JP2004303650A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2004303650A
JP2004303650A JP2003097307A JP2003097307A JP2004303650A JP 2004303650 A JP2004303650 A JP 2004303650A JP 2003097307 A JP2003097307 A JP 2003097307A JP 2003097307 A JP2003097307 A JP 2003097307A JP 2004303650 A JP2004303650 A JP 2004303650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic compound
layer
ppm
organic
weight concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003097307A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Hamada
祐次 浜田
Masakazu Sakata
雅一 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2003097307A priority Critical patent/JP2004303650A/ja
Priority to TW093107399A priority patent/TWI233758B/zh
Priority to CNA2004100085646A priority patent/CN1535092A/zh
Priority to KR1020040020277A priority patent/KR20040086194A/ko
Priority to US10/813,624 priority patent/US20050084709A1/en
Publication of JP2004303650A publication Critical patent/JP2004303650A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/311Purifying organic semiconductor materials
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/18Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the nature or concentration of the activator
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/14Carrier transporting layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】有機化合物層中の特定の不純物を制御することにより、発光効率および発光寿命が向上された有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含む有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる銅原子の重量濃度を500ppm以下に制御し、有機化合物層50に含まれるアルミニウム原子の重量濃度を800ppm以下に制御し、有機化合物層50に含まれる鉄原子の重量濃度を800ppm以下に制御する。また、有機化合物層50に含まれるニッケル原子の重量濃度を900ppm以下に制御し、有機化合物層50に含まれるナトリウム原子の重量濃度を1000ppm以下に制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報機器の多様化に伴い、一般に使用されているCRT(陰極線管)に比べて消費電力が少ない平面表示素子に対するニーズが高まってきている。このような平面表示素子の一つとして、高効率・薄型・軽量・低視野角依存性等の特徴を有する有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)素子が注目され、この有機EL素子を用いたディスプレイの開発が活発に行われている。
【0003】
有機EL素子は、電子注入電極とホール注入電極とからそれぞれ電子とホールとを発光内部へ注入し、注入された電子およびホールを発光内部中心で再結合させて有機分子を励起状態にし、この有機分子が励起状態から基底状態へと戻るときに蛍光を発生する自発光型の素子である。
【0004】
この有機EL素子は、発光材料である蛍光物質を選択することにより発光色を変化させることができ、マルチカラー、フルカラー等の表示装置への応用に対する期待が高まってきている。有機EL素子は低電圧で面発光できるため、液晶表示装置等のバックライトとして利用することも可能である。このような有機EL素子は、現在のところ、デジタルカメラや携帯電話等の小型ディスプレイへの応用が進んでいる段階である。
【0005】
一般的に、有機EL素子は、基板上に、ホール注入電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層および電子注入電極が順に積層された構造を有する。以下、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層を有機化合物層と呼ぶ。
【0006】
有機EL素子のホール注入層およびホール輸送層には、ホールの輸送能力が高いフェニルアミン誘導体が用いられている(例えば、特許文献1参照)。フェニルアミン誘導体を使用することにより、ホール注入層およびホール輸送層内で効率的にホールが輸送されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平14−237384号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
有機EL素子を構成する有機化合物層において、種々の不純物は発光特性に関係するものと考えられる。すなわち、ある不純物は発光特性を向上させるが、他のある不純物は発光特性を低下させる場合があると考えられる。
【0009】
しかしながら、有機化合物層中の特定の不純物が発光特性に与える影響については詳細には解明されていない。
【0010】
本発明の目的は、有機化合物層中の特定の不純物を制御することにより、発光効率および発光寿命が向上された有機EL素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者は、有機化合物層中の不純物が発光特性に与える影響を解明すべく、種々の実験および考察を重ねた結果、有機化合物層中の特定の金属不純物がキャリアの輸送能力を著しく低下させ、それにより発光特性が低下することを見出した。そして、有機化合物層中の特定の金属不純物の濃度を制御することにより、発光特性を向上させることができるという知見を得、以下の発見を案出した。
【0012】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物層を備え、有機化合物層中に重量濃度が500ppm以下の不純物としての銅原子を含むものである。
【0013】
ここで、フェニルアミノ基は、下記式(1)で表される。
【0014】
【化1】
Figure 2004303650
【0015】
有機化合物層中の不純物としての銅原子の重量濃度が500ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0016】
有機化合物層中の不純物としての銅原子の重量濃度は200ppm以下であってもよい。有機化合物層中の不純物としての銅原子の重量濃度が200ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命をより向上させることができる。
【0017】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物層を備え、有機化合物層中に重量濃度が800ppm以下の不純物としてのアルミニウム原子を含むものである。
【0018】
有機化合物層中の不純物としてのアルミニウム原子の重量濃度が800ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0019】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物層を備え、有機化合物層中に重量濃度が800ppm以下の不純物としての鉄原子を含むものである。
【0020】
有機化合物層中の不純物としての鉄原子の重量濃度が800ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0021】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物層を備え、有機化合物層中に重量濃度が900ppm以下の不純物としてのニッケル原子を含むものである。
【0022】
有機化合物層中の不純物としてのニッケル原子の重量濃度が900ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物層を備え、有機化合物層中に重量濃度が1000ppm以下の不純物としてのナトリウム原子を含むものである。
【0024】
有機化合物層中の不純物としてのナトリウム原子の重量濃度が1000ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0025】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機化合物膜を備え、複数の有機化合物膜のうち少なくとも1つの有機化合物膜は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含み、少なくとも1つの有機化合物膜の重量が、複数の有機化合物膜の合計の重量の30%以上である場合、少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としての銅原子の重量濃度が170ppm以下であることが好ましい。
【0026】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としての銅原子の重量濃度が170ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0027】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としての銅原子の重量濃度は70ppm以下であることが好ましい。
【0028】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としての銅原子の重量濃度が70ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命をより向上させることができる。
【0029】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機化合物膜を備え、複数の有機化合物膜のうち少なくとも1つの有機化合物膜は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含み、少なくとも1つの有機化合物膜の重量が、複数の有機化合物膜の合計の重量の30%以上である場合、少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのアルミニウム原子の重量濃度が270ppm以下であることが好ましい。
【0030】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのアルミニウム原子の重量濃度が270ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0031】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機化合物膜を備え、複数の有機化合物膜のうち少なくとも1つの有機化合物膜は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含み、少なくとも1つの有機化合物膜の重量が、複数の有機化合物膜の合計の重量の30%以上である場合、少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としての鉄原子の重量濃度が270ppm以下であることが好ましい。
【0032】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としての鉄原子の重量濃度が270ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0033】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機化合物膜を備え、複数の有機化合物膜のうち少なくとも1つの有機化合物膜は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含み、少なくとも1つの有機化合物膜の重量が、複数の有機化合物膜の合計の重量の30%以上である場合、少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのニッケル原子の重量濃度が300ppm以下であることが好ましい。
【0034】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのニッケル原子の重量濃度が300ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0035】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機化合物膜を備え、複数の有機化合物膜のうち少なくとも1つの有機化合物膜は、フェニルアミノ基を有する有機化合物を含み、少なくとも1つの有機化合物膜の重量が、複数の有機化合物膜の合計の重量の30%以上である場合、少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのナトリウム原子の重量濃度が340ppm以下であることが好ましい。
【0036】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのナトリウム原子の重量濃度が340ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0037】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、キノリノール基を有する有機化合物を含む有機化合物層を備え、有機化合物層中に重量濃度が800ppm以下の不純物としての鉄原子を含むものである。
【0038】
ここで、キノリノール基は、下記式(2)で表される。
【0039】
【化2】
Figure 2004303650
【0040】
有機化合物層中の不純物としての鉄原子の重量濃度が800ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0041】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、キノリノール基を有する有機化合物を含む有機化合物層を備え、有機化合物層中に重量濃度が900ppm以下の不純物としてのニッケル原子を含むものである。
【0042】
有機化合物層中の不純物としてのニッケル原子の重量濃度が900ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0043】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、キノリノール基を有する有機化合物を含む有機化合物層を備え、有機化合物層中に重量濃度が1000ppm以下の不純物としてのナトリウム原子を含むものである。
【0044】
有機化合物層中の不純物としてのナトリウム原子の重量濃度が1000ppm以下であることにより、有機化合物層中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0045】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機化合物膜を備え、複数の有機化合物膜のうち少なくとも1つの有機化合物膜は、キノリノール基を有する有機化合物を含み、少なくとも1つの有機化合物膜の重量が、複数の有機化合物膜の合計の重量の30%以上である場合、少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としての鉄原子の重量濃度が270ppm以下であることが好ましい。
【0046】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としての鉄原子の重量濃度が270ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0047】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機化合物膜を備え、複数の有機化合物膜のうち少なくとも1つの有機化合物膜は、キノリノール基を有する有機化合物を含み、少なくとも1つの有機化合物膜の重量が、複数の有機化合物膜の合計の重量の30%以上である場合、少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのニッケル原子の重量濃度が300ppm以下であることが好ましい。
【0048】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのニッケル原子の重量濃度が300ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0049】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機化合物膜を備え、複数の有機化合物膜のうち少なくとも1つの有機化合物膜は、キノリノール基を有する有機化合物を含み、少なくとも1つの有機化合物膜の重量が、複数の有機化合物膜の合計の重量の30%以上である場合、少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのナトリウム原子の重量濃度が340ppm以下であることが好ましい。
【0050】
少なくとも1つの有機化合物膜中の不純物としてのナトリウム原子の重量濃度が340ppm以下であることにより、有機化合物膜中に注入されたキャリアの輸送能力が向上する。それにより、キャリアの再結合の低下を防止することができる。その結果、発光層における発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)素子について図面を参照しながら説明する。
【0052】
図1は本発明の実施の形態に係る有機EL素子の構造を示す模式図である。
図1に示すように、有機EL素子100においては、ガラス基板1上に透明電極膜からなるホール注入電極(陽極)2が形成されている。ホール注入電極2上には、有機材料からなるホール注入層3、有機材料からなるホール輸送層4および有機材料からなる発光層5が順に形成されている。また、発光層5上には、有機材料からなる電子輸送層6が形成されており、電子輸送層6上には、有機材料からなる電子注入層7が形成されている。さらに、電子注入層7上には、電子注入電極(陰極)8が形成されている。有機化合物層50は、ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5、電子輸送層6および電子注入層7からなる。この場合、ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5、電子輸送層6および電子注入層7が複数の有機化合物膜に相当する。
【0053】
ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5、電子輸送層6および電子注入層7は有機化合物からなる。なお、電子注入層7は、フッ化リチウム(LiF)等の無機材料からなってもよい。その場合には、有機化合物層50は、ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5および電子輸送層6からなる。
【0054】
本実施の形態においては、有機化合物としてフェニルアミン誘導体の一種である下記式(1)で表される分子構造を有するN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(N,N’−Di(naphthalene−1−yl)−N,N’−diphenyl−benzidine:以下、NPBと称する)を用いる。フェニルアミン誘導体は、ウルマン反応により生成される。ウルマン反応では、触媒として銅粉を用いる。
【0055】
また、有機化合物としてキノリン誘導体の一種である下記式(2)で表される分子構造を有するトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(以下、Alqと称する)を用いる。
【0056】
【化3】
Figure 2004303650
【0057】
【化4】
Figure 2004303650
【0058】
また、ホール注入電極2は、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の金属化合物、銀等の金属または合金からなる透明電極、半透明電極または不透明電極である。また、電子注入電極8は、ITO等の金属化合物、金属または合金からなる透明電極である。
【0059】
有機EL素子100のホール注入電極2と電子注入電極8との間に駆動電圧が印加されると発光層5が発光する。発光層5において発生された光は、電子注入電極8およびカラーフィルタ(図示せず)等を介して外部に取り出される。
【0060】
次に、本実施の形態における有機化合物層50に含まれる金属原子の含有量の測定方法について説明する。
【0061】
本実施の形態においては、有機化合物層50を構成する各層は、厚さが非常に薄く、また強度的にも弱いので、有機化合物層50の各層を分離して金属原子の含有量の測定を行うことは困難である。
【0062】
したがって、有機EL素子を溶媒で溶解することにより、ガラス基板1から有機化合物層50を分離させる。
【0063】
次に、上記溶媒を蒸発させることにより、溶媒に溶解された有機化合物層50を形成する有機化合物を固形化させる。
【0064】
続いて、固形化させた有機化合物の重量を秤量し、坩堝内で加熱して灰化させる。次に、灰化させた有機化合物に塩酸等の酸を加え、有機化合物に含まれる金属を溶解させる。続いて、有機化合物に酸を加えて金属を溶解させた試料を純粋で一定量に希釈し、ICP(誘導結合プラズマ)法により有機化合物中に含まれる金属原子の重量濃度を測定する。
【0065】
ICP法とは、アルゴンプラズマの高温中に金属原子を含む試料を入れ、発生する光を測定するものである。その光の波長は、金属原子に特有のものであり、光の強度は、試料中の金属原子の量に比例することから、試料中に含まれる金属原子の重量濃度の定量分析が可能となる。
【0066】
なお、本実施の形態では、ICP法を用いて金属原子の重量濃度を測定したが、原子吸光法等を用いて測定してもよい。
【0067】
有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としての銅原子の重量濃度は500ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0068】
また、有機化合物層50に含まれる不純物としての銅原子の重量濃度は200ppm以下であることがより好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命をより向上させることができる。
【0069】
また、有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としてのアルミニウム原子の重量濃度は800ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0070】
また、有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としての鉄原子の重量濃度は800ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0071】
また、有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としてのニッケル原子の重量濃度は900ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0072】
さらに、有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としてのナトリウム原子の重量濃度は1000ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0073】
有機化合物層50のいずれかの層にキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としての鉄原子の重量濃度は800ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0074】
また、有機化合物層50のいずれかの層にキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としてのニッケル原子の重量濃度は900ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0075】
さらに、有機化合物層50のいずれかの層にキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としてのナトリウム原子の重量濃度は1000ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0076】
有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)およびキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としての銅原子の重量濃度は500ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0077】
また、有機化合物層50に含まれる不純物としての銅原子の重量濃度は200ppm以下であることがより好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命をより向上させることができる。
【0078】
また、有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)およびキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としてのアルミニウム原子の重量濃度は800ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0079】
また、有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)およびキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としての鉄原子の重量濃度は1600ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0080】
また、有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)およびキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としてのニッケル原子の重量濃度は1800ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0081】
さらに、有機化合物層50のいずれかの層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)およびキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有する有機EL素子100において、有機化合物層50に含まれる不純物としてのナトリウム原子の重量濃度は2000ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0082】
有機化合物層50の少なくとも1層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有し、上記少なくとも1層の重量が有機化合物層50の重量の30%以上である有機EL素子において、上記少なくとも1層に含まれる不純物としての銅原子の重量濃度は170ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0083】
また、上記少なくとも1層に含まれる不純物としての銅原子の重量濃度は70ppm以下であることがより好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命をより向上させることができる。
【0084】
有機化合物層50の少なくとも1層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有し、上記少なくとも1層の重量が有機化合物層50の重量の30%以上である有機EL素子において、上記少なくとも1層に含まれる不純物としてのアルミニウム原子の重量濃度は270ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0085】
有機化合物層50の少なくとも1層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有し、上記少なくとも1層の重量が有機化合物層50の重量の30%以上である有機EL素子において、上記少なくとも1層に含まれる不純物としての鉄原子の重量濃度は270ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0086】
有機化合物層50の少なくとも1層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有し、上記少なくとも1層の重量が有機化合物層50の重量の30%以上である有機EL素子において、上記少なくとも1層に含まれる不純物としてのニッケル原子の重量濃度は300ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0087】
有機化合物層50の少なくとも1層にフェニルアミン誘導体(例えば、NPB)を含有し、上記少なくとも1層の重量が有機化合物層50の重量の30%以上である有機EL素子において、上記少なくとも1層に含まれる不純物としてのナトリウム原子の重量濃度は340ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0088】
有機化合物層50の少なくとも1層にキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有し、上記少なくとも1層の重量が有機化合物層50の重量の30%以上である有機EL素子において、上記少なくとも1層に含まれる不純物としての鉄原子の重量濃度は270ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0089】
有機化合物層50の少なくとも1層にキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有し、上記少なくとも1層の重量が有機化合物層50の重量の30%以上である有機EL素子において、上記少なくとも1層に含まれる不純物としてのニッケル原子の重量濃度は300ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0090】
有機化合物層50の少なくとも1層にキノリン誘導体(例えば、Alq)を含有し、上記少なくとも1層の重量が有機化合物層50の重量の30%以上である有機EL素子において、上記少なくとも1層に含まれる不純物としてのナトリウム原子の重量濃度は340ppm以下であることが好ましい。それにより、発光層5の発光効率および発光寿命を向上させることができる。
【0091】
なお、本実施の形態においては、有機化合物層50の各層に用いる有機化合物としてNPBおよびAlqを用いたが、これに限定されるものではなく、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Tris(2−phenylpyridine)iridium)(Ir(ppy)3と略記してもよい)等のイリジウム化合物誘導体、白金化合物誘導体および銅フタロシアニン(CuPc)誘導体等の金属錯体を用いてもよい。なお、銅フタロシアニンを構成する銅は、上記の不純物としての銅原子には含まれない。
【0092】
また、本実施の形態では、有機EL素子100は、ガラス基板1上にホール注入電極2、有機化合物層50および電子注入電極8が順に積層された構造を有するが、これに限定されるものではなく、ガラス基板1上にホール注入電極2、ホール輸送層4、発光層5、電子注入層7および電子注入電極8が順に積層された構造を有してもよい。
【0093】
【実施例】
以下の実施例では、有機化合物層に含まれる各種金属原子の濃度が異なる有機EL素子を作製し、発光層5の発光特性を測定した。なお、金属原子の重量濃度の測定方法として、上記実施の形態に係るICP法を用いた。
【0094】
ここで、電流密度20mA/cmでの発光層5の発光効率を測定した。また、発光寿命として、定電流で発光層5を連続発光させたときの発光層5の初期輝度1500cd/cm時の半減期を測定した。
【0095】
本実施例においては、ガラス基板1上にホール注入電極2、ホール輸送層4、発光層5、電子注入層7および電子注入電極8が順に積層された構造を有する有機EL素子を用いた。
【0096】
ホール注入電極2はITOからなる金属化合物であり、ホール輸送層4はNPBからなる。この場合、ホール輸送層4がフェニルアミノ基を有する化合物を含む有機化合物膜に相当する。また、発光層5はAlqからなり、電子注入層7はフッ化リチウム(LiF)からなる。さらに、電子注入電極8はアルミニウムからなる。ホール輸送層4および発光層5の厚みは、それぞれ700Åである。この場合、発光層5がキノリノール基を有する化合物を含む有機化合物膜に相当する。
【0097】
本実施例では、NPBおよびAlqの生成時の昇華精製の回数を変えて不純物濃度が異なる複数種類のNPBおよびAlqを生成し、それらのNPBおよびAlqを用いて発光層5の発光特性を測定した。
【0098】
(実施例1)
実施例1では、ホール輸送層4に含まれる銅原子の重量濃度を測定し、その重量濃度を有する有機EL素子における発光層5の発光効率および発光寿命を測定した。
【0099】
実施例1では、ホール輸送層4に含まれる銅原子の重量濃度が40ppm、80ppm、100ppm、200ppm、500ppm、800ppm、1100ppmおよび1500ppmの8種の有機EL素子を用いた。その測定結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
Figure 2004303650
【0101】
表1に示すように、銅原子の重量濃度(ppm)が低下するにつれて、発光効率(cd/cm)は上昇した。また、銅原子の重量濃度(ppm)が低下するにつれて、発光寿命(hr)も長くなった。
【0102】
特に、発光寿命においては、銅原子の重量濃度が40〜500ppmの場合、発光寿命は350時間以上となり、銅原子の重量濃度が800〜1500ppmの場合の発光寿命と比べ2倍以上長くなった。さらに、銅原子の重量濃度が200ppm以下の場合、発光寿命は400時間以上となった。
【0103】
以上の結果から、ホール輸送層4に含まれる銅原子の重量濃度は500ppm以下であることが好ましい。また、ホール輸送層4に含まれる銅原子の重量濃度は200ppm以下であることがより好ましい。
【0104】
(実施例2)
実施例2では、ホール輸送層4に含まれるアルミニウム原子の重量濃度を測定し、その重量濃度を有する有機EL素子における発光層5の発光効率および発光寿命を測定した。
【0105】
図2はホール輸送層4に含まれるアルミニウム原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【0106】
図2に示すように、アルミニウム原子の重量濃度が800ppm以下になると発光効率は最大値(300ppmの場合)の90%以上を確保することができた。
【0107】
以上の結果から、ホール輸送層4に含まれるアルミニウム原子の重量濃度は800ppm以下であることが好ましい。
【0108】
(実施例3)
実施例3では、ホール輸送層4に含まれるナトリウム原子の重量濃度を測定し、その重量濃度を有する有機EL素子における発光層5の発光効率および発光寿命を測定した。
【0109】
図3はホール輸送層4に含まれるナトリウム原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【0110】
図3に示すように、ナトリウム原子の重量濃度が1000ppm以下になると発光効率は最大値(600ppmの場合)の90%以上を確保することができた。
【0111】
以上の結果から、ホール輸送層4に含まれるナトリウム原子の重量濃度は1000ppm以下であることが好ましい。
【0112】
(実施例4)
実施例4では、ホール輸送層4に含まれる鉄原子の重量濃度を測定し、その重量濃度を有する有機EL素子における発光層5の発光効率および発光寿命を測定した。
【0113】
図4はホール輸送層4に含まれる鉄原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【0114】
図4に示すように、鉄原子の重量濃度が800ppm以下になると発光効率は最大値(400ppmの場合)の90%以上を確保することができた。
【0115】
以上の結果から、ホール輸送層4に含まれる鉄原子の重量濃度は800ppm以下であることが好ましい。
【0116】
(実施例5)
実施例5では、ホール輸送層4に含まれるニッケル原子の重量濃度を測定し、その重量濃度を有する有機EL素子における発光層5の発光効率および発光寿命を測定した。
【0117】
図5はホール輸送層4に含まれるニッケル原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【0118】
図5に示すように、ニッケル原子の重量濃度が900ppm以下になると発光効率は最大値(400ppmの場合)の90%以上を確保することができた。
【0119】
以上の結果から、ホール輸送層4に含まれるニッケル原子の重量濃度は900ppm以下であることが好ましい。
【0120】
(実施例6)
実施例6では、発光層5に含まれるナトリウム原子の重量濃度を測定し、その重量濃度を有する有機EL素子における発光層5の発光効率および発光寿命を測定した。
【0121】
図6は発光層5に含まれるナトリウム原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【0122】
図6に示すように、ナトリウム原子の重量濃度が1000ppm以下になると発光効率は最大値(600ppmの場合)の90%以上を確保することができた。
【0123】
以上の結果から、発光層5に含まれるナトリウム原子の重量濃度は1000ppm以下であることが好ましい。
【0124】
(実施例7)
実施例7では、発光層5に含まれる鉄原子の重量濃度を測定し、その重量濃度を有する有機EL素子における発光層5の発光効率および発光寿命を測定した。
【0125】
図7は発光層5に含まれる鉄原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【0126】
図7に示すように、鉄原子の重量濃度が800ppm以下になると発光効率は最大値(400ppmの場合)の90%以上を確保することができた。
【0127】
以上の結果から、発光層5に含まれる鉄原子の重量濃度は800ppm以下であることが好ましい。
【0128】
(実施例8)
実施例8では、発光層5に含まれるニッケル原子の重量濃度を測定し、その重量濃度を有する有機EL素子における発光層5の発光効率および発光寿命を測定した。
【0129】
図8は発光層5に含まれるニッケル原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【0130】
図8に示すように、ニッケル原子の重量濃度が900ppm以下になると発光効率は最大値(400ppmの場合)の90%以上を確保することができた。
【0131】
以上の結果から、発光層5に含まれるニッケル原子の重量濃度は900ppm以下であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る有機EL素子の構造を示す模式図である。
【図2】ホール輸送層4に含まれるアルミニウム原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【図3】ホール輸送層4に含まれるナトリウム原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【図4】ホール輸送層4に含まれる鉄原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【図5】ホール輸送層4に含まれるニッケル原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【図6】発光層5に含まれるナトリウム原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【図7】発光層5に含まれる鉄原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【図8】発光層5に含まれるニッケル原子の重量濃度に対する発光効率の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
50 有機化合物層
100 有機エレクトロルミネッセンス素子

Claims (9)

  1. フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物膜を少なくとも1つ含む有機化合物層を備え、
    前記有機化合物層中に重量濃度が500ppm以下の不純物としての銅原子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記有機化合物層中の前記不純物としての銅原子の重量濃度が200ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物膜を少なくとも1つ含む有機化合物層を備え、
    前記有機化合物層中に重量濃度が800ppm以下の不純物としてのアルミニウム原子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物膜を少なくとも1つ含む有機化合物層を備え、
    前記有機化合物層中に重量濃度が800ppm以下の不純物としての鉄原子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物膜を少なくとも1つ含む有機化合物層を備え、
    前記有機化合物層中に重量濃度が900ppm以下の不純物としてのニッケル原子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. フェニルアミノ基を有する有機化合物を含む有機化合物膜を少なくとも1つ含む有機化合物層を備え、
    前記有機化合物層中に重量濃度が1000ppm以下の不純物としてのナトリウム原子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. キノリノール基を有する有機化合物を含む有機化合物膜を少なくとも1つ含む有機化合物層を備え、
    前記有機化合物層中に重量濃度が800ppm以下の不純物としての鉄原子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. キノリノール基を有する有機化合物を含む有機化合物膜を少なくとも1つ含む有機化合物層を備え、
    前記有機化合物層中に重量濃度が900ppm以下の不純物としてのニッケル原子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. キノリノール基を有する有機化合物を含む有機化合物膜を少なくとも1つ含む有機化合物層を備え、
    前記有機化合物層中に重量濃度が1000ppm以下の不純物としてのナトリウム原子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
JP2003097307A 2003-03-31 2003-03-31 有機エレクトロルミネッセンス素子 Pending JP2004303650A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003097307A JP2004303650A (ja) 2003-03-31 2003-03-31 有機エレクトロルミネッセンス素子
TW093107399A TWI233758B (en) 2003-03-31 2004-03-19 Organic electroluminescence element
CNA2004100085646A CN1535092A (zh) 2003-03-31 2004-03-24 有机场致发光元件
KR1020040020277A KR20040086194A (ko) 2003-03-31 2004-03-25 유기 전계 발광 소자
US10/813,624 US20050084709A1 (en) 2003-03-31 2004-03-31 Organic electroluminescent device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003097307A JP2004303650A (ja) 2003-03-31 2003-03-31 有機エレクトロルミネッセンス素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004303650A true JP2004303650A (ja) 2004-10-28

Family

ID=33409129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003097307A Pending JP2004303650A (ja) 2003-03-31 2003-03-31 有機エレクトロルミネッセンス素子

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20050084709A1 (ja)
JP (1) JP2004303650A (ja)
KR (1) KR20040086194A (ja)
CN (1) CN1535092A (ja)
TW (1) TWI233758B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101911303B (zh) * 2007-12-25 2013-03-27 出光兴产株式会社 氧化物半导体场效应晶体管及其制造方法
JP6538339B2 (ja) * 2014-12-12 2019-07-03 株式会社Joled 有機el素子および有機el素子の製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4764625A (en) * 1980-12-12 1988-08-16 Xerox Corporation Process for preparing arylamines
DE69509187T2 (de) * 1994-10-31 1999-09-16 Hodogaya Chemical Co. Ltd., Kawasaki Tetrahydronaphthylaminostyrolverbindungen und ihre Verwendung in electrophotographischen Photorezeptoren
KR100255413B1 (ko) * 1995-03-15 2000-05-01 프리트 특수차량용 방탄그릴
US6822094B2 (en) * 1997-03-20 2004-11-23 Aventis Research & Technologies, Gmbh & Co. Kg Spiro compounds and their use
US5756786A (en) * 1997-06-25 1998-05-26 Morton International, Inc. High purity trimethylindium, method of synthesis
US6492041B2 (en) * 1997-12-25 2002-12-10 Nec Corporation Organic electroluminescent device having high efficient luminance
JP3290432B2 (ja) * 1998-12-28 2002-06-10 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2001167886A (ja) * 1999-12-13 2001-06-22 Nec Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2002235077A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 Nippon Steel Chem Co Ltd 有機el材料及びそれを用いた有機el素子
US6596450B2 (en) * 2001-09-10 2003-07-22 Xerox Corporation Charge transport components

Also Published As

Publication number Publication date
CN1535092A (zh) 2004-10-06
TWI233758B (en) 2005-06-01
US20050084709A1 (en) 2005-04-21
TW200501796A (en) 2005-01-01
KR20040086194A (ko) 2004-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI481089B (zh) 長使用期限之磷光性有機發光裝置結構
KR101149703B1 (ko) 나노-도트를 갖는 유기 발광 다이오드 및 그 제조 방법
JP2006128632A (ja) 有機エレクトロルミネッセント素子、及びディスプレイ装置
JP2006032883A (ja) 発光素子
JP2004319424A (ja) 有機電界発光ディスプレイ装置
TW201208167A (en) Electroluminescent devices for lighting applications
WO2015159971A1 (ja) 有機発光素子
JP2007281454A (ja) エレクトロルミネセンス素子を含む画像表示システムおよびその製造方法
JP2001297883A (ja) 有機電界発光素子
JP3951425B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2006120811A (ja) 発光素子及び表示装置
Reyes et al. Electrophosphorescence emission in organic light-emitting diodes based on (Sm+ Eu) complexes
JPH0693257A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3779625B2 (ja) 発光素子
KR101210048B1 (ko) 전기 변환 발광 중합체 및 유기 전계 발광 소자
Kuroda et al. External magnetic field-induced circularly polarized luminescence and electroluminescence from optically inactive thermally activated delayed fluorescence material 4CzIPN
JP2004031212A (ja) 有機電界発光素子
JP2004303650A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2012190843A (ja) 有機電界発光素子、表示装置および照明装置
JP2008071993A (ja) 発光素子
JP2006108458A (ja) 発光素子及び表示装置
JP2000030869A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH10204426A (ja) 有機薄膜発光素子
TWI282701B (en) Organic electroluminescent device
Lai et al. Excimer emission from a novel ethyne-based fluorescent dye in organic light-emitting devices

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050302

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050314

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050408

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20051226