JP2002235077A - 有機el材料及びそれを用いた有機el素子 - Google Patents

有機el材料及びそれを用いた有機el素子

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真嗣 松尾
Kazuo Ishii
和男 石井
Hiroshi Miyazaki
浩 宮崎
Toshihisa Yuki
敏尚 結城
Hitoshi Nakada
仁 仲田
Tatsufumi Murayama
竜史 村山
Yasuhiko Sawada
恭彦 澤田
Tsutomu Uchijo
強 内城
Yoshinori Fukuda
善教 福田
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Pioneer Corp
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    • H10K85/324Metal complexes comprising a group IIIA element, e.g. Tris (8-hydroxyquinoline) gallium [Gaq3] comprising aluminium, e.g. Alq3

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐久性に優れる有機エレクトロルミネッセン
ス(EL)素子及びその正孔輸送層又は発光層に使用され
る材料の製法を提供する。 【解決手段】 Nを2〜4個有する第三級アリールアミ
ン化合物からなる有機EL素子材料において、不純物とし
て、該第三級アリールアミン化合物よりトリアリールア
ミンを形成するNが1つ少ない化合物(A)又はジアリー
ルアミノ基を形成するNが1つ多い化合物(B)を含み、
且つ、その含有量が、化合物(A)が1wt%以下又は化合
物(B)は2wt%以下である有機EL素子材料。第三級ア
リールアミン化合物は(Ar1Ar2 N-)2-Ar3 、(Ar1Ar2
N- Ar3-)3-N、(Ar1Ar2N- Ar3-)2-N-Ar4 、(Ar1Ar2
N-)4-Ar5 (Ar1、Ar2及び Ar4は独立に1価のアリー
ル基、Ar3は独立に2価のアリール基、Ar5は4価のアリ
ール基)の化合物から選択される。本有機EL素子材料は
正孔輸送層24等に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規フラットパネ
ルディスプレーとして重要性を増しつつある有機エレク
トロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともい
う)の構成材料となる3級アリールジアミン系の有機エ
レクトロルミネッセンス素子材料(以下、有機EL材料
ともいう)及びそれを利用した素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電界発光を利用したエレクトロルミネッ
センス素子は、自己発光のため視認性が高く、また完全
固体素子であるため耐衝撃性に優れるなどの特徴を有す
ることから、各種表示装置における発光素子として注目
されている。このEL素子には、無機化合物を用いた無
機EL素子と有機化合物を用いた有機EL素子とがあ
り、このうち有機EL素子は、印加電圧を大幅に低くす
ることができること等の利点から次世代の表示素子とし
てその実用化研究が積極的になされている。
【0003】有機EL素子は、発光層を含む有機化合物
層と、この有機化合物層を挟持する一対の電極から構成
され、具体的には陽極/発光層/陰極の構成を基本と
し、これに正孔輸送層や電子輸送層を適宜設けたもの、
例えば陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
や、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極など
の構成のものが知られている。この正孔輸送層は、正孔
注入層から注入された正孔を発光層に伝達する機能を有
し、また電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光
層に伝達する機能を有している。そして、この正孔輸送
層を発光層と正孔注入層間に介在させることによって、
より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、さらに
発光層に陽極又は電子輸送層より注入された電子は、正
孔輸送層が電子を輸送しないので、正孔輸送層と発光層
との界面に蓄積され、発光効率が上昇することが知られ
ている。
【0004】有機EL素子中の正孔輸送層は一般に10
〜200nmと非常に薄いため、上記のように素子に全体
にかかる電界強度は小さいものの、単位厚さあたりに加
えられる電界強度は非常に大きい。また、発光や通電に
よる発熱(ジュール熱)もあり、したがって正孔輸送層
は電気的、熱的に過酷な使用環境にあり、素子の駆動時
間と伴に分子の凝集や結晶化等の発光の阻害や素子破壊
といった素子の劣化をもたらす現象が進行する。更に、
上記のような薄膜状態での正孔輸送層の変化は、隣接す
る正孔注入層や発光層との界面の密着性をも悪化させ、
剥離による電気的接触がとれなくなる劣化も起こり得る
と考えられる。
【0005】EL素子に用いられる有機化合物層の材料
としては、例えばコダック社C.W.Tang、S.A.VanSlykeら
によりAppl.Phys.Lett.,51(1987)913頁に発表された
銅フタロシアニン(CuPC;正孔注入材料)、N,N'-ジ-
(3−メチルフェニル)- N,N'-ジフェニル-ベンジジン
(TPD;正孔輸送材料)、トリス(8−キノリノール)
アルミニウム(Alq3;発光、電子輸送材料)が代表的な
材料として知られている。
【0006】一方、素子寿命に最も大きな影響を与える
といわれる正孔輸送材料については、有機感光体電荷輸
送材料として開発されてきた第三級アリールアミン化合
物の使用が検討され、種々の第三級アリールアミン化合
物が提案されている。すなわち、特開平1−14265
7号公報には第三級アリールアミン化合物であるTPD
が提案されている。そして、特開平5−234681号
公報では、トリアリールアミンを構成する窒素原子を少
なくとも2つ有する種々の第三級アリールアミン化合物
が正孔輸送材料として有効であることが記載されてい
る。また、豊田中央研究所R&Dレビュー第33巻第2
号第3〜22頁には、TPD、m-MTDATA、α-N
PB、HTM-1、スピロ-TPD等の各種トリフェニル
アミン誘導体が正孔輸送材料として優れることが記載さ
れ、トリアリールアミンを構成する窒素原子を2〜4個
有する化合物が例示されている。
【0007】第三級アリールアミン化合物の製造方法に
ついては、上記刊行物には記載されていないが、公知の
反応として、アリールアミン化合物とハロアリール化合
物とを、炭酸カリウムのようなアルカリと、銅紛又はハ
ロゲン化銅の存在下に、溶媒中、150℃以上の高温で
反応させる方法がある。例えば、特開平9−19444
1号公報では、N,N'-ジ-1-ナフチル-4,4'-ベンジジン
を出発原料とし、これを無水炭酸カリウムと銅紛の存在
下、溶媒中で各種のモノヨードアリール化合物と反応さ
せて、トリアリールジアミン誘導体を得ている。アリー
ルアミン化合物とハロアリール化合物の種類やモル比を
変化させることにより、トリアリールアミンを構成する
窒素原子を2〜4個有する化合物が任意に合成できる。
かかる反応は高温で行われるため、各種の不純物が副生
するため、カラムクロマトグラフ分離等により精製され
て使用される。
【0008】ところが、これら第三級アリールアミン化
合物の正孔輸送材料の開発に関して、ガラス転移点など
の物理特性についての報告は多くなされているものの、
上記Alq3のような不純物等の品質上の問題についての報
告は全くなされておらず、信頼性高く実用素子を製造す
るうえで不可欠な材料の管理指標が存在しないことが大
きな問題となることが予想された。例えば、前記特開平
5−234681号公報には第三級アリールアミン化合
物であるNPBを正孔輸送層に用いた場合、比較例に比
して輝度の低下が抑制されるとされ、100時間、20
0時間での輝度減衰率がそれぞれ12%、19%である
ことが示されているが、このとき用いられた材料におけ
る品質上具備すべき要点についての記載は一切示されて
いない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
EL素子として優れた機能を発現せしめる正孔輸送材、
特に経時的発光強度の劣化が少なく、且つ信頼性にも優
れた、実用レベルに耐え得る高品質の第三級アリールア
ミン化合物からなる有機EL材料及びこれを使用したE
L素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
特開平5−234681号公報等に記載されている第三
級アリールアミン化合物化合物の品質を改良することを
通して、発光特性と信頼性のいずれにも優れており、実
用レベルに耐え得る正孔輸送材料の開発について鋭意検
討した結果、発光強度、耐久性及び信頼性を低下させる
原因が通常の方法により調製された第三級アリールアミ
ン化合物に特徴的に含まれる不純物であることを見出
し、これらの不純物含有量を減じるための精製方法をも
検討し、これらの不純物が一定量以下の範囲において含
有量の減少と共に、これを用いた有機EL素子の耐久性
が劇的に改善されること見出した。そして、これらの微
量不純物量を一定量以下に制御することにより、優れた
耐久性を有する有機EL素子を得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0011】本発明は、トリアリールアミンを形成する
窒素原子を2〜4個有する第三級アリールアミン化合物
からなる有機エレクトロルミネッセンス材料において、
不純物として、該第三級アリールアミン化合物よりトリ
アリールアミンを形成する窒素原子が1つ少ない化合物
(A)又はトリアリールアミンを形成する窒素原子が1つ
多い化合物(B)を含む粗第三級アリールアミン化合物を
精製して得られ、且つ、その含有量が、化合物(A)が1
wt%以下又は化合物(B)が2wt%以下であることを特徴
とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料である。
また、本発明は、前記第三級アリールアミン化合物が、
次式、 (Ar1Ar2 N-)2-Ar3 (1)、(Ar1Ar2N- Ar3-)3-N (2)、(Ar1Ar2N- Ar3 -)2-N-Ar4 (3)、(Ar1Ar2 N-)4-Ar5 (4) (但し、式(1)〜(4)において、Ar1、Ar2及び Ar4
は独立に1価のアリール基、Ar3は独立に2価のアリー
ル基、Ar5は4価のアリール基を示す)で表される化合物
から選択されるものである有機エレクトロルミネッセン
ス素子材料である。更に、本発明は、前記第三級アリー
ルアミン化合物が、次式 、Ar1-G-A2 (5) (但し、A1及びA2は独立にジアリールアミノ基、Gは2
価のアリール基を示す)で表される化合物である有機エ
レクトロルミネッセンス素子材料である。また、本発明
は、前記第三級アリールアミン化合物がN,N'-ジ-(ナフ
タレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(以下、
NPBという)である有機エレクトロルミネッセンス素子
材料である。
【0012】また、本発明は、前記の有機エレクトロル
ミネッセンス素子材料を、有機エレクトロルミネッセン
ス素子の正孔輸送層又は発光層に存在させることを特徴
とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。更
に、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子寿命
試験において、初期発光輝度が10%減衰する運転時間
が100時間を越えることを特徴とする前記の有機エレ
クトロルミネッセンス素子である。
【0013】また、本発明は、芳香族環に置換したハロ
原子を1個以上有するハロアリール化合物と、アリール
アミン化合物とを触媒の存在下で反応させて得られる粗
第三級アリールアミン化合物を昇華精製又は蒸留精製し
て、化合物(A)が1wt%以下又は化合物(B)が2wt%以
下の第三級アリールアミン化合物とすることを特徴とす
る前記の有機エレクトロルミネッセンス材料の製造方法
である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いう第三級アリールアミン化合物は、窒素原子が3個の
芳香族環と直接結合して形成するトリアリールアミン窒
素を2〜4個有する化合物であり、ヘテロ環構成窒素原
子以外はその他の窒素原子を含まない。また、芳香族環
は、単環、縮合又は非縮合多環、ヘテロ芳香族を含み、
有機EL材料としての特性を有する範囲において置換基
を有し得る。化合物(A)は、有機EL材料となる第三級
アリールアミン化合物より、トリアリールアミン窒素が
一つ少ない化合物であり、前記と同様、ヘテロ環構成窒
素原子以外はその他の窒素原子を含まない。すなわち、
ジアリールアミンが芳香族環から一つとれた構造を有す
る。化合物(B)は、有機EL材料となる第三級アリール
アミン化合物より、トリアリールアミン窒素が一つ多い
化合物であり、前記と同様、ヘテロ環構成窒素原子以外
はその他の窒素原子を含まない。すなわち、ジアリール
アミンが芳香族環に一つ余計に付加した構造を有する。
本発明でいう粗第三級アリールアミン化合物は、化合物
(A)及び化合物(B)のどちらか一方又は両方が一定量以上
含むものを言い、製造工程から得られた物のみならず、
これを予備的に精製したものを含み得る。本発明で使用
する第三級アリールアミン化合物中の、化合物(A)及び
化合物(B)は、その使用の態様によってはどちらか一方
が一定量以下の含有量であればよいが、両者とも一定量
以下であれば、使用の態様に係らず良好な効果を奏する
ため、使用価値が高い。また、第三級アリールアミン化
合物は、有機EL材料としての特性を有する他、比較的
高いTg、例えば50℃以上、を有することが必要であ
り、また、蒸着積層するため分解温度以下で一定以上の
蒸気圧を有することが必要である。
【0015】従来、EL素子の発光強度及び耐久性にお
ける問題が、正孔輸送材料の品質が充分ではないことに
由来するであろうという推測はあったものの、その正孔
輸送材料中にどの様な不純物が、どの程度含まれている
のか、その不純物とEL素子の特性との因果関係等を解
明しようとする試みはなされておらず、ましてや、正孔
輸送材に含まれる特定の不純物が特定の波長を発光する
発光材に特異的に劣化をもたらす等という発想は全くな
かった。更に、これらの正孔輸送材料を発光材料に転用
した場合に、これら不純物が発光に対してどのような影
響を及ぼすかについても検討はされていなかった。従っ
て、当然上記問題を品質面の改良により解決する手段も
示されておらず、そのため、従来の第三級アリールアミ
ン化合物においては、現在までの製品が品質上の限界が
あり、それが材料自身のEL素子の長寿命化における限
界であろうと考えられてきた。
【0016】文献等で一般的に使用されているウルマン
(Ullmann)反応法等によって調製した第三級アリール
アミン化合物に含まれる不純物を分析したところ、反応
条件により多少変化するものの、反応後の粗生成物中に
は化合物(A)が約5%以上、化合物(B)が約5%以上含ま
れていることが判った。一般に、第三級アリールアミン
化合物の合成に使用されるウルマン反応は、高温(20
0℃程度)の反応条件を必要とすることから難溶性のタ
ール状物質を初めとした種々の副生成物が生じることが
知られている。従って、この様な方法で製造された3級
アリールジアミンには必然的に種々の副生成物を多量に
含むことになり、上述の化合物(A)、(B)は反応副成物で
あることが推察された。
【0017】もう一つの可能性としては、化合物(A)、
(B)が反応機構上、出発原料中に含まれるであろう不純
物由来であることも考えられたが、使用した出発原料の
分析を行った結果、化合物(A)、(B)の由来となる1置換
又は3置換の不純物は痕跡量も見出すことはできなかっ
たことから、原料由来ではないことが確認された。更
に、反応時間や反応温度を変化させることにより上記不
純物量が増減すること等からも、これらの不純物は反応
系中で生成した第三級アリールアミン化合物又はその中
間体から副生するものであることが支持された。
【0018】更に、第三級アリールアミン化合物の合成
法については、最近トリアルキルホスフィン類とパラジ
ウム化合物を触媒として用い、温和な反応条件による合
成方法(特開平10−139742号公報)も報告され
ているが、この方法においても、化合物(A)が約3%、
化合物(B)が約10%程度生成することが確認された。
【0019】これら副生成物の反応時での生成を抑制す
ることは困難であるとしても、一旦反応で生成した副生
成物を反応後除去する手段も考えられる。一般的には、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー等を用いた吸着分
離により除去するが、化合物(A)、(B)のような構造を有
する不純物は目的とする第三級アリールアミン化合物に
構造が類似しているため、このような方法で完全に除去
することは極めて困難である。
【0020】また、別の手段として、「分子蒸留」や
「昇華精製」に用いられる装置を用いて除去することも
考えられる。「実験化学講座」(丸善)「基本操作1」
中には、ガラス製の精製装置が紹介されているが、目的
精製物原料に沸点が近い不純物が含有される場合、捕集
部の精密な温度制御が行われていないため、目的精製物
だけでなく、化合物(A)、(B)のような目的精製物に沸点
が近い不純物も同時に凝縮捕集されてしまい、充分な純
化が行われない。
【0021】上述の様に、通常の方法で反応して得られ
た粗第三級アリールアミン化合物は、上記化合物(A) 及
び(B)の含有量が高く、それを更に通常の方法で精製し
ても、これらの不純物含有量を減じるための有効な手段
とはならない。加えて、不純物の化合物(A)、(B)の含有
量が一定量以下ならないと、これを用いた有機EL素子
の耐久性が改善されないので、従来の方法で粗第三級ア
リールアミン化合物を純化しても、化合物(A)、(B)の含
有量は、有機EL素子の耐久性を向上させる程には減じ
ることができなかった。従って、従来の第三級アリール
アミン化合物には必然的に品質上の限界があり、それが
材料自身のEL素子の長寿命化における限界であろうと
考えられていた。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL材料は、前記第
三級アリールアミン化合物からなる。第三級アリールア
ミン化合物としては、前記式(1)〜(4)で表される
化合物から選択される化合物や前記式(5)で表される
化合物がある。前記式(1)において、Ar1、Ar2は独立
に1価のアリール基であるが、いずれか一つが縮合環で
あることが好ましく、Ar3は2価のアリール基である
が、4,4-フェニレン基、4,4'-ビフェニレン基等が好ま
しいものとして挙げられる。前記式(2)において、Ar
1、Ar2は独立に1価のアリール基であるが、両者が単環
であることが好ましく、Ar3は2価のアリール基である
が、4,4-フェニレン基、4,4'-ビフェニレン基等が好ま
しいものとして挙げられる。前記式(3)において、Ar
1、Ar2及び Ar4は独立に1価のアリール基であるが、い
ずれも単環であることが好ましく、Ar3は2価のアリー
ル基であるが、4,4-フェニレン基、4,4'-ビフェニレン
基等が好ましいものとして挙げられる。前記式(4)に
おいて、Ar1、Ar2は独立に1価のアリール基であるが、
いずれも単環であることが好ましく、Ar5は4価のアリ
ール基であるが、2つのフルオレン環が9-位で結合した
2量体等の4価の基が好ましいものとして挙げられる。
前記式(5)において、A1及びA2は独立にジアリールア
ミノ基を示すが両者が同じであるものが製造上有利であ
る。また、Gは2価のアリール基を示すが、4,4-フェニ
レン基、4,4'-ビフェニレン基等が好ましいものとして
挙げられる。なお、上記した様に芳香族環にはEL材料
としての性能を阻害しない範囲において置換基を有する
ことができる。かかる置換基としてはメチル基、エチル
基等の低級アルキル基、ハロ、アルコキシ基等がある。
また、アリール基は、第三級窒素と結合する芳香族環の
間にメチレン等のアルキレン基、酸素、硫黄等を有する
こともできる。
【0023】また、上記式(1)〜(4)の化合物の合
成法としては、次のような方法がある。 式(1):(Ar1Ar2 N-)2-Ar3← 2 Ar1Ar2N-H +(X-)2Ar3 式(2):(Ar1Ar2 N-Ar3-)3N ← 3 Ar1Ar2 N-H + (X-Ar3-)3-N 式(3):(Ar1Ar2N-Ar3-)2N-Ar4 ← 2 Ar1Ar2N-H + (X-Ar3-)2N-Ar4 式(4):(Ar1Ar2N-)4-Ar5 ←4 Ar1Ar2N-H + (X-)4Ar5 そして、上記式(1)〜(5)に対応する化合物(A)及
び(B)としては、次のような式で表される化合物が挙げ
られる。なお、(A) 及び(B)は化合物(A)及び(B)を意
味する。 式(1):(A);Ar1Ar2N-Ar3-H 、(B);[(Ar1Ar2 N-)2-Ar3][-NAr1Ar2] 式(2):(A);(Ar1Ar2N-Ar32N-(HAr3) 、(B);[(Ar1Ar2N-Ar33N][-NAr 1 Ar2] 式(3):(A);(Ar1Ar2N-Ar3-)(HAr3-)N-Ar4、(B);[(Ar1Ar2N-Ar3-)2 N-A r4] [-NAr1Ar2] 式(4):(A);(Ar1Ar2 N-)3-Ar5H 、 (B);[(Ar1Ar2 N-)4-Ar5] [-NA r1Ar2] 式(5):(A);A1-GH 、(B);[A1-G-A2] [-A1] (但し、化合物(B)において、右側の[-NAr1Ar2]及び[-
1]は、左側の[ ]にあるいずれかの芳香族基(Ar1
Ar5と、A1〜A2とGに含まれる芳香族基)の芳香環構
成炭素原子が有する水素と置換することを意味する)
【0024】第三級アリールアミン化合物の好ましい例
を一般式で表すと、下記式(6)で表される化合物が挙
げられる。
【化1】
【0025】本発明の第三級アリールアミン化合物中に
不純物として含まれる化合物(A)、(B)を、上記式(6)
で表される化合物を基準にして示すと、化合物(A)とし
ては下記式(7)で表される化合物が挙げられ、化合物
(B)としては下記式(8)で表される基が上記式(6)
で表される化合物の芳香族環に1個置換した化合物が挙
げられる。
【化2】
【0026】上記式(6)〜(8)において、R1〜R
20は夫々独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、チオアルコキシ基、モノ又はジ置換アミノ基、単環
基又は縮合多環基を表す。また、R1〜R20は隣接する
置換基同士で、シクロアルキル環又はアリール環を形成
してもよい。Xは直接結合、アルキレン基、−O−、−S
−、>C=O、>SO2、−SiR29(R30)−又は−NR31−を表
す。R21〜R31はアルキル基、単環基、置換又は未置換
の縮合多環基を表す)
【0027】上記式(6)〜(8)のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、se
c-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、
トリフルオロメチル基、ベンジル基等がある。アルコキ
シ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、 n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ
基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオ
キシ基、ステアリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基
等がある。チオアルコキシ基としては、メチルチオ基、
エチルチオ基、プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、sec-
ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、ペンチルチオ基、
ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ステアリルチオ基、
トリフルオロメチルチオ基等がある。モノ又はジ置換ア
ミノ基としてはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ
基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリル
アミノ基、ジビフェニルアミノ基、ベンジルフェニルア
ミノ基、ジベンジルアミノ基等がある。
【0028】単環基としては、単環シクロアルキル基、
単環アリール基、単環複素環基等がある。単環シクロア
ルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオプ
チル基等の炭素数4〜8のシクロアルキル基がある。単
環アリール基としてはフェニル基が、単環複素環基とし
ては、チオニル基、チオフェニル基、フラニル基、ピロ
リル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピルジル基、
ピラジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダニル
基、オキサゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル
基、チアジアゾリル基、イミダジアゾリル基等がある。
縮合多環基としては、縮合多環アリール基、縮合多環複
素環基等がある。縮合多環アリール基としては、ナフチ
ル基、アントラニル基、ベンゾアントラニル基、フェナ
ントレニル基、フルオレニル基、アセナフチル基、アズ
レニル基、トリフェニレン基等がある。縮合多環複素環
基としては、インドリル基、キノリル基、イソキノリル
基、カルバゾリニル基、アクリジニル基、フェナジニル
基、ベンゾオキサゾリニル基、ベンゾチアゾリニル基等
がある。
【0029】隣接する置換基同士で環を形成してもよい
シクロアルキル環としては、シクロブチル環、シクロペ
ンチル環、シクロヘキシル環、シクロヘプチル環、シク
ロオプチル環等がある。隣接する置換基同士で環を形成
してもよいアリール環としては、ベンゼン環、ナフタレ
ン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン
環、アセナフタレン環、ピレン環、ビフェニル環、ター
フェニル環、トリフェニレン環等がある。上記の単環
基、又は縮合多環基上には置換基として、上記のアルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、モノ又はジ置換
アミノ基、単環基又は縮合多環基を挙げることができ
る。
【0030】本発明の有機EL素子材料の原料となる粗
第三級アリールアミン化合物は、前記のような公知の反
応で製造することができる。例えば、実施例で示すよう
なウルマン反応、トリアルキルホスフィン類とパラジウ
ム化合物を触媒として用いる反応等がある。このような
反応で得られる収率は約50〜90モル%程度であり、
未反応原料等を蒸留や再結晶、ゲルクロマト精製等の通
常の手段で分離除去して得られる粗第三級アリールアミ
ン化合物を更に精製することにより、本発明で使用する
第三級アリールアミン化合物とすることができる。
【0031】粗第三級アリールアミン化合物の純度は約
90〜95%程度である。これに含まれる化合物(A)及
び化合物(B)の含有量は、目的とする第三級アリールア
ミン化合物の種類、その反応条件や精製条件により異な
るが、通常、化合物(A)、(B)いずれも数〜10%程度含
まれている。通常の分離、精製処理で得られるNPBの
場合は、化合物(A)の含有量は1.5〜3wt%程度、化
合物(B)の含有量は3〜6wt%程度の範囲である。
【0032】従来は、このような第三級アリールアミン
化合物をそのまま製品として、あるいは不十分な精製度
のまま有機EL素子材料用に使用していたと考えられる
が、本発明においてはこれを更に精製して、化合物(A)
の含有量を1wt%以下、好ましくは0.5wt%以下とす
る。更に好ましくは実質的に0wt%(検出限界以下、
0.01wt%以下)とする。化合物(A)の含有量が1wt
%を超える範囲では、含有量を減じても緑色の発光寿命
はあまり改善されないが、1wt%以下とすることで、有
機エレクトロルミネッセンス素子寿命試験において緑色
初期発光輝度が10%減衰する駆動時間が50時間を越
えることができ、実質的に0wt%迄除去することで、同
駆動時間が100時間を越えることができる。
【0033】同様に化合物(B)の含有量を2wt%以下、
好ましくは1wt%以下とする。なお、化合物(B)は、式
(6)中の芳香族環の置換可能な水素を有する位置に、
式(8)で表される置換基が置換した複数の化合物が考
えられるが、主な化合物(B)は式(6)中のR1、R6
R11、R16が式(8)で置換されたものであると推測され
る。また、化合物(B)の含有量はその合計の含有量を言
うものとする。化合物(B)の含有量が2wt%を超える範
囲では、含有量を減じても青色の発光寿命はあまり改善
されないが、2wt%以下とすることで、有機エレクトロ
ルミネッセンス素子寿命試験において青色初期発光輝度
が10%減衰する駆動時間が50時間を越えることがで
き、1wt%以下とすることで、同駆動時間が100時間
を越えることができる。請求項6に係る本発明におい
て、初期発光輝度が10%減衰する駆動時間の測定は後
記の実施例に従うものとする。また、発光する色によっ
て、減衰する駆動時間が異なるが、いずれかの色につい
て、同駆動時間が100時間を越えることができればよ
いが、2色以上について、それを満足すればより好まし
い。また、化合物(A)及び(B)含有量が、それぞれ1.2wt
%及び2.4wt%であるものを標準として、初期発光輝度
が10%減衰する駆動時間が1.5倍以上であることも
好ましい。この場合も、測定は後記の実施例に従い、い
ずれかの色について上記を越えることができればよい
が、2色以上について、それを満足すればより好まし
い。
【0034】上記のような純度の第三級アリールアミン
化合物(以下、目的化合物ともいう)を得る方法には、
再結晶、クロマト分離、蒸留、昇華等の各種の方法が考
えられるが、従来の方法では純度が十分に向上しないだ
けでなく、精製歩留まりが低いので、特殊な減圧蒸留精
製又は減圧昇華精製を採用することが有利である。な
お、蒸留精製は液化後、気化する化合物に適用され、昇
華精製は昇華性を示す化合物に適用されるだけの相違で
あるので、精製方法の説明の項では、別段のことわりが
ない限り、蒸留精製は昇華精製を含む意味で使用する。
減圧蒸留精製装置としては、捕集部を、化合物(A)、目
的化合物及び化合物(B)がそれぞれ離れた位置で凝縮又
は凝固(以下、凝縮又は凝固させることを捕集という)
するように所定温度に加熱(NPBの場合の温度範囲;2
50〜350℃、好ましくは280〜330℃)し得る
ものであれば、格別の制限はないが、減圧下で捕集部の
温度を厳密に制御した蒸留精製する方法が有利である。
精製装置の好ましい一例を、その概念を示す図1により
説明する。
【0035】図1中の加熱部1、捕集部2、捕集部3を
有する本装置は、真空ポンプ7により減圧状態となり、
供給される熱媒体により加熱又は冷却され、温度調節器
4、5により独立に制御される。この際の熱媒体による
供給熱量を十分とし、温度制御を厳密にすることによ
り、加熱部1及び捕集部2の帯域内を所定の温度範囲内
に収めることが可能となる。蒸発した目的化合物を含む
流れは、化合物(A)が捕集される温度より高く又は十分
に高い蒸気圧以上の温度で、目的化合物が捕集される温
度より低く保たれた捕集部2で製品となる精製目的化合
物を捕集し、捕集部3で不純物である化合物(A)を多く
含む品質の劣る第三級アリールアミン化合物が捕集す
る。加熱部1の温度を化合物(B)の気化温度以下又は十
分に低い蒸気圧以下の温度に適当に調節することによ
り、不純物である化合物(B)を多く含む品質の劣る第三
級アリールアミン化合物は同部分に残すことができる。
更に、捕集部3に析出しない揮発性不純物は冷却トラッ
プ6で捕集される。加熱手段としては、上記加熱部や捕
集部等の部位毎の温度制御が応答性良く、かつ精密に可
能なものであれば、熱媒体による間接加熱の他、どのよ
うな手段でも採用することができる。
【0036】このように、本発明では図1に示す装置を
用いて、分子量の違いに起因する沸点差を利用した精製
により、化合物(A)及び(B)を効果的に目的化合物から分
離することができ、これらの不純物含有量を1wt%以下
に減じることができる。好ましい減圧度は10Torr以下
であり、更に好ましくは1Torr以下である。加熱部の温
度は目的の化合物である第三級アリールアミン化合物の
上記の減圧度における気化温度以上であり、(NPBの場
合では300〜400℃程度、好ましくは340〜39
0℃)、捕集部の温度は沸点から50℃以下(NPBの場
合では250〜350℃、好ましくは280〜330
℃)である。
【0037】本発明の精製3級アリールジアミンからな
る有機EL素子材料は、有機EL素子に使用されるが、
好ましくは、正孔輸送層中に使用される。
【0038】有機EL素子の構成については、一対の電
極の間に有機発光層を必須構成層として介在させている
ものであれば制限はなく、例えば一対の電極の間に有機
発光層と正孔注入層、電子注入層とを介在させているも
のを好ましく挙げることができる。このようなもののよ
り好ましい具体例をその概念を示す図2により説明す
る。図2は層構造を示す有機EL素子の概念図であり、ガ
ラス基板21/陽極22/正孔注入層23/正孔輸送層24/発
光層25/電子輸送層26/電子注入層27/陰極28からなる
素子であり、本発明の第三級アリールアミン化合物は正
孔輸送層等に用いる。
【0039】この他にも、次のような層構造がありう
る。 ・陽極/有機発光層/陰極、 ・陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極、 ・陽極/有機発光層/電子注入層/陰極、 ・陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極 更に、必要に応じて光吸収性拡散層等を介在させること
もできる。本発明の第三級アリールアミン化合物が用い
られる層に制限はなく、正孔注入層、有機発光層、電子
輸送層、電子注入層にも用いることができる。
【0040】発光層、正孔注入層及び電子注入層は蒸着
法、スピンコート法、キャスト法等により形成してその
膜厚は10〜1000nmが好ましく、より好ましくは2
0〜200nmである。基板は、ソーダガラス、無蛍光ガ
ラス、リン酸系ガラス、珪酸系ガラス等のガラス板、石
英、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シ
リコーン系樹脂等のプラスチック板及びプラスチックフ
ィルム、アルミナ等の金属板及び金属ホイル等が用いら
れる。
【0041】陽極材料としては、仕事関数の大きい金
属、合金、電気伝導性化合物やこれらの混合物などが用
いられる。具体例としては、金などの金属、CuI、イ
ンジウムチンオキサイド(ITO)、SnO2 、ZnO
などが挙げられる。また、陰極材料としては、仕事関数
の小さい金属、合金、電気伝導性化合物やこれらの混合
物などが用いられる。具体例としては、Na、Na−K
合金、Mg、Li、Mg-Ag合金、Al-Li合金、I
n、希土類金属などが挙げられる。そして、上記電極の
少なくとも一方が光を取り出すため透明又は半透明であ
ることが必要であり、光を取り出す側の透過率を10%
より高くすることがよい。また、電極としてのシ−トの
抵抗は100Ω/□以下が好ましい。
【0042】有機発光層の材料としては本発明の化合物
以外にテトラフェニルブタジエン等の芳香族化合物、8
−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯
体、シクロペンタジエン誘導体、ペリノン誘導体、オキ
サジオ−ル誘導体、ビススチリルベンゼン誘導体、ペリ
レン誘導体、クマリン化合物、希土類錯体、ジスチリル
ピラジン誘導体、p−フェニレン化合物、チアジアゾロ
ピリジン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ナフチリジン
誘導体等の公知の材料等が用いられる。
【0043】また、正孔注入層に用いられる材料として
は、トリアゾール化合物、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラ
ゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミ
ン誘導体、アリールアミン誘導体、オキサゾール誘導
体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレン誘導体、
ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポルフィリン化
合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化
合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラ
ゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体及びテトラフェ
ニルベンジジン誘導体等を使用することができる。特に
好ましくは、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン
化合物及びスチリルアミン化合物である。
【0044】電子注入層に用いられる電子輸送能を有す
る電子注入化合物としては本発明の化合物の他に、ニト
ロ置換フルオレン誘導チオピランジオキサイド誘導体及
びジフェノキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル
誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フルオロニリデ
ンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール
誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体等の化合
物を使用することができる。なお、上記有機化合物層を
構成する発光層、正孔注入層、電子注入層等の耐熱性を
改善するために各層を構成する有機化合物に重合性置換
基を導入し、製膜前、製膜中あるいは製膜後に高分子化
させてもよい。
【0045】上記素子において、本発明の有機EL材料
を正孔輸送材料に使用することにより、輝度や耐久性に
おいて、従来のものより飛躍的に優れたEL素子を得る
ことができるということが見出された。なお、本発明に
おいて、化合物(A)、(B)の含有量はHPLC及びUV検出器に
より測定可能である。254 nmでのピーク面積比と重量比
との間には、一定の関係が認められるので、本発明でい
う化合物(A)、(B)の含有量wt%は、前記ピーク面積%か
ら容易に算出可能である。
【0046】第三級アリールアミン化合物に含まれる多
種類の不純物の中で、前記化合物(A)と化合物(B)が耐久
性に悪影響を及ぼすし、特に、化合物(A)は緑色発光耐
久性に、化合物(B)は青色発光耐久性に悪影響を及ぼす
理由は、素子中のNPB薄膜層(正孔輸送層)の構造や
他の隣接層との界面状態の変化の促進にあると想定され
るが、詳細は不明である。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、更に詳細に
説明する。なお、特にことわりのない限り%は、wt%で
ある。 合成例1 冷却管、温度計を装着した300cc三口フラスコに、4,4'-
ジヨードビフェニル14.6g、1-ナフチル-フェニルアミ
ン19.7g 、ニトロベンゼン150g、及び炭酸カリウム3
9.8g、ヨウ化銅(I)3.4gを投入し、窒素気流下環流
温度まで加熱し、15時間加熱撹拌を行った。反応終了
後、トルエン200gで希釈、不溶分を濾別したものを減
圧蒸留により溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィーにて精製し、第三級アリールアミン化合物
(NPB)10.0gを得た。このNPBをHPLCで分析した結果、
NPB;84%、化合物(A);4%、化合物(B);7%であっ
た。
【0048】合成例2 50ccナス型フラスコに酢酸パラジウム0.02g、トリター
シャリーブチルホスフィン0.06gをオルソキシレン10g
中、80℃で15分間加熱反応させた触媒液を調製する。冷
却管、温度計を装着した300cc三口フラスコに、4,4' -
ジヨードビフェニル3.1g、1-ナフチル-フェニルアミン
5.0g 、ターシャリーブトキシナトリウム2.2g、及び
オルソキシレン100gを投入し、窒素気流下80℃まで加
熱した。本溶液中に、先に調製した触媒液を注入、その
後温度を120℃とし、引き続く2時間加熱撹拌した。反応
終了後、反応液を冷却、オルソキシレン200gで希釈し
て分液ロートに移し、飽和食塩水を加えて有機層を洗浄
した。油水分離後、得られた有機層を無水硫酸ソーダを
用いて乾燥し、濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィーにて精製し、第三級アリールアミン化合物
(NPB)2.9gを得た。このNPBをHPLCで分析した結果、N
PB;80%、化合物A;2%、化合物B;15%であった。
【0049】精製例1 合成例1で示したのと同様の方法で調製したHPLC純度84
%のNPB10.0gを図1に示す精製装置を用いて精製を行
った。加熱部1、捕集部2は、供給される熱媒体により
加熱又は冷却され、独立して制御される。真空ポンプ7
により系内を0.1Torrに減圧し、加熱部温度を330℃、捕
集部2の温度を300℃、熱媒体の入り口温度と出口温度
の差を2℃以内に保持し、3時間昇温させ、NPBを捕集部
2のガラス内壁に捕集した。この精製装置の金属製外筒
は直径約6cm、長さ100cmであり、捕集部2に補集された
NPBは5.6g、HPLC純度99%、化合物(A)、(B)の含量はと
もに0.5%以下であった。
【0050】精製例2 合成例2で示したのと同様の方法で調製したHPLC純度80
%のNPB10.0gを精製例1で示したのと同様の精製装置
を用いて精製を行った。真空ポンプ7により系内を0.5T
orrに減圧し、加熱部温度を380℃、捕集部2の温度を280
℃、熱媒体の入り口温度と出口温度の差を2℃以内に保
持し、3時間昇温させ、NPBを捕集部2の内壁に捕集し
た。捕集部2に捕集されたNPBは3.6g、HPLC純度99%、
化合物A、Bの含量はともに0.5%以下であった。
【0051】精製比較例1 合成例1で示したのと同様の方法で調製したHPLC純度84
%のNPB2.0gを図2に示すガラス製外筒とガラス製内筒
により構成される昇華精製装置を用いて精製を行った。
捕集部10は、供給される窒素ガスにより冷却される。
真空ポンプ13により系内を2.0Torrに減圧し、加熱部
温度を390℃として、NPBを捕集部2のガラス内壁に捕集
した。捕集部10に捕集されたNPBは1.4g、HPLC純度は
93%、化合物(A)の含量は3%、化合物(B)の含量は3%で
あった。
【0052】化合物(A)の同定 化合物(A)を単離し、1H-NMR、及びFD-MSによる分析を行
った。結果を以下に示す。1 H-NMR:(400MHz: CDCl3: 27℃)δ6.96, dd,1H (J=7.3H
z): 7.08, dd, 4H (J=8.5,7.8Hz): 7.21〜7.35, m, 3H
: 7.36〜7.55, m, 10H: 7.78, d, 1H (J=8.3Hz):7.89,
d, 1H (J=8.1Hz): 7.96, d, 1H (J=8.5Hz) MS:m/z371 (M+) この結果、不純物Aは上記式(7)に示される構造を有
することが確認された。
【0053】化合物(B)の同定 合成例1、2に示したNPB中の不純物について下記の条
件によりLC-MSによる分析を行った結果、液体クロマト
グラフィーの保持時間約13分にNPB(m/z 588)、約1
0分に化合物A(m/z 371)が観測され、更に保持時間約
19分、21分に2つのピークが観測された。これらの
ピークはともにm/z805(M+)であった。 LC-MS条件カラム ;東ソー TSK-GEL ODS-80TS φ4.6×250mm 移動層;アセトニトリル100%、1ml/分 マトリックス;ニトロベンジルアルコール1%(アセト
ニトリル溶液)、0.25ml/分 この結果、化合物(B)は主に2種類の化合物B'、B"から
なる上記式(8)に示される置換基が式(6)で表され
る化合物の芳香族環に一つ置換した化合物であることが
確認された。なお、式(6)及び(8)の置換基は式
(6)の化合物がNPBであることから、容易に理解され
る。
【0054】図1に示した装置の加熱部及び捕集部の温
度を変化させ、不純物組成の異なるサンプル1〜7を調
製した。調製したサンプルのHPLC分析結果(単位:wt
%)を表1示す。また、このサンプル1〜7を用いて有
機EL素子を作製し、その性能評価を行った。
【0055】
【表1】
【0056】実施例1 厚さ200nmのITO透明電極を有するガラス基板を、市
販の中性洗剤、純水、アセトンを用いて超音波処理した
後、エタノール蒸気洗浄をし、さらにUV/オゾン洗浄を
行った。このガラス基板上に、正孔注入層として銅フタ
ロシアニンを真空度1.0×10-3Pa以下、蒸着速度
0.3nm/秒で50nmの厚さに形成した後、正孔輸送層
としてサンプル1を真空度1.0×10-3Pa以下、蒸着
速度0.3nm/秒で50nmの厚さに形成した。次に、形
成した正孔輸送層上に発光層としてトリス(8−キノリ
ノラート)アルミニウムを真空度1.0×10-3Pa以
下、蒸着速度0.3nm/秒で50nmの厚さに形成した。
次に、発光層上に電子注入層として弗化リチウムを真空
度1.0×10-3Pa以下、蒸着速度0.05nm/秒で
0.1nmの厚さに形成した。更に、陰極としてアルミニ
ウムを真空度1.0×10-3Pa以下で100nmの厚さに
蒸着した。このときのアルミニウムの蒸着速度は、1.
0nm/秒であった。このようにして作製した有機EL素子
に直流電圧を印加し、乾燥雰囲気下、10mA/cm2の定電
流密度で連続駆動させた。初期は5.0V、輝度350cd
/m2の緑色の発光が確認され、この輝度が10%減衰す
るのに105時間を、20%減衰するのに290時間を
要した。
【0057】実施例2〜5 実施例1と同様にして、サンプル2〜5を正孔輸送材料
として有機EL素子を作製し、輝度が20%減衰するのに
要した時間を測定した。 比較例1、2 実施例1と同様にして、サンプル6、7を正孔輸送材料
として有機EL素子を作製し、輝度が10%及び20%減
衰するのに要した時間を測定した。これらの結果をまと
めて表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2から、不純物の化合物(A)含有量と緑
色発光の減衰とが強い関係を有しており、不純物Bはあ
まり影響を及ぼさないことが、更には、化合物(A)含有
量が1wt%以下の範囲において、含有量の減少と伴に緑
色発光減衰率が著しく改善されることが伺える。また、
発光強度10%減衰時間が50時間を越えるためには化
合物(A)の含有量を1wt%以下にする必要があることが
判る。
【0060】実施例6 厚さ200nmのITO透明電極を有するガラス基板を、市
販の中性洗剤、純水、アセトンを用いて超音波処理した
後、エタノール蒸気洗浄をし、さらにUV/オゾン洗浄を
行った。このガラス基板上に、正孔注入層として銅フタ
ロシアニンを真空度1.0×10-3Pa以下、蒸着速度
0.3nm/秒で50nmの厚さに形成した後、正孔輸送層
としてサンプル1を真空度1.0×10-3Pa以下、蒸着
速度0.3nm/秒で50nmの厚さに形成した。次に形成
した正孔輸送層上に発光層として出光興産社製のIDE
-120を真空度1.0×10-3Pa以下、蒸着速度0.3
nm/秒で30nmの厚さに形成した。次に、形成した発光
層上に電子輸送層としてトリス(8−キノリノラート)
アルミニウムを真空度1.0×10-3Pa以下、蒸着速度
0.3nm/秒で20nmの厚さに形成した。次に、電子輸
送層上に電子注入層として弗化リチウムを真空度1.0
×10-3Pa以下、蒸着速度0.05nm/秒で0.1nmの
厚さに形成した。更に、陰極としてアルミニウムを真空
度1.0×10-3Pa以下で100nmの厚さに蒸着した。
このときのアルミニウムの蒸着速度は、1.0nm/秒で
あった。このようにして作製した有機EL素子に直流電圧
を印加し、乾燥雰囲気下、10mA/cm2の定電流密度で連
続駆動させた。初期は5.5V、輝度360cd/m2の青色
の発光が確認され、この輝度が10%減衰するのに20
0時間を要した。
【0061】実施例7〜10 実施例6のサンプル1をサンプル2〜5とした以外は全
て同様にして有機EL素子を作製し、輝度が10%減衰す
るのに要した時間を測定した。 比較例3〜4 実施例6のサンプル1をサンプル6〜7とした以外は全
て同様にして有機EL素子を作製し、輝度が10%減衰す
るのに要した時間を測定した。それらの結果をまとめて
表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】表3から、不純物の化合物(B)含有量と
青色発光の減衰とが強い関係を有しており、不純物
(A)はあまり影響を及ぼさないことが、更には、化合
物(B)含有量が2wt%以下の範囲において、含有量の
減少と伴に色発光減衰率が著しく改善されることが判
った。また、青色発光強度10%減衰時間が50時間を
超えるためには化合物(B)の含有量を2wt%以下とす
る必要があることが判る。
【0064】実施例11 第三級アリールアミン化合物としてTPDを用いた。この
場合の化合物(A)はTPDから一つのN,N−フェニル−ト
リルアミノ基がとれた化合物であり、化合物(B)はTPDに
一つのN,N−フェニル−トリルアミノ基が置換した化
合物である。実施例1と同様にして、化合物(A);0.
4%、化合物(B);0.3%、を含有するTPDを正孔輸送
材料とした有機EL素子を作製し、乾燥雰囲気下、10mA
/cm2の定電流密度で連続駆動させた。初期は5.2V、
輝度340cd/m2の緑色の発光が確認され、この輝度が
10%減衰するのに8時間を要した。
【0065】比較例5 実施例11において、化合物(A);1.2%、化合物
(B);2.7%、を含有するTPDを正孔輸送材料に変えた
以外は全く同様にして有機EL素子を作製し、乾燥雰囲気
下、10mA/cm2の定電流密度で連続駆動させた。この有
機EL素子の輝度が10%減衰するのに3時間を要した。
【0066】実施例12 実施例6と同様にして、化合物(A);0.4%、化合物
(B);0.3%、を含有するTPDを正孔輸送材料とした有
機EL素子を作製し、乾燥雰囲気下、10mA/cm2の定電流
密度で連続駆動させた。初期は5.8V、輝度350cd/
m2の青色の発光が確認され、この輝度が10%減衰する
のに14時間を要した。
【0067】比較例6 実施例12において、化合物(A);1.2%、化合物
(B);2.7%、を含有するTPDを正孔輸送材料に変えた
以外は全く同様にして有機EL素子を作製し、乾燥雰囲気
下、10mA/ cm2の定電流密度で連続駆動させた。この
有機EL素子の輝度が10%減衰するのに7時間を要し
た。
【0068】なお、不純物の化合物(A)及び(B)共に含ま
ない実施例1及び実施例6においては、緑色発光と青色
発光の10%減衰時間がそれぞれ105時間と200時
間となっており、色によって発光減衰率に差があること
が判るが、有機EL素子の実用上、素子寿命の色による
差が問題となる場合は、化合物(A)又は(B)を積極的に残
す、あるいは一旦除去した後、添加することによって、
色による発光減衰率の差を一定範囲内に調整することも
可能となる。
【0069】
【発明の効果】本発明の材料を使用することにより、長
時間の駆動による発光強度の劣化が少なく、耐久性に優
れた有機エレクトロルミネッセンス素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精製方法を実施するための装置の一例
を示す断面図である。
【図2】本発明の有機EL素子の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1:加熱部 2、3:捕集部 4、5:温度調節器 7:真空ポンプ 22:陽極 23:正孔注入層 24:正孔輸送層 25:発光層 26:電子輸送層 27:電子注入層 28:陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 B 33/22 33/22 D (72)発明者 松尾 真嗣 福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46− 80 新日鐵化学株式会社総合研究所内 (72)発明者 石井 和男 福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46− 80 新日鐵化学株式会社総合研究所内 (72)発明者 宮崎 浩 福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46− 80 新日鐵化学株式会社総合研究所内 (72)発明者 結城 敏尚 山形県米沢市八幡原4丁目3146番地7 東 北パイオニア株式会社米沢工場内 (72)発明者 仲田 仁 山形県米沢市八幡原4丁目3146番地7 東 北パイオニア株式会社米沢工場内 (72)発明者 村山 竜史 山形県米沢市八幡原4丁目3146番地7 東 北パイオニア株式会社米沢工場内 (72)発明者 澤田 恭彦 山形県米沢市八幡原4丁目3146番地7 東 北パイオニア株式会社米沢工場内 (72)発明者 内城 強 山形県米沢市八幡原4丁目3146番地7 東 北パイオニア株式会社米沢工場内 (72)発明者 福田 善教 山形県米沢市八幡原4丁目3146番地7 東 北パイオニア株式会社米沢工場内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 AB06 AB11 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 4H006 AA01 AB92 AC24 AC52 BA05 BA25 BA32 BA53 BB18 4H039 CA41 CA71 CG20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリアリールアミンを形成する窒素原子
    を2〜4個有する第三級アリールアミン化合物からなる
    有機エレクトロルミネッセンス材料において、不純物と
    して、該第三級アリールアミン化合物よりトリアリール
    アミンを形成する窒素原子が1つ少ない化合物(A)又は
    ジアリールアミノ基を形成する窒素原子が1つ多い化合
    物(B)を含む粗第三級アリールアミン化合物を精製して
    得られ、且つ、その含有量が、化合物(A)が1wt%以下
    又は化合物(B)が2wt%以下であることを特徴とする有
    機エレクトロルミネッセンス素子材料。
  2. 【請求項2】 第三級アリールアミン化合物が、下記式
    (1)〜(4) (Ar1Ar2 N-)2-Ar3 (1) (Ar1Ar2N- Ar3-)3-N (2) (Ar1Ar2N- Ar3-)2-N-Ar4 (3) (Ar1Ar2 N-)4-Ar5 (4) (但し、式(1)〜(4)において、Ar1、Ar2及び Ar4
    は独立に1価のアリール基、Ar3は独立に2価のアリー
    ル基、Ar5は4価のアリール基を示す)で表される化合物
    から選択されるものである請求項1記載の有機エレクト
    ロルミネッセンス素子材料。
  3. 【請求項3】 第三級アリールアミン化合物が、下記式
    (5) A1-G-A2 (5) (但し、A1及びA2は独立にジアリールアミノ基、Gは2
    価のアリール基を示す)で表される化合物である請求項
    1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
  4. 【請求項4】 第三級アリールアミン化合物がN,N'-ジ-
    (ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジンで
    ある請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子
    材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子材料を、有機エレクトロル
    ミネッセンス素子の正孔輸送層又は発光層に存在させる
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 有機エレクトロルミネッセンス素子寿命
    試験において、初期発光輝度が10%減衰する運転時間
    が100時間を越えることを特徴とする請求項5記載の
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】 芳香族環に置換したハロ原子を1個以上
    有するハロアリール化合物と、アリールアミン化合物と
    を触媒の存在下で反応させて得られる第三級アリールア
    ミン化合物を昇華精製又は蒸留精製して、化合物(A)が
    1wt%以下又は化合物(B)が2wt%以下の第三級アリー
    ルアミン化合物とすることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス材料の
    製造方法。
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