JP2008543102A - 異なる有機材料の2つ以下の層を備える有機発光ダイオード - Google Patents

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Abstract

本発明は、陰極(7)と接触している領域(6)内でn型ドープされている第1の有機材料(O1)に基づく層、ダイオード(6)と接触している領域(2)内でp型ドープされている第2の有機材料(O2)に基づく第2の層、および層の一方に組み込まれ、他方の層と接触し、n型ドープもp型ドープでされない電界発光領域(4、4’)を備え、これにより、特に低コストの高性能ダイオードを形成することが可能である。

Description

本発明は、有機発光ダイオードに関する。本発明は、さらに、同じ基板により支持されるこれらのダイオードのネットワークを含む照明または画像表示パネルに関する。文献では、以下を含む有機発光ダイオードを開示している(例えば、特許文献1参照)。
−基板、
−導体材料M1から作られた陰極および導体材料M2から作られた陽極、
−n型ドープである第1の有機材料O1に基づく、陰極と接触する第1の層、
−p型ドープである第2の有機材料O2に基づく、陽極と接触する第2の層、
−およびn型ドープでもp型ドープでもない第3の有機材料O3に基づく、第1の層と第2の層との間に差し挟まれた第3の層。
図1を参照すると、ブロッキング層がドープ層のこの構造に加えられる(例えば、特許文献2および3を参照)、つまり、材料O4の電子ブロッキング層が、正孔注入層O2と電界発光層O3との間に差し挟まれ、材料O5の正孔ブロッキング層が、電子注入層O1と電界発光層O3との間に差し挟まれる。
文献では、異なる層のさまざまな有機材料の必要な電子特性を指定している。
これらの特性を定義するために、以下のパラメータが特に定義される。
−陰極EM1の導体材料の仕事関数および陽極EM2の導体材料の仕事関数、
−それぞれのLUMOレベル(最低空軌道)のエネルギー、HOMOレベル(最高被占軌道)のエネルギー、すなわち、n型ドープ層の基本材料O1のエネルギーEO1C、EO1V、正孔ブロッキング層の基本材料O5のエネルギーEO5C、EO5V、電界発光層の基本材料O3のエネルギーEO3C、EO3V、電子ブロッキング層の基本材料O4のエネルギーEO4C、EO4V、p型ドープ層の基本材料O2のEO2C、EO2V、これら全てのレベルは、無限遠での真空中の電子のエネルギーに関して正に評価される(仕事関数の場合と同じ基底)。
図1に例示されているように、これらの文献によるダイオードの最適な機能を得るために、以下のことが重要である。
−EM1≧EO1C、これは、陰極とn型ドープ有機層との間の界面にポテンシャル障壁があること、この界面の接合点は、オーミック接触ではないことを意味し、ポテンシャル障壁の高さを、0.5eVに制限することができるか、またはそれよりも高い障壁の場合、電子がこの障壁を通過しやすいように、ドーピングレベルをしかるべく適合させることができ、EO1Fが、ドープゾーン内の電子のフェルミ準位を占有準位の重心として表す場合、EO1F≧EM1となるようなドーピングレベルであることが好ましく、
−EM2≦EO2V、これは、陽極とp型ドープ有機層との間の界面にポテンシャル障壁があること、この界面の接合点はオーミック接触ではないことを意味し、ポテンシャル障壁の高さを、0.5eVに制限することができるか、またはそれよりも高い障壁の場合、正孔がこの障壁を通過しやすいように、ドーピングレベルをしかるべく適合させることができ、EO2Fが、ドープゾーン内の正孔のフェルミ準位を占有準位の重心として表す場合、EO2F≦EM2となるようなドーピングレベルであることが好ましい。
上記の状態によれば、キャリア、つまり電子または正孔は、したがって、電極、つまり陰極または陽極との界面のすぐ近くのドープゾーン内に置かれているいわゆる「空乏ゾーン」上でトンネル効果により注入され、さらに、(例えば、特許文献1(9頁、11〜12行目)を参照)この「空乏ゾーン」の厚さは、非常に小さい、つまり、一般に、10nm未満であり、この厚さは、明らかに、使用される材料およびドーピングレベルに依存する。
図1に例示されているように、ダイオードの最適な機能を得るために、以下のことも重要である。
−材料O1のn型ドープ層と材料O5の正孔ブロッキング層との間の界面で電子が通りやすくなるように、EO5C≧EO1C−0.3eV、この界面での電気損失を制限するために、好ましくはEO5C≦EO1C+0.3eV、
−材料O2のp型ドープ層と材料O4の電子ブロッキング層との間の界面で正孔が通りやすくなるように、EO4V≦EO2V+0.3eV、この界面での電気損失を制限するために、好ましくはEO4V≦EO2V−0.3eV。
図1に例示されているように、ダイオードの最適な機能を得るために、以下のことも重要である。
−材料O3の電界発光層と材料O4の電子ブロッキング層との間の界面で電子を効率的にブロックするように、EO4C<EO3C
−この界面で正孔が通れるように、EO4V+0.3eV≧EO3V、この界面での電気損失を制限するためには、好ましくはEO4V−0.3eV≦EO3V
−材料O3の電界発光層と材料O5の正孔ブロッキング層との間の界面で正孔を効率的にブロックするように、EO5C>EO3C
−この界面で電子が通れるように、EO5C−0.3eV≦EO3C、この界面での電気損失を制限するためには、好ましくはEO5C+0.3eV≧EO3C
従来技術の電荷注入および輸送層の代わりに、電界発光放射層内で、電荷、つまり、電子または正孔を注入し、輸送するためドープ有機層を使用することによりもたらされる利点として、特に以下のものがある。
−発生電気量が多い、
−陰極の材料の仕事関数よりも低いLUMOレベルがもはや電子を注入しがたいレベルではなくなっているため、また陽極の材料の仕事関数よりも高いHOMOレベルがもはや正孔を注入しがたいレベルではなくなっているため、使用できる有機半導体材料の選択の幅が広がる、
−ドープ層の高い導電性のため法外な抵抗損を伴わずに電荷注入または輸送層に使用できる厚さの範囲が広がり、特に、これにより、厚さをうまい具合に適合させ干渉効果による光の抽出を最適化することが可能になる。
上述で引用した文献において説明されている発光ダイオード構造の欠点の1つは、陰極側と陽極側の両方においてドープ層によりもたらされる利点を十二分に活かすために、少なくとも3つの異なる有機材料を使用すると都合がよいことである。これは、特許文献1の図9および12を参照しつつ説明されているような2つの有機材料のみを含む構造は、一方の側のみ、陽極側または陰極側のいずれかにおいて電子的にn型ドープまたはp型ドープされており、ドープ層によってもたらされる利点を十二分に活かせないからである。これらの文献において説明されている他のすべての構造は、陰極と陽極との間に少なくとも3つの異なる有機材料を含む。
TOSHIBAの欧州特許第0498979B1号明細書 NOVALEDの米国特許出願公開第2004/062949号明細書 米国特許第6566807号明細書 欧州特許第1347518号明細書 欧州特許第1071145号明細書 HARADA K「realization of organic pn−homojunction」−Proceeding of the SPIE,vol.5464,Sept.2004,pages 1−9(XP002314797)
本発明の目的は、この問題に対する解決方法を提供することである。
そのために、本発明は、
−陰極および陽極と、
前記陰極と前記陽極の間に差し挟まれる、
−この陰極と接触しているこの層のゾーン内でn型ドープされている第1の有機材料に基づく、前記陰極と接触する第1の層と、
−この陽極と接触しているこの層のゾーン内でp型ドープされている第2の有機材料に基づく、前記陽極と接触する第2の層であって、前記第1の層および/または前記第2の層は、他の層と接触し、n型ドープでもp型ドープでもない、電界発光ゾーンを含むことを特徴とする第2の層とを含む、有機発光ダイオードに関する。
p型およびn型ドーパントは、電界発光ゾーンの有機材料が一般にドープされる発光ドーパントとは反対に、電子ドーパントである。
本発明によるダイオードは、従来技術のダイオードに比べて生産がかなり容易であり、また経済的でもあるが、それは、一般的に異なる有機材料の2つの層のみを含み、陰極側で電子を注入し、輸送するために、また陽極側で正孔を注入し、輸送するためにドープされた半導体材料を使用するので収量が高いからである。
本発明は、有機材料が重合されておらず、したがって、真空蒸着により蒸着できる場合に特に適用され、そこで、さまざまなゾーンが、単純なドーパント同時蒸着により得られ都合がよい。
基本材料という用語は、それぞれのゾーンの「ホスト」材料を意味することが意図されており、したがって、所定の材料に基づく同じ層は、例えばこの基本材料中に分散されている5重量%のn型電子ドーパントを含むドープゾーン、隣接するゾーンからの拡散による不純物を除くこの基本材料のみを含む、電子または発光ドーパントでドープされていない障壁ゾーン、および例えばこの基本材料中に分散されている8重量%の発光ドーパントを含むドープゾーンを含むことができ、これら3つのゾーンは、同じ「ホスト」材料に基づく。それぞれのドープゾーンは、複数のドーパントを含むことができる。
したがって、前記ダイオードは、好ましくは、第1の有機材料と第2の有機材料の両方に対し異なる材料に基づくこともありうる、前記陰極と前記陽極との間に差し挟まれた他の層を含まない。
一変更形態によれば、第1および第2の有機材料は同一である(図5を参照)。しかし、好ましくは、文献で説明されているダイオードとは対照的に(例えば、特許文献4(10頁の第4の実施形態を参照)、ホモ接合を説明している特許文献5、および非特許文献1を参照)、前記第2の有機材料は、前記第1の有機材料と異なる。2つの異なる材料を使用することで、加工法の複雑さを抑えつつ、収量を高めることが可能になる。
したがって、第1または第2の層、または両方の層は、ダイオードの電極、つまり陰極または陽極の付近に配置されたドープゾーンまたは「スライス」、および他の層の付近で発光し、配置されている非ドープゾーンまたは「スライス」を有する。
n型または、p型ドープゾーンの電子ドーパントは、n型ドープが関わる場合にLUMOレベルの付近で電子の追加のエネルギー準位を与えるために、またはp型ドープが関わる場合にHOMOレベルの付近で正孔の追加のエネルギー準位を与えるために、本質的に知られている方法で適合される。したがって、これらのn型またはp型ドーパントは、後述の「発光」ドーパントとは反対に「電子」ドーパントと呼ばれる。
ダイオードは、第1の層の一部を形成する単一の発光ゾーン(図3を参照)、または第2の層の一部を形成する単一の発光ゾーン(図2を参照)、または一方が第1の層の一部を形成し、他方が第2の層の一部を形成する2つの発光ゾーン(図4を参照)を持つことができる。電界発光ゾーンの電界発光性は、特に、少なくとも1つの蛍光および/または燐光ドーパントの助けを借りて、このゾーンが属している層の有機材料の発光ドープにより本質的に知られている方法で得られる。発色ドーパントは、ダイオードの発光スペクトルを適合させるために加えることができる。いくつかの材料は、本質的に、電界発光特性を有しており、それと同時に、複数のキャリアのうちの1つキャリアのトランスポータ、つまり電子または正孔であってもよい。ドーパントは、この「ホスト」材料に関連付けられうるが、これは必要なわけではない。本質的発光「ホスト」発光材料は、蛍光性または燐光性とすることができる。
好ましくは、第1の層のn型ドープゾーンの厚さおよび第2の層のp型ドープゾーンの厚さは、20nmを超える。これらの厚さが大きいことで、ドープがそれらのゾーンに高い導電性を付与するため、抵抗損を実質的に増大させることなく、光の抽出を最適化することが可能になる。
好ましくは、本発明によるダイオードは、さらに、実質的にドープされていない、前記ドープゾーンのうちの1つと前記電界発光ゾーンのうちの1つとの間に差し挟まれている、少なくとも1つの拡散障壁ゾーンも備える。注目している障壁に応じて、障壁ゾーンの材料は、第1の層の基本材料または第2の層の基本材料のいずれかである。上述のように、真空蒸着により加工する場合、このゾーンは、ドーパント同時蒸着を回避しながら生産されるのが都合がよい。隣接するゾーン(ドープゾーンおよび/または電界発光ゾーン)から来る(複数の)ドーパントが拡散するので、この障壁ゾーンは、わずかな割合で、特にそれらの隣接ゾーン内と比べてかなり少ない割合で、これらの隣接ゾーンの複数のドーパントのうちの1つまたは複数を含みうる。
好ましくは、それぞれの拡散障壁ゾーンの厚さは、20nm未満である。このゾーンの厚さは、ダイオードの厚さにおける抵抗損を制限するために、好ましくはドープゾーンの厚さよりもかなり薄い。
好ましくは、陰極および陽極が、それぞれ導電性材料M1およびM2から作られる場合、また材料M1の仕事関数および材料M2の仕事関数が、それぞれ、EM1およびEM2で表される場合、EO1Cが、LUMOレベルの電子親和力またはエネルギーを表し、EO1Vが、第1の有機材料O1のHOMOレベルのイオン化ポテンシャルまたはエネルギーを表し、EO2Cが、LUMOレベルのエネルギーを表し、EO2Vが、第2の有機材料O2のHOMOレベルのエネルギーを表し、これらのレベルがすべて無限遠での真空中の電子のエネルギーに関して正に評価される場合、陰極の導体材料、陽極の導体材料、ならびに第1および第2の有機材料は、EM1≧EO1CおよびEM2≦EO2Vとなるように選択される。
これらの条件は、陰極と第1の層のn型ドープゾーンとの間の接合、および陽極と第2の層のp型ドープゾーンとの間の接合の非抵抗性に対応する。これらの接合におけるポテンシャル障壁にもかかわらず、ただしこのポテンシャル障壁の厚さを低減することに寄与する第1および第2の層の有機材料の電子ドープのせいで、電流がこれらの接合部を横切り、しかも電気損失を低減する。
好ましくは、陰極の導体材料、陽極の導体材料、ならびに第1および第2の有機材料は、さらにEO2C<EO1Cおよび/またはEO1V>EO2Vとなるように選択される。
これらの条件により、2つの層の間の界面のところで電子および/または正孔をブロックすることが可能になる。より効率的なブロッキングを行うために、一方のこれらのLUMOレベルと他方のこれらのHOMOレベルとの差が0.5eVを超えるようにすることが好ましい。
陰極側の正孔をブロックすることと、陽極側の電子をブロックすることとの両方を行うことは、絶対に必要というわけではない。特に、第1の有機材料(陰極側)が正孔に比べて電子をよく伝える場合、正孔をブロックするのはあまり有益ではなく、第2の有機材料(陽極側)が電子に比べて正孔をよく伝える場合、電子をブロックするのはあまり有益でない。
好ましくは、少なくとも1つの電界発光ゾーンは、発光ゾーンが第1の層に属す場合にEDLV−EDLC<EO1V−EO1C+0.3eVとなり、また発光ゾーンが第2の層に属す場合にEDLV−EDLC<EO2V−EO2C+0.3eVとなるようにLUMOレベルがEDLCにより定義され、HOMOレベルがEDLVにより定義されるように選択された少なくとも1つの発光ドーパントを含む。
発光ドーパントは、これらが組み込まれる「ホスト」材料の禁制帯に含まれないLUMOレベルおよび/またはHOMOレベルを有し、この材料のHOMOレベルおよびLUMOレベルにより境界が定められる「ホスト」材料の禁制帯とこのドーパントに属するHOMOレベルおよびLUMOレベルにより境界が定められる発光ドーパントの禁制帯との区別がなされ、効率的な発光ドープを行うために、このドーパントの禁制帯幅が「ホスト」材料の禁制帯幅よりも小さくその差が0.3eV以下であることが重要である。好ましくは、このドーパントのLUMOレベルおよびHOMOレベルは、両方とも、これらが組み込まれる材料の禁制帯に含まれ、これにより、ダイオードの歩留まりが改善される。
発光または、発色ドーパントが、これが組み込まれる材料の禁制帯に含まれるLUMOレベルおよび/またはHOMOレベルを有する場合には必ず、このレベルは、n型またはp型電子ドープに寄与しえない。したがって、発光ゾーンの発光ドーパントからn型またはp型ゾーンの電子ドーパントを明確に区別することが可能である。
好ましくは、第1および第2の有機材料、および少なくとも1つの発光ドーパントは、EDLV−EDLC<EO2V−EO1C+0.3eVとなるように、またEDLV−EDLC<EO1V−EO2C+0.3eVとなるように選択される。
これらの条件により、都合のよいことに、「励起錯体」の形成を制限する、つまり、異なる材料に対応する2つのエネルギー準位の一致を介して電子−正孔対の脱励起または再結合を制限することが可能になる。
好ましくは、第1の有機材料は、Bphen、BCP、DPVBi、TPBi、およびAlq3からなる群から選択され、第2の有機材料は、Spiro−TAD、TAZ、およびTCTAからなる群から選択される。
BCP、DPVBi、およびTPBiは、それぞれ、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(またはバソクプロイン)、4,4−ビス(2,2−ジフェニルリレン(diphenylrylene))、および2,2’,2”−(1,3,5−フェニレン)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール]に対応し、これらの有機材料は、青色光を放射する発光ドーパントを受け取るのに非常に適している「ホスト」材料を形成するために、十分に広い禁制帯(HOMOのレベルとLUMOのレベルとの間の分離距離)を有する。
本発明は、さらに、本発明による複数のダイオードを備えることを特徴とする画像表示または照明パネルにも関係する。得られるパネルは、特に経済的であり、歩留まりが非常によい。
本発明は、限定されない実施例を用い、付属の図を参照し、以下の説明を読むことで、さらに明確に理解される。
説明をわかりやすくし、本発明が従来技術に勝る相違点および利点をはっきりさせるために、同じ機能を果たす要素には、同一の参照番号を使用する。得られる有機ダイオードの性能および歩留まりは、陰極、陽極、陰極側の有機材料O1、陽極側の有機材料O2の選択に大きく依存しており、以下の用語が使用される。
−EM1は、陰極の材料M1の仕事関数を表し、EM2は、陽極の材料M2の仕事関数を表す。
−EO1Cは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EO1Vは、材料O1のHOMOレベルのエネルギーを表す。
−EO2Cは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EO2Vは、材料O2のHOMOレベルのエネルギーを表す。
−EDLCは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EDLVは、発光ドーパントのHOMOレベルのエネルギーを表す。
これらの材料およびこのドーパントは、好ましくは以下の条件を満たすように選択される。
−a)EM1≧EO1CおよびEM2≦EO2V、これらの条件は、電極と有機材料との間の接合部が抵抗性でないという事実を表している。
−b)b−1)EO2C<EO1Cおよびb−2)EO1V>EO2V、これらの条件は、第1の層内を流れる電子が第2の層内に入るのを阻止される事実、および第2の層内を流れる正孔が第1の層内に入るのを阻止される事実を表す。
−c)EDLV−EDLC<EO1V−EO1C+0.3eV(発光ドーパントが第1の層のゾーンをドープする場合)およびEDLV−EDLC<EO2V−EO2C+0.3eV(発光ドーパントが第2の層のゾーンをドープする場合)、上記のように、また図4に例示されているように、両方の場合が同時に発生しうる。
−d)d−1)EDLV−EDLC<EO2V−EO1C+0.3eVおよびd−2)EDLV−EDLC<EO1V−EO2C+0.3eV、励起錯体形成を制限し、歩留まりの改善を可能にする。
材料の選択が行われた後、以下のスタックがガラス基板上に、または活性マトリックス上に、好ましくは真空蒸着により形成される。
−陽極1、一般的に、10nmから200nmまでの範囲の厚さを持つ、
−有機材料O2に基づく層、一般的に、30nmから200nmまでの範囲の厚さを持ち、有機材料O2を蒸着する第1の工程では、正孔供与体(つまり、電子受容体)ドーパントは、厚さが20nmを超えるp型ドープゾーン2を形成するように同時蒸着され、適宜、同じ有機材料O2を真空蒸着する第2の工程において、次いで、蒸着がドーパント同時蒸着なしで続けられ、厚さが20nm未満の非ドープ障壁ゾーン3を形成する、
−有機材料O1に基づく層、一般的に、30nmから200nmまでの範囲の厚さを持ち、有機材料O1を真空蒸着するオプションの第1の工程において、材料O1は、ドーパント同時蒸着なしで蒸着され、厚さが20nm未満の非ドープ障壁ゾーン5を形成し、同じ有機材料O1を真空蒸着する第2の工程において、電子供与体ドーパントの同時蒸着を行いながら蒸着が続けられ、厚さが20nmを超えるn型ドープゾーン6を形成する、
−陰極7、一般的に、10nmから200nmまでの範囲の厚さを持つ。
有機材料O2の蒸着の終了時に、および/または有機材料O1の蒸着の開始時に、この蒸着は、電界発光ドーパントの同時蒸着を行いながら実行され、2つの層の間の界面に少なくとも1つの電界発光ゾーン4、4’を形成するが、一般的に20nm以上の厚さを有する。
それぞれの層内にすべてのゾーンを形成する蒸着の後、特に酸素および周囲空気の湿度による劣化の危険性からすでに蒸着されている有機層を保護することを目的とする封入層が、その後、本質的に知られている方法で蒸着される。
本発明によるダイオードが得られる。
図2から5を参照すると、本発明による多くても2つの有機層のみを持つダイオードの3つの異なる実施形態が示されており、図2の場合、単一の電界発光ゾーン4は陽極側の材料O2の有機層に属し、図3の場合、単一の電界発光ゾーン4’は陰極側の材料O1の有機層に属し、図4の場合、2つの隣接する電界発光ゾーン4、4’を持ち、一方の4は陽極側の材料O2の有機層に属し、他方の4’は陰極側の材料O1の有機層に属し、最後に、図5を参照すると、2つの有機材料O1およびO2が同一であり、そこで単一の材料がOとして参照される、特定の実施形態が示されている。図2から4の実施形態が好ましい。
上述のすべての実施形態に適用可能な本発明の一変更形態によれば、構造は、反転される、つまり、まず最初に陰極が蒸着され、次いで、材料O1の層、材料O2の層、そして陰極と続く。
上述の障壁ゾーン3、5は、電子または正孔のブロッキングがあるため有利であるが、これらの障壁ゾーンは、それにもかかわらず、任意に選択できることに留意されたい。
得られたダイオードは、歩留まりが非常によく、また効率も非常によいが、異なる有機材料に基づく多くても2つの有機層を含むだけなので、特に加工する際に経済的である。
以下の実施例により本発明を説明する。
この実施例は、図3に表されているように本発明の一実施形態を例示することを目的としており、そこでは、ダイオードは、陰極と接触している、材料O1に基づく層内に含まれる単一の発光ゾーンのみを備える。
真空蒸着(陽極を除く)により、以下のスタックが、ガラス基板上に知られている方法により形成される。
−例えば、陰極スパッタによる、厚さ150nmのITO陽極、
−2,2’,7,7’−テトラキス(ジフェニルアミン)−9,9’−スピロ−ビフルオレンという名称の化合物に対応する省略記号で表される、全厚さが45nmである、有機材料O2=Spiro−TADに基づく層、p型ドープゾーン2を形成することを目的とする第1のSpiro−TAD真空蒸着工程では、正孔供与体(電子受容体)ドーパント、ここではテトラ−フルオロ−テトラ−シアノ−キノジメタンという名称の化合物に対応する省略記号で表されるF4−TCNQが同時蒸着され、p型ドープゾーンの厚さは、約35nmであり、ドーピングレベルは、水晶天秤に基づき、蒸着室内に組み込まれた従来のデバイスの助けを借りて、約2重量%に調節され、障壁ゾーン3を形成することを目的としている同じSpiro−TADを真空蒸着する第2の工程において、蒸着は、その後、ドーパント同時蒸着なしで続けられ、厚さが約10nmである非ドープ障壁ゾーン3が得られる、
−バソフェナントロリン、より正確には、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンという名称の化合物に対応する省略記号で表される、全厚さが約72nmである、有機材料O1=Bphenに基づく層、電界発光ゾーン4’を形成することを目的とする第1のBphen真空蒸着工程において、ルブレンにより形成される発光ドーパントは、同時蒸着され、これにより、電界発光ゾーン4’の約32nmの厚さの上に約20重量%のルブレンによるドープを行い、他の障壁ゾーン5を形成することを目的としている同じBphenを真空蒸着する第2の工程において、蒸着は、その後、ドーパント同時蒸着なしで続けられ、厚さが約5nmである非ドープ障壁ゾーン3が得られ、n型ドープゾーン6を形成することを目的とする第3のBphen真空蒸着工程において、Bphen蒸着は、セシウムにより形成される電子供与体を同時蒸着しながら続けられ、これにより約35nmの厚さのドープゾーン6が形成され、ドーピングレベルは蒸着層の厚さ10nmにつき10から20mVの範囲内にあり、図6に示されている測定デバイスを使用して、このドーピングレベルが以下の通り評価されるが、蒸着室において、材料O1は、I=1.25mmだけ隔てられ、d=14mmを超えて伸びており、直列接続されているDC電圧E=10Vの発電機および基準抵抗器R=4.5MΩを備える抵抗測定デバイスに接続されている、2つの金属電極(図中斜線部)の間で同時に蒸着され、蒸着された厚さの関数としての抵抗器の端子間の電圧の変動(ここでは10nmのステップを使用する)から、セシウムドーピングのレベルに比例する値が得られる、
−厚さ150nmのアルミニウム陰極7。
特に酸素および周囲空気の湿度による劣化の危険性からすでに蒸着されている有機層を保護することを目的とする封入層(図に示されていない)が、その後、本質的に知られている方法で蒸着される。
本発明によるダイオードが得られる。
M1=4.3eVがアルミニウムの仕事関数を表す場合、EM2=4.5から5.0eVは、ITOの仕事関数を表し、EO1C=3.0eVがLUMOレベルのエネルギーを表し、EO1V=6.3eVがBphenのHOMOレベルのエネルギーを表す場合、EO2C=2.4eVは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EO2V=5.3eVは、Spiro−TADのHOMOレベルのエネルギーを表し、EDLC=3.0eVは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EDLV=5.3eVは、発光ドーパントルブレンのHOMOレベルのエネルギーを表し、次いで、材料および発光ドーパントの選択は、本発明による実質的にすべての有利な条件a)からd)に対応することがわかる。
−a)EM1(4.3)≧EO1C(3.0)およびEM2(4.5から5.0)≦EO2V(5.3)
−b)EO2C(2.4)<<EO1C(3.0)およびEO1V(6.3)>>EO2V(5.3)
−c)EDLV−EDLC(=2.3eV)<EO2V−EO2C+0.3eV(=3.2eV)、発光ドーパントが第2の層のゾーンをドープするからである、
−d)EDLV−EDLC(=2.3eV)<EO2V−EO1C+0.3eV(=2.6eV)およびEDLV−EDLC<EO1V−EO2C+0.3eV。
こうして得られるダイオードの電気的性能および発光性能は、図7および8に示されており、図7は、電流I(mA/cm)および輝度L(Cd/m)の値をダイオードの端子間の電圧U(V)の関数として示しており、1mA/cmでは、35.7Cd/mとなり、電圧2.85Vを必要とし、図8は、Cd/Aとルーメン/ワットを単位とする発光効率の2つの値を示しており、100Cd/mおよび電圧3.09Vで、効率は3.12Cd/Aおよび3.17Lm/Wである。
したがって、完全に許容可能な性能および歩留まりは、特に単純で、経済的なダイオード構造で得られることがわかる。
この実施例は、図2に表されているように本発明の一実施形態を例示することを目的としており、そこでは、ダイオードは、陽極と接触している、材料O2に基づく層内に含まれる単一の発光ゾーンのみを備える。
陰極、第1の有機層、第2の有機層、陽極、および発光ドーパントの基本材料は、実施例1のものと同じである。実施例1と同様の手順が採用されるが、ただし、以下の点を除く。
−障壁層3が形成される有機材料O2=Spiro−TADに基づく層を蒸着する第2の工程の後に、電界発光ゾーン4の約32nmの厚さの上に約20重量%のルブレンによるドーピングを行うためにルブレンを同時蒸着することにより電界発光ゾーン4を形成することを目的とする、Spiro−TADを真空蒸着する第3の工程が加えられ、次いで、Spiro−TADに基づく層の全厚さは、約77nmとなる。
−有機材料O1=Bphenに基づき層内に電界発光ゾーンを形成する第1の工程は、省かれ、代わりに、障壁層5を形成する工程に直接進み、次いで、BPhenに基づく層の全厚さは、約40nmである。
本発明によるダイオードが得られる。
実施例1の場合のように、材料およびドーパントは同一なので、材料および発光ドーパントの選択は、本発明によるすべての有利な条件a)からd)に前のように対応し、発光ドーパントが第1の層のゾーンをドープするので、条件c)のみが変わっており、この条件は、EDLV−EDLC(=2.3eV)<EO1V−EO1C+0.3eV(=3.6eV)なので十分に満たされている。
ダイオードの電気的性能および発光性能は、図9および10に示されており、図9は、電流I(mA/cm)および輝度L(Cd/m)の値をダイオードの端子間の電圧U(V)の関数として示しており、1mA/cmでは、37.1Cd/mとなり、電圧2.57Vを必要とし、図10は、Cd/Aとルーメン/ワットを単位とする発光効率の2つの値を示しており、100Cd/mおよび電圧2.7Vで、効率は3.88Cd/Aおよび4.51Lm/Wである。
したがって、この第2の実施例は、完全に許容可能な性能および歩留まりが、特に単純で、経済的なダイオード構造で得られることを明示している。
この実施例は、図2を参照しつつ他の実施形態を例示することを目的としており、そこでは、ダイオードは、陽極と接触している、材料O2に基づく層内に含まれる単一の発光ゾーンのみを備える。実施例2で説明されているものに相当する方法の助けを借りて、同じドーピングレベルおよび同じ厚さを使用し、スタックITO/F4TCNQドープTAZ/TAZ/IrppyドープTAZ/Bphen/CsドープBphen/Alが形成される。第2の層の有機材料は、ここではTAZであり、これは3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−タート−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾールの略称である。発光ドーパントは、ここではIrppyであり、これは、トリス[2−(2−ピリジニル)フェニル−C,N]−イリジウムの略称である。
M1=4.3eVがアルミニウムの仕事関数を表す場合、EM2=4.5から5.0eVは、ITOの仕事関数を表し、EO1C=3.0eVがLUMOレベルのエネルギーを表し、EO1V=6.3eVがBphenのHOMOレベルのエネルギーを表す場合、EO2C=2.6eVは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EO2V=6.6eVは、TAZのHOMOレベルのエネルギーを表し、EDLC=2.4eVは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EDLV=5.4eVは、発光ドーパントIrppyのHOMOレベルのエネルギーを表し、次いで、材料および発光ドーパントの選択は、本発明による実質的にすべての有利な条件a)からd)に対応することがわかる。
−a)EM1(4.3)≧EO1C(3.0)およびEM2(4.5から5.0)≦EO2V(6.6)
−b)EO2C(2.6)<<EO1C(3.0)、これにより電子のブロッキングを確実に行うことが可能になり、他方で、不等式EO1V(6.3)>>EO2V(6.6)が満たされないので、正孔のブロッキングは、効率的に保証されない。
−c)EDLV−EDLC(=3.0eV)<EO2V−EO2C+0.3eV(=4.3eV)、発光ドーパントが第2の層のゾーンをドープするからである。
−d)EDLV−EDLC(=3.0eV)<EO2V−EO1C+0.3eV(=3.9eV)およびEDLV−EDLC(=3.0eV)<EO1V−EO2C+0.3eV(4eV)、ここで、2つの前の実施例のように、励起錯体を制限する2つの条件が満たされることがわかる。
得られるダイオードは、実施例1および2と完全に同等の電気的性能および発光性能を有する。
この実施例は、図3を参照しつつ他の実施形態を例示することを目的としており、そこでは、ダイオードは、陰極と接触している、材料O1に基づく層内に含まれる単一の発光ゾーンのみを備える。
実施例1で説明されているものに相当する方法の助けを借りて、同じドーピングレベルおよび同じ厚さを使用し、スタックITO/F4TCNQドープTCTA/TCTA/ルブレンドープAlq3/Alq3/LiドープAlq3/Alが形成される。第1の層の有機材料O1は、ここではAlq3であり、これは、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムの略称である。第2の層の有機材料O2は、ここではTCTAであり、これは、4,4’,4’−トリ(N−カルバゾール)トリフェニル−アミンの略称である。発光ドーパントは、ここもルブレンである。
M1=4.3eVがアルミニウムの仕事関数を表す場合、EM2=4.5から5.0eVは、ITOの仕事関数を表し、EO1C=2.9eVがLUMOレベルのエネルギーを表し、EO1V=5.8eVがAlq3のHOMOレベルのエネルギーを表す場合、EO2C=2.7eVは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EO2V=5.8eVは、TCTAのHOMOレベルのエネルギーを表し、EDLC=3.0eVは、LUMOレベルのエネルギーを表し、EDLV=5.3eVは、発光ドーパントルブレンのHOMOレベルのエネルギーを表し、次いで、材料および発光ドーパントの選択は、本発明による実質的にすべての有利な条件a)からd)に対応することがわかる。
−a)EM1(4.3)≧EO1C(2.9)およびEM2(4.5から5.0)≦EO2V(5.8)
−b)EO2C(2.7)<EO1C(2.9)およびEO1V(6.0)>EO2V(5.8)
−c)EDLV−EDLC(=2.3eV)<EO1V−EO1C+0.3eV(=3.4eV)、発光ドーパントが第1の層のゾーンをドープするからである、
−d)EDLV−EDLC(=2.3eV)<EO2V−EO1C+0.3eV(=3.2eV)およびEDLV−EDLC(=3.0eV)<EO1V−EO2C+0.3eV(3.6eV)、ここで、励起錯体を制限する2つの条件が満たされることがわかる。
得られたダイオードは、本発明によるすべての条件が満たされているため、きわめて例外的な電気的性能および発光性能を有する。本発明は、特に、例えば照明または画像表示用の発光ダイオードパネルに適用され、当業者には、これが付属の請求項の範囲から逸脱することなく、複数の有機発光ダイオードを組み込んだシステムに適用できることは明白である。
従来技術による有機発光ダイオード構造を表す、すでに説明されている図である。 単一の電界発光ゾーンが陽極側の有機層に属す、本発明による2つの有機層を有するダイオードの異なる実施形態を表す図である。 単一の電界発光ゾーンが陰極側の有機層に属す、本発明による2つの有機層を有するダイオードの異なる実施形態を表す図である。 2つの隣接する電界発光ゾーンを持ち、一方は陽極側の有機層に属し、他方は陰極側の有機層に属す、本発明による2つの有機層を持つダイオードの異なる実施形態を表す図である。 2つの有機材料O1およびO2が同一であり、そこで単一の材料がOとして参照される、特定の実施形態を表す図である。 有機層の電子ドーピングレベルを検査することを可能にする電子測定デバイスを説明する図である。 実施例1により得られたダイオードの、電気的特性、発光特性、さらに歩留まりを表す図である。 実施例1により得られたダイオードの、電気的特性、発光特性、さらに歩留まりを表す図である。 実施例2により得られたダイオードの、電気的特性、発光特性、さらに歩留まりを表す図である。 実施例2により得られたダイオードの、電気的特性、発光特性、さらに歩留まりを表す図である。

Claims (10)

  1. 有機発光ダイオードであって、
    陰極(7)および陽極(1)と、
    前記陰極と前記陽極の間に差し挟まれる、
    この陰極(7)と接触しているこの層のゾーン(6)内でn型ドープされている第1の有機材料(O1)に基づく、前記陰極と接触する第1の層と、
    この陽極(6)と接触しているこの層のゾーン(2)内でp型ドープされている第2の有機材料(O2)に基づく、前記陽極と接触する第2の層とを備え、
    前記第1の層および/または前記第2の層は、他の層と接触し、n型ドープもp型ドープもされていない、電界発光ゾーン(4、4’)を含み、
    前記第2の有機材料(O2)は、前記第1の有機材料(O1)と異なる
    ことを特徴とする有機発光ダイオード。
  2. 前記第1の層の前記n型ドープゾーン(6)の厚さおよび前記第2の層の前記p型ドープゾーン(2)の厚さは、20nmを超えることを特徴とする請求項1に記載のダイオード。
  3. さらに、実質的にドープされていない、前記ドープゾーン(2、6)のうちの1つと前記電界発光ゾーン(4、4’)のうちの1つとの間に差し挟まれている、少なくとも1つの拡散障壁ゾーン(3、5)も備えることを特徴とする請求項1または2に記載のダイオード。
  4. それぞれの拡散障壁ゾーン(3、5)の厚さは、20nm未満であることを特徴とする請求項3に記載のダイオード。
  5. 前記陰極および前記陽極が、それぞれ導電性材料(M1)および(M2)から作られる場合、また前記材料(M1)の仕事関数および前記材料(M2)の仕事関数が、それぞれ、EM1およびEM2で表される場合、EO1Cが、LUMOレベルの電子親和力またはエネルギーを表し、EO1Vが、前記第1の有機材料(O1)のHOMOレベルのイオン化ポテンシャルまたはエネルギーを表し、EO2Cが、LUMOレベルのエネルギーを表し、EO2Vが、前記第2の有機材料(O2)のHOMOレベルのエネルギーを表し、これらのレベルがすべて無限遠での真空中の電子のエネルギーに関して正に評価される場合、前記陰極の前記導体材料、前記陽極の前記導体材料、ならびに前記第1および第2の有機材料は、EM1≧EO1CおよびEM2≦EO2Vとなるように選択されることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載のダイオード。
  6. 前記第1および第2の有機材料は、さらにEO2C<EO1Cおよび/またはEO1V>EO2Vとなるように選択されることを特徴とする請求項5に記載のダイオード。
  7. 前記少なくとも1つの電界発光ゾーン(4、4’)は、発光ゾーンが前記第1の層に属す場合にEDLV−EDLC<EO1V−EO1C+0.3eVとなり、また発光ゾーンが前記第2の層に属す場合にEDLV−EDLC<EO2V−EO2C+0.3eVとなるようにLUMOレベルがEDLCにより定義され、HOMOレベルがEDLVにより定義されるように選択された少なくとも1つの発光ドーパントを含むことを特徴とする請求項5または6に記載のダイオード。
  8. 前記第1および第2の有機材料、および前記少なくとも1つの発光ドーパントは、EDLV−EDLC<EO2V−EO1C+0.3eVとなるように、またEDLV−EDLC<EO1V−EO2C+0.3eVとなるように選択されることを特徴とする請求項7に記載のダイオード。
  9. 前記第1の有機材料は、Bphen、BCP、DPVBi、TPBi、およびAlq3からなる群から選択され、前記第2の有機材料は、Spiro−TAD、TAZ、およびTCTAからなる群から選択されることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載のダイオード。
  10. 前記請求項のいずれか1項に記載の複数のダイオードを含むことを特徴とする画像表示または照明パネル。
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