JP4592536B2 - 原子燃料の核定数作成方法およびこの核定数作成方法を用いた炉心設計方法ならびに原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置 - Google Patents

原子燃料の核定数作成方法およびこの核定数作成方法を用いた炉心設計方法ならびに原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置 Download PDF

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Description

本発明は、連続エネルギモンテカルロ法を用いて任意の領域の核定数を作成する原子燃料の核定数作成方法およびこの核定数作成方法を用いた炉心設計方法ならびに原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置に関する。
従来、原子炉の臨界条件を求めるために、中性子の輸送方程式の計算(以下、輸送計算という)が行なわれている。この輸送計算の解法は、一般に、決定論的方法と確率論的方法の2つに別けられる。
決定論的方法は、いわゆる有限要素法であり、対象とする体系を有限のメッシュ(空間領域)に分割し、連立方程式を解く方法である。
確率論的方法では、一般に、モンテカルロ法が用いられる。モンテカルロ法では、例えば、ある領域で中性子が吸収されるかどうか、散乱後の中性子のエネルギはどうなるかなどを、乱数発生により決定する。
モンテカルロ法は、物理現象を忠実に模擬した方法であり、幾何学的体系を自由に記述することができる。このため、解の精度は高いが多くの計算時間を必要とする。中性子(またはガンマ線などの光子)の輸送計算をするための、モンテカルロ法の計算コード(コンピュータ・プログラム)には、大きく分けて、エネルギ多群モンテカルロ法を用いたコードと、連続エネルギモンテカルロ法を用いたコードの2つがある。
エネルギ多群モンテカルロ法は、中性子のエネルギを複数の群に分割して、中性子の輸送計算を行なう方法である。たとえば、エネルギを2群に分割し、第1エネルギ群が1MeVより大、第2エネルギ群が1MeVより小とした場合、中性子のエネルギは2種類しか存在しないことになる。したがって、エネルギ多群モンテカルロ法を用いた計算は、扱うエネルギ数が少ないため、計算時間が早いという利点をもつ。
一方、連続エネルギモンテカルロ法は、中性子のエネルギを群に分割せずに、中性子の輸送計算を行なう方法である。この方法では、中性子は連続的な多数のエネルギ値をとり得る。したがって、連続エネルギモンテカルロ法を用いた計算は、扱うエネルギ数が多いため、計算時間が掛かるという欠点がある一方、解の精度が高いという利点をもつ。
連続エネルギモンテカルロコードとしては、米国ロスアラモス研究所で開発されたMCNPや日本原子力研究所で開発されたMVPなどがある。
従来、この種の輸送計算技術に、特開2002−236194号公報(特許文献1)および特開平11−295472号公報(特許文献2)に開示されたものがある。
従来のモンテカルロ法を用いた輸送計算技術では、モンテカルロ法を用いて中性子(またはガンマ線などの光子)の輸送計算を行い、この結果を、燃焼度評価や炉心特性監視技術に適用している。モンテカルロ法を用いることにより、決定論的方法に比べてより正確に、燃料集合体の燃焼度評価や、炉心内の出力分布や反応度などの炉心特性の予測ができるようになっている。
特開2002−236194号公報 特開平11−295472号公報
連続エネルギモンテカルロ法は、空間を分割しないため、適用範囲が燃料集合体の形状に依存せず、しかも高精度の解を得ることができる。しかし、計算時間の制約上、連続エネルギモンテカルロ法の適用範囲は、燃料集合体単体程度が限度である。したがって、まず燃料集合体単体程度の空間領域に対して連続エネルギモンテカルロ法を適用して、高精度な核定数を算出し、この高精度な核定数を適用して炉心設計することが望まれる。
しかし、従来の輸送計算技術では、連続エネルギモンテカルロ法によって得られる核定数を、炉心設計に適用することは困難であった。したがって、従来、核定数は、決定論的方法にもとづいて決定されてきた。
しかし、決定論的方法では、空間をメッシュに分割するため、適用範囲が燃料集合体の形状に大きく依存する。このため、BWRやPWRまたは高速炉の燃料集合体でそれぞれ異なるコードを用いる必要がある。特に、既存の燃料集合体と大きく異なる新型炉燃料集合体に対しては、決定論的方法の適用可能性は極めて不明確となる。
最近、連続エネルギモンテカルロ法により正確な核定数を算出し、炉心設計へ適用する技術の開発が試みられている。しかしこの技術は、注目領域を炉心全体系に設定し、かつ同一種類の燃料集合体が無限に配置されている場合など、適用範囲が中性子の漏れのない体系(以下、無限体系という)に限られている。有限の注目領域や、周囲に異なる燃料集合体が配置されている場合などの、中性子の漏れが生ずるような体系(以下、有限体系という)に対して連続エネルギモンテカルロ法を適用して、正確な核定数が算出でき、この正確な核定数を炉心設計へ適用できる技術の開発が望まれる。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、有限体系に対して連続エネルギモンテカルロ法を用いて正確な核定数を作成することができ、作成した正確な核定数を用いて信頼性の高い炉心設計を行なうことができる原子燃料の核定数作成方法およびこの核定数作成方法を用いた炉心設計方法ならびに原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置を提供することを目的とする。
本発明に係る原子燃料の核定数作成方法は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、乱数により中性子を模擬的に発生させるステップと、発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡するステップと、この中性子が前記注目領域に入射した場合にこの注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得するステップと、前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める演算ステップと、前記注目領域のエネルギ多群中性子束に対し前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める演算ステップと、前記注目領域内での前記中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集するステップと、前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める演算ステップと、前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前のエネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する演算ステップと、前記注目領域から出射する中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得し流出中性子束を算出するステップと、この流出中性子束を前記注目領域の前記エネルギ多群中性子束で除しさらに幾何学的バックリングの二乗で除することによりエネルギ多群拡散係数を算出するステップとを有し、有限体系に対する微分散乱断面積を評価可能とする方法である。
また、本発明に係る炉心設計方法は、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、乱数により中性子を模擬的に発生させるステップと、発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡するステップと、この中性子が前記注目領域に入射した場合にこの注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得するステップと、前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める演算ステップと、前記注目領域のエネルギ多群中性子束に対し前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める演算ステップと、前記注目領域内での中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集するステップと、前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める演算ステップと、前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前の前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する演算ステップと、この微分散乱断面積を前記散乱後のエネルギについて積分することにより前記散乱前のエネルギ多群散乱断面積を算出する演算ステップと、
散乱角を収集し算術平均により前記散乱前のエネルギ多群平均散乱余弦を算出する演算ステップと、前記散乱断面積と前記平均散乱余弦と前記エネルギ群多群反応断面積であるエネルギ多群吸収断面積からエネルギ多群拡散係数を算出するステップと、一様でない濃縮度分布をもつ原子燃料集合体に対し少なくとも2つの注目領域に分割し、この分割した各注目領域についてエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記分割した各注目領域の前記エネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数に前記分割した各注目領域のエネルギ多群中性子束またはこのエネルギ多群中性子束の逆数を重みとして原子燃料集合体全体の重み付平均を算出することで前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記原子燃料集合体を均質とした定数を作成するステップと、前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を適用して拡散計算により炉心設計を行なうステップとを有し、前記微分散乱断面積は有限体系に適用可能とする方法である。
また、本発明に係る原子燃料の核定数作成装置は、上述した課題を解決するために、請求項7に記載したように、連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、乱数により中性子を模擬的に発生させる発生手段と、発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡する追跡手段と、この中性子が前記注目領域に入射した場合に、この注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得する領域内データ取得手段と、前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める中性子束演算手段と、前記注目領域のエネルギ多群中性子束に対して前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める反応率演算手段と、前記注目領域内での中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集する散乱時データ取得手段と、前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める反応断面積演算手段と、前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前の前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する微分散乱断面積演算手段と、前記注目領域から出射する中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得し流出中性子束を算出する流出中性子束演算手段と、この流出中性子束を前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除しさらに幾何学的バックリングの二乗で除することにより前記エネルギ群の拡散係数を算出する手段とを備え、有限体系に対する微分散乱断面積を評価可能に構成したものである。
また、本発明に係る炉心設計装置は、上述した課題を解決するために、請求項8に記載したように、連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、乱数により中性子を模擬的に発生させる発生手段と、発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡する追跡手段と、この中性子が前記注目領域に入射した場合に、この注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得する領域内データ取得手段と、前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める中性子束演算手段と、前記注目領域のこのエネルギ多群中性子束に対し前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める反応率演算手段と、前記注目領域内での中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集する散乱時データ取得手段と、前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める反応断面積演算手段と、前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前の前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する微分散乱断面積演算手段と、散乱角を収集し算術平均により前記散乱前のエネルギ多群平均散乱余弦を算出する平均散乱余弦演算手段と、前記微分散乱断面積を前記散乱後のエネルギについて積分することにより算出される前記散乱前のエネルギ多群散乱断面積と、前記エネルギ多群平均散乱余弦と、前記エネルギ群多群反応断面積であるエネルギ多群吸収断面積とからエネルギ多群拡散係数を算出する拡散係数演算手段と、一様でない濃縮度分布をもつ原子燃料集合体に対し少なくとも2つの注目領域に分割し、この分割した各注目領域についてエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記分割した各注目領域のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数に前記分割した各注目領域のエネルギ多群中性子束またはこのエネルギ多群中性子束の逆数を重みとして原子燃料集合体全体の重み付平均を算出することで前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記原子燃料集合体を均質とした定数を作成する集合体均質化核定数取得手段と、前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を適用し、拡散計算による炉心設計を行なう拡散計算演算手段とを備え、前記微分散乱断面積演算手段によって算出される微分散乱断面積は有限体系に適用可能となるよう構成されたものである。
本発明に係る原子燃料の核定数作成方法およびこの核定数作成方法を用いた炉心設計方法ならびに原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置は、有限体系に対して連続エネルギモンテカルロ法を適用して正確な核定数を作成することができ、作成した正確な核定数を用いて信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
本発明に係る原子燃料の核定数作成方法およびこの核定数作成方法を用いた炉心設計方法ならびに原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置の第1実施形態を示す構成図である。
核定数作成装置10は、記録媒体11と、記録媒体11に接続される入出力装置12と、入出力装置12を介して記録媒体11に接続される演算装置13と、演算装置13に接続される計算結果記録装置14とを備える。
炉心設計装置20は、核定数作成装置10と、記録媒体21と、この記録媒体21が装着された入出力装置22と、入出力装置22を介して記録媒体21に接続される演算装置23と、演算装置23に接続される計算結果記録装置24とを備える。核定数作成装置10の計算結果記録装置14は、炉心設計装置20の演算装置23に接続される。
記録媒体11は、コンピュータ読み取り可能であり、核定数作成プログラム11a、初期データファイル11bおよび反応断面積データファイル11cを記録しておく機能を有する。初期データファイル11b内には、入出力装置12から入力される計算体系の幾何学的配置、構成物質、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域およびエネルギ群の情報が記録される。反応断面積データファイル11c内には、あらかじめ、核データライブラリと呼ばれる、エネルギと反応断面積の対応テーブルが記録される。このテーブルとしては、計算や実験をもとに評価された核データライブラリを利用することが望ましく、たとえば、日本で評価されたJENDLや、米国で評価されたENDF/Bなどを利用する。
入出力装置12は、計算体系の幾何学的配置、構成物質、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域およびエネルギ群の情報を、記録媒体11の初期データファイル11b内に入力する機能を有する。また、入出力装置12は、記録媒体11から記録媒体11に記録されている核定数作成プログラム11a、初期データファイル11bおよび反応断面積データファイル13cを読み出し、演算装置13に与える機能を有する。
演算装置13は、入出力装置12から受けた核定数作成プログラム11aがコンピュータに読み込まれることにより、発生手段13a、追跡手段13b、領域内データ取得手段13c、中性子束演算手段13d、反応率演算手段13e、散乱時データ取得手段13f、反応断面積演算手段13g、微分散乱断面積演算手段13hおよび流出中性子束演算手段13iとして機能し、さらに計算結果記録装置14が備えられる。また、演算装置13は、入出力装置12を介して記録媒体11内の各データを、必要に応じて読み込む機能を有する。
計算結果記録装置14は、コンピュータ読み取り可能であり、中性子束データファイル14a、反応率データファイル14b、ウェイトデータファイル14c、散乱角データファイル14dおよび流出中性子束データファイル14eを記録する機能を有する。
発生手段13aは、中性子のエネルギ、位置および方角を乱数により決定し、中性子を擬似的に発生させる機能を有する。
追跡手段13bは、発生手段13aが発生させた中性子について、移動(飛行)と反応を繰り返させ、中性子のエネルギなどの情報を取得しながら、模擬的に追跡し、この中性子の情報を領域内データ取得手段13cに与える機能を有する。
領域内データ取得手段13cは、追跡手段13bから追跡対象となる中性子の情報を受け、中性子が初期データファイル11bに記録されている注目領域に入射したかどうかを判定し、中性子が注目領域に達した場合には、中性子が注目領域内に入射してから出射するまでのすべての情報を取得して、この情報を中性子束演算手段13d、反応率演算手段13e、散乱時データ取得手段13fおよび流出中性子束演算手段13iに与える機能を有する。
中性子束演算手段13dは、領域内データ取得手段13cから、中性子が注目領域に入射してから出射するまでの情報を受けて、注目領域の中性子束を求める機能を有する。また、中性子束演算手段13dは、求めた注目領域の中性子束を、初期データファイル11bに記録されているエネルギ群の情報を用いて、中性子のエネルギに対応するエネルギ群ごとに、分類する機能を有する。さらに中性子束演算手段13dは、このエネルギ群ごとに分類された注目領域の中性子束(エネルギ多群中性子束)を、計算結果記録装置14内の中性子束データファイル14aに書き込む機能を有する。
反応率演算手段13eは、反応断面積データファイル11c内に記録されている中性子のエネルギと反応断面積との対応テーブルと、領域内データ取得手段13cから受けた中性子が注目領域に入射してから出射するまでの情報とを用いて、注目領域の反応率を求める機能を有する。また、反応率演算手段13eは、求めた注目領域の反応率を、初期データファイル11bに記録されているエネルギ群の情報を用いて、中性子のエネルギに対応するエネルギ群ごとに、分類する機能を有する。さらに反応率演算手段13eは、このエネルギ群ごとに分類された注目領域の反応率(エネルギ多群反応率)を、計算結果記録装置14内の反応率データファイル14bに書き込む機能を有する。
散乱時データ取得手段13fは、領域内データ取得手段13cから受けた中性子が注目領域に入射してから出射するまでの情報を用いて、注目領域内における中性子の散乱の有無を判別し、散乱がある場合は、散乱角および散乱前後のウェイトを取得する機能を有する。また、散乱時データ取得手段13fは、取得した散乱角および散乱前後のウェイトを、初期データファイル11bに記録されているエネルギ群の情報を用いて、中性子のエネルギに対応するエネルギ群ごとに、分類する機能を有する。さらに散乱時データ取得手段13fは、このエネルギ群ごとに分類された散乱角および散乱前後のウェイトを、計算結果記録装置14内のウェイトデータファイル14cまたは散乱角データファイル14dに、それぞれ書き込む機能を有する。このとき、ウェイトデータファイル14c内のウェイトのデータは、散乱前と散乱後のエネルギによる2次元配列となる。
反応断面積演算手段13gは、中性子束データファイル14a内に記録されている注目領域のエネルギ多群中性子束と、反応率データファイル14bに記録されている注目領域のエネルギ多群反応率とを利用して、エネルギ群ごとに分類された注目領域の反応断面積(エネルギ多群反応断面積)を求め、このエネルギ群ごとに分類された注目領域の反応断面積(エネルギ多群反応断面積)を、拡散係数演算手段23bおよび集合体均質化核定数取得手段23cに与える機能を有する。
微分散乱断面積演算手段13hは、中性子束データファイル14a内に記録されている注目領域のエネルギ多群中性子束と、ウェイトデータファイル14c内に散乱前後のエネルギによる2次元配列で収集され記録されている散乱前後のウェイトとを用いて、注目領域のエネルギに対する微分散乱断面積を求め、この注目領域のエネルギに対する微分散乱断面積を拡散係数演算手段23bおよび集合体均質化核定数取得手段23cに与える機能を有する。
流出中性子束演算手段13iは、領域内データ取得手段13cから受けた中性子が注目領域に入射してから出射するまでの情報を用いて、粒子が注目領域から出射したかどうかを判定し、注目領域から出射した場合はエネルギ、ウェイトおよびトラック長を取得し、このウェイトとトラック長を用いて、流出する中性子束を求める機能を有する。
また、流出中性子束演算手段13iは、求めた注目領域からの流出中性子束を、初期データファイル11bに記録されているエネルギ群の情報を用いて、中性子のエネルギに対応するエネルギ群ごとに、分類する機能を有する。さらに流出中性子束演算手段13iは、このエネルギ群ごとに分類された注目領域からの流出中性子束(エネルギ多群流出中性子束)を、計算結果記録装置14内の流出中性子束データファイル14eに書き込む機能を有する。
そして、この核定数作成装置10を用いて原子燃料の炉心設計装置20が構成される。
記録媒体21は、コンピュータ読み取り可能であり、炉心設計プログラム21aを記録しておく機能を有する。
入出力装置22は、記録媒体21から記録媒体21に記録されている炉心設計プログラム21aを読み出し、演算装置23に与える機能を有する。
演算装置23は、入出力装置22から受けた炉心設計プログラム21aがコンピュータに読み込まれることにより、平均散乱余弦演算手段23a、拡散係数演算手段23b、集合体均質化核定数取得手段23c、拡散計算演算手段23dとして機能し、さらに計算結果記録装置24が備えられる。また、演算装置23は、計算結果記録装置14を介して、核定数作成装置10の演算装置13からデータを受ける機能を有する。さらに、演算装置23は、核定数作成装置10の計算結果記録装置14内に記録されたデータを、必要に応じて読み込む機能を有する。
平均散乱余弦演算手段23aは、散乱角データファイル14d内に記録された散乱角μの値を読み込んで、平均化操作により、注目領域内で起こった全粒子の散乱の散乱角μに対する余弦を合算しこの散乱角の余弦の平均値(以下、平均散乱余弦という)を求める。そして平均散乱余弦演算手段23aは、この平均散乱余弦の値を、拡散係数演算手段23bに与える機能を有する。
拡散係数演算手段23bは、微分散乱断面積演算手段13hから受けた微分散乱断面積を積分することで、散乱断面積を求める機能を有する。また拡散係数演算手段23bは、この求めた散乱断面積と、反応断面積演算手段13gから受けた注目領域のエネルギ多群吸収断面積と、平均散乱余弦演算手段23aから受けた平均散乱余弦とを用い、各エネルギ群に対応する注目領域の拡散係数を求める機能を有する。
また、拡散係数演算手段23bは、炉心の幾何学的形状から定まるバックリングと、流出中性子束データファイル14eから読み込んだ注目領域からのエネルギ多群流出中性子束と、中性子束データファイル14aから読み込んだ注目領域のエネルギ多群中性子束とを用いて、各エネルギ群に対応する注目領域の拡散係数を求める機能を有する。さらに、拡散係数演算手段23bは、求めた注目領域の拡散係数を、集合体均質化核定数取得手段23cに与える機能を有する。
集合体均質化核定数取得手段23cは、反応断面積演算手段13gから受けた注目領域のエネルギ多群反応断面積と、微分散乱断面積演算手段13hから受けた注目領域の微分散乱断面積と、拡散係数演算手段23bから受けた注目領域の拡散係数および中性子束データファイル14aから読み込んだ注目領域のエネルギ多群中性子束を用いて、燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を求める機能を有する。さらに、集合体均質化核定数取得手段23cは、この燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を、拡散計算演算手段23dに与える機能を有する。
拡散計算演算手段23dは、集合体均質化核定数取得手段23cから受けた、燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を用いて、拡散計算を行なうことによって、炉心設計を行なう機能を有する。
計算結果記録装置24は、コンピュータ読み取り可能であり、必要に応じて演算装置23の計算結果を記録する機能を有する。
次に、原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置10を用いた炉心設計装置20の作用について説明する。
まず、本発明で核定数を求める際に重要となる核定数について、BWRの核設計を例にとって説明する。
BWRでは、原子炉の核設計は燃料集合体設計と炉心設計に分かれる。
燃料集合体設計では、まず、空間については1燃料集合体で100メッシュ程度に分割し、エネルギについては中性子のエネルギに応じて100群程度に分類する。続いて、各メッシュにおいて、連続エネルギモンテカルロ法により核定数を求める。続いて、この核定数を、いくつかの群に分類したエネルギ(エネルギ群)ごとに分類する。次に、この核定数に対して平均化処理を行い、最終的に、エネルギで1〜3群程度、空間については1燃料集合体で1メッシュ程度に対する核定数を作成する。
炉心設計は、この平均化処理した核定数を用いて行なう。一般に、炉心設計は拡散計算にもとづいて行なわれる。輸送計算は、輸送方程式を中性子の位置、エネルギおよび方角(散乱角)の関数として解くが、通常、多くの計算時間、計算機上のメモリを必要とする。このため、炉心設計では、計算効率を向上させるために、中性子はあらゆる方向に均質に散乱するという等方散乱を仮定し、中性子の方角に関する情報は無視して計算を行なう。この近似は拡散近似と呼ばれるもので、この計算を輸送計算に対して、拡散計算と呼ぶ。つまり拡散計算とは、輸送方程式に近似を取り入れた拡散方程式を解く計算であり、輸送計算に比べて計算効率が高い。一般に、炉心設計では、800体程度の燃料集合体を軸方向に24メッシュ程度に分割して、拡散計算を行なうことが多い。
エネルギを3群に分割した場合を例に、炉心の中性子が従う拡散方程式を以下に示す。
Figure 0004592536
式(1)において、1群が高速エネルギ群、2群が中速エネルギ群、3群が低速エネルギ群である。3群は、慣用的に熱エネルギ群と呼ばれる。核分裂は、低エネルギの方が起こりやすいため、1群、2群に比べて、3群で起こる割合が大きい。核分裂で発生する中性子は全て高速中性子であるため、核分裂で発生する中性子はすべて1群に属することになる。また、中性子の散乱によりエネルギが上昇する確率、例えばΣ(3→2)は、非常に小さく無視できる場合が多いため、式(1)では省略している。
核定数とは、吸収断面積Σa1、Σa2およびΣa3、生成断面積νΣf1、νΣf2およびνΣf3、微分散乱断面積Σ(1→2)、Σ(1→3)およびΣ(2→3)を示す。これらの方程式を解いてφ〜φ、kを求める。実際は多数の空間メッシュがあるので、空間メッシュの数だけこれらの方程式が存在する。
本発明では、連続エネルギモンテカルロ法によって得た中性子束などを、エネルギ群ごとに分類して、核定数を作成し、この核定数を用いて炉心設計を行なう。
図2は、図1に示す原子燃料の核定数作成装置10およびこの原子燃料の核定数作成装置10を用いた炉心設計装置20により、核定数を作成し、作成した核定数を用いて炉心設計を行なう際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まずステップS101において、入出力装置12により、記録媒体11に記録された核定数作成プログラム11aが、演算装置13に与えられ読み込まれる。また、初期データファイル11b内に、入出力装置12から入力される計算体系の幾何学的配置、構成物質、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域およびエネルギ群の情報が、記録される。
注目領域は任意に設定できる。本発明の主眼である、周囲に異なる燃料集合体が配置された場合などの、中性子に漏れのある体系(有限体系)の燃料集合体の核定数を作成する場合は、注目領域として、核定数を作成したい燃料集合体を設定する。
また、ステップS102において、入出力装置12は、反応断面積データファイル11c内にあらかじめ記録されている核データライブラリから、構成物質の断面積Σxの情報を反応率演算手段13eに与える。
断面積Σxの添え字xは反応の種類を示す。たとえば、吸収反応ならΣ、核分裂反応ならΣ、散乱反応ならΣとあらわす。
次に、ステップS103において、発生手段13aは、粒子のエネルギE、位置rおよび方角Ωを乱数によって決定することで、粒子を擬似的に発生させる。ここでは中性子を発生させる。以下、粒子は中性子を表すものとする。発生手段13aは、発生させた粒子の情報を追跡手段13bに与える。
次に、ステップS104において、追跡手段13bは、発生手段13aが発生させた粒子を模擬的に追跡する。
追跡手段13bによる粒子の追跡は、次の手順で行なわれる。
まず、粒子の移動距離を乱数により決定し、発生手段13aから受けた粒子の発生位置および方角をもとに、粒子が到達する位置を決定する。続いて、この位置で粒子に散乱、吸収などの中性子反応を起こさせる。中性子反応の種類は、乱数により決定する。続いて、この中性子反応の種類に応じて、反応後の粒子のエネルギ、方角およびウェイトを決定する。続いて、再び粒子の移動距離を乱数により決定し、粒子が次に到達する位置を決定する。この手順を繰り返すことにより、粒子は移動と反応を繰り返す。
ここで、モンテカルロ法において重要な概念となるウェイトについて説明する。
ウェイトの概念は、少ない発生粒子と少ない計算時間で解の分散を低減するために、モンテカルロ法に導入された。自然現象としての粒子輸送過程を、直接的にモンテカルロ法でシミュレーションしようとする場合、モンテカルロ法が自然現象と同じ分布でいつも粒子サンプリングをするならば、モンテカルロ法は自然現象と同じ平均と分散を持つはずである。
しかし、ほとんどの場合、解の分散が大きすぎて、いくら計算時間をかけてもまともな解は得られない。そこで、モンテカルロ法は分散低減法によりサンプリングを調整する。すなわち、自然現象とは異なった分布で粒子サンプリングを行なうことになる。この自然現象からのズレを調整し、自然現象と同じ平均値を与えるための調整因子がウェイトである。
自然現象を忠実にモンテカルロ法で再現するならば、たとえば中性子吸収反応が起こった場合には、粒子は消滅する。このような中性子吸収反応の取り扱いは、Analog Captureと呼ばれる。この場合はウェイトの概念は必要なく、ウェイトは常に1と考えることができる。
これに対し、中性子吸収反応が起こった場合に、粒子を消滅させず、粒子が反応時に持っているウェイトから吸収確率に相当するウェイトを差し引き、さらに粒子の輸送を継続させる取り扱いもある。このような中性子吸収反応の取り扱いは、Implicit Captureと呼ばれる。
図3は、Analog CaptureとImplicit Captureとを比較した中性子吸収反応シミュレーションを示す図である。
Analog Captureの場合には注目領域に到達しないものが、Implicit Captureであれば注目領域に到達することになる。
Analog Captureの場合、たとえば注目領域に到達する確率が100回に1回だとすると、中性子発生1回当たりの注目領域に到達する期待値は0.01である。たとえば10000回試行し、注目領域に到達した粒子が100個だとすると、期待値の誤差はポアソン分布を仮定すると√(100)/10000=0.001であり、誤差を含めた中性子発生1回当たりの注目領域に到達する期待値は0.01±0.001となる。これは自然現象と同じである。
Implicit Captureの場合、中性子発生1回当たりの注目領域に到達する期待値が0.01となるのは、たとえばウェイト0.25の粒子が100回に4回、注目領域に到達する場合である。この場合、中性子発生1回当たりの注目領域に到達する期待値は0.25×4÷100=0.01と、Analog Captureと同じになる。しかし、たとえば10000回試行した場合、注目領域に400個到達するため、期待値の誤差は√(400)/10000(=0.002)にウェイト0.25を乗じて0.0005であり、誤差を含めた中性子発生1回当たりの注目領域に到達する期待値は0.01±0.0005となる。つまりこの例においては、Implicit Captureで取り扱う場合は、Analog Captureで取り扱う場合に比べ、同じ期待値で誤差が半減する。
通常、分散そのものを問題にする場合以外は、Implicit Captureによるモンテカルロ法が行なわれることが多い。本発明でも、中性子吸収反応の取り扱いにはImplicit Captureを採用する。
Implicit Captureでは、中性子吸収反応が起こっても粒子は消滅しないため、計算上は下限ウェイトを決めておく。下限ウェイトに達した粒子はAnalog Captureで取り扱われ、吸収反応が起こった場合、消滅か生存かの二者択一の選択を乱数により決定される。
追跡手段13bによる粒子の追跡は、粒子の消滅と同時に終了となる。
追跡手段13bは、反応が起こる(乱数発生)ごとに粒子のエネルギE、位置r、方角Ω、ウェイトwの情報を領域内データ取得手段13cに与える。
次にステップS105において、領域内データ取得手段13cは、追跡手段13bから粒子のエネルギE、位置r、方角Ω、ウェイトwの情報を受け、追跡粒子が初期データファイル11b内に記録されている注目領域に入射したかどうかを判定する。粒子が注目領域に達した場合は、注目領域に入射してから出射するまでの間の、エネルギE、方角Ω、ウェイトw、トラック長Tlの粒子情報を、中性子束演算手段13d、反応率演算手段13e、散乱時データ取得手段13fおよび流出中性子束演算手段13iに与える。
ここでトラック長とは、粒子が注目領域内を移動する距離のことをいう。
たとえば無限体系では、トラック長はある反応が起こった後に何らかの次の反応が起こるまでの粒子の移動距離と考えることができる。
有限体系では、ある反応が起こった後に次の反応が起こるまで、または中性子が注目領域から漏洩するまでに、中性子が移動する距離と考えることができる。
領域内データ取得手段13cが中性子束演算手段13d、反応率演算手段13e、散乱時データ取得手段13fおよび流出中性子束演算手段13iに与える粒子情報は、連続エネルギモンテカルロ法によって得られる情報である。
次にステップS106において、中性子束演算手段13dは、領域内データ取得手段13cから受けた粒子情報のうちウェイトwとトラック長Tlを用いて、次のように中性子束φを求める。
エネルギEをもつ中性子が、体積V[cm]の注目領域に、1秒間当たりに1個飛来し、そのウェイトがw(E)、トラック長がTl(E)[cm]であったとき、中性子束φ(E)[個/(cm・sec)]は次のように表すことができる。
Figure 0004592536
中性子束演算手段13dは、この式(2)から中性子束φ(E)を求める。
この中性子束φの値は、連続エネルギモンテカルロ法を用いて算出したものであり、決定論的に算出されるものに比べて正確である。
次に、ステップS109において、中性子束演算手段13dは、ステップS106において求められる、エネルギに対して連続な中性子束φを、粒子のエネルギEに対応するエネルギ群gごとに、分類する。エネルギ群gには、初期データファイル11b内に記録されたエネルギ群が用いられる。
次に、ステップS112において、中性子束演算手段13dは、ステップS109においてエネルギ群gごとに分類された注目領域の中性子束φ(エネルギ多群中性子束)を、中性子束データファイル14a内に記録する。
次に、核定数を求めるために必要な、反応率を求める。
核定数のうち、吸収断面積Σagは、次の式(3)から求めることができる。
Figure 0004592536
生成断面積νΣfgについても、式(3)においてΣagをνΣfgに置き換えることで同様に求めることができる。
式(3)において、分子の積分記号内のΣ(E)・φ(E)は中性子吸収反応に関する中性子反応率をあらわす。核定数の一つである中性子吸収断面積Σagを求めるためには、まずこの反応率を算出しておく必要がある。
反応率の算出には、Σ(E)の算出には反応断面積データファイル11c内に記録された核データライブラリ(エネルギに対応する値が与えられたテーブル)を利用する。この核データライブラリを用い、内外挿により、中性子のもつエネルギEに相当する中性子反応断面積Σa(E)を算出する。
ステップS107において、反応率演算手段13eは、領域内データ取得手段13cから受けた粒子情報のウェイトwとトラック長Tlを乗じて式(2)から中性子束φを算出する。
次に、反応率演算手段13eは、この中性子束φに反応断面積データファイル11cから受けた反応断面積Σ(E)を乗じて、分子中の積分記号内の反応率Σ(E)・φ(E)を算出する。この反応率Σ(E)・φ(E)の値は、連続エネルギモンテカルロ法を用いて算出したものであり、決定論的に算出されるものに比べて正確である。
続いて、ステップS110において、反応率演算手段13eは、ステップS107において算出した反応率Σ(E)・φ(E)を、粒子のエネルギEに対応するエネルギ群gごとに、分類する。エネルギ群gには、初期データファイル11b内に記録されたエネルギ群が用いられる。
次にステップS113において、反応率演算手段13eは、エネルギ群gごとに分類された注目領域の反応率(エネルギ多群反応率)を、反応率データファイル14b内に記録する。
次に、微分散乱断面積Σ(g’→g)の算出法について述べる。
微分散乱断面積Σ(g’→g)は、前記吸収断面積Σagや生成断面積νΣfgと異なり、飛来した粒子の散乱後のエネルギだけでなく、散乱前のエネルギにも依存する。このため、式(3)のように反応率と中性子束から評価することは、困難である。
最近、この微分散乱断面積を評価する方法が試みられているが、注目領域を全体系に設定し、中性子の漏れのない体系(無限体系)でのみ成立する方法であるため、有限の注目領域や周囲に異なる燃料集合体が配置され中性子の漏れが生じるような体系(有限体系)では適用できなかった。
一般に、有限の注目領域で中性子に漏れのある体系(有限体系)では、中性子の振る舞いは式(1)の如く表される。
ここで、有限体系で微分散乱断面積を算出するために、Σという仮想的な漏洩断面積を定義し導入する。注目領域に中性子の流入がなく流出のみがあるとすると、式(1)の第1項−D∇φは、中性子束分布の形状に依存するバックリング(B)を用いて−D∇φ=DBφと表せる。ここで、DBφは中性子の漏洩する確率を表していることを考えると、Σ=DBと考えることができる。実際には、有限領域では、隣の領域からの中性子の流入がある。このため、漏洩項−D∇φは流入と流出の差分と考えられるが、Σφで表される項は流出分のみを表現しているので、一般化のために流入項Sを導入し、−D∇φ=DBφ−Sとする。式(1)をΣ、Sを用いて書き換えると以下のようになる。
Figure 0004592536
ここで、ΣLgはエネルギ群g(g群)における漏洩断面積を表す。式(2)において体積1とした場合、中性子束φはウェイトwとトラック長Tlの積で表せる。各エネルギ群の中性子束φに対してこの関係を適用すると、式(4)は次のように書き直せる。
Figure 0004592536
トラック長Tlは、無限体系では、ある反応が起こった後に何らかの次の反応が起こるまでの距離と考えることができる。何らかの反応が起こる確率は全反応断面積(Σ[/cm])で定義でき、その逆数1/Σ[cm]は反応が起こるまでの距離と考えることができる。有限体系では、ある反応が起こった後に次の反応が起こるまたは中性子が注目領域から漏洩するまでの距離と考えることができる。何らかの反応が起こるまたは中性子が注目領域から漏洩する確率は全反応断面積に漏洩断面積を足したもの(Σ+Σ[/cm])で定義でき、その逆数1/(Σ+Σ)[cm]は反応が起こるまたは中性子が注目領域から漏洩するまでの距離と考えることができる。
即ち、トラック長は次のように表すことができる。
Figure 0004592536
反応が吸収と散乱のみであるとすると、各エネルギ群の全反応断面積は、それぞれ次のように表すことができる。
Figure 0004592536
ここで、Σ(1→1)、Σ(2→2)、Σ(3→3)は自群散乱断面積と呼ばれるもので、散乱後、自群にとどまる確率を表す。この項は式(1)や式(4)では各群の方程式の左右両辺に足されるので、相殺され、見かけ上は方程式に現れない。
式(6)、式(7)を式(5)に代入し、整理すると、以下のようになる。
Figure 0004592536
次に、各群のウェイトを、右辺のそれぞれの項に対応し、以下のように分類する。
Figure 0004592536
式(8)と式(9)を対比すると、以下の関係を導くことができる。
Figure 0004592536
したがって、微分散乱断面積として、以下を得る。
Figure 0004592536
Σの導入と式(6)によるトラック長Tlの表現により導出した式(11)を用いることで、次のようにして有限体系の注目領域におけるエネルギに対する微分散乱断面積Σ(g’→g)を求めることができる。
つまり、まず、粒子が注目領域に入射してから出射するまでのウェイトについて、注目領域内で散乱により生じたウェイトか、核分裂による直接項か、または他領域からの流入項かを判別する。注目領域内で散乱を経験して生じたウェイトの場合、散乱前後のエネルギ群を判定して分類する。この分類したウェイトを全粒子について合算する。この合算したウェイトを、算出済みの注目領域内の散乱前のエネルギ群に属する中性子束で除することにより、微分散乱断面積を得ることができる。
ステップS108において、散乱時データ取得手段13fは、領域内データ取得手段13cから受けた粒子情報を用いて、粒子が注目領域内で過去に散乱を経験しているかどうかを判定する。注目領域内で散乱を経験している場合は、散乱時データ取得手段13fは、粒子の散乱前のエネルギE’およびウェイトwg’ならびに散乱角μを取得する。
次に、ステップS111において、散乱時データ取得手段13fは、ステップS108で取得した粒子の散乱前のウェイトwg’を散乱前の粒子のエネルギE’に対応するエネルギ群g’ごとに、散乱後のウェイトwを散乱後の粒子のエネルギEに対応するエネルギ群gごとに、それぞれ分類する。エネルギ群g’およびエネルギ群gは、初期データファイル11b内に記録されたエネルギ群が用いられる。このとき、ウェイトwg’およびwは、エネルギ群g’からエネルギ群gへの散乱に対応するウェイトw(g’→g)として分類されることになる。また、散乱角μも同様に、エネルギ群g’からエネルギ群gへの散乱に対応する散乱角として分類する。
次にステップS114において、散乱時データ取得手段13fは、ステップS111においてエネルギ群g’、gごとに分類された散乱前後のウェイトwg’、wを、ウェイトデータファイル14c内にエネルギ群g’からエネルギ群gへの散乱に対応するウェイトw(g’→g)として記録する。
またステップS115において、散乱時データ取得手段13fは、ステップS111においてエネルギ群g’からエネルギ群gへの散乱に対応する散乱角として分類された散乱角μを、散乱角データファイル14d内にエネルギ群g’からエネルギ群gへの散乱に対応する散乱角として記録する。
以上の操作をあらかじめ設定した発生粒子数だけ行なう。全発生粒子の追跡が終了した後、以下のステップに移る。
ステップS116において、反応断面積演算手段13gは、反応率データファイル14b内に記録されている注目領域のエネルギ多群反応率Σ(E)・φ(E)を、全飛来粒子についてエネルギ群ごとに合算することにより、式(3)の分子を算出する。また、反応断面積演算手段13gは、中性子束データファイル14a内に記録されている注目領域のエネルギ多群中性子束φを、エネルギ群ごとに合算することにより、式(3)の分母を算出する。さらに、反応断面積演算手段13gは、この分子、分母の値を用いて、式(3)から、エネルギ群gごとに分類された注目領域の反応断面積(エネルギ多群反応断面積)Σxgを求める。そして反応断面積演算手段13gは、この注目領域のエネルギ多群反応断面積Σxgを、拡散係数演算手段23bおよび集合体均質化核定数取得手段23cに与える。
また、ステップS117において、微分散乱断面積演算手段13hは、中性子束データファイル14a内に記録された注目領域のエネルギ多群中性子束φと、ウェイトデータファイル14c内に記録された散乱前後のウェイトw(g’→g)とをそれぞれ読み込み、式(11)から、注目領域のエネルギに対する微分散乱断面積Σs (g'→g)を求める。そして微分散乱断面積演算手段13hは、この注目領域の微分散乱断面積Σs (g'→g)を、拡散係数演算手段23bおよび集合体均質化核定数取得手段23cに与える。
以上の手順によって、炉心設計をするために必要な、原子燃料の核定数を作成することができる。
この原子燃料の核定数作成装置10によれば、漏洩断面積Σを導入することで導かれる式(11)にもとづいて、有限の注目領域や周囲に異なる燃料集合体が配置されて中性子の漏れが生じるような体系(有限体系)に対して、微分散乱断面積を求めることができる。
さらに、この原子燃料の核定数作成装置10によって作成する核定数は、連続エネルギモンテカルロ法を用いて求めた中性子束、反応率、散乱前後のウェイトを利用しているため、決定論的方法によって求める核定数に比べて、より正確である。
したがって、連続エネルギモンテカルロ法を用いて求めた中性子束、反応率、散乱前後のウェイトを利用して有限体系の微分散乱断面積を算出することにより、周囲に異なる種類の燃料集合体が配置されている場合でも、正確な核定数を作成することができる。
なお、例としてエネルギ群を3つに分類した場合に核定数を作成する方法を示したが、同様のステップで、より多群の核定数を作成することができることに注意すべきである。その場合、エネルギ群gの数は増えるが、原理は全く同じである。
次に、原子燃料の核定数作成装置10で評価した核定数を用いて炉心設計を行なうために必要な、拡散係数を求める。拡散係数は、一般に、次の二通りの方法で求めることができる。
第一の拡散係数評価方法(以下、方法1という)は、散乱断面積Σを用いる方法である。
拡散係数Dは、一般的に次のように定義される。
Figure 0004592536
ここで、Σtrは輸送断面積と呼ばれ、吸収断面積Σ、平均散乱余弦μAve、散乱断面積Σを用いて、次のように表される。
Figure 0004592536
ステップS118において、平均散乱余弦演算手段23aは、散乱角データファイル14d内に記録された散乱角μの値を読み込んで、平均化操作により、注目領域内で起こった全粒子の散乱について、散乱前のエネルギ群の平均散乱余弦μAveを求める。そして平均散乱余弦演算手段23aは、平均散乱余弦μAveの値を、拡散係数演算手段23bに与える。
ステップS119において、拡散係数演算手段23bは、微分散乱断面積演算手段13hから受けた微分散乱断面積Σ(g’→g)を散乱後のエネルギについて積分することで、散乱前の散乱断面積Σsg’を求める。また拡散係数演算手段23bは、この求めた散乱断面積Σsg’と、反応断面積演算手段13gから受けた、注目領域のエネルギ多群吸収断面積Σagのうち散乱前のエネルギ群g’に対応するものと、平均散乱余弦演算手段23aから受けた平均散乱余弦μAveとを用い、式(12)および式(13)から、方法1により、g’群に対応する注目領域の拡散係数Dg’を求める。各エネルギ群について方法1を適用することにより、たとえばエネルギ群を3つに分類した場合は、D、DおよびDが求まる。そして拡散係数演算手段23bは、この注目領域の拡散係数Dを、集合体均質化核定数取得手段23cに与える。
第二の拡散係数評価方法(以下、方法2という)は、バックリング(B)を用いる方法である。
方法2では、−D∇φ(流出分のみ)=DBφなる関係を用いてDを算出する。−D∇φ(流出分のみ)をJと表すと、拡散係数Dは次の式(14)のようにことができる。
[数14]
D = J/(Bφ) ……(14)
この式(14)から、拡散係数Dを算出する。
まず、ステップS131において、核定数作成装置10の流出中性子束演算手段13iは、領域内データ取得手段13cから受けた粒子情報を用いて、粒子が注目領域から出射するかどうかを判定する。注目領域から出射した場合は、流出中性子束演算手段13iは、粒子が出射した時のエネルギE、ウェイトw(E)およびトラック長Tl(E)を取得する。さらに、流出中性子束演算手段13iは、このウェイトw(E)とトラック長Tl(E)を用いて、流出する中性子束Jを求める。
次にステップS132において、流出中性子束演算手段13iは、ステップS131において求めた流出中性子束Jを、粒子のエネルギEに対応するエネルギ群gごとに、分類する。エネルギ群gには、初期データファイル11b内に記録されたエネルギ群が用いられる。
次にステップS133において、流出中性子束演算手段13iは、ステップS132においてエネルギ群gごとに分類された注目領域からの流出中性子束J を、流出中性子束データファイル14e内に記録する。
そしてステップS119において、炉心設計装置20の拡散係数演算手段23bは、炉心の幾何学的形状から定まるバックリングBと、流出中性子束データファイル14eから読み込んだエネルギ群gごとに分類された注目領域からの流出中性子束J と、中性子束データファイル14aから読み込んだ注目領域のエネルギ多群中性子束φとを用いて、式(14)から、方法2によりg群に対応する拡散係数Dを求める。各エネルギ群について方法1を適用することにより、たとえばエネルギ群を3つに分類した場合は、D、DおよびDが求まる。そして拡散係数演算手段23bは、この拡散係数Dを、集合体均質化核定数取得手段23cに与える。
次に、燃料集合体の均質化核定数を求める。
一般に、燃料集合体は均質ではなく、ほとんどの場合、一様でない濃縮度分布をもつ。この場合、燃料集合体を均質とみなして、燃料集合体を一組の核定数で代表させ(燃料集合体の均質化核定数を求め)、空間メッシュを少なくすることにより、計算効率を向上させ、高速に炉心設計を行なうことができる。
注目領域を燃料集合体全体に指定する場合は、直接、燃料集合体の均質化した核定数を作成することができる。
燃料集合体を少なくとも二つの領域に分割し、注目領域をこの各領域に指定した場合は、分割した各注目領域について吸収断面積、生成断面積、微分散乱断面積および拡散係数を求める。この分割した各注目領域の吸収断面積、生成断面積、微分散乱断面積および拡散係数に対して、この分割した各注目領域の中性子束または中性子束の逆数を重みとし、全注目領域の重み付平均を算出することによって、燃料集合体の均質化核定数と、燃料集合体の均質化拡散係数を作成することができる。
ステップS120において、集合体均質化核定数取得手段23cは、反応断面積演算手段13gから受けた注目領域のエネルギ多群反応断面積Σxgと、微分散乱断面積演算手段13hから受けた注目領域の微分散乱断面積Σs(g'→g)と、拡散係数演算手段23bから受けた注目領域の拡散係数Dおよび中性子束データファイル14aから読み込んだ注目領域のエネルギ多群中性子束φを用いて、燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を求める。さらに、集合体均質化核定数取得手段23cは、この燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を、拡散計算演算手段23dに与える。
そしてステップS121において、拡散計算演算手段23dは、集合体均質化核定数取得手段23cから受けた、燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を用いて、拡散計算を行なうことにより、炉心設計を行なう。
この炉心設計装置20によれば、炉心設計を行なうために必要な核定数および拡散係数を求めるにあたり連続エネルギモンテカルロ法を用いているため、決定論的方法によって求める核定数および拡散係数を用いた場合に比べて、この核定数はより正確である。したがって、この炉心設計装置20は、より信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
また、この炉心設計装置20は、原子燃料の核定数作成装置10によって求められる微分散乱断面積を用いている。この微分散乱断面積は、有限の注目領域や周囲に異なる燃料集合体が配置されて中性子の漏れが生じるような体系(有限体系)に対してエネルギモンテカルロ法を適用して評価したものである。したがって、この炉心設計装置20は、様々な炉心形状に対して適用することができる。
さらに、この炉心設計装置20は、燃料集合体を分割して求めた燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を用いている。この均質化核定数および均質化拡散係数には、連続エネルギモンテカルロ法を用いて算出した核定数および拡散係数が利用されている。このため、この炉心設計装置20によれば、空間メッシュが少なくでき、かつ、正確な核定数および拡散係数を用いることができるため、高速に信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
[第2実施形態]
図4は、本発明に係る原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置の第2実施形態を示す構成図である。
図4に示された、原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置20Aでは、演算装置23の機能が図1に示す原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置20と相違する。他の構成および作用については、図1に示す原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置20と実質的に異ならないため、同一の構成については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
炉心設計装置20Aの演算装置23は、入出力装置22から受けた核定数作成プログラム21aがコンピュータに読み込まれることにより、平均散乱余弦演算手段23a、角度依存微分散乱断面積演算手段23e、集合体均質化核定数取得手段23c、輸送計算演算手段23fとして機能し、さらに計算結果記録装置24が備えられる。また、演算装置23は、核定数作成装置10の計算結果記録装置14内に記録されたデータを、必要に応じて読み込むことができる。
平均散乱余弦演算手段23aは、散乱角データファイル14d内に記録された散乱角μの値を読み込んで、平均化操作により、平均散乱余弦を求める。そして平均散乱余弦演算手段23aは、平均散乱余弦の値を、角度依存微分散乱断面積23eに与える機能を有する。
角度依存微分散乱断面積演算手段23eは、微分散乱断面積演算手段13hから受けた注目領域の微分散乱断面積と、平均散乱余弦演算手段23aから受けた平均散乱余弦とを用い、注目領域の角度依存の微分散乱断面積を求める機能を有する。また、角度依存微分散乱断面積演算手段23eは、求めたこの注目領域の角度依存の微分散乱断面積を、集合体均質化核定数取得手段23cに与える機能を有する。
集合体均質化核定数取得手段23cは、反応断面積演算手段13gから受けた注目領域のエネルギ多群反応断面積と、微分散乱断面積演算手段13hから受けた注目領域の微分散乱断面積と、角度依存微分散乱断面積演算手段23eから受けた注目領域の角度依存の微分散乱断面積と、中性子束データファイル14aから読み込んだ注目領域のエネルギ多群中性子束とを用いて、燃料集合体の均質化核定数を求める機能を有する。さらに集合体均質化核定数取得手段23cは、この燃料集合体の均質化核定数を、輸送計算演算手段23fに与える機能を有する。
次に、原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置20Aの作用について説明する。
図5は、図4に示す原子燃料の核定数作成装置10およびこの原子燃料の核定数作成装置10を用いた炉心設計装置20Aにより、核定数を作成し、作成した核定数を用いて炉心設計を行なう際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。また、図2と同等のステップには同符号を付し、重複する説明を省略する。
ステップS216において、反応断面積演算手段13gは、反応率データファイル14b内に記録されているエ注目領域のエネルギ多群反応率Σ(E)・φ(E)を、全飛来粒子についてエネルギ群ごとに合算することにより、式(3)の分子を算出する。また、反応断面積演算手段13gは、中性子束データファイル14a内に記録されている注目領域のエネルギ多群中性子束φを、エネルギ群ごとに合算することにより、式(3)の分母を算出する。さらに、反応断面積演算手段13gは、この分子、分母の値を用いて、式(3)から、注目領域のエネルギ多群反応断面積Σxgを求める。そして反応断面積演算手段13gは、このエネルギ多群反応断面積Σxgを、集合体均質化核定数取得手段23cに与える。
次に、輸送計算により炉心設計を行なう場合に必要な、角度依存の微分散乱断面積を求める。輸送計算では、拡散計算で行った散乱が等方的に起こるという近似を、行なわない。このため、散乱角の情報を用いて、角度依存の微分散乱断面積を求める必要がある。
ステップS219において、角度依存微分散乱断面積演算手段23eは、微分散乱断面積演算手段13hから受けた注目領域の微分散乱断面積Σ(g’→g)と、平均散乱余弦演算手段23aから受けた平均散乱余弦μAveとを用い、注目領域の角度依存の微分散乱断面積Σ(g’→g,μAve)を求める。そして角度依存微分散乱断面積演算手段23eは、この角度依存の微分散乱断面積Σ(g’→g,μAve)を、集合体均質化核定数取得手段23cに与える。
次にステップS220において、集合体均質化核定数取得手段23cは、反応断面積演算手段13gから受けた注目領域のエネルギ多群反応断面積Σxgと、微分散乱断面積演算手段13hから受けた注目領域の微分散乱断面積Σs (g’→g)と、角度依存微分散乱断面積演算手段23eから受けた注目領域の角度依存の微分散乱断面積Σ(g’→g,μAve)および中性子束データファイル14aから読み込んだ注目領域のエネルギ多群中性子束φとを用いて、輸送計算のために必要な燃料集合体の均質化核定数を求める。さらに集合体均質化核定数取得手段23cは、この燃料集合体の均質化核定数を、輸送計算演算手段23fに与える。
そしてステップS221において、輸送計算演算手段23fは、集合体均質化核定数取得手段23cから受けた、輸送計算のために必要な料集合体の均質化核定数を用いて、輸送計算を行なうことにより、炉心設計を行なう。
この炉心設計装置20Aによれば、炉心設計を行なうために必要な核定数を求めるにあたり連続エネルギモンテカルロ法を用いているため、決定論的方法によって求める核定数を用いた場合に比べて、この核定数はより正確である。したがって、この炉心設計装置20Aは、より信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
また、この炉心設計装置20Aは、原子燃料の核定数作成装置10によって求められる微分散乱断面積を用いている。この微分散乱断面積は、有限の注目領域や周囲に異なる燃料集合体が配置されて中性子の漏れが生じるような体系(有限体系)に対してエネルギモンテカルロ法を適用して評価したものである。したがって、この炉心設計装置20Aは、様々な炉心形状に対して適用することができる。
さらに、この炉心設計装置20Aは、燃料集合体を分割して求めた燃料集合体の均質化核定数を用いている。この均質化核定数には、連続エネルギモンテカルロ法を用いて算出した核定数が利用されている。このため、この炉心設計装置20Aによれば、空間メッシュが少なくでき、かつ、正確な核定数を用いることができるため、高速に信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
また、炉心設計を行なうにあたり、輸送計算を適用しているため、拡散計算を適用した場合に比べ、計算時間および所要メモリ領域は増えるが、解の精度は高くなる。このため、より信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
[第3実施形態]
図6は、本発明に係る原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置の第3実施形態を示す構成図である。
図6に示された、原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置20Bでは、演算装置23の機能が図1に示す原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置20と相違する。他の構成および作用については、図1に示す原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置20と実質的に異ならないため、同一の構成については同符号を付し、重複する説明を省略する。
炉心設計装置20Bの演算装置23は、入出力装置22から受けた核定数作成プログラム21aがコンピュータに読み込まれることにより、平均散乱余弦演算手段23a、拡散係数演算手段23b、集合体均質化核定数取得手段23c、ノード法計算演算手段23gとして機能し、さらに計算結果記録装置24が備えられる。また、演算装置23は、核定数作成装置10の計算結果記録装置14内に記録されたデータを、必要に応じて読み込むことができる。
平均散乱余弦演算手段23aは、散乱角データファイル14d内に記録された散乱角μの値を読み込んで、平均化操作により、注目領域の平均散乱余弦を求める。そして平均散乱余弦演算手段23aは、この平均散乱余弦の値を、拡散係数演算手段23bに与える機能を有する。
拡散係数演算手段23bは、微分散乱断面積演算手段13hから受けた微分散乱断面積を積分することで、散乱断面積を求める機能を有する。また拡散係数演算手段23bは、この求めた散乱断面積と、反応断面積演算手段13gから受けた注目領域のエネルギ多群吸収断面積と、平均散乱余弦演算手段23aから受けた平均散乱余弦とを用い、各エネルギ群に対応する注目領域の拡散係数を求める機能を有する。また拡散係数演算手段23bは、炉心の幾何学的形状から定まるバックリングと、流出中性子束データファイル14eから読み込んだエネルギ群ごとに分類された注目領域からの流出中性子束と、中性子束データファイル14aから読み込んだ注目領域のエネルギ多群中性子束とを用いて、各エネルギ群に対応する注目領域の拡散係数を求める機能を有する。さらに拡散係数演算手段23bは、求めた各エネルギ群に対応する注目領域の拡散係数を、集合体均質化核定数取得手段23cに与える機能を有する。
集合体均質化核定数取得手段23cは、反応断面積演算手段13gから受けた注目領域のエネルギ多群反応断面積と、微分散乱断面積演算手段13hから受けた注目領域の微分散乱断面積と、拡散係数演算手段23bから受けた注目領域の拡散係数および中性子束データファイル14aから読み込んだ注目領域のエネルギ多群中性子束を用いて、燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を求める機能を有する。さらに集合体均質化核定数取得手段23cは、この燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を、ノード法計算演算手段23dに与える機能を有する。
ノード法計算演算手段23gは、集合体均質化核定数取得手段23cから受けた、燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を用いて、ノード法計算を行なうことによって、炉心設計を行なう機能を有する。
次に、原子燃料の核定数作成装置10およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置20Bの作用について説明する。
図7は、図5に示す原子燃料の核定数作成装置10およびこの原子燃料の核定数作成装置10を用いた炉心設計装置20Bにより、核定数を作成し、作成した核定数を用いて炉心設計を行なう際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。また、図2と同等のステップには同符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、ノード法について簡単に説明する。
3次元炉心シミュレータでは、ノード法と呼ばれる計算方法が用いられることがある。燃料集合体を軸方向に24分割した約15cmの立方体を1ノード単位として、炉心ノード単位に分割し、各ノード内は均質として扱う。通常、多次元の体系を計算するコンピュータ・プログラムでは、全空間を網の目のように小さなメッシュに分割する。一般的にメッシュ数が多いほど計算時間は長くなるが、精度は高くなる。
ステップS321において、ノード法計算演算手段23gは、集合体均質化核定数取得手段23cから受けた、燃料集合体の均質化核定数および燃料集合体の均質化拡散係数を用いて、ノード法計算を行なうことによって、炉心設計を行なう。
この炉心設計装置20Bによれば、炉心設計を行なうために必要な核定数および拡散係数を求めるにあたり連続エネルギモンテカルロ法を用いているため、決定論的方法によって求める核定数および拡散係数を用いた場合に比べて、この核定数はより正確である。したがって、この炉心設計装置20Bは、より信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
また、この炉心設計装置20Bは、原子燃料の核定数作成装置10によって求められる微分散乱断面積を用いている。この微分散乱断面積は、有限の注目領域や周囲に異なる燃料集合体が配置されて中性子の漏れが生じるような体系(有限体系)に対してエネルギモンテカルロ法を適用して評価したものである。したがって、この炉心設計装置20Aは、様々な炉心形状に対して適用することができる。
さらに、この炉心設計装置20Bは、燃料集合体を分割して求めた燃料集合体の均質化核定数を用いている。この均質化核定数および均質化拡散係数には、連続エネルギモンテカルロ法を用いて算出した核定数が利用されている。このため、この炉心設計装置20Bによれば、空間メッシュが少なくでき、かつ、正確な核定数を用いることができるため、高速に信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
また、炉心設計を行なうにあたり、ノード法計算を適用しているため、メッシュの数を多くすれば、拡散計算を適用した場合に比べ、計算時間および所要メモリ領域は増えるが、解の精度は高くなる。このため、より信頼性の高い炉心設計を行なうことができる。
本発明に係る原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置の第1実施形態を示す全体構成図。 図1に示す原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置により、核定数を作成し、作成した核定数を用いて炉心設計を行なう際の手順を示すフローチャート。 (a)はAnalog Captureによる中性子吸収反応シミュレーションを示す図、(b)はImplicit Captureによる中性子吸収反応シミュレーションを示す図。 本発明に係る原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置の第2実施形態を示す全体構成図。 図4に示す原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置により、核定数を作成し、作成した核定数を用いて炉心設計を行なう際の手順を示すフローチャート。 本発明に係る原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置の第2実施形態を示す全体構成図。 図6に示す原子燃料の核定数作成装置およびこの核定数作成装置を用いた炉心設計装置により、核定数を作成し、作成した核定数を用いて炉心設計を行なう際の手順を示すフローチャート。
符号の説明
10 核定数作成装置
11 記録媒体
11a 核定数作成プログラム
11b 初期データファイル
11c 反応断面積データファイル
12 入出力装置
13 演算装置
13a 発生手段
13b 追跡手段
13c 領域内データ取得手段
13d 中性子束演算手段
13e 反応率演算手段
13f 散乱時データ取得手段
13g 反応断面積演算手段
13h 微分散乱断面積演算手段
13i 流出中性子束演算手段
14 計算結果記録装置
14a 中性子束データファイル
14b 反応率データファイル
14c ウェイトデータファイル
14d 散乱角データファイル
14e 流出中性子束データファイル
20、20A、20B 炉心設計装置
21 記録媒体
21a 炉心設計プログラム
22 入出力装置
23 演算装置
23a 平均散乱余弦演算手段
23b 拡散係数演算手段
23c 集合体均質化核定数演算手段
23d 拡散計算演算手段
23e 角度依存微分散乱断面積演算手段
23f 輸送計算演算手段
23g ノード法計算演算手段
24 計算結果記録装置

Claims (9)

  1. 連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、
    乱数により中性子を模擬的に発生させるステップと、
    発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡するステップと、
    この中性子が前記注目領域に入射した場合にこの注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得するステップと、
    前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める演算ステップと、
    前記注目領域のエネルギ多群中性子束に対し前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める演算ステップと、 前記注目領域内での前記中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集するステップと、
    前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める演算ステップと、
    前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前のエネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する演算ステップと、
    前記注目領域から出射する中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得し流出中性子束を算出するステップと、
    この流出中性子束を前記注目領域の前記エネルギ多群中性子束で除しさらに幾何学的バックリングの二乗で除することによりエネルギ多群拡散係数を算出するステップとを有し、
    有限体系に対する微分散乱断面積を評価可能とすることを特徴とする原子燃料の核定数作成方法。
  2. 連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、
    乱数により中性子を模擬的に発生させるステップと、
    発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡するステップと、
    この中性子が前記注目領域に入射した場合にこの注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得するステップと、
    前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める演算ステップと、
    前記注目領域のエネルギ多群中性子束に対し前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める演算ステップと、
    前記注目領域内での中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集するステップと、
    前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める演算ステップと、
    前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前のエネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する演算ステップと、
    一様でない濃縮度分布をもつ原子燃料集合体に対し少なくとも2つの注目領域に分割し、この分割した各注目領域についてエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記分割した各注目領域のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数に前記分割した各注目領域のエネルギ多群中性子束またはこのエネルギ多群中性子束の逆数を重みとして原子燃料集合体全体の重み付平均を算出することで前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記原子燃料集合体を均質とした定数を作成するステップとを有し、
    有限体系に対する微分散乱断面積を評価可能とすることを特徴とする原子燃料の核定数作成方法。
  3. 連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、
    乱数により中性子を模擬的に発生させるステップと、
    発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡するステップと、
    この中性子が前記注目領域に入射した場合にこの注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得するステップと、
    前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める演算ステップと、
    前記注目領域のエネルギ多群中性子束に対し前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める演算ステップと、
    前記注目領域内での中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集するステップと、
    前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める演算ステップと、
    前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前の前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する演算ステップと、
    この微分散乱断面積を前記散乱後のエネルギについて積分することにより前記散乱前のエネルギ多群散乱断面積を算出する演算ステップと、
    散乱角を収集し算術平均により前記散乱前のエネルギ多群平均散乱余弦を算出する演算ステップと、
    前記散乱断面積と前記平均散乱余弦と前記エネルギ群多群反応断面積であるエネルギ多群吸収断面積からエネルギ多群拡散係数を算出するステップと、
    一様でない濃縮度分布をもつ原子燃料集合体に対し少なくとも2つの注目領域に分割し、この分割した各注目領域についてエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記分割した各注目領域の前記エネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数に前記分割した各注目領域のエネルギ多群中性子束またはこのエネルギ多群中性子束の逆数を重みとして原子燃料集合体全体の重み付平均を算出することで前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記原子燃料集合体を均質とした定数を作成するステップと、
    前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を適用して拡散計算により炉心設計を行なうステップとを有し、
    前記微分散乱断面積は有限体系に適用可能とすることを特徴とする炉心設計方法。
  4. 前記拡散係数は、前記注目領域から出射する中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得して流出中性子束を算出し、この流出中性子束を前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除しさらに幾何学的バックリングの二乗で除することにより算出する請求項3記載の炉心設計方法。
  5. 前記炉心設計は、前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群平均散乱余弦を適用して輸送計算により行なう請求項3記載の炉心設計方法。
  6. 前記炉心設計は、近代ノード法により行なう請求項3記載の炉心設計方法。
  7. 連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、
    乱数により中性子を模擬的に発生させる発生手段と、
    発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡する追跡手段と、
    この中性子が前記注目領域に入射した場合に、この注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得する領域内データ取得手段と、
    前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める中性子束演算手段と、
    前記注目領域のエネルギ多群中性子束に対して前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める反応率演算手段と、
    前記注目領域内での中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集する散乱時データ取得手段と、
    前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める反応断面積演算手段と、
    前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前の前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する微分散乱断面積演算手段と、
    前記注目領域から出射する中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得し流出中性子束を算出する流出中性子束演算手段と、
    この流出中性子束を前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除しさらに幾何学的バックリングの二乗で除することにより前記エネルギ群の拡散係数を算出する手段とを備え、
    有限体系に対する微分散乱断面積を評価可能に構成したことを特徴とする原子燃料の核定数作成装置。
  8. 連続エネルギモンテカルロ法による中性子輸送計算を用いて、計算体系の幾何学的配置、構成物質、構成物質の反応断面積、中性子の漏れが生じる有限体系における注目領域および多群に分類されたエネルギ群を入力情報とし、
    乱数により中性子を模擬的に発生させる発生手段と、
    発生した前記中性子の位置、エネルギおよび方角を模擬的に追跡する追跡手段と、
    この中性子が前記注目領域に入射した場合に、この注目領域に入射してから出射するまでの前記中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得する領域内データ取得手段と、
    前記ウェイトとトラック長を乗じ前記注目領域の中性子束を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群中性子束を求める中性子束演算手段と、
    前記注目領域のこのエネルギ多群中性子束に対し前記注目領域の中性子の反応断面積を乗ずることにより前記注目領域の反応率を算出し、前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群反応率を求める反応率演算手段と、
    前記注目領域内での中性子の散乱の有無を判別し、散乱が有る場合に前記中性子の散乱前のエネルギおよびウェイトを取得し、前記中性子のウェイトをこの散乱の前後のエネルギにより2次元配列に分類し収集する散乱時データ取得手段と、
    前記注目領域のエネルギ多群反応率を前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより前記注目領域のエネルギ多群反応断面積を求める反応断面積演算手段と、
    前記注目領域のエネルギ2次元配列に収集された前記ウェイトを前記散乱前の前記エネルギ群に対応する前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除することにより、前記散乱前のエネルギ群から前記散乱後のエネルギ群に遷移する確率である前記注目領域の微分散乱断面積を算出する微分散乱断面積演算手段と、
    散乱角を収集し算術平均により前記散乱前のエネルギ多群平均散乱余弦を算出する平均散乱余弦演算手段と、
    前記微分散乱断面積を前記散乱後のエネルギについて積分することにより算出される前記散乱前のエネルギ多群散乱断面積と、前記エネルギ多群平均散乱余弦と、前記エネルギ群多群反応断面積であるエネルギ多群吸収断面積とからエネルギ多群拡散係数を算出する拡散係数演算手段と、
    一様でない濃縮度分布をもつ原子燃料集合体に対し少なくとも2つの注目領域に分割し、この分割した各注目領域についてエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、
    微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記分割した各注目領域のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数に前記分割した各注目領域のエネルギ多群中性子束またはこのエネルギ多群中性子束の逆数を重みとして原子燃料集合体全体の重み付平均を算出することで前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を求め、前記原子燃料集合体を均質とした定数を作成する集合体均質化核定数取得手段と、
    前記原子燃料集合体平均のエネルギ多群吸収断面積、エネルギ多群生成断面積、微分散乱断面積およびエネルギ多群拡散係数を適用し、拡散計算による炉心設計を行なう拡散計算演算手段とを備え、
    前記微分散乱断面積演算手段によって算出される微分散乱断面積は有限体系に適用可能となるよう構成されたことを特徴とする炉心設計装置。
  9. 前記拡散係数演算手段は、前記注目領域から出射する中性子のウェイト、トラック長およびエネルギを取得して流出中性子束を算出して前記エネルギに対応して前記エネルギ群に分類し収集することにより前記注目領域のエネルギ多群流出中性子束を求める流出中性子束演算手段からこの流出中性子束を受け、この流出中性子束を前記注目領域のエネルギ多群中性子束で除しさらに幾何学的バックリングの二乗で除することにより拡散係数を算出するよう構成された請求項8記載の炉心設計装置。
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