JP3168708U - 接着剤の塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多品種少量生産や接着試験などに最適に使用できる塗布装置を提供する。【解決手段】塗布対象物SHが平面状に配置される作業台6を、水平方向に往復移動させる搬送装置と、作業台6に配置されて往路方向に移動中の塗布対象物SHに対して、移動方向に直交して接着剤をライン状に噴射して、往路方向の移動完了時に、塗布対象物SHに面状の塗布面を形成する吐出装置11と、を有して構成され、吐出装置は、接着剤を保持する供給タンクTNから液状の接着剤を受けて動作し、その平面形状の両側に、往路移動開始前の作業台の作業空間と、往路移動完了時の作業台の作業空間とが確保されている。【選択図】図2
Description
本考案は、シール材などの表面基材に接着剤を塗布する塗布装置に関し、特に、多品種少量生産の商品に使用される表面基材にホットメルト接着剤を塗布する塗布装置に関するものである。
一般に、品物や容器などに貼着される紙片はラベル(label)と呼ばれ、表面に絵や文字を印刷した糊付きの紙は、シール(seal)と呼ばれている。また、これらに類する商品としてステッカー(sticker)と呼ばれる紙片も知られている。
これらの商品は、何れも、印刷面となる表面基材と、接着剤層と、剥離材との三層構造となっている。そこで、本明細書では、これらの商品を総称してシール材と称し、粘着剤を包含する概念として接着剤なる用語を使用する。
何れにしても、シール材の表面基材は、厚さ0.1mm以下のプラスチック素材や合成紙で構成され、プラスチック素材としては、ポリエステル(PET)、塩化ビニール(PVC)などが一般的である。
ところで、シール材は、その使用目的や使用用途により、使用可能な接着剤とその塗布厚が全く相違する。例えば、剥離材から剥離した表面基材を、紙材料に固定的に貼着する場合と、金属面やガラス面に剥離可能に貼着する場合とでは、最適な接着剤と塗布厚が全く異なる。また、紙材料に貼着する場合でも、ダンボール箱に貼着する場合と、包装紙などに貼着する場合とで異なり、包装紙にも各種の素材が存在し、同じ素材の包装紙であっても表面仕上げが種々異なる。
また、昨今の多品種少量生産の傾向に対応して、シール材についても多種類のものが少量ずつ生産することが必要となっており、このような実情に対応した生産システムが望まれるところである。すなわち、同一のシール材を大量に生産するのであれば、特許文献1〜2に記載された塗布装置で足りるが、多品種少量生産を前提にすると、大掛かり塗布装置を使用すると、かえって生産効率を劣化させる。
また、単なるシール材に限らず、ある程度の厚みを有する本体基材に対して、これに表面基材を接着するための最適な接着剤と塗布厚を検出する試作機として使用できる塗布装置も望まれるところである。本体基材としては、プラスチック板などに限らず、例えば、木材やゴムや金属なども考えられ、本体基材と表面基材の相性を考えると、相当回数の接着試験が必要であり、従来の塗布装置では、この要請に応えることができない。
本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、多品種少量生産や接着試験などに最適に使用できる塗布装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本考案に係る塗布装置は、塗布対象物が平面状に配置される作業台を、水平方向に往復移動させる搬送装置と、作業台に配置されて往路方向に移動中の塗布対象物に対して、移動方向に直交して接着剤をライン状に噴射して、往路方向の移動完了時に、塗布対象物に面状の塗布面を形成する吐出装置と、を有して構成され、前記吐出装置は、接着剤を保持する供給タンクから液状の接着剤を受けて動作し、その平面形状の両側に、往路移動開始前の作業台の作業空間と、往路移動完了時の作業台の作業空間と、が確保されて構成されている。
本考案では、先行文献1や先行文献2のように、複数の供給ロールから各種フィルムを巻き出して、必要な接着剤を塗布して完成されたシール材を、巻取ロールに巻き取る構成を採らないので、必要なシール材などを、必要量だけ製造することができ無駄がない。また、作業台が移動する構成を採るので、接着剤の塗布対象物はシール材に限らず、それ以上の厚みを有する本体基材に対して、これに表面基材を接着するための最適な接着剤と塗布厚を検出するための試作機としても使用できる。
また、本考案の吐出装置の平面形状の両側には、往路移動開始前の作業台の作業空間と、往路移動完了時の作業台の作業空間とが確保される程度であるので、装置の占有空間に無駄が無く、この意味でも多品種少量生産に適している。
塗布対象物として好適に使用されるシール材は、いわゆるシールに限定されず、ラベルやステッカーなどを含んだ概念であることは先に定義した通りである。また、表面基材の素材も特に限定されないが、典型的には、プラスチック素材や合成紙で構成され、プラスチック素材としては、ポリエステル(PET: polyethylene terephthalate)、塩化ビニール(PVC: polyvinyl chloride)などが好適に採用される。
なお、合成紙とは、一般には、合成樹脂を主原料として製造され、合成樹脂の性質を残しつつ一般の紙の性質を付与した製品を意味するが、本考案では、これに限定されず、一般の紙とプラスチックフィルムとを組合せた合成品も含む概念である。
何れにしてもシール材の表面基材は、一般に厚さが0.1mm以下であるので、作業台に展開して平面状に伸張するのは容易でない。そこで、好適には、貼合せシートに保持した状態で作業台に載置される。貼合せシートは、適宜に選択されるが、塗布作業を終えた表面基材を貼合せシートから容易に剥離できるようシリコーンなどで表面処理した紙材が好適に使用される。
また、表面基材の大きさも特に限定されないが、多品種少量生産を円滑に実現するには、展開広さが1000×1000mm未満の範囲で、ある程度大きい方が望ましく、好適には、500〜550mm×600〜750mm程度の表面基材が使用される。このような表面基材に、本考案の塗布装置によって接着剤が塗布された後、その塗布面に剥離材が接着されて多数個のシール材を包含した半完成品が製造される。そして、この半完成品から、個々のシール材を切断分離することで、商品としてのシール材が完成する。
接着剤の塗布量は、接着剤の種別や塗布厚によって適宜に変化するが、一般的には20g/m2〜30g/m2程度の塗布量となる。この程度の塗布量であれば、500〜550mm×600〜750mm程度の表面基材に対して、一枚当り5秒程度の作業時間で塗布作業を終えることができる。
何れにしても、最適な接着剤の選択や、その塗布厚の管理が重要であるので、本考案の吐出機能は、好ましくは、垂直方向の作業位置が任意に設定可能に構成されている。
本考案の搬送装置は、好ましくは、駆動モータの駆動によって往路方向及び復路方向に移動可能な搬送ベルトと、搬送ベルトに固定されると共に作業台の一端を保持する保持片と、作業台の移動方向に延設されたレールと、作業台の底面に配置されてレールを摺動する摺動片と、を有して構成されている。本考案では、作業台がレールの滑走面を摺動する構成を採るので、レール上を回転ローラが転動する場合と比較して、機械的精度が高く、吐出装置との垂直方向の位置関係を一定値に維持することができる。
本考案の接着剤は、液体であれば特に限定されないが、好ましくは、ホットメルト接着剤が選択される。ホットメルト接着剤は、熱可塑性ポリマーをベースにした接着性混合物であり、常温では固形であって加熱(100〜180℃)により溶融して、冷却すると固体に戻る特定を有している。ホットメルト接着剤は、比較的安価であって、迅速接着が可能であるので、多品種のシール材を少量生産する上で最適である。
本考案の吐出装置は、好ましくは、加熱状態の接着剤を供給タンクから受ける一時収容部と、一時収容部から受ける接着剤を吐出する塗布ヘッドと、を有して構成され、一時収容部及び塗布ヘッドには、接着剤を所定温度に維持する加熱部材が内蔵されている。このような構成を採ることで、溶解状態のホットメルト接着剤を最適温度に維持することができる。なお、吐出装置には、加熱状態の接着剤を一時収容部から受けて塗布ヘッドに供給する噴射ガンが、配置されているのが好ましい。
何れにしても、塗布ヘッドには、ライン状の吐出口が形成されているのが好ましい。
上記した本考案によれば、多品種少量生産や接着試験などに最適に使用できる塗布装置を実現することができる。
以下、実施例に基づいて本考案を詳細に説明する。図1は、シール材の製造工程を説明する概略面である。また、図2は、実施例に係る塗布装置EQUを示す概略平面図であり、図3は、その概略正面図である。
本実施例の塗布装置EQUは、表面基材1と剥離材2とが接着剤層3を挟んで一体化されたシール材を、多数個まとめて製造する製造ラインに配置され、表面基材1にホットメルト接着剤を塗布する用途で使用される。
そのため、表面基材1は、N個×M個のシール材に対応して、例えば、500mm×650mm程度のプラスチック製のフィルム材1で構成され、このフィルム材1に対応する寸法の貼合せシート4に広げられた状態で、塗布対象物SHとして、図2及び図3に示す塗布装置EQUに供給される(図1(a)参照)。そして、接着剤の塗布作業を終えた後、接着剤層3の上面から、表面基材1に剥離材2を重合させることで(図1(b)参照)、半完成品たるN個×M個分のシール材が製造される。
次に、図1(c)に示す半完成品を、個々のシール材に切断分離することでN個×M個のシール材が完成する。なお、表面基材1には適宜なタイミングで印刷処理が施され、貼合せシート4は、切断作業までの適宜なタイミングで表面基材1から分離されて再利用される。
以上を踏まえて、図2及び図3に示す塗布装置EQUについて説明する。図示の塗布装置EQUは、塗布対象物SHを保持する作業台6を、水平方向左右に往復移動させる搬送装置10と、往路方向(図示右向き)に移動中の塗布対象物SHに対して、移動方向に直交してホットメルト接着剤をライン状に噴射する吐出装置11と、を有して構成される。
吐出装置11は、作業台の搬送経路の上側に、門型の基体部を有して構成され、ホットメルト接着剤を溶融状態で保持する供給タンクTNから接着剤を受けて動作している。吐出装置11の左右幅は、例えば450mm程度であり、その両側には、移動開始前の作業台6が静止する開始作業空間(左側)と、移動完了時の作業台6が静止する終了作業空間(右側)だけが確保されて、全体として1200mm×2600mm程度に小型化されている(図2参照)。なお、塗布装置EQUは、ロック機構を備える4個の回転ローラROLで支持されおり、ロック機構を解除することで塗布装置EQUを移動させることも可能にしている。
開始作業位置に静止する作業台6には、貼合せシート4に伸張されたフィルム材1(図1(a)参照)が、塗布対象物SHとして作業員によって載置される。なお、作業台6の高さは、1500mm程度であり、作業員の載置作業を容易化している。その後、搬送装置10が移動動作を開始して、作業台6が吐出装置11を所定の一定速度で通過することで、フィルム材1の上面全体に、ホットメルト接着剤の塗布面3が均一に形成される。
そして、作業台6が終了作業位置に到達すると搬送装置10の移動動作が停止するので、塗布面3が形成されたフィルム材1が、貼合せシート4と共に作業員によって取り出され、次の作業に移送されて塗布面3の上面に剥離材2が塗布される(図1(b)参照)。なお、塗布対象物SHが取り出された作業台6は、復路方向に移動して作業開始位置で停止する。
上記の作業動作を繰り返し実現する搬送装置10は、駆動モータ11と、従動モータ12と、駆動モータ11の回転を従動モータ12に伝達する伝達チェーン13と、従動モータ12の駆動軸に歯合する搬送ベルト14とを有して構成されている。なお、搬送ベルト14は、内周面に係合歯が形成された歯付きベルトであり、自由回転するガイドローラR1〜R4に案内されて循環可能に構成されている。但し、この実施例では、開始作業空間と終了作業空間との間で、往復運動を繰り返している。
搬送ベルト14の一部には、作業台6の一端を保持する一対の保持片20が固定されている。また、搬送ベルト12が移動する垂直高さ付近には、二本のレール21が水平方向に平行に敷設されている。図2及び図3に示す通り、二本のレール21は、作業開始空間から作業終了空間にまで、正確な平坦面を有して、精密に一直線状に連続している。
このように構成された二本のレール21に対応して、作業台6の底面には、レール21の平坦面を摺動する4個の摺動片22が固定されている。摺動片22は、その断面が反転略U字状に形成されてレールの両側面を把持している。
本実施例では、平坦面を有するレール21を、精密な一直線に敷設する上に、レール21に摺動片22を摺動させるので、吐出装置11から吐出される接着剤に対して、塗布対象物SHを正確に直交させることができる。すなわち、塗布装置EQUそのものは、回転ローラROLで支持されるので、多少傾斜することが避けられないが、吐出装置11及び作業台6が、塗布装置EQUの傾斜状態に追随するので、接着剤の吐出方向と塗布対象物SHとを正確に直交させることができ、塗布面の均一性を維持することができる。なお、レール21に摺動片22を摺動させる構成に代えて、回転ローラを転動させる構成を採ると、塗布面の均一性が担保されない。
ところで、塗布面の均一性をより向上させるためには、作業台6に多数の開口を設けると共に、この多数の開口を閉塞するよう塗布対象物SHを載置し、吸引ポンプ23によって塗布対象物SHの下面を真空引きするのが好ましい。
図4(a)は、吐出装置11を概略的に図示した斜視図である。この吐出装置11は、ホース部材HSから接着剤を受ける一時収容部30と、接着剤をライン状に吐出させる塗布ヘッド31と、一時収容部30から接着剤を受けた接着剤を塗布ヘッド31に伝える多数の噴出ガン32・・・32とを有して構成されている。
先に説明した通り、この吐出装置11は、ホットメルト接着剤を溶融状態で保持する供給タンクTNから受けたホットメルト接着剤を、作業台6に保持された塗布対象物SHに対してライン状に吐出して塗布する。
この吐出装置11には、昇降機構50(図3参照)が設けられており、塗布対象物SHの厚さに対応して、塗布ヘッド31を最適位置に、正確に位置決めできるようになっている。また、一時収容部30と塗布ヘッド31には、各々、棒状ヒータと温度センサとが内蔵されており、使用するホットメルト接着剤に最適な加熱状態に維持されている。
図4(b)に示す通り、塗布ヘッド31は、第一部材FRと第二部材SDの間にシム(shim)部材SMを挟着して構成されている。第一部材FRには、噴出ガン32から接着剤を受ける多数の丸穴状の導入口40と、各導入口40から受けた接着剤を出力するライン状の導出口41と、棒状ヒータを受入れるヒータ収容穴42と、温度センサを受入れるセンサ収容穴43とを有して構成されている。
丸穴状の導入口40は、その一部が図4(a)に図示されており、ライン状の導出口41と、ヒータ収容穴42と、センサ収容穴43とは、図4(b)に図示されている。なお、導入口40と導出口41とヒータ収容穴42とセンサ収容穴43とは、接着剤が移動する第一部材FRの内部空間に連通している。
シム部材SMは、導出口41から吐出される接着剤を一方向(図4(b)の上方)にだけ噴射させる阻止プレートとして機能しており、第一部材FRと第二部材SDに挟着された状態で、ライン状の導出口41に連続する吐出ラインPRを形成している。なお、図示例では、4本のビスによって、第一部材FRと第二部材SDとシム部材SMとが一体化されている。
図4に示すように、本実施例では、作業台6に保持された塗布対象物SHに、接着剤を塗布する構成を採っているので、シール部材を多品種少量生産するのに適合している。すなわち、図5に示すように、回転ローラRLで保持されたフィルム材Fiを吐出装置11で押し下げ、テンションが付与されたフィルム材に接着剤を塗布する構成を採ることもできるが、この場合には、複数の供給ロールから各種フィルムを巻き出すと共に、完成されたシール材を、巻取ロールに巻き取る必要があり、少量生産には不適である。また、図5の構成では、厚みのある塗布対象物には全く対応できない。
以上、本考案の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は、特に本考案を限定するものではない。特に、搬送装置10や吐出装置11の具体的構成は、一例を例示したに過ぎず、何ら本考案を限定せず、各種の改変が可能である。
EQU 塗布装置
TN 供給タンク
SH 塗布対象物
6 作業台
10 搬送装置
11 吐出装置
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Claims (6)
- 塗布対象物が平面状に配置される作業台を、水平方向に往復移動させる搬送装置と、
作業台に配置されて往路方向に移動中の塗布対象物に対して、移動方向に直交して接着剤をライン状に噴射して、往路方向の移動完了時に、塗布対象物に面状の塗布面を形成する吐出装置と、を有して構成され、
前記吐出装置は、接着剤を保持する供給タンクから液状の接着剤を受けて動作し、その平面形状の両側に、往路移動開始前の作業台の作業空間と、往路移動完了時の作業台の作業空間と、が確保されて構成されていることを特徴とする塗布装置。 - 前記搬送装置は、駆動モータの駆動によって往路方向及び復路方向に移動可能な搬送ベルトと、搬送ベルトに固定されると共に作業台の一端を保持する保持片と、作業台の移動方向に延設されたレールと、作業台の底面に配置されてレールを摺動する摺動片と、を有して構成されている請求項1に記載の塗布装置。
- 前記接着剤は、ホットメルト接着剤である請求項1又は2に記載の塗布装置。
- 前記吐出装置は、加熱状態の接着剤を供給タンクから受ける一時収容部と、一時収容部から受ける接着剤を吐出する塗布ヘッドと、を有して構成され、一時収容部及び塗布ヘッドには、接着剤を所定温度に維持する加熱部材が内蔵されている請求項1〜3の何れかに記載の塗布装置。
- 前記吐出装置には、加熱状態の接着剤を一時収容部から受けて塗布ヘッドに供給する噴射ガンが更に配置されている請求項4に記載の塗布装置。
- 前記塗布ヘッドには、ライン状の吐出口が形成されている請求項1〜5の何れかに記載の塗布装置。
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JP2014161815A (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Toray Eng Co Ltd | 塗布装置および塗布方法 |
JP2014233651A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | オリジン電気株式会社 | 接着剤塗布装置及び方法 |
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