JPH11268076A - 加飾方法および成形型 - Google Patents

加飾方法および成形型

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JPH11268076A
JPH11268076A JP8953798A JP8953798A JPH11268076A JP H11268076 A JPH11268076 A JP H11268076A JP 8953798 A JP8953798 A JP 8953798A JP 8953798 A JP8953798 A JP 8953798A JP H11268076 A JPH11268076 A JP H11268076A
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JP
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sheet
mold
resin
pattern
molding
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JP8953798A
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Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形と同時に1工程で、位置精度や形状精度
の良い絵柄で加飾されたシートや樹脂の成形物が得られ
る方法とその為の成形型を提供する。 【解決手段】 シートを真空成形する成形型3には、印
刷すべき絵柄に対応する部分の型面4の一部を通液性材
料1で構成した版面5を設け、インキをインキポンプ2
等で加圧して通液性材料中を通して版面にまで供給し
て、版面からインキをシートに転移させ、絵柄6が印刷
されたシート成形物Msとする。樹脂成形物Mbは、樹
脂成形型を真空成形できる成形型3としてシートを予備
成形後に型締めして樹脂を射出して、シートが表面に積
層一体化された樹脂成形物を得れば、その表面に絵柄が
印刷されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート成形物や樹
脂成形物の加飾方法と、その加飾方法で使用し得る成形
型に関する。特に、成形と同時に位置精度や形状精度の
良い絵柄を印刷して加飾できる方法とその為の成形型に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シート成形物や樹脂成形物等
の成形物の表面を、印刷等で加飾する事が、各種方法に
より行われている。特に、成形物では、加飾面が平面で
無い事も多く、各種の曲面印刷可能な印刷方法が使用さ
れている。例えば、シート成形物や樹脂成形物を成形し
た後に、これら成形物の表面に対して、ホットスタンプ
(転写)やパッド印刷(タコ印刷)等によって、絵柄を
印刷する方法がある。また、シート成形物では、予め文
字等の絵柄を印刷しておいた絵付シートを用意してお
き、その絵柄を真空成形型に位置合わせして真空成形す
る方法もある。また、樹脂成形物に対しては、例えば、
射出成形同時絵付け方法(射出成形同時加飾方法)があ
り、この方法は、樹脂成形と同時に絵付シートを表面に
積層して加飾する方法である。例えば、射出成形同時絵
付け方法として特公昭50−19132号公報が開示す
る形態は、真空成形型を兼用する為の通気孔を設けた雌
型を利用して、熱可塑性樹脂よりなる絵付シートを雌型
キャビティ面に沿う様に真空成形で予備成形した後、雌
雄両型を型締めし、溶融樹脂を両型で形成されるキャビ
ティに射出して、樹脂成形物の外表面に絵付シートを積
層し一体化させて、絵付シートに予め印刷しておいた絵
柄で加飾する方法である。また、シートの絞りが小さい
場合には、例えば特公昭43−27488号公報に開示
される様に絵付シートの予備成形は行わずに、キャビテ
ィに射出される液状樹脂の樹脂圧によって、樹脂の射出
と同時に絵付シートをキャビティ面に沿わる形態の射出
成形同時絵付け方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に成形物の加
飾方法としては各種方法があるが、シート成形物や樹脂
成形物として成形した後に、その表面に印刷で絵柄を形
成するのでは、成形工程と印刷工程とが必要で、製造工
程が2工程となる煩雑さがあった。また、成形物の非平
面部分に絵柄を形成することは容易では無く、困難な場
合もあった。これに対して、予め文字や模様等の絵柄を
印刷しておいた絵付シートを用いる方法には、成形工程
の1工程のみで、加飾も同時になされる利点がある。し
かし、絵付シートで加飾する場合は、絵付シートが成形
される型に絵付シートを位置合わせする精度と、シート
成形条件によるシートの伸び状態のバラツキが重なり、
絵柄の位置精度が出にくくブレ(振れ)る。
【0004】しかも、絵柄を設ける場所によっては、シ
ート成形により平面の絵付シートを非平面形状にする事
よって必然的に発生する、絵柄の歪みの問題もある。た
だ、従来、この種の絵柄の位置精度ブレや絵柄の歪みの
問題は、シート成形の絞りが浅い場合、或いは、木目柄
等でブレや歪みが目立たない絵柄の場合等では、さほど
問題視されなかった。また、従来は、この様なブレや歪
みが目立たない木目や石目模様等の絵柄の成形物に限定
して、或いはそれらが目立たないデザインに変更して、
製造してきたのが実情である。しかし、この絵柄のブレ
や歪みの問題で、製品としては採用できず、絵柄で加飾
されたシート成形物や樹脂成形物の用途が限定されてき
たのも事実である。それは、例えば、樹脂成形の分野で
は、特に射出成形同時絵付け方法が普及し、より大きな
成形品に対しても試みる様になり、顕在化してきた。特
に、絵柄が文字、或いは四角形や円形等の抽象柄で、所
定の形状が所定の位置に有る場合である。例えば、電気
製品や自動車内装材等で、スイッチや表示部を説明する
文字等が、木目や石目模様の絵柄に加えて有る場合であ
る。
【0005】なお、特公平7−58395号公報等に開
示される如く、シート成形時のシートの変形量を予想し
て、成形後にあるべき絵柄の位置とその形状となる様
に、元々の絵付シート上の絵柄を予め変形しておく歪み
補正を行っておく事で、絵柄の位置とその形状をある程
度の精度で出せる事も出来る。しかし、シート成形時の
加熱温度の面的なバラツキや、シート自体の延伸性の面
的なバラツキ等によって、成形時のシートの変形度合い
は完全に一定では無い為に、位置のブレや歪みのブレは
依然として残り、歪み補正にも限界があった。また、材
質や厚み等のシート仕様が変更となりシートの延伸性自
体が異なってしまう場合では、歪み補正を最初からやり
直す必要があった。
【0006】そこで、本発明の課題は、シート成形物や
樹脂成形物の表面を、位置精度が良く、また形状的にも
精度良く、文字等の絵柄でも加飾できる加飾方法と、そ
の為の樹脂成形物の成形型にも使用できる成形型を提供
する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで上記課題を解決す
べく、本発明の加飾方法は、加熱軟化したシートを、成
形型で真空成形して該型の型面に沿わせてシート成形物
を成形すると同時に、シート成形物の表面に絵柄を印刷
する加飾方法であって、前記絵柄に対応する成形型の型
面の一部を、通液性材料で構成される版面とし、該通液
性材料中をインキを通して該版面にまでインキを供給す
る様にしておいて、シートを成形することで、版面から
インキをシートに転移させて、成形と同時にシート成形
物の表面に絵柄を印刷して加飾する方法とした。その結
果、シート成形物に対して、特に文字等の絵柄でも、位
置精度が良く且つ形状的にも精度良く加飾できる。
【0008】また、本発明の加飾方法の第2の形態は、
樹脂成形物に対する方法であり、型開き状態にある一対
の成形型の両型間にシートを供給し、シートが加熱軟化
した状態に於いて、両型を型締めし、両型で形成さるキ
ャビティに樹脂を射出し、樹脂が固化後、型開きするこ
とで、成形と同時に前記シートが表面に積層され且つ該
シートの表面に絵柄が印刷された樹脂成形物を得る加飾
方法であって、一対の成形型のうちの少なくとも一つの
成形型に、前記絵柄に対応する部分の型面の一部を、通
液性材料で構成される版面とした成形型を用いて、該通
液性材料中をインキを通して該版面にまでインキを供給
する様にしておいて、両型間に供給され加熱軟化された
状態のシートを、版面を有する型面に沿わせる為に、該
版面を有する成形型を通気孔を有する真空成形型と兼用
する型として、該真空成形型を兼用する型でシートを真
空成形することで予備成形し、その後、型締めするか、
或いは加熱軟化された状態のシートを予備成形せずに両
型を型締した後に、キャビティに射出される液状樹脂の
樹脂圧によって、前記版面を有する型面にシートを沿わ
せて、版面からインキをシートに転移させ、シートが表
面に積層され且つ該シート表面に絵柄が印刷された樹脂
成形物とする、加飾方法とした。その結果、樹脂成形物
に対しても、特に文字等の絵柄でも、位置精度が良く且
つ形状的にも精度良く加飾できる。
【0009】また、本発明の成形型は、上記加飾方法に
用い得る成形型であり、加熱軟化したシートを少なくと
も真空成形する為の成形型において、成形と同時に成形
物表面に絵柄を印刷し得る成形型であって、印刷すべき
絵柄に対応する部分の型面の一部が、通液性材料で構成
される版面を成し、該通液性材料は、該材料中をインキ
を通して該版面にまでインキを供給し得る材料から成る
構成とした。その結果、シート成形物に対する上記加飾
方法を実施できる。また、上記成形型が、一対の成形型
のうちの少なくとも一つであり、一対の成形型を型締め
して形成されるキャビティに樹脂を射出して樹脂成形す
る為の樹脂成形型も兼用する構成とすれば、前記の樹脂
成形物に対する加飾方法も実施できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の加飾方法および成形型の実施の形態を説明する。
【0011】先ず、図1は、本発明の加飾方法及び成形
型を説明する概念図であり、図2は、本発明の成形型を
説明する概念図である。なお、図2(A)は要部断面
図、図2(B)は型面側からみた正面図である。
【0012】図1(A)及び図2の如く、本発明の加飾
方法及び成形型では、成形型3の型面4(キャビティ形
成面)の印刷すべき絵柄に対応する部分を版面5とし、
該版面を通液性材料1で構成する。なお、成形型は、樹
脂成形物を得る場合は、シート成形用のシート成形型が
樹脂成形用の樹脂成形型を兼ねる場合も有る。通液性材
料1には例えば多孔質金属材料を使用する。図1(A)
及び図2(A)の如く、通液性材料1は成形型3に埋め
込み、型面4に露出する部分を版面5とし、型内部に埋
め込まれた部分に、型外部或いは型内部に設けたインキ
ポンプ等のインキ供給手段2からインキを通液性材料1
内に供給し、通液性材料1を通して版面5までインキを
供給する。なお、インキが通液性材料1内の毛細管現象
のみで、版面5に常に適量滲出する場合は、インキ供給
手段としては、単に通液性材料1の背後にインキ貯溜空
間を形成するのみで良く、インキポンプは不要である。
そして、シートS〔図1(B)〕を、この様な版面5を
型面4に有する成形型3〔図1(C)〕を用いて真空成
形すれば、図1(D)の如く、版面を含む型面にシート
Sを接触させて密着させる事ができる。なお、シートの
加熱軟化は、シートを成形型に対して所望の位置とした
後で開始しても良いし、所望の位置にする前に開始して
も良い。また、シートを加熱軟化させる時は、接触加熱
でも非接触加熱でも良い。そして、目的物がシート成形
物の場合は、成形型からシート成形物を取り出せば、図
1(E)の如く、版面からインキが成形物表面に転移し
て、該表面が絵柄6で印刷され装飾されたシート成形物
Msが得られる。
【0013】なお、版面5までインキが達するインキ供
給は、シートが版面に接触する前でも良いが、その後で
も良い。また、本発明で真空形成とは、単に真空のみを
使用する真空成形の他に、圧空も併用する真空・圧空成
形も包含する。
【0014】また、目的物が樹脂成形物の場合は、その
一つの方法は、シート成形型から取り出したシート成形
物Msを、別の成形型である樹脂成形型の型面に沿わせ
る様に挿入して樹脂成形することで、表面に上記シート
成形物が積層された、図1(F)の如き樹脂成形物Mp
とする方法である。なお、ここでシート成形物を沿わせ
るシート成形型の型面は、樹脂成形型の型面と同一又は
略同一形状である。しかし、樹脂成形物の場合は、この
シート成形型と樹脂成形型とを兼用した成形型を用いる
事もできる。そうすれば、一度、(シート)成形型の型
面に沿ったシートを取り出して、別の(樹脂)成形型に
供給する必要もなく、より精度よく絵柄を印刷して加飾
できる。この際、特にシートの成形が深絞りとなる場合
は、シート成形型と兼用する樹脂成形型は、真空成形の
為の通気孔を有する構造の真空成形型とする事が好まし
い。つまり、真空成形型を予備成形型として、樹脂の成
形前にシートを予備成形しておく。また、シートの成形
時の絞りが浅い場合は、樹脂成形型で真空成形せずに、
キャビティに射出される時の液状樹脂の樹脂圧でシート
を成形する事もできる。なお、これらの様なシート成形
型と樹脂成形型とを兼用してシートを樹脂成形物に積層
する方法は、所謂射出成形同時絵付け方法の一形態であ
り、それを流用できる。或いは、この射出成形同時絵付
け方法に対して、型面に設けた版面からインキを樹脂成
形物表面に転移させて印刷する技術を付与した方法が、
本発明とも言える。
【0015】通液性材料としては、成形と同時に成形物
表面に絵柄を繰り返し印刷できる様に、成形型の型面の
一部に設けた版面からインキが成形物に転移した後に、
更にその版面に、液状のインキを版面の背後から供給で
きる様な通液性を有し、且つ成形型として要求される機
械的強度、耐熱性等を備えた材料であれば、特に限定は
ない。なお、通液性とは、流体として液体を通す性質で
あり、流体が液体であるので、通気性と区別して「通液
性」とした。従って、液体を通せるものであれば、通気
性材料でも良い。この様な通液性材料としては、多孔質
材料の中でも内部の空隙が連続している多孔質材料が使
用できる。液体は該空隙の中を通過する。この様な多孔
質材料としては、例えば、多孔質電鋳金属、焼結金属、
多孔質セラミックス等から適宜選択すれば良い。金属は
ニッケル、ステンレス鋼、青銅、チタン、アルミニウム
等である。なかでも、セラミックスの粉末に対して金属
の粉末及び繊維、またはこれらの一方を混合して焼結し
た材料は好ましい通液性材料の一つである。具体的に
は、新東工業株式会社から販売されている商品名「ポー
セラックス」等が使用できる。通液性は大きくなるとイ
ンキの通りは良くなるが機械的強度が低下し、また通液
性が小さくなると機械的強度は良くなるが、インキの通
りが悪くなる。通液性の程度は、使用するインキの粘性
によっても異なるが、例えば「ポーセラックス」の場合
で言えば、通気度で3〜25m3 /cm2 ・sの範囲に
あるものは好ましい。また、版面に開口する孔は、成形
物の要求される表面品質にもよるが、例えば50〜15
0μm程度とする。なお、意匠表現として、前記版面に
開口する孔による凸形状を、成形物の絵柄部分に賦形し
ても良い。
【0016】なお、成形型の通液性材料以外の部分の材
料は、シート成形型や樹脂成形型に使用される従来公知
の材料で良い。例えば、鉄やアルミニウム等の金属又は
金属合金、或いはセラミックス等の非金属材料でも良
い。或いは、樹脂成形型でなく、成形圧が低ければ、木
製の成形型も使用できる。
【0017】なお、版面を成形すべき絵柄の形状とする
には、切削等で断面を該形状とした通液性材料を、成形
型に埋め込めば良い。或いは、該絵柄形状を含む大きさ
の四辺形等の任意の断面形状の通液性材料の型面となる
部分で、絵柄に該当しない部分を非通液性としても良
い。非通液性とするには、多孔質材料はその空隙の中に
熱硬化性樹脂等を型面側から押し込む等して浸入させた
り、或いは表面に遮蔽層を設けたりして、空隙を塞げば
良い。この場合、通液性を残す部分には、絵柄形状とし
たマスキングシート等を被せておけば、容易に非通液性
の部分を形成でき、残り部分を版面にできる。
【0018】型面の版面によって絵柄を印刷する為に使
用するインキには、特に限定は無く任意である。すなわ
ち、顔料や染料等の着色剤、その他添加剤を、バインダ
ー等からなるビヒクルに添加したインキを、用途に応じ
て使用すれば良い。但し、加熱されたシートが接触する
事により、版面も加熱されるので、この加熱により版面
上でインキが固化して、版面に通じる通液性材料の通液
性を損なわない様な、乾燥固化の早いインキを避けるの
は、もちろんである。従って、インキが溶剤等の揮発成
分を含む場合は、遅乾溶剤を用いる等と、溶剤成分等を
選択すると良い。例えば、パッド印刷(タコ印刷)に用
いられる様な遅乾性のインキを使用するのが良い。な
お、インキのバインダー用の樹脂としては、例えば、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポ
リオレフィン、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂や、熱硬化性ウレタン
樹脂やエポキシ樹脂等の所謂熱硬化性樹脂、或いは多官
能アクリレートの単量体やプレポリマー等からなる電離
放射線硬化性樹脂等を用いる。電離放射線硬化性樹脂の
場合は、紫外線硬化型インキ等として、揮発成分無しの
インキも可能で、版面でのインキ固化を防げ、また印刷
された絵柄の皮膜強度も優れたものとなり好ましい。ま
た、着色剤には、例えばチタン白、カーボンブラック、
弁柄、黄鉛、コバルトブルー等の無機顔料、アニリンブ
ラック、フタロシアニンブルー、イソインドリノン、キ
ナクリドン等の有機顔料、アルミニウム箔粉等の金属顔
料、真珠光沢(パール)顔料、その他染料等が用いられ
る。
【0019】なお、得られた成形物の使用時に於ける絵
柄の耐熱性が要求される場合は、インキには硬化性樹脂
を用いると良い。この場合、成形後に硬化性樹脂の硬化
が未完了であれば、適宜熱や紫外線等で硬化反応を進め
て硬化を完了させる。なお、絵柄が印刷された成形物表
面には、更にその保護や塗装感等の為に、透明な塗料を
塗装して上塗り層を設けても良い。
【0020】形成する絵柄の模様は任意だが、本発明で
は文字、記号、幾何学図形等の所定形状の模様が特に効
果的であり、この他、木目模様、石目模様、布目模様、
皮絞模様等でも良い。
【0021】次に、本発明の加飾方法の一形態として、
所謂射出成形同時絵付け方法に於いて、一対の樹脂成形
型の一方の型である雌型に、前記した版面を備えた成形
型を用いて、樹脂成形物を得る形態を詳述する。説明
は、シートに連続帯状の物を用いて連続生産する例を、
シートの供給、加熱軟化、予備成形、そして射出成形の
順に、図3〜図6を参照しながら一通り説明する。な
お、ここで例示する形態は、樹脂成形型がシート成形型
を兼用し、型締めする前にシートを型間で加熱軟化させ
て予備成形を行っておく形態である。なお、樹脂成形物
を得る加飾方法にて、シートを予備成形せずに、樹脂の
射出時に液状の樹脂の樹脂圧でシートを成形する形態で
は、熱盤を使用せずに、射出樹脂の熱圧でシートの加熱
と成形とを同時に行う事も可能である。しかし、これは
シート加熱が十分に行えず、絞りの浅い場合に限定され
る。従って、この場合でも、樹脂射出前にシートは加熱
軟化させておいた方が、より深い絞りまで対応できる。
しかも、本発明の加飾方法の特徴である絵柄の位置精度
及び形状精度が良い利点は、絞りが深い場合により効果
的である。
【0022】そして、ここで詳述する形態は、型Aと、
通気孔と型面に通液性材料からなる版面とを有しシート
の予備成形型を兼用する型B、とからなる一対の成形型
を用い、型開き状態に於いて両型間にシートを供給し、
加熱軟化したシートを型Bの型面に沿う様に真空成形に
より予備成形し、次いで、両型を型締めし、両型で形成
さるキャビティに液状樹脂を充填し、樹脂が固化後、型
開きして樹脂成形物を取り出すことで、型Bの型面に設
けた版面からインキをシートに転移させ、成形と同時に
シートが表面に積層され且つ該シート表面が前記インキ
の印刷による絵柄で装飾された樹脂成形物とする加飾方
法である。そして、用いるシートとして既に絵柄等で装
飾されている絵付シートを用いれば、絵付シートの積層
による装飾と、型面に設けた版面からのインキの印刷に
よる絵柄の装飾との両方を、樹脂成形と同時にできる射
出成形同時絵付け方法とする事もできる。なお、その場
合、型面上の版面で印刷される絵柄は文字、図形等の位
置精度、形状精度を要する絵柄とし、また予めシート上
に設けられる絵柄は、木目模様等の位置精度、形状精度
を要さない絵柄となる様に振り分けると良い。これは版
面5で形成する絵柄は、比較的単純な形状で且つ単一濃
度階調となるからであり、シート上に印刷する絵柄は、
複雑で連続階調の絵柄とすることが可能だからである。
【0023】先ず図3は、シート供給前の状態である。
成形型は、樹脂の湯口(不図示)を有する型Aと、予備
成形型(シート成形型)ともなる型Bとからなる。成形
型でシートの予備成形もするので、予備成形型となる型
Bには真空吸引の為の通気孔21を有する。通気孔21
には、弁22を通じて真空源23が接続してある。ま
た、型Bの型面4の一部、つまり成形物に絵柄を印刷す
る部分に対応する部分は、通液性材料1から構成した版
面5となっている。版面5の型面4上での形状は、印刷
すべき絵柄のパターン形状にしておく。通液性材料1は
背面からインキポンプ2等によりインキが加圧され供給
され、版面5上に滲み出る様になっている。一方、ロー
ルRから巻き出された連続帯状のシートSの先端は、搬
送チャック11で表裏から把持された状態である。な
お、これら図にて、斜線は仮想的切断面であ。
【0024】次いで、図3の状態から、シートSを型開
き状態にある型A及びBの両型間に供給して、図4のシ
ート供給後の状態にする。すなわち、ACサーボモータ
や流体圧シリンダ等によって上下往復動作する搬送チャ
ック11がシートSを把持したまま、クランプ13と型
Bのパーティング面14との間の隙間を下方に移動し
て、型Bの型外部下方に位置する受取チャック12がシ
ートの先端を把持できる位置まで、シートを搬送する。
エアシリンダ等で駆動される受取チャック12が、シー
ト先端の把持を完了すると、搬送チャック11はシート
の把持を解除して、型外部上方に移動して元の位置まで
戻り、次のショットの準備としてシートを把持する。次
いで、型間に常時位置するクランプ13が、エアシリン
ダ等の駆動機構により型B側に前進移動(図面左側方
向)して、シートを型Bのパーティング面14に押圧し
て、固定する。この結果、シートの型間への供給が完了
する。なお、クランプ13はパーティング面側から見た
形状が略四角形の枠体で、型Bのキャビティの周囲の四
方を囲繞する様に、シートSを型Bのパーティング面に
対して押圧する。枠体の四隅には摺動ロッド34が連結
され、摺動ロッドは型Bに摺動自在に嵌挿され、型Bの
パーティング面より後方に設けた空気等による流体圧シ
リンダ等の駆動源(不図示)に連結され駆動される。そ
して、熱盤15が、型外部の退避位置(図3に於いては
図示略)から型間に移動し、加熱すべきシートに対向す
る位置まで移動する。この状態が図4である。
【0025】次は図5の如く、シートSの加熱軟化であ
る。熱盤15が前進し(図面左側方向に)、クランプ1
3に当接する位置まで移動する。そして、シートに対し
て熱盤の加熱面は所定の距離隔てて、シートを非接触で
輻射加熱する。なお、熱盤が加熱位置に移動すると同時
に、同図では、熱盤上方に張り渡したニクロム線等の加
熱線条、或いは刃物からなる切断手段16がシートに接
触して、シートを切断し、今回のショットで成形すべき
シート部分を次のショット以降の成形に用いるべき上流
側から分断する。加熱線条の場合は加熱溶融による切断
である。なお、型Bのパーティング面には切断手段の邪
魔をしない様に受け溝17を切断手段16と対向する面
部分に設けてある。
【0026】そして、シートの加熱軟化完了後、または
加熱軟化開始後ある程度経過した後、型Bに設けた通気
孔21に連結した弁22を開き、真空ポンプ及び真空タ
ンク等からなる真空源23により、型Bのキャビティ1
8内の空気を排気して、シートを真空成形して型Bの型
面4に沿う様に、シートの予備成形を行う。予備成形後
に、熱盤15は両型間から型外部の退避位置に移動・退
避させる。その後、両型A、Bを型締めする。図6がこ
のシートの予備成形、型締後の状態である。その結果、
型Bの型面の絵柄を印刷すべき部分に設けられた、通液
性材料1からなる版面にシートSが接触した状態とな
る。この結果、版面からシートにインキが接触可能な状
態となる。シートが版面に接触する前に、既に版面上に
インキが滲みでるまで供給されておれば、シートが版面
と接触すると同時にインキもシートに接触する。また、
シートが版面に接触した後で、インキを通液性材料を通
して版面まで到達させる様に供給するのであれば、イン
キが版面にまで到達した時点でインキはシートに接触す
る。
【0027】なお、図6の如く、型Aのパーティング面
には、クランプ13が型締めを邪魔しない様にクランプ
を収納できる凹部となる受け溝19をクランプと対向す
る面部分に設けてある。また、通常は型Aの側に射出ノ
ズルと連通する湯道(ランナー)及び湯口(ゲート)を
設け(図示略)、これらを通じて液状(流動状態)の樹
脂を両型で形成されるキャビティ内に射出する様に構成
する。そして、両型で形成されるキャビティに流動状態
の樹脂を射出し充填して固化した後、型開きして、成形
物を取り出せば、版面からインキは、成形物表面のシー
ト側に転移して、シート表面に絵柄が印刷される。その
結果、成形と同時に、シートが表面に積層され且つ該シ
ート表面に絵柄が印刷された樹脂成形物が得られる。
【0028】なお、本発明の加飾方法及び成形型で使用
し得るシートとしては、何も装飾処理がされていないシ
ート(基材シート)でも良いが、絵柄やその他の装飾処
理が(基材シートに対して)されている絵付シートを用
いる事もできる。絵付シートを用いれば、型面に設けた
版面による絵柄の印刷による装飾と共に、絵付シート自
体による装飾も同時できる加飾方法となる。また、もち
ろんであるが、使用するシートの形態は、枚葉でも良い
し、連続帯状でも良い。
【0029】また、本発明の加飾方法或いは成形型でシ
ート成形するシート又は絵付シートの、基材シートとし
ては、所望の形状に成形する事から、加熱軟化時に成形
性の有る材料であれば特に限定はない。例えば、熱可塑
性樹脂からなるシート(フィルム)が代表的である。熱
可塑性樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の
オレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、エチ
レンテレフタレートイソフタレート共重合体等のポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体)、ポリアミド樹脂、ウレタン系等のその他の熱可塑
性エラストマー、等のシートの単層又は2層以上の積層
体が用いられる。また、成形性を満足すれば、シート又
は基材シートとしては、不織布や織布等の布等に対して
熱可塑性樹脂を含浸させたシートや、前記熱可塑性樹脂
シートを積層した積層体でも良い。
【0030】基材シートに対する装飾処理としては、基
材シート自体に着色剤を添加して着色(透明又は不透
明)する処理、或いは、模様印刷、金属薄膜形成、或い
は、エンボス加工(加熱プレス)やヘアライン加工等の
凹凸模様賦形等がある。これら各種の装飾処理は組み合
わせて使用する事もある。基材シートに添加したり、基
材シート等に模様印刷する印刷インキ(或いは塗料)に
用いる着色剤としては、例えばチタン白、カーボンブラ
ック、弁柄、黄鉛、コバルトブルー等の無機顔料、アニ
リンブラック、フタロシアニンブルー、イソインドリノ
ン、キナクリドン等の有機顔料、アルミニウム箔粉等の
金属顔料、真珠光沢(パール)顔料、その他染料等があ
る。印刷インキ(或いは塗料)は、従来公知の各種バイ
ンダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピ
レン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等の1種又
は2種以上の混合物を用いる。これに上記着色剤等が添
加される。模様印刷は、上記印刷インキにて、グラビア
印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写印
刷等の従来公知の印刷法、或いはグラビア塗工等の従来
公知の塗工法で行う(全ベタ模様時)。また、金属薄膜
形成はアルミニウム等の金属等の真空蒸着等で行う。該
金属薄膜は、全面又は部分的なパターン状に設ける。模
様は、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何
学図形、文字、記号、或いは全面ベタ等である。模様
は、基材シートの表面、裏面、表裏両面、或いは、多層
構成の基材シートでは層間の場合もある。
【0031】なお、樹脂成形物に積層する形態で用いる
シートでは、樹脂と接する側のシートの裏側面には、該
樹脂との接着性向上のため、コロナ放電処理、公知の各
種プライマー塗工等の易接着処理や感熱型等の接着剤層
を施した構成とする事がある。接着剤層には、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂等の公知の樹脂が用いられる。樹脂
の具体例としては、例えばポリスチレン、ポリα−メチ
ルスチレン等のスチレン樹脂又はスチレン共重合体、ポ
リ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸
エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重
合体、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチルゴム、スチ
レンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム
等のゴム系樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等の、天然又は
合成樹脂、各種アイオノマー等の1種又は2種以上の混
合物が用いられる。
【0032】シートと樹脂成形時に一体化させる成形樹
脂としては、特に限定されず、例えば射出成形同時絵付
け方法に於ける従来公知のものが使用できる。例えば、
熱可塑性樹脂であれば、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹
脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体)樹脂、スチレン樹脂、AS(アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体)樹脂、ポリカーボネート樹脂等
があり、硬化性樹脂であれば、不飽和ポリエステル樹
脂、硬化性アクリル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂等がある。
【0033】なお、本発明でいう「加飾」とは、単に文
字、図形等の目視可能な模様による絵柄を成形品に付与
する以外に、目視不可能な模様の絵柄、あるいは硬質塗
膜、導電性等の機能性層の模様による絵柄を付与するこ
とも包含する。目視可能な絵柄としては、印刷等により
形成したインキ層、真空蒸着等により形成した金属薄膜
など公知のものが、また、目視不可能な絵柄としては、
可視光に対しては無色透明で紫外線照射により可視光を
発光する蛍光インキで印刷した絵柄等が用いられる。な
お、本発明でいう射出成形とは、通常一般の射出成形で
用いる「熱溶融した熱可塑性樹脂」を射出する以外に、
「室温で溶融状態にある熱硬化又は2液反応硬化型樹脂
の未硬化物」を射出する事も包含する。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳述する。
【0035】先ず、成形型としては、図1(F)に示す
様な形状の、横200mm、縦500で深さ最大40m
mの箱型の樹脂成形物Mpが得られる、鋼製の射出成形
用金型をテスト型として用いた。なお、この雌雄一対か
らなる成形型の雌型側には、シートを真空成形で予備成
形する為の通気孔21が図3の様に設けてあり、また、
その型面4には、図1(A)の様な通液性材料1からな
る版面5が、印刷すべき絵柄のパターンに対応した形状
で設けてある。通液性材料には新東工業株式会社製の商
品名「ポーセラックス」を使用して、型面から埋め込ん
だ構造とした。絵柄パターンとしては図1(C)の如く
「ABC」の文字パターンとした。また、通液性材料の
裏側から成形型裏面に通じるインキの通路孔を穿設し
て、裏面にインキを供給する容器と、インキを加圧する
インキポンプを接続して、版面にインキが滲み出る様に
した。
【0036】そして、シートとしては、125μm厚の
透明なアクリル系樹脂フィルムからなる基材シートの内
側(型面側)となる面に、アクリル樹脂と塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体との1:1重量比の混合物系のバイ
ンダーに弁柄等を主成分とする着色顔料を添加してなる
インキで、木目柄を3色のグラビア印刷で形成し、更に
その上に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体からなる厚さ
4μmの接着剤層をグラビア塗工して、連続帯状の絵付
シートを用意した。
【0037】そして、加飾は、図3〜図6で例示した様
な装置及び手順で行った。先ず、搬送チャック11と受
取チャック12を用いて、絵付シートSを型Bのパーテ
ィング面14上にまで搬送し、その後、クランプ13に
より、絵付シートを型Bのキャビティの周囲四方のパー
ティング面に押圧し固定し、シート供給を完了した。次
いで、セラミックパネルヒータからなる熱盤15を型外
の退避位置から両型間に進入させ(図4参照)、更に熱
盤15を、絵付シートと所定の距離を隔てた位置まで型
Bの方へ前進させて、非接触の輻射加熱による絵付シー
トの加熱軟化をを行った(図5参照)。また、シートを
型Bの型面4に沿わせるべく、加熱軟化を開始3秒後に
真空吸引を開始し、加熱軟化開始後8秒後に、熱盤を後
退させて両型外に退避させて、シートの真空成形を完了
した。
【0038】そして、熱盤を型Bから後退させ両型外に
退避後、両型を型締めした。その後、両型で形成される
キャビティにABS樹脂の熔融樹脂を射出し、樹脂が冷
却して固化後、型開きして、成形物を取り出した。その
結果、絵付シートSがその接着剤層によって成形物に接
着して表面に積層され、且つ該シート表面が印刷による
絵柄6で装飾された樹脂成形物Mpを得た〔図1(F)
参照〕。樹脂成形物Mpは、最初から絵付シートが持っ
ていた木目模様による加飾に加えて、その絵付シートの
表面上に版面5からのインキで形成された文字による加
飾がなされた、成形物となった。しかも、文字の位置精
度は型面に固定された版面自体の位置精度で決まるの
で、ブレが無かった(±0.0mm)。
【0039】〔比較例〕文字の加飾方法を、型面に設け
た版面からのインキによって印刷する方法でなく、文字
も予め印刷した絵付シートを使う方法に変更した他は、
実施例と同様にして、樹脂成形物を試作した。絵付シー
トは、実施例1の絵付シートにおいて、その表面側(型
面側)に文字もグラビア印刷したシートを用いた。得ら
れた樹脂成形物は、絵付シートが表面に積層され、木目
柄上に文字を有する実施例同様の外観の成形物だが、シ
ートの真空成形時のブレが大きく、文字の位置精度が悪
化した。文字の位置精度は、±1.0mm以内となっ
た。
【0040】
【発明の効果】本発明の加飾方法及び成形型によれ
ば、シート成形物に対して、特に文字等の絵柄で、位置
精度が良く且つ形状的にも精度良く加飾できる。また、
絵柄の印刷工程と、成形工程との2工程になることも無
く、1工程で加飾できる。 更に成形型をシート成形型と樹脂成形型とを兼用する
型とすれば、樹脂成形物に対しても、上記同様な効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加飾方法及び成形型を概念的に説明す
る概念図。
【図2】本発明の成形型を概念的に説明する概念図。
【図3】本発明の成形型を用いた本発明の加飾方法の一
形態として、樹脂成形物を得る手順を説明する概念図
(その1:シート供給前)。
【図4】同、概念図(その2:シート供給後)。
【図5】同、概念図(その3:シート加熱軟化中)。
【図6】同、概念図(その4:シート予備成形、型締
後)。
【符号の説明】
1 通液性材料 2 インキ供給手段(インキポンプ等) 3 成形型 4 型面(キャビティ面) 5 版面 6 絵柄 11 搬送チャック 12 受取チャック 13 クランプ 14 (型Bの)パーティング面 15 熱盤(シート加熱手段) 16 切断手段(加熱線条など) 17 受け溝 18 (型Bの)キャビティ 19 受け溝 21 通気孔 22 弁 23 真空源 34 摺動ロッド A 成形型(雄型) B 成形型(雌型) Ms シート成形物 Mp 樹脂成形物 R ロール S シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱軟化したシートを、成形型で真空成
    形して該型の型面に沿わせてシート成形物を成形すると
    同時に、シート成形物の表面に絵柄を印刷する加飾方法
    であって、 前記絵柄に対応する成形型の型面の一部を、通液性材料
    で構成される版面とし、該通液性材料中をインキを通し
    て該版面にまでインキを供給する様にしておいて、シー
    トを成形することで、版面からインキをシートに転移さ
    せて、成形と同時にシート成形物の表面に絵柄を印刷す
    る加飾方法。
  2. 【請求項2】 型開き状態にある一対の成形型の両型間
    にシートを供給し、シートが加熱軟化した状態に於い
    て、両型を型締めし、両型で形成さるキャビティに樹脂
    を射出し、樹脂が固化後、型開きすることで、成形と同
    時に前記シートが表面に積層され且つ該シートの表面に
    絵柄が印刷された樹脂成形物を得る加飾方法であって、 一対の成形型のうちの少なくとも一つの成形型に、前記
    絵柄に対応する部分の型面の一部を、通液性材料で構成
    される版面とした成形型を用いて、該通液性材料中をイ
    ンキを通して該版面にまでインキを供給する様にしてお
    いて、 両型間に供給され加熱軟化された状態のシートを、版面
    を有する型面に沿わせる為に、該版面を有する成形型を
    通気孔を有する真空成形型と兼用する型として、該真空
    成形型を兼用する型でシートを真空成形することで予備
    成形し、その後、型締めするか、或いは加熱軟化された
    状態のシートを予備成形せずに両型を型締した後に、キ
    ャビティに射出される液状樹脂の樹脂圧によって、前記
    版面を有する型面にシートを沿わせて、版面からインキ
    をシートに転移させ、シートが表面に積層され且つ該シ
    ート表面に絵柄が印刷された樹脂成形物とする、加飾方
    法。
  3. 【請求項3】 加熱軟化したシートを少なくとも真空成
    形する為の成形型において、成形と同時に成形物表面に
    絵柄を印刷し得る成形型であって、印刷すべき絵柄に対
    応する部分の型面の一部が、通液性材料で構成される版
    面を成し、該通液性材料は、該材料中をインキを通して
    該版面にまでインキを供給し得る材料から成る、成形
    型。
  4. 【請求項4】 上記成形型が、一対の成形型のうちの少
    なくとも一つであり、一対の成形型を型締めして形成さ
    れるキャビティに樹脂を射出して樹脂成形する為の樹脂
    成形型も兼用する、請求項3記載の成形型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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