JP4139487B2 - 絵付け成形品の製造方法 - Google Patents
絵付け成形品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4139487B2 JP4139487B2 JP28904398A JP28904398A JP4139487B2 JP 4139487 B2 JP4139487 B2 JP 4139487B2 JP 28904398 A JP28904398 A JP 28904398A JP 28904398 A JP28904398 A JP 28904398A JP 4139487 B2 JP4139487 B2 JP 4139487B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- sheet
- picture
- gate
- molds
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/0025—Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絵付け成形品の製造方法に関する。特に、ゲート部分の製品表面にヒケが生じるのを防げる絵付け成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、成形品の成形と同時にその外表面に模様等を設ける射出成形同時絵付方法が各種の態様で行われている。
例えば、特公昭50−19132号公報では、真空成形用の通気孔を設けた雌型を利用して熱可塑性樹脂よりなる絵付シートを真空成形した後、雌雄両型を型締めし、溶融樹脂を両型で形成されるキャビティに射出して、射出成形と同時に成形品の外表面に絵付シートを一体化させる方法が開示されている。この態様の射出成形同時絵付方法では真空成形と射出成形とを組合わせた方法であり、複雑な曲面形状に模様付けができる。なお、絵付シートには、ラミネートタイプと転写タイプとがあり、前者では絵付シート自体を成形品に積層させて絵付けし、後者では絵付シートの基材シートのみを剥離してその転写層を成形品に転写させて絵付けする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、射出樹脂はキャビティ内にはゲートから充填する事になるが、成形品の形状やゲート位置等によっては、ゲート部近傍の成形品表面が凹む、所謂ヒケが発生する事がある。また、射出成形同時絵付方法に於いては、成形品表側面を絵付シートで絵付けし、ゲートは通常成形品の裏側に設けて裏側から樹脂は射出する事になる為に、絵付シートの耐熱性が充分で無い場合、裏側のゲートからキャビティ内に充填された直後の溶融樹脂が、絵付シートの接着面となる裏面に触れて、絵付シートが熱溶融したり軟化して、絵付シートが破断したり流れたりする事がある。また、絵付シート裏面側に絵柄等を付与する為に印刷形成したインキ層の耐熱性が十分で無い場合でも、同様の理由から、インキ層が溶融乃至軟化して流れる事がある。インキ層が流れると絵柄が歪んだり消失する。特に、樹脂がゲートを通じてキャビティ内に充填されだす部分では、流路の断面積が小さい為に、樹脂の剪断発熱による影響もある。
この為、図3に示す如く、ゲート3周囲の成形品裏面に円形状に肉厚部4を設けて、絵付シート或いはそのインキ層にかかる熱の影響を少なくする事もあるが、今度は肉厚部の肉厚が厚くなっている為に、ヒケがひどくなり、成形品の外観不良となる場合もある。
この様に、射出成形同時絵付方法の場合は、絵付シートを使用する為に、その耐熱性や成形品形状などによっては、ヒケ防止や、射出樹脂の熱で絵付シートが損傷しない様な特別の工夫をする必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の絵付け成形品の製造方法では、絵付シートを射出成形の雌雄両型間に供給した後、両型を型締めして、流動状態の樹脂を両型で形成されるキャビティに射出して、成形品の表面側に絵付シートが絵付けされると共に成形品の裏面側に張り出すリブが形成された絵付け成形品を製造する方法であって、前記絵付シートを真空成形により外周面と内周面を有する3次元形状に予備成形し、3次元形状に予備成形された前記絵付シートをその外周面側を前記雌型側に向けて前記キャビティ内に供給した後に、前記雄型側に位置し、かつ、前記両型を型締めして形成されるパーティングラインよりも前記雄型側に形成される成形品外周端部が外周面側を凸とする円弧状端部からなり、該円弧状端部に連接して後方に張り出した前記リブに相当する位置に設けられたゲートから3次元形状に予備成形された前記絵付シートの内周面側に前記樹脂を射出し、3次元形状に予備成形された前記絵付シートを一体化すると共に前記成形品の外周の裏面側に張り出す前記リブを形成することを特徴とする絵付け成形品の製造方法とした。この結果、ゲート位置に対応する成形品表側面にヒケが発生しなくなる。また、充填時に樹脂が剪断発熱する部分から絵付シートが遠いので、絵付シートのインキ層が流れる等の絵付シート損傷も防げる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の絵付け成形品の製造方法について、実施の形態を説明する。図1は射出成形型が本発明の絵付け成形品の製造方法による場合と、従来の場合とを比較説明する説明図である。なお、図では、型に充填される樹脂を基準として、すなわち成形品の断面図で描いてある。
【0006】
従来の射出成形型は、例えば、サブマリンゲートの場合には、図1(A)の如く、成形品1の裏面に設けたボス6にゲート3を設けたりする構造であった。なお、このボス6は樹脂充填専用に設ける以外に、他の目的と兼用で設ける場合もある。これに対して、本発明の絵付け成形品の製造方法による射出成形型では、図1(B)にその一形態で例示する如く、成形品1の裏面に設けられているリブ7を活用して、リブ7にゲート3を設ける。なお、図1(B)はリブ7の先端にピンポイントゲートを設けた例である。図1(A)の様に、成形品1が裏面にリブ7を有する場合には、リブにゲートを設ければ、ヒケは防げる。流動状態の樹脂は、スプルー(不図示)からランナー2を通過してゲート3からリブ7を有するキャビティ内に充填される。
【0007】
また、図1(A)及び(B)は成形品1の裏面にリブが有る場合であったが、成形品1の裏面にはリブが無い場合でも、図1(C)の如くリブ7が成形品の裏側として成形品外周に有る場合には、そのリブ7を活用すれば良い。すなわち、図1(D)の如く、成形品外周に後方に張り出したリブ7にゲート3を設ければ良い。なお、図1(C)及び(D)に例示するゲート3は、サブマリンゲート(トンネルゲート)による場合であるが、もちろん、この場合、サブマリンゲートに限定されるものでは無い。
【0008】
以上の様に、本発明の絵付け成形品の製造方法による射出成形型では、ゲートをリブに設けるので、ヒケが発生しない。また、絵付シートも、充填時に樹脂が剪断発熱する部分から遠いので、絵付シートのインキ層が流れる等の絵付シート損傷も起き難い。なお、ゲートを設けるリブは元々設けてあるリブを利用しても良いが、成形品の使用上、支障が無ければ、ゲート用にリブを新設しても良い。また、ゲートの種類は、上記説明ではピンポイントゲートとサブ
マリンゲートで説明したが、これに限定される事はなく、その他の公知の各種ゲートでも良い。また、射出成形型の型材は特に限定されず、例えば、S50C、S55C、SCM3、SCM4等の金型材として従来公知の各種鋼材の他に、銅等の他の金属及び金属合金、或いはセラミックス等の非金属材料等でも良く、適宜選択使用すれば良い。
【0009】
〔射出成形同時絵付方法〕射出成形同時絵付方法について、ここで説明しておく。射出成形同時絵付方法とは、特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報、特開平6−315950号公報、特公平2−42080号公報等に記載されるように、絵付シートを射出成形の雌雄両金型間に供給した後、流動状態の樹脂を両型で形成されるキャビティ内に射出充填し、樹脂成型物の成形と同時にその表面に絵付シートを積層して、ラミネ−ト又は転写で絵付けした絵付け成形品を製造する方法である。
【0010】
射出成形同時絵付方法は各種形態がある。射出成形同時絵付方法の各種形態としては、例えば、絵付シートの予備成形を行う形態でも行わない形態でも、いずれでも良い。また、絵付シートの予熱を行っても良く、行わなくても良い。なお、予備成形時には通常は絵付シートは予熱する。もちろん、絵付シートの絞りが大きい場合は、予備成形を行うのが好ましい。一方、絵付シートの絞りが少ない場合は、射出される流動状態の樹脂の樹脂圧で絵付シートを成形できる。この際、絞りが浅ければ、予備成形無しで樹脂射出と同時に型内に充填される流動状態の樹脂の樹脂圧のみで絵付シートを成形する事もある。また、樹脂圧で絵付シートを成形する場合でも、絵付シートは予熱せずに射出樹脂の熱を利用する事もある。また、絵付シートの予備成形は、通常は、射出成形型を真空成形型と兼用するが、型間に絵付シートを供給する前に、型外部で別の真空成形型で絵付シートを真空成形する様な予備成形でも良い。なお、真空成形とは真空圧空成形も包含する。
【0011】
図2の概念図によって、射出成形同時絵付方法を、その或る一形態で説明する。なお、ここで説明する形態は、型締めする前に、絵付シートを型間で加熱し軟化させて射出成形型で真空成形により予備成形した後に、型締めして樹脂を射出する形態である。また、この概念図は、射出成形同時絵付方法それ自体の説明の為の図であるので、ゲートの位置を敢えて特定せず、簡略して図示したが、もちろん、本発明に於いては、図1(B)、(D)の如く、ゲートを成形品裏側のリブの所に設けるようにする。
【0012】
先ず、図2(A)の如く、射出成形型としては、射出ノズルと連通するランナー及びゲートを有する型Maと、型面に吸引孔41を有しシートの予備成形型を兼用する型Mbの一対の成形型を用いる。これらの型は鉄等の金属、或いはセラミックスからなる。型開き状態に於いて両型Ma、Mb間に絵付シートSを供給し、型Mbに絵付シートSを枠状のシートクランプ42で押圧する等して固定する。この際、絵付シートの接着面側は、図面右側の射出樹脂側となる様にする事はもちろんである。次いで、適宜、両型間に挿入したヒータで絵付シートを加熱軟化させる。加熱は例えば非接触の輻射加熱とするが、接触加熱でも良い。そして、吸引孔から吸引して真空成形して、絵付シートを型Mbのキャビティ面に沿わせ予備成形する。なお、真空成形は圧空も併用する真空圧空成形でも良く、これも包含する。次いで、ヒータを両型間から退避させ、図2(B)の如く両型を型締めし、両型で形成さるキャビティに加熱熔融状態等の流動状態の樹脂を充填する。そして、樹脂が冷却等により固化した後、型開きして成形物を取り出す。絵付シートがラミネ−トシートの場合は、絵付シートの不要部分があれば適宜トリミングすれば、樹脂成形物に絵付シートが積層され絵付けされた絵付け成形品が得られる。また、絵付シートが転写シートの場合は、その基材シートを型Mb側に残した状態で成形物を取り出すか、或いは、絵付シート全体が積層された状態で成形物を取り出し後、基材シートを剥離して、転写層のみが積層されて絵付けされた絵付け成形品を得る。
【0013】
なお、本発明の絵付け成形品の製造方法により射出成形同時絵付けする際に、射出成形する樹脂としては、射出成形同時絵付方法に於ける従来公知のものが使用でき特に制限はない。射出成形樹脂は、製品の要求物性やコスト等に応じて選定される。例えば、熱可塑性樹脂であれば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、或いはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂等である。また、硬化性樹脂であれば、2液硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の未硬化樹脂液等の射出成形同時絵付用として従来より知られている材料を使用できる。熱可塑性樹脂は加熱熔融して流動状態で射出し、また硬化性樹脂は室温又は適宜加熱して流動状態で射出する。但し、本発明の絵付け成形品の製造方法の利点が、特に活かされる樹脂は加熱して射出する樹脂であり、特に加熱溶融によって流動状態で射出する熱可塑性樹脂である。
【0014】
〔絵付シート〕上述の様な射出成形型を用いて射出成形同時絵付けする際に用い得る絵付シートは、転写タイプ或いはラミネートタイプとして従来公知の絵付シートを用いる事ができ、特に限定されるものでは無い。但し、本発明の絵付け成形品の製造方法では、ゲート部の熱の影響が軽減している為に、従来よりも耐熱性が弱い絵付シートでも使用できる。そこで、絵付シートについても一応説明しておく。
【0015】
転写タイプの絵付シート(転写シート)は、基材シートに剥離性のシートを用い、基材シート上に転写層が積層された構成である。転写層は例えば装飾層や接着剤層等からなる。また、転写層の基材シート側には剥離層を転写層の構成要素として適宜設けた構成等もある。ラミネートタイプの絵付シート(ラミネートシート)は、例えば基材シート上に装飾層と接着剤層とを順次積層した構成である。なお、転写タイプ、ラミネートタイプ共に接着剤層は省略することもある。
【0016】
(基材シート)
基材シートとしては、成形性の有る樹脂シートが代表的には用いられる。該樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートイソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン系等のその他の熱可塑性エラストマー、等の熱可塑性樹脂のシートの単層又は異種材料の2層以上の積層体が用いられる。また、成形性を満足すれば、不織布や織布等の布等に対して樹脂を含浸させたシートや、これに前記樹脂シートを積層した積層体等も用いられる。
なお、転写タイプでは、必要に応じ、基材シートの転写層側に、転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けた構成の基材シートとする。離型層は基材シート剥離時に基材シートと共に転写層から分離し剥離除去される。離型層には、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又は2種以上の混合物が用いられる。
また、ラミネートタイプでは、基材シート樹脂中に顔料等の着色剤を練り込んで、基材シートを着色透明又は着色不透明、或いは無色透明又は無色不透明等とする装飾処理を施す事もある。この場合、基材シート自体が装飾層を成し基材シートのみの構成の絵付シートとなる場合もある。
【0017】
(装飾層)
装飾層は、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の方法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層(インキ層)、アルミニウム、クロム等の金属を公知の蒸着法等で部分又は全面に形成した金属薄膜層等である。絵柄は、板目や柾目等の木目模様、大理石や御影石等の石目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、布目模様、文字、幾何学模様、全面ベタなど任意である。絵柄層用インキは、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バインダーには、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等を、これら樹脂の単体又は混合物として用いる。顔料又は染料等の着色剤としては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、コバルトブルー、黄鉛、フタロシアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン、アルミニウム粉等の金属顔料、真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
【0018】
(接着剤層)
絵付シートの裏面には、射出樹脂との接着性向上のため、コロナ放電処理、公知の各種プライマー塗工等の易接着処理や感熱型等の接着剤層を施すことがある。接着剤層には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の公知の樹脂が用いられる。例えば、熱可塑性樹脂では、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン樹脂又はスチレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等のゴム系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。また、熱硬化性樹脂では、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。
【0019】
〔その他〕
なお、本発明でいう「絵付け」とは、単に絵柄や文字、図形等の目視可能な模様を成形品に付与する以外に、目視不可能な模様、あるいは硬質塗膜、導電性等の機能性層を付与することも包含する。目視可能な模様としては、印刷等により形成した絵柄層、真空蒸着等により形成した金属薄膜層など公知のものが、目視不可能な模様の例としては可視光に対しては透明で紫外線照射で蛍光を発する蛍光インクの絵柄が用いられる。
【0020】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
【0021】
〔実施例〕本発明の絵付け成形品の製造方法による射出成形型として、自動車のコンソールボックス用の成形品を成形する金型を用意した。絵付け成形品の寸法は、正面が横200mm、縦500mmの長方形で、肉厚は平均3mm、絵付シートの絞り深さが最大40mmである。ゲートは、図1(B)の如く、成形品1の裏面に有るリブ7の先端にゲード3を設けた。リブ7の幅は0.7mmで、ゲートは直径2.5mmのピンポイントゲートとした。
【0022】
一方、絵付シートには、厚み125μmの透明なアクリル樹脂フィルムからなる基材シートの裏側となる面(成形品側)に、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合樹脂系をバインダーの樹脂とし、弁柄を主体とする着色顔料が添加されている着色インキを用いて、木目柄の意匠の絵柄層をグラビア印刷の三色刷りで形成した上に、更に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層(4μm厚)をグラビアコートによる2層コートで形成して、用意した。
【0023】
そして、上記絵付シートを用いて、図2の概念図で説明した様にして射出成形同時絵付けを行い、絵付シートがラミネ−トされた絵付け成形品を製造してみた。先ず、絵付シートをその絵柄層が雄金型のゲート側を向く様にして、型開き状態の雌雄両金型間に供給した後、表面温度350℃に加熱した赤外線輻射加熱方式の熱盤を型間に挿入して、絵付シートを非接触で3秒間加熱した後、雌型を真空成形型として、真空引きを開始して真空成形による絵付シートの予備成形を行い、軟化した絵付シートを雌型のキャビティ面に沿う形状に成形した。その後、真空引き開始5秒後に、熱盤を型外の退避位置に退避させて、両型を型締めした。次いで、耐熱ABS樹脂を、樹脂温度240℃、金型温度60℃の条件で、両型で形成されるキャビティ内に射出した。そして、樹脂が冷却し固化後、型開きして、絵付け成形品を得た。
【0024】
その結果、成形品の表側には、ヒケ発生は認められなかった。また、絵付シートは射出時の樹脂の熱にも耐え、基材シート、絵柄層ともに、破断、流動、を生じ無かった。また、リブにゲートがある為に、射出樹脂圧が低くても、(リブに樹脂が充填されない)ショートショットにならない為に、バリが発生しない安定した射出成形同時絵付けが出来た。
【0025】
〔比較例〕
実施例において用いた金型に対して、ゲートの位置は、図3の如く、成形品1の裏面に直接、ゲード3を設けた。ゲートは直径2.5mmのピンポイントゲートとした。但し、成形品の裏面のゲート3の周囲は、直径10mmの円形状に肉厚を3mmから4mmに1mm増やした肉厚部4を設けた。この他は、実施例同様にして、射出成形同時絵付けして、絵付け成形品を得た。
【0026】
その結果、絵付シートは射出時の樹脂の熱にも耐えたが、図3に示す如く、成形品1の表側には、ゲート3の部分にヒケ5が発生していた。そして、ヒケを直す為に、射出樹脂圧を上げて成形し直してみたが、成形品周囲にバリが発生してしまった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の絵付け成形品の製造方法によれば、射出成形同時絵付けによって絵付け成形品を得るに当たって、ゲート位置に対応する成形品表側面にヒケが発生しない。また、樹脂がキャビティ内に充填される際に、ゲート或いはゲート近傍の剪断発熱し易い部分に、絵付シートが存在しない為に、インキ層が流れる等の絵付シート損傷が起きない。元々有るリブを利用すれば製品設計を変更せずに、ヒケや絵付シート損傷を防げる。また、絵付シートの損傷を防げるから、元々は絵付シートによる絵付け無しの成形品に対して、絵付シート使用時特有の肉厚部を設ける等の設計変更をせずに、絵付シートで絵付けできる。更に、リブにゲートを設けるので、リブに於けるショートショット等が発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絵付け成形品の製造方法による射出成形型と従来の射出成形型を成形品形状で概念的に説明する説明図。
【図2】射出成形同時絵付方法を或る一例で説明する概念図。
【図3】従来の射出成形型の他の例を成形品形状で概念的に説明する説明図。
【符号の説明】
1 成形品
2 ランナー
3 ゲート
4 肉厚部
5 ヒケ
6 ボス
7 リブ
41 吸引孔
42 シートクランプ
Ma 射出成形型(雄型)
Mb 射出成形型(雌型)
PL パーティングライン
S 絵付シート
Claims (1)
- 絵付シートを射出成形の雌雄両型間に供給した後、両型を型締めして、流動状態の樹脂を両型で形成されるキャビティに射出して、成形品の表面側に絵付シートが絵付けされると共に成形品の裏面側に張り出すリブが形成された絵付け成形品を製造する方法であって、前記絵付シートを真空成形により外周面と内周面を有する3次元形状に予備成形し、3次元形状に予備成形された前記絵付シートをその外周面側を前記雌型側に向けて前記キャビティ内に供給した後に、前記雄型側に位置し、かつ、前記両型を型締めして形成されるパーティングラインよりも前記雄型側に形成される成形品外周端部が外周面側を凸とする円弧状端部からなり、該円弧状端部に連接して後方に張り出した前記リブに相当する位置に設けられたゲートから3次元形状に予備成形された前記絵付シートの内周面側に前記樹脂を射出し、3次元形状に予備成形された前記絵付シートを一体化すると共に前記成形品の外周の裏面側に張り出す前記リブを形成することを特徴とする絵付け成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28904398A JP4139487B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | 絵付け成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28904398A JP4139487B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | 絵付け成形品の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007316212A Division JP2008068633A (ja) | 2007-12-06 | 2007-12-06 | 射出成形型 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000117778A JP2000117778A (ja) | 2000-04-25 |
JP4139487B2 true JP4139487B2 (ja) | 2008-08-27 |
Family
ID=17738097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28904398A Expired - Fee Related JP4139487B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | 絵付け成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4139487B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022110498A1 (zh) * | 2020-11-30 | 2022-06-02 | 无锡小天鹅电器有限公司 | 外观部件、家用电器和模具 |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4978117B2 (ja) | 2006-08-28 | 2012-07-18 | スズキ株式会社 | 樹脂成形品 |
JP5172157B2 (ja) * | 2007-01-16 | 2013-03-27 | 南条装備工業株式会社 | 成形装置 |
JP5363024B2 (ja) * | 2008-04-17 | 2013-12-11 | 三菱樹脂株式会社 | 運搬容器用の射出成形金型及び運搬容器 |
JP2011005743A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-01-13 | Suzuki Motor Corp | 射出成形型及び射出成形品の製造方法 |
EP2481579A4 (en) * | 2009-09-25 | 2013-09-04 | Toray Industries | MOLDING FILM |
JP5668395B2 (ja) * | 2010-09-30 | 2015-02-12 | 凸版印刷株式会社 | 表面シートを用いたインサート成形用金型及び成形物の製造方法 |
JP6113962B2 (ja) * | 2012-04-10 | 2017-04-12 | シャープ株式会社 | 樹脂パネル及びそれを備えた空気調和機 |
FR2994882B1 (fr) * | 2012-08-28 | 2015-08-21 | Valeo Vision | Dispositif de moulage par injection comprenant un tiroir |
JP6239804B2 (ja) * | 2017-08-31 | 2017-11-29 | シャープ株式会社 | 樹脂パネル及びそれを備えた空気調和機 |
JP6345859B2 (ja) * | 2017-11-01 | 2018-06-20 | シャープ株式会社 | 樹脂パネル及びそれを備えた空気調和機 |
JP7201500B2 (ja) * | 2019-03-22 | 2023-01-10 | ダイキョーニシカワ株式会社 | 車両用装飾部品、2色成形金型及び2色射出成形方法 |
JP6994277B1 (ja) * | 2021-02-15 | 2022-01-14 | 内藤プロセス株式会社 | 射出成形品の製造方法 |
-
1998
- 1998-10-12 JP JP28904398A patent/JP4139487B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022110498A1 (zh) * | 2020-11-30 | 2022-06-02 | 无锡小天鹅电器有限公司 | 外观部件、家用电器和模具 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000117778A (ja) | 2000-04-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4139487B2 (ja) | 絵付け成形品の製造方法 | |
JP5220977B2 (ja) | 共成形されたフロック転写体およびその製法 | |
AU2001277991A1 (en) | Co-molded flock transfer and method | |
JP2001525741A (ja) | 共成型プロセスにおいて使用されるプラスチックフィルムの予成形方法ならびにこの方法を利用して製造される改良型のペイントフィルムによって被覆された部材 | |
JP2008068633A (ja) | 射出成形型 | |
JP2725735B2 (ja) | 射出成形同時絵付け方法及びそれに用いる絵付けフィルム | |
JP4240730B2 (ja) | 射出成形同時絵付け方法 | |
JP4357795B2 (ja) | 射出成形同時絵付用転写シート、及び絵付成形品 | |
JP4202490B2 (ja) | 加飾成形品 | |
JP4184528B2 (ja) | 射出成形同時絵付方法及びそれに用いる絵付用成形型 | |
JP4676607B2 (ja) | 射出成形同時絵付方法 | |
JPH10128921A (ja) | 装飾シート、装飾樹脂成形品、及び装飾樹脂成形品の製造方法 | |
JP4357804B2 (ja) | 成形加飾用シート及び射出成形同時加飾方法 | |
JP4043594B2 (ja) | 射出成形同時絵付方法 | |
JP4659967B2 (ja) | 射出成形同時絵付用シートの製造方法及び樹脂成形品 | |
JP2004106445A (ja) | 射出成形同時加飾用シート及び射出成形同時加飾方法 | |
JP2000117782A (ja) | 射出成形同時絵付用型 | |
JP2008221850A (ja) | 射出成形同時絵付用転写シート、及び絵付成形品 | |
JP4170502B2 (ja) | 絵付用成形型及び射出成形同時絵付方法 | |
JP4249361B2 (ja) | 射出成形同時積層用加飾シート及び射出成形同時加飾方法 | |
JPH10258443A (ja) | 射出成形同時絵付け用の絵付シート | |
JP3162430B2 (ja) | 加飾成形品の製造法 | |
JPH10278069A (ja) | 射出成形同時絵付け成形品の製造方法 | |
JP2001009980A (ja) | 成形用加飾シート及び加飾成形品 | |
JP6907980B2 (ja) | 車両用内装部品の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051006 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070518 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070523 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070723 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071009 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071207 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080603 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080609 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140613 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |