JPH11245254A - カウンタプレッシャ成形方法 - Google Patents

カウンタプレッシャ成形方法

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JPH11245254A
JPH11245254A JP4666498A JP4666498A JPH11245254A JP H11245254 A JPH11245254 A JP H11245254A JP 4666498 A JP4666498 A JP 4666498A JP 4666498 A JP4666498 A JP 4666498A JP H11245254 A JPH11245254 A JP H11245254A
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JP
Japan
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gas
resin
cavity
mold
filled
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Application number
JP4666498A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamaki
宏 山木
Yoshinobu Matsuura
良暢 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非発泡性樹脂のカウンタプレッシャ成形にお
いて、四方を取り囲んだ樹脂が会合することで樹脂で満
たされるキャビティ3内のガス溜り部にカウンタプレッ
シャ用のガスが閉じ込められることによる成形品の表面
欠陥を防止する。 【解決手段】 キャビティ3を金型1外に連通させる隙
間がシールされ、それぞれ開閉制御できる複数経路のガ
ス流路11a,11bがキャビティ3に連通した金型1
を用い、溶融した樹脂の射出時に、ガス溜り部またはそ
の付近に連通したガス流路11bから、ガス溜り部が樹
脂で満たされる前にガスの排出を行った後、キャビティ
3の他の箇所に連通するガス流路11aからのガスの排
出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型のキャビティ
にガスを封入した後に非発泡性樹脂を射出するカウンタ
プレッシャ成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カウンタプレッシャ成形は、キャ
ビティから金型外に連通する隙間をシールすると共に、
カウンタプレッシャ用のガスを供給・排出するためのガ
ス流路を設けた金型を用い、ガス流路を介してキャビテ
ィ内に所定圧力のガスを封入した後、溶融した樹脂をキ
ャビティへ射出すると共にキャビティ内のガスを排出す
ることで行われている。
【0003】上記カウンタプレッシャ成形は、一般的に
は発泡性樹脂を用いた成形に利用されているが、非発泡
性樹脂を用いた成形にも利用されている。
【0004】例えば特開昭62−231715号公報に
は、水分含有ポリマーアロイの射出成形にカウンタープ
レッシャー成形を用い、水分の気化を抑えながら成形す
る方法が示されており、カウンタープレッシャ用のガス
として空気、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスが挙げら
れている。
【0005】一方、J.Appl.Polym.Sc
i.,Vol.30,2633(1985)等の文献に
示されるように、二酸化炭素を樹脂に吸収させると可塑
剤として作用し、ガラス転移点を低下させることが知ら
れている。この現象を樹脂成形加工に応用した例とし
て、ドイツ国特許DE4314869号に、高圧容器内
でポリエステルに超臨界状態の二酸化炭素や炭化水素等
を溶解させてガラス転移点を低下させ、50℃程度の低
温で成形を行えるようにする方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出された
樹脂でキャビティが充満されるまでの過程において、キ
ャビティの一部に、四方から樹脂で取り囲まれ、この四
方を取り囲んだ樹脂が会合することで樹脂で満たされる
空間(ガス溜り部)を生じることがある。このガス溜り
部の発生は、金型の設計によって回避することもできる
が、成形品の形状や金型設計上の制限から、避けること
ができない場合も少なくない。
【0007】特に非発泡性樹脂のカウンタプレッシャ成
形において上記ガス溜り部を生じると、カウンタプレッ
シャ用にキャビティに封入されたガスが閉じ込められ、
四方から会合する樹脂で高圧に圧縮された状態で成形品
中に閉じ込められることになる。閉じ込められたガス
は、一部は樹脂中へ溶解し、残部は樹脂中に入り込んで
樹脂を発泡させ、ガス溜り部部におけるウエルド部を白
化させ、成形品の表面欠陥の原因となる。
【0008】本発明は、上記非発泡性樹脂のカウンタプ
レッシャ成形における問題点にかんがみてなされたもの
で、ガス溜り部にカウンタプレッシャ用のガスが閉じ込
められることによる成形品の表面欠陥を防止することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、キャビティから金型外に連通する隙間が
シールされ、それぞれ開閉制御できる複数経路のガス流
路がキャビティに連通した金型を用い、この金型のキャ
ビティにガス流路を介してガスを封入し、次いで溶融し
た非発泡性樹脂をキャビティに射出すると共に、四方を
取り囲んだ樹脂が会合すことで樹脂で満たされるキャビ
ティ内のガス溜り部またはその付近に連通したガス流路
から、ガス溜り部が樹脂で満たされる前にガスの排出を
行った後、キャビティの他の箇所に連通するガス流路か
らのガスの排出を行うことを特徴とするカウンタプレッ
シャ成形方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に示される金型1は、図2に
示されるような成形品を成形するためのものである。こ
の成形品は、薄肉箱形部2aと、薄肉箱形部2aの内側
底面に一体に形成された厚肉の2つの枠状突出部2bと
から構成されたものとなっている。
【0011】金型1は、図1に示されるように、固定型
1aと可動型1bとの間にキャビティ3を形成してい
る。キャビティ3は、図2に示される成形品の薄肉箱形
部2aを成形するための薄肉箱形空間3aと、厚肉の枠
状突出部2を成形するための幅広枠状凹部3bとから構
成されている。また、このキャビティ3への溶融樹脂の
供給は、両枠状凹部3bの間の中央部(両枠状突出部2
bの間の中央部に対応する位置)から行われるものとな
っている。
【0012】上記のような金型1のキャビティ3内に溶
融樹脂を射出すると、キャビティ3の中央部分を満たし
た樹脂は、幅広で流動抵抗の小さな幅広枠状凹部3b内
に優先的に流入し、枠状凹部3b内の薄肉箱形空間3a
(枠状突出部2b内の底面部分)は薄く流動抵抗が大き
いため、幅広枠状凹部3bを満たしてあふれ出た樹脂で
後から満たされることになる。すなわち、枠状凹部3b
内の薄肉箱形空間3aは、射出された樹脂でキャビティ
3が充満されるまでの過程において、四方から樹脂で取
り囲まれ、この四方を取り囲んだ樹脂が会合することで
樹脂で満たされる空間(ガス溜り部)となっている。
【0013】さらに金型1について説明する。
【0014】金型1は、キャビティ3から金型1外へ連
通する隙間がシールされ、キャビティ3に供給されるカ
ウンタプレッシャ用のガスが無駄に金型1外へ漏れない
ようになっている。
【0015】まず、固定型1aと可動型1b間のパーテ
ィング部はOリング4aでシールされ、固定型1aと取
り付けプレート5間の隙間はOリング4bでシールさ
れ、可動型1bと補助プレート6間の隙間はOリング4
cでシールされている。
【0016】また、前記ガス溜り部に向かって可動型1
bおよび補助プレート6を貫通したエジェクタピン7が
設けられており、このエジェクタピン7まわりの隙間を
介してエジェクタピン7の後端部側へガスが漏れ出るこ
とを防止するために、環状凹形パッキン8が設けられて
いる。
【0017】上記環状凹形パッキン8は、図3に明示さ
れるように、片面に環状凹部9を有し、この環状凹部9
側の内縁部が外縁部よりやや低くなった断面略凹形をな
している。環状凹形パッキン8は、エジェクタピン7の
貫通部を中心にして、補助プレート6の可動型1bと接
する側の面に形成された座ぐり状の窪み部10内に、そ
の環状凹部9をキャビティ3側へ向けて嵌め込まれてい
る。このため、キャビティ3からエジェクタピン7と可
動型1b間の隙間を介して環状凹形パッキン8の設置位
置へ流出してきたガスの一部は環状凹部9内へ流れ込
み、環状凹部9側の内縁部と外縁部を左右に押し広げる
ことになる。従って、環状凹形パッキン8は、エジェク
タピン7の外周面と窪み部10の周側面に確実に密着
し、キャビティ3からエジェクタピン7の後端部方向へ
のガス漏れを防止することになる。なお、環状凹形パッ
キン8は、その環状凹部9側の外縁部先端が可動型1b
に強く接していると、外縁部と窪み部10の周側面との
密着が妨げられてしまうので、環状凹部9側の外縁部先
端は可動型1bからやや離されており、可動型1bと補
助プレート6間をシールするものではない。
【0018】可動型1bには、2つの経路のガス流路1
1a,11bが形成されている。
【0019】ガス流路11aは、キャビティ3内へのカ
ウンタプレッシャ用のガスの供給とその排出を行うガス
の通路で、バルブ12aによって開閉されるものとなっ
ている。ガス流路11aの先端は、固定型1aと可動型
1b間のパーティング部のOリング4aの内側部分に連
通されており、後端は、カウンタプレッシャ用のガス源
(図示されていない)と、大気またはガス回収タンク
(図示されていない)との間で接続が切り換えられるよ
うになっている。
【0020】ガス流路11bは、ガスの排出を行うガス
の通路で、バルブ12bによって開閉されるものとなっ
ている。ガス流路11bの先端は、可動型1bと補助プ
レート6間の隙間に接続されており、後端は大気または
ガス回収タンク(図示されていない)に接続されている
ものである。
【0021】次に、上記の金型1を用いた本発明のカウ
ンタプレッシャ成形方法を説明する。
【0022】先ず、金型1を閉じ、バルブ12bを閉じ
た状態で、ガス流路11aをカウンタプレッシャ用のガ
ス源に接続してバルブ12aを開放する。ガス源からの
ガスは、ガス流路11aと、固定型1aと可動型1b間
のパーティング部を介してキャビティ3内に封入され
る。キャビティ3内を十分にカウンタプレッシャ用のガ
スで置換する必要がある場合には、当初バルブ12bを
開いておき、キャビティ3内の空気が十分押し出された
後にこのバルブ12bを閉じるようにすればよい。
【0023】上記のようにしてキャビティ3内に所定圧
のガスを封入した後、両バルブ12a,12bが閉鎖さ
れた状態で、溶融した樹脂をキャビティ3へ射出する。
前述したように、枠状凹部3b内の薄肉箱形空間3aは
ガス溜り部であることから、このまま放置すると、この
部分でガスが樹脂中に閉じ込められて過剰に圧縮され、
成形品の表面欠陥を生じることになる。
【0024】そこで本発明では、ガス溜り部が、その四
方を取り囲んだ樹脂が会合して樹脂で満たされる前に、
このガス溜り部のガスを他の箇所のガスよりを先行して
排出することとしているものである。すなわち、ガス溜
り部が樹脂で満たされる前に、このガス溜り部に連通し
たガス流路11bバルブ12bを開放し、樹脂に包み込
まれつつあるガスを、可動型1bとエジェクタピン7間
の隙間および可動型1bと補助プレート6間の隙間を介
してガス流路12bから排出するものである。このよう
にすることによって、カウンタプレッシャを維持しつ
つ、ガス溜り部におけるガスの残留圧縮を防止すること
ができる。
【0025】上記ガス流路11bのバルブ12bの開放
後は、通常のカウンタプレッシャ解除のタイミング(キ
ャビティ3を満たす所定量の樹脂の射出完了と同時もし
くはその直前または直後)で、予め大気またはガス回収
タンクへと接続を切り換えたガス流路11aのバルブ1
2aを開放し、必要なキャビティ3内のガスの排出を行
って、キャビティ3内を樹脂で満たすようにすればよ
い。
【0026】なお、図1に示される金型1においては、
ガス流路11bがガス溜り部に連通されているが、ガス
溜り部に包み込まれるガスの圧力をある程度軽減してや
れば表面欠陥の発生を抑制できるので、ガス溜り部に包
み込まれるガスをある程度排出できる位置であれば、ガ
ス流路11bをガス溜り部自体ではなく、その付近に連
通させておいてもよい。
【0027】本発明のカウンタプレッシャ成形は、溶融
した樹脂に溶解することで当該樹脂の固化温度を低下さ
せるガスを用いると共に、キャビティ3に射出された樹
脂の冷却を、キャビティ3内でガスが溶解することで低
下した樹脂の固化温度を超える金型温度で行う成形に最
も適したものである。このカウンタプレッシャ成形によ
ると、成形品の金型転写性が著しく向上し、表面状態の
良好な成形品を得ることができるが、前述のガス溜り部
でのガスの抱き込みを生じると表面欠陥を生じてしま
い、当該カウンタプレッシャ成形を行う意味が薄れるこ
とになる。
【0028】ところで、上記カウンタプレッシャ成形
は、樹脂に溶解して当該樹脂の固化温度を低下させるガ
スをカウンタプレッシャ用に用いることで、このガスを
樹脂充填工程中に樹脂表層へ溶解させ、キャビティ3内
で樹脂表面層の固化温度を一時的に下げ、上記金型温度
と相俟って樹脂表層の固化を遅らせることで、成形品の
金型転写性を著しく向上させるものである。
【0029】さらにこの金型転写性の向上メカニズムに
ついて説明する。
【0030】射出成形では、樹脂はキャビティ3内を常
に層流で流れ、冷却された金型表面に接触するとその界
面に固化層が形成され、後から充填される樹脂はその固
化層の内側を流動して前進し、樹脂流動先端部(フロー
フロント)に達してから金型表面に向かうファウンテン
フローと呼ばれる流動をする。キャビティを二酸化炭素
等の適当な圧力のガスで満たしてから樹脂を充填する
と、ガスは流動樹脂のフローフロントで吸収されたり、
金型表面と樹脂の界面に入り込み、樹脂表層に溶解す
る。樹脂に溶解したガスは可塑剤として作用し、樹脂表
層だけ固化温度を選択的に低下させたり、樹脂の溶融粘
度を下げる。薄い樹脂表層だけ固化温度が下がり、固化
温度が金型表面温度以下となれば、樹脂充填工程中の固
化が起きず、成形品の金型表面転写性を著しく改良する
ことができることになる。樹脂表層に溶解したガスは、
時間とともに樹脂内部に拡散し、樹脂表層の固化温度が
上昇するため、通常の樹脂冷却時間内で表層は固化し、
製品として取り出すことができる。
【0031】以下、上記樹脂の固化温度を低下させるガ
スを用いたカウンタプレッシャ成形についてさらに説明
する。
【0032】使用される樹脂は、一般の射出成形等に使
用できる熱可塑性樹脂である。良好に使用できるのは非
結晶性熱可塑性樹脂、非結晶性樹脂が主成分の熱可塑性
ポリマーアロイ、あるいは結晶化度が低い一部の結晶性
熱可塑性樹脂である。具体的には、ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、ゴム強化ポリスチレ
ン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、ABS
樹脂、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共
重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等のメタ
クリル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテルあるいはポリスチレン等を
配合した変成ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリ
レート、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等の塩化ビニル系樹脂等が好ましい。さらにこれらの
樹脂のブレンド、これらの非結晶性樹脂に一部の結晶性
樹脂を配合した樹脂、無機物や有機物の各種充填材が配
合された樹脂でもよい。また、樹脂は、使用するガスと
の組み合わせを考慮し、ガスが溶解しやすいものを選択
することが好ましい。
【0033】樹脂の固化温度は、溶融した樹脂が金型1
内で固化する温度であり、非結晶性樹脂ではガラス転移
温度、結晶性樹脂では結晶化開始温度である。非相溶系
ポリマーアロイにおいては、海島構造の海を構成する樹
脂の、ガラス転移温度または結晶化開始温度である。こ
こで、結晶性樹脂の結晶化開始温度は、示差熱量計を用
いて樹脂を成形時の温度まで加熱し溶融させた後、20
℃/分の速度で冷却し、樹脂の結晶化による発熱が最初
に認められる温度とする。
【0034】また、ガスとしては、樹脂に溶解して当該
樹脂の固化温度を低下させるものが使用されるが、現実
的には、使用する該樹脂の固化温度において空気の2倍
以上の溶解度を有し、樹脂の可塑化効果を有するガスで
ある。具体的には二酸化炭素、メタン、エタン、プロパ
ンなどの炭化水素およびその一部水素をフッ素等で置換
したもの(フロン等)、これらの混合物等であり、使用
する樹脂への溶解度を考慮して選択される。この中で、
二酸化炭素は、安全性、価格、取り扱いやすさ等の点で
最も良好に使用できるだけでなく、樹脂に良く溶解して
可塑剤となり、樹脂の固化温度を低下させる効果も大き
いことから好ましい。
【0035】上記ガスをキャビティ3に封入するガス圧
力が高いほど多量のガスが樹脂に溶解し、より固化温度
が低くなり、低い金型温度でも樹脂充填工程中の固化を
防止できることになる。実用的には、要求される金型転
写性の程度、樹脂やガスの種類、金型温度等から必要な
ガスの封入圧力が決まり、高い溶解性を持つガスを使用
し、金型温度を高く設定すれば低い封入圧力で十分な転
写性を得ることもできる。
【0036】封入圧力の下限は、樹脂に溶解したガスの
可塑剤効果から決まるが、使用する樹脂の固化温度にお
いて、平衡状態で0.1重量%以上樹脂に溶解する圧力
であることが好ましく、さらに好ましくは0.5重量%
以上溶解する圧力である。ここで用いるガスの樹脂への
溶解度は、圧力降下法による測定値である。
【0037】また、封入圧力の上限は、特に限定はない
が、あまりに高圧になると金型1を開こうとする力が無
視できなくなったり、金型1のシールが難しくなる等の
問題が生じやすいことから、15MPa以下が実用的で
あり、好ましくは10MPa以下である。
【0038】なお、金型1の閉時に金型1内に残る空気
は、使用するガスで置換した方が好ましいが、封入する
ガスの圧力が1MPaを超えるような場合、空気の影響
はほとんど無視することができる。
【0039】
【実施例】実施例1 図1に示され得るような金型1を用い、図2に示される
ような成形品の成形を行った。
【0040】鏡面表面を有し、表面温度を70℃とした
金型1内に、二酸化炭素(純度99.9%)を加温器を
介して5.0MPaの圧力で封入した後、樹脂温度22
0℃のゴム補強ポリスチレンを充填時間1.2秒で射出
した。この射出に際し、枠状凹部3b内の薄肉箱形空間
3a(ガス溜り部)に連通したガス流路11bを射出開
始後0.7秒で大気に開放し、ガス溜り部以外の領域に
連通したガス流路11aは射出開始後1.2秒で大気に
開放した。
【0041】得られた成形品の表面光沢を変角光度計で
測定したところ、60度鏡面光沢度=101であり、ガ
ス溜り部(枠状突出部2b内の底面部)もその周囲と全
く区別のつかない表面状態であった。
【0042】実施例2 充填時間を2.4秒、ガス流路11bの大気への開放時
間を射出開始後1.5秒、ガス流路11aの大気への開
放時間を射出開始後2.4秒とした以外は実施例1と同
様にして同様の成形品の成形を行った。
【0043】その結果、実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。
【0044】実施例3 二酸化炭素の封入圧力を2.5MPaとした以外は実施
例1と同様にして同様の成形品を成形した。
【0045】得られた成形品の表面光度は、60度鏡面
光沢度=88で、ガス溜り部における表面欠陥も観察さ
れなかった。
【0046】実施例4 金型1の表面温度を80℃とした以外は実施例3と同様
にして同様の成形品を成形した。
【0047】得られた成形品の表面光度は、60度鏡面
光沢度=108で、ガス溜り部における表面欠陥も観察
されなかった。
【0048】比較例1 ガス流路11bの大気への開放を行わなかった以外は実
施例1と同様にして同様の成形品の成形を行った。
【0049】得られた成形品は、ガス溜り部に白化した
表面欠陥のあるものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、非発泡性樹脂のカウンタプレッシャ成形において、
ガス溜りを生じる金型または成形品形状であっても、ガ
ス溜りにおける成形品の表面欠陥の発生を防止でき、表
面状態の良好な成形品が得られると共に、金型設計の自
由度を向上させるものでもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカウンタプレッシャ成形に用いる
金型の説明図である。
【図2】図1に示される金型で成形する成形品の断面図
である。
【図3】図1に示される金型におけるエジェクタピンま
わりの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 金型 1a 固定型 1b 可動型 2a 薄肉箱形部 2b 枠状突出部 3a 薄肉箱形空間 3b 幅広枠状凹部 4a〜4c Oリング 5 取り付けプレート 6 補助プレート 7 エジェクタピン 8 環状凹形パッキン 9 環状凹部 10 窪み部 11a,11b ガス流路 12a.12b バルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティから金型外に連通する隙間が
    シールされ、それぞれ開閉制御できる複数経路のガス流
    路がキャビティに連通した金型を用い、この金型のキャ
    ビティにガス流路を介してガスを封入し、次いで溶融し
    た非発泡性樹脂をキャビティに射出すると共に、四方を
    取り囲んだ樹脂が会合すことで樹脂で満たされるキャビ
    ティ内のガス溜り部またはその付近に連通したガス流路
    から、ガス溜り部が樹脂で満たされる前にガスの排出を
    行った後、キャビティの他の箇所に連通するガス流路か
    らのガスの排出を行うことを特徴とするカウンタプレッ
    シャ成形方法。
  2. 【請求項2】 キャビティに封入するガスを、ガスが溶
    融した樹脂に溶解することで当該樹脂の固化温度を低下
    させるガスとすると共に、キャビティに射出された樹脂
    の冷却を、キャビティ内でガスが溶解することで低下し
    た樹脂の固化温度を超える金型温度で行うことを特徴と
    するカウンタプレッシャ成形方法。
  3. 【請求項3】 ガスが二酸化炭素であることを特徴とす
    る請求項2の熱可塑性樹脂成形方法。
  4. 【請求項4】 ガスを、樹脂の固化温度において当該樹
    脂に0.1重量%以上溶解する圧力でキャビティに封入
    しておくことを特徴とする請求項2または3の熱可塑性
    樹脂成形方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002264171A (ja) * 2001-03-07 2002-09-18 Asahi Eng Co Ltd 金型のガス置換方法及び装置
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