JP2694917B2 - 射出成形同時絵付方法及び装置 - Google Patents

射出成形同時絵付方法及び装置

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JP2694917B2
JP2694917B2 JP2153094A JP2153094A JP2694917B2 JP 2694917 B2 JP2694917 B2 JP 2694917B2 JP 2153094 A JP2153094 A JP 2153094A JP 2153094 A JP2153094 A JP 2153094A JP 2694917 B2 JP2694917 B2 JP 2694917B2
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female mold
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雅之 柴田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形と同時に成形
体の表面に絵付を行う射出成形同時絵付方法及び装置に
係り、特に、表面の曲率や凹凸段差が比較的大きな成形
体の表面に適切に絵付を行うのに好適な方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形体射出成形と同時に成形体の表
面に絵付を行って、例えば図19に示すような、表面に
図柄11や文字12が形成された成形品13を製造する
ことが行われている。この射出成形同時絵付のために
は、図20に示されるような成形装置10が用いられて
いる(特開昭59−31130号公報、特公平4−42
172号公報等参照)。
【0003】この装置10は、雌型20と、この雌型2
0に対向配置された雄型25とを備えている。雌型20
は、得るべき成形体の外形に対応する成形キャビティ2
1が設けられるとともに、その内部に前記キャビティ2
1に開口する吸気孔22が設けられていて、シリンダ等
からなる進退装置23により雄型25に対して接近−離
隔する方向に進退動せしめられるようになっている。ま
た、雄型25は、前記キャビティ21内に挿入されるコ
ア部26を有し、その内部に熔融樹脂射出装置の注湯孔
(ゲート)27が設けられている。そして、前記雌型2
0と雄型25との間に進退可能に熱盤29が配されてい
る。この熱盤29は、その前面(雌型20側)が加熱面
とされている。
【0004】かかる装置10を用いて射出成形と同時に
絵付を行うには、まず、雌型20の成形キャビティに絵
付用のシート15を対向配置し、この絵付シート15を
前記熱盤29で加熱軟化させ(図20)、次いで、絵付
シート15を雌型20と熱盤29との間に挟んでキャビ
ティ21の開口面を閉じ、雌型20に設けられた吸気孔
22を通じて真空引きを行うとともに、必要に応じて熱
盤29に設けられた通気孔(図示省略)を通じて圧空供
給を行う。
【0005】それにより、絵付シート15は図21に示
されるように、キャビティ21の内周面に沿うように延
伸せしめられて密着する。なお、この工程は一般に予備
成形と呼ばれている。続いて、熱盤29を両型間から退
避させたもとで、図22に示される如くに、雌型20を
前進させることにより、雄型25と合体させて型締めを
行った後、雌型20と雄型25との間に形成されるキャ
ビティ空間に雄型25に設けられた射出装置の注湯孔2
7を通じて熔融樹脂を注入充填して射出成形を行う。
【0006】それにより、雌型25内の絵付シート15
が注入樹脂(成形体P)と一体化して貼り付き、射出成
形完了後に型開きを行なうと、型内から外表面に絵付シ
ート15が貼着された成形体が取り出される。ここで、
絵付シート15が貼合わせ積層フィルム(ラミネートフ
ィルム)である場合には、そのままで絵付が行われたこ
とになり、成形体P外表面に絵付シート15全層が接着
一体化して装飾層となる。それに対し、絵付シート15
が転写フィルムである場合には、後工程において、成形
体P外表面に一体化した絵付シート15のうちの基材フ
ィルムのみを剥離し、絵柄層等の転写層を成形体P側に
残留させて装飾層となすことにより絵付が完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の射出成形同時絵
付方法では、絵付シートを雌型の成形キャビティ開口面
側に配置し、それを真空引きにより、あるいはコア部材
で成形キャビティ内に押し込むことにより、シートを平
面から一挙にキャビティ内周面に引き付けて沿わせるよ
うにしているため、絵付シートを金型キャビティ内で延
伸させざるを得ない。金型内での絵付シートの延伸量
は、成形体表面の凹凸段差や曲率が大きくなればなるほ
ど大きくなり、また、絵付シートの各部の延伸量は一定
ではなく諸条件によりばらつく。そして、絵付シートが
大きく延伸せしめられると、当然ながらそれに形成され
た絵柄層等が引き伸ばされて無視できない程大きく歪ん
だり、絵付シートの絵柄と成形体の凹凸形状との間に位
置ずれを生じ、成形体表面に所望の絵付ができない。甚
だしい場合にはシワや破れが生じることもある。
【0008】前記のように熱盤を用いて絵付シートを前
もって加熱軟化させることにより、絵付シートの延伸に
伴う不都合をある程度は回避できるが、このようにして
も、表面の凹凸段差や曲率が大きなものを成形する場合
には、絵付シートの延伸量、絞り量が大きくなるので、
どうしてもシワやゆがみが生じやすく、予期通りの絵付
を行うことは困難であった。
【0009】かかる点に鑑み本発明は、表面の凹凸段差
や曲率の大きな成形体にも大きなゆがみや位置ずれ等を
伴うことなく適切に絵付を行うことができる射出成形同
時絵付方法及びそのための装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の射出成形同時絵
付方法は、絵付シートを雌型の成形キャビティ表面の凹
凸量より凹凸が浅く、かつ曲率が同じか又は小さな形状
に変形させて保持する工程と、前記保持された絵付シー
トの表面形状と略同一形状の発熱面を有する熱盤によっ
て前記保持された絵付シートを加熱軟化させる工程と、
前記雌型の成形キャビティ表面に前記軟化した絵付シー
トを密着させる工程と、前記雌型と雄型とを合体させて
型締めを行う工程と、雌型と雄型との間に形成される成
形キャビティ内に熔融樹脂を注入充填して射出成形を行
い射出成形品と絵付シートとを接着一体化させる工程と
を含むことによって前記目的を達成する。
【0011】また、本発明の射出成形同時絵付方法は、
絵付シートをシートクランプによって雌型の成形キャビ
ティ内に成形キャビティ表面より凹凸が浅いか曲率の小
さな形状に突出させた状態で該成形キャビティ周縁部に
保持する工程と、前記保持された絵付シートの表面形状
と略同一形状の発熱面を有する熱盤によって前記保持さ
れた絵付シートを加熱軟化させる工程と、前記軟化した
絵付シートを雌型側から吸引して前記成形キャビティ内
周面に密着させる工程と、前記雌型と雄型とを合体させ
て型締めを行う工程と、雌型と雄型との間に形成される
成形キャビティ内に熔融樹脂を注入充填して射出成形を
行い射出成形品と絵付シートとを接着一体化させる工程
とを含むことによって前記目的を達成する。
【0012】本発明の射出成形同時絵付装置は、成形キ
ャビティ及び該成形キャビティに開口する吸気孔を有す
る雌型と、樹脂注湯孔を有する雄型と、前記吸気孔に接
続された真空吸引手段と、前記雌型の成形キャビティ周
縁部に当接する周囲押さえ枠及び該周囲押さえ枠から突
出するシート押さえ枠を有し、絵付シートを前記成形キ
ャビティ内に突出させた状態で該成形キャビティ周縁部
に保持することができるシートクランプと、立体形状の
発熱面を有する熱盤と、前記シートクランプを前記雌型
に対して相対的に移動させるための手段と、前記熱盤を
前記雌型に対して相対的に移動させるための手段と、前
記雌型を前記雄型に対して相対的に移動させるための手
段と、絵付シートを雌型キャビティ面側に供給するシー
ト供給手段とを含むことによって前記目的を達成する。
【0013】シートクランプは雌型表面から突出する摺
動ロッドに固定することによって雌型と一体化してもよ
い。熱盤は、本体と本体に固定された複数の面発熱体と
で構成し、発熱面の形状を立体的な曲面形状にすること
ができる。また、熱盤は、表面に複数の送電用プラグを
備えた平面状の基盤と、下面にコンセントを備え該下面
以外の少なくとも1つの表面に面発熱体を備える熱盤ブ
ロックユニットと、下面にコンセントを備え上面にプラ
グを備える中継用ブロックユニットとを含み、面発熱体
によって形成される発熱面の形状が所望の立体形状とな
るようにプラグとコンセントを接続させて基盤上に中継
用ブロックユニット及び熱盤ブロックユニットを組付け
て構成してもよい。
【0014】絵付きシートのシート押さえ枠に接する部
分で加熱が妨げられ、その部分が充分に軟化せず延伸時
に歪が生じるような場合には、シートクランプの押さえ
枠にヒーターを備えることにより絵付シートをより均一
に加熱することができる。熱盤による絵付シートの加熱
は、絵付シートを直接接触させて主に熱伝導で加熱する
方式(接触加熱方式)によってもよいし、絵付シートの
絵柄部が加熱面に接触しないようになし、絵付シートを
主に曲面型熱盤(加熱面)からの赤外線輻射により加熱
する方式(非接触加熱方式)によってもよい。
【0015】接触加熱方式の具体的手段としては、例え
ば熱盤の表面形状を変形保持された絵付シートと同形状
とし、熱盤表面には特開昭59−31130号公報に開
示されているのと同様の吸気孔を設けて絵付シートを熱
盤表面に真空吸引により密着させて加熱する方法があ
る。非接触加熱方式の具体的手段としては、例えば熱盤
の表面形状を変形保持シートと同じくし、その周縁部に
特開平5−301250号公報等に開示される表面に吸
気孔を持ったシート保持用周壁を設け、該周壁でシート
を熱盤表面から周壁の高さの分だけ距離を隔てて固定
し、輻射加熱する方法がある。
【0016】絵付シートは基材シートとその上に積層さ
れた装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体化
させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シー
ト、あるいは一旦絵付シートと成形品とを一体化させた
後、装飾層のみを成形品側に残して基材シートを剥離す
る転写シートのいずれも使用することができる。基材シ
ートとしては、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレ
ン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
基材シートの厚さは、通常20〜500μm程度であ
る。装飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金
属薄膜等を用いることができる。
【0017】本発明の射出成形同時絵付装置に使用され
る雌型及び雄型は、基本的には従来のものと同一構成で
よく、雌型及び雄型の成形面に凹凸模様等を設け(従っ
て成形体に凹凸模様が形成される)ても差し支えない。
雌型及び雄型の材質は、鉄等の金属あるいはセラミック
スとすることができる。雌型内には、加熱によって軟化
した絵付シートを吸引するために、一端が真空ポンプ等
の減圧装置に連結し他端が成形キャビティ表面に開口し
た吸気路を設けるのがよい。また、雌型を多孔質セラミ
ックスあるいは多孔質金属で作製し、その多孔質構造自
体を吸気路、吸気孔として利用してもよい。
【0018】雌型の成形キャビティは、凹面の場合と凸
面の場合とがある。そして、雌型の成形キャビティが凹
面であるか凸面であるかに応じてシートクランプ及び曲
面型熱盤の凹凸が決定される。すなわち、雌型の成形キ
ャビティが凹面である場合には、シートクランプ及び曲
面型熱盤の発熱面形状は凸面となり、雌型の成形キャビ
ティが凸面である場合には、シートクランプ及び曲面型
熱盤の発熱面形状は凹面となる。
【0019】シートクランプは、雌雄型の間に出し入れ
可能に配置されるタイプのもの、すなわちシートを雌型
にクランプするときにのみ雌雄両型間に挿入され、クラ
ンプ不要時には両型間の外に退避するタイプのものとす
ることもできるし、雌型に一体化されてシートを雌型に
クランプした状態で雌型の一部となって型締するタイプ
のものとすることもできる。
【0020】曲面型熱盤は、一定の発熱面形状を有する
ものであってもよいし、複数のユニットを組み合わせて
構成され、そのユニットの組み合わせを変えることによ
り発熱面の形状を変えることができるようなものであっ
てもよい。絵付シートは、コイル状に巻き取られた連続
帯状フィルムから必要量づつ供給するようにしてもよい
し、予め所定寸法に裁断した枚葉フィルムを供給するよ
うにしてもよい。
【0021】本発明における射出成形は、熱熔融した熱
可塑性樹脂を射出する方式の他、化学反応によって硬化
する硬化型樹脂の未硬化液を射出するようにした反応性
射出成形(所謂RIM成形)方式も包含する。反応性射
出成形の場合には、熱熔融していない樹脂「溶液」が用
いられる。従って、本明細書において「熔融樹脂」とあ
るのは、加熱熔融状態の樹脂に加え、前記樹脂の溶液を
含めたものを指している。
【0022】
【作 用】本発明によると、絵付シートを雌型成形キャ
ビティ面の凹凸量よりも小さい凹凸段差にし、かつ湾曲
程度が該キャビティ面と同じか又はそれより小さく、軟
化していない状態でもシワや破れを生じない程度の形状
に予めシートクランプで変形させておき、その状態で絵
付シートを加熱軟化させ、しかる後絵付シートを完全に
雌型キャビティ面に密着成形する(予備成形を2段階で
行う)ため、シートを雌型成形キャビティ面に予備成形
する時に、熱軟化した絵付シートの変位量が少なくな
る。そのため、シートの歪み、シワの発生、破れ、装飾
層と成形品凹凸との位置ズレ、装飾層の歪み等が少なく
なり、表面の凹凸段差や湾曲曲率の大きな成形体、例え
ば、自動車の内装部材やプラスチック缶等の表面に高品
質の絵付を行うことが可能になる。
【0023】なお、絵付シートを雌型キャビティ面に
「完全に」密着成形することは必要不可欠なものではな
く、ある程度は成形樹脂の熱圧でシートを変形し、成形
できる。また、本発明によると、曲面型熱盤を用い、そ
の発熱面の表面形状をシートクランプで変形保持された
絵付シートの形状と略同一としたので、絵付シートの各
部を等距離加熱することができ、シート全面をムラなく
均一に加熱して軟化させることができる。
【0024】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。 〔実施例1〕図1は、本発明による射出成形同時絵付装
置の一例を示す概略図である。本実施例の装置は、従来
例と同様の雌型30と、この雌型30に対向配置された
雄型40とを備えている。雌型30には、成形すべき成
形体の外形に対応する成形キャビティ31が設けられる
とともに、その内部に前記キャビティ31に開口する複
数の吸気孔32が設けられている。吸気孔32は、吸気
管33を介して図示しない真空ポンプへ接続されてい
る。雄型40は固定盤44に固定され、雌型30は移動
板34を介して加圧ラム35に連結されており、雌型が
雄型に対して移動できるようになっている。また、雄型
40は、従来のものと同様に、雌型の成形キャビティ3
1内に挿入されるコア部を有し、その内部に熔融樹脂射
出装置の注湯孔が設けられている。
【0025】雌型30と雄型40との間には、シートク
ランプ50と曲面型熱盤60が進退可能に配置されてお
り、絵付シート15は、雌型30とシートクランプ50
の間を通される。シートクランプ50は、例えばステン
レススチール板等で作られ、雌型の成形キャビティ31
の外周縁に当接する周囲押さえ枠52と、この周囲押さ
え枠に固定されていて使用時成形キャビティ内に突出す
る曲面状押さえ枠54とを有する。曲面状押さえ枠54
は、キャビティ31の内面の凹凸量より小さい凹凸で、
かつキャビティ31の内面と同じか、それより小さな曲
率を有し、後述するように、絵付シート15をキャビテ
ィ31内に押し込んだ状態で保持する。
【0026】なお、ここで雌型キャビティ31内面の凹
凸量ΔDとは、雌型30が図1のように凹んだキャビテ
ィ面を有する場合は、パーティング面36の水準から測
ったキャビティ面凹部の最深部の深さで定義される。ま
た、雌型が図13のように凸のキャビティ面を有する場
合は、パーティング面の水準から測ったキャビティ面凸
部の最高部の高さで定義される。絵付シート15の凹凸
量Δdは、シートの平坦部からシートの最高部又は最深
部までの高低差として定義される。本発明では、ΔD>
Δdである。
【0027】図1では、曲面状押さえ枠54は、キャビ
ティ31の両端部に相当する個所に2個設けているが、
その個数は必ずしも2個とは限られず、キャビティ31
の大きさ、深さ、形状等に応じて3個以上設けてもよ
い。このシートクランプ50は、エアシリンダ55のロ
ッド56に固定されており、エアシリンダ55によって
雌型30と雄型40の間に出し入れされると共に、図示
しない駆動機構によって雌型30に対して近接する方向
及び離脱する方向に移動可能になっている。
【0028】曲面型熱盤60は、図2に詳細を示すよう
に、熱盤本体61の表面に複数枚の面発熱体62をネジ
63で固定して構成したもので、雌型30側が加熱面と
なっている。面発熱体62は、図示しない電源から配線
64を介して給電され、内部に埋め込まれたヒーターに
よって全面が一様に発熱する。この曲面型熱盤60も、
エアシリンダ65のロッド66に固定されており、前記
シートクランプ50と同様に、雌型30と雄型40の間
に出し入れされると共に、図示しない駆動機構によって
雌型30に対して近接する方向及び離脱する方向に移動
可能になっている。
【0029】次に、本実施例の装置を用いて射出成形と
同時に絵付を行う方法について説明する。図3に示すよ
うに、絵付シート15は巻出しロール71から送りロー
ル72によって繰り出されて雌型30の前方を走行す
る。絵付きシート15が弛まないように、シート他端は
図示しない手段によって矢印方向に引張駆動されてい
る。シート15には所望の図柄が所定のピッチで印刷さ
れており、それが裏刷り貼り合わせ積層シート又は転写
用シートであればその印刷面が雌型30と反対側になる
ようにセットされ、表刷り貼り合わせ積層シートの場合
は雌型30側に印刷面がくるようにセットされる。な
お、シート15には図柄と共に位置決めマーク17(例
えばトンボマーク、十字型マーク、長方形、ストライプ
等)が所定ピッチ、あるいはエンドレス(ストライプ
状)で印刷されている。
【0030】まず、シートクランプ及び曲面型熱盤を雌
雄型30,40の間から退避した状態で、送りロール7
2によって巻出しロール71から絵付シート15を1シ
ョット分巻出す。この1ショット分の巻出し、及び雌型
30に対する図柄の位置決めはシートのマーク17を光
電管等の位置決めセンサー75で検知したときシートの
駆動を停止させることによって行われる。位置決めセン
サーは絵付シートの長さ方向と横方向の位置決めが可能
となるように、例えば縦横各1組設置するのが一般的で
ある。
【0031】なお、絵付シート30の絵柄が位置決めを
必要としない全面単色柄等であるときには、前記位置決
め工程は省略することができる。次に、シートクランプ
50及び曲面型熱盤60を雌型30と雄型40の間に挿
入する。次いで、図4に示すように、シートクランプ5
0を雌型30に向けて接近駆動し、その周囲押さえ枠5
2によって絵付シート15を雌型の成形キャビティ周縁
部にクランプする。シート15はシートクランプ50の
曲面状押さえ枠54によってキャビティ内に押し込ま
れ、その湾曲程度ないしは凹凸が雌型キャビティ表面の
湾曲程度ないしは凹凸より小さい状態でキャビティ側に
突出した形状に変形保持される。このとき、キャビティ
31の開口面はシート15によって閉じられ、後述する
キャビティ内の減圧工程の際、大気圧を隔てるエリアが
成形された状態になっている。シートクランプ50の曲
面状押さえ枠54は、それに押されてキャビティ内に突
出変形したシートにシワが生じたり、破れたりすること
がないようにその形状や曲率等が設計される。
【0032】このようにシート15を雌型の成形キャビ
ティ周縁部にクランプした状態で、曲面型熱盤60を雌
雄型間に挿入し、あるいは更に破線で示すようにクラン
プされたシートに接近させてシート全面を均一に加熱軟
化させる。曲面型熱盤60の加熱面の表面形状は、シー
トクランプ50によってキャビティ31内に突出した状
態で変形保持されているシートの表面形状と同一又は略
同一である。この曲面型熱盤60と変形保持されたシー
ト15の間隔ΔLは、ΔL>0として非接触状態でシー
ト各部と熱盤表面が略等距離を保ったまま主に放射熱に
よって加熱するようにしてもよいし、またΔL=0とし
て熱盤表面にシートを密着させ主に熱伝導によって加熱
するようにしてもよい。その際、シートクランプ50の
曲面状押さえ枠54に接するシート部分が押さえ枠54
の影になって他の部分に比較して加熱されにくい場合に
は、押さえ枠54にヒーターを付設してその部分を補助
的に加熱するようにしてもよい。
【0033】いずれにしても、本発明の曲面型熱盤60
は、その加熱面がシートクランプ50によって成形キャ
ビティ内に突出した状態で固定されている絵付シート1
5の表面形状と同一又は略同一の表面形状を有するた
め、シート全面を均一に加熱軟化させることが可能とな
る。次に、図5に示すように、真空ポンプを作動させて
吸気孔32から雌型30の成形キャビティ31内を排気
し、シートクランプ50に保持されている軟化した絵付
シート15を成形キャビティ内周面へ吸引し密着させ
る。なお、必要に応じ、この時、熱盤表面に排気孔を設
け、ここから圧縮空気を吹き出して、シートの雌型キャ
ビティ面への密着を助けることもできる。
【0034】本実施例の予備成形工程によると、シート
クランプによって予めシートを雌型成形キャビティ内に
突出させて変形させておき、その状態でシートを加熱軟
化させ、しかる後に成形キャビティ面まで成形させるた
め、キャビティ表面へ吸引密着される時の軟化シートの
変形量が少なくなり、シートの歪みやシワ、破れ、絵柄
と成形品の凹凸の間の位置ずれを少なくすることができ
る。
【0035】このようにして予備成形が完了すると、シ
ートクランプ50及び曲面型熱盤60を雌型30から離
隔する方向に移動させると共に雌雄両型間から退避さ
せ、図6に示すように、加圧ラム35で雌雄型を型締め
した後、雄型40に設けられた射出装置の注湯孔47か
らキャビティ31内に熔融樹脂を注入充填して射出成形
を行う。
【0036】射出樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ABS樹脂、アクリル、ポリカーボネート等
の熱可塑性樹脂を熱熔融し流動化させたものの他にも、
イソシアネートを硬化剤とするポリウレタン、あるいは
イソシアネート、有機スルホン酸塩等を硬化剤とする不
飽和ポリエステル等、化学反応により硬化する樹脂液を
用いることができる。
【0037】この状態で射出樹脂を冷却・固化させる
と、雌型30内の絵付シート15は射出樹脂に一体化し
て貼り付く。次いで、図7に示すように雌雄型を型開
き、絵付成形体Qを脱型して取り出す。ここで、絵付シ
ート15が貼合わせ積層フィルム(ラミネートフィル
ム)である場合には、そのままで絵付が行われたことに
なり、成形体Qの表面に絵付シート15全層が接着一体
化して装飾層となる(図8a)。それに対し、絵付シー
ト15が転写フィルムである場合には、後工程におい
て、成形体Qの表面に一体化した絵付シート15のうち
の基材シート16のみを剥離し、絵柄層等の転写層18
を成形体Q側に残留させて装飾層となすことにより絵付
が完了する(図8b)。
【0038】型開き直後は、成形体Qは雌型キャビティ
面表面又は雄型表面に付着していることが多い。この付
着した成形体を型から剥して図7のような状態に確実に
するためには、図示はしないが、公知のエジェクタを用
いて型から剥離する。エジェクタの例としては、雄型又
は雌型内に突出、引込み可能の摺動ロッドを設置してお
き、型開き後突出させて成形品を型から剥す。剥離工程
以外は、摺動ロッドはその先端表面が型表面と同水準面
となるような位置まで引込む。
【0039】なお、曲面型熱盤はその発熱表面の形状が
シートクランプによって変形保持されたシートの形状に
近似していれば良いのであって、熱盤本体は必ずしも図
2のように半円柱形である必要はない。例えば、熱盤本
体を湾曲した板状の部材とし、その表面に発熱パネルを
張り付けてもよい。
【0040】〔実施例2〕図9に示すような成形体80
の湾曲側面81及び端面82,83に同時に絵付を行う
実施例について説明する。本実施例の場合、雌型の成形
キャビティ形状及び雄型の形状は当然に成形体80の形
状に合わせたものとする必要があるが、装置の基本構成
は図1に示すものと同様である。すなわち、雌型及び雄
型の間にシートクランプ及び曲面型熱盤を出し入れ自在
に配置する。
【0041】シートクランプは、図10に示すように、
周囲押さえ枠86とそれから略円弧状に延出する2つの
曲面状押さえ枠87a,87bを有するが、2つの曲面
状押さえ枠87a,87bは押さえ枠の中心に近付くほ
ど互いに近接するように取り付けられる。このようにシ
ートクランプの曲面状押さえ枠87a,87bの立体形
状を成形体80の稜線84,85に対応させることによ
り、成形キャビティ内面の凹凸量ΔLよりも小さい凹凸
で、かつ該キャビティ内面の曲率より小さな又は同じ曲
率で、かつキャビティ内面の形状にならった形で絵付シ
ートを雌型のキャビティ内に突出させて変形保持するこ
とができる。周囲押さえ枠86からの曲面状押さえ枠8
7a,87bの突出程度は、それによって変形を受ける
軟化前のシートにシワや破れが生じない程度のものとし
なければならないのは勿論である。
【0042】また、曲面型熱盤は、図11に概略図示す
るように、その発熱面が前記シートクランプで変形保持
された絵付シートと略同一の表面形状を有するように面
発熱体88,89を熱盤本体の周囲に取り付けて形成さ
れる。本実施例の場合、面発熱体は湾曲側面のみならず
他の2面にも設けられる。この曲面型熱盤は、前記実施
例と同様に、シートクランプで変形保持されているシー
トを、その全面に密着させることにより主に熱伝導によ
って加熱してもよいし、シートと曲面型熱盤表面間の距
離を略等距離に保った状態で主に放射熱によって加熱し
てもよい。
【0043】加熱されて軟化したシートは、前記実施例
と同様に、雌型に設けられた吸気孔から成形キャビティ
内を真空吸引することによりキャビティ内周面に吸引し
密着される。本実施例の予備成形工程によると、シート
クランプによって予めシートを成形キャビティ形状にな
らった形に変形させて雌型成形キャビティ内に突出させ
ておくため、キャビティ表面へ吸引密着される際のシー
トの変形量が少なくなり、シートの歪みやシワ、破れ、
絵柄と成形品の凹凸の間の位置ずれを少なくすることが
できる。予備成形後の工程は前記実施例1と同様である
ので、その詳細の説明を省略する。
【0044】〔実施例3〕図12に示すような湾曲した
形状を有し、その内側の面に装飾が施された絵付成形品
を製造した。この絵付成形品は、自動車の内装部材とし
て使用されるものである。
【0045】本実施例の射出成形同時絵付装置の構成を
図13に略示する。本実施例の装置においては、雌型3
0aの成形キャビティ面を前記実施例装置の場合とは異
なって凸面とする。シートクランプ90は雌型の成形キ
ャビティ面の曲面形状と略相似形の形状を有する曲面押
さえ枠91及び補助クランプ92から構成され、雌型3
0aと絵付シート15の間に出し入れ可能に配置されて
いる。曲面型熱盤95は、湾曲した板状の本体96と、
その雌型側の面に取り付けられた面発熱体97からな
り、シートクランプと同様に雌型と雄型の間に出し入れ
可能に配置されている。面発熱体97の表面形状は、シ
ートクランプに変形保持される絵付シート15の形状と
略同一形状とされている。従って、本実施例の曲面型熱
盤の発熱面は凹面である。
【0046】次に、図13の装置を用いて射出成形と同
時に絵付を行って図12に示す絵付成形品を製造する方
法について説明する。加圧ラム35によって雌型30a
を図の左方に移動させた状態で、シートクランプ90を
雌型30aと絵付シート15の間に挿入する。絵付シー
ト15は巻出しロール71から送りロール72によって
駆動されてシートクランプ90の前方を走行する。絵付
シート15は、弛まないように図示しない手段によって
矢印方向に引張駆動されている。シート15には所望の
図柄が所定のピッチで印刷されており、それが裏刷り貼
り合わせ積層シート又は転写用シートであればその印刷
面が雌型30aと反対側になるようにセットされ、表刷
りの場合は雌型30a側に印刷面がくるようにセットさ
れる。なお、絵付シート15には図柄と共にマーク17
(例えばトンボマーク、十字マーク等)が所定ピッチで
印刷されている。
【0047】次いで、送りロール72によって巻出しロ
ール71から絵付シート15を1ショット分巻出す。こ
の1ショット分の巻出し、及び雌型30aに対する図柄
の位置決めはシートの位置決めマーク17を光電管等の
位置決めセンサー75で検知したときシートの駆動を停
止させることによって行われる。シートの位置決めが終
了すると、補助クランプ92によってシートをシートク
ランプの曲面状押さえ枠91に固定する。補助クランプ
は、例えばシートクランプに対して回動可能に取り付け
られた棒状部材であり、クランプ枠と補助クランプの間
にシートを挟んで固定できるようになっている。こうし
て、シート15はシートクランプの曲面状押さえ枠91
によって成形キャビティ面に略相似した形状に変形保持
される。なお、絵付シート15の絵柄が位置決めを必要
としない全面単色柄等であるときは、この位置決めの工
程は省略できる。
【0048】次に、曲面型熱盤95を雌型と雄型の間に
挿入し、続いてシートクランプに保持されたシートに接
近させてシート全面を均一に加熱軟化させる。曲面型熱
盤95の加熱面の表面形状は、シートクランプ90によ
ってキャビティ内に突出した状態で変形保持されている
シートの表面形状と同一又は略同一である。この曲面型
熱盤によるシートの加熱は、軟化シートの形が崩れるこ
となく雌型キャビティ面に予備成形、密着させるため
に、軟化シートを熱盤に固着保持したまま加熱及び雌型
への密着を行う、非接触状態でシートと熱盤表面が略等
距離を保ったまま主に放射熱によって加熱するように熱
盤表面の周縁部にシート固定周壁を設けるようにしても
よいし、また熱盤表面の吸気孔にシートを吸引密着させ
主に熱伝導によって加熱するようにしてもよい。曲面型
熱盤95は、その加熱面がシートクランプ90によって
変形保持されているシートの表面形状と同一又は略同一
の表面形状を有するため、シート全面を均一に加熱軟化
させることが可能となる。
【0049】あるいは、後述の実施例4のように、シー
トクランプが雌型に取り付けられた摺動ロッドに固定さ
れ、シートクランプがシートを雌型に押さえ付けたまま
雄型を型締して(熱盤のみ退避)射出成形してもよい。
次に、補助クランプ92を解放してシートクランプへの
シートの固定を解除し、シートクランプ90及び曲面型
熱盤95を雌型と雄型の間から退避させる。そして、加
圧ラム35で雌雄型を型締めして成形キャビティ内を密
封した後、雌型に設けられた吸気孔につながる真空ポン
プを作動させて軟化したシートを成形キャビティ内周面
へ吸引し密着させる。その後、雄型40aに設けられた
射出装置の注湯孔47から成形キャビティ内に熔融樹脂
を注入充填して射出成形を行う。
【0050】〔実施例4〕図14及び図15により、本
発明の射出成形同時絵付装置に用いられるシートクラン
プの他の実施例を説明する。本実施例のシートクランプ
100は雌型30bに取り付けられた摺動ロッド102
に固定され、雌型と一体化して設けられている点で前記
実施例のシートクランプとは異なる。図に矢印で示すよ
うに、シートクランプ100は、摺動ロッド102によ
り雌型表面から雄型方向に離接駆動される。雌型30b
の成形キャビティ面の周囲には、ライン状の吸引溝10
4が設けられ、その外側にはOリング105が取り付け
られている。吸引溝104は雌型内を走る吸気通路を介
して外部の真空排気装置に接続されている。
【0051】図15に示すように、絵付シート15は雌
型30bとシートクランプ100の間を走行する。摺動
ロッドは、絵付シートをクランプしているときは雌型内
部に収納されており、クランプを解除するときは雌型か
ら突出するように図示しない駆動機構により駆動され
る。雌型の成形キャビティ31b面が図14に示すよう
に凹状である場合、シートクランプ100は絵付シート
15を成形キャビティ周縁部に押さえつけ、所望の形状
・曲率にシートを保持した状態で雌型の一部、すなわち
成形キャビティ周縁部となる。雌型とシートの間の気密
はOリング105により保たれる。シートクランプの押
さえ枠101により変形保持されたシートは、雌型と雄
型の間に挿入される図示しない曲面型熱盤によって加熱
軟化される。曲面型熱盤の発熱面の形状は、変形保持さ
れたシートの曲面形状と略同一となるように設計されて
いる。曲面型熱盤によるシートの加熱は、非接触状態で
シートと曲面型熱盤表面が略等距離を保ったまま主に放
射熱によって加熱するようにしてもよいし、また曲面型
熱盤表面にシートを密着させ主に熱伝導によって加熱す
るようにしてもよい。
【0052】加熱軟化されたシートは、次に真空ポンプ
に接続されたライン状の吸引溝104から成形キャビテ
ィ内を真空排気することによって成形キャビティ内周面
へ吸引され密着される。その後、曲面型熱盤を退避し、
雌型と雄型とを型締めし、雄型40bに設けられた射出
装置の注湯孔47から成形キャビティ内に熔融樹脂を注
入充填して射出成形を行う。
【0053】本実施例においても、曲面型熱盤は、その
加熱面がシートクランプ100によって固定されている
シートの表面形状と同一又は略同一の表面形状を有する
ため、シート全面を均一に加熱軟化させることができ
る。また、予めシートを雌型成形キャビティ内に突出す
るようにシートクランプで変形させておくため、成形キ
ャビティ表面へ吸引密着される際のシートの変形量が少
なくなり、シートの歪みやシワ、破れ、絵柄と成形品の
凹凸の間の位置ずれを少なくすることができる。
【0054】図には、雌型の成形キャビティ表面が凹面
である場合を示したが、雌型の成形キャビティ表面が凸
面である場合にも、本実施例を適用できることは明かで
あろう。但し、その場合には、シートクランプの押さえ
枠101は雌型の成形キャビティ表面の凹凸量ΔLより
小さい凹凸で、かつ該キャビティ表面の曲率と同じかそ
れより小さな曲率で雌型から突出するように湾曲する。
【0055】なお、雌型30bに設けたライン状の吸引
溝104は、図1に示す独立した多数の吸引孔と同様な
作用をするものであり、ライン状の吸引溝104の代わ
りに多数の吸引孔を成形キャビティ面全面にわたって設
けてもよいのは勿論である。
【0056】〔実施例5〕図16〜図18により、本発
明の射出成形同時絵付装置に用いられる曲面型熱盤の他
の実施例を説明する。前記実施例の曲面型熱盤はいずれ
も加熱面の形状が一定不変であり、製造すべき成形体や
シートクランプの形状が変わると曲面型熱盤もそれに合
わせてその都度製作する必要がある。本実施例の曲面型
熱盤は、このような不都合を解消するものである。
【0057】図16は本実施例の曲面型熱盤の概略図で
ある。図示のように、本実施例の曲面型熱盤110は、
平板状の基盤112に複数個の熱盤ブロックユニット1
13を組付けて構成される。熱盤ブロックユニット11
3は、面発熱体に関していえば、面発熱体がその1つの
面のみに取り付けられたもの、2面に取り付けられたも
の、3面に取り付けられたもの、面発熱体を有していな
いもの114等複数の種類のものが用意され、また、厚
さや形状の点でもいくつかの種類のものが用意されてお
り、それを適宜組合わせて基盤にネジ等の手段で固定す
ることにより所望形状の発熱面を得る。
【0058】次に、基盤と熱盤ブロックユニットの詳細
及び基盤への熱盤ブロックユニットの組付け方法につい
て説明する。図17に示すように、基盤112には熱盤
ブロックユニット取付用のネジ穴115及び各ユニット
に給電するための複数個(図の例の場合、3×3で9
個)のプラグ116が設けられている。各フラグ116
は基盤から延長する配線117によって図示しない電源
に接続される。
【0059】熱盤ブロックユニット113は、図18
(a)に示すように、陶磁器やセラミックス等からなる
ブロック本体118の表面に面発熱体119を取り付け
たもので、コンセント120及び取付用のネジ貫通孔1
21を有する。基盤112への熱盤ブロックユニット1
13,114の取付は、図17に示すようにネジ122
によって行われる。このとき、基盤から突出するプラグ
116が熱盤ブロックユニット113,114のコンセ
ント120に差し込まれ、面発熱体119は通電可能に
なる。熱盤ブロックユニットのうち他の熱盤ブロックユ
ニットと基盤の間に位置し、熱盤内部に隠れてしまうユ
ニット114は、図18(b)に示すように、プラグ1
16とコンセント120及び固定用のネジを通すネジ穴
121を備えるのみで面発熱体は備えず、単なる中継ぎ
用のユニットとして用いられる。
【0060】本実施例による曲面型熱盤の発熱面は完全
な連続曲面ではなく、一般には所望の曲面の近似形であ
り、また、図16に図示するように段差を有する場合も
ある。しかし、この曲面型熱盤によっても、シートクラ
ンプによって変形保持された絵付シートを均一に加熱す
ることが可能である。なお、基盤112上に配置される
熱盤ブロックユニットの数を、例えば10×10個と増
加して基盤上の区画をより細分化し、更に最表層のユニ
ットの表面形状を各種用意することにより、発熱面に生
じる段差は小さくなり、任意の曲面をより高い精度で近
似できるようになる。
【0061】このように、本実施例の曲面型熱盤は複数
のユニットを組付けて構成されるものであり、ユニット
の組み合わせ変えることによって任意形状の曲面を近似
することができる。従って、種類の異なるユニットを一
定数だけ用意しておけば、それらのユニットの組付けを
変えることにより発熱面の形状を自由に変えることがで
きるので、製造すべき成形体が変わる度に新たな熱盤を
製作する必要がなくなる。
【0062】なお、本明細書では、成形体の絵付面が曲
面である場合を主に例にとって本発明を説明してきた
が、本発明は成形体の絵付面全面が滑らかに連続した曲
面である場合に限定されるものではない。成形体の絵付
面が平面と曲面の組み合わせ、または平面のみの組み合
わせで構成される場合にも、本発明は同様に適用され
る。成形体の絵付面が平面を含む場合には、シートクラ
ンプのシート押さえ枠は直線部分を含んでいてもよく、
熱盤の発熱面もその一部あるいは全部を平面で構成して
もよい。
【0063】
【発明の効果】本発明の射出形成同時絵付方法及び装置
によると、絵付シートをムラなく均一に加熱軟化するこ
とができる。また、熱軟化した絵付シートを雌型成形キ
ャビティ面に予備成形する際の変位量を少なくできるた
め、シートの歪み、シワの発生や破れ、装飾層と成形品
凹凸との位置ズレ、装飾層の歪み等が少なくなり、表面
の凹凸段差や湾曲曲率の大きな成形品に対しても高品質
の絵付を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形同時絵付装置の一例を示
す概略図。
【図2】図1に示した曲面型熱盤の詳細図。
【図3】図1の射出成形同時絵付装置を用いて射出成形
と同時に絵付を行う工程を説明する図。
【図4】絵付シートをクランプし、曲面型熱盤で加熱す
る工程の説明図。
【図5】軟化した絵付シートを雌型の成形キャビティ内
周面に吸引密着させる工程の説明図。
【図6】射出成形工程の説明図。
【図7】絵付成形体取出し工程の説明図。
【図8】絵付シートが貼合わせ積層フィルムである場合
と、転写フィルムである場合の説明図。
【図9】成形体の他の例を示す図。
【図10】シートクランプの他の実施例の概略図。
【図11】曲面型熱盤の他の実施例の概略図。
【図12】絵付成形体の他の例を示す図。
【図13】射出成形同時絵付装置の他の実施例の概略
図。
【図14】シートクランプの他の実施例の概略図。
【図15】図14のシートクランプの作用を説明する
図。
【図16】曲面型熱盤の他の実施例の概略図。
【図17】基盤への熱盤ブロックユニットの組付け方法
を説明する図。
【図18】熱盤ブロックユニットの説明図。
【図19】絵付成形品の例を示す図。
【図20】従来の射出成形同時絵付装置の説明図。
【図21】従来の射出成形同時絵付方法における予備成
形工程の説明図。
【図22】従来の射出成形同時絵付方法における射出成
形工程の説明図。
【符号の説明】
15…絵付シート、17…位置決めマーク、30…雌
型、31…成形キャビティ、32…吸気孔、34…移動
板、35…加圧ラム、36…パーティング面、40…雄
型、44…固定盤、50…シートクランプ、52…周囲
押さえ枠、54…曲面状押さえ枠、60…曲面型熱盤、
62…面発熱体、75…位置決めセンサー、88,89
…面発熱体、90…シートクランプ、92…補助クラン
プ、95…曲面型熱盤、100…シートクランプ、10
2…摺動ロッド、104…ライン状吸引溝、105…O
リング、110…曲面型熱盤、113,114…熱盤ブ
ロックユニット、116…プラグ、119…面発熱体、
120…コンセント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 雅之 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 阿竹 浩之 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絵付シートを雌型の成形キャビティ表面
    の凹凸量より凹凸が浅く、かつ曲率が同じか又は小さな
    形状に変形させて保持する工程と、前記保持された絵付
    シートの表面形状と略同一形状の発熱面を有する熱盤に
    よって前記保持された絵付シートを加熱軟化させる工程
    と、前記雌型の成形キャビティ表面に前記軟化した絵付
    シートを密着させる工程と、前記雌型と雄型とを合体さ
    せて型締めを行う工程と、雌型と雄型との間に形成され
    る成形キャビティ内に熔融樹脂を注入充填して射出成形
    を行い射出成形品と絵付シートとを接着一体化させる工
    程とを含むことを特徴とする射出成形同時絵付方法。
  2. 【請求項2】 絵付シートをシートクランプによって雌
    型の成形キャビティ内に該成形キャビティ表面の凹凸量
    より凹凸が浅く、かつ曲率が同じか又は小さな形状に突
    出させた状態で該成形キャビティ周縁部に保持する工程
    と、前記保持された絵付シートの表面形状と略同一形状
    の発熱面を有する熱盤によって前記保持された絵付シー
    トを加熱軟化させる工程と、前記軟化した絵付シートを
    雌型側から吸引して前記成形キャビティ内周面に密着さ
    せる工程と、前記雌型と雄型とを合体させて型締めを行
    う工程と、雌型と雄型との間に形成される成形キャビテ
    ィ内に熔融樹脂を注入充填して射出成形を行い射出成形
    品と絵付シートとを接着一体化させる工程とを含むこと
    を特徴とする射出成形同時絵付方法。
  3. 【請求項3】 成形キャビティ及び該成形キャビティに
    開口する吸気孔を有する雌型と、樹脂注湯孔を有する雄
    型と、前記吸気孔に接続された真空吸引手段と、前記雌
    型の成形キャビティ周縁部に当接する周囲押さえ枠及び
    該周囲押さえ枠から突出するシート押さえ枠を有し絵付
    シートを前記成形キャビティ内に突出させた状態で該成
    形キャビティ周縁部に保持することができるシートクラ
    ンプと、立体形状の発熱面を有する熱盤と、前記シート
    クランプを前記雌型に対して相対的に移動させるための
    手段と、前記熱盤を前記雌型に対して相対的に移動させ
    るための手段と、前記雌型を前記雄型に対して相対的に
    移動させるための手段と、絵付シートを雌型キャビティ
    面側に供給するシート供給手段とを含むことを特徴とす
    る射出成形同時絵付装置。
  4. 【請求項4】 前記雌型は、雌型表面から突出する摺動
    ロッドを備え、前記シートクランプは前記摺動ロッドに
    固定されていることを特徴とする請求項3記載の射出成
    形同時絵付装置。
  5. 【請求項5】 本体と、該本体に固定された複数の面発
    熱体とを備え、前記複数の面発熱体によって形成される
    発熱面は立体的な曲面形状を有することを特徴とする射
    出成形同時絵付装置用熱盤。
  6. 【請求項6】 表面に複数の送電用プラグを備えた平面
    状の基盤と、下面にコンセントを備え該下面以外の少な
    くとも1つの表面に面発熱体を備える熱盤ブロックユニ
    ットと、下面にコンセントを備え上面にプラグを備える
    中継用ブロックユニットとを含み、面発熱体によって形
    成される発熱面の形状が所望の立体形状となるようにプ
    ラグとコンセントを接続させて基盤上に中継用ブロック
    ユニット及び熱盤ブロックユニットを組付けたことを特
    徴とする射出成形同時絵付装置用熱盤。
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