JP2002236194A - 燃焼度評価方法および装置 - Google Patents
燃焼度評価方法および装置Info
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Abstract
ータを得ることができる使用済み燃料集合体の燃焼度を
評価する。 【解決手段】相互に固定された第1と第2の中性子検出
器3、4を有する中性子検出器群5を燃料集合体2近傍
に配置して中性子計数率を測定する中性子測定ステップ
と、得られた中性子計数率の比を求める比計算ステップ
と、模擬実験やモンテカルロ計算によって中性子計数率
比と第1の中性子検出器の検出効率との関係を表す関数
を設定する関数設定ステップと、関数に基づいて中性子
計数率の比を第1の中性子検出器の検出効率に換算する
換算ステップと、中性子測定ステップで得られた中性子
検出器の計数率と換算ステップで得られた中性子検出器
の検出効率とに基づいて中性子検出器の計数率の位置ず
れ補正をする中性子計数率補正ステップと、を有する燃
焼度評価方法である。
Description
原子炉から発生する使用済み燃料の燃焼度測定方法およ
び装置に関し、特に、大型の装置を設置することが困難
な、発電所等の燃料プール内において、簡易かつ非破壊
的に燃焼度を測定する方法および装置に関する。
体は、燃料プール水中で一定の期間保管し、半減期の比
較的短い放射能を減衰させた後に、再処理施設や長期貯
蔵施設へ輸送される。
体の臨界安全性を確保するために、燃焼度や蓄積してい
る核分裂性物質濃度などのいわゆる燃焼パラメータを評
価する必要がある。そのために、燃料再処理施設には燃
焼度測定装置が設置されている。この燃焼度測定装置は
施設の設計段階から取り入れているため、大がかりなも
のとなっている。
は、使用済み燃料の中に蓄積している核分裂生成物、特
にセシウム(Cs137やCs134)から放出されるガンマ
線を選択的に測定するガンマ線スペクトル測定法と、使
用済み燃料の中に蓄積している超ウラン元素のキュリウ
ム等から放出されている中性子を測定する中性子測定法
が測定原理の大きな柱となっている。
済み燃料を送り出す際に、測定精度は多少劣ってもよい
から、既存発電所のプールに簡単に設置して使用できる
小型の燃焼度計測装置の開発が期待されている。小型の
燃焼度計測装置としては、中性子検出器としては原子
炉、再処理施設等の強ガンマ線場での使用実績の高い、
小型の核分裂計数管またはB(ボロン)10検出器が挙げ
られ、またガンマ線検出器としてカドミテルル(CdT
e)半導体検出器、冷却装置分離型高純度ゲルマニウム
(Hp-Ge)検出器、シンチレータ検出器等を採用す
ることが提案されている(たとえば特開平10−332873号
公報参照)。
であるが、装置自体が発電所プール中という位置決め的
に不安定な場所に設置されることもあり、検出器と燃料
集合体間の位置を精度良く決めることは困難である。従
来、再処理施設に設置されている燃焼度測定装置では燃
料集合体の両側から測定を行うことにより、測定体系の
位置ずれによる計数率の誤差がキャンセルされるように
なっている。発電所プール用の燃焼度測定装置では、両
側からの測定は装置の大型化に繋がるため好ましくな
い。このため、燃料集合体の片側からのみの測定を行う
場合、何らかの方法で、測定体系の位置ずれを補正する
必要がある。
合、セシウム137から発生するガンマ線とセシウム134か
ら発生するガンマ線は、燃焼度の良い指標となる。それ
ぞれのガンマ線は1cm程度の位置ずれで10%程度の計数率
変化が生じるが、セシウム137とセシウム134のガンマ線
計数率比は1cm程度の位置ずれで約2%程度しか変化しな
いため、ガンマ線計数率比による燃焼度算出は測定体系
の位置ずれの影響を低減するのに有効である。
使用すれば、Cs134とCs137を分離することができる
が、Hp-Ge検出器は装置が大型であり、小型化を図
るために提案されているCd-Te検出器を用いた場
合、バックグラウンドガンマ線の状況によりCs134と
Cs137が十分分離できない可能性がある。また、計数
率比をとる場合、燃焼度算出の誤差の中に、Cs137と
Cs134の両方の誤差を含むことになるためどちらか一
方の誤差が大きい場合、燃焼度の誤差が大きくなる。
なり、中性子束の変化が緩やかな、燃料集合体から2〜3
cm程度の場所に中性子検出器を配置することにより、位
置決め誤差を低減することができるが、1cm程度のずれ
で3〜5%程度の計数率変化が生じ、燃焼度算出の際の誤
差になる可能性がある。燃料集合体−検出器間の距離の
測定を機械的に行う方法が考えられるが、作業の煩雑さ
から、実際的ではない。
たもので、その目的は、測定時の位置ずれを補正し、燃
料集合体の片側からのみの測定でも、精度よく燃焼度デ
ータを得ることができる使用済み燃料集合体の燃焼度評
価方法および評価装置を提供することにある。
するものであるが、まずその原理を説明する。燃料集合
体から発生する中性子のエネルギーは燃焼度によらず一
定である。また、水中の中性子の減速曲線も水密度が変
化しなければ、一定である。したがって、二つの検出器
の計数率比は燃料集合体−検出器間の距離のみに依存す
る。熱中性子の減速曲線は、通常、燃料集合体から2〜3
cmの位置でピークとなり、以降は指数関数的に減少す
る。
置にそれぞれ中性子検出器を配置すると、ピーク位置の
計数率は距離による変化が小さく、指数関数的に減少し
ている位置の計数率は距離による変化が大きい。したが
って各中性子検出器の計数率比は距離により大きく変化
し、この計数率比と距離の関係を予め求めておくことに
より、上記計数率比から距離を算出することが可能であ
る。燃料集合体−中性子検出器間の距離から検出効率を
算出すれば、検出器位置ずれによる中性子計数率の変化
を補正できる。
距離に配置し、それぞれの計数率の比から、距離を算出
することが可能である。前述のように、たとえば燃料集
合体から2〜3cmの位置では熱中性子束の変化は緩やか
で、1cmで3〜5%程度の変化である。これに対し、燃料集
合体からたとえば10cm程度の位置では、熱中性子束の変
化は著しく1cmで15%程度変化する。
されて一つの検出器群をなしている場合、二つの検出器
の相互距離は変化せず、燃料集合体と中性子検出器群の
位置ずれのみが誤差の原因となる。上記のように燃料集
合体と中性子検出器の距離がたとえば2〜3cm程度の位置
と、10cm程度の位置に置いた二つの検出器の計数率比は
位置に敏感で、1cm程度のずれで、10%以上の変化をす
る。通常、中性子検出時の測定精度は3%以下と考えられ
るので、3mm以内の精度で位置ずれを補正できることに
なる。
依存せず、燃料集合体と検出器間の水の密度のみに依存
する。燃料プールの水温はほぼ一定に保たれているた
め、燃料集合体−検出器群間距離と計数率比の関係を予
め計算または実験により求めておけば、上記中性子計数
率比より中性子検出器群と燃料集合体間の距離を算出す
ることができ、算出された距離を基に位置ずれを補正す
ることができる。
燃焼度既知の校正用使用済み燃料を用いて、検出器の校
正を行っているが、発電所プールで燃焼度測定装置を使
用する場合、常に校正用使用済み燃料を燃料プール中に
置いておくのは困難である。中性子検出器と燃料集合体
間の距離と中性子検出効率の関係を予め求めておけば、
校正用使用済み燃料なしでも使用済み燃料の中性子放出
率の絶対値を得ることができる。
発明の目的を達成するものであって、原子炉で照射され
た後に水中に置かれた燃料集合体から放射される中性子
を検出して、その中性子計数率に基づいて、前記燃料集
合体の燃焼度を評価する方法において、前記燃料集合体
からの距離の差が一定になるように相互に固定された第
1および第2の中性子検出器を有する中性子検出器群を
前記燃料集合体近傍の水中に配置して、前記第1と第2
の中性子検出器から得られるそれぞれの中性子計数率を
測定する中性子測定ステップと、前記中性子測定ステッ
プで得られた中性子計数率の比を求める比計算ステップ
と、前記燃料集合体と同等の放射能物体について前記第
1および第2の中性子検出器の計数率比と前記第1の中
性子検出器の検出効率との関係を表す第1の関数を設定
する第1の関数設定ステップと、前記第1の関数に基づ
いて、前記比計算ステップで求めた中性子計数率の比を
前記第1の中性子検出器の検出効率に換算する第1の換
算ステップと、前記中性子測定ステップで得られた前記
第1の中性子検出器の計数率と前記第1の換算ステップ
で得られた前記第1の中性子検出器の検出効率とに基づ
いて、前記第1の中性子検出器の計数率の位置ずれ補正
を行う中性子計数率補正ステップと、前記中性子計数率
補正ステップで補正された前記第1の中性子検出器の計
数率に基づいて、前記燃料集合体の燃焼度を評価するス
テップと、を有すること、を特徴とする燃焼度評価方法
である。
料集合体と中性子検出器の位置ずれを補正することがで
き、中性子検出器より得られる計数率から算出される推
定燃焼度の精度を向上させることができる。
群との相対位置関係が固定されたガンマ線検出器を前記
燃料集合体近傍の水中に配置してガンマ線計数率を測定
するガンマ線測定ステップと、前記燃料集合体と同等の
放射能物体について前記第1および第2の中性子検出器
の計数率比と前記ガンマ線検出器の検出効率との関係を
表す第2の関数を設定する第2の関数設定ステップと、
前記第2の関数に基づいて、前記比計算ステップで求め
た中性子計数率の比を前記ガンマ線検出器の検出効率に
換算する第2の換算ステップと、前記ガンマ線測定ステ
ップで得られたガンマ線検出器の計数率と前記第2の換
算ステップで得られた前記ガンマ線検出器の検出効率と
に基づいて、前記ガンマ線検出器の計数率の位置ずれ補
正を行うガンマ線計数率補正ステップと、をさらに有す
ること、を特徴とする請求項1の燃焼度評価方法であ
る。
と同時にガンマ線測定を行うことにより、より信頼性の
高い燃焼度データを得ることができ、ガンマ線計数率に
対しても中性子検出器の計数率比より得られる位置ずれ
補正を行うことにより、燃焼度の精度向上を図ることが
できる。
同等の放射能物体は計算上のものであって、前記関数を
モンテカルロ計算により求めること、を特徴とする請求
項1または2の燃焼度評価方法である。
料集合体間の距離と計数率比の関係を、モンテカルロ計
算によって予め計算することができる。モンテカルロ計
算は、複雑な体系の中性子ガンマ線輸送計算を精度良く
計算することができる。たとえば、距離をパラメータに
して数ケースのガンマ線輸送計算を行い、各ケースの検
出効率を内挿することにより、距離−検出効率曲線を得
ることが可能である。
同等の放射能物体は模擬燃料集合体であって、前記関数
を実験により求めることを特徴とする請求項1または2
の燃焼度評価方法である。
実験的に求めることができる。たとえば、水中に標準線
源を使った模擬燃料を配置し、線源−検出器間の距離を
変えながら、計数率の変化を測定する。たとえば、各測
定点で得られた検出効率を内挿することにより、距離−
検出効率曲線を得ることが可能である。
テップならびに前記関数設定ステップは、前記第1およ
び第2の中性子検出器の内の一方の中性子検出器を、前
記比計算ステップで得た中性子計数率の比に基づいて決
定される熱中性子束極大位置の付近に置き、もう一方の
中性子検出器を前記一方の中性子検出器よりも前記燃料
集合体から遠い位置に置いた状態で行うこと、を特徴と
する請求項1ないし4のいずれかの燃焼度評価方法であ
る。
器−燃料集合体間の距離と計数率比の関係から、予め模
擬集合体を用いた実験あるいはモンテカルロ計算等によ
り、熱中性子束がピークとなるときの計数率比を求めて
おけば、計数率比より熱中性子束ピーク位置を決定でき
る。
た後に水中に置かれた燃料集合体から放射される中性子
を検出して、その中性子計数率に基づいて、前記燃料集
合体の燃焼度を評価する装置において、前記燃料集合体
からの距離の差が一定になるように相互に固定された第
1および第2の中性子検出器を有する中性子検出器群
と、その中性子検出器群を前記燃料集合体近傍の水中に
配置する手段と、前記第1と第2の中性子検出器から得
られる中性子計数率の比を求める手段と、前記燃料集合
体と同等の放射能物体について前記第1と第2の中性子
検出器の計数率比と前記第1の中性子検出器の検出効率
の関係を表す関数を記憶する手段と、前記記憶された関
数に基づいて、前記求めた中性子計数率の比を前記第1
の中性子検出器の検出効率に換算する手段と、前記第1
の中性子検出器の計数率と前記第1の中性子検出器の検
出効率とに基づいて、前記第1の中性子検出器の計数率
の位置ずれ補正を行う手段と、前記位置ずれ補正後の前
記第1の中性子検出器の計数率に基づいて、前記燃料集
合体の燃焼度を評価する手段と、を有することを特徴と
する燃焼度評価装置である。
と中性子検出器の位置ずれを補正することができ、中性
子検出器より得られる計数率から算出される推定燃焼度
の精度を向上させることができる。
群にはガンマ線検出器が固定され、このガンマ線検出器
から得られる計数率と前記中性子計数率の比とに基づい
て前記ガンマ線検出器の計数率の位置ずれ補正を行う手
段をさらに有すること、を特徴とする請求項6の燃焼度
評価装置である。
と同時にガンマ線測定を行うことにより、より信頼性の
高い燃焼度データを得ることができる。ガンマ線計数率
に対しても、中性子検出器の計数率比より得られる位置
ずれ補正を行うことにより、燃焼度の精度向上を図るこ
とができる。
器はCdTe半導体検出器であって、このCdTe半導
体検出器の周囲にはシンチレータ検出器が配置され、こ
れらのCdTe半導体検出器とシンチレータ検出器の信
号を非同時計数することによりコンプトン散乱によるバ
ックグラウンドガンマ線を低減する手段を有すること、
を特徴とする請求項7の燃焼度評価装置である。
出器は素子を小さくできるため、たとえば600〜800keV
程度の高エネルギーのガンマ線においてはコンプトン散
乱を起こしたガンマ線が素子から抜け出る確率が高くな
り、バックグラウンドガンマ線が増加する。たとえば、
CdTe検出器にのみガンマ線が入射するようにコリメ
ートし、コンプトン散乱を起こして検出器外に抜け出た
ガンマ線のみをシンチレータ検出器で検出する。シンチ
レータ検出器の信号とCdTe検出器の信号をアンチコ
インシデンス(非同時測定)することにより、コンプト
ン散乱によるバックグラウンドガンマ線を抑制できる。
群を前記燃料集合体近傍の水中に配置する手段は、前記
第1および第2の内の一方の中性子検出器を、熱中性子
束が極大となる位置の付近に置き、もう一方の中性子検
出器を前記一方の中性子検出器よりも前記燃料集合体か
ら遠い位置に置く手段を含むこと、を特徴とする請求項
6ないし8のいずれかの燃焼度評価装置である。
器−燃料集合体間の距離と計数率比の関係から、予め模
擬集合体を用いた実験あるいはモンテカルロ計算等によ
り、熱中性子束がピークとなるときの計数率比を求めて
おけば、計数率比より熱中性子束ピーク位置を決定でき
る。
よび装置の一実施の形態について、添付図面を参照して
説明する。図1は本発明の一実施形態としての基本的構
成例を示した図である。図1に示すように、燃料プール
壁1に仮置された燃料集合体2に対し、簡易燃焼度測定
装置(中性子検出器群)5を配置する。簡易燃焼度測定
装置5は第1の中性子検出器3と第2の中性子検出器4
を内蔵しており、支持具7で燃料プール上から吊り下げ
られている。第1の中性子検出器3は燃料集合体2から
の熱中性子束が最も高くなる位置、すなわち燃料集合体
から約2〜3cmの位置に設定され、第2の中性子検出器4
は第1の中性子検出器3よりさらに数cm〜十数cmの距離
をとって設置される。
器4は、燃料集合体2の側面に対して垂直に並ぶように
配置されており、また、燃料集合体2および簡易燃焼度
測定装置5は燃料プールの水中に配置されている。
ブル6を通して、地上の測定回路8へ伝送される。中性
子検出器3、4としてはバックグラウンドガンマ線に対
する感度が小さい、核分裂計数管またはボロン‐10検出
器が適している。
ラウンド場であり、He-3中性子検出器、BF3中性子
検出器ではガンマ線によるノイズが大きく、また、検出
器中のガスが放射線分解を起こし感度が劣化する。核分
裂計数管またはボロン‐10検出器はガンマ線に対する感
度が低く、バックグラウンドガンマ線の影響を低減させ
た燃料集合体2からの中性子検出に適している。特にガ
ンマ線の影響を強く受ける燃料集合体2に近い検出器に
は、よりガンマ線に対する感度の低い核分裂計数管が適
している。
中性子計数率の一般的関係を示したものである。中性子
計数率は、表面からの距離の増大に伴い、最初増加傾向
を示し、最大値に達した後に、減少する。最大値付近は
比較的平坦であって、表面からの距離による中性子計数
率の変化が小さい。この付近に第1の中性子検出器3を
配置する。これに対し、平坦部を過ぎた減少部分はほぼ
指数関数的に中性子計数率が減少する。この位置に第2
の中性子検出器4を配置する。
る中性子計数率bと、第1の中性子検出器3による中性
子計数率aとの比を、燃料集合体−簡易燃焼度測定装置
間の距離の関数として表したものである。ただし、図3
は、第1の中性子検出器3を上記平坦部に配置すること
を前提としており、図3の横軸は図2の横軸よりも引き
伸ばされている。図2で示したように、第1の中性子検
出器3による中性子計数率aは距離による中性子計数率
の変化が小さいのに対し、中性子計数率4による中性子
計数率bは距離による中性子計数率の変化が大きい。し
たがって、中性子計数率b/中性子計数率aの比は燃料
集合体−簡易燃焼度測定装置間の距離に大きく依存す
る。
易燃焼度測定装置間の距離が大きくなると中性子検出効
率は減少する。図3(a)の関係を利用し、二つの中性
子計数率の比から燃料集合体−簡易燃焼度測定装置間の
距離を算出し、次に、図3(b)の関係から中性子検出
効率を求めることにより、検出器設定時の位置ずれによ
る中性子検出効率の変化を補正することができ、燃焼度
を精度よく求めることができる。
合、図3(a)より距離Bが求められ、図3(b)より
距離Bから中性子検出効率Cが求められる。図3
(a)、(b)の曲線を求めるのは、たとえば模擬燃料
集合体を用いた実験やモンテカルロ中性子輸送計算等に
よる。
を配置したい場合、すなわち、熱中性子束ピーク位置に
第1の中性子検出器3を配置させるには、図3(a)の
関係から、熱中性子束ピーク位置に相当する計数率比に
なるように、中性子検出器群5を配置すれば良い。
(b)の2本の曲線(二つの関数)によって、計数率比
Aから燃料集合体−簡易燃焼度測定装置間の距離Bを求
めた上で中性子検出効率Cを求める方法を示した。しか
し、予め計数率比と中性子検出効率の関係を表す一つの
関数(曲線)を用意しておくことによって、計数率比A
から中性子検出効率Cを求めることも可能である(図示
せず)。
の比から位置ずれによる中性子検出効率の変化を補正す
るフローチャートを示している。これについて以下に説
明する。
子計数率aを得る(ステップS1)と同時に、第2の中
性子検出器4によって中性子計数率bを得る(ステップ
S2)。次に、計数率比=中性子計数率b/中性子計数
率aを求める(ステップS3)。
験を行って、計数率比と中性子検出効率との関係を表す
関数を求めておく(ステップS4)。次に、ステップS
4で得た関数に基づいて、ステップS3で求めた計数率
比を、第1の中性子検出器3の中性子検出効率に換算す
る(ステップS5)。
子検出器3の中性子計数率aとステップS5で得られた
第1の中性子検出器3の中性子検出効率とに基づいて、
第1の中性子検出器3の計数率の位置ずれ補正を行う
(ステップS6) 。
計数率比−中性子検出効率曲線は予め実施された模擬実
験により決定する(ステップS4)。
ぼ同様であるが、計数率比−中性子検出効率曲線を求め
るに当たり、模擬実験の代わりに、モンテカルロ法によ
る中性子輸送計算を行う(ステップS7)。モンテカル
ロ計算は3次元形状および中性子、ガンマ線の散乱を厳
密に取り扱うことができ、複雑な測定体系でも精度良い
計算結果を得ることができる。
器9を併用した簡易燃焼度測定装置を示している。測定
原理の異なる二つの方法で燃焼度測定を行うことによ
り、燃焼度推定値の信頼性を向上させることができる。
ガンマ線検出器9としては小型で燃焼度推定に十分なエ
ネルギー分解能を持つカドミウムテルライド(CdT
e)検出器が適している。ガンマ線検出器9により検出
された信号は前置増幅器10で増幅され、中性子検出器
と同様に信号ケーブル6を通して測定回路8へ伝送され
る。
ギー分解能は劣るが、冷却の必要がなく、装置の小型化
を図ることができる。測定精度は低下するが、Ge検出
器の設置の不可能な場所にも設置が可能である。
乱成分を低減する装置を示している。図7に示した検出
器容器11は容器の縦断面を示している。検出器容器1
1内の中央に配置されたCdTe検出器9の周囲に円筒
状のシンチレータ検出器14を配置し、シンチレータ検
出器14の周囲にはガンマ線遮蔽材15を配置してい
る。
keVのガンマ線強度を測定することが重要である。Cd
Te結晶の大きさは高々数cmであるので、入射したガ
ンマ線の内、光電吸収により結晶中に全エネルギーを付
与したものはガンマ線ピークとして検出することができ
るが、コンプトン散乱を起こしたものは、エネルギーの
一部を散乱ガンマ線に与え、結晶外へ逃げてしまい、ガ
ンマ線ピークとして検出することはできない。特に高エ
ネルギーのガンマ線はコンプトン散乱を起こす確率が高
く、662keVより高いガンマ線がコンプトン散乱を起こし
た場合、662keVガンマ線ピークに対して深刻なバックグ
ラウンド要因となり、Cs137ガンマ線強度の測定精度
を劣化させる。
がガンマ線検出器9でコンプトン散乱を起こした場合、
散乱線13は周囲に逃げる。この散乱線をシンチレータ
検出器14で検出する。シンチレータ検出器14はCd
Te検出器9に比べエネルギー分解能は劣るが、検出効
率は高い。シンチレータ検出器14の周囲には検出器容
器11の外側からのガンマ線を遮蔽するためにガンマ線
遮蔽材15を配置する。ガンマ線遮蔽材としては鉛、タ
ングステンが代表的である。
ーブル16により光電子増倍管17を通して信号ケーブ
ル20に伝送される。一方、CdTe検出器9による信
号は前置増幅器10、信号ケーブル8を通して伝送され
る。
出器14による信号は非同時計数回路18に入力する。
ここで、非同時計数回路18に入力される双方の信号が
ほぼ同時に起こったのであれば、コンプトン散乱である
ため、この信号は除外することができ、Cs137ガンマ
線ピークの測定精度を向上させることができる。非同時
計数回路18からの信号について、マルチチャンネルア
ナライザ19でガンマ線スペクトル解析をすることによ
り、Cs137ガンマ線計数率を決定する。
出器9を併用した場合のフローチャートを示す。図8
は、図4のフローチャートと比べて、中性子計数率aお
よびbに基づいて位置ずれ補正後の中性子計数率を求め
る部分(ステップS1〜S6)は同じである。ただし、
ここでは、図1に示す中性子検出器群5の代わりに、図
6に示す中性子検出器群5とガンマ線検出器9とを検出
器容器11に入れて一体に組み合わせた検出器を用い
る。
線計数率を測定する(ステップS20)。また、これと
は別に、ステップ4と同様に、模擬実験を行って、計数
率比とガンマ線検出効率との関係を表す関数を求めてお
く(ステップS21)。このステップS21で、計数率
比は、ステップ3の場合と同様にb/aで定義される。
次に、ステップS21で得た関数に基づいて、ステップ
S3で求めた計数率比をガンマ線検出効率に換算する
(ステップS22)。
計数率とステップS22で得られたガンマ線検出効率と
に基づいて、ガンマ線計数率の位置ずれ補正を行う(ス
テップS23)。
マ線検出器を併用した場合のフローチャートを示してい
るが、計数率比−ガンマ線検出効率曲線は、模擬実験に
よることなく、モンテカルロガンマ線輸送計算により求
める(ステップS26)。
異なるため、中性子輸送モンテカルロ計算とガンマ線輸
送モンテカルロ計算をそれぞれ行い、図3(b)に対応
する燃料集合体−簡易燃焼度測定装置間の距離とガンマ
線計数効率の関係を求める。
験を採用しており、図9の実施の形態では二つのモンテ
カルロ輸送計算を採用している。これらの折衷案、すな
わち、一方を模擬実験として他方をモンテカルロ輸送計
算とすることも可能である(図示せず)。
心を安定させる方法を示している。測定装置の前方にコ
リメータの設置やアブソーバの追加を行う場合、重心位
置がずれ、測定装置が前方に傾く、この重心位置のずれ
を補正するために、後部に重り21を設置する。この重
り21は支持具7からの距離を変化させる距離調整装置
22に接合されており、測定装置が前方に傾いた場合、
重り21を支持具7から遠ざけることにより、測定位置
を水平に保つことができる。
吊り下げる場合、遮蔽体や検出器を交換すると重心位置
がずれ、容器を水平に保てなくなり、測定対象位置のガ
ンマ線を測定することが困難となることが考えられる。
この実施の形態によれば、重心位置のずれを補正し、検
出器容器の水平を容易に保つことが可能となる。
燃料集合体に対し異なる距離に配置した、2個の中性子
検出器から得られる計数率比から燃料集合体と中性子検
出器の位置ずれを補正することができ、中性子検出器よ
り得られる計数率から算出される推定燃焼度の精度を向
上させることができる。
式的構成図。
中性子計数率の関係を模式的に示すグラフ。
aの比を燃料集合体−簡易燃焼度測定装置間の距離の関
数として表したグラフ。図3(b)は、中性子検出効率
を燃料集合体−簡易燃焼度測定装置間の距離の関数とし
て表したグラフ。
すフローチャート(模擬実験を用いる場合)。
すフローチャート(モンテカルロ計算を用いる場合)。
の本発明に係る燃焼度測定装置の一実施形態の模式的構
成図。
成分を低減する装置の一実施形態の概念的構成図。
の本発明に係る燃焼度測定方法の一実施形態を示すフロ
ーチャート(模擬実験を用いる場合)。
の本発明に係る燃焼度測定方法の一実施形態を示すフロ
ーチャート(モンテカルロ計算を用いる場合)。
実施形態において用いられる重心を安定させる装置を示
した概念的構成図。
検出器、4…第2の中性子検出器、5…簡易燃焼度測定
装置(中性子検出器群)、6…信号ケーブル、7…支持
具、8…測定回路、9…ガンマ線検出器(CdTe検出
器)、10…前置増幅器、11…検出器容器、12…入
射したガンマ線、13…散乱したガンマ線、14…シン
チレータ検出器、15…ガンマ線遮蔽材、16…光ケー
ブル、17…光電子増倍管、18…非同時計数回路、1
9…マルチチャンネルアナライザ、20…信号ケーブ
ル。
Claims (9)
- 【請求項1】 原子炉で照射された後に水中に置かれた
燃料集合体から放射される中性子を検出して、その中性
子計数率に基づいて、前記燃料集合体の燃焼度を評価す
る方法において、 前記燃料集合体からの距離の差が一定になるように相互
に固定された第1および第2の中性子検出器を有する中
性子検出器群を前記燃料集合体近傍の水中に配置して、
前記第1と第2の中性子検出器から得られるそれぞれの
中性子計数率を測定する中性子測定ステップと、 前記中性子測定ステップで得られた中性子計数率の比を
求める比計算ステップと、 前記燃料集合体と同等の放射能物体について前記第1お
よび第2の中性子検出器の計数率比と前記第1の中性子
検出器の検出効率との関係を表す第1の関数を設定する
第1の関数設定ステップと、 前記第1の関数に基づいて、前記比計算ステップで求め
た中性子計数率の比を前記第1の中性子検出器の検出効
率に換算する第1の換算ステップと、 前記中性子測定ステップで得られた前記第1の中性子検
出器の計数率と前記第1の換算ステップで得られた前記
第1の中性子検出器の検出効率とに基づいて、前記第1
の中性子検出器の計数率の位置ずれ補正を行う中性子計
数率補正ステップと、 前記中性子計数率補正ステップで補正された前記第1の
中性子検出器の計数率に基づいて、前記燃料集合体の燃
焼度を評価するステップと、 を有すること、を特徴とする燃焼度評価方法。 - 【請求項2】 前記中性子検出器群との相対位置関係が
固定されたガンマ線検出器を前記燃料集合体近傍の水中
に配置してガンマ線計数率を測定するガンマ線測定ステ
ップと、 前記燃料集合体と同等の放射能物体について前記第1お
よび第2の中性子検出器の計数率比と前記ガンマ線検出
器の検出効率との関係を表す第2の関数を設定する第2
の関数設定ステップと、 前記第2の関数に基づいて、前記比計算ステップで求め
た中性子計数率の比を前記ガンマ線検出器の検出効率に
換算する第2の換算ステップと、 前記ガンマ線測定ステップで得られたガンマ線検出器の
計数率と前記第2の換算ステップで得られた前記ガンマ
線検出器の検出効率とに基づいて、前記ガンマ線検出器
の計数率の位置ずれ補正を行うガンマ線計数率補正ステ
ップと、 をさらに有すること、を特徴とする請求項1の燃焼度評
価方法。 - 【請求項3】 前記燃料集合体と同等の放射能物体は計
算上のものであって、前記関数をモンテカルロ計算によ
り求めること、を特徴とする請求項1または2の燃焼度
評価方法。 - 【請求項4】 前記燃料集合体と同等の放射能物体は模
擬燃料集合体であって、前記関数を実験により求めるこ
とを特徴とする請求項1または2の燃焼度評価方法。 - 【請求項5】 前記中性子測定ステップならびに前記関
数設定ステップは、前記第1および第2の中性子検出器
の内の一方の中性子検出器を、前記比計算ステップで得
た中性子計数率の比に基づいて決定される熱中性子束極
大位置の付近に置き、もう一方の中性子検出器を前記一
方の中性子検出器よりも前記燃料集合体から遠い位置に
置いた状態で行うこと、を特徴とする請求項1ないし4
のいずれかの燃焼度評価方法。 - 【請求項6】 原子炉で照射された後に水中に置かれた
燃料集合体から放射される中性子を検出して、その中性
子計数率に基づいて、前記燃料集合体の燃焼度を評価す
る装置において、 前記燃料集合体からの距離の差が一定になるように相互
に固定された第1および第2の中性子検出器を有する中
性子検出器群と、 その中性子検出器群を前記燃料集合体近傍の水中に配置
する手段と、 前記第1と第2の中性子検出器から得られる中性子計数
率の比を求める手段と、 前記燃料集合体と同等の放射能物体について前記第1と
第2の中性子検出器の計数率比と前記第1の中性子検出
器の検出効率の関係を表す関数を記憶する手段と、 前記記憶された関数に基づいて、前記求めた中性子計数
率の比を前記第1の中性子検出器の検出効率に換算する
手段と、 前記第1の中性子検出器の計数率と前記第1の中性子検
出器の検出効率とに基づいて、前記第1の中性子検出器
の計数率の位置ずれ補正を行う手段と、 前記位置ずれ補正後の前記第1の中性子検出器の計数率
に基づいて、前記燃料集合体の燃焼度を評価する手段
と、 を有することを特徴とする燃焼度評価装置。 - 【請求項7】 前記中性子検出器群にはガンマ線検出器
が固定され、このガンマ線検出器から得られる計数率と
前記中性子計数率の比とに基づいて前記ガンマ線検出器
の計数率の位置ずれ補正を行う手段をさらに有するこ
と、を特徴とする請求項6の燃焼度評価装置。 - 【請求項8】 前記ガンマ線検出器はCdTe半導体検
出器であって、このCdTe半導体検出器の周囲にはシ
ンチレータ検出器が配置され、これらのCdTe半導体
検出器とシンチレータ検出器の信号を非同時計数するこ
とによりコンプトン散乱によるバックグラウンドガンマ
線を低減する手段を有すること、を特徴とする請求項7
の燃焼度評価装置。 - 【請求項9】 前記中性子検出器群を前記燃料集合体近
傍の水中に配置する手段は、前記第1および第2の内の
一方の中性子検出器を、熱中性子束が極大となる位置の
付近に置き、もう一方の中性子検出器を前記一方の中性
子検出器よりも前記燃料集合体から遠い位置に置く手段
を含むこと、を特徴とする請求項6ないし8のいずれか
の燃焼度評価装置。
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