JP5534571B2 - 発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置 - Google Patents

発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置 Download PDF

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Description

この発明は、ガス注入式射出成形工法を使用する発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置に係り、特に、キャビティ内のガス溜まりを解消することで、外観性能を良好に維持できる発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置に関する。
図9はドアパネル(図示せず)の室内側に装着される自動車用ドアトリム1を示すもので、このドアトリム1は、軽量で耐衝撃性能に優れ、所望の剛性を維持するとともに、コストも廉価なことから、ポリプロピレン樹脂に発泡剤を添加した発泡樹脂材料を所要形状に成形してなる発泡樹脂成形品が多く使用される傾向にある。また、このドアトリム1は、その表面中央に中接部1aが設定され、中接部1aの周縁には溝部1bが形成されている。更に、中接部1aの下方には、乗員が肘を掛けて休めるように室内側に膨出するアームレスト1cが形成されるとともに、アームレスト1cの下部側には、ドアポケット用開口1dが開設され、そのフロント側にスピーカグリル1eがドアトリム1と一体、あるいは別体に設けられている。
この種発泡樹脂成形品を使用したドアトリム1を所要形状に成形する従来の成形方法について説明する。まず、図10,図11に示すように、このドアトリム1を成形する際に使用する成形装置2は可動側金型3と固定側金型4とから大略構成されている。更に詳しくは、可動側金型3は、昇降シリンダ3aの駆動により所定ストローク昇降動作を行ない、下方に位置する固定側金型4との間で型締め、型開きが行なわれ、所定スペースのキャビティCが画成される。一方、固定側金型4には、図示しない射出機から供給される発泡樹脂材料Mの樹脂通路となるマニホールド4a、ゲート4bが設けられており、射出機から供給される発泡樹脂材料Mがマニホールド4a、ゲート4bを通じてキャビティC内に射出充填される。また、可動側金型3が下死点まで下降して、固定側金型4との型締め時には全周に沿って配設されているシール部材5により、可動側金型3と固定側金型4との間のシール性能が良好に維持されている。
従来の成形装置2においては、発泡樹脂材料MをキャビティC内に充填する前にキャビティCの内圧を高めるガスブローを行なう一方、発泡反応時においては、キャビティC内のガスを外部に抜気するバキュームを行なうためのブロー・バキューム機構6が設けられている。すなわち、可動側金型3と固定側金型4との間のパーティング面に臨む共用配管6aが切替バルブ6bを介してそれぞれブロワ6c、バキュームポンプ6dに分岐接続されている。
次に、ドアトリム1の発泡成形方法の従来例について説明する。まず、図12(a)に示すように、可動側金型3と固定側金型4とが型締めされた状態で、ブロー・バキューム機構6のブロワ6cからガスが共用配管6aを通じてキャビティC内に吹き付けられ、キャビティCの内圧が高圧に維持される。その後、図12(b)に示すように、図示しない射出機からマニホールド4a、ゲート4bを通じてキャビティC内に発泡樹脂材料Mが射出充填される。この時、発泡樹脂材料Mは、キャビティCの内圧が高まっているため、早期の発泡反応が抑えられ、キャビティC内に発泡樹脂材料Mが迅速に充填される。そして、発泡樹脂材料Mが充填された後、図12(c)に示すように、可動側金型3を型開方向に後退操作するとともに、ブロー・バキューム機構6の切替バルブ6bを切り替え、バキュームポンプ6dを稼動させてキャビティC内のガスを外部に抜気して、キャビティCの内圧を低滅させた状態で発泡反応を行なわせる。このカウンタープレッシャー工法を使用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置については、特許文献1に詳細に記載されている。
特公昭51−27266号公報
このように、カウンタープレッシャー工法を使用してドアトリム1を成形する従来工法においては、図12(c)に示す発泡工程時、キャビティC内の余剰ガスをブロー・バキューム機構6により外部に除去する際、中接部1aの造形上及び型構造上、可動側金型3と固定側金型4との間のクリアランスが狭いために余剰ガスを完全に除去しきれず、図13に示すように、特に中接部1aの製品表面にガスが残留することが原因となり、製品表面に微小凹凸(俗にユズ肌と呼ばれる)aが生じ、外観不良が頻発するという不具合が指摘されている。このことは、中接部1aに限るものではなく、形状的にキャビティC内にガスが残留し易い箇所に生じる傾向にある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、カウンタープレッシャー工法を使用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置であって、発泡樹脂材料の発泡反応時、余剰ガスがキャビティ内に滞ることなく、確実に外部に抜気処理されることで、発泡反応が良好に行なわれ、外観性能に優れた発泡樹脂成形品を量産できる発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明者等は、カウンタープレッシャー工法を使用して、軽量でかつ剛性が強化された発泡樹脂成形品を精度良く成形する成形方法並びに成形装置において、例えば、ドアトリムの中接部等、部分的に余剰ガスが溜まり易く、外周からのバキュームだけでは余剰ガスを除去しきれない特定部位に対して局部的に専用のバキューム機構を設けることにより、従来不具合を有効に解決できることに着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、可動側金型と固定側金型とを型締めすることで形成されるキャビティ内にブロー・バキューム機構を通じてガスを注入して、キャビティの内圧を高めた状態で発泡樹脂材料をキャビティ内に射出充填し、その後、可動側金型を寸開操作するとともに、キャビティ内のガスをブロー・バキューム機構を通じて外部に抜気して、キャビティの内圧を低減することで発泡反応を促進させて発泡成形を行なう発泡樹脂成形品の成形方法において、前記固定側金型には、そのパーティング面に、一対のシール部材が対向して設けられるとともに、前記発泡反応時において前記キャビティ内でガスが滞留し易い部位から前記一対のシール部材間を通じてガスを外部に抜気する手段として、前記一対のシール部材間に配管を接続してなる構成の局部専用バキューム機構が備わっており、発泡反応時には、ブロー・バキューム機構と、局部専用バキューム機構とを駆動させて、キャビティの内圧を一定かつ低減した状態で発泡成形を行なうことを特徴とする。
更に、本発明方法に使用する成形装置は、ガス注入式射出成形工法を使用する発泡樹脂成形品の成形装置であって、前記成形装置は、所定ストローク上下動可能な可動側金型と、発泡樹脂材料の供給機構と連設する固定側金型と、発泡樹脂材料の充填前にキャビティの内圧を所定値に高めるガスを供給するとともに、発泡反応時においては、キャビティ内のガスを外部に抜気するブロー・バキューム機構と、を具備し、前記固定側金型には、そのパーティング面に、一対のシール部材が対向して設けられるとともに、前記発泡反応時において前記キャビティ内の局部に滞るガスを外部に抜気する手段として、前記一対のシール部材間に配管を接続してなる構成の局部専用バキューム機構(60)が設けられていることを特徴とする。
ここで、発泡樹脂成形品は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等、自動車用内装部品全般に適用できるが、特に、中接用溝部等の型の抜き角が設けられておらず、可動側金型と固定側金型との間に充分な抜気ができるクリアランスが取れない形状部分を備えた内装部品に適している。更に、発泡樹脂成形品としては、合成樹脂中に発泡剤を混入した材料が使用されており、使用できる合成樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択して良く、合成樹脂に対して添加する発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。
そして、本発明方法は、ガス加圧工程、発泡樹脂の充填工程、発泡樹脂の発泡工程の三工程からなり、ガス加圧工程においては、可動側金型と固定側金型とを型締めすることにより画成されるキャビティ内にブロー・バキューム機構からガスが供給され、キャビティの内圧が高圧に維持される。その後、キャビティ内に発泡樹脂材料が充填されるが、キャビティの内圧がガスの供給により高まっているため、発泡反応が抑えられた未発泡の状態で速やかに発泡樹脂材料がキャビティ内に隈なく充填される。そして、発泡樹脂材料の充填が完了すれば、発泡樹脂の発泡反応が誘起されて発泡樹脂成形品が成形される。この時、可動側金型が寸開操作され、かつ余剰ガスを外部に排出するが、この余剰ガスの外部への排出については、外周に設けられた既存のブロー・バキューム機構から抜気されると同時に、中接部等、余剰ガスが滞り易い部位について、専用のバキューム機構により余剰ガスを速やかに外部に抜気することができる。
従って、本発明方法によれば、部分的にキャビティ内のガスが溜まり易く、外周からのバキュームだけでは余剰ガスを抜ききれない部位に対して、専用のバキューム機構を設けることにより、キャビティ内部にガスが滞留することで発泡を阻害することがなく、ユズ肌等の外観不良をなくし、外観性能を高めた発泡樹脂成形品を提供することができる。
以上説明した通り、本発明に係る発泡樹脂の成形方法並びに成形装置は、カウンタープレッシャー工法を採用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置であって、キャビティ内にガスが溜まり易く、外周からのバキュームだけでは余剰ガスを抜ききれない部位に対して、専用のバキューム機構を配設することで、発泡工程時におけるガスの抜気を確実に行なうことができるというものであるから、軽量でかつ剛性が強化された発泡樹脂成形品の外観性能を良好に維持できるという効果を有する。
本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 本発明に係る発泡樹脂成形品の成形装置の一実施例の全体構成を示す断面図である。 図3に示す成形装置における固定側金型の平面図である。 図1に示すドアトリムの成形方法におけるキャビティ内へのガス加圧工程を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法における発泡樹脂材料の射出充填工程を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法におけるキャビバック工程を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法における発泡樹脂材料の発泡成形工程を示す説明図である。 従来のカウンタープレッシャー工法を使用して成形した発泡樹脂成形品の一例であるドアトリムの従来例を示す正面図である。 従来のドアトリムを成形する成形装置の全体構成を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形装置における固定側金型の平面図である。 従来のドアトリムの成形方法における各工程を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形方法における不具合点を示す説明図である。
以下、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置の好適な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムにおける中接用溝部付近の構成を示す断面図、図3は本発明に係る発泡樹脂成形品の成形装置の概略構成を示す全体図、図4は図3に示す成形装置における固定側金型の平面図、図5乃至図8は本発明方法をドアトリムの成形方法に適用した各工程を示す説明図である。
図1,図2において、本発明方法を適用したドアトリム10は、図示しない車両のフロント側ドアパネルの室内面側に図示しないクリップ等の固着手段を介して取り付けられており、軽量でかつ剛性が強化された発泡樹脂成形品から構成されている。更に、製品表面の中央部分には、中接部11が設定され、この中接部11に別途装飾シートを貼付しても良い。更に、この中接部11の周縁には、中接用溝部12が凹設されている。また、中接部11の下方には、乗員が肘を掛けて休めるように室内側に膨出するアームレスト13が設定され、このアームレスト13の更にフロント側下方には、図示しないポケットカバーを取り付けるためのポケット取付用フランジ14が設定されている。
更に詳しくは、本発明方法により製作されるドアトリム10は、図2に示すように、発泡層10aの表裏面側にスキン層10bが積層されて構成されており、特に、軽量でかつ剛性が強化され、しかも発泡倍率も広範囲に設定できるカウンタープレッシャー工法が採用されている。すなわち、発泡樹脂材料の充填時には、キャビティC内にガスを注入して、キャビティCの内圧を高め、かつ発泡反応時にはキャビティC内のガスを抜気して、キャビティCの内圧を低めるという工法を採用すれば、造形上及び型構造上の制約を受けることなく、しかも、製品外観に凹凸不良等が生じることがなく、優れた外観意匠性が得られることが特徴である。従って、図2,図13を対比すれば明らかなように、本発明に方法においては、中接部11の製品表面に通常ユズ肌と呼ばれる微小凹凸(図13中符号aで示す)が生じることがなく、優れた外観意匠性を備えている。
次いで、図1,図2に示すドアトリム10の成形方法に使用する成形装置20の全体構成について、図3,図4を基に説明する。まず、この成形装置20は、カウンタープレッシャー工法を採用した発泡樹脂成形品の成形方法に使用される。具体的には、成形装置20は、相互に型締め、型開き可能な可動側金型30、並びに固定側金型40と、発泡樹脂材料Mの射出充填時におけるキャビティCの内圧を高める一方、発泡樹脂材料Mの発泡反応時にキャビティCの内圧を低めるためにそれぞれガスブロー並びにバキュームに用いるためのブロー・バキューム機構50と、更に、中接部11のように、余剰ガスが滞留し易い特定部位に局部的に設けられる中接部専用バキューム機構60とから構成されている。尚、ブロー・バキューム機構50において使用するガスは、N2 ガス、CO2 ガスの他、工場エア等も使用できる。
更に、可動側金型30は、昇降シリンダ31により所定ストローク上下動可能であるとともに、可動側金型30の型面には、ドアトリム10の製品形状に即した曲面形状に設定され、中接用溝部12に対応するように凸条32が設けられている。一方、固定側金型40には、図示しない射出機から供給される発泡樹脂材料Mの樹脂通路としてのマニホールド41、ゲート42が設けられているとともに、上記中接用溝部12に対応する部位に凹溝43が形成されている。
そして、上記可動側金型30と固定側金型40とは、発泡樹脂材料Mを射出充填する際は、可動側金型30が下死点まで下降しており、狭いクリアランスに調整されることで、キャビティCの内圧を高めて、発泡反応を抑えた状態で発泡樹脂材料Mの射出充填が行なわれる。発泡樹脂材料MのキャビティC内への射出充填を完了した後は、キャビティCの内圧を低めるために、キャビティC内の余剰ガスを外部に抜気するとともに、可動側金型30を微小ストローク寸開操作する。発泡樹脂材料Mの射出充填時にキャビティCの内圧を高めるブロー・バキューム機構50としては、まず、可動側金型30と固定側金型40のパーティング面に沿って全周シール部材51が配設されており、全周シール部材51の内側の4隅部において、共用配管52が外部に接続しており、この共用配管52に切替弁53が設けられ、ブロワ54とバキュームポンプ55にそれぞれ分岐接続している。従って、切替弁53を操作することにより、キャビティC内にブロワ54からガスを供給することで、キャビティCの内圧を高めることが可能であるとともに、切替弁53を操作して、キャビティC内の余剰ガスを外部に抜気することで、キャビティCの内圧を低く制御することが可能である。
更に、本発明方法においては、特に、中接部11のように、余剰ガスが滞留し易い特定部位に中接部専用バキューム機構60を設けることが特徴であり、そのために、図3,図4に示すように、一対の専用シール部材61を中接用溝部12を形成するラインから延長するパーティング面に対向して設けるとともに、専用シール部材61間のパーティング面に専用配管62を配設し、開閉弁63を設け、バキュームポンプ64に上記専用配管62を接続するという構成が採用されている。そして、発泡樹脂材料Mの発泡時において上記中接部専用バキューム機構60を作用させることで、キャビティC内の全ての部位において余剰ガスを確実に抜気でき、ユズ肌等の外観不良がなく、美麗な外観性能を備えたドアトリム10の成形が可能となる。
以下、図5乃至図8に基づいて、本発明方法の各工程について説明する。まず、図5に示すように、ドアトリム10を成形する初期段階としては、まず、可動側金型30が昇降シリンダ31の駆動により所定ストローク下降して、可動側金型30と固定側金型40とが型締めされる。この時、発泡樹脂材料MはまだキャビティC内に供給されておらず、ブロワ54からガスが共用配管52を通じてキャビティC内に送り込まれ、キャビティCの内圧は高圧に設定されている。
次いで、図6に示すように、射出機から発泡樹脂材料Mがマニホールド41、ゲート42を通じてキャビティC内に射出充填されるが、キャビティCの内圧が高く制御されているため、発泡樹脂材料Mは発泡反応が抑えられた状態でキャビティC内に迅速にいきわたる。
その後、図7に示すように、昇降シリンダ31の駆動により可動側金型30を型開方向に寸開操作するとともに、ブロー・バキューム機構50の切替弁53を操作して、バキュームポンプ55から中接部11以外の部分の余剰ガスを外部に抜気するとともに、中接部11に相当する部位については、中接部専用バキューム機構60の開閉弁63を開放操作することで、バキュームポンプ64の専用配管62を通じて中接部11に相当する部分の余剰ガスを完全に外部に抜気し、図8に示すように、発泡樹脂材料Mを発泡させて発泡層10aとスキン層10bとの積層体からなるドアトリム10を外観性能を良好に維持しながら成形することができる。
このように、本発明方法を採用すれば、カウンタープレッシャー工法を前提としているため、発泡樹脂材料Mの射出充填時には、キャビティCの内圧が高く、発泡反応を抑えた状態で発泡樹脂材料Mの射出充填が可能となり、その後、可動側金型30を型開方向に寸開操作するとともに、余剰ガスを外周に設けたブロー・バキューム機構50のバキューム作用により外部に抜気することで、キャビティCの内圧を低く制御して、発泡樹脂材料Mの発泡成形を円滑に行なうというものであり、特に、中接部11等、造形的に余剰ガスが滞留し易い特定部位に中接部専用バキューム機構60を設定することで、発泡樹脂材料Mの発泡反応時におけるキャビティCの内圧を適正に制御でき、凹凸不良が生じ易い中接部11等の外観性能を美麗に維持できるという効果がある。
以上説明した実施例は、ドアトリム10の成形方法に適用したが、用途はこれに限定されることなく、ガス注入式射出成形工法を使用する発泡樹脂成形品全般に適用することができる。また、キャビティC内の余剰ガスの滞留し易い特定部位に設ける専用バキューム機構としては、実施例のように、中接部専用バキューム機構60に限定されることなく、一般部の溝部を有するエリア、スピーカグリル部等、余剰ガスが生じ易い箇所に適用することができる。
10 ドアトリム(発泡樹脂成形品)
10a 発泡層
10b スキン層
11 中接部
12 中接用溝部
13 アームレスト
14 ポケット取付用フランジ
20 成形装置
30 可動側金型
31 昇降シリンダ
32 凸条
40 固定側金型
41 マニホールド
42 ゲート
43 凹溝
50 ブロー・バキューム機構
51 全周シール部材
52 共用配管
53 切替弁
54 ブロワ
55 バキュームポンプ
60 中接部専用バキューム機構
61 専用シール部材
62 専用配管
63 開閉弁
64 バキュームポンプ
M 発泡樹脂材料
C キャビティ

Claims (2)

  1. 可動側金型(30)と固定側金型(40)とを型締めすることで形成されるキャビティ(C)内にブロー・バキューム機構(50)を通じてガスを注入して、キャビティ(C)の内圧を高めた状態で発泡樹脂材料(M)をキャビティ(C)内に射出充填し、その後、可動側金型(30)を寸開操作するとともに、キャビティ(C)内のガスをブロー・バキューム機構(50)を通じて外部に抜気して、キャビティ(C)の内圧を低減することで発泡反応を促進させて発泡成形を行なう発泡樹脂成形品(10)の成形方法において、
    前記固定側金型(40)には、そのパーティング面に、一対のシール部材(61)が対向して設けられるとともに、前記発泡反応時において前記キャビティ(C)内でガスが滞留し易い部位から前記一対のシール部材(61)間を通じてガスを外部に抜気する手段として、前記一対のシール部材(61)間に配管(62)を接続してなる構成の局部専用バキューム機構(60)が備わっており、
    前記発泡反応時には、前記ブロー・バキューム機構(50)と、前記局部専用バキューム機構(60)とを駆動させて、前記キャビティ(C)の内圧を一定かつ低減した状態で発泡成形を行なうこと
    を特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  2. ガス注入式射出成形工法を使用する発泡樹脂成形品の成形装置(20)であって、
    前記成形装置(20)は、
    所定ストローク上下動可能な可動側金型(30)と、
    発泡樹脂材料(M)の供給機構と連設する固定側金型(40)と、
    発泡樹脂材料(M)の充填前にキャビティ(C)の内圧を所定値に高めるガスを供給するとともに、発泡反応時においては、キャビティ(C)内のガスを外部に抜気するブロー・バキューム機構(50)と、を具備し、
    前記固定側金型(40)には、そのパーティング面に、一対のシール部材(61)が対向して設けられるとともに、前記発泡反応時において前記キャビティ(C)内の局部に滞るガスを外部に抜気する手段として、前記一対のシール部材(61)間に配管(62)を接続してなる構成の局部専用バキューム機構(60)が設けられていること
    を特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
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