JP2022169323A - 成形システム、成形製品の製造方法 - Google Patents

成形システム、成形製品の製造方法 Download PDF

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一樹 滝沢
Kazuki Takizawa
尚見 仙臺
Takami Sendai
正人 井手上
Masato Idegami
泰亮 植松
Yasuaki Uematsu
重徳 奥薗
Shigenori Okuzono
雅之 堀田
Masayuki Hotta
邦彦 加藤
Kunihiko Kato
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Abstract

【課題】成形製品の生産効率を向上させる。【解決手段】成形システム1は、シート供給装置20と、射出成形機50と、治具60と、トリミング装置80と、ヘッド30と、駆動装置40と、を備える。シート供給装置20は、所定の寸法のシート11を供給する。射出成形機50は、シート11を収容した収容空間55で成形品13を成形する。治具60は、成形品13が載置される。トリミング装置80は、治具60に載置された成形品13をトリミングして成形製品16を作製する。ヘッド30は、第1保持部31と、第2保持部32と、ヒーター35と、を有する。第1保持部31は、シート供給装置20から射出成形機50に搬送されるシート11を保持する。第2保持部32は、射出成形機50から治具60に搬送される成形品13を保持する。ヒーター35は、第1保持部31に保持されたシート11を加熱する。駆動装置40は、シート11及び成形品13を搬送するようヘッド30を駆動する。【選択図】図1

Description

本開示は、成形製品を製造する成形システム、及び、成形製品の製造方法に関する。
例えば、特許文献1に記載されている基材成形システムのように、射出成形機を使用することで、基材に成形部品を設けて成形品を作製するシステムが知られている。このような基材成形システムにより、シート状の基材に複雑な形状の成形部品を容易に設けることができる。
国際公開第2018/186414号
特許文献1に記載されているような基材成形システムによって製造された成形品は、当該基材成形システムとは別途のトリミング装置によってトリミングされることで、所望の用途に使用される成形製品となる。すなわち、成形品の作製と、成形品のトリミングとは、別の場所で互いに独立して実施されている。成形製品を製造するために複数の設備を設けて、複数の設備にわたって成形品を移送する必要があった。このため、成形製品の生産効率を向上させることが困難であった。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、成形製品の生産効率を向上させることを目的とする。
本開示の成形システムは、
所定の寸法のシートを供給するシート供給装置と、
前記シートを収容した収容空間で成形品を成形する射出成形機と、
前記成形品が載置される治具と、
前記治具に載置された前記成形品をトリミングして成形製品を作製するトリミング装置と、
前記シートを保持する第1保持部と、前記成形品を保持する第2保持部と、前記第1保持部に保持された前記シートを加熱するヒーターと、を有するヘッドと、
前記シートを前記シート供給装置から前記射出成形機に搬送し、前記成形品を前記射出成形機から前記治具に搬送するよう、前記ヘッドを駆動する駆動装置と、を備える。
本開示の成形システムにおいて、
前記トリミング装置は、前記成形製品を保持する第3保持部を有し、
前記第3保持部は、前記成形製品と、前記成形品をトリミングすることで当該成形品から分離された切除片と、を保持してもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記第3保持部は、第1解放位置で前記切除片を解放し、前記第1解放位置よりも鉛直方向における上方に位置する第2解放位置で前記成形製品を解放してもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記第3保持部は、前記切除片を解放した後に、前記成形製品を解放してもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記治具は、前記成形品と、前記成形製品と、前記成形品をトリミングすることで当該成形品から分離された切除片と、を吸着して保持してもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記治具は、前記成形品を室温よりも高い温度に保つ温度調整部を有してもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記ヒーターは、前記第1保持部が前記シート供給装置から前記シートを受け取ってから前記射出成形機に前記シートを受け渡すまでの少なくとも一期間、前記第1保持部に保持された前記シートを加熱してもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記ヘッドは、前記第1保持部に保持された前記シートと前記ヒーターとの鉛直方向における位置関係を変化させてもよい。
本開示の成形システムにおいて、
前記ヘッドは、前記第2保持部に保持された前記成形品を加熱する第2ヒーターをさらに有し、
前記第2ヒーターは、前記第2保持部が前記射出成形機から前記成形品を受け取ってから前記治具に前記成形品を載置するまでの少なくとも一期間、前記第2保持部に保持された前記成形品を加熱してもよい。
本開示の成形システムにおいて、
前記射出成形機は、第1型と、前記第1型に対して第1方向に相対移動して前記収容空間を形成する第2型と、を有し、
前記駆動装置は、前記第2型が前記第1型から離間した状態で、前記第1方向における前記第1型と前記第2型との間に前記ヘッドの少なくとも一部を配置し、
前記ヘッドの前記第1保持部は、前記第1型に前記シートを受け渡し、
前記ヘッドの前記第2保持部は、前記第2型から前記成形品を受け取ってもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記第2型は、前記第1方向において前記治具と前記第1型との間に位置してもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記第2保持部が前記射出成形機から前記成形品を受け取った後に、前記第1保持部が前記射出成形機に前記シートを受け渡す、または、前記第2保持部が前記射出成形機から前記成形品を受け取ると同時に、前記第1保持部が前記射出成形機に前記シートを受け渡してもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記シート供給装置は、鉛直方向の下方から上方に送り出されるフィルムの鉛直方向の下方を切断することにより、所定の寸法の前記シートを供給してもよい。
本開示の成形システムにおいて、
前記シート供給装置は、前記第1保持部の形状に対応した形状を有するプレート部材を有し、
前記プレート部材は、前記フィルムを前記ヘッドの方へ移動させてもよい。
本開示の成形システムにおいて、前記シート供給装置は、前記フィルムの位置を検出するセンサを有してもよい。
本開示の成形システムにおいて、
前記シートには、アラインメントマークが設けられており、
前記センサは、前記アラインメントマークに基づいて、前記フィルムの位置を検出してもよい。
本開示の成形システムにおいて、
前記駆動装置は、前記ヘッドと取り外し可能に接続し、
前記駆動装置は、接続している前記ヘッドの情報を識別してもよい。
本開示の成形システムは、第2トリミング装置をさらに備え、
前記トリミング装置は、前記成形品をトリミングして前記成形製品に代えて成形中間品を作製し、
前記第2トリミング装置は、前記成形中間品をトリミングして成形製品を作製してもよい。
本開示の成形システムは、前記成形品をトリミングして前記成形製品を作製する第2トリミング装置をさらに備えてもよい。
本開示の成形製品の製造方法は、
シート供給装置から所定の寸法のシートを供給する工程と、
前記シートをヘッドの第1保持部で保持して、射出成形機に搬送する工程と、
前記シートを収容した収容空間で成形品を成形する工程と、
前記成形品を前記ヘッドの第2保持部で保持して、前記射出成形機から治具に搬送する工程と、
前記治具に載置された前記成形品をトリミング装置によってトリミングして、成形製品を作製する工程と、を備える。
本開示の成形製品の製造方法において、
前記成形品を前記射出成形機から前記治具に搬送する工程は、
前記射出成形機から前記成形品を前記第2保持部によって受け取った後に、前記第1保持部に保持された次に成形されるべきシートを前記射出成形機に受け渡す工程、または、前記第2保持部が前記射出成形機から前記成形品を受け取ると同時に、前記第1保持部が前記射出成形機に前記シートを受け渡す工程と、
前記第2保持部に保持された前記成形品を前記治具に載置する工程と、を含んでもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記シートは、前記第1保持部によって保持されてから前記射出成形機に受け渡されるまでの少なくとも一期間、前記ヘッドが有するヒーターによって加熱されてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記ヒーターは、前記ヘッドによって前記第1保持部に保持された前記シートとの鉛直方向における位置関係を調節されながら、前記シートを加熱してもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記ヒーターの温度は、前記第1保持部が前記シートを保持する時間に応じて決定されてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記成形品を成形する工程と少なくとも部分的に並行して、前記ヘッドの前記第1保持部は、前記シートを保持してもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記成形品をトリミングする工程と少なくとも部分的に並行して、前記射出成形機は、前記成形品を成形してもよい。
本開示の成形製品の製造方法は、前記トリミング装置の第3保持部を用いて前記治具から前記成形製品を搬出する工程を更に備えてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記成形製品を搬出する工程において、前記第3保持部は、前記成形製品と前記成形品をトリミングすることで当該成形品から分離された切除片とを保持してもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記成形製品を搬出する工程において、前記第3保持部は、前記切除片を第1解放位置に解放し、前記成形製品を前記第1解放位置よりも鉛直方向における上方に位置する第2解放位置に解放してもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記成形製品を搬出する工程において、前記第3保持部は、前記切除片を解放した後に、前記成形品を解放してもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、
前記第3保持部は、前記成形製品を吸着して保持し、
前記治具は、前記成形品及び前記成形製品を吸着して保持し、
前記治具は、前記第3保持部が前記成形製品を吸着した後に、前記成形製品の吸着を止めてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記第1保持部が前記シートを保持する時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間と、前記ヘッドが他の部材と干渉しないヘッド待機位置から移動して前記シートを保持し始める時間と前記ヘッドが前記シートを前記射出成形機に配置してから前記ヘッド待機位置まで移動する時間との合計の時間と、の差の時間だけ調節可能であってもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記ヘッドの前記第1保持部が前記シートを保持し始めるタイミングは、前記第1保持部が前記シートを保持する時間に応じて決定されてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記第2保持部が前記治具に前記成形品を載置して前記治具から離間した後に、前記トリミング装置が前記治具に接近してもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記第1保持部が前記シートを保持するために前記ヘッドが他の部材と干渉しないヘッド待機位置から移動してから前記第2保持部が前記成形品を前記治具に載置して前記ヘッドが前記ヘッド待機位置に移動するまでの時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間より短くてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記トリミング装置が前記成形品をトリミングするために前記トリミング装置が他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してから前記トリミング装置が前記成形製品を作製した後前記トリミング装置待機位置に移動するまでの時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間より短くてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、
前記トリミング装置が前記成形品をトリミングして前記成形製品に代えて成形中間品を作製する行程と、
第2トリミング装置が前記成形中間品をトリミングして成形製品を作製する工程と、を備え、
前記第2トリミング装置が前記成形中間品をトリミングする工程と少なくとも部分的に並行して、前記トリミング装置が前記成形品をトリミングしてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、
第2トリミング装置は、前記成形品を前記トリミング装置と同一のトリミングをして前記成形製品を作製し、
前記第2トリミング装置が前記成形品をトリミングする工程と少なくとも部分的に並行して、前記トリミング装置が別の前記成形品をトリミングしてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、前記トリミング装置が前記成形品をトリミングするために前記トリミング装置が他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してから前記トリミング装置が前記成形製品を作製した後前記トリミング装置待機位置に移動するまでの時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間より長く、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間の2倍より短くてもよい。
本開示の成形製品の製造方法において、
複数のトリミング装置が前記成形品をトリミングして前記成形製品を作製する工程と少なくとも部分的に並行して、他の少なくとも1つのトリミング装置が前記成形品をトリミングして前記成形製品を作製し、
各トリミング装置が前記成形品をトリミングするために他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してから前記成形製品を作製した後前記トリミング装置待機位置に移動するまでの時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間より長く、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間と前記トリミング装置の数との積より短くてもよい。
本開示によれば、成形製品の生産効率を向上させることができる。
図1は、成形システムの全体を概略的に示す上面図である。 図2は、シート供給装置によって供給されるシートのシート面に平行な方向から観察したシート供給装置の側面図である。 図3は、シート供給装置によって供給されるシートのシート面の法線方向から観察したシート供給装置の正面図である。 図4は、ヘッド及び駆動装置を概略的に示す正面図である。 図5は、ヘッドの第1保持部の斜視図である。 図6は、ヘッドの第2保持部の斜視図である。 図7は、図4とは異なるヘッド及び当該ヘッドが接続された駆動装置を概略的に示す正面図である。 図8は、駆動装置のヘッドとの接続部を示す正面図である。 図9は、射出成形機及び射出成形機の第1型と第2型との間に配置されたヘッドを概略的に示す図である。 図10は、第1保持部から射出成形機の第1型にシートが受け渡される様子を示す図である。 図11は、第2型が第1型に接近する様子を示す図である。 図12は、第1型と第2型との間に収容空間が形成されている様子を示す図である。 図13は、第2型が第1型から離間する様子を示す図である。 図14は、第2型から第2保持部に成形品が受け渡される様子を示す図である。 図15は、第2型から第2保持部に成形品が受け渡された状態を示す図である。 図16は、成形品が載置された状態での治具の上面図である。 図17は、成形品が載置されていない状態での治具の上面図である。 図18は、第2保持部から治具に成形品が載置される様子を示す断面図である。 図19は、治具に成形品が載置された状態を示す断面図である。 図20は、成形品をトリミングしているトリミング装置の拡大正面図である。 図21は、成形製品の例を示す上面図である。 図22は、切除片の例を示す上面図である。 図23は、成形製品及び切除片を保持しているトリミング装置の拡大正面図である。 図24は、切除片を運搬装置上で解放しているトリミング装置を示す拡大正面図である。 図25は、成形製品を運搬装置上で解放しているトリミング装置を示す拡大正面図である。 図26は、射出成形機、ヘッド及びトリミング装置の動作のタイミングを示す表である。 図27は、一変形例における成形システムの全体を概略的に示す上面図である。 図28は、成形中間品の例を示す上面図である。 図29は、一変形例における射出成形機、ヘッド及びトリミング装置の動作のタイミングを示す表である。 図30は、他の変形例における射出成形機、ヘッド及びトリミング装置の動作のタイミングを示す表である。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において、「シート面(フィルム面)」とは、対象となるシート状(フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈されるよう意図されている。
図1には、本実施の形態の成形システムの上面図が概略的に示されている。成形システム1は、トリミングされたシートに成形部品12が設けられた成形製品16を製造する。図1に示されているように、成形システム1は、クリーンブース5に覆われており、外部から成形システム1に意図されずに物体が入り込まないようになっている。クリーンブース5には、第1方向d1の第1側s1に第1開口部6が設けられており、第1方向d1の第2側s2に第2開口部7が設けられている。クリーンブース5において、第1開口部6から空気が流入し、第2開口部7から空気が流出する。すなわち、クリーンブース5には、第1方向d1の第1側s1から第2側s2への空気の流れが生じている。この空気の流れにより、成形システム1が有する各装置等においてシート11等に外部から異物が付着することを抑制することができる。なお、図示された例において、第1方向d1は直線状の方向として示されているが、曲線や折れ線に沿った方向であってもよい。例えば、第1方向d1がL字状に曲がった方向であってもよい。
また、図1に示されているように、成形システム1は、シート供給装置20と、ヘッド30と、駆動装置40と、射出成形機50と、治具60と、トリミング装置80と、運搬装置90と、を有している。特に図1に示されている例では、成形システム1においては、第1方向d1の第1側s1から第2側s2に向かって、上述した順で各構成要素が並んでいる。シート供給装置20は、ロール状のフィルム10から所定の寸法に切断されたシート11を供給する。ヘッド30は、シート11を受け取って、シート11を保持する。ヘッド30が駆動装置40に駆動されて、シート11を射出成形機50に搬送する。射出成形機50は、シート11を受け取る。射出成形機50は、第1型51による真空引きによりシート11を第1型51に賦形した後、第1型51及び第2型52の接触で形成された収容空間55に成形のための樹脂を注入することで、シート11に成形部品12を設けて、成形品13を成形する。成形品13は、ヘッド30に保持される。ヘッド30が駆動装置40に駆動されて、成形品13を治具60に載置する。トリミング装置80は、治具60に載置された成形品13をトリミングして、成形製品16を作製する。また、トリミング装置80は、作製された成形製品16及び成形製品16から分離された切除片15を運搬装置90に搬送する。運搬装置90は、切除片15を第1運搬部91によって、成形製品16を第2運搬部92によって、それぞれ独立して運搬する。このようにして、成形システム1は、シート11の供給、成形品13の成形及び成形品13のトリミングを単一のシステムで連続して実施して、成形製品16を製造することができる。
以下、成形システム1の各構成要素について、詳しく説明する。
図2には、シート供給装置20の側面図が示されている。より詳しくは、図2には、給されるシート11の側方方向から観察したシート供給装置20が示されている。シート供給装置20は、ロール状のフィルム10から供給され所定の寸法に切断されたシート11を供給する。供給されるシート11の寸法は、例えばロールの繰り出し長さが15cm以上150cm以下、ロールの幅は15cm以上100cm以下の矩形である。また、シート11の厚さは、例えば50μm以上1000μm以下である。しかしながら、これに限らず、シート11は任意の形状及び寸法であってもよい。シート11は、加熱されることで軟化する熱可塑性樹脂からなる。シート11の材料としては、例えばアクリル、PET、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートある。シート11には、模様や文字等が設けられていてもよい。シート11に模様や文字等が設けられる場合、シート供給装置20から供給されるシート11には、射出成形機50等によってシート11が変形した後に適切に表示されるような模様等となっている。シート供給装置20が供給するシート11は、図2に示すように、ヘッド30の後述する第1保持部31に保持される。図2に示されているように、シート供給装置20は、第1切断手段21と、第1クランプ23a及び第2クランプ23bと、プレート部材25と、センサ27と、を有している。
第1切断手段21は、第2クランプ23bの上方において、送り出されたロール状のフィルム10を送り出された方向に非平行な方向で切断して、フィルム10から所定の寸法のシート11を形成する。とりわけ、フィルム10は、鉛直方向の下方から上方に送り出される。したがって、第1切断手段21は、フィルム10の鉛直方向の下方を鉛直方向に非平行な方向、例えば水平方向に切断する。これにより、鉛直方向の上方にシート11が形成される。第1切断手段21は、例えば金属からなる刃物である。
第1クランプ23a及び第2クランプ23bは、フィルム10を挟持する。図3には、フィルム10の法線方向から観察したシート供給装置20が示されている。図2及び図3に示されているように、第1クランプ23aは、フィルム10の上方を挟持することができ、第2クランプ23bは、フィルム10の下方を挟持することができる。第1クランプ23aがフィルム10の上方を挟持してフィルム10の中央部をヘッド30が保持した後に、第2クランプがフィルム10を狭持する。その後、第1切断手段21がフィルム10を切断し、第1クランプ23aがフィルム10(シート11)を解放することで、シート11を円滑にヘッド30に保持させることができる。図3に示されている例では、第1クランプ23a及び第2クランプ23bは棒状に示されているが、任意の形状であってよい。
プレート部材25は、第1クランプ23aに挟持されたフィルム10をヘッド30の方へ例えば押し出すことで移動させる。プレート部材25は、シート供給装置20においてフィルム10をヘッド30の方へ押し出すために、第1クランプ23aのヘッド30が接近する側とは逆側に配置されている。図2に示された例において、ヘッド30は第1方向d1の第2側s2からシート供給装置20に接近するため、プレート部材25は、第1クランプ23aの第1方向d1の第1側s1に配置されている。プレート部材25がフィルム10をヘッド30の方へ押し出すことで、フィルム10はプレート部材25に支持され、プレート部材25の形状に沿って変形する。また、プレート部材25は、ヘッド30の第1保持部31に対応した形状を有している。言い換えると、プレート部材25は、ヘッドの第1保持部31と相補的な形状となっている。図2に示されている例では、プレート部材25は、中央部において第1方向d1の第2側s2に凸となるように屈曲した形状となっており、ヘッド30の第1保持部31は、中央部において第1方向d1の第2側s2に凹となるように屈曲した形状となっている。フィルム10がプレート部材25によって押し出された後、フィルム10の中央部がヘッド30に保持される。その後、フィルム10が第2クランプ23bによって狭持される。フィルム10が第1切断手段21に切断されて、シート11となる。これにより、シート11は、撓むことなくシート供給装置20からヘッド30に受け渡される。しかしながら、図示されている例に限らず、プレート部材25は、中央部において第1方向d1の第2側s2に凹となるように屈曲した形状となっており、ヘッド30の第1保持部31は、中央部において第1方向d1の第2側s2に凸となるように屈曲した形状となっていてもよい。この場合、プレート部材25に対して第1保持部31が押し込まれることで、シート11が撓むことなくシート供給装置20からヘッド30に受け渡される。
センサ27は、シート供給装置20におけるフィルム10を検出する。この検出に基づいて、フィルム10をシート供給装置20に適切な位置及び向きに配置することができる。また、センサ27は、フィルム10が鉛直方向の上方に送り出される長さを検出してもよい。図2に示されている例では、センサ27は、プレート部材25と同じ側、すなわちシート供給装置20においてシート11を保持するためにヘッド30が接近する側とは逆側、言い換えると第1クランプ23a及び第2クランプ23bの第1方向d1の第1側s1に配置されている。センサ27は、プレート部材25に設けられた図示しない孔等を介してフィルム10の位置や向き等を検出する。しかしながら、図示されている例に限らず、センサ27は、シート供給装置20においてフィルム10を保持するためにヘッド30が接近する側と同じ側に配置されていてもよい。このようなセンサ27は、例えばカメラ等の撮像装置である。
図3に示されているように、フィルム10にはアラインメントマーク10aが設けられている。センサ27は、アラインメントマーク10aに基づくことでフィルム10の位置や向きを容易に検出することができる。図3に示されている例では、アラインメントマーク10aは、フィルム10に印刷された十字型の記号である。しかしながら、図示された例に限らず、アラインメントマーク10aは任意の形状であってもよい。また、アラインメントマーク10aは、フィルム10(シート11)に設けられる模様や文字の一部であってもよい。言い換えると、フィルム10(シート11)に設けられた模様や文字にアラインメントマーク10aが含まれていてもよい。アラインメントマーク10aにより、フィルム10を模様や文字に合わせて適切な位置や向きに配置することができる。
図4には、ヘッド30及び駆動装置40が概略的に示されている。ヘッド30は、シート11及び成形品13を適切に保持する。駆動装置40は、ヘッド30に保持されたシート11をシート供給装置20から射出成形機50に搬送し、ヘッド30に保持された成形品13を射出成形機50から治具60に搬送するよう、ヘッド30を駆動する。図4に示されているように、ヘッド30は、第1保持部31と、第2保持部32と、ヒーター35と、第2ヒーター36と、を有している。駆動装置40は、接続部41と、回動部43と、を有している。
図5には、第1保持部31及びヒーター35の斜視図が示されている。第1保持部31は、シート供給装置20からシート11を受け取り、射出成形機50の第1型51にシート11を受け渡す。第1保持部31は、第1型51に適切にシート11を受け渡すことができるよう、第1型51に対応した形状、言い換えると第1型51と相補的な形状となっている。具体的には、上述したように、第1保持部31は、中央部において凹となるように屈曲した形状となっている。図5に示されている例では、第1保持部31は、複数の孔31aが設けられた矩形の枠状の部材である。複数の孔31aから空気を吸引することで、シート11を吸着して保持することができる。孔31aは、例えば直径が2mm以上5mm以下の円形である。孔31aが十分に大きいため、シート11を適切に吸着して保持することができる。また、孔31aが大きすぎないため、孔31aに異物が吸引されて不具合を生じるといった可能性が低減される。しかしながら、図示されている例に限らず、第1保持部31は、任意の方法でシート11を保持してもよい。
ヒーター35は、第1保持部31に重ねて設けられている。図示されている例では、ヒーター35は、矩形であり、第1保持部31と同様に、中央部において凹となるように屈曲した形状となっている。ただし、図示されている例に限らず、ヒーター35は、屈曲していない平坦な形状であってもよい。さらには、ヘッド30は、複数のヒーター35を有していてもよい。複数のヒーター35が組み合わされることで、第1保持部31と同様に中央部において凹となるように屈曲した形状とすることができる。ヒーター35は、第1保持部31に保持されたシート11を加熱する。ヒーター35は、シート11を例えば100℃以上160℃以下に加熱する。とりわけ、ヒーター35は、第1保持部31がシート供給装置20からシート11を受け取ってから、射出成形機50にシート11を受け渡すまでの少なくとも一期間、シート11を加熱する。ヒーター35は、第1保持部31に保持されたシート11の全体を均一に加熱することができるよう、第1保持部31に保持されるシート11の寸法以上の寸法となっていることが好ましい。また、ヘッド30が駆動装置40によって例えば回転駆動されることで、ヘッド30が第1保持部31に保持されたシート11とヒーター35との鉛直方向における位置関係を変化させることができる。なお、ヒーター35と第1保持部31に保持されたシート11との間の距離が比較的大きく離間している部分がある場合、当該部分においてヒーター35の温度を高くすることで、シート11の全体を均一に加熱することができる。また、第1保持部31に保持されたシート11とヒーター35との間を側方から無機板等で覆うことで、シート11の全体をより均一に加熱することができる。
図6には、第2保持部32及び第2ヒーター36の斜視図が示されている。第2保持部32は、射出成形機50の第2型52から成形品13を受け取り、治具60に成形品13を載置する。図6に示されている例では、第2保持部32は、複数の吸着パッド32aを有している。第2保持部32は、吸着パッド32aから空気を吸引することで、成形品13を吸着して保持することができる。第2保持部32は、第2型52から成形品13を適切に受け取ることができるよう、複数の吸着パッド32aが第2型52に対応した形状、言い換えると第2型52と相補的な形状に沿って並んでおり、複数の吸着パッド32aが、それぞれ成形部品12に圧着、真空吸着できる位置に配置されている。しかしながら、図示されている例に限らず、第2保持部32は、任意の方法で成形品13を保持してもよい。
第2ヒーター36は、第2保持部32に重ねて設けられている。図示されている例では、第2ヒーター36は、矩形である。第2ヒーター36は、第2保持部32に保持された成形品13を加熱する。第2ヒーター36は、成形品13を例えば40℃以上70℃以下に加熱する。とりわけ、第2ヒーター36は、第2保持部32が射出成形機50から成形品13を受け取ってから、治具60に成形品13を載置するまでの少なくとも一期間、成形品13を加熱する。第2ヒーター36は、第2保持部32に保持された成形品13の全体を均一に加熱することができるよう、第2保持部32に保持される成形品13の寸法以上の寸法となっていることが好ましい。また、ヘッド30が駆動装置40によって例えば回転駆動されることで、ヘッド30が第2保持部32に保持された成形品13と第2ヒーター36との鉛直方向における位置関係を変化させることができる。
駆動装置40は、接続部41においてヘッド30と接続しており、接続されているヘッド30を駆動する。駆動装置40は、例えば回動部43を回動させることでヘッド30を駆動する。駆動装置40は、複数の回動部43を有していてもよい。このような駆動装置40は、例えばいわゆる多軸ロボットアームである。駆動装置40は、ヘッド30と取り外し可能に接続している。したがって、駆動装置40が接続するヘッド30を交換することができる。図7に示されている例では、駆動装置40は図4に示されている例とは異なるヘッド30と接続している。また、駆動装置40は、接続しているヘッド30の情報を識別することができる。ヘッド30の情報の識別のため、駆動装置40には、図8に示されているように、接続部41において識別手段45が設けられている。識別手段45は、駆動装置40に接続しているヘッド30の情報を識別し、当該ヘッド30が成形システム1において製造させるべき成形製品16に対応していることを確認する。このような識別手段45は、例えばヘッド30と駆動装置40との機械的な接続または電気的な接続を検出する手段、あるいはヘッド30に設けられたICタグ等を読み取る手段である。
駆動装置40は、ヘッド30の第1保持部31がシート供給装置20からシート11を受け取り、第1保持部31から射出成形機50の第1型51にシート11を受け渡し、第2型52から成形品13を第2保持部32で受け取り、成形品13を第2保持部32から治具60に載置するように、ヘッド30を駆動する。とりわけ、図9に示されているように、第1保持部31から射出成形機50の第1型51にシート11を受け渡し且つ第2型52から成形品13を第2保持部32で受け取る際には、駆動装置40は、射出成形機50の第2型52が第1型51から離間した状態で、第1方向d1における第1型51と第2型52との間にヘッド30の少なくとも一部、特に第1保持部31及び第2保持部32を配置するよう、ヘッド30を駆動する。図9に示されている例では、ヘッド30の全体が、第1方向d1における第1型51と第2型52との間に配置されている。駆動装置40が、第1保持部31が第1方向d1の第1側s1へ移動するよう駆動することで、第1型51にシート11を受け渡すことができ、第2保持部32が第1方向d1の第2側s2へ移動するように駆動することで、第2型52から成形品13を第2保持部32で受け取る。このとき、駆動装置40は、ヘッド30の全体を第1方向d1の第1側s1や第2側s2に駆動させてもよいし、ヘッド30において第1保持部31のみを第1方向d1の第1側s1に、第2保持部32のみを第1方向d1の第2側s2に、それぞれ駆動させてもよい。
射出成形機50は、シート11を変形させながらシート11に成形部品12を設けて、成形品13を成形する。射出成形機50は、シート11を収容空間55に収容し、収容空間55において成形品13を成形する。上述したように、射出成形機50は、第1型51と、第2型52と、を有している。図9に示されているように、射出成形機50は、第1型51においてヘッド30の第1保持部31に保持されたシート11を第1方向d1の第1側s1から受け取り、第2型52において成形品13を第1方向d1の第2側s2からヘッド30の第2保持部32に受け渡す。より詳しくは、第2保持部32が射出成形機50から成形品13を受け取った後に、第1保持部31が射出成形機50にシート11を受け渡す。あるいは、第2保持部32が射出成形機50から成形品13を受け取ると同時に、第1保持部31が射出成形機50にシート11を受け渡す。
第1型51は、第1保持部31からシート11を受け取る。図10には、第1型51が第1保持部31からシート11を受け取る様子が示されている。図10に示されている例のように、好ましくは、第1型51は固定されており、言い換えると第1型51は移動することなく、第1保持部31が第1方向d1の第1側s1に移動して第1型51に接近することで、第1型51にシート11を受け渡す。しかしながら、第1型51は固定されておらず、第1方向d1の第2側s2に移動してもよい。あるいは、第1型51と第2型52との両方が第1方向d1に移動してもよい。第1型51は、第2型52との間に適切な収容空間55を形成することができる形状となっている。図10に示されている例において、第1型51は、中央部において凸となるように屈曲した形状を含んでいる。また、図1に示されているように、第1型51は、第1方向d1においてシート供給装置20と第2型52との間に位置している。言い換えると、シート供給装置20、第1型51及び第2型52は、第1方向d1においてこの順で並んでいる。第1方向d1がL字状に曲がった方向である場合でも、シート供給装置20、第1型51及び第2型52は、L字状の第1方向d1においてこの順で並んでいる。
第2型52は、第1型51に対して第1方向d1に相対移動して、第1型51とともに収容空間55を形成する。図11には、第2型52が第1型51に移動する様子が示されている。図11に示されている例のように、好ましくは、第1型51は固定されており、第2型52が第1方向d1の第1側s1に移動する。しかしながら、第2型52が固定されており、第1型51が第1方向d1の第2側s2に移動してもよい。あるいは、第1型51と第2型52との両方が第1方向d1に移動してもよい。図12には、第2型52が第1型51に接近した状態が示されている。図12に示されている例では、第2型52が第1型51に接近することで、第1型51と第2型52との間に収容空間55が形成されている。第2型52は、第1型51との間に適切な収容空間55を形成することができる形状となっている。図示されている例では、第2型52は、中央部において凹となるように屈曲した形状を含んでいる。また、図1に示されているように、第2型52は、第1方向d1において第1型51と治具60との間に位置している。言い換えると、第1型51、第2型52及び治具60は、第1方向d1に沿ってこの順で並んでいる。第1方向d1がL字状に曲がった方向である場合でも、第1型51、第2型52及び治具60は、L字状の第1方向d1に沿ってこの順で並んでいる。
収容空間55は、射出成形機50によって成形される成形品13に対応した形状となっている。収容空間55は、収容されているシート11の形状を画定する。このため、特に第1型51は、成形品13におけるシート11の形状に対応した所望の形状を含んでいる。第1型51の側から真空引きされることで、シート11は所望の形状に賦形される。また、収容空間55は、収容されているシート11に設けられる成形部品12の形状を画定する。このため、特に第2型52は、成形品13における成形部品12の形状に対応した所望の形状を含んでいる。収容空間55に例えば高温に加熱されたABS、PC-ABS、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂が注入された後、当該熱可塑性樹脂が冷却されることで、収容空間55に対応した形状の成形部品12がシート11に設けられた成形品13が成形される。
第2型52は、図13に示すように、成形品13が成形された後、第1方向d1の第2側s2に移動して第1型51から離間する。成形品13は、第2型52とともに第1型51から離間する。例えば成形部品12の一部と第2型52とが係合していることで、成形品13は、第2型52とともに第1方向d1の第2側s2に移動する。
また、第2型52は、射出成形機50によって成形した成形品13を第2保持部32に受け渡す。図14に示すように、第1型51と第2型52との間に配置されたヘッド30が、成形品13が配置された第2型52に対して移動して、すなわち第1方向d1の第2側s2に移動して、第2型52から成形品13を受け取る。その後、図15に示すように、ヘッド30は、第1方向d1の第1側s1に移動して、第2型52から離間する。
治具60は、成形品13が載置される。治具60に載置された成形品13は、トリミング装置80によってトリミングされる。すなわち、治具60は、トリミングのための成形品13の支持台である。治具60は、成形品13を適切に支持することができるよう、図16に示すように、上面視において成形品13より大きな寸法となっている。また、図17に示すように、治具60には、成形品13が載置される面に凹凸形状のパターン形状63が設けられている。成形品13は、パターン形状63に基づいて、トリミング装置80によってトリミングされる。言い換えると、パターン形状63は、成形品13の載置及びトリミングのガイドとして機能する。適切にトリミングされるように、成形品13は、パターン形状63に合わせて治具60に載置される。
図18には、ヘッド30の第2保持部32から治具60に成形品13が載置される様子が示されている。また、図19には、成形品13が治具60に載置されている様子が示されている。図18及び図19に示すように、成形品13は、パターン形状63に合わせて載置される。また、図18及び図19に示されているように、治具60は、保持手段61を有している。また、図示されているように、治具60は、好ましくは、温度調整部65をさらに有している。治具60は、成形品13、成形品13をトリミングして作製された成形製品16及び成形品13をトリミングすることで成形品13から分離された切除片15を、複数の保持手段61によって保持する。治具60は、例えば保持手段61において空気を吸引することで、成形品13、切除片15及び成形製品16を吸着して保持することができる。また、温度調整部65によって、治具60に載置された成形品13が室温よりも高い温度に保たれる。具体的には、温度調整部65は、成形品13を40℃以上70℃以下に保つ。温度調整部65は、図19に示されている例では、治具60の内部に設けられており、治具60を加熱することで、治具60に載置された成形品13を室温よりも高い温度に保つ。しかしながら、温度調整部65は、成形品13の温度を室温より高く保つことが可能であれば、任意の位置に設けられていてもよい。
トリミング装置80は、図16に示すように、治具60の上方から、治具60に載置された成形品13をトリミングする。トリミング装置80は、成形品13をトリミングすることで、成形製品16を作製する。すなわち、トリミング装置80は、成形品13から製品として不要な部分を取り除く。トリミング装置80は、例えば図示されていない制御装置等によって、成形品13を所望の形状にトリミングするよう制御される。トリミング装置80は、図20に示されているように、成形品13をトリミングするための第2切断手段81を有している。第2切断手段81は、例えば例えば金属からなる刃物である。トリミング装置80は、第2切断手段81を成形品13に当接させた状態で第2切断手段81を移動させることにより、成形品13を切断することができる。成形品13を所望の形状に切断することで、図21に示すような成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、図22に示すような切除片15となる。図22に示すように、1つの成形品13から分離される切除片15は、複数であってもよい。また、図示されている例に限らず、1つの成形品13から複数の成形製品16が作製されてもよい。
また、図23に示すように、トリミング装置80は、第3保持部83を有している。第3保持部83は、成形製品16及び切除片15を保持する。図23に示されているように、第3保持部83が切除片15及び成形製品16を保持する際には、第2切断手段81は、特に成形製品16に当接しないように移動する。図示されている例では、第2切断手段81の少なくとも一部が、トリミング装置80の内部に収容されている。第3保持部83に保持された切除片15及び成形製品16は、トリミング装置80が駆動されることにより治具60から搬出される。治具60から搬出された切除片15及び成形製品16は、運搬装置90上で解放されて、運搬装置90に運搬される。
運搬装置90は、切除片15及び成形製品16を運搬して、他の装置等から離間した所定の場所に収集する。図1、図24及び図25に示されているように、運搬装置90は、第1運搬部91と、第2運搬部92と、を有している。第1運搬部91及び第2運搬部92は、載置された部材をそれぞれ別個に運搬する。第1運搬部91及び第2運搬部92は、例えばベルトコンベアである。また、第2運搬部92は、第1運搬部91より鉛直方向の上方に位置している。
図24に示されているように、トリミング装置80は、運搬装置90上まで駆動される。第3保持部材73は、まず、第1運搬部91上の第1解放位置R1で切除片15を解放する。その後、第3保持部83は、第2運搬部92上の第2解放位置R2で成形製品16を解放する。第2解放位置R2は、第1解放位置R1よりも鉛直方向における上方に位置している。
次に、成形システム1による成形製品16の製造方法の一例について説明する。
まず、図2に示すように、ロール状のフィルム10が、第1クランプ23aに挟持される。フィルム10は、センサ27でアラインメントマーク10aを検出されながら、鉛直方向における上方に送り出される。センサ27によるアラインメントマーク10aの検出に基づくことで、フィルム10の位置、向き及び送り出される寸法(長さ)は、シート供給装置20から供給されるシート11の位置、向き及び所定の寸法に対応させることができる。その後、プレート部材25が、第1クランプ23aに挟持されたフィルム10をヘッド30の方へ例えば押し出すことで移動させながら、フィルム10をプレート部材25の形状に沿って変形させる。次に、フィルム10が、ヘッド30の第1保持部31に保持される。その後、第2クランプ23bが、フィルム10の下方を挟持する。フィルム10の鉛直方向における下方であって第2クランプ23bの上方を第1切断手段21で鉛直方向に非平行な方向、例えば水平方向に切断することで、所定の寸法のシート11が形成される。最後に、第1クランプ23aが、シート11を解放する。このようにして、シート供給装置20から所定の寸法のシート11が供給される。
シート供給装置20から供給されるシート11は、ヘッド30の第1保持部31に保持される。第1保持部31は、シート11を吸着することで保持する。ヘッド30は、駆動装置40に駆動されて、シート供給装置20からシート11を射出成形機50に搬送する。シート11は、第1保持部31に保持されてから射出成形機50に受け渡されるまでの少なくとも一期間、ヘッド30が有するヒーター35によって加熱される。ヒーター35がシート11を加熱する時間は長いことが好ましいため、第1保持部31に保持されてから射出成形機50に受け渡されるまでの全期間にわたって、シート11がヒーター35によって加熱されることが好ましい。ヒーター35の温度は、シート11を適切に加熱するよう、第1保持部31がシート11を保持する時間に応じて決定される。例えば第1保持部31がシート11を保持する時間が長くなる程、ヒーター35の温度を低くする。また、ヒーター35がシート11を適切に加熱するよう、ヒーター35は、ヘッド30が駆動装置40に駆動されることによって、第1保持部31に保持されたシート11との鉛直方向における位置関係を調節される。例えば、シート11をより加熱したい場合は、ヒーター35がシート11の鉛直方向における下方となるような位置関係に変化させる。シート11は、適切に加熱されることで、ブリスター(気泡)が発生する等の不具合が生じることなく、その全体が軟化する。
軟化したシート11を第1保持部31に保持したヘッド30は、図9に示すように、射出成形機50の第1型51と第2型52との間に配置される。シート11を保持した第1保持部31が第1型51の方を、成形品13を受け取る第2保持部32が第2型52の方を、それぞれ向いている。言い換えると、図9に示されているように、第1保持部31は第1方向d1の第1側s1を、第2保持部32は第1方向d1の第2側s2を、それぞれ向いている。その後、図10に示すように、ヘッド30が第1型51に接近して、シート11を第1型51に受け渡す。ヘッド30は、シート11を第1型51に受け渡した後、射出成形機50から離間する。第1型51にシート11が配置されている状態で、図11に示すように第2型52が第1方向d1の第1側s1に移動して第1型51に接近する。これにより、図12に示すように第1型51と第2型52との間に収容空間55が形成される。この収容空間55に高温に加熱された熱可塑性樹脂が注入されることで、収容空間55に対応した形状の成形部品12がシート11に設けられて、成形品13が成形される。その後、図13に示すように、第2型52は、第1方向d1の第2側s2に移動して第1型51から離間する。成形品13は第2型52に配置されており、第2型52とともに第1型51から離間する。
その後、ヘッド30が、図9に示すように、射出成形機50の第1型51と第2型52との間に再度配置される。図14に示すようにヘッド30の第2保持部32が第1方向d1の第2側s2に移動して第2型52に接近することで、成形品13が第2保持部32に受け渡される。成形品13を受け渡した後、図15に示すように、第2保持部32は、第1方向d1の第1側s1に移動して、第2型52から離間する。
第2保持部32は、成形品13を吸着することで保持する。ヘッド30は、駆動装置40に駆動されて、成形品13を治具60に搬送して載置する。成形品13は、第2保持部32に保持されてから治具60に載置されるまでの少なくとも一期間、ヘッド30が有する第2ヒーター36によって加熱される。第2ヒーター36が成形品13を加熱する時間は長いことが好ましいため、第2保持部32に保持されてから治具60に載置されるまでの全期間にわたって、成形品13が第2ヒーター36によって加熱されることが好ましい。第2ヒーター36の温度は、成形品13を適切に加熱するよう、第2保持部32が成形品13を保持する時間に応じて決定される。例えば第2保持部32が成形品13を保持する時間が長くなる程、第2ヒーター36の温度を低くする。また、第2ヒーター36が成形品13を適切に加熱するよう、第2ヒーター36は、ヘッド30が駆動装置40に駆動されることによって、第2保持部32に保持された成形品13との鉛直方向における位置関係を調節される。成形品13は、適切に加熱されることで、温度の変化による収縮等の変形が生じにくい。
図18に示すように、ヘッド30の第2保持部32は、保持している成形品13を治具60に設けられたパターン形状63に合わせて載置する。治具60は、図19に示されているように、載置された成形品13を保持手段61によって吸着して保持する。また、温度調整部65が治具60の全体を加熱する。温度調整部65からの熱が成形品13に伝わることで、成形品13が室温よりも高い温度に保たれる。これにより、成形品13に温度の変化による収縮等の変形が生じにくい。
第2保持部32が治具60に成形品13を載置した後、ヘッド30は、治具60から離間する。その後、トリミング装置80が治具60に接近する。治具60に載置されている成形品13は、トリミング装置80によってトリミングされる。具体的には、図20に示すように、トリミング装置80の第2切断手段81が成形品13に当接した状態で第2切断手段81が移動することで、成形品13が切断されて製品として不要な部分が切除される。第2切断手段81は、治具60のパターン形状63に沿って移動する。これにより、成形品13がパターン形状63に基づいた形状にトリミングされる。不要な部分が全て切除されることで、成形品13から成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、切除片15となる。
その後、トリミング装置80の第3保持部83を用いて、成形製品16を治具60から搬出する。図23に示すように、第3保持部83は、成形製品16と切除片15とを吸着して保持して、成形製品16と切除片15とを治具60から搬出する。この際、第3保持部83が成形製品16及び切除片15を吸着して保持した後に、治具60の保持手段61は成形製品16及び切除片15の吸着を止める。すなわち、トリミング装置80の第3保持部83と治具60の保持手段61とが、成形製品16及び切除片15を同時に吸着している状態がある。
成形製品16及び切除片15は、第3保持部83に保持された状態でトリミング装置80が駆動されることで、治具60から搬出されて、運搬装置90に向かう。まず、第3保持部83は、図24に示すように、切除片15を第1運搬部91上の第1解放位置R1に解放する。切除片15は、第1運搬部91によって運搬される。次に、第3保持部83は、図25に示すように、成形製品16を第2運搬部92上の第2解放位置R2に解放する。成形製品16は、第2運搬部92によって運搬される。第2運搬部92は第1運搬部91よりも鉛直方向における上方に位置しているため、第2解放位置R2は第1解放位置R1よりも鉛直方向における上方に位置している。
以上の工程によって、トリミングされたシートに成形部品12が設けられた成形製品16が製造されて、収集される。この工程を繰り返すことにより、成形製品16を連続して製造することができる。
次に、成形システム1による成形製品16の製造の工程における、ヘッド30、射出成形機50及びトリミング装置80の作動の状態について、図26を参照しながら説明する。図26は、各時間におけるヘッド30、射出成形機50及びトリミング装置80の作動の状態を示す表である。
まず、ヘッド30は、他の部材、例えば射出成形機50やトリミング装置80と干渉しないヘッド待機位置に待機している。その後、図2に示すように、ヘッド30は、駆動装置40によって駆動されて、ヘッド待機位置から移動して、シート供給装置20に接近する(ステップH1)。シート供給装置20は、ヘッド30が接近するまでに、フィルム10を所定の寸法に切断して、プレート部材25でヘッド30が接近する側(第1方向d1の第2側s2)に移動させる。ヘッド30がシート供給装置20に接近すると、ヘッド30の第1保持部31が、シート供給装置20から所定の寸法のシート11を、例えば吸着することで受け取る(ステップH2)。第1保持部31がシート11を保持した状態で、ヘッド30は、ヒーター35によってシート11を加熱する(ステップH3)。シート11は、第1保持部31に保持されてから射出成形機50に受け渡されるまでの少なくとも一期間、好ましくは全期間、ヒーター35によって加熱される。ヒーター35によって加熱されることで、シート11が軟化する。
ここで、ヒーター35がシート11を加熱する時間TB、言い換えると第1保持部31がシート11を保持する時間TBは、射出成形機50があるシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAと、ヘッド30がヘッド待機位置から移動してシート11を保持し始めるまでの時間TC1とヘッド30があるシート11を射出成形機50に配置してからヘッド待機位置に移動するまでの時間TC2との合計の時間と、の差の時間(TA-(TC1+TC2))だけ調節可能である。言い換えると、ヘッド30が駆動する全体の時間TDが射出成形機50によって1つのシート11に成形部品12を設けて成形品13を作製するのにかかる時間TAを超えない範囲で、ヒーター35がシート11を加熱する時間TBを調節することができる。したがって、第1保持部31がシート供給装置20からシート11を受け渡されてシート11を保持し始めるタイミングは、第1保持部31がシート11を保持する時間TBに応じて決定される。また、ヒーター35がシート11を加熱する時間TBに応じて、ヒーター35の温度が決定される。さらに、ヒーター35がシート11を加熱する間、ヘッド30が駆動装置40によって駆動されて、ヒーター35とシート11との鉛直方向における位置関係が必要に応じて変化されることで調節される。シート11が適切に加熱されることで、シート11にブリスターが発生する等の不具合が生じることなく、シート11の全体が軟化される。
シート11がヘッド30の第1保持部31に保持される間に、図13に示すように、射出成形機50の第1型51と第2型52とが離間する(ステップM1)。より詳しくは、第2型52が第1方向d1の第2側s2に移動することで、第2型52が第1型51から離間する。第2型52には、前の成形製品16の製造工程において成形された成形品13が配置されている。ヒーター35によってシート11が加熱された後、図9に示すように、第1型51と第2型52との間に、ヘッド30の少なくとも一部が配置される(ステップH4)。ヘッド30において、シート11を保持した第1保持部31が第1型51の方を、成形品13を受け取る第2保持部32が第2型52の方を、それぞれ向いている。言い換えると、図9に示されているように、第1保持部31は第1方向d1の第1側s1を、第2保持部32は第1方向d1の第2側s2を、それぞれ向いている。
その後、まず、図14に示すようにヘッド30の第2保持部32が第1方向d1の第2側s2に移動して第2型52に接近することで、第2型52に配置されている成形品13が第2保持部32に受け渡される(ステップH5)。成形品13を受け渡した後、図15に示すように、第2保持部32は、第1方向d1の第1側s1に移動する(ステップH6)。次に、図10に示すように、ヘッド30の第1保持部31が第1型51に接近して、シート11を第1型51に受け渡す(ステップH7)。第1保持部31は、シート11を第1型51に受け渡した後、射出成形機50から離間する(ステップH8)。このように、ヘッド30は、射出成形機50の第2型52から成形品13を第2保持部32によって受け取った後に、第1保持部31に保持された次に成形されるシート11を射出成形機50の第1型51に受け渡す。しかしながら、例えばヘッド30の第1保持部31が第1方向d1の第1側s1へ、第2保持部32が第1方向d1の第2側s2へ、それぞれ同時に移動することで、第2保持部32が射出成形機50の第2型52から成形品13を受け取ると同時に、第1保持部31が射出成形機50の第1型51にシート11を受け渡してもよい。
ヘッド30がステップH4~H8を行っている間、上述したように、射出成形機50は、第1型51でヘッド30の第1保持部31からシート11の受け取り、第2型52からヘッド30の第2保持部32へ成形品13を受け渡す(ステップM2)。その後、第1型51にシート11が配置されている状態で、図11に示すように第2型52が第1方向d1の第1側s1に移動して第1型51に接近する。これにより、図12に示すように第1型51と第2型52との間に収容空間55が形成される(ステップM3)。第1型51の側から真空引きされることで、シート11が賦形される。また、この収容空間55に高温に加熱された熱可塑性樹脂が注入される。その後、熱可塑性樹脂が冷却されることで、収容空間55に対応した形状の成形部品12がシート11に設けられて、成形品13が成形される(ステップM4)。成形品13が成形されると、図13に示すように、射出成形機50の第1型51と第2型52とが再び離間する(ステップM1)。射出成形機50は、上述したステップM1~M4を繰り返すように作動される。とりわけ、図26に示されているように、射出成形機50は、ステップM1~M4以外の例えば待機時間等を含むことなく、ステップM1~M4を連続して繰り返すように作動される。したがって、上述した射出成形機50があるシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAは、ステップM1~M4に要する時間の合計である。この場合、成形製品16の製造にかかる時間は、射出成形機50の動作時間TAに等しい。
一方、ヘッド30は、駆動装置40に駆動されて、治具60へ移動する(ステップH9)。して載置する。ヘッド30の第2保持部32に保持された成形品13は、第2保持部32に保持されてから治具60に載置されるまでの少なくとも一期間、好ましくは全期間、第2ヒーター36によって加熱される。第2ヒーター36の温度は、成形品13を適切に加熱するよう、第2保持部32が成形品13を保持する時間に応じて決定される。また、第2ヒーター36が成形品13を適切に加熱するよう、第2ヒーター36は、ヘッド30が駆動装置40に駆動されることによって、第2保持部32に保持された成形品13との鉛直方向における位置関係を必要に応じて変化されることで調節される。成形品13は、適切に加熱されることで、温度の変化による収縮等の変形が生じにくい。
その後、治具60へ移動したヘッド30は、図18に示すように、第2保持部32が保持している成形品13を治具60に載置して、治具60から離間する(ステップH10)。ヘッド30は、治具60から離間すると、他の部材、例えば射出成形機50やトリミング装置80と干渉しないヘッド待機位置に移動して待機する(ステップH11)。その後、第1保持部31がシート11を保持する時間TBに応じてシート11を保持し始められると、ヘッド30は、駆動装置40によって駆動されて、再びシート供給装置20に接近する(ステップH1)。ヘッド30は、上述したステップH1~H11を繰り返すように作動される。
とりわけ、図26に示されているように、射出成形機50が成形品13を成形する工程(ステップM4)と少なくとも部分的に並行して、ヘッド30の第1保持部31は、次に射出成形機50に搬送される射出成形機50を保持する(ステップH3)。すなわち、射出成形機50が成形品13を成形する工程(ステップM4)と、ヘッド30の第1保持部31が次に射出成形機50に搬送される射出成形機50を保持する工程(ステップH3)と、が同時に実施される時間が存在する。
また、第1保持部31がシート11を保持するためにヘッド30が他の部材と干渉しないヘッド待機位置から移動して(ステップH1)から第2保持部32が成形品13を治具60に載置してヘッド30がヘッド待機位置に移動する(ステップH11)までの時間TDは、射出成形機50があるシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより短い。
一方、ヘッド30が治具60から離間した後、トリミング装置80が、他の部材、例えばヘッド30や射出成形機50と干渉しないトリミング装置待機位置から、治具60に接近する。トリミング装置80は、治具60に載置された成形品13が治具60の保持手段61によって保持された状態で、図20に示すように、成形品13をトリミングする(ステップT1)。トリミングによって成形品13から不要な部分が全て切除されることで、成形品13から成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、切除片15となる。その後、図23に示すように、第3保持部83が、成形製品16と切除片15とを吸着して保持して、成形製品16と切除片15とを治具60から搬出する。第3保持部83は、図24に示すように、まず切除片15を第1運搬部91上の第1解放位置R1に解放し、その後、図25に示すように、成形製品16を第2運搬部92上の第2解放位置R2に解放する(ステップT2)。
その後、トリミング装置80は、他の部材、例えばヘッド30や射出成形機50と干渉しないトリミング装置待機位置に移動して待機する(ステップT3)。治具60に再び成形品13が載置されると、トリミング装置80は再び治具60に接近して、成形品13をトリミングする(ステップT1)。トリミング装置80は、上述したステップT1~T3を繰り返すように作動される。
とりわけ、図26に示されているように、トリミング装置80によって成形品13をトリミングする工程(ステップT1)と少なくとも部分的に並行して、射出成形機50は、次にトリミング装置80によってトリミングされるべき成形品13を成形する(ステップM4)。すなわち、トリミング装置80によって成形品13をトリミングする工程(ステップT1)と、射出成形機50が次にトリミング装置80によってトリミングされるべき成形品13を成形する工程(ステップM4)と、が同時に実施される時間が存在する。
トリミング装置80が成形品13をトリミングするためにトリミング装置80が他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してからトリミング装置80が成形製品16を作製した後トリミング装置待機位置に移動するまでの時間TEは、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより短い。
ところで、従来の成形システムでは、一旦基材に成形部品を設けた成形品を製造した後、当該成形品を成形システムとは別途のトリミング装置に移送している。このトリミング装置で成形品をトリミングすることで、成形製品を製造している。すなわち、成形品の作製と、成形品のトリミングとは、別の場所で互いに独立して実施されている。成形製品を製造するためには、少なくとも成形のための設備とトリミングのための設備を設けて、複数の設備にわたって成形品を移送する必要があった。成形品の保管や移送等に場所や人手がかかってしまい、成形製品の製造にコストがかかってしまう。また、成形品の移送の際に成形品の取り扱いを誤って落下させる等で成形品を破損させてしまい、成形品が不良品となってしまうことがあった。このように、従来の方法では、成形製品を効率的に生産することが困難であった。
一方、本実施の形態の成形システム1は、射出成形機50で成形された成形品13が載置される治具60と、治具60に載置された成形品13をトリミングして成形製品16を作製するトリミング装置80と、を有している。そして、ヘッド30が、駆動装置40によって、シート11をシート供給装置20から射出成形機50に搬送するだけでなく、成形品13を射出成形機50から治具60に搬送するよう、駆動される。このような成形システム1において、成形品13の成形と、成形品13のトリミングと、を同一のシステムで連続して実施することができる。このため、成形品13の保管や移送等に場所や人手をかけることなく、シート11から成形製品16を製造することができる。したがって、成形製品16の生産効率を向上させることができる。
また、ヘッド30は、第1保持部31に保持されたシート11を加熱するヒーター35を有している。ヒーター35によって、シート11は、シート供給装置20から射出成形機50に搬送されている間に加熱されることができる。シート11が第1保持部31に保持されて搬送されている間に加熱されることで、シート11が射出成形機50に配置されるまでに、シート11が軟化する。したがって、射出成形機50においてシート11を加熱して軟化させる時間を省略することができる。これにより、射出成形機50で成形品13を成形する時間を短縮することができる。すなわち、成形品13の作製の効率ひいては成形製品16の生産効率を向上させることができる。
また、トリミング装置80の第3保持部83は、成形製品16と、切除片15と、を保持する。これにより、製造された成形製品16及び切除片15を、トリミング装置80によるトリミングを阻害しない位置に搬出することができる。とりわけ、成形製品16及び切除片15は、第3保持部83に保持されて、成形システム1から搬出される。成形製品16を適切に搬出されることで、製造された成形製品16の運搬等が容易になる。
さらに、第3保持部83は、第1解放位置R1で切除片15を解放し、第1解放位置R1よりも鉛直方向における上方に位置する第2解放位置R2で成形製品16を解放する。成形製品16と切除片15とがそれぞれ別の位置で解放されて別途に搬送されることになるため、成形製品16と切除片15とを仕分ける作業を省略することができる。また、成形製品16が切除片15より鉛直方向における上方で解放されるため、成形製品16に切除片15が混入することが抑制される。
とりわけ、第3保持部83は、切除片15を解放した後に、成形製品16を解放する。切除片15を先に解放することで、成形製品16を解放する際に、切除片15が混入してしまうことが抑制される。
治具60は、保持手段61により、成形品13と、成形製品16と、切除片15と、を吸着して保持することができる。治具60が成形品13を保持することで、成形品13がトリミング装置80によってトリミングされる際に、成形品13が動いてしまうことが抑制される。このため、成形品13を容易に所望の形状にトリミングすることができる。また、治具60が成形製品16及び切除片15を保持することで、治具60から成形製品16や切除片15が意図せずに脱落してしまうことが抑制される。このため、成形製品16や切除片15が意図しない位置に動いてトリミング等の成形製品の製造を阻害してしまうことが抑制される。
特に、治具60は、トリミング装置80の第3保持部83が成形製品16及び切除片15を吸着して保持した後に、成形製品16及び切除片15の吸着を止める。すなわち、トリミング装置80と治具60とが成形製品16及び切除片15を同時に吸着している期間が存在する。成形製品16及び切除片15は、トリミング装置80及び治具60のいずれにも吸着されていない状態がないため、治具60から脱落することが抑制され、治具60からトリミング装置80に確実に受け渡されることができる。
治具60は、成形品13を室温よりも高い温度に保つ温度調整部65を有していることが好ましい。温度調整部65により、成形品13に温度の変化による収縮等の変形が生じにくい。成形品13が形状を維持するため、治具60において、所望の形状に成形品13をトリミングすることができる。
ヒーター35は、第1保持部31がシート供給装置20からシート11を受け取ってから射出成形機50にシート11を受け渡すまでの少なくとも一期間、第1保持部31に保持されたシート11を加熱する。第1保持部31がシート11を保持している期間にシート11を加熱することで、シート11の搬送以外に、シート11を加熱するための別途の期間をほとんど(あるいは全く)設けることなく、シート11を加熱して軟化することができる。すなわち、シート11の加熱のために、成形システム1において成形製品16を製造する全体の工程が遅延することが抑制される。さらに、シート11を加熱する時間を十分に長くすることができる。成形システム1において成形製品16を製造する全体の工程を短縮するために、シート11を急加熱する必要がないため、シート11を急加熱してシート11にブリスターが発生する等の不具合が生じにくい。
ヒーター35の温度は、第1保持部31がシート11を保持する時間に応じて決定される。例えば、第1保持部31がシート11を保持する時間が長い程、ヒーター35の温度は低くされる。シート11を適切に加熱することができるようにヒーター35の温度が決定されることで、シート11にブリスターが発生する等の不具合が生じにくくなる。
ヘッド30は、第1保持部31に保持されたシート11とヒーター35との鉛直方向における位置関係を適宜変化させて調節する。一般に、熱は上昇して伝わりやすいため、シート11をヒーター35の鉛直方向における上方に位置させることで、ヒーター35からの熱をシート11により伝えやすくすることができる。これにより、シート11を素早く加熱することができる。一方、シート11をヒーター35の鉛直方向における下方に位置させることで、シート11が急加熱されることを抑制することができる。このように、シート11とヒーター35との鉛直方向における位置関係を必要に応じて調節することで、シート11を適切に加熱することができる。また、加熱されて軟化したシート11が、シート11自体の重みで変形してしまうことを抑制することができる。
第2ヒーター36は、第2保持部32が射出成形機50から成形品13を受け取ってから治具60に成形品13を載置するまでの少なくとも一期間、第2保持部32に保持された成形品13を加熱する。第2保持部32が成形品13を保持している期間に成形品13を加熱することで、成形品13が室温にまで冷えてしまって収縮等の変形が生じることが抑制される。成形品13が形状を維持するため、治具60において、所望の形状に成形品13をトリミングすることができる。とりわけシート11に文字や模様等が設けられている場合、成形製品16において文字や模様等を適切に表示されるように、成形品13をトリミングすることができる。
射出成形機50において、第2型52は、第1型51に対して第1方向d1に相対移動し、第1型51に接近することで収容空間55を形成する。すなわち、第1型51は固定されている。そして、第1型51に、加熱されて軟化したシート11が第1保持部31から受け渡される。特にシート11が配置された第1型51が移動しない場合、第1型51の移動によりシート11が成形部品12を設けられる前に意図せずに変形してしまうことがない。このため、射出成形機50によって成形される成形品13が、意図された形状になりやすい。
第2型52は、第1方向d1において治具60と第1型51との間に位置している。より詳しくは、第1型51は、第2型52の第1方向d1における第1側s1に位置しており、治具60は、第2型52の第1方向d1における第2側s2に位置している。このような配置によれば、ヘッド30の第2保持部32が第1方向d1の第2側s2において第2型52から成形品13を受け取って、ヘッド30が第1方向d1の第2側s2に移動し、治具60に成形品13を載置する。ヘッド30が第1方向d1の第2側s2においてのみ成形品13を取り扱うことになるため、ヘッド30の第2保持部32が第2型52から成形品13を受け取ってから治具60に載置するまでを円滑に行うことができる。
第1型51は、第1方向d1においてシート供給装置20と第2型52との間に位置している。より詳しくは、シート供給装置20は、第1型51の第1方向d1における第1側s1に位置しており、第2型52は、第1型51の第1方向d1における第2側s2に位置しいている。このような配置によれば、ヘッド30の第1保持部31が第1方向d1の第1側s1においてシート供給装置20からシート11を受け取って、ヘッド30が第1方向d1の第2側s2に移動し、第1型51にシート11を配置する。ヘッド30が第1方向d1の第1側s1においてのみシート11を取り扱うことになるため、ヘッド30の第1保持部31がシート供給装置20からシート11を受け取ってから第1型51に配置するまでを円滑に行うことができる。
第2保持部32が射出成形機50から成形品13を受け取った後に、第1保持部31が射出成形機50にシート11を受け渡す、または、第2保持部32が射出成形機50から成形品13を受け取ると同時に、第1保持部31が射出成形機50にシート11を受け渡す。すなわち、射出成形機50において、第1型51にシート11が配置された状態で第2型52に成形品13が配置されないよう、言い換えるとシート11と成形品13とが同時に配置されないよう、ヘッド30の第1保持部31及び第2保持部32が駆動される。例えばヘッド30の第1保持部31及び第2保持部32の吸着圧力を測定することで、射出成形機50にシート11と成形品13とが同時に配置されていないことを確認することができる。これにより、例えば意図せずに第1型51と第2型52とが接近して、シート11と成形品13とが衝突して破損してしまうことが抑制される。また、第2保持部32が射出成形機50から成形品13を受け取った後に、第1保持部31が射出成形機50にシート11を受け渡す場合、第1保持部31がシート11を保持する時間が長くなるので、シート11がヒーター35によって加熱される時間を長くすることができる。また、シート11が第1型51で真空成形により形状賦形された後、射出成形までの時間を短くする事ができるので、フィルム冷却、フィルム収縮が抑制され、成形樹脂注入時の樹脂圧力によるシワ、シート破れなどの不具合発生を防止できる。
シート供給装置20は、鉛直方向の下方から上方に送り出されるフィルム10を切断することにより、所定の寸法のシート11を供給する。フィルム10を第1切断手段21で切断した際に、フィルム10の切り滓等がシート11に付着することが抑制される。これにより、成形製品16に凹みや膨れといった外観上の欠点が生じてしまうことを抑制することができる。また、フィルム10を鉛直方向に送り出すことで、シート供給装置20の設置面積を小さくすることができる。
シート供給装置20は、フィルム10をヘッド30の方へ押し出すプレート部材25を有している。プレート部材25は、第1保持部31の形状に対応した形状を有している。このようなプレート部材25により、第1保持部31がフィルム10(シート11)を容易且つ適切に保持することができる。これにより、例えば、第1保持部31に保持されたフィルム10(シート11)に皺等が生じることが抑制される。
シート供給装置20は、フィルム10の位置を検出するセンサ27を有している。センサ27によってフィルム10の位置や向きを検出することで、駆動装置40によるヘッド30の駆動を制御して、第1保持部31が適切な位置及び向きでフィルム10(シート11)を保持することができる。これにより、第1保持部31からシート11を射出成形機50の収容空間55に適切に収容される第1型51の位置に、受け渡すことができる。
特に、センサ27は、フィルム10に設けられたアラインメントマーク10aに基づいて、フィルム10の位置を検出する。アラインメントマーク10aに基づくことで、センサ27はフィルム10の位置や向きを容易且つ確実に検出することができる。
駆動装置40は、ヘッド30と取り外し可能に接続している。すなわち、駆動装置40に接続されるヘッド30を交換することができる。これにより、製造すべき成形製品16に合わせたヘッド30を使用することができる。また、ヘッド30が故障した際にヘッド30を交換することができるため、成形システム1において成形製品16の製造を安定して継続することができる。加えて、駆動装置40は、接続しているヘッド30の情報を識別することができる。駆動装置40に接続されているヘッド30が製造すべき成形製品16を製造するのに適切であるかを判定する。ヘッド30が適切でない場合には成形システム1による成形製品16の製造を開始しないようにして、不適切な成形製品が製造されてしまうことが抑制される。
また、成形製品の製造方法は、シート11を収容した収容空間55で成形品13を成形する工程と、成形品13をトリミングして成形製品16を作製する工程を有している。このような成形製品の製造方法において、成形品13の成形と成形品13のトリミングとを、同一のシステムで連続して実施することができる。このため、成形品13の保管や移送等に場所や人手をかけることなく、シート11から成形製品16を製造することができる。したがって、成形製品16の生産効率を向上させることができる。
成形品13を成形する工程(ステップM4)と少なくとも部分的に並行して、ヘッド30の第1保持部31は、次に射出成形機50に搬送されるシート11を保持する(ステップH3)。すなわち、射出成形機50がシート11に成形部品12を設けている間に、次に成形部品12を設けられるシート11がヘッド30に保持されて準備される。このため、成形品13及び成形製品16を連続して製造する際に、ヘッド30の駆動によって、射出成形機50があるシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAが遅れることがない。すなわち、ヘッド30の駆動によって成形製品16の製造に要する時間が遅れない。言い換えると、ヘッド30の駆動によって成形製品16の生産効率が低下しない。
成形品13をトリミングする工程(ステップT1)と少なくとも部分的に並行して、射出成形機50は、次にトリミングされるべき成形品13を成形する(ステップM4)。すなわち、トリミング装置80が成形品13をトリミングしている間に、次にトリミングされる成形品13が成形されて準備される。このため、成形製品16を連続して製造する際に、射出成形機50の成形品13の成形によって、トリミング装置80によるトリミングが遅れることがない。すなわち、射出成形機50によって成形製品16の製造に要する時間が遅れない。言い換えると、成形品13の成形に要する時間によって成形製品16の生産効率が低下しない。
第1保持部31がシート11を保持する時間TB、言い換えるとシート11がヒーター35によって加熱される時間は、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAと、ヘッド30がヘッド待機位置から移動してシート11を保持し始める時間TC1とヘッド30がシート11を射出成形機50に配置してからヘッド待機位置まで移動する時間TC2との合計の時間と、の差の時間だけ調節可能である。言い換えると、第1保持部31がシート11を保持する時間TBと、ヘッド30がヘッド待機位置から移動してシート11を保持し始める時間TC1と、ヘッド30がシート11を射出成形機50に配置してからヘッド待機位置まで移動する時間TC2と、の和の時間が、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAを超えない。このため、ヘッド30が駆動している時間(ヘッド待機位置で待機している時間以外の時間)によって射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAが長くなってしまうことがない。すなわち、成形システム1によって成形製品16を製造する時間が、第1保持部31がシート11を保持する時間TBによって遅れてしまうことがない。
ヘッド30の第1保持部31がシート11を保持し始めるタイミングは、第1保持部31がシート11を保持する時間に応じて決定される。これにより、第1保持部31が適切な時間だけシート11を保持することになる。すなわち、シート11がヒーター35によって適切な時間だけ加熱され、ブリスターが発生する等の不具合が生じることなく、適切に加熱される。
第2保持部32が治具60に成形品13を載置して治具60から離間した後に、トリミング装置80が治具60に接近する。すなわち、第2保持部32を有するヘッド30とトリミング装置80とが衝突等の干渉することが回避される。
第1保持部31がシート11を保持するためにヘッド30が他の部材と干渉しないヘッド待機位置から移動してから第2保持部32が成形品13を治具60に載置してヘッド30がヘッド待機位置に移動するまでの時間TD、言い換えるとヘッド30が駆動している時間は、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより短い。このため、成形システム1によって成形製品16を製造する時間が、ヘッドが駆動している時間TDによって遅れてしまうことがない。
トリミング装置80が成形品13をトリミングするためにトリミング装置80が他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してからトリミング装置80が成形製品16を作製した後トリミング装置待機位置に移動するまでの時間TE、言い換えるとトリミング装置80が駆動している時間は、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間より短い。このため、成形システム1によって成形製品16を製造する時間が、トリミング装置80が駆動している時間TDによって遅れてしまうことがない。
以上のように、本実施の形態の成形システム1は、所定の寸法のシート11を供給するシート供給装置20と、シート11を収容した収容空間55で成形品13を成形する射出成形機50と、成形品13が載置される治具60と、治具60に載置された成形品13をトリミングして成形製品16を作製するトリミング装置80と、シート11を保持する第1保持部31と、成形品13を保持する第2保持部32と、第1保持部31に保持されたシート11を加熱するヒーター35と、を有するヘッド30と、シート11をシート供給装置20から射出成形機50に搬送し、成形品13を射出成形機50から治具60に搬送するようヘッド30を駆動する駆動装置40と、を備える。このような成形システム1によれば、成形品13の成形と成形品13のトリミングとを、同一のシステムで連続して実施することができる。このため、成形品13の保管や移送等に場所や人手をかけることなく、シート11から成形製品16を製造することができる。したがって、成形製品16の生産効率を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下に、上述した実施の形態の変形例について説明する。なお、上述した実施の形態と変形例とにおいて重複する説明については、適宜省略または簡略して記載する。
図27には、成形システム1の一変形例の上面図が示されている。図27に示された例では、成形システム1は、上述した実施の形態の成形システムに加えて、第2治具70と、第2トリミング装置85と、をさらに有している。第2治具70は、治具60と第1方向d1において略同一の位置に設けられており、第2トリミング装置85は、トリミング装置80と第1方向d1において略同一の位置に設けられている。
上述した実施の形態では、トリミング装置80は、治具60に載置された成形品13をトリミングして成形製品16を作製している。一方、この変形例では、トリミング装置80は、成形品13をトリミングして、上述した実施の形態における成形製品16に代えて、例えば図28に示すような成形中間品14を作製する。成形中間品14は、第2治具70に載置される。第2トリミング装置85は、第2治具70に載置された成形中間品14をトリミングして成形製品16を作製する。
第2治具70は、載置された成形中間品14を載置して適切に支持するための支持台であり、上述した実施の形態の治具60と略同一の構成を有している。すなわち、第2治具70には、成形中間品14が載置される面に凹凸形状のパターン形状が設けられている。また、第2治具70は、保持手段と、温度調整部と、を有している。第2治具70は、例えば保持手段において空気を吸引することで、成形中間品14、切除片15及び成形製品16を吸着して保持することができる。また、温度調整部によって、第2治具70に載置された成形中間品14が室温よりも高い温度に保たれる。
第2トリミング装置85は、第2治具70の上方から第2治具70に載置された成形中間品14をトリミングする。第2トリミング装置85は、上述した実施の形態のトリミング装置80と略同一の構成を有している。すなわち、第2トリミング装置85は、図20及び図23に示したトリミング装置80と同様に、切断手段と、保持手段と、を有している。第2トリミング装置85は、切断手段によって成形中間品14を所望の形状に切断することで、成形製品16を作製する。また、第2トリミング装置85は、保持手段によって、成形製品16及び成形製品16から分離された切除片15を保持する。
この変形例の成形システム1において、成形製品16は、例えば以下のように製造される。まず、上述した実施の形態と同様に、シート供給装置20から供給されたシート11に射出成形機50によって成形部品12が設けられ、成形品13が成形される。成形品13は、ヘッド30によって搬送されて、治具60に載置される。
治具60に載置されている成形品13が、トリミング装置80によってトリミングされる。成形品13から不要な部分の一部が切除されることで、成形品13から成形中間品14が作製される。また、成形中間品14から分離された部分が、切除片15となる。その後、トリミング装置80の第3保持部83が、成形中間品14と切除片15とを吸着して保持して、成形中間品14と切除片15とを治具60から搬出する。トリミング装置80は、運搬装置90に向かい、第1運搬部91上の第1解放位置R1において、切除片15を解放する。
次に、トリミング装置80は、第2治具70に成形中間品14を載置する。すなわち、トリミング装置80は、第1解放位置R1で切除片15を解放した後、第2治具70に成形中間品14を載置する。これにより、第2治具70に意図されずに切除片15が混入してしまうことが抑制される。その後、第2治具70に載置されている成形中間品14が、第2トリミング装置85によってトリミングされる。成形中間品14から不要な部分が切除されることで、成形中間品14から成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、別の切除片15となる。その後、第2トリミング装置85の保持部が、成形製品16と切除片15とを吸着して保持して、成形製品16と切除片15とを第2治具70から搬出する。第2トリミング装置85は、運搬装置90に向かい、第1運搬部91上の第1解放位置R1において、切除片15を解放し、次に、第2運搬部92上の第2解放位置R2において、成形製品16を解放する。これにより、成形製品16に切除片15が混入することが抑制される。
この変形例の成形システム1による成形製品16の製造の工程における、トリミング装置80及び第2トリミング装置85の作動の状態について、図29を参照しながら説明する。図29は、この変形例での各時間におけるヘッド30、射出成形機50、トリミング装置80及び第2トリミング装置85の作動の状態を示す表である。
この変形例において、ヘッド30及び射出成形機50は、上述した実施の形態と同様に作動する。したがって、射出成形機50が成形した成形品13を、ヘッド30が治具60に載置した後、ヘッド30は治具60から離間する(ステップH10)。
トリミング装置80は、治具60に成形品13が載置された後、上述した実施の形態と同様に、他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から治具60に接近して、成形品13をトリミングする(ステップT1)。トリミングによって成形品13から不要な部分の一部が切除されることで、成形品13から成形中間品14が作製される。また、成形中間品14から分離された部分が、切除片15となる。その後、第3保持部83が、成形中間品14と切除片15とを吸着して保持して、治具60から搬出する。第3保持部83は、第1運搬部91上の第1解放位置R1において、切除片15を解放し、次に、第2治具70に成形中間品14を載置する(ステップT2)。その後、トリミング装置80は、他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置に移動して待機する(ステップT3)。治具60に再び成形品13が載置されると、トリミング装置80は再び治具60に接近して、成形品13をトリミングする(ステップT1)。トリミング装置80は、上述したステップT1~T3を繰り返すように作動される。
第2トリミング装置85は、第2治具70に成形中間品14が載置された後、他の部材と干渉しない第2トリミング装置待機位置から第2治具70に接近して、成形中間品14をトリミングする(ステップU1)。トリミングによって成形中間品14から不要な部分が切除されることで、成形中間品14から成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、切除片15となる。その後、第2トリミング装置85の保持部が、成形製品16と切除片15とを吸着して保持して、第2治具70から搬出する。第2トリミング装置85の保持部は、まず切除片15を第1運搬部91上の第1解放位置R1に解放し、その後、成形製品16を第2運搬部92上の第2解放位置R2に解放する(ステップU2)。その後、第2トリミング装置85は、他の部材と干渉しない第2トリミング装置待機位置に移動して待機する(ステップU3)。第2治具70に再び成形中間品14が載置されると、第2トリミング装置85は再び第2治具70に接近して、成形中間品14をトリミングする(ステップU1)。第2トリミング装置85は、上述したステップU1~U3を繰り返すように作動される。
とりわけ、図29に示されているように、第2トリミング装置85が成形中間品14をトリミングする工程(ステップU1)と少なくとも部分的に並行して、トリミング装置80は、次に第2トリミング装置85がトリミングする成形中間品14を作製するよう、成形品13をトリミングする(ステップT1)。すなわち、第2トリミング装置85によって成形中間品14をトリミングする工程(ステップU1)と、トリミング装置80によって成形品13をトリミングする工程(ステップT1)と、が同時に実施される時間が存在する。
また、第2トリミング装置85が成形中間品14をトリミングするために第2トリミング装置85が他の部材と干渉しない第2トリミング装置待機位置から移動してから第2トリミング装置85が成形製品16を作製した後第2トリミング装置待機位置に移動するまでの時間TFは、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより短い。
この変形例の成形システム1によれば、成形品13がトリミング装置80及び第2トリミング装置85によって順にトリミングされることで、すなわち成形品13が2つの工程でトリミングされることで、成形製品16が作製される。例えば成形品13が時間のかかる複雑なトリミングをされることで成形製品16が作製される場合等では、成形品13から成形製品16を作製する時間が、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより長くなることがある。このような場合でも、トリミング装置80及び第2トリミング装置85でトリミングされる時間を射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより短くなるよう成形品13を複数の工程に分割することで、トリミングに要する時間によって遅延することなく、成形製品16を製造することができる。すなわち、成形製品16の生産効率を向上させることができる。
なお、この変形例において、成形システム1は、3つ以上のトリミング装置を有していてもよい。
次に、成形システム1の他の変形例について説明する。この変形例では、図27に示した変形例と同様に、成形システム1は、上述した実施の形態の成形システムに加えて、第2治具70と、第2トリミング装置85と、をさらに有している。
この変形例では、トリミング装置80は、治具60に載置された成形品13をトリミングして成形製品16を作製する。また、第2トリミング装置85も、第2治具70に載置された成形品13をトリミングして成形製品16を作製する。
この変形例の成形システム1において成形製品16を製造する工程を詳しく説明する。まず、上述した実施の形態と同様に、シート供給装置20から供給されたシート11に射出成形機50によって成形部品12が設けられ、成形品13が成形される。
成形品13は、ヘッド30によって搬送されて、治具60または第2治具70に載置される。特に、成形品13は、治具60と第2治具70とに交互に載置される。
治具60に載置された成形品13は、トリミング装置80によってトリミングされる。成形品13から不要な部分が切除されることで、成形品13から成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、切除片15となる。その後、トリミング装置80の第3保持部83が、成形製品16と切除片15とを吸着して保持して、成形製品16と切除片15とを治具60から搬出する。トリミング装置80は、運搬装置90に向かい、第1運搬部91上の第1解放位置R1において、切除片15を解放し、次に、第2運搬部92上の第2解放位置R2において、成形製品16を解放する。
第2治具70に載置された成形品13は、治具60に載置された成形品13と同様に、第2トリミング装置85によってトリミングされて、成形品13から成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、切除片15となる。その後、第2トリミング装置85の保持部が、成形製品16と切除片15とを吸着して保持して、成形製品16と切除片15とを第2治具70から搬出する。第2トリミング装置85は、運搬装置90に向かい、第1運搬部91上の第1解放位置R1において、切除片15を解放し、次に、第2運搬部92上の第2解放位置R2において、成形製品16を解放する。
このように、第2トリミング装置85は、トリミング装置80と同一のトリミングをして成形製品16を作製する。
この変形例の成形システム1による成形製品16の製造の工程における、トリミング装置80及び第2トリミング装置85の作動の状態について、図30を参照しながら説明する。図30は、この変形例での各時間におけるヘッド30、射出成形機50、トリミング装置80及び第2トリミング装置85の作動の状態を示す表である。
この変形例において、射出成形機50は、上述した実施の形態と同様に作動する。ヘッド30は、射出成形機50が成形した成形品13を治具60または第2治具70に載置した後、治具60及び第2治具70から離間する(ステップH10)。特に、図30には、2つの成形製品16が製造される工程が示されている。ヘッド30は、成形品13をトリミング装置80によってトリミングされるよう治具60に載置し、次の成形品13を第2トリミング装置85によってトリミングされるよう第2治具70に載置する。
トリミング装置80は、治具60に成形品13が載置された後、上述した実施の形態と同様に、他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から治具60に接近して、成形品13をトリミングする(ステップT1)。トリミングによって成形品13から不要な部分が切除されることで、成形品13から成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、切除片15となる。その後、第3保持部83が、成形製品16と切除片15とを吸着して保持して、治具60から搬出する。第3保持部83は、第1運搬部91上の第1解放位置R1において、切除片15を解放し、次に、第2運搬部92上の第2解放位置R2において、成形製品16を解放する(ステップT2)。その後、トリミング装置80は、他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置に移動して待機する(ステップT3)。治具60に再び成形品13が載置されると、トリミング装置80は再び治具60に接近して、成形品13をトリミングする(ステップT1)。トリミング装置80は、上述したステップT1~T3を繰り返すように作動される。
第2トリミング装置85は、第2治具70に成形品13が載置された後、トリミング装置80と同様に、他の部材と干渉しない第2トリミング装置待機位置から第2治具70に接近して、成形品13をトリミングする(ステップU1)。トリミングによって成形品13から不要な部分が切除されることで、成形品13から成形製品16が作製される。また、成形製品16から分離された部分が、切除片15となる。その後、保持部が、成形製品16と切除片15とを吸着して保持して、第2治具70から搬出する。保持部は、第1運搬部91上の第1解放位置R1において、切除片15を解放し、次に、第2運搬部92上の第2解放位置R2において、成形製品16を解放する(ステップU2)。その後、第2トリミング装置85は、他の部材と干渉しない第2トリミング装置待機位置に移動して待機する(ステップU3)。第2治具70に再び成形品13が載置されると、第2トリミング装置85は再び第2治具70に接近して、成形品13をトリミングする(ステップT1)。第2トリミング装置85は、上述したステップU1~U3を繰り返すように作動される。
とりわけ、図30に示されているように、第2トリミング装置85が成形品13をトリミングする工程(ステップU1)と少なくとも部分的に並行して、トリミング装置80が別の成形品13をトリミングする(ステップT1)。すなわち、第2トリミング装置85によって成形品13をトリミングする工程(ステップU1)と、トリミング装置80によって成形品13をトリミングする工程(ステップT1)と、が同時に実施される時間が存在する。
また、図30に示されているように、射出成形機50が成形品13を成形する工程(ステップM4)と少なくとも部分的に並行して、トリミング装置80及び第2トリミング装置85のいずれかが、成形品13をトリミングする(ステップT1,U1)。すなわち、射出成形機50が成形品13を成形する工程(ステップM4)と、トリミング装置80または第2トリミング装置85が成形品13をトリミングする工程(ステップT1,U1)と、が同時に実施される時間が存在する。
さらに、トリミング装置80が成形品13をトリミングするためにトリミング装置80が他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してからトリミング装置80が成形製品16を作製した後トリミング装置待機位置に移動するまでの時間TE、及び、第2トリミング装置85が成形品13をトリミングするために第2トリミング装置85が他の部材と干渉しない第2トリミング装置待機位置から移動してから第2トリミング装置85が成形製品16を作製した後第2トリミング装置待機位置に移動するまでの時間TFは、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより長く、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAの2倍より短い。
この変形例の成形システム1によれば、成形品13がトリミング装置80及び第2トリミング装置85によって並列してトリミングされることで、すなわち成形品13が2つの工程でトリミングされることで、成形製品16が作製される。例えば成形品13が時間のかかる複雑なトリミングをされることで成形製品16が作製される場合等では、成形品13から成形製品16を作製する時間が、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより長くなることがある。このような場合でも、トリミング装置80及び第2トリミング装置85でトリミングされる時間を射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAの2倍より短くすることで、トリミングに要する時間によって遅延することなく、成形製品16を製造することができる。すなわち、成形製品16の生産効率を向上させることができる。
なお、この変形例において、成形システム1は、3つ以上のトリミング装置を有していてもよい。成形システム1が3つ以上のトリミング装置を有している場合、各トリミング装置は、それぞれ成形品13をトリミングして成形製品16を作製する。とりわけ、複数のトリミング装置が成形品13をトリミングして成形製品16を作製する工程と少なくとも部分的に並行して、他の少なくとも1つのトリミング装置が成形品13をトリミングして成形製品16を作製する。そして、各トリミング装置が成形品13をトリミングするために他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してから成形製品16を作製した後トリミング装置待機位置に移動するまでの時間は、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAより長く、射出成形機50がシート11を成形し始めてから次のシート11を成形し始めるまでの時間TAとトリミング装置の数との積より短い。
このような場合でも、トリミングに要する時間によって遅延することなく、成形製品16を製造することができる。すなわち、成形製品16の生産効率を向上させることができる。
なお、当然に、上述した変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 成形システム
5 クリーンブース
10 フィルム
10a アラインメントマーク
11 シート
12 成形部品
13 成形品
14 成形中間品
15 切除片
16 成形製品
20 シート供給装置
21 第1切断手段
23a 第1クランプ
23b 第2クランプ
25 プレート部材
27 センサ
30 ヘッド
31 第1保持部
32 第2保持部
35 ヒーター
36 第2ヒーター
40 駆動装置
41 接続部
43 回動部
45 識別手段
50 射出成形機
51 第1型
52 第2型
55 収容空間
60 治具
61 保持手段
63 パターン形状
65 温度調整部
70 第2治具
80 トリミング装置
81 第2切断手段
83 第3保持部
85 第2トリミング装置
90 運搬装置
91 第1運搬部
92 第2運搬部
R1 第1解放位置
R2 第2解放位置

Claims (40)

  1. 所定の寸法のシートを供給するシート供給装置と、
    前記シートを収容した収容空間で成形品を成形する射出成形機と、
    前記成形品が載置される治具と、
    前記治具に載置された前記成形品をトリミングして成形製品を作製するトリミング装置と、
    前記シートを保持する第1保持部と、前記成形品を保持する第2保持部と、前記第1保持部に保持された前記シートを加熱するヒーターと、を有するヘッドと、
    前記シートを前記シート供給装置から前記射出成形機に搬送し、前記成形品を前記射出成形機から前記治具に搬送するよう、前記ヘッドを駆動する駆動装置と、を備える、成形システム。
  2. 前記トリミング装置は、前記成形製品を保持する第3保持部を有し、
    前記第3保持部は、前記成形製品と前記成形品をトリミングすることで当該成形品から分離された切除片と、を保持する、請求項1に記載の成形システム。
  3. 前記第3保持部は、第1解放位置で前記切除片を解放し、前記第1解放位置よりも鉛直方向における上方に位置する第2解放位置で前記成形製品を解放する、請求項2に記載の成形システム。
  4. 前記第3保持部は、前記切除片を解放した後に、前記成形製品を解放する、請求項2または3に記載の成形システム。
  5. 前記治具は、前記成形品と、前記成形製品と、前記成形品をトリミングすることで当該成形品から分離された切除片と、を吸着して保持する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成形システム。
  6. 前記治具は、前記成形品を室温よりも高い温度に保つ温度調整部を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の成形システム。
  7. 前記ヒーターは、前記第1保持部が前記シート供給装置から前記シートを受け取ってから前記射出成形機に前記シートを受け渡すまでの少なくとも一期間、前記第1保持部に保持された前記シートを加熱する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の成形システム。
  8. 前記ヘッドは、前記第1保持部に保持された前記シートと前記ヒーターとの鉛直方向における位置関係を変化させる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の成形システム。
  9. 前記ヘッドは、前記第2保持部に保持された前記成形品を加熱する第2ヒーターをさらに有し、
    前記第2ヒーターは、前記第2保持部が前記射出成形機から前記成形品を受け取ってから前記治具に前記成形品を載置するまでの少なくとも一期間、前記第2保持部に保持された前記成形品を加熱する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の成形システム。
  10. 前記射出成形機は、第1型と、前記第1型に対して第1方向に相対移動して前記収容空間を形成する第2型と、を有し、
    前記駆動装置は、前記第2型が前記第1型から離間した状態で、前記第1方向における前記第1型と前記第2型との間に前記ヘッドの少なくとも一部を配置し、
    前記ヘッドの前記第1保持部は、前記第1型に前記シートを受け渡し、
    前記ヘッドの前記第2保持部は、前記第2型から前記成形品を受け取る、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の成形システム。
  11. 前記第2型は、前記第1方向において前記治具と前記第1型との間に位置する、請求項10に記載の成形システム。
  12. 前記第2保持部が前記射出成形機から前記成形品を受け取った後に、前記第1保持部が前記射出成形機に前記シートを受け渡す、または、前記第2保持部が前記射出成形機から前記成形品を受け取ると同時に、前記第1保持部が前記射出成形機に前記シートを受け渡す、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の成形システム。
  13. 前記シート供給装置は、鉛直方向の下方から上方に送り出されるフィルムの鉛直方向の下方を切断することにより、所定の寸法の前記シートを供給する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の成形システム。
  14. 前記シート供給装置は、前記第1保持部の形状に対応した形状を有するプレート部材を有し、
    前記プレート部材は、前記フィルムを前記ヘッドの方へ移動させる、請求項13に記載の成形システム。
  15. 前記シート供給装置は、前記フィルムの位置を検出するセンサを有する、請求項13または14に記載の成形システム。
  16. 前記シートには、アラインメントマークが設けられており、
    前記センサは、前記アラインメントマークに基づいて、前記フィルムの位置を検出する、請求項15に記載の成形システム。
  17. 前記駆動装置は、前記ヘッドと取り外し可能に接続し、
    前記駆動装置は、接続している前記ヘッドの情報を識別する、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の成形システム。
  18. 第2トリミング装置をさらに備え、
    前記トリミング装置は、前記成形品をトリミングして前記成形製品に代えて成形中間品を作製し、
    前記第2トリミング装置は、前記成形中間品をトリミングして成形製品を作製する、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の成形システム。
  19. 前記成形品をトリミングして前記成形製品を作製する第2トリミング装置をさらに備える、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の成形システム。
  20. シート供給装置から所定の寸法のシートを供給する工程と、
    前記シートをヘッドの第1保持部で保持して、射出成形機に搬送する工程と、
    前記シートを収容した収容空間で成形品を成形する工程と、
    前記成形品を前記ヘッドの第2保持部で保持して、前記射出成形機から治具に搬送する工程と、
    前記治具に載置された前記成形品をトリミング装置によってトリミングして、成形製品を作製する工程と、を備える、成形製品の製造方法。
  21. 前記成形品を前記射出成形機から前記治具に搬送する工程は、
    前記射出成形機から前記成形品を前記第2保持部によって受け取った後に、前記第1保持部に保持された次に成形されるべきシートを前記射出成形機に受け渡す工程、または、前記第2保持部が前記射出成形機から前記成形品を受け取ると同時に、前記第1保持部が前記射出成形機に前記シートを受け渡す工程と、
    前記第2保持部に保持された前記成形品を前記治具に載置する工程と、を含む、請求項20に記載の成形製品の製造方法。
  22. 前記シートは、前記第1保持部によって保持されてから前記射出成形機に受け渡されるまでの少なくとも一期間、前記ヘッドが有するヒーターによって加熱される、請求項20または21に記載の成形製品の製造方法。
  23. 前記ヒーターは、前記ヘッドによって前記第1保持部に保持された前記シートとの鉛直方向における位置関係を調節されながら、前記シートを加熱する、請求項22に記載の成形製品の製造方法。
  24. 前記ヒーターの温度は、前記第1保持部が前記シートを保持する時間に応じて決定される、請求項22または23に記載の成形製品の製造方法。
  25. 前記成形品を成形する工程と少なくとも部分的に並行して、前記ヘッドの前記第1保持部は、前記シートを保持する、請求項20乃至24のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  26. 前記成形品をトリミングする工程と少なくとも部分的に並行して、前記射出成形機は、前記成形品を成形する、請求項20乃至25のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  27. 前記トリミング装置の第3保持部を用いて前記治具から前記成形製品を搬出する工程を更に備える、請求項20乃至26のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  28. 前記成形製品を搬出する工程において、前記第3保持部は、前記成形製品と前記成形品をトリミングすることで当該成形品から分離された切除片とを保持する、請求項27に記載の成形製品の製造方法。
  29. 前記成形製品を搬出する工程において、前記第3保持部は、前記切除片を第1解放位置に解放し、前記成形製品を前記第1解放位置よりも鉛直方向における上方に位置する第2解放位置に解放する、請求項28に記載の成形製品の製造方法。
  30. 前記成形製品を搬出する工程において、前記第3保持部は、前記切除片を解放した後に、前記成形品を解放する、請求項28または29に記載の成形製品の製造方法。
  31. 前記第3保持部は、前記成形製品を吸着して保持し、
    前記治具は、前記成形品及び前記成形製品を吸着して保持し、
    前記治具は、前記第3保持部が前記成形製品を吸着した後に、前記成形製品の吸着を止める、請求項28乃至30のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  32. 前記第1保持部が前記シートを保持する時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間と、前記ヘッドが他の部材と干渉しないヘッド待機位置から移動して前記シートを保持し始める時間と前記ヘッドが前記シートを前記射出成形機に配置してから前記ヘッド待機位置まで移動する時間との合計の時間と、の差の時間だけ調節可能である、請求項20乃至31のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  33. 前記ヘッドの前記第1保持部が前記シートを保持し始めるタイミングは、前記第1保持部が前記シートを保持する時間に応じて決定される、請求項32に記載の成形製品の製造方法。
  34. 前記第2保持部が前記治具に前記成形品を載置して前記治具から離間した後に、前記トリミング装置が前記治具に接近する、請求項20乃至33のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  35. 前記第1保持部が前記シートを保持するために前記ヘッドが他の部材と干渉しないヘッド待機位置から移動してから前記第2保持部が前記成形品を前記治具に載置して前記ヘッドが前記ヘッド待機位置に移動するまでの時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間より短い、請求項20乃至34のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  36. 前記トリミング装置が前記成形品をトリミングするために前記トリミング装置が他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してから前記トリミング装置が前記成形製品を作製した後前記トリミング装置待機位置に移動するまでの時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間より短い、請求項20乃至35のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  37. 前記トリミング装置が前記成形品をトリミングして前記成形製品に代えて成形中間品を作製する工程と、
    第2トリミング装置が前記成形中間品をトリミングして成形製品を作製する工程と、を備え、
    前記第2トリミング装置が前記成形中間品をトリミングする工程と少なくとも部分的に並行して、前記トリミング装置が前記成形品をトリミングする、
    請求項20乃至36のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  38. 第2トリミング装置は、前記成形品を前記トリミング装置と同一のトリミングをして前記成形製品を作製し、
    前記第2トリミング装置が前記成形品をトリミングする工程と少なくとも部分的に並行して、前記トリミング装置が別の前記成形品をトリミングする、
    請求項20乃至36のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
  39. 前記トリミング装置が前記成形品をトリミングするために前記トリミング装置が他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してから前記トリミング装置が前記成形製品を作製した後前記トリミング装置待機位置に移動するまでの時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間より長く、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間の2倍より短い、請求項38に記載の成形製品の製造方法。
  40. 複数のトリミング装置が前記成形品をトリミングして前記成形製品を作製する工程と少なくとも部分的に並行して、他の少なくとも1つのトリミング装置が前記成形品をトリミングして前記成形製品を作製し、
    各トリミング装置が前記成形品をトリミングするために他の部材と干渉しないトリミング装置待機位置から移動してから前記成形製品を作製した後前記トリミング装置待機位置に移動するまでの時間は、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間より長く、前記射出成形機が前記シートを成形し始めてから次のシートを成形し始めるまでの時間と前記トリミング装置の数との積より短い、請求項20乃至36のいずれか一項に記載の成形製品の製造方法。
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