JP2011011352A - 多色成形品の成形方法並びに成形金型 - Google Patents

多色成形品の成形方法並びに成形金型 Download PDF

Info

Publication number
JP2011011352A
JP2011011352A JP2009154881A JP2009154881A JP2011011352A JP 2011011352 A JP2011011352 A JP 2011011352A JP 2009154881 A JP2009154881 A JP 2009154881A JP 2009154881 A JP2009154881 A JP 2009154881A JP 2011011352 A JP2011011352 A JP 2011011352A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ornament
mold
molding
split
insert
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009154881A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsufumi Ono
樹史 大野
Nobuaki Seki
伸明 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kasai Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kasai Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kasai Kogyo Co Ltd filed Critical Kasai Kogyo Co Ltd
Priority to JP2009154881A priority Critical patent/JP2011011352A/ja
Publication of JP2011011352A publication Critical patent/JP2011011352A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】トリム本体とオーナメントとを一体化した多色成形品の成形方法並びに成形金型であって、成形性能、外観見栄えを高め、かつ容量のコンパクト化を図る。
【解決手段】成形金型40は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型50,60と、成形下型60に配置され、オーナメント30を成形する際に使用する分割入子70と、分割入子70の長手方向両端に設けた斜面カム機構80とから構成し、斜面カム機構80のシリンダ82を伸長動作させて、スライド駒81の前進動作に連繋して、分割入子70を上昇させて、成形上型50と分割入子70とでオーナメント用キャビティC2を画成し、オーナメント30を成形する。次いで、スライド駒81を後退操作して、分割入子70を下降操作し、本体用キャビティC1内に第1の溶融樹脂M1を射出充填して、ドアトリム本体20を所要形状に成形するとともに、オーナメント30と一体化する。
【選択図】図4

Description

この発明は、トリム本体とその表面に一体化されるオーナメントとからなる多色成形品の成形方法並びに成形金型に係り、特に、樹脂充填時における分割入子からの樹脂漏れをなくし、成形性を高めることができるとともに、分割入子における支持機構の省力化を可能とした多色成形品の成形方法並びに成形金型に関する。
図16,図17は、車両のドアパネルの室内面側に装着されるドアトリム1を示す正面図並びに断面図であり、ドアトリム1は、ベースとなるドアトリム本体2の表面の一部に外観見栄えを高めるためにドアトリム本体2の表面風合と異なる外観を有する幅狭長尺状のオーナメント3を一体化してなる二色成形品から構成されている。そして、ドアトリム本体2とオーナメント3とからなるドアトリム1を成形するには、図18に示す成形金型4が従来から使用されている。この成形金型4は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型5,6とから大略構成されている。上記成形上型5は、昇降シリンダ5aの動作により、所定ストローク上下動作を行ない、成形下型6に対して型締め、型開きを行なう。一方、成形下型6は、ドアトリム本体2並びにオーナメント3のそれぞれの材料を供給する材料供給系として、ドアトリム本体2の素材となる第1の溶融樹脂M1を供給するゲート6aと、オーナメント3の素材となる第2の溶融樹脂M2を供給するゲート6bが設けられている。更に、オーナメント3の形状に合致して、分割入子7がシリンダ8により上下動可能に設けられている。
従って、ドアトリム1を成形するには、成形上下型5,6を型締めした状態で分割入子7をシリンダ8の伸長動作により上昇させて、成形上型5の型面と分割入子7との間でオーナメント用キャビティC2を形成し、図19に示すように、このオーナメント用キャビティC2内に第2の溶融樹脂M2をゲート6bを通じて射出充填することで、オーナメント3を所要形状に成形する。
その後、シリンダ8の収縮動作により、分割入子7を下降操作して、図20に示すように、成形上型5と分割入子7との間のシール性を解除して、本体用キャビティC1とオーナメント3が臨むように、オーナメント3を成形上型5側に保持した状態で、本体用キャビティC1内にゲート6aを通じて第1の溶融樹脂M1を射出充填することで、ドアトリム本体2を所要形状に成形するとともに、ドアトリム本体2の表面の一部にオーナメント3を一体化することができる。上述したドアトリム本体2並びにオーナメント3とからなる二色成形品の成形方法の従来例については、特許文献1に詳細に示されている。
特開2008−173793号公報
このように、従来の二色成形品の成形方法においては、オーナメント3の成形時には、図19に示すように、分割入子7で第2の溶融樹脂M2からの樹脂圧を受けるとともに、ドアトリム本体2の成形時には、図20に示すように分割入子7で第1の溶融樹脂M1からの樹脂圧を受けるため、大容量のシリンダ8が必要になり、金型スペースを多く必要とし、その分、金型強度が低下する不具合が指摘されており、更に、サポートの入るスペースもなくなる。また、樹脂圧をシリンダ8で受けきれない場合は樹脂漏れが懸念され、成形性能や外観性能が低下するという問題点が指摘されている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、トリム本体とその表面に一体化される幅狭長尺状のオーナメントとからなる多色成形品の成形方法並びに成形金型に係り、オーナメントを成形する分割入子の支持機構を改良することで樹脂漏れをなくし、成形性能、外観性能を良好に保つことができるとともに、分割入子における支持機構の省力化を可能とすることで、金型スペースが少なくて済み、かつ金型強度も低下することがない多色成形品の成形方法並びに成形金型を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明者等は、鋭意研究の結果、分割入子の駆動方式として、従来の上下方向シリンダにより分割入子を駆動させる駆動機構に替えて、分割入子の長手方向両端に簡易な斜面カム機構を配置して、斜面カム機構を構成するスライド駒を分割入子の長手方向に沿って進退動作させることで、分割入子の支持が確実に行なえるとともに、シリンダ容量も小型化できる点に着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、所要形状に成形されたトリム本体の表面の一部に幅狭長尺状のオーナメントを一体化して構成される多色成形品の成形方法であって、成形上下型間で形成される本体用キャビティ内に第1の溶融樹脂を射出充填して、トリム本体を所要形状に成形するとともに、成形下型に配置される分割入子と成形上型との間で画成されるオーナメント用キャビティ内に第2の溶融樹脂を射出充填して、トリム本体とオーナメントとを一体化してなる多色成形品の成形方法において、成形上下型を型締めするとともに、成形下型に配置されている分割入子の長手方向両端にスライド駒を配置し、分割入子とスライド駒をそれぞれ傾斜面で当接させて、スライド駒の進退動作により分割入子を上下動可能に支持する斜面カム機構を採用し、スライド駒をそれぞれ内側に向けて前進動作させる際の斜面カム作用で分割入子を上昇させ、成形上型の型面に分割入子を当接シールさせ、オーナメント用キャビティを形成し、第2のゲートを通してオーナメント用キャビティ内に第2の溶融樹脂を射出充填して、オーナメントを所要形状に成形するオーナメントの成形工程と、スライド駒を後退操作することで、分割入子を下降操作し、成形上型と分割入子とのシールを解除して、オーナメントの下面に新たなスペースを形成し、このスペースと本体用キャビティとを連通させた後、第1のゲートを通して第1の溶融樹脂を本体用キャビティ内に射出充填して、オーナメントと一体的にトリム本体を所要形状に成形するトリム本体の成形工程とからなることを特徴とする。
更に、本発明方法に使用する成形金型は、所要形状に成形されるトリム本体の表面の一部に幅狭長尺状のオーナメントを一体化してなる多色成形品を成形する際に使用する多色成形品の成形金型であって、この成形金型は、相互に型締め、型開き可能で、型締め時にトリム本体の製品形状に合致する本体用キャビティを形成できる成形上下型と、成形下型に配置され、成形上型とシールして、幅狭長尺状のオーナメントを成形する分割入子とから構成され、上記分割入子は、長手方向両端に斜面カム機構としてスライド駒が分割入子の傾斜面と当接する傾斜面を備えて設けられ、スライド駒の水平方向に沿う進退動作に連繋して、斜面カム作用で分割入子を上下動作させ、分割入子と成形上型との間のシール性を達成、あるいは解除するとともに、分割入子に加わる負荷をスライド駒を介して成形下型で確実に支持できるようにしたことを特徴とする。
ここで、多色成形品とは、同一の射出成形用金型で成形される色違いの2種類以上の樹脂成形品を一体化したものであり、例えば、ベースとなるトリム本体と、トリム本体の表面の一部に装着される幅狭長尺状のオーナメントとから構成される二色成形品に好適であるが、用途としては、車両の室内面に装着される内装トリム全般、例えば、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム、ピラーガーニッシュ、ルーフトリム等の二色以上の多色成形品をベースとした自動車用内装部品に適用することができる。
次いで、この多色成形品を成形する際に使用する成形金型は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型と、成形下型に配置され、オーナメント形状に合致する分割入子と、分割入子の長手方向両端に設けられ、分割入子を支持駆動させるための斜面カム機構とから大略構成されている。例えば、分割入子は、オーナメント形状に合致するように、幅狭長尺状に形状設定がなされ、外周に沿って上方に突出する縦壁フランジが設けられており、この縦壁フランジの内面と成形上型の突起とが当接することで、オーナメント用キャビティのシール性を良好に維持している。
更に、この分割入子の支持機構としては、分割入子の長手方向両端に傾斜面が形成され、この傾斜面と当接するようにスライド駒にも傾斜面が設けられており、スライド駒をシリンダにより分割入子の長手方向に沿って進退動作させれば、斜面カム作用で上下方向に沿って分割入子を動作させることができる。従って、第1の溶融樹脂、及び第2の溶融樹脂を射出充填する際に加わる樹脂圧は、分割入子に加わるが、分割入子の長手方向両端に当接するスライド駒に外力が加わり、スライド駒を介して成形下型で樹脂圧の大部分を受けるため、シリンダには殆ど負荷が加わることがなく、分割入子の支持強度を良好に維持できるとともに、シリンダ容量についても小容量とすることができる。
また、分割入子とスライド駒双方が当接する傾斜面の傾斜角度を調整することで、分割入子のストローク調整を簡単かつ精度良く行なうことができる。尚、オーナメントの成形及びトリム本体の成形時には、双方の溶融樹脂をキャビティ内に供給するゲートが成形下型に独立して設けられている。
以上の構成から明らかなように、分割入子の長手方向両端に設けた斜面カム機構により、分割入子を支持するとともに、分割入子の上下駆動を行なう構成としたため、オーナメントやトリム本体の成形時に加わる樹脂圧は、従来のようにシリンダではなくスライド駒を介して成形下型で受けるため、分割入子のシール性が高まることから、樹脂漏れ等の懸念がなく、成形性能、外観見栄えを良好に維持できる。また、斜面カム機構を利用して、水平方向にスライド駒を動作させる小容量のシリンダで済むため、省力化に貢献できるとともに、分割入子における上下方向のストローク調整もきめ細かく行なうことができる。
以上説明した通り、本発明に係る多色成形品の成形方法並びに成形金型によれば、トリム本体の表面の一部に幅狭長尺状のオーナメントを一体化する際、オーナメントを成形する分割入子は、長手方向両端に配置した斜面カム機構により上下動可能に支持する構成を採用したため、オーナメントやトリム本体の成形時における樹脂圧は、分割入子、スライド駒を介して成形金型で受けるため、分割入子のシール性が良好となり、樹脂漏れ等を可及的に防止でき、成形性能、外観性能を良好に維持できるという効果を有する。
更に、本発明に係る多色成形品の成形方法並びに成形金型によれば、オーナメントを成形する分割入子の長手方向両端を斜面カム機構により支持するという構成を採用し、スライド駒を水平方向に進退動作させれば、斜面カム機構を介して分割入子を上下方向に昇降させるというものであるから、スライド駒の進退動作に使用するシリンダの容量も小さくて済み、省力化に貢献できるとともに、分割入子における上下方向のストローク調整についても、きめ細かな調整が可能となり、管理を容易に行なえるという効果を有する。
本発明方法により成形されたドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 本発明に係る多色成形品の成形金型の全体構成を示す説明図である。 図3に示す成形金型における分割入子とその支持機構を示す説明図である。 図3に示す成形金型における分割入子とその支持機構を示す斜視図である。 図3に示す成形金型における分割入子とその支持機構を示す断面図である。 図1に示すドアトリムの成形方法におけるオーナメントの成形工程を示す説明図である。 図7に示すオーナメントの成形工程時における分割入子とスライド駒との関係を示す説明図である。 図7に示すオーナメントの成形工程後の分割入子の下降動作時の状態を示す説明図である。 図9に示す分割入子の下降時の状態を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法におけるドアトリム本体の成形工程を示す説明図である。 図11に示すドアトリム本体の成形工程における分割入子とスライド駒との関係を示す説明図である。 本発明に係る成形金型の変形例を示すもので、分割入子とその支持機構の構成を示す説明図である。 図13に示す分割入子の上昇時の状態を示す説明図である。 図13に示す分割入子の下降時の状態を示す説明図である。 従来のドアトリムを示す正面図である。 図16中XVII−XVII線断面図である。 従来のドアトリムの成形方法に使用する成形金型の概要図である。 従来のドアトリムの成形方法におけるオーナメントの成形工程を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法におけるドアトリム本体の成形工程を示す説明図である。
以下、本発明に係る多色成形品の成形方法並びに成形金型の好適な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図15は、本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同ドアトリムの成形に使用する成形金型の全体構成を示す概要図、図4乃至図6は同成形金型における分割入子とその支持機構の構成を示す断面図並びに説明図、図7乃至図12は同ドアトリムの成形方法の各工程を示す説明図、図13乃至図15は本発明方法に使用する成形金型における分割入子の変形例を示す各説明図である。
図1,図2において、本発明方法を適用して成形したドアトリム10は、ベースとなるドアトリム本体20と、ドアトリム本体20の表面略中央に装着される幅狭長尺状のオーナメント30とから大略構成されている。更に詳しくは、ドアトリム本体20は、ドアを開閉する際に使用するインサイドハンドルユニット21が付属部品として取り付けられており、オーナメント30の上方には、乗員が肘を掛けて休めるアームレスト22が設けられている。また、オーナメント30には、備品を収容できるドアポケット23が設定され、ドアポケット23のフロント側には、スピーカグリル24がドアトリム本体20と一体、あるいは別体に設けられている。
更に詳しくは、上記ドアトリム本体20は、射出成形工法により所要形状に成形されて、図示しないドアパネルの室内面側にこれも図示しないクリップ等の固着手段を介して取り付けられている。また、このドアトリム本体20は、射出成形工法で成形されるが、その素材として、好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用できる。また、これら熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種添加剤が配合されても良い。
一方、オーナメント30は、図1で示すように、幅狭長尺状に設定されており、ドアトリム本体20の表面外観とは異なる外観、すなわち、メタリック外観や木目調外観等、装飾性に優れた外観を備えている。材質としては、上述したドアトリム本体20の材質のものが使用できるが、ドアトリム本体20と相溶性のある材質のものを選択することが好ましい。
次いで、上記ドアトリム10の成形方法に使用する成形金型40の構成について、図3乃至図6に沿って説明する。まず、全体構成としては、図3に示すように、成形金型40は、成形上型50と成形下型60と、成形下型60に配置され、オーナメント30を成形する際に使用する分割入子70と、分割入子70の長手方向両端を堅固に支持できる支持機構としての斜面カム機構80とから大略構成されている。
更に詳しくは、成形上型50は、昇降シリンダ51に連結され、昇降シリンダ51の動作により、所定ストローク上下動作を行ない、成形下型60に対して型締め、型開きを行なう。一方、成形下型60は、ドアトリム本体20及びオーナメント30の材料供給系として、ドアトリム本体20の材料である第1の溶融樹脂M1を供給する第1のゲート61が複数個所に設けられているとともに、オーナメント30の素材である第2の溶融樹脂M2を供給する第2のゲート62が分割入子70と成形下型60に跨って設けられている。そして、第1の溶融樹脂M1は、成形上下型50,60を型締めした際形成される本体用キャビティC1に第1のゲート61を通じて射出充填されて、ドアトリム本体20が成形されるとともに、第2の溶融樹脂M2は、分割入子70と成形上型50との間に画成されるオーナメント用キャビティC2内に第2のゲート62を通じて射出充填されてオーナメント30が成形される。
次いで、図4乃至図6に基づいて、分割入子70とそれを支持する斜面カム機構80の構成について説明する。成形下型60に設けられる分割入子70は、図示するように、オーナメント30の外周形状に沿って周縁に設けられた縦壁フランジ71が周設されており、この縦壁フランジ71の内面と成形上型50の突起52とが摺接することで、オーナメント用キャビティC2からの樹脂漏れを確実に防止できる構成になっている。そして、分割入子70は、オーナメント用キャビティC2内に第2の溶融樹脂M2を供給するための第2のゲート62を貫通するゲート貫通孔72が貫通形成されており、ゲート貫通孔72内に第2のゲート62が嵌合されている。
次いで、この分割入子70の支持機構としては、分割入子70の長手方向両端に斜面カム機構80が設けられており、この斜面カム機構80は、スライド駒81と、スライド駒81を分割入子70の長手方向に沿って進退動作させるシリンダ82とから構成されている。そして、分割入子70とスライド駒81との接触部は、分割入子70に傾斜面73が形成され、この傾斜面73に面接触する傾斜面83がスライド駒81に設けられている。従って、シリンダ82の進退動作に連繋して、分割入子70は上下方向に動作する。具体的には、シリンダ82が伸長すれば、スライド駒81が前進して、スライド駒81の傾斜面83が分割入子70の傾斜面73を斜面カム作用により上方に押し上げることから、分割入子70は上昇する。逆に、図6中矢印方向にシリンダ82が後退すれば、分割入子70はそれぞれの傾斜面73,83の斜面カム作用により、所定ストローク下降することになる。
従って、分割入子70の長手方向両端は、スライド駒81により支持されているが、このスライド駒81は、成形下型60に水平方向にスライド可能に支持されているため、結果的には、分割入子70は、スライド駒81を介して成形下型60に支持されることになり、従来のように、上下駆動方式のシリンダで支持する構造とは大きく異なるものといえる。すなわち、ドアトリム本体20及びオーナメント30の成形時における樹脂圧が分割入子70に加わっても、スライド駒81を介して成形下型60でこの樹脂圧を受けるため、分割入子70のシール性能が高まり、樹脂漏れ等が発生することがなく、成形性能、外観見栄えを良好に維持することができる。また、シリンダ82の水平方向の進退動作により、分割入子70を上下動作させるため、容量についても小容量で対応することができるとともに、分割入子70の上下方向に沿うストローク調整についても、細かな調整が簡単に行なえる。
以下、この成形金型40を使用して、図1,図2に示すドアトリム10の成形方法について説明する。まず、図7に示すように、昇降シリンダ51を駆動させて、成形上型50を下降操作して、成形上下型50,60を型締めする。この時、斜面カム機構80におけるシリンダ82の伸長動作により、スライド駒81は、図8中左方向に前進しており、スライド駒81の傾斜面83が分割入子70の傾斜面73を上方に押し上げることで、斜面カム作用により分割入子70が上昇して、成形上型50と分割入子70とが当接し、分割入子70の縦壁フランジ71の内面と、成形上型50の突起52とのシール作用が良好に機能し、この状態で、成形下型60の第2のゲート62を通じて第2の溶融樹脂M2がオーナメント用キャビティC2内に射出充填されて、オーナメント30が所要形状に成形される。この時、図8に示すように、オーナメント30を成形する際に第2の溶融樹脂M2から分割入子70に加わる樹脂圧は、スライド駒81を介して成形下型60で受けるため、樹脂漏れの懸念がない。
そして、上述したように、オーナメント30の成形が完了すれば、図9,図10に示すように、分割入子70が所定ストローク下降する。すなわち、斜面カム機構80におけるシリンダ82が収縮動作を行ない、スライド駒81が図10中矢印で示す右側方向にスライドすることで、傾斜面83と分割入子70の傾斜面73のカム面同士の作用により、分割入子70が下降する。この時、オーナメント30は、成形上型50の型面に保持されているため、オーナメント30の下面に新たなスペースSが形成され、このスペースSは成形上下型50,60の型面間に形成される本体用キャビティC1と連通する。
次いで、図11,図12に示すように、第1のゲート61を通じて、第1の溶融樹脂M1を本体用キャビティC1内に射出充填することで、ドアトリム本体20を所要形状に成形することができ、ドアトリム本体20とオーナメント30とを一体化して、ドアトリム10の成形が完了する。この第1の溶融樹脂M1の射出充填工程においても、分割入子70に加わる樹脂圧は、スライド駒81を介して成形下型60が受けるため、分割入子70のシール性を良好に維持できることから、ドアトリム本体20の成形時においても、樹脂漏れ等の成形不良が発生することがない。
以上説明したように、この発明によれば、分割入子70の長手方向両端に斜面カム機構80により分割入子70を支持するとともに、斜面カム作用を活用して分割入子70を上下方向に動作させる構成を採用したため、従来のシリンダにより樹脂圧を受ける構成を廃止することで樹脂漏れを可及的に防止でき、樹脂漏れが原因となる成形性能の低下や、外観見栄えの低下を抜本的に解決することができる。また、横方向に進退駆動させるシリンダ82を使用したため、小容量で済み、かつ分割入子70の上下方向のストローク調整をきめ細かに行なうことができる等、ストローク調整等の管理作業が簡単に行なえるという利点がある。
次に、図13乃至図15は、本発明の変形例を示すもので、図13に示すように、分割入子70の下面に引っ張りコイルスプリング74が付設されている。従って、この引っ張りコイルスプリング74のバネ圧により、分割入子70の下降時における摺動を円滑に行なえるという利点がある。すなわち、オーナメント30の成形時は、図14に示すように、シリンダ82の伸長動作により、スライド駒81が前進して、分割入子70は引っ張りコイルスプリング74のバネ圧に抗して上昇し、分割入子70と成形上型50との間でのシール圧が良好に保たれ、オーナメント用キャビティC2形状に沿ってオーナメント30が成形される。また、図15に示すドアトリム本体20の成形時においては、斜面カム機構80におけるシリンダ82が収縮動作して、スライド駒81が後退することで、分割入子70は、引っ張りコイルスプリング74により、スムーズに下降し、本体用キャビティC1形状に沿ってドアトリム本体20が成形される。従って、この引っ張りコイルスプリング74を使用すれば、分割入子70の昇降動作が円滑に行なえるという付随的な利点がある。
以上説明した実施例は、ドアトリム本体20とオーナメント30とからなるドアトリム10に適用したが、ドアトリム10以外にも、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム、ピラーガーニッシュ、ルーフトリム等、内装トリム全般に適用することができる。
10 ドアトリム
20 ドアトリム本体
21 インサイドハンドルユニット
22 アームレスト
23 ドアポケット
24 スピーカグリル
30 オーナメント
40 成形金型
50 成形上型
51 昇降シリンダ
52 突起
60 成形下型
61 第1のゲート
62 第2のゲート
70 分割入子
71 縦壁フランジ
72 ゲート貫通孔
73 傾斜面
74 引っ張りコイルスプリング
80 斜面カム機構
81 スライド駒
82 シリンダ
83 傾斜面
M1 第1の溶融樹脂
M2 第2の溶融樹脂
C1 本体用キャビティ
C2 オーナメント用キャビティ

Claims (2)

  1. 所要形状に成形されたトリム本体(20)の表面の一部に幅狭長尺状のオーナメント(30)を一体化して構成される多色成形品(10)の成形方法であって、成形上下型(50,60)間で形成される本体用キャビティ(C1)内に第1の溶融樹脂(M1)を射出充填して、トリム本体(20)を所要形状に成形するとともに、成形下型(60)に配置される分割入子(70)と成形上型(50)との間で画成されるオーナメント用キャビティ(C2)内に第2の溶融樹脂(M2)を射出充填して、トリム本体(20)とオーナメント(30)とを一体化してなる多色成形品(10)の成形方法において、
    成形上下型(50,60)を型締めするとともに、成形下型(60)に配置されている分割入子(70)の長手方向両端にスライド駒(81)を配置し、分割入子(70)とスライド駒(81)をそれぞれ傾斜面(73,83)で当接させて、スライド駒(81)の進退動作により分割入子(70)を上下動可能に支持する斜面カム機構(80)を採用し、スライド駒(81)をそれぞれ内側に向けて前進動作させる際の斜面カム作用で分割入子(70)を上昇させ、成形上型(50)の型面に分割入子(70)を当接シールさせ、オーナメント用キャビティ(C2)を形成し、第2のゲート(62)を通してオーナメント用キャビティ(C2)内に第2の溶融樹脂(M2)を射出充填して、オーナメント(30)を所要形状に成形するオーナメント(30)の成形工程と、
    スライド駒(81)を後退操作することで、分割入子(70)を下降操作し、成形上型(50)と分割入子(70)とのシールを解除して、オーナメント(30)の下面に新たなスペース(S)を形成し、このスペース(S)と本体用キャビティ(C1)とを連通させた後、第1のゲート(61)を通して第1の溶融樹脂(M1)を本体用キャビティ(C1)内に射出充填して、オーナメント(30)と一体的にトリム本体(20)を所要形状に成形するトリム本体の成形工程と、
    からなることを特徴とする多色成形品の成形方法。
  2. 所要形状に成形されるトリム本体(20)の表面の一部に幅狭長尺状のオーナメント(30)を一体化してなる多色成形品(10)を成形する際に使用する多色成形品(10)の成形金型(40)であって、この成形金型(40)は、相互に型締め、型開き可能で、型締め時にトリム本体(20)の製品形状に合致する本体用キャビティ(C1)を形成できる成形上下型(50,60)と、成形下型(60)に配置され、成形上型(50)とシールして、幅狭長尺状のオーナメント(30)を成形する分割入子(70)とから構成され、上記分割入子(70)は、長手方向両端に斜面カム機構(80)としてスライド駒(81)が分割入子(70)の傾斜面(73)と当接する傾斜面(83)を備えて設けられ、スライド駒(81)の水平方向に沿う進退動作に連繋して、斜面カム作用で分割入子(70)を上下動作させ、分割入子(70)と成形上型(50)との間のシール性を達成、あるいは解除するとともに、分割入子(70)に加わる負荷をスライド駒(81)を介して成形下型(60)で確実に支持できるようにしたことを特徴とする多色成形品の成形金型。
JP2009154881A 2009-06-30 2009-06-30 多色成形品の成形方法並びに成形金型 Pending JP2011011352A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009154881A JP2011011352A (ja) 2009-06-30 2009-06-30 多色成形品の成形方法並びに成形金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009154881A JP2011011352A (ja) 2009-06-30 2009-06-30 多色成形品の成形方法並びに成形金型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011011352A true JP2011011352A (ja) 2011-01-20

Family

ID=43590704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009154881A Pending JP2011011352A (ja) 2009-06-30 2009-06-30 多色成形品の成形方法並びに成形金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011011352A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104275776A (zh) * 2014-10-28 2015-01-14 金陵科技学院 一种注射量可调的双色注射模具
CN107379420A (zh) * 2017-08-29 2017-11-24 昆山金莓电子有限公司 双色模具滑块复位结构及注塑模具
CN109016371A (zh) * 2018-08-09 2018-12-18 深圳市银宝山新科技股份有限公司 一种具有防呆结构的模具
CN109080079A (zh) * 2018-08-06 2018-12-25 常州星宇车灯股份有限公司 一种用于多色模具的封胶结构
JP2019059212A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 ダイハツ工業株式会社 金型装置及び樹脂成形品の成形方法
JP2019059213A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 ダイハツ工業株式会社 樹脂パネル部品及びその製造方法
CN111605128A (zh) * 2020-06-01 2020-09-01 厦门优加模具有限公司 双射模旋转结构优化模具
CN115107223A (zh) * 2022-06-24 2022-09-27 森骏卓越精密智造(深圳)有限公司 一种模内型腔转换装置及双色成型模具

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008513248A (ja) * 2004-09-20 2008-05-01 エーセーイーエム テクノロジーズ ベー.フェー. プラスチック製品の製造装置および製造方法
JP2008173793A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Kasai Kogyo Co Ltd 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP2009126027A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Citizen Electronics Co Ltd プラスチック射出成形用の金型構造。

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008513248A (ja) * 2004-09-20 2008-05-01 エーセーイーエム テクノロジーズ ベー.フェー. プラスチック製品の製造装置および製造方法
JP2008173793A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Kasai Kogyo Co Ltd 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP2009126027A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Citizen Electronics Co Ltd プラスチック射出成形用の金型構造。

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104275776A (zh) * 2014-10-28 2015-01-14 金陵科技学院 一种注射量可调的双色注射模具
CN107379420A (zh) * 2017-08-29 2017-11-24 昆山金莓电子有限公司 双色模具滑块复位结构及注塑模具
JP2019059212A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 ダイハツ工業株式会社 金型装置及び樹脂成形品の成形方法
JP2019059213A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 ダイハツ工業株式会社 樹脂パネル部品及びその製造方法
CN109080079A (zh) * 2018-08-06 2018-12-25 常州星宇车灯股份有限公司 一种用于多色模具的封胶结构
CN109016371A (zh) * 2018-08-09 2018-12-18 深圳市银宝山新科技股份有限公司 一种具有防呆结构的模具
CN109016371B (zh) * 2018-08-09 2024-04-05 深圳市银宝山新科技股份有限公司 一种具有防呆结构的模具
CN111605128A (zh) * 2020-06-01 2020-09-01 厦门优加模具有限公司 双射模旋转结构优化模具
CN115107223A (zh) * 2022-06-24 2022-09-27 森骏卓越精密智造(深圳)有限公司 一种模内型腔转换装置及双色成型模具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011011352A (ja) 多色成形品の成形方法並びに成形金型
CN1925968A (zh) 车辆部件和用于制造车辆部件的方法
JP2009073112A (ja) 二色成形品の成形方法並びに成形金型
JP3904204B2 (ja) 自動車用内装部品及びその端末処理方法
JP2008155395A (ja) 積層成形品の成形方法並びに成形装置
JP4906421B2 (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形金型
JP2008173793A (ja) 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP2008030300A (ja) 2色成形品及びその成形方法
JP2004231030A (ja) 自動車用内装部品及びその製造方法並びに成形金型
JP2009154428A (ja) 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP4618722B2 (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JP4697868B2 (ja) 自動車用内装部品
JP4135916B2 (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JP2007144871A (ja) 多色成形品及びその成形方法
JP2008173896A (ja) 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP5403800B2 (ja) 多色成形品の成形方法並びに成形装置
JP2008006620A (ja) 自動車用内装部品並びにその製造方法
JP2007030291A (ja) 多色成形品及びその成形方法並びに成形金型
JP5355126B2 (ja) 二色成形品の成形方法並びにその成形金型
JP2005329544A (ja) 2色成形品及びその成形方法
JP2007223218A (ja) 積層成形体の成形方法並びに成形金型
JP2008194984A (ja) 2色成形品及びその成形方法
JP5013474B2 (ja) 発泡樹脂成形品
JP2009160901A (ja) 二色成形品の成形方法並びに成形金型
JP2007301889A (ja) 自動車用内装部品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131031

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140313