JP5315077B2 - 発泡樹脂成形品並びにその成形方法 - Google Patents

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この発明は、可動側金型と固定側金型とを型締めした後、発泡樹脂材料をキャビティ内に射出充填し、更に可動側金型を後退させて発泡スペースを確保した後、発泡反応を開始させ、所要形状に発泡成形してなる発泡樹脂成形品並びにその成形方法に係り、特に、少なくとも一部にアンダーカット部が形成された発泡樹脂成形品を対象とし、製品意匠面とアンダーカット部との境界部分での変形を可及的に防止でき、外観性能及び隣接部品に対する合わせ精度を高めた発泡樹脂成形品並びにその成形方法に関する。
図9は、ドアパネル(図示せず)の室内面側に装着される自動車用ドアトリム1を示すもので、ドアトリム1は、ベースとしてのドアトリム本体2に各種機能部品を装着して構成されている。例えば、ドアトリム本体2の中接部ややフロント側にインサイドハンドルユニット1aが取り付けられており、ドアトリム本体2の中央に室内側に膨出するアームレスト1bが形成され、このアームレスト1bの上面にはプルハンドルユニット1cやスイッチユニット1dが装備されている。また、アームレスト1bの下方にはポケット開口1eが開設され、その背面側には樹脂成形体からなるポケットバックカバー1fが装着されており、ポケット開口1eのフロント側には、ドアトリム本体2と一体、あるいは別体にスピーカグリル1gが設けられている。
ところで、ドアトリム本体2は、軽量で適度な剛性を維持でき、かつ耐衝撃性に優れ、コストも廉価なことから、ポリプロピレン(PP)発泡体等の発泡樹脂成形品が多用されている。また、図10に示すように、ドアトリム本体2は、外表面に位置するスキン層2aとその内部の発泡層2bとから構成されており、図示しないドアインナーシールを取り付けるためにアンダーカット状のウエストフランジ2cが一体形成されている。
次に、上記ドアトリム本体2の成形方法について説明する。まず、使用する成形金型3は、図11,図12に示すように、可動側金型4と固定側金型5とから大略構成されており、可動側金型4は、昇降シリンダ4aの駆動により所定ストローク上下動作を行なう。一方固定側金型5には、図示しない射出機から供給される発泡樹脂材料Mの通路となるホットランナ5a、ゲート5bが設けられており、図11では、可動側金型4と固定側金型5とを型締めした状態を示しており、両金型に画成されるキャビティC内に発泡樹脂材料Mが射出充填される。また、固定側金型5には以下に示すエジェクタ機構が設けられている。すなわち、エジェクタプレート5cにエジェクタピン5dが複数本取り付けられており、エジェクタプレート5cの昇降動作により成形後のドアトリム本体2を上方に突き出す。
そして、上述したように、ドアトリム本体2にウエストフランジ2cを形成するために、直上げコア5eがサポートピン5fによりエジェクタプレート5cに支持されており、図12に示すように、直上げコア5eが型面の一部を構成することで、ドアトリム本体2と一体にウエストフランジ2cが成形される。そして、従来のドアトリム本体2の成形方法においては、図11,図12に示す発泡樹脂材料Mの射出充填後、図13に示すように、微小ストローク可動側金型4を後退操作して、発泡スペースを確保した状態で発泡樹脂材料Mを発泡反応させることにより、所要厚みのドアトリム本体2を最終的に成形するようにしている。尚、アンダーカット部を一体に設ける樹脂成形品の成形方法並びに成形金型の従来例としては特許文献1に示されており、可動側金型を後退操作して発泡樹脂成形品を成形する方法としては特許文献2に詳細に示されている。
特開2008−6767号公報
特開2002−120252号公報
このように、従来の発泡樹脂成形品の一例であるドアトリム本体2の成形方法においては、可動側金型4と固定側金型5との間のキャビティC内に発泡樹脂材料Mを射出充填して、その後発泡反応を効率的に行なうように、可動側金型4と固定側金型5とのクリアランスを二段階に調整して、発泡反応を完了させることが必要であるが、特に、ウエストフランジ2cを設けるために、図13,図14に示すように、可動側金型4を後退操作した際、ウエストフランジ2cの基部コーナー部におけるスキン層2aが引っ張られ、図14中符号aで示す部位の意匠面が崩れ、外観不良を招くとともに、ドアインナーシールとの合わせ精度に支障をきたす恐れがあり、外観性能並びに合わせ精度を高めることが急務とされていた。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、可動側金型と固定側金型とを型締めした後、キャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填し、その後、可動側金型を後退させ、発泡スペースを確保した状態で発泡反応を開始し、所要形状の発泡樹脂成形品を発泡成形するとともに、周縁の全長、あるいはその一部にアンダーカット部を設定した発泡樹脂成形品を対象とし、可動側金型を後退操作した際、製品意匠面とアンダーカット部との境界部分での変形を可及的に防止でき、外観見栄えを高めるとともに、隣接部品に対する合わせ精度を向上させた発泡樹脂成形品並びにその成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明者等は、鋭意研究の結果、製品意匠面とアンダーカット部との境界部分にリブを設定することにより、このリブが金型側に嵌まり込み、可動側金型の後退操作時において境界部分が変形することを解消できることに着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、可動側金型と固定側金型との間に画成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填してなり、可動側金型を後退させて発泡スペースを確保した後、上記発泡樹脂材料を発泡させることにより所要形状に成形されるとともに、固定側金型内に配置される直上げコアによりアンダーカット部を一体的に形成した発泡樹脂成形品であって、前記発泡樹脂成形品における製品意匠面の端末とアンダーカット部との境界部分には、非発泡構造体からなるリブが設けられていることを特徴とする。
更に、本発明方法は、可動側金型と固定側金型との間に画成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填してなり、可動側金型を後退させて発泡スペースを確保した後、上記発泡樹脂材料を発泡させることにより所要形状に成形されるとともに、固定側金型内に配置される直上げコアによりアンダーカット部を一体的に形成した発泡樹脂成形品の成形方法において、前記可動側金型と固定側金型との間に画成されるキャビティは、本体部を形成する本体部キャビティと、直上げコアにより形成されるアンダーカット部キャビティとからなるとともに、両者間にリブ形成用凹部が形成されていることにより、発泡樹脂材料の射出充填後、可動側金型を後退操作した際、このリブ形成用凹部内に充填されるソリッド状のリブによりスキン層が引っ張られることがなく、歪み発生を回避したことを特徴とする。
ここで、発泡樹脂成形品を成形するために使用する成形金型は、可動側金型と固定側金型とから構成されている。上記可動側金型は、昇降シリンダの動作により型開き位置から型締め位置(下死点)まで型締め動作を行なう。更に、発泡樹脂材料の発泡スペースを確保するために、微小ストローク後退し、その後、型開き位置まで動作する。すなわち、可動側金型は、型開き位置、型締め位置、型開き位置からややクリアランスを確保した発泡位置の三つのポジションをとることになる。一方、固定側金型には、連結する射出機から供給される発泡樹脂材料を可動側金型と固定側金型との間に画成されるキャビティ内に射出充填するための樹脂通路として、ホットランナ、ゲートが設けられている。また、成形後、発泡樹脂成形品を突き出すためのエジェクタピン等のエジェクタ機構が固定側金型に設けられているとともに、アンダーカット部を成形するための直上げコアがエジェクタプレートに支持されている。
そして、本発明においては、可動側金型と固定側金型との間で画成されるキャビティは、製品本体部に対応する本体部キャビティとアンダーカット部に対応するアンダーカット部キャビティとから構成されており、両者の境界部分にリブが形成されるように、固定側金型にリブ形成用凹部が設けられている。このリブの板厚は1.0〜1.5mmに設定されている。ここで、板厚が1.0mm未満では剛性不足と考えられ、逆に、板厚が1.5mmを超えた場合には発泡反応が生じ、発泡層が内部に形成され、剛性低下を招くため好ましくない。更に、リブの長さ寸法は0.5〜5.0mmに設定されている。必要な長さは、発泡量+0.5mm程度とし、製品意匠面に合わせて対応する。発泡量より短くなるとリブが型から抜ける可能性があり、効果が得られない。
次いで、発泡樹脂成形品の素材は、熱可塑性樹脂中に発泡剤が混入されたものを使用する。例えば、使用する熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択されて良い。そして、熱可塑性樹脂に対して混入する発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤を使用することができる。
以上の構成から明らかなように、可動側金型と固定側金型との型締め動作により画成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填した後、可動側金型を型開き方向に後退操作して、発泡スペースを確保した状態で発泡樹脂材料の発泡反応を開始し、スキン層内に発泡層を備えた発泡樹脂成形品を所要形状に成形することができる。更に、直上げコアが固定側金型に配置されていることにより、アンダーカット部を発泡樹脂成形品と一体に成形することができる。その際、製品の周縁全長、あるいは周縁の一部に形成したアンダーカット部は、製品意匠面とアンダーカット部との間の境界部にリブが形成されており、固定側金型のリブ形成用凹部内に嵌まり込んでいるリブが固まって発泡していないため、可動側金型の型開き時に製品意匠面が引っ張られることがなく、製品意匠面の外観及び表面形状を良好に維持でき、製品意匠面の再現性を向上させるとともに、隣接部品との合わせ精度を高めることができる。
以上説明した通り、本発明に係る発泡樹脂成形品並びにその成形方法は、成形金型のキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填した後、可動側金型を後退操作して、所定厚みの発泡スペースを確保して発泡反応を開始させ、スキン層と発泡層とからなる発泡樹脂成形品を所要形状に成形するとともに、アンダーカット部を一体化するというものであり、その際、アンダーカット部と製品意匠面との境界部分にリブが設定されているため、可動側金型の後退操作時、このリブが成形金型に保持されることで、製品意匠面に変形が生じることがなく、外観性能を高めるとともに、隣接部品に対する合わせ精度を良好に維持できるという効果を有する。
本発明に係る発泡樹脂成形品の一実施例である自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1に示すドアトリム本体を成形する際に使用する成形金型の一実施例の構成を示す概要図である。 図3に示す成形金型におけるアンダーカット部付近の構成を示す説明図である。 図1に示すドアトリム本体の成形方法における発泡樹脂材料の射出充填工程を示す説明図である。 図5に示す発泡樹脂材料の射出充填工程におけるアンダーカット部付近の状態を示す説明図である。 図1に示すドアトリム本体の成形方法における可動側金型の後退操作時の状態を示す説明図である。 図7に示す可動側金型の後退操作時におけるアンダーカット部付近の状態を示す説明図である。 従来の自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図9中X −X 線断面図である。 従来のドアトリム本体の成形方法における発泡樹脂材料の射出充填工程を示す説明図である。 従来の発泡樹脂材料の射出充填工程におけるアンダーカット部付近の状態を示す説明図である。 従来のドアトリム本体の成形方法における可動側金型の後退操作時の状態を示す説明図である。 従来のドアトリム本体の成形方法における可動側金型の後退操作時の不具合を示す説明図である。
以下、本発明に係る発泡樹脂成形品並びにその成形方法の実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明に係る発泡樹脂成形品の一例を示す自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムの要部構成を示す部分断面図、図3は本発明方法に使用する成形金型の全体構成を示す概略図、図4は同成形金型におけるアンダーカット部付近の構成を示す説明図、図5乃至図8は本発明方法の各工程を示す説明図である。
図1,図2において、自動車用ドアトリム10は、ベースとしてのドアトリム本体20に各種機能部品を装着して構成されている。機能部品の具体例としては、ドアトリム本体20の中接部ややフロント側にドアの開放時に使用するインサイドハンドルユニット11が装着されており、ドアトリム本体20の表面略中央には、アームレスト12が室内側に膨出状に形成されている。そして、このアームレスト12の上面には、プルハンドルユニット13、パワーウインドウスイッチユニット14が装備されており、アームレスト12の下方には、ポケット開口15が開設され、このポケット開口15の背面側には、合成樹脂の射出成形体からなるポケットバックカバー16が取り付けられているとともに、ポケット開口15のフロント側には、ドアトリム本体20と一体、あるいは別体にスピーカグリル17が設けられている。
次に、ドアトリム本体20については、図2に示すように、ソリッド状のスキン層21内部にセル構造の発泡層22を含む二層構造になっており、軽量でかつ廉価で、しかも耐衝撃性能に優れた発泡樹脂成形品が使用されている。その素材としては、熱可塑性樹脂中に発泡剤が混入された発泡樹脂成形品であり、使用できる熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択して良く、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤を使用することができる。
そして、ドアトリム本体20は、矢印で占有範囲を示す製品意匠面20aの端末側にドアインナーシール(図示せず)を取り付けるためのウエストフランジ23が設けられており、このウエストフランジ23は、図2中A矢印で示す成形時の型抜き方向とはアンダーカット状に設定されており、アンダーカット状のウエストフランジ23と、製品意匠面20aの端末との間の境界部分に変形防止用のリブ24が設定されている。このリブ24は、ドアトリム本体20における製品意匠面20aの変形を防止し、その再現性を良好に保つために有効に機能する。更に、このリブ24は、板厚(図中符号Wで示す)が1.0〜1.5mmに設定されている。板厚Wが1.0mm未満の場合、剛性不足であるとともに、逆に板厚Wが1.5mmを超えた場合、発泡層22が形成されるため同様に剛性不足となる。
また、リブ24の長さ寸法(図中符号Lで示す)は、0.5〜5.0mmに設定されている。必要長さは、発泡量+0.5mm程度であり、発泡量が0.1〜1.5mmに設定されるため、製品意匠面20aに合わせて対応する。発泡量より短くなるとリブ24が型から抜ける可能性があり効果が得られない。
次いで、図3,図4を基に上記ドアトリム本体20を成形する際に使用する成形金型30の概略構成について説明する。成形金型30は、可動側金型40と固定側金型50とから大略構成されている。更に詳しくは、可動側金型40は、昇降シリンダ41に連結支持され、昇降シリンダ41の駆動により、可動側金型40は所定ストローク上下動作を行なう。
一方、可動側金型40の下方に位置する固定側金型50には、図示しない射出機から供給される発泡樹脂材料Mの通路となるホットランナ51、ゲート52が設けられており、可動側金型40と固定側金型50との間で画成されるキャビティC内に発泡樹脂材料Mが射出充填されることになる。更に、固定側金型50には、エジェクタ機構として、エジェクタプレート53にエジェクタピン54が連結され、エジェクタピン54により、発泡樹脂成形品であるドアトリム本体20が上方に突き出される。また、エジェクタプレート53には、直上げコア55がサポートピン56を介して連結されており、この直上げコア55は、ドアトリム本体20にアンダーカット状となるウエストフランジ23を形成するために設定されている。
そして、図4に示すように、直上げコア55が固定側金型50に配置されることで、キャビティCは、本体部キャビティC1に対してウエストフランジ23を成形するためのアンダーカット部キャビティC2を連通させたキャビティ形状に設定され、このアンダーカット部キャビティC2の本体側寄り端末にこれと連接するリブ形成用凹部57が形成されている。このリブ形成用凹部57の寸法は、図2で示すリブ24の幅寸法(板厚)W、長さ寸法Lに対応するように設定されている。
次に、図5乃至図8に基づいて、上述した構成の成形金型30を使用してドアトリム本体20を成形する成形方法について順次説明する。まず、図5,図6は、可動側金型40が下死点まで下降した型締め状態を示しており、可動側金型40と固定側金型50とで画成されるキャビティC内に発泡樹脂材料Mがホットランナ51、ゲート52を通じて射出充填される。そして、図6に示すように、本体部キャビティC1とアンダーカット部キャビティC2に発泡樹脂材料Mが射出充填されるとともに、アンダーカット部キャビティC2の端末側に設定されているリブ形成用凹部57についても、発泡樹脂材料Mが充填される。この部位については、厚み及び長さの関係で発泡樹脂材料Mはソリッド状である。
次いで、発泡樹脂材料Mの射出充填工程が完了すれば、図7,図8に示すように、可動側金型40が発泡樹脂材料Mの発泡量に応じて微小ストローク後退するが、この時、ウエストフランジ23の基部についてはリブ24がリブ形成用凹部57内にソリッド体が嵌まり込んでおり、この部位が固定側金型50に保持されるため、可動側金型40が図8中B矢印方向に可動しても、コーナー部分が引っ張られることがなく、境界部において従来生じていた成形歪みが生じることがない。従って、ドアトリム本体20に設ける製品意匠面20aの再現性が良好なものとなり、外観性能を高めることができるとともに、ドアインナーシールとの合わせ精度も良好なものとなる。
尚、この実施例においては、ドアトリム本体20にアンダーカット状となるウエストフランジ23を形成する際、ウエストフランジ23の本体側寄りの端末にリブ24を形成したが、ドアトリム本体20における製品意匠面20aの端末であって、アンダーカット部となるものであれば、例えば、クリップ取付座等に適用することもできる。
以上説明した実施例は、ドアパネルの室内面側に装着されるドアトリム10におけるドアトリム本体20に適用したが、用途はこれに限定されることなく、製品意匠面の端末にアンダーカット部を形成した発泡樹脂成形品全般に適用することができる。更に、成形金型30の構造として、可動側金型40側にコア部、固定側金型50側にキャビティ部を設定することもできる。更に、発泡樹脂材料Mの射出充填時、キャビティ内に圧空エアを供給するカウンタープレッシャー工法を採用することも可能である。
10 自動車用ドアトリム
20 ドアトリム本体
21 スキン層
22 発泡層
23 ウエストフランジ
24 リブ
30 成形金型
40 可動側金型
41 昇降シリンダ
50 固定側金型
51 ホットランナ
52 ゲート
53 エジェクタプレート
54 エジェクタピン
55 直上げコア
56 サポートピン
57 リブ形成用凹部
C キャビティ
C1 本体部キャビティ
C2 アンダーカット部キャビティ
M 発泡樹脂材料

Claims (2)

  1. 可動側金型(40)と固定側金型(50)との間に画成されるキャビティ(C)内に発泡樹脂材料(M)を射出充填してなり、可動側金型(40)を後退させて発泡スペースを確保した後、上記発泡樹脂材料(M)を発泡させることにより所要形状に成形されるとともに、固定側金型(50)内に配置される直上げコア(55)によりアンダーカット部(23)を一体的に形成した発泡樹脂成形品(20)であって、
    前記発泡樹脂成形品(20)における製品意匠面(20a)の端末と前記アンダーカット部(23)との境界部分には、非発泡構造体からなるリブ(24)が設けられ
    前記リブ(24)の一面と前記製品意匠面(20a)とが連続した同一面になっていること
    を特徴とする発泡樹脂成形品。
  2. 可動側金型(40)と固定側金型(50)との間に画成されるキャビティ(C)内に発泡樹脂材料(M)を射出充填してなり、可動側金型(40)を後退させて発泡スペースを確保した後、上記発泡樹脂材料(M)を発泡させることにより所要形状に成形されるとともに、固定側金型(50)内に配置される直上げコア(55)によりアンダーカット部(23)を一体的に形成した発泡樹脂成形品(20)の成形方法において、
    前記キャビティ(C)は、アンダーカット部(23)を一体的に形成した発泡樹脂成形品(20)のうち、アンダーカット部(23)以外の部分を本体部として形成する本体部キャビティ(C1)と、前記アンダーカット部(23)を形成するアンダーカット部キャビティ(C2)とを連通させた形状に設定されていて、アンダーカット部キャビティ(C2)は直上げコア(55)により形成されるとともに、前記アンダーカット部キャビティ(C2)に連接してリブ形成用凹部(57)が形成されており、
    前記リブ形成用凹部(57)により、前記発泡樹脂成形品(20)における製品意匠面(20a)の端末と前記アンダーカット部(23)との境界部分に、リブ(24)が形成されるとともに、形成されるリブ(24)の一面と前記製品意匠面(20a)とが連続した同一面になっていること
    を特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
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