JP3544065B2 - 簡易型燃焼度モニタ - Google Patents

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は使用済燃料等の燃料の燃焼度をモニタする簡易型燃焼度モニタに係り、特に、使用済燃料の燃焼度を非破壊的にモニタして、使用済燃料輸送容器あるいは使用済燃料収納ラックの臨界安全性を確保する際の使用済燃料の簡易型燃焼度モニタに関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉から取り出された使用済燃料は、所定期間使用済燃料収納ラック(以下燃料ラックという)に収納して放射能強度と発熱率の減衰を待った後、使用済燃料輸送容器に収納されて、再処理施設や長期貯蔵施設へ運ばれる。輸送容器は長期貯蔵容器として利用されることもある。輸送容器、輸送と貯蔵を兼ねる容器、および貯蔵を目的とする容器をキャスクと呼ぶことにする。
【0003】
再処理工場では、使用済燃料はキャスクから取り出して一旦再処理工場の燃料ラックに収納される。キャスクは非常に高価なものであり、また、燃料ラックも広い空間を利用して設置すると臨界安全上は好ましいものの、再処理施設の建設費が非常に高くつくため、キャスクや燃料ラックにはなるべく多くの使用済燃料を収納できることが望ましい。限られた範囲により多くの燃料を収納すると通常臨界になり易く、臨界安全性が脅かされる。実際には燃焼の進んだ使用済燃料の核分裂性物質の濃度は燃焼前のそれより低下しているため、臨界に成り難くなっている。
【0004】
この燃料の燃焼特性を利用すること(このことを燃焼度クレジットを取るという。)が許されれば、現実的には限られた範囲内により多くの使用済燃料を収納しても臨界になるのを防止し、臨界安全性が保たれる。『使用済燃料は所定値以上に燃焼が進んでいるため、限られた空間的範囲内に多くの使用済燃料を収納しても臨界になる恐れがない。』という特性を採用すれば臨界になる恐れはない。すなわち燃焼度クレジット(BUC)を採用すれば臨界安全性は確保される。その際、使用済燃料の燃焼度を非破壊的に評価する燃焼度モニタを燃焼度測定装置(燃焼度計測装置)として用いるのが好適である。
【0005】
使用済燃料の燃焼度を評価する目的のために、本発明者らは我が国最初の商業用再処理工場に設置される燃焼度計測装置を開発した。この燃焼度計測装置は再処理工場で使用済燃料を受け入れて燃料ラックに貯蔵する際に、臨界安全性を確保できるか否か、確保できれば燃料ラックに受け入れるし、確保できなければ受け入れられないと判定するものである。燃焼度計測装置の原理と構成の概念は、例えば、日本原子力学会「1992秋の大会」の論文B46およびB47において開示した。燃焼度計測装置の概念は論文B47の図面にも示した。ここでは燃焼度計測の原理と特徴を簡単に説明する。
【0006】
燃焼度計測の方法は使用済燃料の燃焼度、生成プルトニウム濃度、核分裂性物質濃度、中性子増倍率、冷却期間(原子炉照射が終了してこの測定を行うまでの期間)、中性子放出率などをパラメータとして原理の異なる複数の方法で非破壊的に求めるものである。これらのパラメータを総称して燃焼パラメータと呼ぶことがある。また簡単に『燃焼度』と呼び、燃焼度で燃焼パラメータの大部分または全てを評価することもある。本発明でも、最終的にはほとんど全ての燃焼パラメータを評価することが出来る。
【0007】
非破壊測定では一般に補正できない、あるいは予測できない系統誤差を生じる可能性があり、原理の異なる複数の測定方法を利用することによって燃焼度などの燃焼パラメータを求め、信頼度を確保することができる。
【0008】
以下、商業用の原子力発電所、再処理工場などで実用出来る本発明者らが開発した代表的な5種類の測定方法の概要を説明する。
【0009】
1)ガンマ線スペクトル分析法このスペクトル分析方法は使用済燃料の中に蓄積している核分裂生成物(以下FPという。)から放出されているガンマ線のスペクトルを測定分析して、FP濃度を評価し、その値、または比率を燃焼パラメータと相関付ける方法である。
【0010】
ガンマ線検出器としては通常Ge半導体検出器が用いられているが、極低温の液体窒素でGe半導体検出器を冷却しなければならない難点があり、維持管理が面倒であるだけでなく、検出器容器が大型となり、小型で簡易な測定には一般に好適でない。しかし、検出器容器の大型化や維持管理の困難さを低減する努力は続けられている。
【0011】
ガンマ線スペクトル分析方法で精度良い測定を行うためには、1点当たりの計測時間として3〜5分をかけることが望ましい。ガンマ線スペクトル分析方法により、Cs137、Cs134、Eu154、Pr144、Zr95、Nb95、La140等の測定が出来、燃焼度、Pu濃度、冷却期間等の評価が出来る。間接的には核分裂性物質濃度、中性子放出率、中性子増倍率の評価も可能である。
【0012】
2)グロスガンマ測定法この測定方法は使用済燃料から放出されているガンマ線をエネルギー分析することなく、まとめて計測する方法である。この測定方法では小型で構造が単純、測定も単純で短時間で行うことができるイオンチェンバーを用いることができる。Cd−Te半導体検出器を電流モードで使用する方法は比較的古くから研究されているが、近年開発されてきた光ファイバを備えたシンチレータ(シンチレータ付き光ファイバー)なども利用できる。
【0013】
グロスガンマ測定方法では燃焼度の相対分布が求められる。グロスガンマ測定方法で測定された結果をガンマ線スペクトル分析方法で得られた結果に規格化することによって能率よく、燃料の軸方向燃焼度パラメータを求めることができる。
【0014】
3)中性子放出率法中性子放出率方法を簡単に述べると、U238が6回の中性子捕獲反応で生成されるCm244から放出される中性子放出率を核分裂検出器などにより計測して、燃焼度とPu濃度を求め、間接的に他の燃焼パラメータを求める方法である。測定器が小型で測定時間も通常1分程度で良く、しかも測定の再現性が非常に優れている。しかし使用する相関関係を通常計算で求めなければならず、使用する計算の手法や較正方法によっては若干系統誤差を生じる可能性がある。
【0015】
4)アクティブ中性子増倍率法この方法は燃料集合体を挾んで一方側にCf252などの中性子源を配置し、対向する側面で中性子源に基づく増倍中性子を計測し、その測定値を中性子増倍率および/または核分裂性物質濃度と相関付ける方法である。両者は直接的に求められるため、臨界安全性確保の面からは非常に重要であるが、通常精度確保に細心の注意が必要である。しかし校正用燃料を用いることができればこの問題は大幅に緩和できる。中性子源として通常半減期があまり長くないCf252(2.65年)を用いるため、Cf252の維持管理問題もある。他の燃焼パラメータは中性子増倍率または核分裂性物質濃度から間接的に求められる。
【0016】
5)パッシブ中性子増倍率法この方法は使用済燃料の中に蓄積しているCm244などが放出する中性子を絶対強度を必要としない方法として利用し、燃料集合体の側面にCdなどの中性子吸収体を装着したときと取り外したときとの中性子束の比の測定から、アクティブ中性子増倍率法の場合と同じ中性子増倍率および/または核分裂性物質濃度を求めるものである。Cf252などの中性子源を必要としない方法であるが、測定装置がアクティブ中性子増倍率法の場合よりやや大きくなる。実用的な測定精度はアクティブ中性子増倍率法の場合と同じ程度であるが、到達できる原理的な精度はアクティブ中性子増倍率法の場合より若干劣る。
【0017】
次に、使用済燃料の燃焼度測定に用いられる従来の燃焼度モニタの測定原理を図12に詳しく説明する。
【0018】
図12では、検査ピット1という専用の小型水プールが設置され、その検査ピット1の厚いピット壁2を貫通してガンマ線計測用のコリメータ3が設けられている。使用済燃料集合体(以下使用済燃料という。)4は、検査ピット1の中央部において、図示しない燃料取扱機によって吊り下げられている。
【0019】
使用済燃料4を挟むように、放射線検出器5が使用済燃料4の軸方向に沿って多数配列されている。使用済燃料4を挾むように配置したのは、使用済燃料4の測定装置内の位置ずれによる測定精度の低下を抑制し、合わせて燃料の方向による放射能強度の差異を平均操作によって平均するためである。
【0020】
図12で検査ピット1内に配列された放射線検出器5のうち多数の検出器6はグロスガンマ測定用電離箱(積分型ガンマ線検出器の一種で、イオンチェンバとも呼ばれる。)であり、使用済燃料4の軸方向中央部で使用済燃料4を挟むように2個ずつ対に配置されているものは、中性子検出器、特にガンマ線に対する遮蔽をほとんど必要としない核分裂型中性子検出器(放出中性子測定用核分裂計数管)7である。イオンチェンバ6と中性子検出器7は図示しない検出器保持部によって保持されている。
【0021】
図12で最大の特徴は、ガンマ線スペクトル測定用に、ピット壁2を貫通したコリメータ3と液体窒素で冷却する必要のあるゲルマニウム(Ge)半導体検出器8を採用している点にある。このGe半導体検出器8は検査ピット1周りで遮蔽体9で覆われている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
燃焼度測定装置としての燃焼度モニタは、原子炉建屋建設前から設計された大型固定設置であるため、ピット壁2を貫通するコリメータ3を設置することが出来たが、この様な新設の原子炉建屋設備の場合でないと採用できない難点がある。また全体として燃焼度モニタが大型であると共に、この燃焼度モニタの装置を簡単に他の場所に運搬使用することができず、また運搬使用の考えもない。
【0023】
本発明は、上述した事情を考慮してなされるたもので、複数の原子炉施設間で燃焼度モニタを容易に移動させて共用し、小型で分解・片付け、組立が容易で使用済燃料等の燃料の燃焼度を非破壊的に測定することができる簡易型燃焼度モニタを提供することを目的とする。
【0024】
本発明の他の目的は、燃焼度クレジットを採用する輸送容器に使用済燃料等の燃料を収納したり、輸送容器から取り出して燃焼度クレジットを採用する燃料ラックに収納する際、燃料取扱作業を極力邪魔することなく、効率的に能率よく取扱い、燃料の燃焼度を有効的に効率よくモニタすることができる簡易型燃焼度モニタを提供するにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料の燃焼度モニタ方法は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、検出器ホルダに放射線検出器を収容した検出器容器を装着したモニタ本体と、このモニタ本体を所定のモニタ位置に取外し可能に設置するモニタ保持手段と、放射線検出器からの検出信号が信号線を介して伝達される計測信号処理装置とを備え、移動型燃料取扱機の一部にモニタ保持手段が取外し可能に設けられ、このモニタ保持手段はモニタ本体を水平方向に移動自在に支持し、前記燃料取扱機に吊り下げられた燃料集合体をモニタ本体が水平方向から係合可能に構成されたものである。
【0026】
上述した課題を解決するために、本発明に係る燃料の燃焼度モニタ方法は、請求項2に記載したように、検出器ホルダに放射線検出器を収容した検出器容器を平行に対に装着したモニタ本体と、このモニタ本体に設けられ自由端側が拡開し燃料集合体を対の前記検出器容器の間に案内する1対の燃料ガイドアームと、前記モニタ本体が着脱可能に取付けられ掛止用の取付フックを有するモニタ保持手段と、前記放射線検出器からの検出信号が信号線を介して伝達される計測信号処理装置とを有するものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係る燃焼度モニタの一実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0028】
図1は本発明を沸騰水型原子炉(BWR)の原子力発電所に適用した例を示すもので、BWRの原子炉建屋10の最上階の片側レイアウトを示す平面図である。原子炉建屋10の最上階には、原子炉11の頂部一側に使用済燃料貯蔵プール(以下、燃料プールという。)12が、他側に蒸気乾燥器・気水分離器ピット(図示せず)が、それぞれ設置される。原子炉11は定期検査時に運転が停止されるが、その運転停止期間中には燃料プール12は連絡路であるカナル13を介して原子炉ウェル14に連通される。BWRの運転中には、原子炉11の蓋は閉じられており、燃料プール12はカナル13に設けられるゲートで原子炉11から隔離される。
【0029】
燃料プール12内には水を張った状態で多数の燃料ラック15が収納されており、各燃料ラック15内に原子炉11から取り出された燃料集合体16が収容されるようになっている。燃料集合体16は燃料交換機等の移動型燃料取扱機17により原子炉11から取り出され、図示しないマストに吊り下げられ、水平移動して燃料ラック15に運ばれ、この燃料ラック15に所要期間保管される。燃料ラック15から逆に原子炉11へ運ばれる燃料集合体もある。
【0030】
また、燃料プール12の一区画をピット壁19で仕切り、キャスクピット20を燃料プール12内に形成している。ピット壁19は金属で表面が覆われる一方、キャスクピット20はピットゲート21を介して燃料プール12に連通可能に構成される。キャスクピット20内にはキャスク22が搬出入可能に収容される。原子炉11から取り出された使用済の燃料集合体(以下、使用済燃料という。)16は、燃料プール12の燃料ラック15内に一定期間貯蔵され、冷却された後、キャスク22に収容され、再処理工場へ搬出されるようになっている。
【0031】
使用済燃料16のキャスク22への収納は、移動型燃料取扱機17によってほぼ水平移動させることにより行なわれる。この燃料取扱機17は、燃料ラック15に収納されている使用済燃料16をマスト23(図2および図3参照)の先端に吊り下げて上部へ引き上げることで燃料ラック15から引き出し、ピットゲート21を経てキャスクピット20内に水平移動させて運び、キャスク22内に収納されるようになっている。この燃料取扱作業において、使用済燃料16の燃焼度をモニタするために、キャスクピット20の入口近傍に簡易型燃焼度モニタ25が燃焼度測定装置あるいは計測装置として設けられる。
【0032】
簡易型燃焼度モニタ25は、キャスク22に搬入される使用済燃料16の燃焼度を、前述したガンマ線スペクトル分析方法、グロスガンマ測定法または中性子計測放出率法を用いて評価したり、あるいは与えられた燃焼度の値が妥当か否かを確認し、判断するものである。簡易型燃焼度モニタ25は、ピットゲート21の近くで、キャスクピット壁19に取外し可能に設けられる。キャスクピット壁19に代えて燃料プール壁に取り付けてもよい。図2は、燃料プール12側からキャスクピット20のピットゲート21を臨む正面図であり、簡易型燃焼度モニタ25は、ピットゲート21の側方でキャスクピット壁19の頂部に取付フック26により掛止めされ、取外し可能に保持される。
【0033】
簡易型燃焼度モニタ25は、図2および図3に示すように、モニタ本体27を有し、このモニタ本体27はモニタ保持手段であるフレーム枠構造の保持フレーム28に着脱可能に一体的に取り付けられる。モニタ保持フレーム28は頂部に取付フック26が一体あるいは一体的に設けられる。
【0034】
一方、モニタ本体27は左右に対をなして長手方向に延びる竿状、柱状、筒状あるいはフレーム状の細長い検出器ホルダ30を対向して備える。検出器ホルダ30は一本であってもよい。左右一対の検出器ホルダ30,30は、図4に示す補強ブリッジ31で相互に連結され、補強枠組構造の検出器保持手段を備える。検出器保持手段としての検出器ホルダ30には検出器容器33,34が検出器ホルダ30から側方(前方)に突出するように、それぞれ対をなして列状かつ平行に対向設置される。検出器容器33,34内には図3に示すように、放射線を測定する放射線測定器としての放射線検出器35,36が収容される。この放射線検出器35,36で使用済燃料16の燃焼パラメータを計測している。図3は内部に収納された放射線検出器35,36の取付状態がわかるように放射線検出器35,36を透視図で表わしている。
【0035】
また、左右一対の検出器ホルダ30には、図4に示すように、燃料集合体16をモニタ本体27内に案内する燃料ガイドアーム37が左右に対向して設けられる。燃料ガイドアーム37は自由端側が拡開し、左右対をなす検出器容器33,34内に燃料集合体16が着脱可能にスムーズに案内され、セットされるようになっている。燃料集合体16は図1および図3に示すように、移動型燃料取扱機17のマスト23に吊り下げられて移動され、対をなす燃料ガイドアーム37の間を案内されて簡易型燃焼度モニタ25にセットされ、対向設置された検出器容器33,34間に挟持されるようになっている。
【0036】
一方、左右一対の検出器ホルダ30に取り付けられる検出器容器33,34は、複数種類の検出器容器、例えば円形(筒状)のものと方形(ボックス状)のものと2種類準備される。このうち、方形検出器容器34は、セット配置された燃料集合体16の重要部、例えば軸方向中央部付近に対応して一対配置され、方形検出器容器34の上方および下方に円形検出器容器33が列状に適宜間隔をおいて多数対(複数対)分散配置される。方形および円形の検出器容器34,33は燃料集合体16を挟むように配置され、燃料集合体16の位置ずれに伴う測定誤差の増大を抑制している。
【0037】
簡易型燃焼度モニタ25が単純構造を採用するものでは、円形検出器容器33の内部に、放射線測定器あるいは検出器35として積分型ガンマ線検出器であるグロスガンマ線測定用のイオンチェンバ(電離箱)が収納される。このイオンチェンバに代えてシンチレータ付き光ファイバ(光ファイバを備えたシンチレーション検出器)や、Cd−Teなどを電流モードで使用する積分型半導体検出器のような積分型ガンマ線検出器、または放出中性子測定用の核分裂計数管などの放射線測定器あるいは放射線検出器35を収納してもよい。これらの放射線測定器および検出器35でグロスガンマをガンマ線をエネルギ分析することなく求め、使用済燃料16の燃焼度の相対分布や軸方向燃焼度パラメータを能率よく求めることができる。
【0038】
多数対の円形検出器容器33の内部に収納した放射線検出器35は通常同じ規格のものを使用するが、放射線に対する感度は完全に同一ではないため、相互間の相対感度を求める必要がある。この相対感度は例えば燃料集合体16を軸方向に、円形検出器容器33の軸方向取付ピッチ分だけ動かして求めることができる。また、対をなす検出器容器33,33が燃料集合体16を挟むように配置されており、燃料集合体16の位置ずれに伴う測定誤差の増大を抑制している。燃料集合体16を挾んで対向する放射線検出器35,36,38の測定値を平均することによって、燃料集合体16の位置ずれに伴う測定誤差を大幅に低減できると共に、燃料集合体16の中の放射能強度の方向性もほとんど消去でき、測定している水平断面の平均値が得られる。
【0039】
また、方形検出器容器34に近接した円形検出器容器33の内部には放射線測定器あるいは検出器としての小型の核分裂型中性子検出器(以下、FCという。)が収納されている。加圧水型原子炉(PWR)のように水中に中性子吸収物質が含まれている場合には、その濃度を評価しながら燃焼度を評価する方法として、FC38をカドミウム(Cd)筒の内部に収納したものとCd筒を用いないものとを組み合わせて用いる方法がある。方形検出器容器の中にこのFC38は使用済燃料16に含まれるCm244からの中性子放出率を中性子放出率法により求め、燃焼度とPu濃度を求め、間接的に燃焼パラメータを求めることができる。
【0040】
さらに、方形検出器容器34の中には、核分裂型中性子検出器37を放射線検出器として収納してもよいが、図6および図7では、ガンマ線スペクトルを測定するために、スペクトル分析型ガンマ線検出器36を収納した例を例示している。このガンマ線検出器36としては、Cd−Zn−Te,Cd−Te,Cd−Te−Clなどの半導体検出器がある。Cd−Zn−Teの半導体検出器は、ペルチエ効果などを利用し、零下30℃程度に熱電対冷却すれば、液体窒素等の極低温冷却手段を用いて冷却しなくても、ガンマ線スペクトルの分解能が大幅に向上させ得ることがわかった。
【0041】
半導体検出器をスペクトル分析型ガンマ線検出器36として用いる場合、半導体検出器位置のガンマ線強度を大幅に低減させる必要があり、ガンマ線遮蔽体39が内部に収納される。このため、方形検出器容器34は他の円形検出器容器33より大型となっている。
【0042】
スペクトル分析型ガンマ線検出器36として用いられる半導体検出器では、半導体検出器と燃料集合体16との間で所定の特定方向にガンマ線を導くためのコリメータ40が設けられている。コリメータ40は燃料集合体16の幅方向全体からガンマ線を導くようになっており、斜め上下方向からのガンマ線は遮蔽体39で遮蔽される構造となっている。
【0043】
スペクトル分析型ガンマ線検出器36は、使用済燃料16の核分裂生成物(FP)から放出されるガンマ線のスペクトルを測定分析し、ガンマ線スペクトル分析法により、FP濃度を評価し、FP値またはその比率を燃焼パラメータと相関付けるものであり、燃焼度、Pu濃度、冷却期間の評価ができ、間接的には、FP濃度、中性子放出率、中性子増倍率の評価もできる。
【0044】
半導体検出器は燃料集合体16の近傍に配置しているため、半導体検出器はコリメータ40がなくても、近傍からのガンマ線を計測することができる。また、半導体検出器と燃料集合体16との間に必要に応じガンマ線吸収板を配置してもよい。
【0045】
ガンマ線スペクトルを測定しなければ、必ずしも方形検出器容器34を用いる必要がなく、円形検出器容器33でも差支えない。放射線検出器からの信号線41は、図3に示すように検出器ホルダ30の内部を通して導かれ、計測信号処理装置43に接続される。この計測信号処理装置43には、放射線検出器で検出された電気信号あるいは光信号等の検出信号が入力されて、信号処理される。検出器ホルダ30の軸方向長さは、燃料集合体16の軸方向(長手方向)長さより短尺に形成して、簡易型燃焼度モニタ25の分解・片付けに利便性を付与する一方、簡易型燃焼度モニタ25の収納容器の小形化を図り、その運搬を容易にしている。
【0046】
ところで、移動型燃料取扱機17を用いて燃料集合体16を取扱う燃料取扱作業の際には、キャスクピット20のピットゲート19は開かれており、ピット内部は燃料プール12と同じ水面レベルWLとなっている。キャスクピット20内に収容されたキャスク22は、その蓋を閉じた状態で、キャスク22上面は燃料ラック15上面とほぼ同じ高さとなるように、キャスクピット20の深さが決められている。
【0047】
燃料プール12内の燃料ラック15から使用済燃料集合体(使用済燃料)16を一体引き抜いてキャスクピット20内のキャスク22に収納させる燃料取扱作業の所要作業時間を仮に30分とすると、使用済燃料16を簡易型燃焼度モニタ25にセットして燃焼度を評価し、簡易型燃焼度モニタ25から取り出すまでの所要時間は通常3分から5分程度である。
【0048】
この使用済燃料の燃料取扱作業においては、キャスク22と燃料ラック15の各上面はほぼ同じ高さレベルHLであり、燃焼ラック15から引き抜かれた使用済燃料6は、図3に示すように、そのままほぼ水平方向に移動させて簡易型燃焼度モニタ25にセットできる。また、使用済燃料16の燃焼度を簡易型燃焼度モニタ25で非破壊的にモニタした後には、その燃焼度モニタ25をそのまま水平方向に取り出してピットゲート19からキャスクピット20内に水平移動させることができる。使用済燃料16の燃焼度をモニタする際、使用済燃料16を上下動させる余分な作業がないため、大幅な作業時間節約が可能となる。簡易型燃焼度モニタ25にセットされる使用済燃料16の高さ位置は、使用済燃料16を水平方向に移動させる際の高さとほぼ同じであり、燃料ラック15の運搬は図3に示すように水平移動される使用済燃料16の下端より下方に位置される。
【0049】
また、使用済燃料16を上下動させる際には、燃料ラック15や燃料保持装置等との干渉に細心の注意を払う必要があり、作業時間が掛かるとともに、作業の安全性確保にも注意が必要である。しかし、この燃料取扱作業では機器干渉の問題からも解放され、簡易型燃焼度モニタ25によって燃焼度を非破壊的に評価あるいは確認できるため、臨界安全性を確認しながら安全確実に使用済燃料16をキャスク22に収納することができる。
【0050】
さらに、簡易型燃焼度モニタ25による使用済燃料16の燃焼度は、セット配置された使用済燃料16の両側に多数対の放射線測定器(イオンチェンバや核分裂中性子検出器、スペクトル分析型、ガンマ線検出器)によって、グロスガンマ線、放出中性子やガンマ線スペンクトルが測定され、使用済燃料16の燃焼度がモニタされ、評価される。
【0051】
図8はスペクトル分析型ガンマ線検出器36としてCd−Te半導体検出器を用いて得られたガンマ線スペクトルの例である。
【0052】
図8(A)はガンマ線の標準線源としてセシウム137(Cs−137)およびコバルト60(Co60)を較正線源に用いたエネルギ較正時のガンマ線スペクトル、図8(B)は数年冷却した原子炉照射燃料(使用済燃料)からのガンマ線スペクトルである。図8において、縦軸の係数値を対数目盛りで表わしたものである。
【0053】
Cd−Te半導体検出器は、Ge半導体検出器の場合よりエネルギー分解能は悪いが、Cs137のフォトピーク662keVとCs134のフォトピーク800keVとは十分分離されており、燃焼度、冷却時間、Pu濃度等の測定評価には十分である。Cd−Zn−Te半導体検出器をペルチエ効果を利用して零下30度程度まで熱電対冷却する方法も最近開発されており、この場合には一段と分解能の良いガンマ線スペクトルが得られる。
【0054】
ペルチエ効果を利用してCd−Zn−Te半導体検出器を冷却した場合、検出器容器の内部で吸熱冷却部と発熱部が通常狭い場所に閉じ込められるため、除熱対策が必要である。発熱部にマイカなどの伝熱性絶縁物を当接させ、このマイカを金属性の検出器容器に密着させると電気ノイズ対策に優れ、かつ比較的効率よくプール水へ放熱することが出来る。冷却部と発熱部を分離できる場合にはこの問題は解消される。
【0055】
一方、スペクトル分析型ガンマ線検出器36によるガンマ線スペクトル測定は、他の放射線測定器での中性子測定やグロスガンマ線測定に比べて測定精度は良いが、通常測定時間がかかり、測定時間が長くなる。
【0056】
他方、核分裂型中性子検出器(FC)38を用いて中性子を測定する方法は、使用済燃料16の冷却期間(燃料プール内保管期間)が1年〜2年以内の場合には、キュリウム242(Cm242)の半減期の影響による補正が不要となる。このため、核分裂型中性子検出器(FC)だけの中性子測定でも、使用済燃料の燃焼度を精度良く求めることができる。したがって、ガンマ線スペクトル測定の統計精度は若干低くて確認測定的な利用でもよく、この確認程度の利用の場合には通常は短い測定時間で能率よく測定ができる。
【0057】
以上の説明では、燃料ラック15からキャスク22へ使用済燃料を運ぶ場合を想定したが、再処理工場などでは使用済燃料をキャスク22から取り出して燃焼度クレジットを採用した燃料ラックに収納する取燃料扱作業がある。この燃料取扱作業の場合にも、前述したキャスクへの燃料取扱作業と殆ど同じ作用・効果がある。また、簡易型燃焼度モニタ25は燃料取扱機17の一部、例えば図示しない手摺などに設置することもできる。この場合にも上記説明の内容はほぼ同様である。
【0058】
図9は本発明に係る簡易型燃焼度モニタの第2実施形態を示すものである。
【0059】
この実施形態に示された簡易型燃焼度モニタ25Aの全体的構成は図2および図3に示すものと実質的に異ならないので、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
図9は第1実施形態に示された簡易型燃焼度モニタの図4に対応する図である。この簡易型燃焼度モニタ25Aは、解体・片付け・組立時のモニタ収納容器をより小形とし、運搬を容易にするために、竿状、柱状、筒状あるいはフレーム状の細長い検出器ホルダ30を分割面を挟んで幅方向に複数個に分割している。図9では、検出器ホルダ30を軸方向に3つのホルダブロック44,45,46に分割可能に構成した例を示す。
【0061】
各ホルダブロック44,45,46は結合部材としてのカップリングプレート47で連結され、一体的に結合される。また、信号線48,49は図9に示すように取り出される。例えば、円形検出器容器33内に収容された放射線検出器からの信号線48は検出器ホルダ30内を通して取り出される。また、各方形検出器容器34内に収容された放射線検出器からの信号線49は、対をなす方形あるいはボックス状検出器容器の頂部から取り出される。
【0062】
簡易型燃焼度モニタ25Aの作用および燃焼度の評価は、図2ないし図8に示した簡易型燃焼度モニタ25と異ならないので、説明を省略する。この簡易型燃焼度モニタ25Aもキャスクピット20の入口付近においてピット壁19あるいは燃料プール壁頂部に取外し可能に、また、使用済燃料16を水平移動だけでモニタできるように取り付けられる。
【0063】
図10は本発明に係る簡易型燃焼度モニタの第3実施形態を示すものである。
【0064】
この実施形態に示された簡易型燃焼度モニタ50は、図10に示すように、キャスクピット20のピットゲート21を挟んで一側に簡易型主燃焼度モニタ51を、その他側に補助放射線測定装置52をそれぞれ取外し自在に設置したものである。簡易型主燃焼度モニタ51は、第1実施形態で説明した簡易型燃焼度モニタであり、補助放射線測定装置52は、主燃焼度モニタ51から若干の距離をおいて補助的かつ臨時的に燃料プール12内に吊り降され、取付フック53で掛止めされて設置される。
【0065】
補助的放射線測定装置52は、例えば補助ガンマ線スペクトル測定装置である。図10に示した簡易型燃焼度モニタ50は、主燃焼度モニタ(図2および図3に示す簡易型燃焼度モニタ25に相当する。)51をできるだけ単純かつ簡素に構成し、主燃焼度モニタ51から大型化しがちなガンマ線スペクトル測定器を取り離したものである。
【0066】
すなわち、図10に示された簡易型燃焼度モニタ50では、ガンマ線遮蔽のために大型化しがちなガンマ線スペクトル検出器を、補助的放射線測定装置52として主燃焼度モニタ51から独立させ、切り離す。主燃焼度モニタ51では、核分離型中性子検出器(FC)である核分裂計数管により中性子を計測して燃焼パラメータを測定する。しかし、核分裂型中性子検出器による中性子計測では、使用済燃料16の冷却期間が短い場合に、系統誤差(測定誤差)が出がちである。
【0067】
この場合、補助的放射線測定装置52を使用し、測定値の信頼度を確保し、通常の使用済燃料16の燃焼度測定時間の短縮を図っている。
【0068】
また、補助的放射線測定装置52は、主燃焼度モニタ51に備えられたスペクトル分析型ガンマ線検出器であるCd−Zn−Teなどの半導体検出器によるスペクトル測定が、ガンマ線強度が強過ぎて困難な場合の後備測定装置として使用される。
【0069】
Cd−Zn−Teなどのスペクトル測定型半導体検出器の測定可能な許容ガンマ線強度範囲は、あまり広くない。ガンマ線強度が強過ぎると半導体検出器によるスペクトル測定が困難となり、弱過ぎると、スペクトル束に時間がかかり過ぎる。このとき、補助的放射線測定装置を必要に応じて使用し、ガンマ線強度如何による難点を解消している。
【0070】
補助的放射線測定装置52に用いられるガンマ線スペクトル測定装置(ガンマ線スペクトル検出器)には、図11に示すように、筒状の検出器容器54内に収容される冷却容器としての液体窒素容器のジュワービン55の容量を最小にしたり、必要なときだけ冷却する電気冷却式Ge半導体検出器、Cd−Zn−Te半導体検出器、冷却を必要としないNaIシンチレータなどを用いて小型化を図っている。
【0071】
放射線検出器56であるガンマ線スペクトル検出器には、使用済燃料16との間に簡易的なコリメータ57が設けられ、測定方向以外の上下方向からのガンマ線を遮蔽体58である程度遮蔽している。
【0072】
補助的放射線測定装置52は、検出器容器54内でコリメータ57を変形例として360度方向に開口させることができ、この場合には、補助的放射線測定装置52が回転しても、使用済燃料16の所定の高さ方向からのガンマ線を測定することができる。いずれにしても、補助的放射線測定装置52は、検出器容器54外部にコリメータ57を設けない単純な構成とされており、この放射線測定装置52と使用済燃料16との距離は、無理して正確に保持する必要はない。例えばCs134の800keVのガンマ線フォトピーク計数率とCs137の662keVのフォトピーク計数率との比は距離が多少変化しても大きな変化は生じないので、比較的小規模の補正を行うだけで燃焼度、冷却時間、Pu濃度等を評価できる。
【0073】
なお、本発明の簡易型燃焼度モニタでは、アクティブ中性子およびパッシブ中性子増倍法を用いた装置は説明しなかったが、わずかな設計変更でこれらを用いるようにすることができる。
【0074】
アクティブ中性子増倍法ではCf252中性子源を燃料重要部(例えば長さ方向の中央付近など)の側面で上下に30cm程度以上駆動できるようにし、燃料を挟んで対向する側面の中性子検出器の計数率の変化から中性子源に伴う増倍中性子を求めて中性子増倍率あるいは核分裂性物質の濃度を求めることができる。パッシブ中性子増倍法ではCd板を燃料に近付けたときと離したときとの中性子計数率の比からアクティブ中性子増倍法と同じ燃焼パラメータが得られる。これらの変形構造も容易に考えられる。例えば、アクティブ中性子増倍法では中性子源を燃料の軸と直角方向に駆動しても良いが装置がやや複雑になる。
【0075】
また、パッシブ中性子増倍法ではCd板を上下に移動する方法も考えられるが、やはり装置が複雑になる。このパッシブ中性子増倍法では燃料の全面をCd板で覆うと燃料を上下に動かす必要が出てくる。燃料の上下動を避けるために燃料(燃料集合体)の対向する2面のみにCd板を用いると測定精度の低下を招くことになり、目的に応じて採用すべきか否かの判断をすることになる。
【0076】
さらに、本発明の実施形態では、簡易型燃焼度モニタをキャスクピット20のピットゲート21近くでピット壁あるいは燃料プール壁頂部に掛止めして取外し可能に設置し、保持した例を示したが、簡易型燃焼度モニタを手摺に保持させることもできる。
【0077】
移動型燃料取扱機17にも手摺が備えられているので、この手摺を利用して簡易型燃焼度モニタ25,25Aを容易に移動させることができる。
【0078】
その際、留意することは、燃料取扱機のマストは通常上下に移動するものであり、水平方向には移動しない。燃料集合体の水平移動は燃料取扱機自体の移動により行なわれる。したがって、燃料取扱機の一部に簡易型燃焼度モニタを取り付ける場合、このモニタは水平方向に若干移動できる構造に設計し、燃料集合体が燃料ラックから引き抜かれた状態で簡易型燃焼度モニタが燃料集合体に係合可能となるように設計される。
【0079】
この場合、簡易型燃焼度モニタは、モニタ本体がモニタ保持手段に水平方向に移動自在に支持され、モニタ保持手段が移動型燃料取扱機の一部に着脱自在に設けられる。そして、燃料取扱機に吊り下げられた燃料集合体をモニタ本体が係合可能にとなるように構成されている。
【0080】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る簡易型燃焼度モニタは、燃料ラックとキャスクとの間に簡易型燃焼度モニタを配置でき、使用済燃料等の燃料集合体をほぼ水平方向に移動させる途中で短時間に高さを変えることなく、燃料の燃焼度あるいは燃焼パラメータを測定あるいは確認でき、燃料取扱作業に殆ど悪影響を与えることなく、キャスクや燃料ラックなどの燃料収納装置の臨界安全性を確保できる。したがって、燃焼度クレジットを安全に保つことができ、使用済燃料等の燃料輸送や貯蔵を燃焼度クレジットを保って安全かつ経済的に行なうことができる。
【0081】
また、簡易型燃焼度モニタは、小型で解体・片付け・組立が容易にでき、不使用時にはコンパクトに保管できる一方、類似プラントである原子炉施設間を容易に運搬でき、共用化が可能となる。
【0082】
さらに、本発明に係る簡易型燃焼度モニタによれば、燃料プール壁やキャスクピット壁あるいは移動型燃料取扱機の一部に容易に着脱できる簡易型燃焼度モニタであるので、装着、分解および移動が容易であり、燃料移動の中途で一時的に簡易型燃焼度モニタに立ち寄らせるだけで、燃料の燃焼度を短時間に測定することができ、燃料取扱い作業にも殆ど悪影響を与えることを未然にかつ確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る簡易型燃焼度モニタを設置した沸騰水型原子炉建屋の最上階レイアウトを示す部分的な平面図。
【図2】本発明に係る簡易型燃焼度モニタの一実施形態を示す取付状態の正面図。
【図3】本発明に係る簡易型燃焼度モニタの一実施形態を示すもので、一部を透過状態で示した側面図。
【図4】図2に示すA部を拡大して示す斜視図。
【図5】図3のV−V線に沿う平面図。
【図6】図3のVI−VI線に沿う平断面図。
【図7】図6に示す放射線検出器を示す断面図。
【図8】スペクトル分析型ガンマ線検出器としてCd−Te半導体検出器を用いて測定したガンマ線スペクトルの測定例で、(A)は較正線源のガンマ線スペクトル、(B)は使用済燃料のガンマ線スペクトルをそれぞれ表わす測定図。
【図9】本発明に係る簡易型燃焼度モニタの第2実施形態を示すもので、図4に対応する斜視図。
【図10】本発明に係る簡易型燃焼度モニタの第3実施形態を示す図。
【図11】図10のB部を拡大して示す図。
【図12】再処理工場に設置される従来の燃焼度計測装置である固設型燃焼度モニタを示す図。
【符号の説明】
10 原子炉建屋
11 原子炉
12 使用済燃料貯蔵プール(燃料プール)
13 カナル
14 原子炉ウェル
15 燃料ラック
16 燃料集合体(燃料、使用済燃料)
17 移動型燃料取扱機(燃料交換機)
19 ピット壁
20 キャスクピット
21 ピットゲート
22 キャスク
23 マスト
25,25A 簡易型燃焼度モニタ(放射線測定装置)
26 取付フック
27 モニタ本体
28 モニタ保持フレーム(モニタ保持手段)
30 検出器ホルダ(検出器保持手段)
33,34 検出器容器
35 放射線測定器または検出器(積分型ガンマ線検出器、イオンチェンバ)
36 放射線測定器または検出器(スペクトル分析型ガンマ線検出器、核分裂型中性子検出器)
37 燃料ガイドアーム
38 放射線測定器または検出器(核分裂型中性子検出器)
39 遮蔽体
40 コリメータ
41,48,49,59 信号線
44,45,46 ホルダブロック
47 カップリングプレート(結合部材)
50 簡易型燃焼度モニタ
51 主燃焼度モニタ
52 補助放射線測定装置(補助ガンマ線スペクトル測定装置)
53 取付フック
54 検出器容器
55 ジュワービン(液体窒素容器)
56 放射線検出器(ガンマ線スペクトル検出器)
57 コリメータ
58 遮蔽体

Claims (2)

  1. 検出器ホルダに放射線検出器を収容した検出器容器を装着したモニタ本体と、このモニタ本体を所定のモニタ位置に取外し可能に設置するモニタ保持手段と、放射線検出器からの検出信号が信号線を介して伝達される計測信号処理装置とを備え、移動型燃料取扱機の一部にモニタ保持手段が取外し可能に設けられ、このモニタ保持手段はモニタ本体を水平方向に移動自在に支持し、前記燃料取扱機に吊り下げられた燃料集合体をモニタ本体が水平方向から係合可能に構成されたことを特徴とする簡易型燃焼度モニタ。
  2. 検出器ホルダに放射線検出器を収容した検出器容器を平行に対に装着したモニタ本体と、このモニタ本体に設けられ自由端側が拡開し燃料集合体を対の前記検出器容器の間に案内する1対の燃料ガイドアームと、前記モニタ本体が着脱可能に取付けられ掛止用の取付フックを有するモニタ保持手段と、前記放射線検出器からの検出信号が信号線を介して伝達される計測信号処理装置とを有することを特徴とする簡易型燃焼度モニタ。
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