JP5355126B2 - 二色成形品の成形方法並びにその成形金型 - Google Patents

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この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に好適な二色成形品の成形方法並びにその成形金型に係り、特に、境界溝部の端末に生じていた突起をなくすことにより、突起のカット除去工程を廃止でき、生産性を向上させることができるとともに、車体パネルに対する合わせ精度を高めた二色成形品の成形方法並びにその成形金型に関する。
図16は、上下二分割構造の自動車用ドアトリム1を示す正面図であり、この自動車用ドアトリム1は、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との上下二分割体から構成され、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合部位には境界溝部4が設定されている。次いで、上記ドアトリム1を成形する際に使用する成形金型5の構成について、図17を基に説明する。成形金型5は、所定ストローク上下動可能な成形上型6と、その下方に位置する固定側の成形下型7と、成形下型7に接続され溶融樹脂を供給する射出機8a,8bと、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との境界溝部4に配設されキャビティを区画する分割バー9とから大略構成されている。
そして、この成形金型5を使用して、二色成形品であるドアトリム1を成形する工程について説明する。まず、成形上型6を下降操作し、成形上下型6,7を型締めする。この時、図18(a),(b)に示すように、分割バー9はシリンダ9aの伸長動作により、上方に位置してドアトリムアッパー2を成形するためのキャビティC1とドアトリムロア3を成形するためのキャビティC2とを区画しており、第1の射出機8aから溶融樹脂M1がキャビティC1に射出充填され、ドアトリムアッパー2が成形される。
その後、シリンダ9aが収縮動作を行ない、図19(a),(b)に示すように、分割バー9が下降した後、第2の射出機8bから溶融樹脂M2がキャビティC2に射出充填され、更にこの溶融樹脂M2は、分割バー9が下降して生じるスペース内にも充填されてドアトリムアッパー2と一体化する形でドアトリムロア3が所要形状に成形されることにより、二色成形品であるドアトリム1の成形が完了する。上述したドアトリム1のような二色成形品の成形方法及び成形金型については、特許文献1に詳細に記載されている。
図20は、上述した従来の成形工法により成形されたドアトリム1の境界溝部4の端末4aを示す斜視図であり、図21は、境界溝部4の端末4aの断面図である。すなわち、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3の境界溝部4における端末4aでは分割バー9の下降ストロークに対応する突起aがパネル側に向けて突設され、外観見栄えを低下させ、かつ車体パネルとの間に干渉問題が生じる。従って、図21中矢印で示すカットラインでこの突起aをカット処理することにより、体裁を整えるとともに、車体パネルに対する合わせ精度を向上させているのが実情である。
特開平10−278060号公報
このように、従来では、上下二分割構造の自動車用ドアトリム1のような二色成形品を同一の成形金型5を使用して成形する場合には、成形金型5内に内装される分割バー9を必要とするため、分割バー9の下降ストロークに応じた寸法の突起aが境界溝部4の端末4aに形成され、この突起aをカットするカット処理工程が必要となり、工数が嵩み、生産性を低下させるという欠点がある。また、精度の良いカット処理を行なわなければ、車体パネルや相手部品との間の合わせ精度が低下するという問題点が同時に指摘されている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、成形金型内のキャビティを分割バーにより区画して、各キャビティにそれぞれ専用の射出機から溶融樹脂を射出充填して成形される二色成形品の成形方法並びにその成形金型であって、二色成形品の接合ラインに沿う境界溝部の端末において、従来形成されていた突起をなくすことにより、突起のカット除去工程を廃止することで生産性を高め、かつ車体パネルや相手部品に対する合わせ精度を高めた二色成形品の成形方法並びにその成形金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形上下型を型締めした後、キャビティ内に分割バーを上昇させて、第1のキャビティと第2のキャビティとを区画し、次いで第1のキャビティ内に第1の溶融樹脂を射出充填して、一方側の樹脂成形品を成形した後、前記分割バーを下降操作し、第1のキャビティと第2のキャビティとを連通させ、第2のキャビティ内に第2の溶融樹脂を射出充填して、他方側の樹脂成形品と一方側の樹脂成形品とを境界溝部を介して一体化してなる二色成形品の成形方法において、前記境界溝部の端末に相当する成形下型には、進退用シリンダと、分割バーの端末側に向けて近接するスライドブロックとからなる端末処理機構部が配設されており、一方側の樹脂成形品を成形する分割バーの上昇時には、端末処理機構部におけるスライドブロックは、キャビティ外に待機して、成形上型の下面と分割バー端末の上面とが当接シールしており、他方側の樹脂成形品を成形する分割バーの下降時には、分割バーが下降動作して形成されるスペース内に端末処理機構部におけるスライドブロックが侵入することにより、成形上型の下面とスライドブロックが当接シールすることで、境界溝部の端末には突起が形成されないようにしたことを特徴とする。
ここで、二色成形品とは、単一の成形金型に二つのキャビティを設定し、各キャビティに異種材料の溶融樹脂を射出充填することで、外観の異なる二つの樹脂成形品を接合一体化して成形される二色成形品のことをいう。尚、一方側の樹脂成形品の表面には、表皮を積層一体化することもできる。この二色成形品は、例えば、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品全般に適用できる。
上記樹脂成形品の材料としては、1種類の熱可塑性樹脂でも2種類以上の熱可塑性樹脂から構成しても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、これらの熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤が配合されても良い。
ここで、本発明方法に使用する成形金型は、境界溝部を介して一方側の樹脂成形品と他方側の樹脂成形品とを一体化してなる二色成形品を成形する際に使用する成形金型であって、この成形金型は、所定ストローク上下動可能な成形上型と、この成形上型の下方側に位置する成形下型と、成形下型に配設され、キャビティを分割する分割機構部と、境界溝部の端末に対応する部位の成形下型に配設される端末処理機構部とから構成され、上記分割機構部における分割バーは、駆動シリンダにより上下動可能に支持され、一方側の樹脂成形品の成形時には、駆動シリンダが伸長して、分割バーが上方に位置してキャビティを分割するとともに、他方側の樹脂成形品の成形時には、駆動シリンダが収縮動作して、分割バーが下降し、隣接するキャビティ間を連通させるとともに、境界溝部の端末のスペース内に端末処理機構部のスライドブロックが侵入して、境界溝部の端末には突起が形成されないことを特徴とする。
従って、本発明に係る二色成形品の成形方法によれば、一方側の樹脂成形品の成形時には、分割機構部における駆動シリンダの伸長動作により分割バーは上方位置にきており、成形上型の下面と分割バー上面とが当接シールして、第1のキャビティと第2のキャビティとは確実に区画される。この時、分割バーの端末部においても、成形上型の下面と分割バーとが当接シールしている。
一方、他方側の樹脂成形品の成形時には、分割機構部は駆動シリンダの収縮動作により、分割バーが下降しており、第1のキャビティと第2のキャビティとが連通して、一方側の樹脂成形品の端末が第2のキャビティ内に臨む状態となっており、他方側の樹脂成形品の成形時に一方側の樹脂成形品と境界溝部を介して一体化される。この時、分割バーの端末において、成形上型と分割バーの上面との間にスペースが形成されるが、このスペース内に進退用シリンダの駆動により端末処理機構部のスライドブロックが侵入して、スライドブロックの上面と成形上型とが当接シールされるため、従来生じていた突起が形成されることがなく、突起のカット除去工程を廃止することができる。
以上説明した通り、本発明に係る二色成形品の成形方法並びにその成形金型によれば、成形金型に配設されている分割機構部における分割バーの昇降動作により、キャビティ内を二つのキャビティに区画するとともに、異なるキャビティに異なる溶融樹脂を射出充填することで、境界溝部を境として二つの樹脂成形品を接合一体化できる。特に、境界溝部の端末において、分割バーの下降時に生じるスペースに対して成形下型の外周に配置した端末処理機構部のスライドブロックがこのスペース内に侵入することで、境界溝部の端末においても良好なシール構造が達成でき、従来のように境界溝部の端末に突起が形成されることがなく、従来必要であった成形後の突起のカット除去工程を廃止することができ、生産性を高めることができるとともに、車体パネルや相手部品に対する合わせ精度を高めることができるという効果を有する。
本発明に係る二色成形品の成形方法を適用して成形したツートンタイプの自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1に示す自動車用ドアトリムにおける境界溝部の端末を示す斜視図である。 本発明に係る二色成形品の成形方法に使用する成形金型の一実施例の全体構成を示す概要図である。 図4に示す成形金型における分割機構部の構成を示す説明図である。 図4に示す成形金型における成形上下型と分割バーと端末処理機構部との関係を示す説明図である。 図4に示す成形金型における分割バーと端末処理機構部との関係を示す説明図である。 本発明に係る二色成形品の成形方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 図8に示すドアトリムアッパーの成形工程における分割機構部の位置関係を示す説明図である。 図8に示すドアトリムアッパーの成形工程における端末処理機構部の位置関係を示す説明図である。 本発明に係る二色成形品の成形方法におけるドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 図11に示すドアトリムロアの成形工程における分割バーの位置関係を示す説明図である。 図11に示すドアトリムロアの成形工程における端末処理機構部の位置関係を示す説明図である。 本発明方法に使用する成形金型における分割機構部の動作を示す説明図である。 本発明方法に使用する成形金型における分割機構部と端末処理機構部との関係を示す説明図である。 従来のツートンタイプのドアトリムを示す正面図である。 従来のツートンタイプのドアトリムの成形に使用する成形金型の全体構成を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法におけるドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 従来のドアトリムにおける境界溝部の端末形状を示す斜視図である。 従来のドアトリムにおける境界溝部の端末処理工程を示す断面図である。
以下、本発明に係る二色成形品の成形方法並びにその成形金型の好適な実施例について、上下二分割タイプの自動車用ドアトリムの成形方法並びにその成形方法に使用する成形金型を例示して詳細に説明する。尚、念のために付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲によってのみ特定されるものであり、以下の実施例は本発明の一例を示すものに過ぎない。
図1乃至図15は、本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明に係る二色成形品の成形方法を使用して製作した上下二分割タイプの自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同自動車用ドアトリムにおける境界溝部の端末を示す斜視図、図4は本発明方法に使用する成形金型の全体構成を示す説明図、図5は同成形金型における分割機構部の構成を示す説明図、図6は成形上型と分割機構部と端末処理機構部の関係を示す説明図、図7は分割バーの端末部における成形金型構造を示す説明図、図8乃至図15は本発明に係る二色成形品の成形方法をドアトリムの成形方法に適用した各工程を示す説明図である。
図1,図2において、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10は、外観上の色合いや風合いを相違させたドアトリムアッパー20並びにドアトリムロア30との上下二分割体から構成されている。上記ドアトリムアッパー20並びにドアトリムロア30は、合成樹脂の射出成形体から構成されている。上記ドアトリムアッパー20並びにドアトリムロア30の材質としては、1種類の熱可塑性樹脂でも2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、これらの熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤が配合されても良い。
上記ドアトリム10に装着される機能部品としては、ドアトリムアッパー20にはインサイドハンドルユニット11、パワーウインドウスイッチユニット12等が取り付けられている。一方、ドアトリムロア30には、ドアポケット用開口13が開設され、その背面側には、図2に示すように、ポケットバックカバー(樹脂成形体からなる)14が取り付けられており、ドアトリムロア30のフロント側にスピーカグリル15がドアトリムロア30と一体、あるいは別体に設けられている。尚、図中符号16は、ドアトリム10を取り付けるドアインナーパネル(車体パネル)を示す。
ところで、本発明に係る自動車用ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の外観上の対比効果により、優れた外観意匠性を備えており、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との間には、境界溝部17が見切りラインとして形成されている。更に、この自動車用ドアトリム10は、後述する成形金型を使用した成形方法によれば、特に図3に示すように、境界溝部17の端末17aには、従来の突起が形成されておらず、従来必要としたパネル側に突出する突起のカット除去工程を廃止でき、しかもドアインナーパネル(車体パネル)16に対する合わせ精度を良好に維持することができるという利点がある。
次いで、上述したドアトリム10の成形に使用する成形金型40の構成について、図4乃至図7を基に説明する。まず、図4に示すように、ドアトリム10の成形に使用する成形金型40は、所定ストローク上下動可能な成形上型41と、成形上型41と対をなす固定側の成形下型42と、成形下型42に接続される2基の射出機43a,43bとから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型41は、製品形状に合致したキャビティ部411が形成されており、成形上型41の上面に連結された昇降シリンダ412により所定ストローク上下駆動される。また、成形上型41の4隅部には、ガイド機構となるガイドブッシュ413が設けられている。
一方、成形下型42には、成形上型41のキャビティ部411に対応するコア部421が設けられている。また、このコア部421の型面に溶融樹脂を供給するために、成形下型42にマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bが設けられており、このマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bの樹脂通路を経て射出機43a,43bから供給される溶融樹脂M1,M2がコア部421の上面に形成されたドアトリムアッパー20を形成するための第1のキャビティ424内、及びドアトリムロア30を成形するための第2のキャビティ425内に供給される。また、成形下型42の4隅部には、ガイド機構となるガイドポスト426が突設され、このガイドポスト426は、成形上下型41,42が型締め及び型開きされる際、ガイドブッシュ413内に案内されることで成形上型41のプレス姿勢を適正に維持できる。
更に、図5に示すように、ドアトリム10に境界溝部17を形成するために、成形上型41には、凸条414が突設され、それに対応して成形下型42には、凹部427が形成され、この凹部427内に分割機構部50が収容配置されている。この分割機構部50は、分割バー51と、分割バー51を所定ストローク上下動可能に駆動する駆動シリンダ52とから構成され、上記分割バー51の上面には、成形上型41の凸条414を受容し、また、ドアトリムロア30の成形時には、補強リブ31を成形するための凹部51aが形成されている。
そして、図6,図7に示すように、成形下型42に設けられる分割機構部50は、ドアトリム10の境界溝部17に沿って設けられており、駆動シリンダ52の駆動により、分割バー51は、成形上型41の凸条414と当接する上昇位置(図6中符号Aで示す)と、下降位置(図6中符号Bで示す)との間で所定のストローク量(図6,図7中符号Lで示す)昇降動作して、第1のキャビティ424と第2のキャビティ425とを区画、あるいは連通させる。
ところで、本発明においては、従来生じていた突起を解消するために、成形下型42の外周で境界溝部17の端末17aに対応して、端末処理機構部60を配置したことが特徴である。図6に示すように、この端末処理機構部60は、分割バー51のストローク量Lにほぼ等しい厚みをもつスライドブロック61が進退用シリンダ62によりキャビティ内に侵入、あるいは後退するように、進退可能に支持されている。すなわち、この端末処理機構部60においては、ドアトリムアッパー20を成形するために分割バー51が上昇する際は進退用シリンダ62が収縮動作して、スライドブロック61は後退してキャビティ外部に位置しているとともに、ドアトリムロア30を成形するために分割バー51が下降した時には、成形上型41の下面との間でシール機能を達成するようにキャビティ内にスライドブロック61が侵入するように進退用シリンダ62が伸長動作を行なう。この状態は、図7を参照すれば容易に理解できる。
次いで、この成形金型40を使用して、ドアトリム10を成形する成形方法において、図8乃至図15を用いて詳細に説明する。まず、ドアトリムアッパー20の成形工程は、成形上型41の昇降シリンダ412が動作して、成形上型41が所定ストローク下降して、成形上下型41,42が型締めされて、第1の射出機43aからマニホールド422a、ゲート423aを通じて溶融樹脂M1が第1のキャビティ424内に射出充填される。尚、溶融樹脂M1の射出タイミングは、成形上下型41,42の型締め前に設定しても良い。また、この溶融樹脂M1としては、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学(株)製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)が使用されており、所望ならば、タルクが適宜割り合いで混入されていても良い。
このように、溶融樹脂M1が第1のキャビティ424内に射出充填されて、ドアトリムアッパー20の成形が完了するが、この時、境界溝部17に沿って設けられている分割機構部50については、駆動シリンダ52が伸長状態であり、分割バー51は、最上方に位置しており、図9に示すように、第1のキャビティ424内に射出充填される溶融樹脂M1は、この分割バー51のシール作用により、第2のキャビティ425内に侵入することがない。この時、図10に示すように、分割バー51の端末51bは、成形上型41と当接シールされ、端末処理機構部60においては、進退用シリンダ62の収縮動作により、スライドブロック61は、キャビティ外部に位置するように待機している。従って、分割バー51の動作に端末処理機構部60が干渉することがない。
次いで、ドアトリムアッパー20の成形が完了すれば、分割機構部50における駆動シリンダ52が収縮動作して、図11,図12に示す状態まで分割バー51が下降して、第2の射出機43bからマニホールド422b、ゲート423bを通じてドアトリムロア成形用の第2のキャビティ425内に第2の溶融樹脂M2が射出充填され、図示するように、ドアトリムロア30が所要形状に成形される。そして、このドアトリムロア30の成形時において、分割機構部50における分割バー51は、下方位置まで下降しているが、この分割バー51の端末51bについては、図13乃至図15に示すように、端末処理機構部60における進退用シリンダ62が伸長動作して、スライドブロック61がキャビティ内部まで侵入し、成形上型41と当接シールしている。従って、分割バー51の下降時において、突起の原因となるスペースSが形成されるものの、このスペースS内に端末処理機構部60におけるスライドブロック61が侵入することで、突起の形成を回避でき、パネル側に突出する突起を除去する必要がなくなり、ドアインナーパネル(車体パネル)16、あるいは隣接する相手部品に対する精度の良い合わせが期待できる。
更に、上述した実施例は、ドアトリム10を二色成形品の形態で示したが、例えば、トリムアッパー、トリムセンター、トリムロアのように、ドアトリムを三分割する三色成形品の形態とすることもできる。
以上説明した実施例は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とからなる上下二分割構造のドアトリム10であり、ドアトリムアッパー20として、単一の樹脂成形品を採用したが、樹脂基材表面に表皮を貼付した積層構造体からなるドアトリムアッパー20に適用することもできる。また、二色成形品の他に、三色成形品にも応用できる等、製品形態としては、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等、自動車用内装部品全般に適用することができる。更に、境界溝部17の端末17aの少なくとも一方側に適用されていれば良いが、所望により両端末に設定することもできる。
10 自動車用ドアトリム(二色成形品)
17 境界溝部
17a 端末
20 ドアトリムアッパー
30 ドアトリムロア
40 成形金型
41 成形上型
414 凸条
42 成形下型
424 第1のキャビティ(ドアトリムアッパー成形用)
425 第2のキャビティ(ドアトリムロア成形用)
43a,43b 射出機
50 分割機構部
51 分割バー
51a 凹部
51b 端末
52 駆動シリンダ
60 端末処理機構部
61 スライドブロック
62 進退用シリンダ
M1 第1の溶融樹脂
M2 第2の溶融樹脂

Claims (2)

  1. 成形上下型(41,42)を型締めした後、キャビティ(C)内に分割バー(51)を上昇させて、第1のキャビティ(424)と第2のキャビティ(425)とを区画し、次いで第1のキャビティ(424)内に第1の溶融樹脂(M1)を射出充填して、一方側の樹脂成形品(20)を成形した後、前記分割バー(51)を下降操作し、第1のキャビティ(424)と第2のキャビティ(425)とを連通させ、第2のキャビティ(425)内に第2の溶融樹脂(M2)を射出充填して、他方側の樹脂成形品(30)と一方側の樹脂成形品(20)とを境界溝部(17)を介して一体化してなる二色成形品(10)の成形方法において、
    前記境界溝部(17)の端末(17a)に相当する成形下型(42)には、進退用シリンダ(62)と、分割バー(51)の端末(51b)側に向けて近接するスライドブロック(61)とからなる端末処理機構部(60)が配設されており、一方側の樹脂成形品(20)を成形する分割バー(51)の上昇時には、端末処理機構部(60)におけるスライドブロック(61)は、キャビティ外に待機して、成形上型(41)の下面と分割バー(51)端末(51b)の上面とが当接シールしており、他方側の樹脂成形品(30)を成形する分割バー(51)の下降時には、分割バー(51)が下降動作して形成されるスペース(S)内に端末処理機構部(60)におけるスライドブロック(61)が侵入することにより、成形上型(41)の下面とスライドブロック(61)が当接シールすることで、境界溝部(17)の端末(17a)には突起が形成されないようにしたことを特徴とする二色成形品の成形方法。
  2. 境界溝部(17)を介して一方側の樹脂成形品(20)と他方側の樹脂成形品(30)とを一体化してなる二色成形品(10)を成形する際に使用する成形金型(40)であって、この成形金型(40)は、所定ストローク上下動可能な成形上型(41)と、この成形上型(41)の下方側に位置する成形下型(42)と、成形下型(42)に配設され、キャビティ(C)を分割する分割機構部(50)と、境界溝部(17)の端末(17a)に対応する部位の成形下型(42)に配設される端末処理機構部(60)とから構成され、上記分割機構部(50)における分割バー(51)は、駆動シリンダ(52)により上下動可能に支持され、一方側の樹脂成形品(20)の成形時には、駆動シリンダ(52)が伸長して、分割バー(51)が上方に位置してキャビティを分割するとともに、他方側の樹脂成形品(30)の成形時には、駆動シリンダ(52)が収縮動作して、分割バー(51)が下降し、隣接するキャビティ(C)間を連通させるとともに、境界溝部(17)の端末(17a)のスペース(S)内に端末処理機構部(60)のスライドブロック(61)が侵入して、境界溝部(17)の端末(17a)に突起が形成されないようにしたことを特徴とする成形金型。
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