型面の形状を工夫することで分割バーの近傍部分を流れる溶融樹脂の流速を低減させることにより、樹脂の染み出しが原因となる成形不良を確実に防止でき、かつ成形サイクルの短縮化を可能とした多色成形品及びその成形方法並びに成形金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形金型のキャビティを分割バーにより複数のキャビティに区画し、各キャビティに対応する射出機から溶融樹脂を上記各キャビティ内に射出充填して、分割バーに対応する境界溝部を基に複数の樹脂成形品を一体化してなる多色成形品において、前記分割バーの上面及び分割バー近傍の金型型面の少なくとも一方側には、溶融樹脂の流速を低減する凹凸部が形成され、多色成形品の境界溝部近傍部の裏面には、成形金型側からの凹凸部が凹凸模様として転写されていることを特徴とする。
ここで、多色成形品とは、単一の成形金型に少なくとも2つ以上の複数の異なるキャビティを設定し、各キャビティに異種材料の溶融樹脂を射出充填することで、外観の異なる複数の樹脂成形品を接合一体化して成形される二色成形品、三色成形品等のことをいう。尚、一方側の樹脂成形品の表面には、表皮を積層一体化することもできる。この多色成形品の用途としては、例えば、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品全般に適用できる。
上記樹脂成形品の材料としては、1種類の熱可塑性樹脂でも2種類以上の熱可塑性樹脂から構成しても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、これらの熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤が配合されても良い。
次いで、本発明に係る多色成形品の成形方法は、成形金型を型締めした後、キャビティ内に分割バーを上昇させて、第1のキャビティと、第2のキャビティとを区画し、次いで、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、一方側の樹脂成形品を成形した後、前記分割バーを下降操作し、第2のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、他方側の樹脂成形品を分割バーを基に形成される境界溝部を介して一方側の樹脂成形品と一体化してなる多色成形品の成形方法において、前記成形金型内に内装される分割バーの上面及びその周囲の金型型面に溶融樹脂の流速を低減させる凹凸部が設けられており、分割バーを上昇させて、第1のキャビティ内に溶融樹脂を充填する際、分割バーの近傍部分での溶融樹脂の流速が低減され、第2のキャビティ側への染み出しを抑制することを特徴とする。
ここで、本発明に係る成形方法に使用する成形金型は、成形金型を型締めした後、キャビティ内に分割バーを上昇させて、第1のキャビティと第2のキャビティとを区画し、次いで、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、一方側の樹脂成形品を成形した後、前記分割バーを下降操作し、第2のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、他方側の樹脂成形品を分割バーを基に設定される境界溝部を介して一方側の樹脂成形品と一体化してなる多色成形品を成形する成形金型であって、前記成形金型は、相互に型締め及び型開き可能な成形上下型と、成形下型に内装され、第1のキャビティと、第2のキャビティとを区画するために上下動可能に設置される分割バーと、各キャビティ内に溶融樹脂を供給する射出機とから構成され、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際、分割バー付近での溶融樹脂の流速を低減させるために、分割バーの上面及びその近傍の金型型面の少なくともいずれか一方側に凹凸部が設定されていることを特徴とする。
すなわち、本発明方法に使用する成形金型は、分割バーが配置されて複数のキャビティを区画する部位において、溶融樹脂の流速を低減するための手段として、分割バーの上面に溶融樹脂の流速を低減させる形状に設定されているか、あるいは、分割バー付近の金型型面に溶融樹脂の流速を低減させる型面形状が設定されている。そして、実際の金型構造としては、分割バーの上面のみに凹凸部を設定するか、金型の型面形状のみに凹凸部を設定するか、分割バーの上面と金型型面の双方に凹凸部を設定するかの3つの形態が考えられる。更に、この凹凸部は、溶融樹脂の流れ方向に対してそれと直交する方向に線状に延びる凹凸ラインを形成するのが好ましいが、溶融樹脂の流速を低減させる機能をもつものであればその形状は限定されず、凹凸部の断面形状は半円形状、三角形状、矩形状等、限定されない。
従って、本発明方法によれば、成形上下型が型締めされて、キャビティが形成され、更に、キャビティ内に分割バーが上昇して、複数のキャビティに分割した後に第1のキャビティ内に溶融樹脂の射出充填が行なわれるが、この時、分割バーの上面か、あるいは分割バーと隣接する金型型面の少なくともいずれか一方には、凹凸部が形成されているため、分割バーに到達する溶融樹脂はその流速が低減され、第2のキャビティに染み出すことがなく、樹脂の染み出しによる成形不良を可及的に防止できる。また、分割バー近傍部分の樹脂の流速を低減させることができるため、溶融樹脂の射出圧を高く設定することが可能となり、サイクル時間を短縮化でき、生産性を向上させることができる。
更に、本発明によれば、分割バーの上面か、分割バーと隣接する金型型面のいずれか一方に凹凸部を形成することにより、第1のキャビティ内に充填する溶融樹脂と第2のキャビティ内に充填する溶融樹脂同士の接着面積を増大させることができる。
以上説明した通り、本発明に係る多色成形品及びその成形方法並びに成形金型は、成形金型に配設されている分割バーの昇降動作により、製品キャビティを複数の異なるキャビティに区画するとともに、分割バーの上面及び分割バー周囲の金型型面の少なくとも一方側には、溶融樹脂の流速を低減させる凹凸部が形成されているため、樹脂成形体を成形する際、溶融樹脂が対応するキャビティから外部に染み出すことがなく、成形不良を未然に防止できることから、歩留まりを高めることができるとともに、溶融樹脂の外部への染み出しを確実に防止できるため、射出圧力を比較的高く設定することが可能となり、成形サイクルを短縮化でき、成形性を高めることができるという効果を有する。
更に、本発明によれば、分割バーの上面か、分割バーと隣接する金型型面のいずれか一方に凹凸部を形成することにより、第1のキャビティ内に充填する溶融樹脂と第2のキャビティ内に充填する溶融樹脂同士の接着面積が増えるため、接合強度を強化することができるとともに、剛性をアップさせることができるという効果を有する。
以下、本発明に係る多色成形品及びその成形方法並びに成形金型の好適な実施例について、上下二分割タイプの自動車用ドアトリム及びその成形方法を例示して説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図15は本発明の一実施例を示し、図1はツートンタイプの自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムを裏面側からみた正面図及び境界溝部近傍の製品裏面の拡大図、図3は同ドアトリムの構成を示す断面図、図4乃至図6は同ドアトリムを成形する際に使用する成形金型を示すもので、図4は成形金型の全体図、図5は成形金型における分割バー近傍部分の構成を示す断面図、図6は同分割バーの全体構成を示す説明図、図7乃至図11は同ドアトリムの成形方法における各工程を示す説明図、図12,図13は本発明方法に使用する成形金型の変形例を示す各断面図、図14,図15は分割バー及び成形金型の型面に形成する凹凸部の変形例を示す各説明図である。
図1乃至図3において、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10は、積層構造体からなるドアトリムアッパー20と樹脂単体品からなるドアトリムロア30との上下二分割体から構成されている。上記ドアトリムアッパー20は、樹脂基材21の表面に表皮22が貼付された積層構造体からなり、ドアトリムロア30は合成樹脂の射出成形体から構成されている。上記ドアトリムアッパー20における樹脂基材21、及びドアトリムロア30の材質としては、1種類の熱可塑性樹脂でも、2種類以上の熱可塑性樹脂の混合材料からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、これらの熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤が配合されても良い。
上記ドアトリム10に装着される機能部品としては、ドアトリムアッパー20にインサイドハンドルユニット11が取り付けられている。一方、ドアトリムロア30には、乗員が肘を掛けて休めるように、アームレスト12が設けられており、このアームレスト12には、図示はしないが、パワーウインドウスイッチエスカッションやドアロックスイッチ等のスイッチユニットが装備されても良い。また、アームレスト12の下方には、備品を収容できるドアポケット開口13が開設されており、ドアポケット開口13のフロント側には、スピーカグリル14がドアトリムロア30と一体、あるいは別体に設けられている。上記ドアトリム10は、図3に示すように、ドアパネル15に対して図示しないクリップ等の固着手段を介して取り付けられており、ドアトリムロア30におけるドアポケット開口13の背面側にはポケットバックカバー16が取り付けられている。
そして、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との境界部分には、境界溝部17が設定されており、特に本発明を適用したドアトリム10は、ドアトリムアッパー20側の樹脂基材21が境界溝部17を越えてドアトリムロア30側に染み出すことがなく、同様に、ドアトリムロア30においても、境界溝部17からドアトリムアッパー20側に染み出すことが可及的に防止できる構成になっている。すなわち、図2中拡大して示すように、境界溝部17の裏面側においては、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30には、それぞれ水平方向に走る複数の凹凸模様20a,30aが形成されている。双方の凹凸模様20a,30aの凹凸寸法(図3中符号dで示す)は、0.01〜0.5mm程度に設定されている。
次いで、上述したドアトリム10の成形に使用する成形金型40の構成について、図4乃至図6を基に説明する。まず、図4に示すように、ドアトリム10の成形に使用する成形金型40は、所定ストローク上下動可能な成形上型41と、成形上型41と対をなす固定側の成形下型42と、成形下型42に接続される2基の射出機43a,43bとから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型41は、製品形状に合致したキャビティ部411が形成されており、成形上型41の上面に連結された昇降シリンダ412により所定ストローク上下駆動される。また、成形上型41の4隅部には、ガイド機構となるガイドブッシュ413が設けられている。
一方、成形下型42には、成形上型41のキャビティ部411に対応するコア部421が設けられている。また、このコア部421の型面に溶融樹脂を供給するために、成形下型42にマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bが設けられており、このマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bの樹脂通路を経て射出機43a,43bから供給される溶融樹脂M1,M2がコア部421の上面に形成されたドアトリムアッパー20の樹脂基材21を形成するための第1のキャビティ424内、及びドアトリムロア30を成形するための第2のキャビティ425内に供給される。また、成形下型42の4隅部には、ガイド機構となるガイドポスト426が突設され、このガイドポスト426は、成形上下型41,42が型締め及び型開きされる際、ガイドブッシュ413内に案内されることで成形上型41のプレス姿勢を適正に維持できる。
更に、図5に示すように、ドアトリム10に境界溝部17を形成するために、成形上型41には、凸条414が突設され、それに対応して成形下型42には、凹部427が形成され、この凹部427内に分割機構部50が収容配置されている。この分割機構部50は、分割バー51と駆動シリンダ52とから構成されており、分割バー51が駆動シリンダ52により所定ストローク上下動可能に昇降駆動される。また、上記分割バー51の上面には、成形上型41の凸条414を受容し、また、ドアトリムロア30の成形時には、補強リブ31を成形するための凹部51aが形成されている。
ところで、図2の拡大図並びに図3に示すように、境界溝部17の裏面側におけるドアトリムアッパー20及びドアトリムロア30には、凹凸模様20a,30aが形成されているが、そのためには、図5に示すように、分割バー51の上面には、凹凸部53a,53b(第1のキャビティ424に相当する凹凸部を符号53aで示し、第2のキャビティ425に相当する凹凸部を符号53bで示す)が設けられている。また、この実施例においては、溶融樹脂M1,M2の流速をより有効に低減させるために、分割バー51の上面に凹凸部53a,53bを形成することに加えて、成形下型42について、分割バー51と隣接する部分においてそれぞれ凹凸部44,45が形成されている。この凹凸部44,45のエリアとしては、この実施例では、100mm程度に設定されている。尚、図6に示すように、成形下型42に設けられる分割機構部50は、ドアトリム10の境界溝部17に沿って設けられており、駆動シリンダ52の駆動により、分割バー51は、図8中実線で示す上方位置と、一点鎖線で示す下方位置との間で符号Lで示すストローク分昇降動作して、キャビティ424,425を区画、あるいは連通させる。
次いで、この成形金型40を使用してドアトリム10を成形する成形方法について、簡単に説明する。まず、ドアトリムアッパー20の成形工程は、表皮22を第1のキャビティ424内にセットする。この時、成形金型40は、図4に示す型開き状態である。そして、表皮22は、図示しないセットピン、あるいは真空吸引作用により、成形上型41の型面に保持されている。尚、移動式のフレーム枠でキャビティ424内に表皮22をセットするようにしても良い。上記表皮22をセットした後、成形上型41の昇降シリンダ412が動作して、成形上型41が所定ストローク下降して、図7に示すように、成形上下型41,42が型締めされる。次いで、第1の射出機43aからマニホールド422a、ゲート423aを通じて溶融樹脂M1が第1のキャビティ424内に射出充填される。尚、溶融樹脂M1の射出タイミングは、成形上下型41,42の型締め前に設定しても良い。また、この溶融樹脂M1としては、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)が使用されており、所望ならば、タルクが適宜割り合いで混入されていても良い。
このように、溶融樹脂M1が第1のキャビティ424内に射出充填されて、表皮22を貼り合わせた樹脂基材21が成形され、ドアトリムアッパー20の成形が完了するが、この時、境界溝部17に沿って設けられている分割機構部50については、駆動シリンダ52が伸長状態であり、分割バー51は、図8に示すように、最上方位置に位置している。この時、図9に示すように、第1のキャビティ424内に射出充填される溶融樹脂M1は、この分割バー51のシール作用により、第2のキャビティ425内に侵入することがない。
更に、第1のキャビティ424内に射出充填される溶融樹脂M1は、特に、第2のキャビティ425との境界部分に到達する際には、成形下型42の型面に形成されている凹凸部44及び分割バー51の上面に形成されている凹凸部53aにより、溶融樹脂M1の流速が低減化されて、不用意に第2のキャビティ425側に染み出す恐れがない。従って、第1のキャビティ424の端末部分のシール性が著しく向上しており、溶融樹脂M1の射出圧力を高く設定しても、外部への染み出しを確実に防止できるため、成形サイクルを短縮化できることから、生産性を高めることができる。
その後、ドアトリムアッパー20の成形が完了すれば、分割機構部50における駆動シリンダ52が収縮動作して、図10,図11に示すように、分割バー51が所定ストローク下降し、第2の射出機43bからマニホールド422b、ゲート423bを通じてドアトリムロア成形用の第2のキャビティ425内に溶融樹脂M2が射出充填される。この時においても、図11に示すように、溶融樹脂M2が射出充填される際、成形下型42の型面に形成されている凹凸部45並びに分割バー51の上面に形成されている凹凸部53bにより、溶融樹脂M2の流速は分割バー51付近では低減化しており、キャビティ425の外部に染み出すことがなく、外観性能を良好に維持することができるとともに、射出圧を増大できることから、溶融樹脂M2の射出時間を短縮化することもできる。
このように、本発明に係るドアトリム10の成形方法によれば、分割バー51の上面に凹凸部53a,53bを形成する一方、この分割バー51の近傍部分における成形下型42の型面についても、凹凸部44,45を形成し、これら凹凸部53a,53b,44,45により、溶融樹脂M1,M2の流速を低減化させることにより、溶融樹脂M1,M2の外部への染み出しを確実に防止し、良好な外観性能を確保するとともに、射出時間を短縮化でき、生産性を高めることができるという利点を備えている。
更に、図12に示すように、溶融樹脂M1,M2の流速を低減化させる手段として、例えば、分割バー51の上面に凹凸部53a,53bを形成するだけで、成形下型42の型面に対する加工を省略しても良い。逆に、図13に示すように、分割バー51の上面に対する加工を省略し、分割バー51の近傍部分における成形下型42の型面のみに凹凸部44,45を設定しても良い。
次いで、例えば、分割バー51の上面に形成される凹凸部53a,53bとして、上述した実施例では境界溝部17と平行に直線状に延びる凹凸部53a,53bを設定することにより、直線状に延びる凹凸模様20a,30aを形成したが、図14(a)に示すように、凹凸模様20a,30aは、断続的に設定することもでき、また、図14(b)に示すように、凹凸模様20a,30aのライン方向についても溶融樹脂M1,M2をより有効に滞留させるように方向を相違させて樹脂流れを制御することもできる。
また、凹凸模様20a,30aを形成するために成形金型40の分割バー51の上面に形成する凹凸部53a,53bの形状は、上述した断面略半円形状の他に図15(a)に示す断面三角形状、図15(b)に示す断面四角形状のように、断面形状を任意に設定することができる。
以上説明した実施例は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とからなる上下二分割構造のドアトリム10に適用したものであり、更に、ドアトリムアッパー20として、樹脂基材21と表皮22との積層構造体からなる構成を適用したが、単一の樹脂成形体からなるドアトリムアッパー20に適用することもできる。また、二色成形品の他に三色成形品にも応用できる。このように、多色成形品であれば、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等、内装部品全般に適用することができる。
本発明に係る多色成形品を適用したツートンタイプの自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1に示すドアトリムを裏面側からみた正面図である。 図1中III −III 線断面図である。 本発明に係る多色成形品の成形方法に使用する成形金型の全体構成を示す概要図である。 図4に示す成形金型における分割機構部の構成を示す説明図である。 図4に示す成形金型における成形金型と分割機構部との関係を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの製造方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 図7に示すドアトリムアッパーの成形工程における分割機構部の位置関係を示す説明図である。 図7に示すドアトリムアッパーの成形工程における分割バーの位置関係を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの製造方法におけるドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 図10に示すドアトリムロアの成形工程における分割バーの位置関係を示す説明図である。 本発明に係る多色成形品の成形方法に使用する成形金型の変形例の要部を示す説明図である。 本発明に係る多色成形品の成形方法に使用する成形金型の変形例の要部を示す説明図である。 本発明に係る多色成形品の変形例における境界溝部の裏面側を示す正面図である。 本発明に係る多色成形品の変形例における境界溝部の裏面側に形成される凹凸部の断面形状を示す説明図である。 従来のツートンタイプのドアトリムを示す正面図である。 従来のツートンタイプのドアトリムの成形に使用する成形金型の全体構成を示す説明図である。 従来のツートンタイプのドアトリムの製造方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 従来のツートンタイプのドアトリムの製造方法におけるドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 従来のツートンタイプのドアトリムの製造方法における不具合点を示す説明図である。
符号の説明
10 自動車用ドアトリム(ツートンタイプ)
17 境界溝部
20 ドアトリムアッパー(積層構造体)
20a 凹凸模様
21 樹脂基材
22 表皮
30 ドアトリムロア(樹脂単体品)
30a 凹凸模様
40 成形金型
41 成形上型
414 凸条
42 成形下型
424 第1のキャビティ(ドアトリムアッパー成形用)
425 第2のキャビティ(ドアトリムロア成形用)
43a,43b 射出機
44,45 凹凸部
50 分割機構部
51 分割バー
51a 凹部
52 駆動シリンダ
53a,53b 凹凸部

Claims (3)

  1. 成形金型(40)のキャビティ(C)を分割バー(51)により複数のキャビティ(424,425)に区画し、各キャビティ(424,425)に対応する射出機(43a,43b)から溶融樹脂(M1,M2)を上記各キャビティ(424,425)内に射出充填して、分割バー(51)に対応する境界溝部(17)を基に複数の樹脂成形品(20,30)を一体化してなる多色成形品(10)において、
    前記分割バー(51)の上面及び分割バー(51)近傍の金型(42)型面の少なくとも一方側には、溶融樹脂(M1,M2)の流速を低減する凹凸部(53a,53b,44,45)が形成され、多色成形品(10)の境界溝部(17)近傍部の裏面には、成形金型(40)側からの凹凸部(53a,53b,44,45)が凹凸模様(20a,30a)として転写されていることを特徴とする多色成形品。
  2. 成形金型(41,42)を型締めした後、キャビティ(C)内に分割バー(51)を上昇させて、第1のキャビティ(424)と、第2のキャビティ(425)とを区画し、次いで、第1のキャビティ(424)内に溶融樹脂(M1)を射出充填して、一方側の樹脂成形品(20)を成形した後、前記分割バー(51)を下降操作し、第2のキャビティ(425)内に溶融樹脂(M2)を射出充填して、他方側の樹脂成形品(30)を分割バー(51)を基に形成される境界溝部(17)を介して一方側の樹脂成形品(20)と一体化してなる多色成形品(10)の成形方法において、
    前記成形金型(40)内に内装される分割バー(51)の上面及びその周囲の金型(42)型面に溶融樹脂(M1,M2)の流速を低減させる凹凸部(53a,53b,44,45)が設けられており、分割バー(51)を上昇させて、第1のキャビティ(424)内に溶融樹脂(M1)を充填する際、分割バー(51)の近傍部分での溶融樹脂(M1)の流速が低減され、第2のキャビティ(425)側への染み出しを抑制することを特徴とする多色成形品の成形方法。
  3. 成形金型(41,42)を型締めした後、キャビティ(C)内に分割バー(51)を上昇させて、第1のキャビティ(424)と第2のキャビティ(425)とを区画し、次いで、第1のキャビティ(424)内に溶融樹脂(M1)を射出充填して、一方側の樹脂成形品(20)を成形した後、前記分割バー(51)を下降操作し、第2のキャビティ(425)内に溶融樹脂(M2)を射出充填して、他方側の樹脂成形品(30)を分割バー(51)を基に設定される境界溝部(17)を介して一方側の樹脂成形品(20)と一体化してなる多色成形品(10)を成形する成形金型(40)であって、
    前記成形金型(40)は、相互に型締め及び型開き可能な成形上下型(41,42)と、成形下型(42)に内装され、第1のキャビティ(424)と、第2のキャビティ(425)とを区画するために上下動可能に設置される分割バー(51)と、各キャビティ(424,425)内に溶融樹脂(M1,M2)を供給する射出機(43a,43b)とから構成され、第1のキャビティ(424)内に溶融樹脂(M1)を射出充填する際、分割バー(51)付近での溶融樹脂(M1)の流速を低減させるために、分割バー(51)の上面及びその近傍の金型(42)型面の少なくともいずれか一方側に凹凸部(53a,53b,44,45)が設定されていることを特徴とする多色成形品の成形金型。
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