JP2009248436A - 発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型 - Google Patents

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Shinya Hashimoto
慎也 橋本
Yasuhiko Hayashi
靖彦 林
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Abstract

【課題】可動側金型と固定側金型とを型締めして形成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填した後、可動側金型を後退させて発泡反応を誘起させ、所要形状に成形される発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型であって、発泡反応時における垂れ下がり変形を防止する。
【解決手段】固定側金型60に対して可動側金型50を型締めし、発泡樹脂材料Mを射出充填した後、可動側金型50を後退させ、発泡スペースを確保した状態で発泡反応を行なわせて成形したドアトリムロア(発泡樹脂成形品)30の成形方法であって、このドアトリムロア30に立体感を付与する縦壁部33が形成されており、この縦壁部33の先端内側に段部34を肉抜き状に形成するために、固定側金型60の段部64のコーナー角度αを45°≦α≦75°に設定することで、段部面34a、薄肉フランジ35の底面35bにシワ発生を集中させ、製品表面側の外観性能を良好に維持する。
【選択図】図3

Description

本発明は、可動側金型と固定側金型とを型締めした後、発泡樹脂材料をキャビティ内に射出充填し、更に、可動側金型を後退させて、発泡スペースを確保した後、発泡反応を開始させ、所要形状に成形してなる発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型に係り、特に、製品の周縁の全長、あるいは周縁の一部に生じる垂れ下がり変形を解消でき、外観性能並びに隣接部品に対する合わせ精度を高めた発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型に関する。
図9は、ドアパネル(図示せず)の室内面側に装着される自動車用ドアトリム1を示すもので、このドアトリム1は、軽量でかつ剛性及び耐衝撃性能に優れ、コストも廉価なことから、ポリプロピレン(PP)発泡体等の発泡樹脂成形品が多く使用されている。上記ドアトリム1には、室内側に向けて膨出するアームレスト部1aが一体成形され、このアームレスト部1aの下方には、ドアポケット用開口1bが開設され、更にそのフロント側にスピーカグリル1cがドアトリム1と一体、あるいは別体に設けられている。尚、ドアトリム1の周縁の一部にパネル側に向く縦壁部1dが一体化されている。
そして、この種発泡樹脂成形品を用いたドアトリム1を所要形状に成形する従来の成形方法について、図10,図11を基に説明する。図10は成形金型の概略構成、図11は金型のプレスチャート図をそれぞれ示す。成形金型2は、可動側金型3と固定側金型4とから大略構成され、可動側金型3は昇降シリンダ3aの駆動により、所定ストローク上下動可能であり、固定側金型4に対して型締めが行なわれる。また、固定側金型4には、図示しない射出機が連設されており、この射出機から供給される発泡樹脂材料Mが両金型3,4間のキャビティC内に射出充填される。ここで、型締め時における初期金型状態においては、可動側金型3の金型位置は図11のプレスチャート図の(a1)位置であり、この状態の時、射出機から発泡樹脂材料Mが可動側金型3と固定側金型4との間に画成されるキャビティC内に射出充填される。
そして、一定時間経過後、可動側金型3が型開き方向に可動して、プレスチャート図の(a2)位置まで型開きし、この位置で発泡反応が行なわれ、最終製品形状のドアトリム1が成形されることになる。すなわち、図11中(a1)位置では、可動側金型3と固定側金型4との間のクリアランスが小さく設定されているため、発泡樹脂材料Mの発泡反応を抑えた状態でキャビティC内に発泡樹脂材料Mを迅速に射出充填することができる。尚、充填された発泡樹脂材料Mは、可動側金型3や固定側金型4の型面と接する部位は、ソリッド層が即座に形成されるが、内部は未発泡状態のままである。そして、金型を図11中(a2)位置まで型開きすれば、すなわち、可動側金型3と固定側金型4との間のクリアランスを若干広く設定することで、発泡スペースを確保することができ、ソリッド層内部の発泡樹脂材料の発泡反応を円滑に行なわせることで、ドアトリム1を最終製品形状に成形できる。
このように成形されるドアトリム1の周縁部に形成される縦壁部1dにおける成形工程について図12(a)〜(d)を基に説明する。まず、プレスチャート図中(a)地点は、可動側金型3と固定側金型4とが型締めされた状態、すなわち、射出充填前の状態であり、図12(a)に示すように、一般部のクリアランス2.0mmに対して縦壁部1dのクリアランス2.5mm以上に設定されている。そして、プレスチャート図中(b)地点では、図12(b)に示すように、キャビティC内に発泡樹脂材料Mが射出充填され、特に外表面のソリッド層に固化が始まる状態となる。この時、ソリッド層内部に発泡層を形成するために、図12(c)に示すように、可動側金型3が上昇して、一般部分のクリアランスが3.6mmまで確保される。尚、図12(c)の時には、外表面に形成されるソリッド層内部の発泡樹脂材料Mは未発泡状態のままである。
その後、図12(d)に示すように、一般部はもとより縦壁部1dにおいても、未発泡状態の発泡樹脂材料Mが発泡して、ソリッド層a内部に発泡層bが形成され、縦壁部1dを有するドアトリム1の成形が完了する。上記発泡樹脂成形品の成形方法の従来例については、特許文献1に詳細に記載されている。
特開2002−120252号公報
このように、従来の発泡樹脂成形品の成形方法においては、特に、ドアトリム1における縦壁部1dの先端部分においては、発泡後、ソリッド層aが足りなくなるため、通常の端末形状ではそのシワが意匠面または裏面R部に発生し易く、リブ無しタイプにおいては図13(a)に示すように、図中符号Aで示す箇所での垂れ下がり変形が生じ、外観性能を低下させるという欠点が指摘されている。また、図13(b)に示すリブ有りタイプの場合には図中符号Bで示す箇所に垂れ下がり変形が発生し易い。
従って、発泡樹脂成形品周縁部分の外周ラインが蛇行し易く、外観性能が著しく低下するという欠点があるとともに、隣接部品との間に干渉等の問題が発生し易く、合わせ精度を低下させるという問題点も同時に指摘されている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、可動側金型と固定側金型の型締め後、キャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填し、その後、可動側金型を後退させ、発泡スペースを確保した状態で発泡反応を誘起させ、所要形状に成形されるとともに、ソリッド層内部に発泡層を有する発泡樹脂成形品の成形方法において、この発泡樹脂成形品の周縁の全長、あるいは周縁の一部に設けた縦壁部に垂れ下がり変形が生じることを可及的に防止でき、外観見栄えを高めるとともに、隣接部品に対する合わせ精度を向上させた発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者等は、鋭意研究の結果、縦壁部の先端部分に対応するキャビティ形状に改良を加えることで垂れ下がり変形を解消できることに着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、可動側金型と固定側金型との間に画成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填した後、可動側金型を後退させて、発泡スペースを確保した後、上記発泡樹脂材料を発泡させることにより、所要形状に成形される発泡樹脂成形品であって、外表面にソリッド層、内部に発泡層を有する発泡樹脂成形品の成形方法において、前記発泡樹脂成形品の周縁の全長、あるいは周縁の一部に縦壁部が設定され、固定側金型におけるキャビティ端末に段部を設けることにより、上記縦壁部の先端内側に段部を肉抜き状に形成することで、縦壁部の板厚に対して半減された板厚を有する薄肉フランジが縦壁部の外側面と面一となるように、縦壁部の先端に薄肉フランジを延設形成するとともに、上記固定側金型の段部におけるコーナー角度を45°≦α≦75°に設定することで、段部面及び薄肉フランジの底面にシワ寄せを集中させたことを特徴とする。
ここで、発泡樹脂成形品を成形するために使用する成形金型は、可動側金型と固定側金型と、固定側金型に連結されている射出機とから構成される。上記可動側金型は、駆動シリンダの動作により、型開き位置から型締め位置(下死点)まで型締め動作を行なう。更に、発泡樹脂材料の発泡スペースを確保するために、微小ストローク後退し、その後型開き位置まで動作する。すなわち、可動側金型は、型開き位置、型締め位置、型締め位置からややクリアランスを確保した発泡位置の3つのポジションをとることになる。一方、固定側金型には、射出機から供給される発泡樹脂材料を可動側金型と固定側金型との間に画成されるキャビティ内に射出充填するための樹脂通路として、ホットランナ、バルブゲート等が設けられている。また、成形後、発泡樹脂成形品を突き出すためのエジェクタピン等のエジェクタ機構が固定側金型に設けられている。
そして、可動側金型と固定側金型との間で画成されるキャビティ形状において、発泡樹脂成形品の周縁の全長、あるいは周縁の一部に縦壁部が形成されるように、キャビティ周縁部は縦壁部用キャビティが設定され、特に、この縦壁部用キャビティの先端部分には段部が設定されており、縦壁部の先端部分の内側には、段部を肉抜き状に形成することで縦壁部の延長方向に更に延在する薄肉フランジが形成されている。この薄肉フランジは、厚みが薄いため、発泡層を備えることなくソリッド層だけで構成される。薄肉フランジの高さは1.0〜1.5mmである。また、縦壁部の厚みは1.5〜3.5mmであり、その時の薄肉フランジの厚みは、縦壁部の厚みが2.0mm以下の場合は縦壁部の厚みの1/2であり、縦壁部の厚みが2.0mm以上の場合は1.0mmに設定されている。
更に、本発明においては、可動側金型が後退した後、発泡成形を行なう際、発生するシワを制御するのに好適な形状として、固定側金型の段部におけるコーナー角度が45〜75°の範囲内に設定されている。この時、コーナー角度が45°未満であれば、段部面の長さ寸法が長寸化してしまい、奥側コーナー縁が下方に突出して、相手部品との合わせ精度に狂いが生じるため好ましくない。逆に、コーナー角度が75°を超えた場合には、従来と同様、発泡時に発生するシワを制御することができない。尚、縦壁部は、可動側金型の型抜き方向に対して5〜20°の勾配の抜き角度を確保するために、段部面は水平面を基準として外側を向く傾斜面であり、その傾斜角度は5〜20°に設定されている。
次いで、発泡樹脂成形品の素材は、熱可塑性樹脂中に発泡剤が混入されたものを使用する。例えば、使用する熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択される。そして、熱可塑性樹脂に対して混入する発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤を使用している。
従って、可動側金型を下死点まで駆動して、可動側金型と固定側金型とを型締めした状態で両者間に画成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填すれば、時間の経過とともに、型面に当接する部位は、冷却固化することで、ソリッド層が外表面から内部に向けて形成される。そして、一定時間経過後、可動側金型が型開き方向に動作して、可動側金型と固定側金型とのクリアランスが確保された状態で可動側金型を停止させれば、発泡樹脂材料の発泡反応により、ソリッド層内に発泡層が形成され、所定厚みを有する発泡樹脂成形品が所要形状に成形される。
以上の構成から明らかなように、可動側金型と固定側金型との型締め動作により画成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填した後、可動側金型を型開き方向に後退動作させて、発泡スペースを確保した状態で発泡樹脂材料の発泡反応を行なわせ、ソリッド層内に発泡層を備えた発泡樹脂成形品を所要形状に成形できる。その際、製品の周縁全長、あるいは周縁の一部に設けた縦壁部の先端には、ソリッド層のみからなる薄肉フランジが形成されているため、可動側金型の型開き動作により、可動側金型の型面による拘束が解除されていても、薄肉フランジには発泡内圧が加わらないため、変形することがない。更に、縦壁部の先端部分の段部を形成する固定側金型における段部のコーナー角度を45〜75°の範囲内に設定することにより、シワ発生を裏面側に集中させることができ、製品端末部分の外観性能を低下させない。
以上説明した通り、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型は、成形金型のキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填した後、可動側金型を後退動作させて、所定厚みの発泡スペースを確保して、発泡反応を誘起させ、ソリッド層と発泡層とからなる発泡樹脂成形品を所要形状に成形するというものであり、その際、製品の周縁全長、あるいは周縁の一部に縦壁部が設けられ、この縦壁部の先端部分の内側に段部を肉抜き状に形成することで、ソリッド層のみからなる薄肉フランジが縦壁部の先端に形成され、更に、段部を形成するための金型側の段部におけるコーナー角度を45〜75°の範囲内に設定したため、発泡時に発生するシワを有効に制御でき、表面に垂れ下がり等の外観不良が生じることがなく、外観性能を高めるとともに、隣接部品に対する合わせ精度を良好に維持できるという効果を有する。
以下、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型一実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法を適用して製作したドアトリムロアを備えた上下二分割構造のドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同ドアトリムにおけるドアトリムロアの縦壁部の構成を示す断面図、図4は同ドアトリムにおけるドアトリムロアの成形に使用する成形金型の構成を示す概要図、図5は図4に示す成形金型における可動側金型のプレスチャート図、図6乃至図8は同ドアトリムロアの成形方法における各工程を示す説明図である。
図1,図2において、自動車用ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30の上下二分割体から構成されている。上記ドアトリムアッパー20には、インサイドハンドルエスカッション11、また、乗員が肘を載せるアームレスト部にはプルハンドル12やパワーウインドウスイッチフィニッシャー13が取り付けられている。一方、ドアトリムロア30には、備品を収容できるドアポケット用開口14が開設されているとともに、そのフロント側にスピーカグリル15がドアトリムロア30と一体、または別体に設けられている。
更に、上記ドアトリムアッパー20及びドアトリムロア30の構成については、図2に示すように、ドアトリムアッパー20は、樹脂芯材21の表面に表皮22を貼付してなる積層構造体から構成されており、樹脂芯材21の素材となる合成樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択されて良く、また、所望により合成樹脂にタルク、クレイ、木粉等のフィラーを混入しても良い。一方、表皮22は、TPO(サーモプラスチックオレフィン)に代表される熱可塑性エラストマー樹脂等の合成樹脂シート、あるいはTPOシート裏面にポリエチレンフォーム等のクッション層を裏打ちした積層シート材料等の合成樹脂シートが使用できる。
また、ドアトリムアッパー20を所望形状に成形するには、射出成形工法、モールドプレス成形工法が量産性を考慮した場合好適である。すなわち、成形金型内に表皮22をセットし、型締め後、あるいは型締め直前に溶融樹脂に射出充填することで、樹脂芯材21を所望の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材21の表面側に表皮22を一体貼着することができる。一方、ドアトリムロア30は、本発明では、合成樹脂中に発泡剤が混入された発泡樹脂成形品が使用されており、使用できる合成樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択される。また、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。
そして、図1,図2に示すドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との外観上のアクセント効果により、良好な製品外観を得られるとともに、成形金型のコンパクト化を図るとともに、特に、ドアトリムロア30を発泡樹脂成形品から構成することで、軽量化にも大きく貢献している。
ところで、このドアトリムロア30は、製品表面となる一般部32に対して一般部32の両側及び下縁にパネルP側に向けて折曲された縦壁部33が一体に成形され、更に、図3に示すように、その先端部分の内側に段部34を肉抜き状に形成することで、薄肉フランジ35が縦壁部33の先端部分に延設されている。尚、この縦壁部33は、ドアトリムロア30に立体感を付与するとともに、剛性を強化するために設けられている。更に、ドアトリムロア30の内部は、ソリッド層30a内部にセル構造の発泡層30bを含む二層構造になっており、この発泡層30bは、一般部32から縦壁部33にかけて延在しているが、薄肉フランジ35については、ソリッド層30aのみで構成されている。
次いで、縦壁部33、段部34及び薄肉フランジ35の特徴的な形状について説明する。すなわち、縦壁部33の板厚t1は、1.5〜3.5mmに設定され、薄肉フランジ35の板厚t2は、縦壁部33の板厚t1が2.0mm以下の場合はその1/2に、縦壁部33の板厚t1が2.0mm以上の場合は1.0mmにそれぞれ設定されている。
そして、本発明の特徴は、特に、段部34が鋭角状に形成されているため、縦壁部33端面の形状は段部面34a、薄肉フランジ35の内側面35a、底面35bのように凹凸状となり、段部面34aと薄肉フランジ35の底面35bに僅かにシワが生じるだけで、優れた外観意匠性が期待できる。尚、縦壁部33全体には型抜き方向に対して5〜20°の抜き角度が設けられているとともに、薄肉フランジ35の高さhは1.0〜1.5mmに設定されている。
従って、本発明に係るドアトリムロア30は、縦壁部33の先端部分にソリッド層30aのみからなる薄肉フランジ35を設定するとともに、鋭角状のコーナー角度をもつ段部34を設定したため、発泡層30bの内圧の影響を薄肉フランジ35がそれ程受けることがなく、薄肉フランジ35のコーナー部での垂れ下がり変形を有効に解消でき、外周ラインが蛇行することがなく、外観性能を良好に維持することができるとともに、隣接部品に対する合わせ精度を高めることができる。
次いで、上記ドアトリムロア30を成形するために使用する成形金型40の概略構成について図4を基に説明する。この成形金型40は、可動側金型50と、固定側金型60と、射出機70とから大略構成されている。更に詳しくは、上記可動側金型50は、図示しない駆動シリンダの動作により、型締め位置、型開き位置に加えて、発泡位置の3つのポジションをとるように駆動される。一方、固定側金型60は、射出機70から供給される溶融樹脂の樹脂通路となるホットランナ61、バルブゲート62を通じて型面に溶融樹脂が供給されるとともに、成形後の発泡樹脂成形品を突き出すためのエジェクタピン63が内装されている。
更に、可動側金型50と固定側金型60との間で画成されるキャビティC形状に沿って、ドアトリムロア30が所要形状に成形されるが、ドアトリムロア30の周縁に縦壁部33を延設するために、成形金型40は、キャビティCの外周部に縦壁部用キャビティC1が設定されている。また、縦壁部33に段部34を肉抜き状に形成するための段部64が固定側金型60に設けられ、この段部64のコーナー角度αは、45°≦α≦75°に設定されていることが特徴である。この時、段部64のコーナー角度αが45°未満の場合には段部面34aが過度に長くなるため、相手部品との合わせに支障が生じる不具合がある。逆に、段部64のコーナー角度αが75°を超える場合には従来と同様、縦壁部33の表面側にもシワが発生する不具合がある。すなわち、段部64のコーナー角度αを45°≦α≦75°に設定したため、可動側金型50の後退時においても、固定側金型60と当接するエリアが多いため、冷却効果が高い。従って、シワ発生は固定側金型60と非接触部位である段部面34aと薄肉フランジ35の底面35bとに集中させることができ、外観性能に悪影響を及ぼさない。
次いで、図5は、成形金型40における可動側金型50のプレスチャート図を示し、図6乃至図8は成形金型40を使用したドアトリムロア30の成形工程を経時的に示している。すなわち、可動側金型50は、型開き位置(図5のプレスチャート図中(a)に示すポイント)から下死点(図5のプレスチャート図中(b)に示すポイント)まで下降し、固定側金型60に対して一定のクリアランスを保つ地点まで可動側金型50が型締めされる。
そして、固定側金型60に対する可動側金型50の型締め後、図6に示すように、射出機70からホットランナ61、バルブゲート62を通じてキャビティC内に発泡樹脂材料Mが射出充填される。尚、発泡樹脂材料Mは、縦壁部用キャビティC1にも射出充填される。この時、図示はしないが、外部からキャビティC内にエアを強制導入し、発泡樹脂材料Mが発泡反応を行なわないようにキャビティC内に樹脂を充填するカウンタープレッシャー工法を採用することもできる。
発泡樹脂材料Mの射出充填工程が完了すれば、図5のプレスチャート図中(c)〜(d)で示すように、可動側金型50が型開き方向に後退する。この可動側金型50の後退動作では、図7に示すように、一般部のクリアランスが3.6mmになるように、後退ストロークの寸法Sは1.6mmに設定されている。尚、固定側金型60に設けられる段部64の寸法は、可動側金型50の後退ストロークの寸法Sを基準として設定されている。更に、図5のプレスチャート図中(d)〜(e)に示す発泡工程において、ソリッド層30a内の発泡樹脂材料Mが発泡して、発泡層30bが形成され、図8に示すように、所定厚みのドアトリムロア30が成形される。
本発明においては、図7,図8に示す可動側金型50の後退時、ドアトリムロア30における縦壁部33の先端部分に段部34及び薄肉フランジ35が形成されるように固定側金型60に段部64が設定されているとともに、特に、段部64のコーナー角度αが、45°≦α≦75°に調整されている。従って、ドアトリムロア30における縦壁部33の先端部分は薄肉フランジ35により剛性が強化され、かつ内部樹脂が発泡反応を誘起することなく、ソリッド層30aとして固化しているため、発泡内圧が外方に向けて加わることがないとともに、縦壁部33の端面については、固定側金型60との当接形態において、段部面34aと薄肉フランジ35の底面35bのように製品裏面側にシワ発生を集中させるため、縦壁部33の見栄えが良く、隣接部品に対する合わせ精度も向上する作用効果を有する。
以上説明した実施例は、上下二分割構造のドアトリム10におけるドアトリムロア30に適用したが、用途はこれに限定されることなく、発泡樹脂成形品全般に適用できる。更に、成形金型40の構造として、バルブゲート62を使用する以外に、例えば、サイドゲートタイプを使用することもでき、また、可動側金型50側にコア部、固定側金型60側にキャビティ部を設定することもできるとともに、発泡樹脂材料Mの射出充填時、キャビティ内に圧空エアを供給するカウンタープレッシャー工法を採用することも可能である。
本発明方法により成形したドアトリムロアを使用した上下二分割構造のドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1中III −III 線断面図である。 図1に示すドアトリムにおけるドアトリムロアを成形するための成形金型の概略構成を示す説明図である。 図4に示す成形金型における可動側金型のプレスチャート図である。 図4に示す成形金型を使用してドアトリムロアを成形するドアトリムロアの成形方法における発泡樹脂材料の射出充填工程を示す説明図である。 図4に示す成形金型を使用してドアトリムロアを成形するドアトリムロアの成形方法における可動側金型の後退動作を示す説明図である。 図4に示す成形金型を使用してドアトリムロアを成形するドアトリムロアの成形方法における発泡成形工程を示す説明図である。 従来の自動車用ドアトリムを示す正面図である。 従来の自動車用ドアトリムの成形方法に使用する成形金型の概略構成を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法における可動側金型のプレスチャート図である。 従来のドアトリムの成形方法における縦壁部の成形工程を示す説明図である。 従来の成形方法における不具合を示す説明図である。
符号の説明
10 自動車用ドアトリム
20 ドアトリムアッパー
30 ドアトリムロア
30a ソリッド層
30b 発泡層
32 一般部
33 縦壁部
34 段部
34a 段部面
35 薄肉フランジ
35a 内側面
35b 底面
40 成形金型
50 可動側金型
60 固定側金型
61 ホットランナ
62 バルブゲート
63 エジェクタピン
64 段部
70 射出機
C キャビティ
C1 縦壁部用キャビティ
M 発泡樹脂材料
t1 縦壁部の板厚
t2 薄肉フランジの板厚
h 薄肉フランジの高さ
α 固定側金型における段部のコーナー角度

Claims (2)

  1. 可動側金型(50)と固定側金型(60)との間に画成されるキャビティ(C)内に発泡樹脂材料(M)を射出充填した後、可動側金型(50)を後退させて、発泡スペースを確保した後、上記発泡樹脂材料(M)を発泡させることにより、所要形状に成形される発泡樹脂成形品(30)であって、外表面にソリッド層(30a)、内部に発泡層(30b)を有する発泡樹脂成形品(30)の成形方法において、
    前記発泡樹脂成形品(30)の周縁の全長、あるいは周縁の一部に縦壁部(33)が設定され、固定側金型(60)におけるキャビティ端末に段部(64)を設けることにより、上記縦壁部(33)の先端内側に段部(34)を肉抜き状に形成することで、縦壁部(33)の板厚(t1)に対して半減された板厚(t2)を有する薄肉フランジ(35)が縦壁部(33)の外側面と面一となるように、縦壁部(33)の先端に薄肉フランジ(35)を延設形成するとともに、上記固定側金型(60)の段部(64)におけるコーナー角度(α)を45°≦α≦75°に設定することで、段部面(34a)及び薄肉フランジ(35)の底面(35b)にシワ寄せを集中させたことを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  2. 可動側金型(50)と固定側金型(60)との間に画成されるキャビティ(C)内に発泡樹脂材料(M)を射出充填した後、可動側金型(50)を後退させて、発泡スペースを確保した後、上記発泡樹脂材料(M)を発泡させることにより、所要形状に発泡樹脂成形品(30)を成形するための成形金型(40)であって、
    前記成形金型(40)は、所定ストローク可動する可動側金型(50)と、可動側金型(50)との間で型締め、型開きされる固定側金型(60)と、固定側金型(60)と連設され、発泡樹脂材料(M)を供給する射出機(70)とから構成され、可動側金型(50)と固定側金型(60)との型締め時には、発泡樹脂成形品(30)の周縁の全長、あるいは周縁の一部に縦壁部(33)を形成するための縦壁部用キャビティ(C1)がキャビティ(C)の周縁の一部、あるいは全長に設定され、上記縦壁部(33)の先端内側に段部(34)を形成するために固定側金型(60)におけるキャビティ端末に段部(64)を形成するとともに、この段部(64)のコーナー角度(α)を45°≦α≦75°に設定したことを特徴とする成形金型。
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