JP3349180B2 - 使用済燃料の測定方法 - Google Patents

使用済燃料の測定方法

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JP3349180B2 JP33118992A JP33118992A JP3349180B2 JP 3349180 B2 JP3349180 B2 JP 3349180B2 JP 33118992 A JP33118992 A JP 33118992A JP 33118992 A JP33118992 A JP 33118992A JP 3349180 B2 JP3349180 B2 JP 3349180B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉発電プラント
(軽水炉)から取り出された使用済燃料を燃料貯蔵プー
ル等において集合体のまま測定するための測定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】原子炉から取り出された使用済燃料集合
体は、一定期間使用済燃料貯蔵プールで冷却保管された
後、輸送容器に収納され再処理工場や長期貯蔵施設に運
ばれ処理若しくは貯蔵するようにしている。この使用済
燃料を貯蔵プールで保管する場合や輸送容器に収納する
場合には、臨界安全設計を施した貯蔵プールや輸送容器
が必要になり貯蔵密度や収納密度が制限されることにな
る。従って、使用済燃料の燃焼度を集合体形状のままで
非破壊測定することが出来れば、臨界安全設計において
使用済燃料の燃焼による反応度の低下を反映させる事が
でき、使用済燃料の貯蔵プールでの貯蔵密度や輸送容器
での収納密度を向上させ、貯蔵量や収納量を増加させる
事ができる。
【0003】この使用済燃料の燃焼度を非破壊測定する
従来の方法としては、使用済燃料から放出されるガンマ
線のスペクトルを測定して行うガンマ線スペクトル分析
法、使用済燃料から放出される中性子を測定して行うパ
ッシブ中性子法、使用済燃料の近くに中性子源を置く
と、中性子源から放出された中性子の一部が使用済燃料
中で核分裂を誘発し中性子の増倍を起こすので、この増
倍中性子を測定して行うアクティブ中性子法がある。
【0004】このうち、ガンマ線スペクトル分析法は、
例えば、使用済燃料中のCs−137から放出されるガ
ンマ線強度を測定して行う方法や、Cs−134とCs
−137のガンマ線の強度比やEu−154とCs−1
37のガンマ線の強度比等異なる核種から放出されるガ
ンマ線の強度比を測定して行う方法がある。このガンマ
線スペクトル分析の実施には、NaI検出器を利用する
ようにしたものもあるが、この検出器は分解能が悪いの
で、通常分解能の良いゲルマニウム検出器が利用されて
いる。しかし、ゲルマニウム検出器は、ノイズに非常に
敏感で、性能維持のためには液体窒素による冷却が必要
であり、さらに、ゲルマニウム検出器は、強い放射線場
では使用できず、設置場所のバックグランドとなる放射
線を低下させる必要があり、また、使用済燃料から放出
されるガンマ線を測定するためには、ガンマ線を入射さ
せるためのコリメータを設けた厚い遮蔽体が必要とな
る。従って、使用済燃料のガンマ線スペクトル分析をゲ
ルマニウム検出器で実施する場合、遮蔽と冷却のために
大型の装置となり、その設置に必要なスペースも大きく
なる不具合がある。
【0005】また、パッシブ中性子法は、使用済燃料か
ら放出される中性子強度を測定して行う方法である。使
用済燃料から放出される中性子は、主に使用済燃料中に
含まれるCm−242やCm−244の自発核分裂やα
崩壊で発生するα線と燃料中の酸素との反応で発生する
ものがある。自発核分裂を起すCm−242の半減期は
163日であり、また、Cm−244の半減期は18年
であるため、使用済燃料から放出される中性子線強度は
燃焼度のみならず、炉内での燃焼が終わってからの冷
却、保管される日数(以下冷却日数という)にも影響さ
れる。さらに、放出される中性子線強度は初期濃縮度や
燃焼方法の影響を受けるが、PWRの使用済燃料の場
合、燃料の初期濃縮度や燃焼方法に違いが少ないので、
使用済燃料から放出される中性子を測定して精度良く燃
焼度を求めるためには、冷却日数の補正をすれば良い。
しかしながら、このためには別途、冷却日数の補正に必
要なデータを取得する必要が生じるという不具合はあ
る。
【0006】さらに、アクティブ中性子法は、中性子源
から放出される中性子が使用済燃料中で核分裂を誘発し
増倍を起こした中性子を測定することになるので、中性
子源から放出される中性子には、使用済燃料から増倍し
て放出される中性子と識別できる強い中性子源を必要と
する。このため、アクティブ中性子法では、強い中性子
源を取り扱う事に対する放射線防護対策が必要となる不
具合がある。
【0007】また、使用済燃料の燃焼度の非破壊測定方
法には、前述したガンマ線スペクトル分析法とパッシブ
中性子法、又はアクティブ中性子法とを組み合わせ燃焼
度を精度良く測定する方法もあるが、ガンマ線スペクト
ル分析にゲルマニウム検出器を使用する限り、装置が大
型になり簡便には測定できないという不具合を解消する
ことはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
使用済燃料の測定方法は、例えば、ゲルマニウム検出器
を使用して測定するものにおいては、遮蔽と冷却のため
に装置が大型となると共に、大きなスペースを必要とし
たり、また、パッシブ中性子法により精度よく燃焼度を
測定するには、使用済燃料の冷却日数の補正を必要と
し、冷却日数の補正に必要なデータを取得しなければな
らなかったり、さらに、アクティブ中性子法により測定
するには、強い中性子源を取り扱うことに対する放射線
防護対策が必要となったりする不具合がそれぞれあっ
た。
【0009】また、上記各測定法を組み合わせて測定す
ることもできるが、従来の測定法に使用する測定装置で
は、装置自体が大型となり、冷却日数の補正に必要なデ
ータ取得が必要で、更には強い中性子源取扱いに伴う放
射線防護対策が必要となり、簡単には測定できないとい
う問題があった。
【0010】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたもので、小型で簡便な装置を用い、既存の燃料貯
蔵プール等を改造することなく測定することができ、ま
た、冷却日数の補正に必要なデータ取得が不要で、強い
中性子源の取扱いに伴う放射線防護対策等も不要で、集
合体のままで燃焼度の測定が簡単にでき、臨界安全設計
に使用済燃料の反応度の低下を反映させ、貯蔵密度や収
納密度を向上させることのできる使用済燃料の測定方法
を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このために、本発明は、
原子炉から取り出された使用済燃料を非破壊測定するた
めの使用済燃料の測定において、次の手段とした。燃焼
度を測定する使用済燃料集合体を設置する検出器架台
、前記検出器架台上に配置され、前記使用済燃料集合
体から放出される中性子線の入射で発生するパルス
するガンマ線との弁別性い中性子検出部と、前記
検出器架台上に配置され、ガンマ線スペクトルを検出す
るCd−Te検出器を内蔵したガンマ線検出部とを使用
し、前記中性子検出部で検出されたパルス計数率より求
めた前記使用済燃料集合体の中性子強度と、前記ガンマ
線検出部で測定されたガンマ線強度に基づくCs−13
4/Cs−137強度比とより燃焼度と冷却日数を算出
し、算出された燃焼度と冷却日数より求めたRh−10
6/Cs−137強度比及びCs−137強度の算出値
と、前記ガンマ線検出部で測定されたガンマ線強度に基
づくRh−106/Cs−137強度比及びCs−13
7強度の測定値とを比較し、その算出値と測定値が、設
定した誤差の範囲で合致しない場合に、計測時間を長く
して計測精度を上げ、上記の手順を繰り返して燃焼度と
冷却日数を求めるようにした。
【0012】
【作用】本発明の使用済燃料の測定方法によれば、ガン
マ線検出部に内蔵されガンマ線強度を検出し、ガンマ線
スペクトル分析に用いるCd−Te検出器は、常温で使
用でき、比較的強い放射線場でも測定可能であり、分解
能も入射するガンマ線から発生するパルスに対し、パル
ス選別を用いれば10KeV以下となり、図5に示すよ
うに使用済燃料中のCs−137やCs−134から放
出されるガンマ線強度を精度良く測定できる。
【0013】また、冷却日数が1年以下の場合、Rh−
106(Ru−106の崩壊で生成)やNb−95から
のガンマ線強度も測定できる。また、中性子検出部はガ
ンマ線との弁別性が良い核分裂計数管、ボロン被覆検出
器等を内蔵して、使用済燃料集合体から放出される中性
子線の入射で発生するパルスを検出するようにしている
ので、ガンマ線強度に殆ど影響されることなく、比較的
強い放射線場でも中性子強度を測定できる。従って、C
d−Te検出器を設けたガンマ線検出部と核分裂計数管
等を設けた中性子検出部とからなる計測装置は小型化す
ることができる。また、中性子検出部で検出した中性子
強度をガンマ線検出部で測定したガンマ線強度から求め
た冷却日数で補正して、補正された中性子強度で燃焼度
を測定するようにしているので、冷却日数が反映された
精度の良い燃焼度が測定できる。特に、PWRの使用済
燃料に対し、Cd−Te検出器により測定したCs−1
34とCs−137のガンマ線強度比と核分裂計数管等
で測定した中性子強度により使用済燃料の燃焼度と冷却
日数を求めることができ、さらにはCs−134とCs
−137のガンマ線強度比と中性子強度が燃焼度と冷却
日数の関数として取り扱えるので、求められる燃焼度の
精度は向上する。また、燃料の初期濃縮度を燃料の管理
データから利用する場合には、燃焼度の測定精度は更に
向上するとともに、BWR燃料についてもPWR燃料と
同様に適用が可能である。
【0014】
【実施例】使用済燃料の燃焼度を測定する燃焼度計が独
立な測定装置であるためには、燃焼履歴や冷却日数等の
燃料の管理データにできるだけ依存せず、精度良く測定
できる事が必要である。使用済燃料から放出される放射
線(ガンマ線や中性子線)を利用して燃焼度を測定する
場合、放出される放射線強度は燃焼度のみならず、冷却
日数、燃料のタイプ(測定時に目視で確認できる)、燃
焼履歴、初期濃縮度等の影響を受けるので、測定で求め
られる燃焼度の精度は燃焼度以外の効果をどのように取
り扱うかに依存する。以下に述べる本発明の使用済燃料
測定方法は、放射線強度に影響の大きい冷却日数を、
測定した放射線強度データから求め、冷却日数による強
度の減衰を補正した放射線強度から燃焼度を算出するよ
うにしたものである。特に、PWR燃料の場合、燃料の
初期濃縮度や燃焼方法に違いが少ないので、使用済燃料
の放射線強度に影響が大きいのは燃焼度と冷却日数であ
り、本発明の使用済燃料の測定方法による測定は精度の
良いものとなる。
【0015】本発明の使用済燃料の測定方法の一実施例
を説明する前に、測定したガンマ線強度データ及び中性
子線強度データから使用済燃料の燃焼度、冷却日数が求
められることを説明することにする。
【0016】使用済燃料集合体の近くに設置したガンマ
線検出部に設けられたCd−Te検出器で測定された使
用済燃料からのガンマ線強度を基にスペクトル分析を行
い、使用済燃料中のCs−134,Cs−137,Rh
−106のガンマ線強度からCs−134とCs−13
7のガンマ線強度比、Rh−106とCs−137のガ
ンマ線強度比、およびCs−137のガンマ線強度を求
める。これらのうち、Cs−134とCs−137のガ
ンマ線強度比Rcは次の式で表すことができる。
【0017】 Rc=f(x)×e-0.313t ・・・・・(1) ここで、f(x)は燃焼度x(MWD/t)の関数であ
り、PWRの場合f(x)=a×xb と近似でき(a,
bは定数)、例えば、PWRの17×17型燃料での代
表的な燃焼パターンの場合、燃料の燃焼計算よりb=
0.84と求めることができ、定数aは検出器のガンマ
線のエネルギ応答性等の検出器性能に依存するため、対
象燃料の測定前に燃焼度及び燃焼履歴の明確な使用済燃
料を測定して決定できる。また、tは冷却日数(年)で
ある。
【0018】また、ガンマ線検出器と同様に使用済燃料
集合体の近くに設置した中性子検出部に設けられた核分
裂計数管にて中性子強度を測定する。この核分裂計数管
で測定される中性子強度Nは、次の式で表すことができ
る。
【0019】 N=F(x)×e-1.55t+G(x)×e-0.0383t+H(x) ・・(2) ここで、F(x)は燃料中でのCm−242の蓄積に依
存した項であり、燃焼度xの関数である。また、G
(x)は燃料中でのCm−244の蓄積に依存した項で
あり、燃焼度xの関数である。H(x)はCm−242
やCm−244以外の核種に依存する項であり、Cm−
242やCm−244に比べて寄与が小さい。
【0020】PWRの場合、燃焼計算結果によると使用
済燃料から放出される中性子のうち、炉での燃焼が終わ
った時点(冷却日数t=0の場合)で考えると、燃焼度
x=2.6×104 MWD/tの場合、Cm−242と
Cm−244からの寄与が約98%、燃焼度xが3.9
×104 MWD/tの場合、Cm−242とCm−24
4からの寄与が約99%となる。中性子強度(中性子計
数率)は燃焼度の増加と共に、図6に示すように急激な
上昇をする。また、上記(2)式の各項は、
【数1】 と近似でき、各項のα1 ,α2 ,α3 ,β1 ,β2 ,β
3 は定数である。これらの定数のうち、α2 /α1 ,α
3 /α1 ,β1 ,β2 ,β3 は燃料の燃焼計算より求め
ることができるが、α1 は測定効率に関係するので燃焼
度及び燃焼履歴の明確な使用済燃料の測定により設定す
る。
【0021】使用済燃料から放出される中性子強度Nと
Cs−134とCs−137のガンマ線の強度比Rcの
測定値より、上記(1)式と(2)式から燃焼度と冷却
日数を求めることができる。例えば、(1)式と(2)
式より冷却日数tを消去した次の(3)式で、先ず燃焼
度xを求め、次に(1)式より冷却日数を算出する。
【0022】 N=F(x)×{Rc/f(x)}4.95+G(x)×{Rc/f(x)}0.12 2 +H(x) ・・・・・(3) ここで、f(x),F(x),G(x),H(x)に上
述した近似形を用いると、次のxの代数式を解けばよい
ことになる。
【0023】
【数2】 PWRでは、燃料の燃焼にアキシャル・オフセット方式
を採用しているので、使用済燃料の集合体での燃焼度分
布はほぼ類似であり、集合体の中央部で測定すれば中性
子強度もCs−134とCs−137のガンマ線強度比
も集合体の代表値を測定できる。PWR以外の原子炉の
使用済燃料へ適用する場合は、測定箇所を増やし、中性
子強度及びCs−134とCs−137の強度比の分布
を求めて代表値を算出し、代表値を使って上記(1)式
と(2)式により燃焼度と冷却日数を算出する。
【0024】また、Cd−Te検出器によるガンマ線ス
ペクトル分析では、Rh−106とCs−137のガン
マ線強度比及びCs−137のガンマ線強度も求める事
ができる。中性子強度とCs−134とCs−137の
強度比より求めた燃焼度と冷却日数から算出されるRh
−106とCs−137強度比及びCs−137強度が
測定された値と設定した誤差の範囲で合致するか否かを
確認する。合致しない場合は計測時間を長くし、計測精
度を上げると整合のとれた燃焼度及び冷却日数が求ま
る。
【0025】次に、本発明の使用済燃料の測定方法の
実施例を図面に基づき説明する。図1は、本発明の使用
済燃料の測定方法に使用する第1実施例としてのPWR
燃料の燃焼度測定装置を示す斜視図である。図に示すよ
うに、使用済燃料貯蔵プール水中で使用済燃料集合体1
をガンマ線検出部2、中性子検出部3,4をそれぞれ配
置した検出器架台5の中に設置する。ガンマ線検出部は
図2に示すようにCd−Te検出器21、プレアンプ2
2を鉛遮蔽体26で取り囲んでいる。Cd−Te検出器
21は前方に鉛のコリメータ23及びバックグランド調
整板25を持ち、周囲は中性子遮蔽体(例えば、カドミ
ウム)24で囲まれている。中性子遮蔽体24はCd−
Te検出器21の中性子損傷を緩和するためのものであ
る。バックグランド調整板25はガンマ線スペクトル分
析において、コリメータ23から入射しバックグランド
となる低エネルギーガンマ線のCd−Te検出器21へ
の入射強度を低減させるための薄い金属板(例えば、ア
ルミニウム)である。コリメータ23は、Cd−Te検
出器21への入射ガンマ線量を調整するために取換可能
な構造となっている。コリメータ23の開口部の大きさ
と鉛遮蔽体26の厚さはガンマ線検出時のパルスのパイ
ルアップとバックグランドとなるガンマ線レベルより設
定する。中性子検出部は図3に示すように、核分裂計数
管31とプレアンプ33を内蔵し、減速材(ポリエチレ
ン)32で取り囲まれている。測定された信号は図4に
示す計測処理系で処理される。
【0026】図4において、ガンマ線検出部2は高圧電
源48から電源供給され、ガンマ線が入射するとパルス
を発生しガンマ線計測データ処理系に転送する。送られ
たパルスはリニアアンプ41で増幅され、遅延回路42
でパルス選別され、A/D変換器46に送られる。一
方、ガンマ線検出部2から遅延アンプ43に送られたパ
ルスは時間を遅らせて増幅され、波高成形器44で成形
され、時間差波高変換器45でパルスの時間減衰を基に
選別され、A/D変換器46に送られる。A/D変換器
46は遅延回路42から送られたパルスのうち時間差波
高変換器45で選別した対応するパルスのみデジタル化
し、波高分析器47は送られてきた信号を基にガンマ線
スペクトル分析を行い、Cs−134のガンマ線強度、
Cs−137のガンマ線強度、Rh−106のガンマ線
強度をパーソナル計算機53に送る。また、中性子検出
部3,4は高圧電源52から電源供給され、中性子が入
射すると発生したパルスを中性子計測データ処理系に送
る。送られたパルスはリニアアンプ49で増幅され、A
/D変換器50でデジタル化される。波高分析器51は
送られてきた信号を基にスペクトル分析を行い、中性子
強度をパーソナル計算機53に送る。パーソナル計算機
53は送られてきたガンマ線強度と中性子強度より燃焼
度と冷却日数を算出する。
【0027】図1に示す検出部は、ガンマ線検出部2と
中性子検出部3,4を持つだけであるので、コンパクト
な構成となっており、使用済燃料貯蔵プールのラック上
や空間部に設置できる。
【0028】次に、本実施例の処理手順を、図7に示す
フローチャートに従って説明する。
【0029】対象燃料の測定の前に燃焼度及び照射履歴
の明確な使用済燃料を測定する(S1)ことにより、ガ
ンマ線強度や中性子強度の測定効率を調べる。次に測定
対象となる使用済燃料を図1に示す検出系の所定の位置
に集合体の中央部(グリッド部と異なる場所)にガンマ
線検出部2及び中性子の検出部3,4が向かい合うよう
に設定し、約3分から10分程度ガンマ線及び中性子を
測定する(S2)。測定時間は燃焼度算出の精度から必
要な計数量を考慮して設定する。ガンマ線スペクトル分
析より、Cs−134とCs−137の強度比を求め
(S3)、ガンマ線検出部2と同一面に配置された中性
子検出器3の計数率より燃焼度と冷却日数を求める。更
に、前記の求めた冷却日数と反対側に配置された中性子
検出器4による中性子計数率から燃焼度を求め、2つの
燃焼度の平均を対象燃料の平均燃焼度とする(S5)。
【0030】次に、求めた燃焼度と冷却日数から算出さ
れるRh−106とCs−137のガンマ線強度比及び
Cs−137のガンマ線強度がガンマ線スペクトル分析
で測定された値と設定した誤差の範囲内で合致している
か確認する(S6)。合致してない場合、測定時間を長
くして計測制度を上げ、図7のフローチャートで示すよ
うに、上記の手順を繰り返して再測定する(S4)。
【0031】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の使用済燃
料の測定方法は、燃焼度を測定する使用済燃料集合体を
設置する検出器架台と、前記検出器架台上に配置され、
前記使用済燃料集合体から放出される中性子線の入射で
発生するパルスを検出するガンマ線との弁別性の良い中
性子検出部と、前記検出器架台上に配置され、ガンマ線
スペクトルを検出するCd−Te検出器を内蔵したガン
マ線検出部とを使用し、前記中性子検出部で検出された
パルス計数率より求めた前記使用済燃料集合体の中性子
強度と、前記ガンマ線検出部で測定されたガンマ線強度
に基づくCs−134/Cs−137強度比とより燃焼
度と冷却日数を算出し、算出された燃焼度と冷却日数よ
り求めたRh−106/Cs−137強度比及びCs−
137強度の算出値と、前記ガンマ線検出部で測定され
たガンマ線強度に基づくRh−106/Cs−137強
度比及びCs−137強度の測定値とを比較し、その算
出値と測定値が、設定した誤差の範囲で合致しない場合
に、計測時間を長くして計測精度を上げ、上記の手順を
繰り返して燃焼度と冷却日数を求めるようにしたので、
小型で簡便な装置を用い、既存の燃料貯蔵プール等を改
造することなく測定でき、冷却日数の補正のためのデー
タ取得が不要になり、放射線防護対策なしに使用済燃料
集合体のままでの精度の高い燃焼度が測定でき、臨海安
全設計に冷却日数による使用済燃料の反応度の低下を反
映させたデータが使用でき、貯蔵密度や収納密度を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定方法の実施例に使用する検出部の
構成図である。
【図2】図1におけるガンマ線の検出部の構成図であ
る。
【図3】図1における中性子検出部の構成図である。
【図4】本発明の一実施例である計測系全体の構成を示
すブロック図である。
【図5】Cd−Te検出器による使用済燃料のガンマ線
スペクトル分析を示したグラフである。
【図6】PWRの使用済燃料の燃焼終了時(冷却日数0
日)に換算した中性子計数率と燃焼度の関係図である。
【図7】本実施例における測定時の燃焼度算出手順を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1 使用済燃料 2 ガンマ線検出部(Cd−Te検出部内蔵) 3,4 中性子検出部(核分裂計数管内蔵) 5 検出器架台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−283696(JP,A) 特開 昭61−262692(JP,A) 特開 平4−249797(JP,A) 特開 平4−326095(JP,A) 特開 平3−238399(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 17/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉から取り出された使用済燃料を非
    破壊測定するための使用済燃料の測定において、燃焼度
    を測定する使用済燃料集合体を設置する検出器架台と、
    前記検出器架台上に配置され、前記使用済燃料集合体か
    ら放出される中性子の入射で発生するパルスを検出す
    るガンマ線との弁別性の良い中性子検出部と、前記検出
    器架台上に配置され、ガンマ線スペクトルを検出するC
    d−Te検出器を内蔵したガンマ線検出部とを使用し
    前記中性子検出部で検出されたパルス計数率より求めた
    前記使用済燃料集合体の中性子強度、前記ガンマ線検
    出部で測定されたガンマ線強度に基づくCs−134/
    Cs−137強度比とより燃焼度と冷却日数を算出し、
    算出された燃焼度と冷却日数より求めたRh−106/
    Cs−137強度比及びCs−137強度の算出値と、
    前記ガンマ線検出部で測定されたガンマ線強度に基づく
    Rh−106/Cs−137強度比及びCs−137強
    度の測定値とを比較し、その算出値と測定値が、設定し
    た誤差の範囲で合致しない場合に、計測時間を長くして
    計測精度を上げ、上記の手順を繰り返して燃焼度と冷却
    日数を求めるようにしたことを特徴とする使用済燃料の
    測定方法。
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