JP2013226681A - インモールド成形装置 - Google Patents

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章広 梅田
Kenzo Shimizu
憲三 清水
Kiyoshi Okabe
清志 岡部
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Abstract

【課題】加飾フィルムの破れを抑制してインモールド成形することを課題とする。
【解決手段】可動側金型11と固定側金型12との間に加飾フィルムを供給する供給装置と、可動側金型11に加飾フィルム14を固定するクランプ13と、可動側金型11側から加飾フィルム14に熱風を噴射する熱風供給装置と、可動側金型11に形成された吸引路を介して可動側金型11と加飾フィルム14との間の空気を吸引して加飾フィルム14を可動側金型11に密着させる吸引装置と、固定側金型12に形成され、加飾フィルム14と固定側金型12との間に合成樹脂を充填する射出口とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は樹脂の射出成形と同時に加飾フィルムに印刷された絵柄等の意匠を成形品に転写させるインモールド成形装置に関する。
樹脂成形品の外観品位を向上させる手段として、成形品表面を意匠性のあるフィルムによって加飾することが行われている。一般に、立体形状を有する成形品を加飾する成形装置として、真空成形装置または真空圧空成形装置、インサート成形装置、及びインモールド成形装置が知られている。
真空成形装置は、加飾フィルムに熱をかけて軟化させて、加飾フィルムと成形品の間の空気を部品側から引き抜くことで真空に近い状態を作って、成形品に密着させるものであり、真空圧空成形装置は、さらに成形品の上部の加飾フィルム側から空気圧をかけて密着させるものである。インサート成形装置は、予め加飾フィルムを所定形状に賦形し、金型に挿入して加熱溶融樹脂を加圧して金型へ流し込み(射出成形)、冷却固化させて加飾フィルムと成形品を一体化させた加飾成形品を作製するものである。
また、インモールド成形装置は、離型層を介して意匠印刷を施した加飾フィルムを金型に挿入し、射出成形して冷却固化させた後、ベースフィルムを剥がすことによって意匠を転写させて一体成形品を製作するものである。
一般的に、インモールド成形装置は、室温でフィルムを伸ばすことになるため、フィルム破断伸度以上に伸長させる必要のある立体形状の成形品には適応が困難であった。すなわち、平板形状に近い形状へは適応できるが、コーナー部の半径が小さいもの、成形品自体が曲面形状であるもの、側面に立壁があって深絞りが必要なものなどでは、インモールド成形の過程でフィルムが破れる、フィルムに皺が発生するなどの問題があった。
これらのインモールド成形装置における問題点を解決するために、予め加飾フィルムを加熱して成形品形状に賦形成形した後、射出成形と同時に絵柄を転写させるものが提案されている(例えば、特許文献1)。同文献に記載されたインモールド成形装置の概略断面図を図8に示す。図8に示すように、可動側金型81と固定側金型82との間に加熱板83を挿入している。箔送り装置84から送られてきた加飾フィルム85を加熱板83によって加熱した後、加熱板83を取り除き、可動側金型を移動して固定側金型と密着させて、射出孔86から金型内に樹脂を射出する。射出された樹脂が冷却、固化した後、金型を開き、成形品を得ると同時に、加飾フィルムを剥がす。加飾フィルムが剥がされると、成形品の表面には加飾フィルムの加飾印刷層が転写されており、加飾成形品が完成する。
特開昭63−128917号公報
しかしながら、特許文献1のインモールド成形装置では、加飾フィルムが所定温度に達した後に加熱を止めて賦形成形するため、賦形成形中に温度が急激に低下して可飾フィルムの軟化温度を下回る温度で成形することになる。これは、深絞り形状やコーナー部の半径が小さい成形品など面積比で3〜5倍程度に加飾フィルムを伸ばさなければならないイ
ンモールド成形において、問題が顕在化してくる。すなわち、可飾フィルムを特定の温度以下で変形させると、立体の金型形状に対して3〜5倍まで十分に伸びることができず、その状態で型閉じした場合、可動側金型との接触、樹脂の射出圧力によって可飾フィルムに破れが発生する問題がある。
なお、本発明において、深絞り形状の成形品とは、加飾フィルムを3倍以上伸ばさなくては成形品を覆うことができないほど被加飾成形品が立体的、曲面的であることを意味している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、加飾フィルムの破れを抑制することのできるインモールド成形装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のインモールド成形装置は、固定側金型と可動側金型との間に加飾フィルムを介在させ、射出成形と同時に加飾フィルムの印刷部を転写させるインモールド成形装置であって、前記固定側金型と前記可動側金型との間に加飾フィルムを供給する供給装置と、前記固定側金型と前記可動側金型のうち、一方の金型に前記加飾フィルムを固定するクランプと、他方の金型側から前記加飾フィルムに熱風を噴射する熱風供給装置と、前記一方の金型に形成された吸引路を介して前記一方の金型と前記加飾フィルムとの間の空気を吸引して前記加飾フィルムを前記一方の金型に密着させる吸引装置と、前記他方の金型に形成され、前記加飾フィルムと前記他方の金型との間に合成樹脂を充填する射出口とを備えるものである。
このような成形装置であるから、賦形成形の開始から終了まで、加飾フィルムの材料物性を立体成形しやすい状態にさせておくことが可能となり、深絞り形状の成形品を成形する際でも加飾フィルムの破れを抑えることができる。
本発明のインモールド成形装置は、深絞り形状の成形品を成形する際でも、加飾フィルムを伸長させて金型に密着させることができ、加飾フィルムの破れを抑えて成形することができる。
(a)(b)(c)(d)発明の実施の形態1におけるインモールド成形装置の斜視図 (e)(f)(g)発明の実施の形態1におけるインモールド成形装置の斜視図 本発明の実施の形態1におけるインモールド成形装置の要部断面図 (a)(b)本発明の実施の形態1におけるインモールド成形装置の要部断面図 本発明の実施の形態1における加飾フィルムの拡大断面図 本発明の実施の形態1における加飾フィルムの貯蔵弾性率を示す図 (a)本発明の実施の形態1における成形品の平面図(b)(c)成形品の断面図 従来のインモールド成形装置の断面図
第1の発明のインモールド成形装置は、固定側金型と可動側金型との間に加飾フィルムを介在させ、射出成形と同時に加飾フィルムの印刷部を転写させるインモールド成形装置であって、前記固定側金型と前記可動側金型との間に加飾フィルムを供給する供給装置と
、前記固定側金型と前記可動側金型のうち、一方の金型に前記加飾フィルムを固定するクランプと、他方の金型側から前記加飾フィルムに熱風を噴射する熱風供給装置と、前記一方の金型に形成された吸引路を介して前記一方の金型と前記加飾フィルムとの間の空気を吸引して前記加飾フィルムを前記一方の金型に密着させる吸引装置と、前記他方の金型に形成され、前記加飾フィルムと前記他方の金型との間に合成樹脂を充填する射出口とを備えるものである。
この成形装置により、加飾フィルムの破れを抑制して加飾成形をすることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明のインモールド成形装置において、前記他方の金型を固定側金型とし、前記固定側金型から成形品を押し出すエジェクタピンを設け、前記エジェクタピンを移動させることにより前記エジェクタピンと固定側金型との間に送風路を形成し、前記送風路から熱風供給装置から熱風を供給するものである。
この成形装置により、成形サイクルの時間を短縮でき、生産性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1及び図2は本発明の実施の形態1に係るインモールド成形装置を示す図である。図1(a)は固定側金型12に対して可動側金型11を開いた状態を示す斜視図、図1(b)は可動側金型11とクランプ13との間に加飾フィルム14を挟持固定した状態を示す斜視図、図1(c)は固定側金型12を可動側金型11側から見た斜視図、図1(d)は実施の形態1の変形例であり、可動側金型11に熱風供給装置15を装着した状態を示す斜視図である。
図2(e)は加飾フィルム14が可動側金型11に沿うように変形した状態を示す斜視図、図2(f)は可動側金型11を固定側金型12に密着させた状態を示す斜視図、図2(g)は成形品18の斜視図である。
本発明の実施の形態1は、射出成形用の金型の間に加飾フィルムを挿入して、可動側金型にクランプによって加飾フィルムを固定し、固定側金型側から熱風供給によって加飾フィルムを加熱すると共に、可動側金型側から吸引し、加飾フィルムを可動側金型に密着させて射出成形を行うインモールド成形装置である。
図1〜図4に示す金型は、密着と離反を自在にできる可動側金型11と固定側金型12からなり、固定側金型12に可動側金型11を型閉めすることによって可動側金型11と固定側金型12との間に成形品18の形状の空洞が形成される。
可動側金型11には、加飾フィルム14を固定するためのクランプ13、可動側金型11と加飾フィルム14との間の空気を図示しない吸引装置により吸引するための吸引口16が設けられている。
クランプ13は、可動側金型11との間に加飾フィルム14を挟持する位置と、可動側金型11から離間する位置との間を移動可能に構成されている。加飾フィルム14は、供給ドラム(図示せず)に巻回された加飾フィルム14を巻取ドラム(図示せず)により巻き取ることにより、可動側金型11とクランプ13との間を移動するよう構成され、クランプ13が可動側金型11から離間した状態で巻取ドラムに巻き取られて所定の位置まで
移動すると、可動側金型11とクランプ13との間で挟持される。
一方、固定側金型12には、成形品を取り出すためのエジェクタピン45と、エジェクタピン45を可動させる可動孔42と、可動孔42に熱風を供給する熱風流路43と、可動側金型11と固定側金型12とを型締めした状態で溶融樹脂を注入するための射出口が形成されている。
図4(a)(b)に示すように、固定側金型12には、図示しない熱風供給装置に連結される熱風流路43と、熱風流路43に連結されるエジェクタピン45の可動孔42が形成されている。エジェクタピン45は、可動孔42より小径に形成され、図4(b)に示すように、エジェクタピン45が可動側金型11側に移動した状態で、可動孔42内面とエジェクタピン45との間を熱風流路43から供給される熱風が通過して可動孔42先端の熱風噴射口44から加飾フィルム14に向かって噴出するよう構成されている。エジェクタピン45先端部は、円錐状に先端になるに従って径大になるように形成しているので、熱風噴射口44から噴出する熱風は広範囲に拡散して加飾フィルム14を均一に加熱することができる。
ここで、実施の形態のエジェクタピン45の先端部の形状は、金型内面側が金型と面一となるように構成されていればよく、円錐面の形状、円錐の高さ、頂点の角度は、クランプに固定された加飾フィルムの面積によって調整されるものであり、例えば、ラッパ形状であってもよい。
なお、熱風噴射口44は、エジェクタピンの可動孔を利用しても良いが、エジェクタピンの可動孔とは別に、加飾フィルム14に向かって熱風を供給する熱風流路を設けても良い。
加飾フィルム14を加熱する装置としては、図1(d)に示す実施の形態1の変形例のように、可動側金型11に熱風供給装置15を少許間隔を開けて組み合わせ、熱風供給装置15内部のヒーターによって100℃〜200℃に加熱された空気を、加飾フィルム14の接着面に噴き出す構造としてもよい。空気を加熱する場所は、挿入された加飾フィルムの直前であってもよいし、射出成形機の外部で空気を熱して加熱した熱風を金型内へ導入してもよい。
図5は加飾フィルム14の拡大断面図で、加飾フィルム14は、ベースフィルム52の上に、離型層53、トップコート層54、印刷層55、接着層56を順次積層して構成したものである。
ベースフィルム52の材質としては、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂フィルム、あるいは以上の各フィルムの複合体など使用することができる。
離型層53は、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。
トップコート層54は、ベースフィルムを剥離した際、離型層53から剥離して被転写物の最外面となる層である。トップコート層54としては、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いることができる。この他、表面
硬度が要求される場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを使用してもよい。
印刷層55は、離型層53の上に、外観加飾意匠を付与するために形成される。印刷層55の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用い、透光性着色、透光性無色あるいは遮光性着色のものがある。
接着層56としては、成形樹脂の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。なお、印刷層55の材質として成形品との接着性に優れたものを使用する場合には、接着層56を省略することができる。
上記加飾フィルム14の射出成形用金型への送り込み構成としては、ロール状巻物から加飾フィルム14を送り出しながら、金型内を通過させ、金型より下流のフィルム巻き取り手段のロール軸により巻き取ることができる。また、加飾フィルム14は、枚葉にカットしたものでもよい。
成形樹脂の材料としては、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂等がある。
以下、実施形態の加飾フィルムを用いた成形条件について、実験により導き出された結果について説明する。
(実験1)
深絞り形状を有する実験用金型を作製した。当該金型を用いて射出成形した実験用成形品71を図7に示す。縦120mm、横150mm、肉厚2mmのABS製の箱型形状であり、一方の短辺側の高さを20mm、他方の短辺側の高さを40mmにし、また、コーナー72、73、74、75のR寸法を図示するとおりR8〜R10に形成している。これによって、実験用成形品を覆うために必要な加飾フィルムの伸びを変化させ、結果、加飾フィルムの伸びは面積比で、コーナー72は2.4倍、コーナー73は3.0倍、コーナー74は4.2倍、コーナー75は5.0倍となった。この倍率は、2mm間隔の格子を印刷した後述の加飾フィルムを使用し、成形前後の格子の面積を測定することによって算出した。
以下、この実験用成形品71を用いて実験を行った。
実験に使用した加飾フィルム14は図5に基づいて説明したものである。製造方法は、ベースフィルム52の上にメラミン樹脂系の離型層53、その上にポリアクリル系樹脂のトップコート層54を成膜し、続いて、印刷層55をコートする。印刷層55には、伸びを測定するために、格子状の模様を印刷した。最後にアクリル系の接着層56をコートして完成させた。各層の成膜にはグラビアコート法による成膜法が利用されている。
本実験では、特に、図6に示す貯蔵弾性率の異なる延伸及び無延伸のポリエチレンテレフタレートの樹脂フィルムをベースフィルム52として用いた。ベースフィルム52の厚さは25〜50μmである。
ここで、貯蔵弾性率は、JIS K7244−1及びK7244−4に準拠し、試験片として、幅5mm、長さ20mの樹脂フィルムを開始温度25℃、終了温度120〜240℃、昇温速度2℃/分、測定周波数1Hzの条件下にて測定した値である。
次に、インモールド成形装置による実験結果について説明する。
上記構成の加飾フィルム14をA4大にカットし、可動側金型11にクランプ13によって固定する。可動側金型11と固定側金型12は、60〜70℃に加温し、それぞれの距離(型閉代)を80mmの状態で、外部の熱風供給装置で所定の温度まで昇温させた熱風を可動孔42の熱風噴射口44から噴出させると同時に、可動側金型11側から可動側金型11と加飾フィルム14との間の空間を真空吸引し、固定側金型12の型閉じを開始する。型閉代30mmの地点で熱風及び、真空吸引を止め、直ちに型閉代0mmにして固定側金型12に可動側金型11を密着させる(成形可能状態)。
その後、シリンダ温度220〜240℃にてABS樹脂を溶解し、射出成形を行った。固定側金型12から可動側金型11を開いて樹脂成形品から加飾フィルム14を剥がし、樹脂成形品をエジェクタピン45を押し出すことによって加飾されたインモールド成形品が完成する。
ここで、加飾フィルム14の温度は、80〜210℃であって実測値である。事前実験により、熱風噴射口44の先端形状を図4に示すように円錐形とすることによって、熱風が放射上に広がり、金型内の加飾フィルム14の温度ムラはプラスマイナス10℃に抑えることができた。実験は、温度の最大値が所定温度になるようにした。
インモールド成形品の評価基準について説明する。
評価は、4つのコーナー72、73、74、75で加飾フィルムが破れているかどうかを目視によって判定する。固定側金型12に可動側金型11を密着させた後に金型を開いた際に、破れていなければ○、破れていれば×、金型を開いた際に敗れていなくても再度金型を密着させて射出成形した際に破れたものは△、熱風による加熱によって破れたものは▲とした。
(実験1の結果)
以下、実験結果をベースフィルム毎に表1〜4に示す。
表1より、加飾フィルムAは、温度140℃以上で貯蔵弾性率が1未満となり、熱風によって破れが発生した。また、表2より、加飾フィルムBは、温度が140℃であっても破れることはないが、賦形成形することができない。これ結果から、熱風による破れや賦形成形可能かどうかは、温度に関係するのではなく、加飾フィルムの貯蔵弾性率に依存しており、140〜160℃程度で貯蔵弾性率が1未満となる加飾フィルムを使用すること
はできないことが判明した。
表3より、加飾フィルムCは、温度150〜200℃で貯蔵弾性率が100以下、かつ20以上となり、すべてのコーナーも破れることなく賦形成形及び射出成形をすることができた。一方、表4では、加飾フィルムDは、温度を210℃にしても、賦形成形することができなかった。これは、貯蔵弾性率が十分に小さくならなかったためである。
以上の結果から、面積比で3〜5倍に伸長させてインモールド成形する場合、加飾フィルムの貯蔵弾性率を20〜100MPaに保持させる必要があることが判明した。
(比較1)
同様にして、加飾フィルムCをA4大にカットして可動側金型11にクランプ13によって固定し、可動側金型11と固定側金型12との距離(型閉代)を80mmの状態で、外部の熱風供給装置で所定の温度まで昇温させた熱風を可動孔42の熱風噴射口44から噴射する。加飾フィルムCが所定の温度まで達したとき、熱風を止め、可動側金型11と加飾フィルムCとの間の空間の空気の吸引を開始する。
吸引終了後、型閉代0mmとして直ぐに型を開いたときの各コーナーの破れの有無を評価した結果を表5に示す。評価基準は上記と同様である。
表5に示すとおり、熱風を止めた状態で真空引きすると、伸長倍率が3倍以上の場合にコーナーに破れが発生した。この理由について考察すると、熱風の吹き付けを停止することによって加飾フィルムの温度が下がり始め、続いて可動側金型11と加飾フィルムとの間の空気を吸引することによって熱が奪われ、さらに可動側金型11に接触することによって可動側金型11に熱が奪われる。そして、加飾フィルムの熱が奪われることにより、図6に示したように貯蔵弾性率が増加し、貯蔵弾性率の増加によって、実験1で示したように伸び難くなり、破れが発生したものと考えられる。
本実施の形態は、可動側金型11と加飾フィルムとの間の空気を吸引する際に、固定側金型12側から加飾フィルムに熱風を供給している。一般の輻射加熱では、可動側金型11と加飾フィルムとの間の空気を吸引して加飾フィルムの形状が変形すると、全面に加熱すること、特に、立壁の部分を加熱することができなくなり、吸引しながら輻射加熱しても温度が上がらない個所ができるが、本実施の形態では、加飾フィルムだけでなく、可動側金型を加温することができ、さらに破れを防止することが可能となる。
(比較2)
同様にして、加飾フィルムCをA4大にカットして可動側金型11にクランプ13によって固定し、可動側金型11と固定側金型12との距離(型閉代)80mmの状態で、外部の熱風供給装置により160℃まで昇温させた熱風を可動孔42の熱風噴射口44から加飾フィルムCに向けて噴射し、加飾フィルムが所定の温度まで達したときを終了とし、その時間を測定した。
また、図1(d)に示すように、可動側金型11に熱風供給装置15を固定して熱風を加飾フィルムCに向けて供給し、加飾フィルムが160℃まで達した後、熱風供給装置15を取り出すまでの時間を測定した。
結果、前者の方が、後者より加熱工程においてサイクルタイムを半分以下に短縮できることが判明した。これは、後者の方が、挿入、固定、取り出しに時間を要したためである。従って、熱風噴射口44から熱風を供給する加熱構成によって生産性を向上させることが可能となることが判明した。
上述した実施の形態においては、可動側金型11に加飾フィルム14を装着するする構成としたが、固定側金型12に加飾フィルム14を装着する構成としてもよい。
また、固定側金型12に開閉自在な排気口を形成し、固定側金型12に可動側金型11を密着させた状態で熱風を供給するように構成してもよい。この構成を採用する場合、本実施の形態のように肉厚の薄い成形品を成形する際には、加飾フィルムが破れやすくなるので、比較的肉厚の厚い成形品を成形する金型に用いることが好ましい。
以上のように、本発明にかかるインモールド成形装置は、加飾フィルムの破れを抑制して成形することが可能となるので、家電製品の樹脂製の筐体の外観加飾の用途に適用できる。
11 可動側金型
12 固定側金型
14 加飾フィルム
42 可動孔
45 エジェクタピン

Claims (3)

  1. 固定側金型と可動側金型との間に加飾フィルムを介在させ、射出成形と同時に加飾フィルムの印刷部を転写させるインモールド成形装置であって、
    前記固定側金型と前記可動側金型との間に加飾フィルムを供給する供給装置と、前記固定側金型と前記可動側金型のうち、一方の金型に前記加飾フィルムを固定するクランプと、他方の金型側から前記加飾フィルムに熱風を噴射する熱風供給装置と、前記一方の金型に形成された吸引路を介して前記一方の金型と前記加飾フィルムとの間の空気を吸引して前記加飾フィルムを前記一方の金型に密着させる吸引装置と、前記他方の金型に形成され、前記加飾フィルムと前記他方の金型との間に合成樹脂を充填する射出口とを備えるインモールド成形装置。
  2. 前記熱風供給装置と、前記吸引装置とを同時に作動させることを特徴とする請求項1に記載のインモールド成形装置。
  3. 前記他方の金型を固定側金型とし、前記固定側金型から成形品を押し出すエジェクタピンを設け、前記エジェクタピンを移動させることにより前記エジェクタピンと固定側金型との間に送風路を形成し、前記送風路から熱風供給装置から熱風を供給することを特徴とする請求項1に記載のインモールド成形装置。
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