JP2008030300A - 2色成形品及びその成形方法 - Google Patents

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Masahiko Hara
正彦 原
Nobuaki Seki
伸明 関
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Abstract

【課題】2色成形品及びその成形方法であって、接合部分の見栄え並びに精度を高める。
【解決手段】ドアトリム(2色成形品)10は、表皮22を表面に貼付した樹脂基材21からなるドアトリムアッパー20と、ドアトリムロア30とから構成され、単一の成形金型40を使用し、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の接合部に沿って成形下型42に分割機構部50を配置することにより、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを境界溝部17内で突き当て接合し、その後、溝狭化ブロック55,56で境界溝部17の壁部17aの外側面を内方に押圧加工して境界溝部17の溝幅Wを狭め、外観上の一体感を強調する。
【選択図】図12

Description

この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品に適用できる2色成形品及びその成形方法に係り、特に、合わせ部分の見栄えを向上させた2色成形品及びその成形方法に関する。
図13は、上下二分割構造の自動車用ドアトリム1を示す分解図であり、図14は、同自動車用ドアトリム1の構成を示す断面図である。図面において、自動車用ドアトリム1は、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3とから構成されている。そして、ドアトリムアッパー2は、所望の曲面形状に成形された樹脂芯材2aの表面に表皮2bを貼着した積層構造体からなり、モールドプレス成形工法、あるいはコールドプレス成形工法により樹脂芯材2aと表皮2bとが一体成形されている。
上記ドアトリムアッパー2の成形方法について、図15を基に説明する。まず、ドアトリムアッパー2を成形する成形金型4は、所定ストローク上下動作可能な成形上型5と、成形上型5と対をなす固定側の成形下型6と、成形下型6と接続される射出機7とから大略構成されている。そして、成形上下型5,6を型締めした際、ドアトリムアッパー2の製品形状を形造るために成形上型5にはキャビティ部5aが形成され、成形下型6にはコア部6aが設けられている。上記成形上型5を所定ストローク上下動作させるために、昇降シリンダ5bが連結され、成形下型6には射出機7からの溶融樹脂Mの通路となるマニホールド6b、ゲート6cが設けられている。また、上下動作する成形上型5は、適正姿勢を維持させるために、成形下型6の4隅部にガイドポスト6dが設けられ、このガイドポスト6dに対応して成形上型5にはガイドブッシュ5cが設けられている。
従って、成形上下型5,6が型開き状態にある時、表皮2bを成形金型4内にセットし、その後、成形上下型5,6を型締めする直前か、または型締めした後のいずれかのタイミングで両金型5,6間のキャビティ内に射出機7からマニホールド6b、ゲート6cを通じて溶融樹脂Mを射出充填することにより、樹脂芯材2aを所要の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材2aの表面に表皮2bを一体成形している(例えば、特許文献1参照。)。尚、図15では、説明の便宜上、コア部6aの型面にオープン状態で溶融樹脂Mが供給されているが、実際は、溶融樹脂Mは成形上下型5,6の型締め後にキャビティ内に射出充填されても良い。一方、ドアトリムロア3は、合成樹脂の射出成形体からなり、ドアトリムアッパー2の成形金型4とは別個の図示しない射出成形金型を使用することで所要形状に成形される。
次いで、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合構造は、ドアトリムロア3の接合縁部に沿って、溶着用ボス3aが適宜ピッチ間隔で立設され、この溶着用ボス3aをドアトリムアッパー2に対応して開設されている取付孔2c内に挿入した後、溶着用ボス3aの先端部分に超音波溶着カシメ加工を施すことにより、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合一体化を図っている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−138268号公報 (第2頁、図3、図4)
特開2001−198936号公報 (第4頁、図8、図9)
このように、従来の上下二分割構造の自動車用ドアトリム1にあっては、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3とをそれぞれ別個の成形金型を使用して個別に成形し、その後両者を接合して超音波溶着加工により接合一体化するという工法を使用していたため、工程数が多く、かつ成形金型費用も嵩み、コストアップ並びに生産性を低下させるという欠点が指摘されている。また、従来の接合構造にあっては、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合ラインは、接合部に沿って一部をラップした合わせ構造であるため、表面見栄えが劣るとともに、寸法が安定しないという不具合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、分割型ドアトリム等の自動車用内装部品に好適な2色成形品であって、合わせ部分の見栄えを向上させた2色成形品を提供することを目的とする。更に、本発明は、上記2色成形品を単一の成形金型で成形することを可能にするとともに、従来に比べ工程数を短縮化することで、簡単かつ廉価に成形が可能となる2色成形品の成形方法を提供することを更なる目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、成形金型内に少なくとも2つ以上のキャビティが設定され、各キャビティに対応する射出機から溶融樹脂を射出充填して、複数の樹脂成形体を接合一体化してなる2色成形品において、双方の樹脂成形体の接合部に沿って境界溝部が形成され、この境界溝部を構成する壁部を各々内方に押しやる溝狭化加工により境界溝部の溝幅が狭く設定されていることを特徴とする。
ここで、2色成形品とは、単一の成形金型に少なくとも2つ以上の異なるキャビティを設定し、各キャビティに異種材料の溶融樹脂を射出充填することで、少なくとも外観の異なる複数の樹脂成形体を接合一体化して成形される成形品のことをいう。尚、一方側の樹脂成形体の表面には、表皮を積層一体化することもできる。この2色成形品の用途としては、例えば、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品一般に適用できる。
上記樹脂成形体の樹脂材料としては、1種類の熱可塑性樹脂でも2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、これらの熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤が配合されても良い。
更に、双方の樹脂成形体の接合部に沿って、製品表面側に凹設した境界溝部が形成されており、この境界溝部は、成形上下型で構成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出充填してモールド成形された後、境界溝部を構成する壁部をそれぞれ内側に押圧加工することで、境界溝部の溝幅を溝狭化している。従って、本発明に係る2色成形品によれば、異なる外観をもつ樹脂成形体同士の境界溝部の溝幅が狭く、一体感の良い2色成形品を提供でき、2色成形品の外観性能を高めることができる。
次いで、本発明に係る2色成形品の成形方法は、成形上下型を型締めするとともに、成形下型に配置した分割バーを上昇させ、成形上型に配置したキャビティ側ブロックに突き当てることで、2つ以上のキャビティに区画し、各キャビティに対応する射出機から溶融樹脂を射出充填して、複数の樹脂成形体を接合一体化してなる2色成形品の成形方法において、成形上下型を型締めして、分割バーとキャビティ側ブロックとを突き合わせることで、キャビティを分割し、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、一方側の樹脂成形体を所要形状に成形する一方側の樹脂成形体の成形工程と、成形下型の分割バーを下降操作して、第2のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填するとともに、他方側の樹脂成形体を所要形状に成形することにより、樹脂成形体同士を接合一体化する他方側の樹脂成形体の成形工程と、成形上型のキャビティ側ブロックを上昇させ、境界溝部からキャビティ側ブロックの突起を外した後、境界溝部の外側面に対応する成形下型に配置された溝狭化ブロックをそれぞれ内側に向けてスライド動作させて、境界溝部の溝幅を溝挟化加工する溝狭化加工工程とからなることを特徴とする。
ここで、本発明方法に使用する成形金型は、所定ストローク上下動作可能な成形上型と、この成形上型の下方側に位置する固定側である成形下型と、成形下型に連結され、溶融樹脂を供給する射出機と、境界溝部と対応する部位に設けられる分割機構部とから構成される。また、上記射出機は、少なくとも2箇所以上の異なるキャビティに対応するように複数基設定されているとともに、キャビティを分割する分割機構部は、成形下型にシリンダ駆動により上下動作可能な分割バーが配置され、それと対峙する成形上型には、シリンダにより上下駆動するキャビティ側ブロックが配置されている。
従って、キャビティ側ブロックに対して分割バーを接合させることで複数のキャビティを良好なシール性により区画することができる。更に、本発明方法に使用する成形金型における分割機構部は、境界溝部に沿って成形上下型にそれぞれキャビティ側ブロック、分割バーが各専用のシリンダを配置して設けられているとともに、その左右側に溝狭化ブロックがこれもシリンダ駆動により相互に接離する方向にスライド可能に設けられている。
そして、本発明方法は、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して一方側の樹脂成形体を成形する工程と、分割バーを下降操作して第2のキャビティと一方側の樹脂成形体とを連通させて第2のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して他方側の樹脂成形体を成形する他方側の樹脂成形体の成形工程と、一方側の樹脂成形体、他方側の樹脂成形体が完全に固化する前に、境界溝部の溝幅を溝狭化するためにシリンダ駆動により溝狭化ブロックをそれぞれ内側に向けてスライド動作させる溝狭化加工工程とから構成されている。
従って、本発明方法によれば、分割機構部を動作させて複数の樹脂成形体同士を一体に成形するという一連の成形工程を同一の成形金型で行なうことができるため、金型設備を大幅に簡素化できるとともに、工程数も短縮化できる。また、境界溝部における溝幅を極端に狭く設定しても、溝部の溝幅寸法に応じた金型加工を施す必要がなく、成形金型の強度を強固に維持できる。
以上説明した通り、本発明に係る2色成形品は、外観の異なる複数の樹脂成形体同士を接合する接合部分に沿って境界溝部が形成され、境界溝部を成形した後、境界溝部を構成する壁部同士を互いに内側に押圧加工して、境界溝部の溝幅を狭く設定するという構成であるため、一体感のある外観見栄えが得られ、意匠性を高めることができるという効果を有する。
更に、本発明に係る2色成形品の成形方法は、同一の成形金型を使用して、境界溝部に対応する成形金型内に分割機構部を配置し、一方側の樹脂成形体を成形する際は成形下型に配置された分割バーを上昇させ、成形上型のキャビティ側ブロックと分割バーとを接合シールさせることで、第1のキャビティから樹脂漏れなく一方側の樹脂成形体を成形するとともに、他方側の樹脂成形体を成形する際は分割バーを下降操作して、分割バーが下降することにより形成されるスペース内と第2のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、一方側の樹脂成形体と一体化する他方側の樹脂成形体を所要形状に成形する際、一方側の樹脂成形体、他方側の樹脂成形体が冷却固化する前に境界溝部の両壁部を溝狭化ブロックの押圧動作により互いに内側に向けて移行させるという構成が採用され、境界溝部の溝幅を狭く設定しても、それに対応する成形上型の突起の幅寸法を比較的幅広に設定できるため、金型強度が低下することがなく、金型強度を強固に維持しながら溝狭化が可能になるという効果を有する。
以下、本発明に係る2色成形品及びその成形方法の好適な実施例について、上下二分割タイプの自動車用ドアトリム及びその成形方法を例示して説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図12は本発明の一実施例を示し、図1はツートンタイプの自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同自動車用ドアトリムにおける境界溝部付近の構成を示す断面図、図4,図5は同自動車用ドアトリムを成形する成形金型を示すもので、図4は成形金型の全体図、図5は成形金型における分割機構部を示す構成説明図、図6乃至図12は同自動車用ドアトリムの製造方法における各工程を示す説明図である。
図1乃至図12に基づいて、本発明の一実施例を説明する。図1,図2において、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10は、積層構造体からなるドアトリムアッパー20と樹脂単体品からなるドアトリムロア30との上下二分割体から構成されている。上記ドアトリム10に装着される機能部品としては、ドアトリムアッパー20にインサイドハンドルエスカッション11、パワーウインドウスイッチエスカッション12が取り付けられている。一方、ドアトリムロア30には、ドアポケット用開口13が開設され、その背面側には、図2に示すように、ポケットバックカバー(樹脂成形体からなる)14が取り付けられており、ドアポケット用開口13のフロント側にスピーカグリル15がドアトリムロア30と一体あるいは別体に形成されている。
ところで、本発明に係る自動車用ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合部の外観見栄えや合わせ精度を高め、かつ工程数の短縮化並びに金型設備の簡素化を推し進めることが特徴である。すなわち、ドアトリムアッパー20は、図2に示すように、所望の曲面形状に成形され、保形性を有する樹脂基材21と、この樹脂基材21の表面側に積層一体化される加飾機能をもつ表皮22とから大略構成されている。尚、図中符合16は車体パネルを示す。
上記樹脂基材21の素材となる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、上記熱可塑性樹脂中に適宜フィラー、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維や、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子を素材とした充填剤が混入されていても良い。
このように、図1乃至図3に示すドアトリム10は、積層構造体からなるドアトリムアッパー20と、樹脂単体品のドアトリムロア30とから構成され、外観上のアクセント効果により、優れた外観意匠性を備えている。尚、表皮22は、塩ビシートやTPOシート等の合成樹脂シート、合成樹脂フィルム、発泡体を使用することができる。また、織布、不織布、編布等の通気性シートを使用する場合には、裏面に非通気性のバッキングシートやバッキングフォームを裏打ちすれば、成形時における樹脂の侵み出しを防止できる。尚、TPOシート、あるいはポリエチレンフォーム等のポリオレフィン系樹脂フォームを裏打ちしたTPOシートを使用した場合、樹脂基材21としてポリオレフィン系樹脂を使用すれば、素材全体をオレフィン系樹脂材料で統一できるため、リサイクル面で有利である。
更に、本発明を適用したドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合部に沿って境界溝部17が設定されているとともに、境界溝部17の溝幅(図中符号Wで示す)が1mm以下に設定され、境界溝部17の溝幅Wが極端に狭く設定されていることで、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の一体感が確保でき、優れた外観見栄えが確保されている。本発明においては、境界溝部17を構成する壁部17aを互いに内方に向けて押圧加工することで、境界溝部17の溝幅Wを狭く設定している。
次いで、図4,図5を基に成形金型40の構成について説明するとともに、図6乃至図12を基に各工程について説明する。まず、図4において、ドアトリム10の成形に使用する成形金型40は、所定ストローク上下動作可能な成形上型41と、成形上型41と対をなす固定側の成形下型42と、成形下型42に接続される2基の射出機43a,43bとから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型41は、製品形状に合致したキャビティ部411が形成されており、成形上型41の上面に連結された昇降シリンダ412により所定ストローク上下駆動される。また、成形上型41の4隅部には、ガイド機構となるガイドブッシュ413が設けられている。
一方、成形下型42には、成形上型41のキャビティ部411に対応するコア部421が設けられている。また、このコア部421の型面に溶融樹脂を供給するために、成形下型42にマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bが設けられており、このマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bの樹脂通路を経て射出機43a,43bから供給される溶融樹脂M1,M2がコア部421の上面に形成されたドアトリムアッパー20の樹脂基材21を形成するための第1のキャビティ424内、及びドアトリムロア30を成形するための第2のキャビティ425内に供給される。尚、成形下型42の4隅部には、ガイド機構となるガイドポスト426が突設され、このガイドポスト426は、成形上下型41,42が型締めされる際、ガイドブッシュ413内に案内されることで成形上型41のプレス姿勢を適正に維持できる。
更に、図5に示すように、成形金型40内部には、分割機構部50が配置され、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを同一の成形金型40を使用して連続する工程で樹脂漏れが生じることがなく良好に成形できるとともに、特に、境界溝部17の溝幅Wを極端に狭く設定できる溝狭化機能を備えている。この分割機構部50について以下説明する。まず、成形上型41に配置されるキャビティ側ブロック51がシリンダ52により上下動作可能に構成されている。この時、キャビティ側ブロック51は下側に向けて突き出し、境界溝部17の初期形状を形成する突起51aが形成され、シリンダ52の収縮する動作タイミングは、溶融樹脂M1,M2が供給された後で行なわれる。
そして、上記キャビティ側ブロック51と対峙するように、成形下型42には、分割バー53がシリンダ54の駆動により上下動作可能に支持されており、分割バー53は、キャビティ側ブロック51の突起51aを受ける凹部53aが形成され、キャビティ側ブロック51と分割バー53とで良好なシール作用を達成でき、第1のキャビティ424から第2のキャビティ425に溶融樹脂が樹脂漏れするのを確実に防止するシール機能を付与している。この分割バー53の上下動作タイミングとしては、第1のキャビティ424内に溶融樹脂M1を射出充填する際に上昇しており、第2のキャビティ425内に溶融樹脂M2を射出充填する前に下降する。
更に、キャビティ側ブロック51、分割バー53の左右側に溝狭化ブロック55,56がそれぞれシリンダ57,58により相互に接離する方向に沿ってスライド可能に支持されており、この溝狭化ブロック55,56は、溶融樹脂M1,M2が各キャビティ424,425に射出充填され、完全に冷却固化する前に内方に向けてスライド動作して、溝狭化加工が行なわれる。
次いで、上述した成形金型40を使用してツートンタイプの自動車用ドアトリム10を製造する製造方法の概要について説明する。まず、図6に示すように、表皮22を第1のキャビティ424内にセットする。この時、表皮22は、図示しないセットピン、あるいは真空吸引作用により、成形上型41の型面に保持する。尚、移動式のフレーム枠でキャビティ424内にセットするようにしても良い。そして、表皮22をセットした後、成形上型41の昇降シリンダ412が動作して、成形上型41が所定ストローク下降して、図7に示すように、成形上下型41,42が型締めされて、第1の射出機43aからマニホールド422a、ゲート423aを通じてドアトリムアッパー20における樹脂基材21を形成するために、溶融樹脂M1が第1のキャビティ424内に射出充填される。尚、溶融樹脂M1の射出のタイミングは、成形上下型41,42の型締め前に設定しても良い。また、この溶融樹脂M1としては、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)でタルクが適宜割り合いで混入されているものが使用されている。
更に、この溶融樹脂M1と第1のキャビティ424内に射出充填されれば、図8に示すように、第1のキャビティ424と第2のキャビティ425の境界部分においては、分割機構部50における分割バー53がシリンダ54の伸長動作により、上昇した時、キャビティ側ブロック51の突起51aと分割バー53の凹部53aが当接しており、確実なシール作用が得られ、第1のキャビティ424から第2のキャビティ425側に溶融樹脂M1が樹脂漏れすることがない。この時のキャビティ側ブロック51の寸法関係について、この実施例においては、キャビティ側ブロック51の突起51aの突出寸法は5〜15mm、幅は1.5〜2.5mmに調整されており、図3に示す境界溝部17の溝幅Wが1mm以下に設定されているのに比べて、突起51aの幅が比較的幅広に設定されることで、成形金型40の耐久性及び加工が比較的簡単に行なえるという利点がある。
次いで、第1のキャビティ424内に溶融樹脂M1が射出充填された後、図9に示すように、第2の射出機43bからマニホールド422b、ゲート423bを通じてドアトリムロア30成形用の第2のキャビティ425内に溶融樹脂M2が射出充填される。この時、分割機構部50においては、図10に示すように、成形下型42に配置されている分割バー53は、シリンダ54の収縮動作により分割バー53の上面が成形下型42の型面とほぼ同一面上にくるまで下降している。そして、第2のキャビティ425内に溶融樹脂M2が射出充填されれば、分割バー53が下降することで形成される新たなスペース427が第2のキャビティ425と連通するため、第2のキャビティ425とスペース427に溶融樹脂M2が射出充填され、ドアトリムアッパー20と一体にドアトリムロア30が成形される。
そして、図11には、溶融樹脂M2の射出充填完了時の状態を示し、第1のキャビティ424内に射出充填される溶融樹脂M1及び第2のキャビティ425、新たなスペース427に射出充填される溶融樹脂M2の、双方の溶融樹脂M1,M2が冷却固化する前に成形上型41に配置されているキャビティ側ブロック51がシリンダ52の収縮動作により上昇し、図11に示すように、キャビティ側ブロック51の突起51aが境界溝部17から外れる。そして、図12に示すように、境界溝部17を構成する壁部17aについて、それぞれ外側面から溝狭化ブロック55,56が対応するシリンダ57,58の伸長動作により内側に押圧され、境界溝部17の溝幅Wが狭められる。そして、この図12の溝狭化加工工程は、溶融樹脂M1,M2が冷却固化する前に行なわれるため、成形性に支障を与えるものではない。尚、ドアトリムロア30の素材としての溶融樹脂M2は、本実施例では、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)を使用しているが、ドアトリムアッパー20の樹脂基材21に比べ、ドアトリムロア30は、製品表面に現われるため、顔料を混入して所望の彩色を施すか、あるいは絞模様を転写するのが好ましい。
このように、本発明方法によれば、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10を製造する際、成形下型42に2基の射出機43a,43bを連結して、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とについて、各樹脂通路を通じて溶融樹脂M1,M2を射出充填するとともに、分割機構部50を設け、分割バー53を上下動作させることで、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを一体化でき、単一の成形金型40を使用し、一連の工程でツートンタイプの自動車用ドアトリム10を簡単に製造することができ、廉価に製作できるという利点を備えている。
更に、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の素材である溶融樹脂M1,M2はそれぞれのキャビティ424,425内に射出充填した後、境界溝部17から成形上型41に配置されているキャビティ側ブロック51の突起51aを離脱させて、境界溝部17の壁部17a同士をそれぞれ外側から溝狭化ブロック55,56で内側に押圧して、境界溝部17の溝幅Wを狭くする加工を行なうことで、キャビティ側ブロック51の突起51aの幅を比較的広く設定して型強度を維持しながら境界溝部17の溝幅Wを狭く形成することができる。このことにより、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の一体感を強調でき、外観見栄えも良好に維持することができる。
以上説明した実施例は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とからなる上下二分割構造のドアトリム10であり、ドアトリムアッパー20として、樹脂基材21と表皮22との積層構造体からなる構成を適用したが、単一成形体からなるドアトリムアッパー20に適用することもできる。また、2色成形品であれば、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム等、内装部品全般に適用することができる。
本発明に係る自動車用内装部品をツートンタイプの自動車用ドアトリムに適用した一実施例を示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1中III −III 線断面図であり、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの間の境界溝部の構成を示す断面図である。 図1に示す自動車用ドアトリムを成形する際に使用する成形金型の全体構成を示す説明図である。 図4に示す成形金型における分割機構部の構成を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法における表皮のセット工程を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムアッパーの成形時における分割機構部の作用を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムロアの成形時における分割機構部の作用を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるキャビティ側ブロックの上昇動作を示す説明図である。 図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法における溝狭化ブロックによる溝狭化加工を示す説明図である。 従来の上下二分割タイプのドアトリムを示す分解図である。 従来の上下二分割タイプのドアトリムの構成を示す断面図である。 従来のドアトリムアッパーの成形工程の概要を示す説明図である。
符号の説明
10 自動車用ドアトリム
16 車体パネル
17 境界溝部
17a 壁部
20 ドアトリムアッパー
21 樹脂基材
22 表皮
30 ドアトリムロア
40 成形金型
41 成形上型
42 成形下型
424 第1のキャビティ(ドアトリムアッパー成形用)
425 第2のキャビティ(ドアトリムロア成形用)
427 スペース
43a,43b 射出機
50 分割機構部
51 キャビティ側ブロック
51a 突起
52,54,57,58 シリンダ
53 分割バー
53a 凹部
55,56 溝狭化ブロック
M1,M2 溶融樹脂
W 境界溝部の溝幅

Claims (3)

  1. 成形金型(40)内に少なくとも2つ以上のキャビティ(424,425)が設定され、各キャビティ(424,425)に対応する射出機(43a,43b)から溶融樹脂(M1,M2)を射出充填して、複数の樹脂成形体(20,30)を接合一体化してなる2色成形品(10)において、
    双方の樹脂成形体(20,30)の接合部に沿って境界溝部(17)が形成され、この境界溝部(17)を構成する壁部(17a,17b)を各々内方に押しやる溝狭化加工により境界溝部(17)の溝幅(W)が狭く設定されていることを特徴とする2色成形品。
  2. 成形上下型(41,42)を型締めするとともに、成形下型(42)に配置した分割バー(53)を上昇させ、成形上型(41)に配置したキャビティ側ブロック(51)に突き当てることで、2つ以上のキャビティ(424,425)に区画し、各キャビティ(424,425)に対応する射出機(43a,43b)から溶融樹脂(M1,M2)を射出充填して、複数の樹脂成形体(20,30)を接合一体化してなる2色成形品(10)の成形方法において、
    成形上下型(41,42)を型締めして、分割バー(53)とキャビティ側ブロック(51)とを突き合わせることで、キャビティ(424,425)を分割し、第1のキャビティ(424)内に溶融樹脂(M1)を射出充填して、一方側の樹脂成形体(20)を所要形状に成形する一方側の樹脂成形体(20)の成形工程と、
    成形下型(42)の分割バー(53)を下降操作して、第2のキャビティ(425)内に溶融樹脂(M2)を射出充填するとともに、他方側の樹脂成形体(30)を所要形状に成形することにより、樹脂成形体(20,30)同士を接合一体化する他方側の樹脂成形体(30)の成形工程と、
    成形上型(41)のキャビティ側ブロック(51)を上昇させ、境界溝部(17)からキャビティ側ブロック(51)の突起(51a)を外した後、境界溝部(17)の外側面に対応する成形下型(42)に配置された溝狭化ブロック(55,56)をそれぞれ内側に向けてスライド動作させて、境界溝部(17)の溝幅(W)を溝挟化加工する溝狭化加工工程と、
    からなることを特徴とする2色成形品の成形方法。
  3. 複数の樹脂成形体(20,30)を積層一体化してなる2色成形品(10)を成形する成形金型(40)であって、この成形金型(40)は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型(41,42)と、境界溝部(17)に対応する部位に配置される分割機構部(50)とからなり、この分割機構部(50)は成形上型(41)に配置され、シリンダ駆動により上下動作するキャビティ側ブロック(51)と、成形下型(42)に配置され、シリンダ駆動により上下動作する分割バー(53)と、上記キャビティ側ブロック(51)と分割バー(53)の接合部の左右側に対応して設けられ、シリンダ駆動により相互に接離する方向に動作する溝狭化ブロック(55,56)とから構成されていることを特徴とする2色成形品の成形金型。
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