JP2008142919A - 多色成形品の成形方法 - Google Patents

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Masahiko Hara
正彦 原
Asako Kadokawa
麻子 角川
Nobuaki Seki
伸明 関
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Abstract

【課題】多色成形品の成形方法であって、キャビティを分割する分割バーによる成形金型への突き当てを回避することで、外観性能並びに耐久性を高める。
【解決手段】可動側金型51と、固定側金型52との型締めにより形成されるキャビティCを分割バー60の動作により複数のキャビティC1,C2に区画するとともに、分割バー60によるキャビティC1,C2の区画時、可動側金型51の型面と、分割バー60の上端面60aとの間に間隙dを設定することで、樹脂バリ40をドアトリムアッパー20と一体化し、ドアトリムロア30の成形時、樹脂バリ40をドアトリムアッパー20から切り離し、シャープな見切りラインAを形成するとともに、樹脂バリ40をドアトリムロア30内にインサート処理する。
【選択図】図7

Description

本発明は、自動車用ドアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム等の自動車用内装部品に好適な多色成形品の成形方法に係り、特に、見切りライン付近における外観性能を高めることができる多色成形品の成形方法に関する。
図13は、自動車用内装部品の代表的な部品である自動車用ドアトリムを示す正面図であり、この自動車用ドアトリム1は、その外観意匠性を高めるために、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との間で色彩を相違させた二色成形品から構成されている。
そして、このドアトリム1を成形する成形金型4の構成について図14を基に説明する。まず、成形金型4は、可動側金型5と固定側金型6が相互に型締め、型開き可能に設けられており、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3とを区画する見切り部分には固定側金型6に分割バー7が設けられている。この分割バー7は、駆動シリンダ7aにより所定ストローク上下動作を行ない、ドアトリムアッパー2の成形時には、駆動シリンダ7aの伸長動作により、キャビティ8内に臨み、ドアトリムアッパー成形用キャビティ8aとドアトリムロア成形用キャビティ8bとに区画する。そして、ドアトリムアッパー2側の溶融樹脂M1がドアトリムロア成形用キャビティ8b内に侵入することを阻止し、ドアトリムロア3の成形時には分割バー7が後退して、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3とが接合される。
すなわち、ドアトリムアッパー2の成形時において、図15に示すように、可動側金型5と固定側金型6とで画成されるキャビティ8には、分割バー7の先端面7bが可動側金型5の型面に突き当たり、ドアトリムアッパー成形用キャビティ8aとドアトリムロア成形用キャビティ8bとに区画される。その後、ドアトリムアッパー成形用キャビティ8aに溶融樹脂M1が射出充填され、ドアトリムアッパー2がまず所要形状に成形される。
そして、ドアトリムアッパー2の成形が完了すれば、駆動シリンダ7aの収縮動作により、分割バー7が下降して、キャビティ8から後退し、ドアトリムロア成形用キャビティ8b内に溶融樹脂M2が射出充填され、ドアトリムロア3がドアトリムアッパー2と一体に成形されて図13に示すドアトリム1の成形が完了する。二色成形品を同一の金型内で分割バーを使用して成形する従来例としては、特許文献1に詳細に示されている。
特開平8−267479号公報
このように、従来では、同一の成形金型4を使用して、二色成形品(ドアトリム1)を成形するには、キャビティ8を分割する分割バー7が通常使用されており、この分割バー7は、第1のキャビティ8aに充填される溶融樹脂M1が第2のキャビティ8b内に侵入しないように、可動側金型5の型面にその先端面7bを突き当てることにより樹脂漏れを防止するという構成であるため、可動側金型5の型面が分割バー7の先端面7bに成形の度に突き当てられることから、可動側金型5の型面に設けた絞模様等がダメージを受け、見切りラインの近傍部分の外観性能を著しく低下させるという不具合がある。更に、可動側金型5の型面に対して分割バー7の先端面7bを成形の度に突き当てるため、破損を招き易く、成形金型4や分割バー7の耐久性を低下させるという欠点も同時に指摘されている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、キャビティを分割する分割バーを備えた成形金型を使用して、多色成形品を成形する多色成形品の成形方法であって、特に、見切りライン近傍部分の外観性能を向上させるとともに、成形金型の耐久性を高めることができる多色成形品の成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者等は、キャビティを分割する分割バーの上昇操作時、可動側金型との間に僅かな間隙を設定して、分割バーと可動側金型とが突き当たることを防止するとともに、その際発生する樹脂バリを強制的に切断除去し、成形品内部にインサート処理することで、多色成形品の見切りライン近傍部分の美観を良好に保つことができることに着眼し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願発明は、可動側金型と、固定側金型とを型締めし、両金型間に画成されるキャビティを分割バーにより複数のキャビティに分割し、分割されたキャビティに異なる溶融樹脂をそれぞれ射出充填することで、複数の樹脂成形品を一体化してなる多色成形品の成形方法において、前記成形金型を型締めした後、分割バーをキャビティ内に侵入させて、複数のキャビティに分割するとともに、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填して、第1の樹脂成形品を成形するとともに、分割バーの上端面と可動側金型の型面との間に間隙を設定し、この間隙に相当する厚みの樹脂バリを一体化してなる第1の樹脂成形品の成形工程と、分割バーをキャビティから後退させて、分割バーの動作に樹脂バリを追従させることで、見切りラインを基点として、樹脂バリを切断する一方、溶融樹脂を第2のキャビティ内に射出充填することにより、第2の樹脂成形品を第1の樹脂成形品と突き合わせ接合するとともに、樹脂バリを第2の樹脂成形品の内部にインサート処理してなる第2の樹脂成形品の成形工程とからなることを特徴とする。
ここで、多色成形品とは、同一の射出成形用金型で成形される色違いの2種類以上の樹脂成形品を一体化したものであり、用途としては、上下二分割構成の自動車用ドアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム等、ツートンタイプの2色成形品はもとより、2色以上の多色成形品をベースとした自動車用内装部品全般に適用することができる。
そして、多色成形品の成形に使用する成形金型は、相互に型締め、型開き可能な可動側金型、固定側金型と、両金型間に形成されるキャビティを分割する分割バーと、分割されたキャビティ内に溶融樹脂を供給するための複数の射出機とから構成されている。上記分割バーは、隣接する成形品の見切りラインに沿ってキャビティ内に臨むように駆動シリンダにより所定ストローク上下動作を行なうが、駆動シリンダが最も伸長した状態において、分割バーの上端面と可動側金型との間に所定寸法の間隙が設定できるように、型クリアランス並びにシリンダのストローク量が調整されている。
本発明によれば、成形金型の型締め後、第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際には、キャビティ内に分割バーが侵入しており、第1のキャビティと第2のキャビティとを分割バーにより区画するとともに、分割バーの上端面と可動側金型との間に間隙が設定されているため、第1のキャビティ内に射出充填される溶融樹脂は、この間隙内に侵入し、間隙の厚みに相当する樹脂バリが第1の樹脂成形品と一体に成形される。一方、第2のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際は、分割バーが固定側金型内に没入するまで後退するが、その際、分割バーが樹脂バリと一体化しているため、第1の樹脂成形品から樹脂バリが容易に剥離し、第2のキャビティの底部に沈み込んだ状態で溶融樹脂が第2のキャビティ内に射出充填され、第2の樹脂成形品は第1の樹脂成形品と見切りラインに沿って突き当て一体化される。そして、この時、第2の樹脂成形品の内部に樹脂バリがインサート処理される。
従って、分割バーの上端面を可動側金型の型面に突き当てる構成ではないため、可動側金型の絞模様にダメージを与えることがなく、見切りラインにおける近傍部分の外観見栄えを良好に維持できるとともに、可動側金型や分割バーの突き当て衝撃による損傷を回避できるため、成形金型や分割バーの耐久性を高めることができる。更に、樹脂バリを切断除去することで見切りラインを現出できるため、シャープな見切りラインを現出でき、外観見栄えに優れる。
次いで、本発明の好ましい実施の形態においては、前記分割バーの上端面に溝部を設定することにより、分割バーの後退時、樹脂バリを分割バーに追従させるためのアンカー部が形成されていることを特徴とする。
そして、この実施の形態によれば、分割バーの上端面には、樹脂バリを強制的に成形品内部にインサート処理するために、樹脂バリと一体化するアンカー部を形成するための溝部が分割バーの上端面の複数箇所に設けられている。従って、分割バー後退時、アンカー部を介して樹脂バリと分割バーが一体化しているため、樹脂バリが分割バーに追従することから、樹脂バリが簡単に切断される。
次いで、本発明の好ましい実施の形態については、前記分割バーの上昇時、分割バーの上端面と、可動側金型との間に形成される間隙に見合った厚みの樹脂バリを第1の樹脂成形品と一体化するとともに、上記分割バーの下降時、第1の樹脂成形品から樹脂バリの切断を容易に行なわせるために、見切りラインに沿って樹脂バリの縁部にノッチが形成されていることを特徴とする。
そして、この実施の形態によれば、第1の樹脂成形品と樹脂バリとの接合部には、ノッチが形成されるように分割バーの端縁部分には先端が鋭利な凸条が設けられており、分割バーの下降動作時には樹脂バリが第1の樹脂成形品から簡単に切り離されるため、白化等の外観不良を皆無とできる。
更に、本発明の好ましい実施の形態においては、前記分割バーの上端面にエア吹出し口を設け、第1の樹脂成形品を成形するために第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際、分割バーの上端面に設けたエア吹出し口からエアを吹き出すことで、見切りラインに沿ってエアシール作用を働かせて、樹脂バリ側への溶融樹脂の過度の流出を回避したことを特徴とする。
そして、この実施の形態によれば、分割バーの上端面にエア吹出し口を設け、分割バーを上昇させて、可動側金型の型面との間に所定寸法の間隙を保った状態で第1のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際、エア吹出し口からエアを吹き付けることで、樹脂バリ側に溶融樹脂が過度に流れることがないため、材料ロスを回避できる。また、このエア吹出し口の設定位置及びエア吹出し口の吹き出し方向は、見切りラインと反対側で、かつ見切りラインの反対側に向けてエアを吹き出すのが良い。更に、分割バーを上昇操作して、キャビティを分割し、第1のキャビティに溶融樹脂を射出充填する際、エア吹出し口からエアを吹き付けることで、樹脂バリを形成する側に過度の溶融樹脂が流れ込むことがなく、材料ロスを回避できる。
以上説明した通り、本発明に係る多色成形品の成形方法によれば、同一の成形金型を使用して、異なる色彩を持つ樹脂成形品を一体化する際、キャビティを分割する分割バーの上端面と可動側金型との間に間隙を設定し、この間隙に相当する厚みの樹脂バリを第1の樹脂成形品と一体に成形した後、分割バーを下降操作する際、この樹脂バリを第1の樹脂成形品から切り離し、第2のキャビティ内に樹脂バリをインサートした状態で、溶融樹脂を射出充填して第2の樹脂成形品を突き当て接合するという構成であるため、従来のように、分割バーを金型面に突き当てる構成ではなく、金型に刻設した絞模様のダメージがほとんどないことから、良好な外観意匠性が期待できるとともに、金型や分割バーの損傷も未然に防止でき、成形金型の耐久性を高めることができるという効果を有する。
更に、本発明に係る多色成形品の成形方法によれば、樹脂バリを強制的に切断除去することにより、シャープな見切りラインを現出できるため、美麗な外観性能が得られるという効果もある。
以下、本発明に係る多色成形品の成形方法の好適な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図10は本発明の第1実施例を示すもので、図1は本発明方法により製作したツートンタイプの自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同自動車用ドアトリムにおける見切りラインの構成を示す断面図、図4,図5は本発明方法に使用する成形金型の全体図並びに部分断面図、図6,図7は図4に示す成形金型を使用してドアトリムを成形する成形方法において、図6はドアトリムアッパーの成形工程、図7はドアトリムロアの成形工程をそれぞれ示す各断面図、図8乃至図10は本発明の変形例を示すもので、図8は分割バーの変形例を示す断面図、図9,図10は分割バーの変形例を使用したもので、図9はドアトリムアッパーの成形工程、図10はドアトリムロアの成形工程をそれぞれ示す説明図である。
図1乃至図3において、自動車用ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との上下二分割体から構成されており、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との間には、見切りラインAが設定されている。更に、外観上のアクセント効果を強調できるように、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とは色彩を相違させた樹脂成形品で構成し、ドアトリムアッパー20及びドアトリムロア30のそれぞれ製品面20a,30aは、絞模様が成形金型から転写されることで美麗な製品外観を備えている。尚、ドアトリム10には、各種付属部品が装備されている。例えばドアトリムアッパー20には、インサイドハンドルエスカッション21が取り付けられており、見切りラインAの上方に乗員が肘を掛けて休めるアームレスト22が形成されている。一方、ドアトリムロア30には、ドアポケット開口31が開設されており、このドアポケット開口31のフロント側にスピーカグリル32がドアトリムロア30と一体、あるいは別体に設けられている。尚、ドアポケット開口31の背面側には、ボックス状のポケットバックカバー33が取り付けられているとともに、ドアトリム10は、ドアインナーパネル34の室内面側に図示しないクリップ等の取付手段を介して固定されている。
ところで、本発明においては、見切りラインA付近の外観見栄えが優れている。具体的には、ドアトリムアッパー20及びドアトリムロア30の製品面20a,30aは良好な絞模様が転写されており、この絞模様は見切りラインA付近においても絞流出等の不具合がなく、美麗な絞模様が設けられている。また、見切りラインAは、シャープな線状に形成されているが、そのために、樹脂バリ40をドアトリムアッパー20から強制的に破断させて、かつ図3に示すように、ドアトリムロア30内部に樹脂バリ40をインサート処理している。また、ドアトリムロア30の底面部分には、アンカー部41が形成されている。
次いで、図1乃至図3に示すドアトリム10の成形方法に使用する成形金型50の構成について、図4,図5を基に説明する。尚、図4は成形金型50を示す全体図、図5は成形金型50における分割バー60の構成を示す拡大断面図である。図4において、成形金型50の全体構成を説明すると、成形金型50は、射出成形工法を採用しており、可動側金型51と固定側金型52とが相互に型締め、型開き可能に設けられており、固定側金型52は、ドアトリムアッパー20及びドアトリムロア30の素材を供給するための射出機53a,53bが連設されているとともに、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との各キャビティを分割するシール機能を備えた分割バー60が配置されている。
更に詳しくは、上記可動側金型51は、製品形状に合致したキャビティ部511が形成されており、可動側金型51の上面に連結された昇降シリンダ512の昇降駆動により、可動側金型51が所定ストローク上下動作を行ない、固定側金型52に対して型締め、型開きが行なわれる。また、可動側金型51の4隅部は、ガイド機構となるガイドブッシュ513が設けられている。
一方、固定側金型52には、可動側金型51のキャビティ部511に対応するコア部521が設けられている。更に、このコア部521の型面に溶融樹脂を供給するためにマニホールド522a,522b、ゲート523a,523bが設けられており、このマニホールド522a,522b、ゲート523a,523bの樹脂通路を経て射出機53a,53bから供給される溶融樹脂M1,M2がコア部521の上面に形成されたドアトリムアッパー成形用キャビティC1内、及びドアトリムロア成形用キャビティC2内に供給される。また、固定側金型52の4隅部には、ガイド機構となるガイドポスト524が突設され、このガイドポスト524は、成形金型51,52が型締めされる際、ガイドブッシュ513内に案内されることで、可動側金型51のプレス姿勢を適正に維持できる。このように、本発明によれば、第1の射出機53aから供給される溶融樹脂M1は、マニホールド522a、ゲート523aを通じてドアトリムアッパー成形用キャビティC1内に射出充填される。一方、第2の射出機53bから供給される溶融樹脂M2は、マニホールド522b、ゲート523bを通じてドアトリムロア成形用キャビティC2内に射出充填される。
ところで、本発明に係る成形金型50は、キャビティCをC1とC2とに分割する分割バー60の構成並びに分割バー60の動作により、ドアトリム10における見切りラインA付近の見栄えを良好に維持でき、かつ成形金型50の金型耐久性も高めることができる。図5に示すように、分割バー60は、見切りラインAに沿う長尺ブロック体から構成され、駆動シリンダ61により所定ストローク昇降動作を行ない、駆動シリンダ61の伸長時には、分割バー60の上端面60aと下死点まで降下した可動側金型51の型面との間には、所定寸法の間隙dが設定される。このように、分割バー60の上端面60aと可動側金型51との間の間隙dに相当する厚みの樹脂バリ40が形成され、この樹脂バリ40をドアトリムアッパー20から強制的に切り離すために、分割バー60の上端面60aに溝部62が形成され、この溝部62により樹脂バリ40を分割バー60に追従させるためのアンカー部41が形成される。
上記成形金型50を使用して、図1乃至図3に示すドアトリム10を成形する工程について説明する。まず、昇降シリンダ512の駆動により、可動側金型51が所定ストローク下降して、成形金型51,52が型締めされる。その時、第1の射出機53aからマニホールド522a、ゲート523aを通して第1のキャビティC1内に溶融樹脂M1が射出充填されるが、この時、図6に示すように、分割バー60は、駆動シリンダ61の伸長動作により、可動側金型51の型面に対して間隙dになるまで上昇しており、この分割バー60の上昇時に形成される間隙dの厚みに相当する樹脂バリ40と、分割バー60の溝部62に対応するアンカー部41とが一体化される。
その後、分割バー60は、駆動シリンダ61の収縮動作により、固定側金型52側に後退するが、樹脂バリ40と、アンカー部41が一体化しており、分割バー60の上端面60aと、樹脂バリ40が一体的に下降することで、樹脂バリ40と、ドアトリムアッパー20端縁部、すなわち、見切りラインAに相当する箇所に応力が集中し、ドアトリムアッパー20から樹脂バリ40が簡単に切断され、シャープな見切りラインAが形成されることになる。
そして、図7に示すように、分割バー60が所定ストローク下降して、固定側金型52内に収まった状態で、ドアトリムロア成形用キャビティC2内に溶融樹脂M2が射出充填されて、ドアトリムアッパー20と一体にドアトリムロア30が所要形状に一体成形される。この時、樹脂バリ40は、ドアトリムロア30内にインサート処理され、また、アンカー部41は、ドアトリムロア30の裏面から突出する状態で一体化され、製品表面側に現れないため、良好な外観見栄えが期待できる。
このように、本発明方法においては、分割バー60は、所定ストローク上下動作を行なうものの、可動側金型51の型面と突き当たることがないため、可動側金型51の絞模様を損傷させることがないことから、見切りラインA近傍部分の絞模様を美麗に現出させることができるとともに、見切りラインAの形成についても、樹脂バリ40を強制的に切り離すため、シャープな見切りラインAを形成することができ、外観性能を向上させることができる。更に、従来のように成形金型50や分割バー60に衝撃が加わることがないため、成形金型50及び分割バー60の耐久性を高めることができるという効果がある。
次いで、図8は、分割バー60の変形例を示すもので、図示するように、見切りラインAに相当する縁部に沿って分割バー60の上端面60aには、先端が鋭利な凸条63が形成されている。そして、ドアトリムアッパー20の成形時には、図9に示すように、ドアトリムアッパー20と樹脂バリ40との接合部分に沿って先端が鋭利な凸条63によるノッチ42が形成される。従って、ドアトリムアッパー20を成形した後、第2のキャビティC2内に溶融樹脂M2を射出充填する工程において、図10に示すように、駆動シリンダ61の収縮動作により、分割バー60が下降する際、ノッチ42を基点として容易に樹脂バリ40が切断され、樹脂バリ40がドアトリムロア30内にインサート処理されるとともに、アンカー部41がドアトリムロア30に一体化される。
図11,図12は、本発明の第2実施例を示すもので、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とのツートンタイプのドアトリム10の成形に適用される点は第1実施例と同一であるが、この第2実施例においては、分割バー60の構成に更に工夫が施されている。すなわち、図11に示すように、分割バー60は、駆動シリンダ61の伸長動作により、可動側金型51との間に間隙dが形成され、樹脂バリ40が形成される点は第1実施例と同一であるが、特に、分割バー60の上端面60aにエア吹出し口64を設定したエアシール機構が採用されている。そして、エア吹出し口64からエア圧9kgf/cm2 程度のエアが溶融樹脂M1の射出充填時に吹き付けられる。
従って、このエア吹出し口64から吹き付けるエアのシール圧で間隙d内に過度の溶融樹脂M1が流れ込むことがなく、樹脂バリ40の容積を低減させることができる。そして、ドアトリムアッパー20の成形後は、図12に示すように、分割バー60が下降して、ドアトリムロア成形用キャビティC2内に溶融樹脂M2が射出充填されてドアトリムロア30が一体化されるが、樹脂バリ40は容積が低減されているため、外観に悪影響を及ぼすことがない。
以上説明した実施例1、実施例2は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との上下二分割体からなるドアトリム10に本発明を適用したが、2色成形品の他にも、外観上のアクセント効果をもたらす多色成形品全般に本発明方法を適用することができる。更に、分割バー60の形状について、適宜変更を加えることも可能であり、ドアトリムアッパー20として表皮付き成形品を適用することもできる。
本発明に係る多色成形品の成形方法を適用して製作した上下二分割タイプの自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図2に示す自動車用ドアトリムにおける見切りライン近傍部分の構成を示す拡大断面図である。 本発明に係る多色成形品の成形方法に使用する成形金型の全体構成を示す説明図である。 図4に示す成形金型における分割バーの構成を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法におけるドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 本発明方法に使用する分割バーの変形例を示す説明図である。 図8に示す分割バーを使用するドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 図8に示す分割バーを使用するドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 本発明の第2実施例に使用する成形金型における分割バーの構成を示す説明図である。 図11に示す分割バーを使用するドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。 従来の分割タイプのドアトリムを示す正面図である。 従来の上下二分割タイプの自動車用ドアトリムを成形する成形金型の内容を示す説明図である。 従来の上下二分割タイプの自動車用ドアトリムにおけるドアトリムアッパー及びドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。
符号の説明
10 自動車用ドアトリム
20 ドアトリムアッパー(第1の樹脂成形品)
30 ドアトリムロア(第2の樹脂成形品)
40 樹脂バリ
41 アンカー部
42 ノッチ
50 成形金型
51 可動側金型
511 キャビティ部
512 昇降シリンダ
52 固定側金型
521 コア部
522a,522b マニホールド
523a,523b ゲート
53a,53b 射出機
60 分割バー
60a 上端面
61 駆動シリンダ
62 溝部
63 凸条
64 エア吹出し口
A 見切りライン
C1 ドアトリムアッパー成形用キャビティ(第1のキャビティ)
C2 ドアトリムロア成形用キャビティ(第2のキャビティ)
M1,M2 溶融樹脂

Claims (4)

  1. 可動側金型(51)と、固定側金型(52)とを型締めし、両金型(51,52)間に画成されるキャビティを分割バー(60)により複数のキャビティ(C1,C2)に分割し、分割されたキャビティ(C1,C2)に異なる溶融樹脂(M1,M2)をそれぞれ射出充填することで、複数の樹脂成形品(20,30)を一体化してなる多色成形品(10)の成形方法において、
    前記成形金型(51,52)を型締めした後、分割バー(60)をキャビティ(C)内に侵入させて、複数のキャビティ(C1,C2)に分割するとともに、第1のキャビティ(C1)内に溶融樹脂(M1)を射出充填して、第1の樹脂成形品(20)を成形するとともに、分割バー(60)の上端面(60a)と可動側金型(51)の型面との間に間隙(d)を設定し、この間隙(d)に相当する厚みの樹脂バリ(40)を一体化してなる第1の樹脂成形品(20)の成形工程と、
    分割バー(60)をキャビティ(C)から後退させて、分割バー(60)の動作に樹脂バリ(40)を追従させることで、見切りライン(A)を基点として、樹脂バリ(40)を切断する一方、溶融樹脂(M2)を第2のキャビティ(C2)内に射出充填することにより、第2の樹脂成形品(30)を第1の樹脂成形品(20)と突き合わせ接合するとともに、樹脂バリ(40)を第2の樹脂成形品(30)の内部にインサート処理してなる第2の樹脂成形品(30)の成形工程と、
    からなることを特徴とする多色成形品の成形方法。
  2. 前記分割バー(60)の上端面(60a)に溝部(62)を設定することにより、分割バー(60)の後退時、樹脂バリ(40)を分割バー(60)に追従させるためのアンカー部(41)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多色成形品の成形方法。
  3. 前記分割バー(60)の上昇時、分割バー(60)の上端面(60a)と、可動側金型(51)との間に形成される間隙(d)に見合った厚みの樹脂バリ(40)を第1の樹脂成形品(20)と一体化するとともに、上記分割バー(60)の下降時、第1の樹脂成形品(20)から樹脂バリ(40)の切断を容易に行なわせるために、見切りライン(A)に沿って樹脂バリ(40)の縁部にノッチ(42)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多色成形品の成形方法。
  4. 前記分割バー(60)の上端面(60a)にエア吹出し口(64)を設け、第1の樹脂成形品(20)を成形するために第1のキャビティ(C1)内に溶融樹脂(M1)を射出充填する際、分割バー(60)の上端面(60a)に設けたエア吹出し口(64)からエアを吹き出すことで、見切りライン(A)に沿ってエアシール作用を働かせて、樹脂バリ(40)側への溶融樹脂(M1)の過度の流出を回避したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多色成形品の成形方法。
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