JPH1110682A - 射出成形同時絵付け用型及びそれを用いた絵付け方法 - Google Patents

射出成形同時絵付け用型及びそれを用いた絵付け方法

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JPH1110682A
JPH1110682A JP18460797A JP18460797A JPH1110682A JP H1110682 A JPH1110682 A JP H1110682A JP 18460797 A JP18460797 A JP 18460797A JP 18460797 A JP18460797 A JP 18460797A JP H1110682 A JPH1110682 A JP H1110682A
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JP
Japan
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resin
mold
sheet
painting
injection molding
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JP18460797A
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English (en)
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Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスが逃げ易い射出成形同時絵付け用型とす
る。 【解決手段】 型開き状態にある一対の型の問に、絵付
シートを供給した後、両型を型締めし、両型で形成され
るキャビティに流動状態の樹脂を射出し、成形と同時に
絵付シートにより成形品表面を絵付けする射出成形同時
絵付け方法において、用いる射出成形同時絵付け用型と
して、1つの成形品となるキャビティに樹脂を注入する
ゲート1a〜1fを3点以上有し、これらゲートの配置
が、キャビティ内に注入された樹脂の最終充填位置2に
おいては、2方向からの流れで樹脂が合流するように配
置されている構造の射出成形同時絵付け用型を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形同時絵付
け方法に用いる射出成形同時絵付け用型と、それを用い
た射出成形同時絵付け方法に関する。特に、ガスが逃げ
やすい射出成形同時絵付け用型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形品の成形と同時にその外
表面に模様等を設ける射出成形同時絵付け方法が各種の
態様で行われている。例えば、特公昭50−19132
号公報では、真空成形用の通気孔を設けた雌型を利用し
て熱可塑性樹脂よりなる絵付シートを真空成形した後、
雌雄両型を型締めし、溶融樹脂を両型で形成されるキャ
ビティに射出して、射出成形と同時に成形品の外表面に
絵付シートを一体化させる方法が開示されている。この
様式の射出成形同時絵付方法では真空成形と射出成形と
を組合わせた方法であり、複雑な曲面形状に模様付けが
できる。なお、絵付シートには、ラミネートタイプと転
写タイプとがあり、前者では絵付シート自体を成形品に
積層させて絵付けし、後者では絵付シートの基材シート
(担体シート)のみを剥離してその転写層を成形品に転
写させて絵付けする。
【0003】ここで、射出成形同時絵付け方法の一例
を、図4〜図7の手順を説明する概念図で説明してお
く。なお、これら図面では、繁雑化を避ける為、ダイプ
レート、エアベント、雌型に設けた真空成形用の通気孔
等は、図示を省略してある。
【0004】絵付シートを型問に供給前の状態が図4で
ある。型Aは雄型で固定側ダイプレートに取り付ける固
定型である。型Bは雌型で可動側ダイプレートに取り付
ける可動型である。ロールRから巻きだされた連続帯状
の絵付シートSの先端が、搬送チャック21で表裏から
把持された状態である。そして、この状態から絵付シー
トを型A及び型Bの一対の型間に供給して図5の絵付シ
ート供給後の状態にする。すなわち、搬送チャック21
が絵付シートSを把持したまま下方に移動して、型外部
下方に位置する固定チャック22が絵付シートの先端を
把持できる位置まで、絵付シートを搬送する。固定チャ
ック22が絵付シート先端の把持を完了すると、搬送チ
ャック21は絵付シートの把持を解除して、型外部上方
に移動して元の位置まで戻り、次のショットの準備とし
て絵付シートを型Bの上流側で把持する。次いで、型問
に常時位置するクランプ23が、エアシリンダ等の駆動
機構により型B側に前進移動(図面左側方向)して、絵
付シートを型Bのパーティング面に押圧して、固定す
る。この結果、絵付シートの型間への供給が完了する。
クランプ23は、型Bのキャビティの周囲の四方を囲繞
して絵付シートを押圧する様な枠形状の枠体である。
【0005】そして、絵付シートの真空成形(予備成
形)を行う場合は、先ず、絵付シートの加熱軟化用の熱
源としての熱盤24が、型外部の退避位置から型開き状
態の型間に入り、加熱する絵付シートに対向する位置ま
で移動する。この状態が図5である。次は図6の如く、
先ず絵付シートSの加熱軟化である。熱盤24が前進し
(図面左側方向)、クランプ23に当接する位置まで移
動する。そして、絵付シートをここでは輻射熱を用いて
非接触で加熱する。なお、熱盤が加熱位置に移動すると
同時に、同図では、熱盤上方に張り渡して設けたニクロ
ム線等の加熱線条からなるカッタ25が絵付シートに接
触して、連続帯状の絵付シートを1ショット分の大きさ
に切断する。
【0006】そして、絵付シートの加熱軟化後、または
加熱軟化と同時に、型Bに設けた通気孔(図示せず)か
ら吸気して、絵付シートを真空成形して型Bのキャビテ
ィ形成面27(図6参照)に沿わせて密着させ、絵付シ
ートの予備成形を行う。そして熱盤24を両型間から型
外部の退避位置に移動・退避させた後、両型A、Bを型
締めする。図7がこの絵付シートの予備成形、型を型締
した後の状態である。
【0007】そして、型締めされた両型で形成されるキ
ャビティに加熱熔融した樹脂を射出し充填する。樹脂
は、通常、射出ノズルから湯道(ランナー)、湯口(ゲ
ート)を経由して、型Aの側から射出される。その後、
樹脂を冷却、固化させた後、型開きし、成形品を脱型す
れば、成形と同時に絵付シートにより表面が絵付けされ
た成形品が得られる。なお、転写の場合は、基材シート
と転写層とからなる絵付シートの基材シートのみを、成
形品から剥離除去することで、最終的な成形品が得られ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に、予め絵付
シートを雌型・雄型間に挟持した状態で、射出成形する
形態の射出成形同時絵付け方法においては、絵付シート
が一方の型(通常は雌型)のキャビティ形成面に沿った
状態で、射出成形することになる。この為、絵付シート
を沿わせるキャビティ形成面については、キャビティ内
のガス逃げの為のエアベントを設けることができない。
エアベントは他方の型(通常は雄型)やパーティング面
を利用するしかできない。従って、通常の射出成形型に
比べて射出成形同時絵付け用型では、ガス逃げが不完全
にならない様に注意する必要がある。ガス逃げが不完全
であると、樹脂が完全充填されず、未充填部分で加熱軟
化した絵付シートが空洞側に膨らんだり、樹脂の流れに
よって位置ずれして皺が寄ったりして、成形不良とな
る。特に、1点ゲートや2点ゲートと少ないゲート数で
成形する場合は、成形品が大きくなると樹脂の流動長が
長くなり、樹脂が末端まで到達せず充填不足(ショート
ショット)が発生し易い。また、充填不足を解消すべく
金型温度や射出樹脂温度、或いは射出圧等を上げると、
絵付シートが熔融したり樹脂流動で流れたりすることが
起きやすくなる。この様に、成形条件が狭くなってしま
うという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の射出成形同時絵付け用型では、型開き
状態にある一対の型の問に、絵付シートを供給した後、
両型を型締めし、両型で形成されるキャビティに流動状
態の樹脂を射出し、成形と同時に絵付シートにより成形
品表面を絵付けする射出成形同時絵付け方法に用いる射
出成形同時絵付け用型において、1つの成形品となるキ
ャビティに、樹脂を注入するゲートを3点以上有し、こ
れらゲートの配置が、キャビティ内に注入された樹脂の
最終充填位置においては、2方向からの流れで樹脂が合
流するように配置した構造の型とした。また、本発明の
射出成形同時絵付け方法は、上記射出成形同時絵付け用
型を用いて成形することとした。その結果、最終充填位
置における成形品のエッジ部分からガスが逃げる為に、
ガス逃げ不良が起きなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。図1〜図3は、成形品が略平
板状の例である。これら図では成形品形状に相当するキ
ャビティ部分のみの形状を概念的に示してある。そし
て、図1は本発明の射出成形同時絵付け用型における、
ゲート配置と最終充填位置を説明する概念図である。ま
た、図2は、図1の射出成形同時絵付け用型に対して、
好ましくないゲート配置の射出成形同時絵付け用型の一
例を示す説明図である。そして図3は、図2の射出成形
同時絵付け用型における、ゲート配置と最終充填位置を
説明する概念図である。
【0011】先ず、図1〜図3は、成形品が略平板状の
例であるが、図1に示す本発明の射出成形同時絵付け用
型では、ゲートとしてゲート1a〜1fの合計6点を有
する。各ゲートは、長方形の全4辺のうち1辺を残し、
残りの3辺の各辺の近傍に沿って2箇所ずつ、配置して
ある。このゲート配置は、キャビティ内に注入された樹
脂の最終充填位置においては、2方向からのみの流れで
樹脂が合流するように配置されている。なお、本発明の
射出成形同時絵付け用型では、ゲート数が3点以上の物
が対象となるが、ゲート数が2点の型は最終充填位置は
極めて容易に成形品の端部とする事ができ、ガス逃げは
容易であるので対象ではない。そして、各ゲート1a〜
1fからキャビティに注入された樹脂はギャビティ内を
流動して、最終充填位置2が、時間的に最後に樹脂が充
填される位置となる。図1の様に最終充填位置2は、2
方向からのみの流れで樹脂が合流するような位置とな
る。この2方向からの流れで合流する樹脂は、同図のゲ
ート配置の場合には、ゲート1eとゲート1fとからの
樹脂であり、これは、最終充填位置2に於いて左上方か
らの流れと左下方からの流れ(各々の流跡線を矢印で図
示)として合流する。そして、最終充填位置2は、成形
品のエッジに隣接しているので、最終充填位置からガス
はエッジ側に円滑に逃がすことができる。その結果、ガ
ス逃げ不良が発生しない。なお、図1で実線3は、隣接
した異なる2つのゲートからの樹脂が合流する界面の部
分を表す。もしも、実線3が成形品に於いて明確に現れ
るとウェルドラインとなる。
【0012】次に、図2は、図1に対して各長方形の全
4辺の各辺の近傍に沿って2箇所ずつ合計8点のゲート
を配置した好ましくない射出成形同時絵付け用型の例で
ある。図2では、図1のゲート1a〜1fの合計6点の
他に、更にゲート1g及び1hが配置されている。そし
て、この様なゲート配置では、図3に示す如く最終充填
位置2においては、2方向からの流れでは樹脂が合流せ
ず、8方向からの流れで樹脂が合流する。ゲート1aか
らゲート1hからの各樹脂の流れが最終充填位置で合流
する。同図の様な最終充填位置の場合は、その位置が成
形品エッジにはなく、中央部となり、ガスは逃げられ
ず、ガス逃げ不良となる。
【0013】なお、図1による本発明の射出成形同時絵
付け用型の説明で、最終充填位置では2方向からの流れ
で樹脂が合流する位置となり、しかもその最終充填位置
は成形品エッジに隣接した位置であった。この様に2方
向からの流れで樹脂が合流する位置に最終充填位置が位
置する場所は、成形品エッジ以外の成形品内部になるこ
とは無い。成形品内部が最終充填位置となるには、少な
くとも3方向からの流れが合流する場合に発生するから
である。また、本発明の射出成形同時絵付け用型におけ
るゲートとしては、ピンゲート、フィルムゲート、サイ
ドゲート、サブマリンゲート(トンネルゲート)等のゲ
ートで良く、特に限定されない。また、本発明の射出成
形同時絵付け用型の材質としては、S50C、S55
C、SCM3、SCM4等の金型材として従来公知の各
種鋼材の他に、銅等の他の金属及び金属合金、或いはセ
ラミックス等の非金属材料等でも良く、特に限定されな
い。
【0014】〔射出成形同時絵付け方法〕本発明の射出
成形同時絵付け方法は、上記説明した特定の射出成形同
時絵付け用型を用いる点に特徴があり、その他の部分に
ついては、従来公知の射出成形同時絵付け方法における
各種技術を適用できるものである。そこで、本発明の射
出成形同時絵付け方法の一形態として、絵付シートに連
続帯状の物を用いて連続生産する例を、絵付シートの供
給から、加熱軟化、予備成形、射出成形の順に、図4〜
図7の概念図を参照しながら一通り説明する。なお、本
発明で用いる絵付シートは枚葉、連続帯状のどちらでも
良い事はもちろんである。また型Aのゲート、エアベン
ト、型Bの通気孔、真空源等の図示は省略してある。
【0015】先ず、図4は、絵付シート供給前の状態を
示す。型Aは雄型で固定側ダイプレートに取り付ける固
定型である。型Bは雌型で可動側ダイプレートに取り付
ける可動型である。型Aのキャビティ形成面には、3個
以上のゲートが設けられている。もちろん、1金型で成
形品を多数個取りする場合は、各成形品毎に3個以上の
ゲートが設けられている。一方、型Bのキャビティ形成
面には、絵付シートの予備成形用の孔や溝からなる通気
孔が設けてある。真空孔は外部真空源に接続され、開閉
弁により適宜真空引きを行う。
【0016】そして、図4の如く、ロールRから巻きだ
された連続帯状の絵付シートSの先端を、搬送チャック
21で表裏から把持して、絵付シートを型開き状態にあ
る型A及び型Bの一対の型間に搬送、供給し、図5の絵
付シート供給後の状態にする。すなわち、搬送チャック
21が絵付シートSを把持したまま下方に移動して、型
外部下方に位置する固定チャック22が絵付シートの先
端を把持できる位置まで、絵付シートを搬送する。固定
チャック22が絵付シート先端の把持を完了すると、搬
送チャック21は絵付シートの把持を解除して、型外部
上方に移動して元の位置まで戻り、次のショットの準備
として絵付シートを型Bの上流側で把持する。次いで、
型間に常時位置するクランプ23が、エアシリンダ等の
駆動機構により型B側に前進移動(図面左側方向)し
て、絵付シートを型Bのパーティング面に押圧し、固定
する。この結果、絵付シートの型間への供給が完了す
る。クランプ23は、例えば型Bのキャビティの周囲四
方を囲繞して絵付シートを押圧する様な枠形状の枠体で
ある。クランプ23の枠の内側は通常は略四角形をして
いる。クランプ23は例えばその4隅に連結した摺動ロ
ッドを、型Bに摺動自在に嵌挿し、型Bのパーティング
面より後方に設けた流体圧シリンダ等の駆動源(不図
示)に連結して駆動し、絵付シートの解放/固定を行
う。
【0017】そして、絵付シートの真空成形(予備成
形)を射出成形同時絵付け用型で行う場合は、先ず、絵
付シートの加熱軟化用の熱源としての熱盤24が、型外
部の退避位置から型開き状態の型間に入り、加熱する絵
付シートに対向する位置まで移動する。この状態が図5
である。なお、絵付シートの予備成形は、射出成形同時
絵付け用型とは別の外部の型で行った後、成形された絵
付シートを型間に供給しても良い。この場合は、熱盤は
省略することもできる。また、型外で絵付シートを熱盤
で加熱してから、加熱された絵付シートを型間に供給し
ても良い。
【0018】次は図6の如く、先ず絵付シートSの加熱
軟化である。熱盤24が前進し(図面左側方向)、クラ
ンプ23に当接する位置まで移動する。そして、絵付シ
ートに対して熱盤の加熱面は所定の距離隔てて、絵付シ
ートを加熱する。なお、熱盤が加熱位置に移動すると同
時に、同図では、熱盤上方に張り渡して設けたニクロム
線等の加熱線条からなるカッタ25が絵付シートに接触
して、連続帯状の絵付シートを1ショット分の大きさに
切断する。なお、型Bのパーティング面にはカッタの邪
魔をしない様に受け溝26をカッタ25と対向する面部
分に設けてある。なお、絵付シートの加熱軟化用には、
図6の如く絵付シートに非接触で、輻射熱でこれを加熱
する非接触型熱盤の他、絵付シートと接触して伝導熱で
これを加熱する接触型熱盤を使用する事もある。
【0019】そして、絵付シートの加熱軟化後、または
加熱軟化と同時に、型Bに設けた通気孔(図示せず)か
ら吸気して、絵付シートを真空成形して型Bのキャビテ
ィ形成面27(図6参照)に沿わせて密着させ、絵付シ
ートの予備成形を行う。なお、本発明で言う真空成形と
は、真空成形以外に真空・圧空成形も包含する。
【0020】そして、次は両型A、Bを型締めする。絵
付シートを加熱軟化させる熱盤を型間に挿入して行って
いる場合は、その前に、熱盤24を両型間から型外部の
退避位置に移動・退避させておく。また、予備成形後
も、絵付シートは型Bのキャビティ面に真空成形時の吸
引をそのまま続けて密着させた状態で、両型A、Bを型
締めする。図7がこの絵付シートの予備成形、型を型締
した後の状態である。なお、図7の如く、型Aのパーテ
ィング面には、クランプ23が型締めを邪魔しない様に
クランプを収納できる凹部となる受け溝28をクランプ
と対向する型Aのパーティング面部分に設けてある。ま
た、通常は型Aの側に射出ノズルと連通する湯道(ラン
ナー)及び湯口(ゲート)を設け(図示略)、これらを
通じて液状(流動状態)の樹脂を両型で形成されるキャ
ビティ内に注入し射出する様に構成する。そして、両型
で形成されるキャビティに樹脂を射出し充填して固化し
た後、型開きすれば、成形と同時に絵付シートにより表
面が絵付けされた成形品が得られる。なお、転写シート
の場合は、その基材シートのみを成形品から剥離除去す
る。
【0021】〔絵付シート〕なお、上述の様な射出成形
同時絵付け用型を用いた本発明の射出成形同時絵付け方
法で用い得る絵付シートは、転写タイプ或いはラミネー
トタイプとして従来公知の絵付シートを用いる事がで
き、特に限定されるものでは無い。転写タイプの絵付シ
ートは、基材シートに剥離性のシートを用い、例えば基
材シート上に転写層が積層された構成である。転写層は
適宜、装飾層や接着剤層等からなる。転写層の基材シー
ト側には剥離層、基材シートの転写層側には、離型層等
を適宜設けた構成もある。ラミネートタイプは絵付シー
トは、例えば基材シート上に装飾層と接着剤層とを順次
積層した構成だが、基材シート中に顔料を練り込む等し
て基材シート自体が装飾層を成す構成もある。なお、転
写タイプ、ラミネートタイプ共に接着剤層は省略するこ
ともある。
【0022】(基材シート)基材シートとしては成形性
の有る樹脂シートが用いられる。該樹脂シートとしては
例えば、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル
樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS(アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリア
ミド樹脂、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー等のシートの単層又は2層以上の積層体が用い
られる。なお、転写タイプでは、必要に応じ、基材シー
トの転写層側に転写層との剥離性を向上させる為、離型
層を設ける。離型層は基材シート剥離時に基材シートと
共に転写層から分離し剥離除去される。離型層には、例
えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹
脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等を
単体で、或いは2種以上の混合物が用いられる。また、
ラミネートタイプでは、基材シート樹脂中に顔料等の着
色剤を練り込んで、基材シートを着色透明又は着色不透
明、或いは無色不透明又は着色不透明等とする装飾処理
を施す。顔料は後述の装飾層同様に公知の物が使用され
る。
【0023】(装飾層)装飾層は、グラビア印刷、シル
クスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の方
法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、ク
ロム等の金属を公知の蒸着法等で部分又は全面に形成し
た金属薄膜層等である。絵柄は、大理石や御影石等の石
目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、布目模様、文字、
幾何学模様、全面ベタなど任意である。絵柄層用インキ
は、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着
色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バインダ
ーには、アクリル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩
素化ポリプロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、、
ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の常温又は熱硬化性
樹脂等を、これら樹脂の単体、又は混合物の形で用い
る。顔料又は染料等の着色剤としては、チタン白、カー
ボンブラック、弁柄、コバルトブルー、黄鉛、フタロシ
アニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン、アル
ミニウム粉等の金属顔料、真珠光沢(パール)顔料等が
用いられる。
【0024】(接着剤層)また、絵付シートの裏面に
は、成形品との接着性向上のため、コロナ放電処理、公
知の各種プライマー塗工等の易接着処理や感熱型等の接
着剤層を施すことがある。接着剤層には、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、アイオノマー等の公知の樹脂が用い
られる。樹脂の具体例としては、例えばエチルセルロー
ス、硝酸セルロース、酢酸セルロース、エチルヒドロキ
シエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メ
チルスチレン等のスチレン樹脂又はスチレン共重合体、
ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル
酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体、ロジ
ン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール
樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、ポリイソプ
レンゴム、ポリイソブチルゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等のゴム系樹脂、
クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリ塩素化オレフィン等の、天然又は合成樹脂、各種ア
イオノマー等の1種又は2種以上の混合物が用いられ
る。
【0025】〔成形樹脂〕また、成形樹脂も射出成形同
時絵付け方法に於ける従来公知のものが使用でき特に制
限されるものではない。例えば、熱可塑性樹脂であれ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS(アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、スチレン樹脂、AS(アクリロニ
トリル−スチレン共重合体)樹脂等があり、硬化性樹脂
であれば、不飽和ポリエステル樹脂、硬化性アクリル樹
脂、2液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等がある。
【0026】〔その他〕また、本発明でいう「絵付け」
とは、単に絵柄や文字、図形等の目視可能な模様を成形
品に付与する以外に、目視不可能な模様、あるいは硬質
塗膜、導電性等の機能性層を付与することも包含する。
目視可能な模様としては、印刷等により形成したインキ
層、真空蒸着等により形成した金属薄膜など公知のもの
が、また、目視不可能な模様の例としては、可視光に対
しては無色透明で紫外線照射により蛍光を発する蛍光イ
ンキで印刷した絵柄等が用いられる。なお、本発明でい
う射出成形とは、通常一般の射出成形で用いる「熱熔融
した熱可塑性樹脂」を射出する以外に、「室温で溶融状
態にある熱硬化又は2液反応硬化型樹脂の未硬化物」を
射出する事も包含する。また、本発明において、絵付シ
ートの加熱軟化及び予備成形については、これらを行な
わなくともシートが十分に型の形状に追従成形される場
合(一般に絞りが浅い場合)には、これらを省略するこ
とも出来る。
【0027】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳述する。
【0028】(実施例)成形品は試験評価用に縦500
mm、横650mm、深さ方向20mmの長方形で平板
箱状のパネルとした。その為の本発明の射出成形同時絵
付け用型としては、図1の様に、長方形の全4辺のうち
1辺を残し、残りの3辺の各辺に2箇所ずつ、合計6個
のゲート1a〜1fを雄型のキャビティ形成面に有する
6点ゲートの金型を用意した。これらゲート1a〜1f
の配置は、図1の如く、キャビティ内に注入された樹脂
の最終充填位置2においては、2方向からの流れで樹脂
が合流するような配置である。なお、これら各ゲートは
成形品裏面のリブの位置に設けたサブマリンゲートとし
た。一方、雌型のキャビティ形成面には、真空成形用の
通気孔として、丸孔と、縦方向の絞り部分には入れ子の
境界部分に縦溝を設けた構造の物とした。
【0029】一方、絵付シートとしては、125μm厚
のアクリル系樹脂フイルムの内側(成形品側)となる面
にアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との
混合物系のバインダーに顔料を添加してなるインキで木
目柄を印刷した上に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体
の接着剤を2μm厚に塗工した連続帯状のシートを用意
した。
【0030】そして、成形樹脂としては耐熱ABS樹脂
を用い、樹脂温度240℃、金型温度60℃の成形条件
で、射出成形同時絵付け方法を実施した。
【0031】すなわち、前記用意した絵付シートを用い
て、図4〜図7で例示した様な手順で射出成形した。先
ず、雄型A及び雌型Bの一対の型のうちの雌型Bのパー
ティング面上に絵付シートSを搬送チャック21と固定
チャック22を用いて供給した。その後、絵付シートを
雌型Bのキャビティの周囲四方でクランプ23により固
定した(図5)。次いで、絵付シートを加熱する為の熱
盤24(加熱面温度330℃)を型外の退避位置から型
開き状態の両型間に挿入し、絵付シートと所定の距離を
隔てて非接触加熱で輻射熱により、絵付シートを3秒間
加熱軟化させた(図6)後、雌型より真空引きを行い、
絵付シートを雌型のキャビティ形成面27に沿わせる真
空成形により絵付シートを予備成形した。真空引き開始
後5秒後に熱盤24を型外の退避位置に退避させ、次い
で、両型を型締めした(図7)。そして、両型で形成さ
れるキャビティに熔融した耐熱ABS樹脂を射出し、成
形と同時に絵付シートにより射出し、樹脂が冷却し、固
化した後に、型開きし、成形品を脱型し、絵付シートの
積層により絵付けされた成形品を得た。得られた成形品
は、ガス逃げ不足による樹脂の充填不足や、未充填部分
における絵付シートの膨れや皺等の不良発生は認められ
なかった。
【0032】(比較例1)実施例1において用いた金型
の代わりに、ゲート個数(及び位置)のみが異なる金型
を用いた。用いた金型のゲートは、図2に例示する様
な、長方形の全4辺の各辺に2箇所ずつ、合計8個のゲ
ート1a〜1hを雄型のキャビティ形成面に有する8点
ゲートの金型を用意した。そして、その他は、実施例と
同様にして、射出成形同時絵付けを試みた。最終充填位
置2は、図2の如く成形品の中央部となり、八方から同
時に樹脂が流れてくる為に、ガスが逃げる場所が無くガ
ス逃げ不完全となった。その結果、得られた成形品は、
ガス逃げ不足による樹脂の充填不足、未充填部分(成形
品中央部)における絵付シートの膨れや皺等の不良発生
が認められた。
【0033】(比較例2)実施例1において用いた金型
の代わりに、ゲート個数(及び位置)のみが異なる金型
を用いた。用いた金型のゲートは、長方形の対向する2
辺の中央部近傍に1箇所ずつ、合計2個のゲートを雄型
のキャビティ形成面に有する2点ゲートの金型を用意し
た。そして、その他は、実施例と同様にして、射出成形
同時絵付けを試みた。しかし、ゲート数が不足して、通
常の条件ではショートショットとなり、樹脂が充分に充
填されず成形できなかった。そこで、樹脂の射出圧、射
出速度を上げて充填すると、ゲート部分での剪断発熱が
発生し、絵付シートの装飾層が熱により溶けてしまっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、射出成形同時絵付け用
型のゲートの配置を、樹脂の最終充填位置においては2
方向からの流れで樹脂が合流するように配置してあるの
で、ガスを最終充填位置の成形品端部から抜けさせるこ
とが出来る為に、ガス逃げ不良による、絵付シートの皺
や膨れによる製品不良が起きない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形同時絵付け用型でのゲート配
置と最終充填位置を説明する概念図。
【図2】従来の射出成形同時絵付け用型に於けるゲート
位置の一例を示す説明図。
【図3】図2の射出成形同時絵付け用型でのゲート位置
と最終充填位置を説明する概念図。
【図4】射出成形同時絵付け方法の一例による手順の概
念的説明図(その1:絵付シート供給前)。
【図5】同じく、手順の概念的説明図(その2:絵付シ
ート供給後)。
【図6】同じく、手順の概念的説明図(その3:絵付シ
ート加熱軟化中)。
【図7】同じく、手順の概念的説明図(その4:絵付シ
ート真空成形、型締後)。
【符号の説明】
1a〜1h ゲート 2 最終充填位置 3 実線(樹脂の合流線) 21 搬送チャック 22 固定チャック 23 クランプ(枠体) 24 熱盤 25 カッタ 26 受け溝 27 キャビティ形成面 28 受け溝 A 型(固定型、雄型) B 型(可動型、雌型) R ロール S 絵付シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型開き状態にある一対の型の問に、絵付
    シートを供給した後、両型を型締めし、両型で形成され
    るキャビティに流動状態の樹脂を射出し、成形と同時に
    絵付シートにより成形品表面を絵付けする射出成形同時
    絵付け方法に用いる射出成形同時絵付け用型において、 1つの成形品となるキャビティに、樹脂を注入するゲー
    トを3点以上有し、これらゲートの配置が、キャビティ
    内に注入された樹脂の最終充填位置においては、2方向
    からの流れで樹脂が合流するように配置されている、射
    出成形同時絵付け用型。
  2. 【請求項2】 型開き状態にある一対の型の問に、絵付
    シートを供給した後、両型を型締めし、両型で形成され
    るキャビティに流動状態の樹脂を射出し、成形と同時に
    絵付シートにより成形品表面を絵付けする射出成形同時
    絵付け方法において、 1つの成形品となるキャビティに、樹脂を注入するゲー
    トを3点以上有し、これらゲートの配置が、キャビティ
    内に注入された樹脂の最終充填位置においては、2方向
    からの流れで樹脂が合流するように配置されている、射
    出成形同時絵付け用型を用いる、射出成形同時絵付け方
    法。
JP18460797A 1997-06-26 1997-06-26 射出成形同時絵付け用型及びそれを用いた絵付け方法 Pending JPH1110682A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002103387A (ja) * 2000-09-29 2002-04-09 Dainippon Printing Co Ltd 射出成形同時絵付装置及び積層製品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002103387A (ja) * 2000-09-29 2002-04-09 Dainippon Printing Co Ltd 射出成形同時絵付装置及び積層製品

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