JP4218794B2 - 自動車用内装部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に係り、特に、軽量化が図れ、廉価に製作できるとともに、相手部品に対する合わせ精度、あるいは取付精度に優れた自動車用内装部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用内装部品の構成をドアトリムを例示して、図15,図16を基に説明する。ドアトリム1は、保形性及び車体パネルへの取付剛性を備えた製品面のほぼ全面にいきわたっている樹脂芯材2の表面に、表面外観に優れた表皮3を積層一体化して構成されている。
【0003】
上記樹脂芯材2としては、タルクを混入したポリプロピレン系樹脂を素材としており、また、表皮3は、それ自体保形性を備えておらず、塩ビシート等の合成樹脂シート裏面にポリエチレンフォーム等のクッション材が積層された積層シート材料が使用され、最近では、環境面やリサイクル面を考慮して、TPO(サーモプラスチックオレフィン)シート等のエラストマーシート裏面にポリエチレンフォーム等のクッション材が積層された積層シート材料が多用される傾向にある。
【0004】
次に、上記ドアトリム1の成形方法における従来例について図17を基に説明する。まず、ドアトリム1を成形する成形金型4は、所定ストローク上下動可能な成形上型5と、成形上型5と対をなす固定側の成形下型6と、成形下型6と接続される射出機7とから大略構成されている。
【0005】
そして、成形上下型5,6を型締めした際、ドアトリム1の製品形状を形造るために成形上型5にはキャビティ部5aが形成され、成形下型6にはコア部6aが設けられている。上記成形上型5を所定ストローク上下動作させるために、昇降シリンダ5bが連結され、成形下型6には射出機7からの溶融樹脂の通路となるマニホールド6b、ゲート6cが設けられている。
【0006】
また、上下動作する成形上型5は、適正姿勢を維持させるために、成形下型6の4隅部にガイドポスト6dが設けられ、このガイドポスト6dに対応して成形上型5にはガイドブッシュ5cが設けられている。
【0007】
従って、成形上下型5,6が型開き状態にあるとき、表皮3を金型内にセットし、その後、成形上下型5,6を型締めする直前か、または型締めした後のいずれかのタイミングで両金型間の製品キャビティ内に射出機7からマニホールド6b、ゲート6cを通じて溶融樹脂Mを射出充填することにより、樹脂芯材2を所要形状に成形するとともに、樹脂芯材2の表面に表皮3を一体成形している(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
尚、図17では、説明の便宜上、コア部6aの型面にオープン状態で溶融樹脂Mが供給されているが、上述したように、溶融樹脂Mは成形上下型5,6の型締め後にキャビティ内に射出充填されても良い。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−138268号公報 (第2頁、図3、図4)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のドアトリム1においては、樹脂芯材2の投影面積が大きいため、材料コストが高く、かつ製品が重量化するという問題点が指摘されている。
【0011】
また、樹脂芯材2の投影面積が大きいことから、成形時における射出圧を高く設定せざるを得ず、高い射出圧に耐え得る金型構造が必要となり、金型の作製費用も嵩み、しかも、大量の溶融樹脂を冷却固化させるため、成形サイクルが長期化し、生産性を低下させる大きな要因となっている。
【0012】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量化を促進でき、高剛性でコストダウンを図れる自動車用内装部品を提供でき、加えて、高い形状保持機能をもち、相手部品に対する合わせ精度、あるいは取付精度を高めた自動車用内装部品を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究の結果、従来から表皮として使用していた発泡樹脂シートに保形性を付与することで、芯材としての機能をもたせ、より以上に剛性が必要な箇所、すなわち製品の周縁部分やパネル、相手部品との合わせ部で密接可能、または一定のクリアランスを確保する箇所、あるいは部品取付箇所並びに荷重がかかる部位には、剛性に優れた樹脂リブを配置することで対応するとともに、特に、この樹脂リブの終端部分、あるいは樹脂リブ終端部分に設けたボスの引っ張り強度を強化することで、形状保持機能や、相手部品に対する合わせ精度、あるいは取付精度を高めることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本願発明に係る自動車用内装部品は、所要形状に成形され、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材と、この発泡樹脂基材の裏面に一体化される所定パターン形状に成形された、上記発泡樹脂基材とは別物の樹脂リブとからなり、上記樹脂リブの終端部分にボスが設けられた自動車用内装部品であって、前記樹脂リブの終端部分に位置するボスには、上記樹脂リブの延在方向と略直交する方向に沿う引っ張り強度を補完する補強構造が設けられていることを特徴とする。
【0015】
ここで、自動車用内装部品としては、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等に適用できる。
【0016】
保形性を有する発泡樹脂基材は、フラット形状に近い場合は、加熱軟化工程を省略して、成形型により所望形状に成形するが、三次元形状の製品に適用する場合は、発泡樹脂シートを加熱軟化処理した後、成形金型内で所要形状に成形することで、リブ等の補強材がなくても、成形後、脱型しても形状を保持する程度の剛性(保形性)を有している。また、製品形状が高展開率を含む場合には、発泡樹脂シートを加熱軟化処理した後、成形金型に真空吸引機構を配設して成形金型の内面に沿って発泡樹脂シートに真空吸引力を作用させるようにしても良い。
【0017】
上記発泡樹脂シートとしては、熱可塑性樹脂に発泡剤を添加した素材を使用する。尚、熱可塑性樹脂は、1種類の熱可塑性樹脂でも2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂などが使用できる。
【0018】
また、発泡剤としては、アゾ化合物、スルホヒドラジド化合物、ニトロソ化合物、アジド化合物等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤の使用が可能である。
【0019】
上記発泡樹脂シートを加熱軟化処理後、所要形状に成形して得た発泡樹脂基材は、製品の重量と強度とのバランスを考慮した場合、2〜10倍の発泡倍率が好ましい。そのときの発泡樹脂基材のセル径は、0.1μm〜2.0mmの範囲であることが好ましく、厚みは0.5〜30mm、好ましくは1〜10mmのものが良い。
【0020】
一方、樹脂リブとして使用する熱可塑性樹脂材料は、広範な熱可塑性樹脂から適宜選択することができる。通常好ましく使用できるものとして、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂等が使用できる。
【0021】
また、これら熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子などがある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤が配合されても良い。
【0022】
更に、樹脂リブの途中部位(交差部分等)、あるいは樹脂リブの終端部分にボスが設定されており、このボスは、車体パネルに対する当てボス、相手部品取付用ボス等であるが、特に樹脂リブの終端部分に位置するボスは、樹脂リブの延在方向に沿う引っ張り強度については満足するものの、樹脂リブの延在方向と略直交する方向に沿う引っ張り強度が弱い傾向にあるため、樹脂リブの終端部分に位置するボスについては補強構造が採用されている。
【0023】
この補強構造としては、例えば、樹脂リブの延在方向と略直交する方向に沿ってプレート状の補強リブをボスの外周面に一体化する構造や、更に、この補強リブの先端に補強ボスを付設する構造等が考えられる。
【0027】
また、外観意匠性を高めるために、発泡樹脂基材の表面に加飾材を積層一体化しても良い。上記加飾材としては、織布、不織布、編布、シート、フィルム、発泡体、網状物などが使用できる。これら加飾材を構成する材料は特に限定されないが、織布、不織布、編布等、通気性を有する素材を使用したほうが、発泡樹脂基材の室内騒音を吸音対象とした吸音性能を生かす上で好ましい。
【0028】
そして、本願発明に係る自動車用内装部品によれば、保形性を有する発泡樹脂基材の裏面側に剛性を補強する意味で樹脂リブが積層一体化されるという構成であるため、従来の樹脂芯材を廃止することができる。従って、従来の投影面積の非常に広い樹脂芯材を廃止することで、製品の軽量化を図ることができ、しかも、樹脂材料を節約できることから、材料コストの低減化も同時に達成できる。
【0029】
更に、樹脂リブ終端部分に一体化されているボスにプレート状の補強リブや補強ボスが一体化されているため、樹脂リブの終端部分に設けられるボスは樹脂リブの延在方向と略直交する方向の引っ張り強度を強化することができることから、ボスが変形することがないため、相手部品に対するマッチングが精度良く行なえるとともに、形状安定性に優れたものとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動車用内装部品の好適な実施の形態について、自動車用ドアトリムを例示して説明する。
【0031】
図1乃至図10は本発明の一実施形態を示し、図1は自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同自動車用ドアトリムにおける樹脂リブの配設パターンを示す説明図、図4は同自動車用ドアトリムにおける樹脂リブ終端部分に設けたボスに加わる引っ張り力の方向を示す説明図、図5乃至図8は樹脂リブ終端部分に設けたボスの補強構造を示す各説明図、図9乃至図10は同自動車用ドアトリムの製造方法を示すもので、図9は成形金型への発泡樹脂シートのセット工程を示す説明図、図10はドアトリムの成形工程を示す説明図である。
【0032】
また、図11乃至図14は本発明の参考例を示すもので、図11はドアトリムにおける樹脂リブの配設パターンを示す説明図、図12は樹脂リブ終端部分に加わる引っ張り力の方向を示す説明図、図13,図14は樹脂リブ終端部分に設けられる補強構造を示す各説明図である。
【0033】
まず、図1乃至図3において、自動車用ドアトリム10の構成について説明する。本実施形態による自動車用ドアトリム10には、インサイドハンドルエスカッション11を始めとして、アームレスト部12にパワーウインドウスイッチフィニッシャー13並びにプルハンドル14等の付属部品が装着され、アームレスト部12の下側にポケット開口15が開設され、このポケット開口15廻りにポケットエスカッション16が嵌め込み固定され、ポケット開口15のフロント側にスピーカグリル17が一体、あるいは別体に設けられている。
【0034】
更に詳しくは、図2に示すように、自動車用ドアトリム10の本体部分は、所要形状に成形され、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材20と、この発泡樹脂基材20の裏面側に積層一体化される樹脂リブ30と、発泡樹脂基材20の表面側に積層一体化される加飾機能をもつ加飾材21とから大略構成されている。
【0035】
また、上記発泡樹脂基材20は、保形性を備えるように発泡樹脂シートを加熱軟化処理後、所要形状に熱成形、例えば、所望の型面を有する成形金型でコールドプレス成形されるが、更に高展開率部分については、真空成形により発泡樹脂基材20を賦形しても良い。尚、ジャッキリッド等のリッド部品のようなフラット形状の部品においては、発泡樹脂シートに加熱軟化処理を行なわずにフラット形状に成形することができる。
【0036】
上記発泡樹脂シートは、汎用の熱可塑性樹脂に発泡剤を添加した構成であり、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤や重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。この実施形態では、ポリプロピレン系樹脂に発泡剤として重炭酸ナトリウムを適宜添加した発泡樹脂シートを使用している。また、この発泡樹脂基材20の発泡倍率は、2〜10倍に設定され、厚みは0.5〜30mm、特に1〜10mmの範囲に設定されている。
【0037】
次いで、樹脂リブ30は、発泡樹脂基材20の裏面側に配設され、特に、図3に示すように、縦横方向に延びる格子状パターンに設定されている。この樹脂リブ30は、汎用の合成樹脂成形体からなり、通常好ましく使用できる合成樹脂として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂等から適宜選択されて良く、本実施形態では、環境面、リサイクル面を考慮してポリプロピレン系樹脂が使用されている。
【0038】
また、この樹脂リブ30には、上記熱可塑性樹脂中に適宜フィラー、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維や、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等の充填剤が混入されていても良い。
【0039】
更に、本実施形態においては、樹脂リブ30には、その終端部分や樹脂リブ30の交差部分等に車体パネル当接用、あるいはドアポケット裏当て板等の別部品取付用のボス31が立設されている。
【0040】
ところで、この樹脂リブ30の終端部分に一体化されるボス31は、図4に示すように、樹脂リブ30の延在方向(図中(a)で示す方向)に沿う引っ張り強度については、樹脂リブ30と一体化しているため、安定した強度が備わっているものの、この樹脂リブ30の延在方向(図中(a)で示す方向)と直交する方向(図中(b)で示す方向)に沿う引っ張り強度については満足のいくものではなく、そのため、相手部品に対する精度にバラツキが生じ易く、取付作業が面倒になったり、また、変形することで、車体パネルへの合わせ精度、あるいは別部品に対する取付精度をシビアに管理できない等の問題点があった。
【0041】
そのために、例えば、図5に示すように、引っ張り強度を補完するために、ボス31の外周面にプレート状の補強リブ32が樹脂リブ30の延在方向と略直交する方向に沿って両側に延びるように一体化されている。尚、補強リブ32は、全体としてY字状となるように設定しても良く、補強リブ32は樹脂リブ30に対して、必ずしも直交状態で交差しなくても良い。
【0042】
このことにより、図4に示す(a)方向、(b)方向のそれぞれの方向に沿う引っ張り強度が充分満足のいくものとなり、ボス31の変形を可及的に防止できることで、相手部品や車体パネルに対する合わせ精度や取付精度を向上させることができる。
【0043】
更に、補強リブ32の先端に、図6に示すように補強ボス33を一体化することで、補強リブ32の延在方向と直交する方向の変形を防止することで、より強固な補強構造を採用することができる。
【0044】
このように、本実施形態におけるドアトリム10は、所要形状に成形され、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材20と、発泡樹脂基材20の裏面に一体化される樹脂リブ30とから構成されているため、従来のように、製品の全面に亘り占有していた樹脂芯材を廃止でき、かつ軽量な発泡樹脂基材20を使用する関係で、製品の重量について、従来例に比べ40%以上の軽量化を図ることができるとともに、樹脂材料も大幅に節約でき、コストダウンに大きく貢献できる利点がある。
【0045】
更に、発泡樹脂基材20は、多孔質構造であるため、吸音性能に優れ、車室内外の騒音を有効に吸音することができる。また、発泡樹脂基材20の特に車室内騒音を対象とした吸音性能を高めるために、発泡樹脂基材20の表面に積層一体化される加飾材21は、織布、不織布、編布等の通気性を備えたシート材料が好ましい。尚、加飾材21は、織布、不織布、編布等の通気性シート以外にも、塩ビシートやTPOシート等の合成樹脂シート、合成樹脂フィルム、発泡体、編状体を使用することもできる。また、TPOシートを使用すれば、使用材料をポリオレフィン系樹脂で統一できるため、リサイクルが容易に行なえる。
【0046】
更に、樹脂リブ30の終端部分に設けたボス31にプレート状の補強リブ32、あるいは補強リブ32先端に補強ボス33を更に一体化した補強構造を採用することにより、ボス31の変形を可及的に防止でき、形状安定性を高め、かつ相手部品や車体パネルへの合わせ精度、あるいは取付精度を向上させることができることから、ドアトリム10を取り付ける取付作業性を高めることができるという利点がある。
【0047】
また、補強リブ32のバリエーションを図7,図8のように変更しても良い。
【0048】
すなわち、図7は、樹脂リブ30の終端部分に設けたボス31に対して、全体が略Y字状となるように、樹脂リブ30と直交する状態ではなく、角度をもたせて補強リブ32が付設されている。よって、図7に示す補強リブ32は、2方位のみで良いため、構造を簡素化できるという有利さがある。
【0049】
更に、図8は、樹脂リブ30の終端部分に設けたボス31に対して、樹脂リブ30の延在方向及び略直交方向の3方位に補強リブ32を付設するとともに、この補強リブ32の先端に補強リブ32と略直交する方向に更に補強リブ32aを付設した構成である。よって、より強固な補強構造を提供することができる。
【0050】
次いで、図9,図10に基づいて、上記ドアトリム10の製造方法の概要について、簡単に説明する。図9において、ドアトリム10の成形に使用する成形金型40は、所定ストローク上下動可能な成形上型41と、成形上型41と対をなす固定側の成形下型42と、成形下型42に接続される射出機43とから大略構成されている。
【0051】
更に詳しくは、成形上型41は、製品形状に合致したキャビティ部411が形成されており、成形上型41の上面に連結された昇降シリンダ412により所定ストローク上下駆動される。また、成形上型41の4隅部には、ガイド機構となるガイドブッシュ413が設けられている。
【0052】
一方、成形下型42には、成形上型41のキャビティ部411に対応するコア部421が設けられている。また、このコア部421の型面に溶融樹脂を供給するために、成形下型42にはマニホールド422、ゲート423が設けられており、このマニホールド422、ゲート423の樹脂通路を経て射出機43から供給される溶融樹脂Mがコア部421上面の溝部424に供給される。
【0053】
また、成形下型42の4隅部には、ガイド機構となるガイドポスト425が突設され、このガイドポスト425は、成形上下型41,42が型締めされる際、ガイドブッシュ413内に案内されることで成形上型41のプレス姿勢を適正に維持できる。
【0054】
まず、図9に示すように、加熱軟化処理した発泡樹脂シートS(加飾材21をラミネートしている)を成形金型40内にセットする。この実施形態では、発泡樹脂シートSとして、ポリプロピレン製発泡シート(住化プラステック製、商品名:スミセラー発泡PPシート、発泡倍率=3倍、厚み3mm)が使用され、図示しないヒーター装置により、発泡樹脂シートSが130℃に加熱軟化処理された状態で成形上下型41,42内に供給される。
【0055】
そして、発泡樹脂シートSをセットした後、成形上型41の昇降シリンダ412が動作して、図10に示すように、成形上型41が所定ストローク下降して、成形上下型41,42が型締めされて、発泡樹脂シートSが所望の型面形状に沿って賦形され、発泡樹脂基材20が成形されるとともに、射出機43からマニホールド422、ゲート423を通じて成形下型42におけるコア部421に設けた溝部424に溶融樹脂Mが射出充填され、樹脂リブ30が発泡樹脂基材20の内面側に一体成形される。また、溝部424と連通するように、ボス31形成用のボス孔や、補強リブ、補強ボス形成用の溝部や、ボス孔が設けられている。尚、この溶融樹脂Mとしては、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)でタルクが適宜割り合いで混入されている。尚、溶融樹脂Mの射出のタイミングを成形上下型41,42の型締め前に設定しても良い。
【0056】
次に、図11乃至図14は、本発明の参考例を示すもので、上述実施形態と同一部分には同一符合を付し、その詳細な説明は省略する。
【0057】
この参考例においては、図11に示すように、樹脂リブ30の構成において、ボス31が省略された樹脂リブ30が終端部分に位置しており、樹脂リブ30の終端部分に樹脂リブ30の延在方向と略直交する方向に沿って補強リブ32が一体化されている。
【0058】
そして、この参考例においても、図12に示すように、樹脂リブ30の終端部分は、樹脂リブ30の延設方向と直交する方向(図中(b)で示す方向)に沿って撓み易く、この撓み変形を防止するために、図13に示すように、樹脂リブ30の終端部分にプレート状の補強リブ32を一体化するか、あるいは図14に示すように、樹脂リブ30の終端部分に補強ボス33を一体化する補強構造が採用されている。
【0059】
従って、樹脂リブ30は、樹脂リブ30の延在方向に沿っては、元来充分な引っ張り強度を備えており、構造上、比較的弱いとされていた樹脂リブ30の延在方向と直交する方向(図10中(b)で示す方向)の引っ張り強度について、補強リブ32や補強ボス33が成形されているため、樹脂リブ30の終端部分で撓み変形が生じることがなく、形状保持機能を良好に維持できるという利点がある。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る自動車用内装部品は、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材と、この発泡樹脂基材の裏面に積層一体化される樹脂リブと、樹脂リブ終端部分のボス並びにこのボスを補強する補強リブ、あるいは補強ボスとから構成されているため、従来の重量の嵩む樹脂芯材を廃止できることから、軽量で低コスト、しかも多孔質素材であるため、吸音性能に優れた自動車用内装部品を提供できるという効果を有する。
【0061】
更に、本発明に係る自動車用内装部品は、発泡樹脂基材の裏面に一体化される所定パターン形状に沿う樹脂リブは、その終端部分に設けるボスに補強リブ、あるいは補強ボスを一体化するという補強構造が採用されているため、ボスの変形を確実に防止できることから、過度の外力が加わっても変形することがなく、初期形状を長期に亘り安定して維持できるとともに、相手部品や車体パネルに対する取付精度や合わせ精度の信頼性を高めることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用内装部品を適用した自動車用ドアトリムの一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】図1に示すドアトリムにおける樹脂リブの配設パターンを示す説明図である。
【図4】図3に示す樹脂リブ終端部分に設けたボスに加わる引っ張り力の方向を示す説明図である。
【図5】図3に示す樹脂リブ終端部分に設けたボスの補強構造の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】図3に示す樹脂リブ終端部分に設けたボスの補強構造の変形例を示す斜視図である。
【図7】図3に示す樹脂リブ終端部分に設けたボスの補強構造の更に変形例を示す斜視図である。
【図8】図3に示す樹脂リブ終端部分に設けたボスの補強構造の更に変形例を示す斜視図である。
【図9】図1に示すドアトリムの製造方法における発泡樹脂シートのセット工程を示す説明図である。
【図10】図1に示すドアトリムの製造方法における成形工程を示す説明図である。
【図11】 本発明に係る自動車用内装部品をドアトリムに適用した参考例における樹脂リブの配設パターンを示す説明図である。
【図12】図11に示す樹脂リブ終端部分にかかる引っ張り力の方向を示す説明図である。
【図13】図11に示す樹脂リブ終端部分に補強プレートを一体化した構成を示す斜視図である。
【図14】図11に示す樹脂リブ終端部分に補強ボスを一体化した構成を示す斜視図である。
【図15】従来の自動車用ドアトリムを示す正面図である。
【図16】図15中XVI −XVI 線断面図である。
【図17】従来のドアトリムの成形工程を示す概要図である。
【符号の説明】
10 自動車用ドアトリム
11 インサイドハンドルエスカッション
12 アームレスト部
13 パワーウインドウスイッチフィニッシャー
14 プルハンドル
15 ポケット開口
16 ポケットエスカッション
17 スピーカグリル
20 発泡樹脂基材
21 加飾材
30 樹脂リブ
31 ボス
32,32a 補強リブ
33 補強ボス
40 成形金型
41 成形上型
42 成形下型
43 射出機
S 発泡樹脂シート
M 溶融樹脂

Claims (3)

  1. 所要形状に成形され、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材(20)と、この発泡樹脂基材(20)の裏面に一体化される所定パターン形状に成形された、上記発泡樹脂基材(20)とは別物の樹脂リブ(30)とからなり、上記樹脂リブ(30)の終端部分にボス(31)が設けられた自動車用内装部品(10)であって、
    前記樹脂リブ(30)の終端部分に位置するボス(31)には、上記樹脂リブ(30)の延在方向と略直交する方向に沿う引っ張り強度を補完する補強構造が設けられていることを特徴とする自動車用内装部品。
  2. 前記補強構造は、樹脂リブ(30)の終端部分に位置するボス(31)の外周面から、樹脂リブ(30)の延在方向と略直交する方向に延びるプレート状の補強リブ(32)が一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装部品。
  3. 前記補強リブ(32)の終端部分に補強ボス(33)が一体化されていることを特徴とする請求項2に記載の自動車用内装部品。
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