JP6538339B2 - 有機el素子および有機el素子の製造方法 - Google Patents

有機el素子および有機el素子の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子、及び有機EL素子の製造方法に関する。
有機EL素子は、自己発光を行うため視認性が高く、さらに完全固体素子であるため耐衝撃性に優れるなどの特徴を有するため、近年、表示装置に有機EL素子を利用したものが普及しつつある。
有機EL素子は、一対の電極(陽極および陰極)間に、少なくとも発光層が挟まれた構成を有している。そして、有機EL素子は、多くの場合、発光層の他に、発光層に電子を供給するための機能層(電子輸送層、電子注入層)や、正孔注入層、正孔輸送層等が発光層と陰極との間にさらに挟まれた構成を有している。駆動時には、一対の電極間に電圧を印加し、陽極から発光層に注入されるホールと、陰極から発光層に注入される電子との再結合に伴って発光する。この有機EL素子に対して、高効率な発光特性と低電圧な駆動特性を得るための材料開発が行われている。例えば、特許文献1では、アルカリ金属塩を発光層のドーピング剤として用いることにより、電子注入におけるエネルギー障壁が低くし、低駆動電圧で高い電子輸送性を有する有機EL素子が提案されている。
特開2002−313581号公報
ところが、従来の有機EL素子では、発光層に注入される電子の量とホールの量とに不均衡があるために、発光効率が低いという課題を有していた。本開示は、上記課題に鑑み、低電圧駆動が可能で発光効率を向上する有機EL素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一態様における有機EL素子は、陽極と、前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層と、前記第1機能層の上方に配され有機発光材料に電子供与性材料が添加されてなる発光層と、前記発光層の上方に配され、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する第2機能層と、前記第2機能層の上方に配された陰極とを有し、前記発光層のキャリア密度が、1012/cm3以上、1019/cm3以下であることを特徴とする。
本開示の一態様に係る有機ELパネルでは、上記した構成により、発光層内に存在しホールとの再結合に寄与する電子の量を、正孔輸送層から発光層内に供給されるホールの量と均衡させることができる。そのため、低電圧駆動が可能で発光効率を向上する有機EL素子を提供することできる。
実施の形態に係る有機EL素子1の構成を模式的に示す断面図である。 有機EL素子1を備えた有機EL表示装置1000の構成を示すブロック図である。 有機EL素子1の製造過程の一部を模式的に示す部分断面図である。(a)は、基板上にTFT層および層間絶縁層が形成された状態を示す部分断面図である。(b)は、層間絶縁層上に画素電極が形成された状態を示す部分断面図である。(c)は、層間絶縁層および画素電極上に隔壁材料層が形成された状態を示す部分断面図である。 有機EL素子1の製造過程の一部を模式的に示す部分断面図である。(a)は、隔壁層が形成された状態を示す部分断面図である。(b)は、隔壁層の開口部内において画素電極上に正孔注入層が形成された状態を示す部分断面図である。(c)は、隔壁層の開口部内において正孔注入層上に正孔輸送層が形成された状態を示す部分断面図である。 有機EL素子1の製造過程の一部を模式的に示す部分断面図である。(a)は、隔壁層の開口部内において正孔輸送層上に有機発光材料層が形成された状態を示す部分断面図である。(b)は、有機発光材料層および隔壁層上に第1中間層が形成された状態を示す部分断面図である。(c)は、第1中間層上に第2中間層が形成された状態を示す部分断面図である。 有機EL素子1の製造過程の一部を模式的に示す部分断面図である。(a)は、第2中間層上に機能層が形成された状態を示す部分断面図である。(b)は、機能層上に対向電極が形成された状態を示す部分断面図である。(c)は、対向電極上に封止層が形成された状態を示す部分断面図である。 有機EL素子1の製造過程を示す模式工程図である。 有機EL素子1における正孔輸送層、発光層、電子輸送層のエネルギー準位が適切にバランスされている状態を示す概略図である。 有機EL素子1における正孔輸送層、発光層、電子輸送層のエネルギー準位が適切にバランスされていない状態の一例を示す概略図である。 (a)、(b)、(c)有機EL素子1における正孔輸送層16、発光層17、電子輸送層21のエネルギー準位を説明するための概略図である。 有機EL素子1における、発光層のエネルギーレベルのシフト量と最大エキシトン効率との関係を示すシミュレーション結果の図である。 有機EL素子1における、発光層のエネルギーレベルのシフト量と単位電流当たりの必要印加電圧との関係を示すシミュレーション結果の図である。 有機EL素子1における、発光層のエネルギーレベルのシフト量と発光層のn型キャリア密度との関係を示す計算結果を示した図である。 有機EL素子1における、発光層のエネルギーレベルのシフト量と、真性半導体のキャリア密度niに対する発光層のn型キャリア密度の比との関係を示す計算結果を示した図である。 (a)は、有機EL素子1における、発光層の電流密度と最大エキシトン効率との関係を示す実験結果を示す図、(b)は、印加電圧と電流密度との関係を示す実験結果を示す図である。
≪発明を実施するための形態の概要≫
本実施の形態に係る有機EL素子は、陽極と、前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層と、前記第1機能層の上方に配され有機発光材料に電子供与性材料が添加されてなる発光層と、前記発光層の上方に配され、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する第2機能層と、前記第2機能層の上方に配された陰極とを有し、前記発光層のキャリア密度が、1012/cm3以上、1019/cm3以下であることを特徴とする。
また、別の態様では、前記発光層は、前記有機発光材料のキャリア密度が1×101倍以上1×105倍以下となるよう、前記有機発光材料に電子供与性材料が添加されている構成であってもよい。
また、別の態様では、前記発光層に電子供与性材料が添加される前の前記有機発光材料のキャリア密度は、5×1010/cm3以上、5×1014/cm3以下である構成であってもよい。
また、別の態様では、前記電子供与性材料は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である構成であってもよい。
また、別の態様では、前記電子供与性材料は、リチウム、又はナトリウムである構成であってもよい。
また、本実施の形態に係る有機EL素子の製造方法は、陽極を形成し、前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層を形成し、前記第1機能層上に有機発光材料からなる有機発光材料層を形成し、前記有機発光材料層上に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第1金属の化合物を含む第1中間層を形成し、前記第1中間層上に、前記第1金属の化合物における前記第1金属と他の元素との結合を切る性質を有する第2金属を含む第2中間層を形成し、前記第2中間層上に、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する機能層を形成する機能層を形成し、前記機能層の上方に、陰極を形成し、前記第2中間層を形成した後に、前記第1金属が前記有機発光材料層中に拡散することによりキャリア密度が1012/cm3以上、1019/cm3以下である発光層が形成されることを特徴とする。
また、別の態様では、前記第1金属は、リチウム、又はナトリウムである構成であってもよい。
また、別の態様では、前記第2金属は、バリウムである構成であってもよい。
また、別の態様では、前記第1中間層は、1nm以上、10nm以下の膜厚で形成する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記第2中間層は、0.1nm以上、1nm以下の膜厚で形成する構成であってもよい。
また、別の態様では、 陽極を形成し、前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層を形成し、前記第1機能層上に有機発光材料からなる有機発光材料層を形成した後、前記有機発光材料層に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属をキャリア密度が1012/cm3以上、1019/cm3以下となるようにドーピングして発光層を形成し、前記発光層上に、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する機能層を形成する機能層を形成し、前記機能層の上方に、陰極を形成する構成であってもよい。
また、別の態様では、陽極を形成し、前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層を形成し、前記第1機能層上に有機発光材料及びアルカリ金属またはアルカリ土類金属を、キャリア密度が1012/cm3以上、1019/cm3以下となるように共蒸着することにより発光層を形成し、前記発光層上に、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する機能層を形成する機能層を形成し、前記機能層の上方に、陰極を形成する構成であってもよい。
≪実施の形態≫
1.有機EL素子の構成
実施の形態に係る有機EL素子1の構成について、図1を用い説明する。
図1は、有機EL素子1を複数備える有機ELパネル100(図2参照)の一部拡大断面図であり、1つの有機EL素子1に相当する部分およびその周辺の断面図である。本実施の形態においては、1つの有機EL素子1は、1つの画素(サブピクセル)に対応している。有機EL素子1は、図1における紙面上側を表示面とする、いわゆるトップエミッション型である。
図1に示すように、有機EL素子1は、基板11、層間絶縁層12、画素電極13、隔壁層14、第1機能層を構成する正孔注入層15並びに正孔輸送層16、発光層17、第2機能層21、対向電極22、及び封止層23を備える。なお、基板11、層間絶縁層12、第2機能層21、対向電極22、および封止層23は、画素ごとに形成されているのではなく、有機ELパネル100が備える複数の有機EL素子1に共通して形成されている。
(1)基板
基板11は、絶縁材料である基材111と、TFT(Thin Film Transistor)層112とを含む。TFT層112には、画素毎に駆動回路が形成されている。基材111が形成される材料としては、例えば、ガラスが用いられる。ガラス材料としては、具体的には例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英等のガラスなどが挙げられる。
(2)層間絶縁層
層間絶縁層12は、基板11上に形成されている。層間絶縁層12は、樹脂材料からなり、TFT層112の上面の段差を平坦化するためのものである。樹脂材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。また、図1の断面図には示されていないが、層間絶縁層12には、画素毎にコンタクトホールが形成されている。
(3)画素電極
画素電極13は、導電材料からなり、層間絶縁層12上に形成されている。画素電極13は、画素毎に個々に設けられ、コンタクトホールを通じてTFT層112と電気的に接続されている。本実施の形態においては、画素電極13は、陽極として機能しており、トップエミッション型であるので、光反射性を具備した導電材料により形成されるとよい。光反射性を具備する導電材料としては、金属が挙げられる。具体的には、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、MoW(モリブデンとタングステンの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)などがある。
また、ボトムエミッション型の場合には、画素電極13は、光透過性を具備するとよい。光透過性を具備する導電材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO(酸化亜鉛)などがある。
(4)隔壁層
隔壁層14は、画素電極13の上面の一部の領域を露出させ、その周辺の領域を被覆した状態で画素電極13上に形成されている。画素電極13上面において隔壁層14で被覆されていない領域(以下、「開口部」という。)は、サブピクセルに対応している。即ち、隔壁層14は、サブピクセル毎に設けられた開口部14aを有する。
本実施の形態においては、隔壁層14は、画素電極13が形成されていない部分においては、層間絶縁層12上に形成されている。即ち、画素電極13が形成されていない部分においては、隔壁層14の底面は層間絶縁層12の上面と接している。
隔壁層14は、例えば、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂等)からなる。隔壁層14は、発光層17を塗布法で形成する場合には塗布されたインクがあふれ出ないようにするための構造物として機能し、発光層17を蒸着法で形成する場合には蒸着マスクを載置するための構造物として機能する。本実施の形態では、隔壁層14は、樹脂材料からなり、隔壁層14の材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。本実施の形態においては、フェノール系樹脂が用いられている。
(5)正孔注入層
正孔注入層15は、画素電極13から発光層17へのホール(正孔)の注入を促進させる目的で、画素電極13上の開口部14a内に設けられている。正孔注入層15は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる層である。上記の内、酸化金属からなる正孔注入層15は、ホールを安定的に、またはホールの生成を補助して、発光層17に対しホールを注入する機能を有し、大きな仕事関数を有する。本実施の形態においては、正孔注入層15は、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる。
ここで、正孔注入層15を遷移金属の酸化物から構成する場合には、複数の酸化数をとるためこれにより複数の準位をとることができ、その結果、ホールの注入が容易になり駆動電圧を低減することができる。
(6)正孔輸送層
正孔輸送層16は、親水基を備えない高分子化合物を用い開口部14a内に形成されている。例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物であって、親水基を備えないものなどを用いることができる。
正孔輸送層16は、正孔注入層15から注入されたホールを発光層17へ輸送する機能を有する。
本実施の形態では、正孔注入層15及び正孔輸送層16が第1機能層を構成する。
(7)発光層
発光層17は、開口部14a内に形成されている。発光層17は、ホールと電子の再結合によりR、G、Bの各色の光を出射する機能を有する。発光層17は、有機発光材料からなる有機発光材料層に電子供与材料としての金属を添加させて形成される。
発光層17に用いられる有機発光材料としては公知の材料を利用することができる。例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属鎖体、2−ビピリジン化合物の金属鎖体、シッフ塩とIII族金属との鎖体、オキシン金属鎖体、希土類鎖体等の蛍光物質や、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウムなどの燐光を発光する金属錯体等の公知の燐光物質を用いることができる。
有機発光材料に添加される電子供与材料としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を用いることができる。具体的には、例えば、リチウム、バリウム、カルシウム、カリウム、セシウム、ナトリウム、ルビジウム等の低仕事関数金属、好ましくは、リチウム又はナトリウムを用いることができる。
発光層17に添加されている電子供与性材料のドープ濃度は、発光層17のエネルギーレベルを電子供与性材料を含まない状態を基準として0.05eV以上0.3eV以下の範囲で正方向にシフトする構成であればよい。その場合、発光層17のキャリア密度が、1012/cm3以上、1019/cm3以下の範囲に含まれる構成とすることができる。
また、発光層17中において、電子供与材料としての金属は、有機発光材料からなる有機発光材料層の厚み方向全域に分散して分布している。電子供与性材料のドープ濃度の詳細については、後述する。
(8)第2機能層
第2機能層21は、第2中間層19上に形成されており、対向電極22から注入された電子を発光層17へと輸送する機能を有する。第2機能層21は、本実施の形態においては、電子輸送層であり、有機材料に金属をドープさせて形成される。第2機能層21に用いられる有機材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料が挙げられる。有機材料にドープされる金属としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が用いられる。より具体的には、例えば、リチウム、バリウム、カルシウム、カリウム、セシウム、ナトリウム、ルビジウム等の低仕事関数金属、フッ化リチウム等の低仕事関数金属塩、酸化バリウム等の低仕事関数金属酸化物、リチウムキノリノール等の低仕事関数金属有機錯体などが用いられる。
(9)対向電極
対向電極22は、各サブピクセル共通に設けられており、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)等の導電性を有する光透過性材料で形成されている。本実施の形態においては、対向電極22は、陰極として機能している。
(10)封止層
対向電極22の上には、発光層17が水分や酸素等に触れて劣化することを抑制する目的で封止層23が設けられている。有機ELパネル100はトップエミッション型であるため、封止層23の材料としては、例えばSiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の光透過性材料が選択される。
(11)その他
なお、図1には図示しないが、封止層23の上にカラーフィルターや上部基板を載置し、接合してもよい。上部基板の載置・接合により、水分および空気などから、正孔輸送層16、発光層17、第2機能層21の保護が図られる。
2.有機EL表示装置の全体構成
図2は、有機EL素子1を複数有する有機ELパネル100を備えた有機EL表示装置1000の構成を示す模式ブロック図である。図2に示すように、有機EL表示装置1000は、有機ELパネル100と、これに接続された駆動制御部200とを有し構成されている。有機ELパネル100は、有機材料の電界発光現象を利用した表示パネルであり、複数の有機EL素子1が、例えば、マトリクス状に配列されて構成されている。駆動制御部200は、4つの駆動回路210〜240と制御回路250とから構成されている。
なお、実際の有機EL表示装置1000では、有機ELパネル100に対する駆動制御部200の配置については、これに限られない。
3.有機EL素子の製造方法
実施の形態に係る有機EL素子1の製造方法について図3〜図7を用いて以下に説明する。なお、図3〜図6は、有機EL素子1の製造過程を模式的に示す断面図であり、図7は、有機EL素子1の製造過程を示す模式工程図である。
まず、図3(a)に示すように、基材111上にTFT層112を成膜して基板11を形成し(図7のステップS1)、基板11上に層間絶縁層12を成膜する(図7のステップS2)。層間絶縁層12の材料である層間絶縁層用樹脂には、本実施の形態においては、ポジ型の感光性材料であるアクリル樹脂を用いる。層間絶縁層12は、層間絶縁層用樹脂であるアクリル樹脂を層間絶縁層用溶媒(例えば、PGMEA)に溶解させた層間絶縁層用溶液を基板11上へ塗布し、成膜する。そしてその後、焼成を行う(図7のステップS3)。焼成は、150℃以上210℃以下の温度で180分間行う。
そして、図3(b)に示すように、真空蒸着法またはスパッタ法に基づき、厚み150〔nm〕程度の金属材料からなる画素電極13を、サブピクセル毎に形成する(図7のステップS4)。
次に、画素電極13上に、隔壁層14の材料である隔壁層用樹脂を塗布し、隔壁材料層14bを形成する(図3(c))。隔壁層用樹脂には、例えば、ポジ型の感光性材料であるフェノール樹脂が用いられる。隔壁材料層14bは、隔壁層用樹脂であるフェノール樹脂を溶媒(例えば、乳酸エチルとGBLの混合溶媒)に溶解させた溶液を画素電極13上にスピンコート法などを用いて一様に塗布し、形成される。
次に、隔壁材料層14bにパターン露光と現像を行うことで隔壁層14を形成し(図4(a)、図7のステップS5)、隔壁層14を焼成する(図7のステップS6)。これにより、発光層17の形成領域となる開口部14aが規定される。隔壁層14の焼成は、例えば、150℃以上210℃以下の温度で60分間行う。
また、隔壁層14の形成工程においては、さらに、隔壁層14の表面を所定のアルカリ性溶液や水、有機溶媒等によって表面処理するか、プラズマ処理を施すこととしてもよい。これは、開口部14aに塗布するインク(溶液)に対する隔壁層14の接触角を調節する目的で、もしくは、表面に撥水性を付与する目的で行われる。
そして、図4(b)に示すように、マスク蒸着法やインクジェットによる塗布法により、正孔注入層15を製膜し、焼成する(図7のステップS7)。
次に、図4(c)に示すように、隔壁層14が規定する開口部14aに対し、正孔輸送層16の構成材料を含むインク塗布と、これの焼成(乾燥)とを経て、正孔輸送層16を形成する(図7のステップS8)。
本実施の形態では、正孔注入層15及び正孔輸送層16が第1機能層を構成する。
同様に、図5(a)に示すように、発光層17の構成材料である有機発光材料を含むインクの塗布および焼成(乾燥)により有機発光材料層17Aを形成する(図7のステップS9)。
続いて、図5(b)に示すように、有機発光材料層17Aおよび隔壁層14の上に、真空蒸着法などにより、第1中間層18を、1nm以上10nm以下の膜厚、例えば膜厚4〔nm〕で成膜する(図7のステップS10)。第1中間層18は、有機発光材料層17A、正孔輸送層16、正孔注入層15、隔壁層14の内部や表面に存在する不純物が、第2機能層21や対向電極22へと侵入するのを防止するための層である。従って、第1中間層18は、不純物ブロック性を有する材料を含む。さらに、第1中間層18を構成する材料は、有機発光材料層17A内に拡散されることにより発光層17を構成し、発光層17中において電子供与材料として機能する性質を有する。そのため、第1中間層18に用いる材料は、不純物ブロック性を有する性質、及び発光層17中において電子供与材料として機能する性質を有することが必要である。その材料には、具体的には、例えば、アルカリ金属の化合物またはアルカリ土類金属の化合物であり、より具体的には、本実施の形態においてはフッ化ナトリウム(NaF)を用いることができる。本実施の形態では、第1中間層18に含まれるアルカリ金属またはアルカリ土類金属を第1金属とする。本実施の形態では、第1中間層18は、膜厚4〔nm〕で形成される。
そして、図5(c)に示すように、第1中間層18の上に、真空蒸着法などにより、第2中間層19を、0.1nm以上1nm以下の膜厚、例えば膜厚1〔nm〕で成膜する(図7のステップS11)。第2中間層19は、第1中間層に含まれる第1金属の化合物における第1金属と他の元素との結合を分解する金属(以下、「第2金属」という)を含む。第2金属として、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が用いられる。本実施の形態においては、第2金属は、具体的には、バリウム(Ba)である。本実施の形態では、第2中間層19は、膜厚1〔nm〕で形成される。
第1中間層18と第2中間層19とで中間層20とする。第1中間層18と第2中間層19の膜厚は上述のとおり薄く、第1中間層18を形成する第1金属と、第2中間層19を形成する第2金属は、製造の過程で有機発光材料層17A内に分散し、有機発光材料と少なくとも第1金属とが混ざり合って発光層17が形成される。このとき、発光層17中において、少なくとも電子供与材料としての第1金属は、有機発光材料層17Aの厚み方向全域に拡散する。
上述のとおり、第2金属は、第1金属の化合物における第1金属と他の元素との結合を分解する金属であるので、第1金属とフッ素との結合は分解され、第1金属はイオンとして発光層17中に分散している。したがって、有機EL素子1の製造過程(図7)終了後においては、第1中間層18および第2中間層19の外縁は判然としていない。発光層17中において、少なくとも電子供与材料としての第1金属は、発光層17の厚み方向全域に分布している。
発光層17中に拡散している第1金のイオンは、発光層17中において電子供与材料として機能する。発光層17中おける第1金のイオンの濃度は、第1中間層18を製膜するときの膜厚を制御することにより調整することができる。第1中間層18の膜厚を厚く形成した場合には発光層17中おける電子供与材料としての第1金のイオンの濃度は増加し、薄く形成した場合には濃度は減少する。
次に、図6(a)に示すように、第2中間層19の上に、第2機能層21を構成する材料を真空蒸着法に基づいて成膜し、第2機能層21を形成する(図7のステップS12)。
続いて、図6(b)に示すように、第2機能層21の上に、ITO、IZO等の材料を用い、真空蒸着法、スパッタ法等により、対向電極22を成膜する(図7のステップS13)。
そして、図6(c)に示すように、対向電極22の上に、SiN、SiON等の光透過性材料をスパッタ法、CVD法等で成膜して、封止層23を形成する(図7のステップS14)。
以上の工程を経ることにより有機EL素子1および有機EL素子1を備えた有機ELパネル100が完成する。なお、封止層23の上にカラーフィルターや上部基板を載置し、接合してもよい。
4.発光層と隣接層との間のキャリア移動の最適化について
有機EL素子1における発光層と隣接する電子輸送層及び正孔輸送層との間のキャリア移動を最適化するための方法について図面を参照しながら説明する。
図8は、有機EL素子における正孔輸送層、発光層、電子輸送層のエネルギー準位が適切にバランスされている状態を示す概略図である。図8に示すように、画素電極(陽極)と対向電極(陰極)との間に電圧が付勢された状態において、画素電極から正孔輸送層を介して発光層の最高被占軌道(HOMO)にホールが供給される。対向電極から電子輸送層介して発光層の最低空軌道(LUMO)に電子が供給される。そして、発光層に対し正孔輸送層側から供給されたホールと電子輸送層側から供給された電子とが発光層内で再結合し励起状態を生成して発光する。この際、ホールと電子との再結合は、主に発光層における正孔輸送層との境界近傍において行われることが発明者の検討により判明している。
この再結合において、発光層に注入される電子とホールとが量的に均衡していると、電子とホールとが過不足なく再結合される。そのため、残余のホール又は電子が発生することなく、全てのホール及び電子を発光に寄与させることができ有機EL素子の発光効率を最適化することができる。
これに対し、正孔輸送層、発光層、電子輸送層のエネルギー準位が適切にバランスされていない場合には、発光層へのキャリア移動が適切に行われない。図9は、有機EL素子における正孔輸送層、発光層、電子輸送層のエネルギー準位が適切にバランスされていない状態の一例を示す概略図である。図9では、発光層のエネルギー準位の正孔輸送層及び電子輸送層のエネルギー準位に対する相対位置が、図8に示す状態と比べて上方に位置する。そのため、電子輸送層のエネルギー準位に対する発光層のLUMO準位の相対位置が上方にシフトし、両エネルギー準位の差Aが図8に示す状態と比べて増加している。その結果、画素電極と対向電極との間に電圧が付勢された状態における、対向電極から電子輸送層を介した発光層のLUMOへの電子供給に対するエネルギー障壁が増し、発光層へ流入する電子の量が減少する。
また、正孔輸送層のエネルギー準位と発光層のLUMO準位との差Bが図8に示す状態と比べて減少している。その結果、発光層のLUMOから正孔輸送層への電子流出に対するエネルギー障壁が減少し、発光層から正孔輸送層への流出する電子の量が増加する。また、正孔輸送層から発光層へ流入するホールの量は増加する。
他方、正孔輸送層のエネルギー準位に対する発光層のHOMO準位の相対位置が下方にシフトし、両エネルギー準位の差Cが図8に示す状態と比べて減少する。その結果、画素電極と対向電極との間に電圧が付勢された状態において、画素電極から正孔輸送層を介して発光層のHOMOへ流入するホールの量は増加する。
その結果、発光層内における電子とホールに量的な不均衡が生じることになり、発光層内でホールと再結合して発光に寄与する電子の量が、発光層内に供給されるホールの量に対して少なくなり、有機EL素子の発光効率が低下するという問題が生じる。
図10は、有機EL素子1における正孔輸送層16、発光層17、電子輸送層21のエネルギー準位を説明するための概略図である。(a)は、発光層17に電子供与性材料を添加する前の各層のエネルギー準位、(b)は発光層17に電子供与性材料を添加したときの発光層17のフルミレベルの変化、(c)は、発光層17に電子供与性材料を添加したときの各層のエネルギー準位を示す。
図10(a)に示すように、正孔輸送層16、発光層17、電子輸送層21のエネルギー準位は、各層のフルミレベル16a、17a、21aが一致するようなエネルギー準位に位置している。有機EL素子1の発光層17に電子供与性材料を含まない場合(図10(a))には、電子輸送層21のエネルギー準位と発光層17のLUMO準位との差Dは相対的に大きく、正孔輸送層16のエネルギー準位と発光層17のLUMO準位との差Eは相対的に小さい。その結果、図9に示した場合と同様、発光層17内でホールと再結合して発光に寄与する電子の量が、発光層17内に供給されるホールの量に対して少なくなり、発光効率が低いという課題が生じる。
そこで、発光層17に電子供与性材料が添加されている状態とすることにより、発光層17のフルミレベルを17aから17bにLUMO側にシフトする(図10(b))。
そうすると、図10(c)に示すように、各層のエネルギー準位は、各層のフルミレベル16a、17a、21aが一致するようなエネルギー準位に再配置され、図10(a)に比べて、電子輸送層21のエネルギー準位と発光層17のLUMO準位との差Fは減少し、正孔輸送層16のエネルギー準位と発光層17のLUMO準位との差Gは増加する。そのため、電子輸送層21から発光層17へ流入する電子の量が増加するとともに、発光層17から正孔輸送層16への流出する電子の量が減少し、発光層内に存在する電子の量を増加することができる。その結果、発光層内でホールと再結合して発光に寄与する電子の量が増加し、有機EL素子1の発光効率は向上する。
このように、発光層17のフルミレベルをLUMO側にシフトすることにより、発光層17内に存在しホールとの再結合に寄与する電子の量を、正孔輸送層16から発光層17内に供給されるホールの量と均衡させることができ、電子とホールとが過不足なく全てのホール及び電子を発光に寄与させることができ有機EL素子の発光効率を向上することができる。
すなわち、発光層17のHOMO準位とLUMO準位を発光層17に電子供与性材料を含ませることにより制御し、発光層17に隣接する電子輸送層21及び正孔輸送層16との注入エネルギー障壁を最適化する。これにより発光層17に注入される電子とホールの量的バランスが最適化し発光効率が改善することができる。
5.発光層17のエネルギー準位シフト量と発光効率及び印加電圧との関係について
有機EL素子1における発光層17のエネルギー準位シフト量と発光効率及び印加電圧について図面を参照しながら説明する。発光層17のHOMO準位及びLUMO準位を示すエネルギーレベルを変化させた計算実験をデバイスシミュレータを用い行った。シミュレータでは、図8に示したモデルにおける発光層17のHOMO・LUMO準位をともに変化させ、電流特性、効率特性を評価した。図11は、有機EL素子1における、発光層のエネルギーレベルのシフト量と最大エキシトン効率との関係を示すシミュレーション結果の図である。図12は、発光層のエネルギーレベルのシフト量と単位電流値当たりの必要印加電圧(10mA/cm2を流すための印加電圧)との関係を示すシミュレーション結果の図である。図11及び12において、発光層のエネルギーレベルのシフト量は、発光層17中に電子供与性材料を含まない状態(有機発光材料層17Aの状態)を基準値(0eV)とした。
図11に示すように、発光効率をあらわす指標であるエキシトン生成効率は、発光層17のエネルギーレベルを基準値(0eV)から正方向にシフトすることで増加する。そして、基準値から約0.05eVシフトすることで、エキシトン生成効率は最大値(約0.3eV時)からの損失量がほぼ半減し、基準値から約0.1eV以上シフトすることでエキシトン生成効率はほぼ飽和する。
一方、図12に示すように、単位電流(10mA/cm2)を流すための印加電圧は、発光層17のエネルギーレベルを基準値(0eV)から正方向にシフトすることで漸減し、基準値から約0.15eVシフトすることで最小値を示す。さらに、発光層17のエネルギーレベルを正方向にシフトすることで印加電圧は漸増し、約0.3eVにおいて基準値(0eV)における印加電圧を超えない値を示す。
これらの結果から、発光層17のエネルギーレベルを、電子供与性材料を含まない状態を基準(0eV)として、0.05eV以上0.3eV以下の範囲で正方向にシフトすることで、有機EL素子1の発光効率を向上するとともに駆動電圧が低減することが可能であることがわかる。
6.発光層17のエネルギーレベルのシフト量とキャリア密度との関係について
発光層17のエネルギーレベルを、電子供与性材料を含まない状態を基準として0.05eV以上0.3eV以下の範囲で正方向にシフトするための電子供与性材料のドープ濃度について計算を行った。以下、図面を参照しながら説明する。
一般に半導体に不純物をn型ドープした際のエネルギーレベル(フェルミレベル)をEf、真性半導体のフェルミレベルをEiとしたとき、エネルギーシフト量(Ef−Ei)一般に次式により計算することができる。
Figure 0006538339
ここで、Ef:フェルミレベル、Ei:真性半導体のフェルミレベル、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、Nd:n型キャリア濃度(cm-3)、ni:真性半導体のキャリア密度(cm-3
上式を用いて、有機EL素子1における発光層17のエネルギーシフト量(Ef−Ei)とn型不純物のキャリア濃度との関係を計算することができる。
図13は、有機EL素子1における、発光層のエネルギーレベルのシフト量と発光層のn型キャリア密度との関係を示す計算結果を示した図である。
本計算では、真性半導体のキャリア密度niに替えて、電子供与材料を含まない状態での発光層17(有機発光材料層17A)のキャリア密度を用いて計算を行った。具体的には、電子供与材料を含まない状態での発光層17のキャリア密度は、発明者の検討により算出した現実的に取り得る数値5×1010/cm3以上5×1014/cm3以下として計算を行った。図13より、発光層17のエネルギーレベルを0.05eV以上0.3eV以下の範囲で正方向にシフトしたときの、発光層17のn型キャリア濃度は、3.5×1011/cm3以上、5.5×1019/cm3以下、好ましくは、1012/cm3以上、1019/cm3以下の範囲に存在することがわかる。電子供与材料を一価のイオンとなるアルカリ金属で構成すると、n型キャリア濃度Ndが電子供与材料を混入させる濃度になる。電子供与材料が多価イオンとなる場合には、その価数に応じて型キャリア濃度Ndから電子供与材料を混入させる密度を換算する。例えば、電子供与材料がアルカリ土類金属で構成される場合には、電子供与材料を混入させる濃度はn型キャリア濃度Ndの1/2となる。
また、図13の結果を用いて、有機EL素子1における、発光層のエネルギーレベルのシフト量と発光層の電子供与材料の添加に伴うn型キャリア密度の変化率との関係を求めることができる。図14は、有機EL素子1における、発光層のエネルギーレベルのシフト量と、真性半導体のキャリア密度niに対する発光層のn型キャリア密度の比との関係を示す計算結果を示した図である。図14に示すように、発光層17のエネルギーレベルを0.05eV以上0.3eV以下の範囲で正方向にシフトするためには、発光層17には、電子供与材料を含まない状態での有機発光材料のキャリア密度の7倍以上1×105倍以下となるように、好ましくは、1×101倍以上1×105倍以下となるように電子供与性材料が添加されていることが必要となる。
7.有機EL素子1を用いた発光効率及び印加電圧の実験結果について
有機EL素子1に係るサンプルを用いて発光効率及び印加電圧の実測を行った。図15は、(a)は、有機EL素子1における、発光層の電流密度と最大エキシトン効率との関係を示す実験結果を示す図、(b)は、印加電圧と電流密度との関係を示す実験結果を示す図である。有機EL素子1に係るサンプルでは、発光層17のエネルギーレベルを0.05eV以上0.3eV以下の範囲で正方向にシフトするように発光層17に電子供与性材料を添加している。比較例として発光層に電子供与性材料を含まないサンプルを用いた。
図15(a)に示すように、有機EL素子1係るサンプルによる発光効率の実験結果I(実線)は、比較例に係るサンプルによる発光効率の実験結果X(破線)と比較して、各電流密度において発光効率が大きいことがわかる。
また、図15(b)に示すように、有機EL素子1係るサンプルによる電流密度の実験結果J(実線)は、比較例に係るサンプルによる電流密度の実験結果Y(破線)に対して、各印加電圧において電流密度が大きいことがわかる。
上記の結果から、発光層17のエネルギーレベルを、電子供与性材料を含まない状態を基準として、0.05eV以上0.3eV以下の範囲で正方向にシフトした有機EL素子1に係るサンプルでは、発光層に電子供与性材料を含まないサンプルと比較して、発光効率が向上するとともに駆動電圧を低減できることがわかる。
8.まとめ
以上、説明したように本実施の形態に係る有機EL素子1は、画素電極13と、画素電極13の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層(15及び16)と、第1機能層の上方に配され有機発光材料に電子供与性材料が添加されてなる発光層17と、発光層17の上方に配され、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する第2第2機能層21と、第2第2機能層21の上方に配された対向電極22とを有し、発光層17のキャリア密度が、1012/cm3以上、1019/cm3以下であることを特徴とする。また、発光層17は、前記有機発光材料のキャリア密度が1×101倍以上1×105倍以下となるよう、有機発光材料に電子供与性材料が添加されている構成を採る。また、電子供与性材料を添加する前の発光層17のキャリア密度は、5×1010/cm3以上、5×1014/cm3以下であり、電子供与性材料は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、より好ましくはリチウム、又はナトリウムである構成を採る。
係る構成により、発光層17内に存在しホールとの再結合に寄与する電子の量を、第1機能層(15及び16)から発光層17内に供給されるホールの量と均衡させることができる。そのため、低電圧駆動が可能で発光効率を向上する有機EL素子を提供することできる。
≪変形例≫
以上、実施の形態に係る有機EL素子1等を説明したが、本発明は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、有機EL素子1、有機ELパネル100の変形例を説明する。
(1)上記実施の形態に係る有機EL素子1おいては、第1機能層上に有機発光材料からなる有機発光材料層を形成した後、有機発光材料層上に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第1金属の化合物を含む第1中間層18を形成し、第1中間層18上に、第1金属の化合物における第1金属と他の元素との結合を切る性質を有する第2金属を含む第2中間層19を形成することにより、電子供与材料としての第1金属が発光層17中に拡散されている状態を形成する構成とした。第1金属が発光層17中に拡散されている構成を形成するための方法は上記構成に限られない。例えば、第1機能層上に有機発光材料からなる有機発光材料層を形成した後、有機発光材料層にアルカリ金属またはアルカリ土類金属を、例えばイオン注入等の方法によりキャリア密度が1012/cm3以上、1019/cm3以下となるようにドーピングする構成としてもよい。または、第1機能層上に有機発光材料及びアルカリ金属またはアルカリ土類金属をキャリア密度が1012/cm3以上、1019/cm3以下となるように共蒸着することにより前記発光層を形成する構成としてもよい。また、有機発光材料とアルカリ金属またはアルカリ土類金属である第1金属の化合物を含むインクを湿式プロセスにより塗布することにより発光層を形成する構成としてもよい。
(2)上記実施の形態においては、有機EL素子1が、正孔注入層15並びに正孔輸送層16からなる第1機能層、及び電子輸送層からなる第2機能層21を備えた構成について説明したが、これに限られない。例えば、第1機能層は正孔注入層15並びに正孔輸送層16のいずれかからなる構成であってもよく、第2機能層21は電子注入層を備える場合には、電子注入層と電子輸送層とをまとめて第2機能層として扱ってもよい。また、電子輸送層を備えず、電子注入層を備える場合には、電子注入層を第2機能層としてもよい。また、第1機能層及び第2機能層のうちいずれか1つ以上の層、または全部を備えない構成としてもよい。
(3)有機EL素子1の構成に透明導電層などの他の層をさらに含む構成とすることもできる。
(4)上記実施の形態においては、有機EL素子1の基材111を構成する絶縁材料としてガラスを用いた例について説明したが、これに限られない。基材111を構成する絶縁材料として、例えば、樹脂やセラミック等を用いてもよい。基材111に用いられる樹脂としては、例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂等の絶縁性材料が挙げられる。基材111に用いられるセラミックとしては、例えば、アルミナ等が挙げられる。
(5)上記実施の形態においては、画素電極13が陽極で、対向電極22が陰極であったが、これに限られない。画素電極が陰極で、対向電極が陽極である構成としてもよい。その場合は、層間絶縁層12上に陰極としての画素電極13および隔壁層14が形成され、開口部14a内において、画素電極13の上に、第2機能層21、発光層17がこの順に形成される。そして、その上に、正孔輸送層16、正孔注入層15が形成され、さらにその上に、陽極としての対向電極22が形成される構成となる。
(6)上記実施の形態では、トップエミッション型の有機ELパネルを示したが、本開示はこれに限定されず、ボトムエミッション型とすることもできる。この場合、陽極層を透明材料で構成する点に留意する。そして、トップエミッションの場合、陽極としての対向電極22は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)等の導電性を有する光透過性材料で形成される。陰極としての画素電極13は、Ag、Al、アルミニウム合金、Mo、APC、ARA、MoCr、MoW、NiCr等の光反射性を具備した導電材料により形成されるとよい。
また、ボトムエミッション場合は、上記の逆で、陽極としての対向電極22が、導電性を有する光透過性材料から形成され、陰極としての画素電極が、光反射性を具備した導電材料により形成されるとよい。
(7)上記実施の形態では、発光層17の形成方法としては、印刷法、スピンコート法、スリットコート、インクジェット法などの湿式成膜プロセスを用いる構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、気相成長法等の乾式成膜プロセスを用いることもできる。
(8)上記実施の形態では、有機ELパネル100がアクティブマトリクス型の構成であったが、本発明はこれに限られず、例えば、パッシブマトリクス型の構成であってもよい。具体的には、隔壁層の延伸方向と平行な線状の電極と、隔壁層の延伸方向と直交する線状の電極とを発光層を挟むようにそれぞれ複数並設すればよい。このとき、隔壁層の延伸方向と直交する線状の電極を下部側とすれば、各間隙では、複数の下部側の電極が、互いに間隔をあけて隔壁層の延伸方向に並び、本発明の一態様となる。その場合には、各構成について、適宜の変更が可能である。なお、上記実施の形態1では、基板11がTFT層を有する構成であったが、上記パッシブマトリクス型の例などから分かるように、基板11はTFT層を有する構成に限られない。
本開示に係る有機EL素子等は、例えば、家庭用もしくは公共施設、あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ等として用いられる有機EL素子および有機ELパネルの製造方等に好適に利用可能である。
1 有機EL素子
11 基板
12 層間絶縁層
13 画素電極(陽極)
15 正孔注入層(第1機能層)
16 正孔輸送層(第1機能層)
17 発光層
17A 有機発光材料層
21 電子輸送層(第2機能層)
22 対向電極(陰極)
23 封止層
100 有機ELパネル
1000 有機EL表示装置

Claims (11)

  1. 陽極と、
    前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層と、
    前記第1機能層の上方に配され有機発光材料に電子供与性材料が添加されてなる発光層と、
    前記発光層の上方に配され、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する第2機能層と、
    前記第2機能層の上方に配された陰極とを有し、
    前記発光層中において、前記電子供与材料としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、前記有機発光材料と混ざり合って前記発光層の厚み方向に分布しており、
    前記発光層のキャリア密度が、1012/cm3以上、1019/cm3以下である
    有機EL素子。
  2. 前記発光層は、前記有機発光材料のキャリア密度が1×101倍以上1×105倍以下となるよう、前記有機発光材料に電子供与性材料が添加されている
    請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記発光層に電子供与性材料が添加される前の前記有機発光材料のキャリア密度は、5×1010/cm3以上、5×1014/cm3以下である
    請求項2に記載の有機EL素子。
  4. 前記電子供与性材料は、リチウム、又はナトリウムである
    請求項1に記載の有機EL素子。
  5. 陽極を形成し、
    前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層を形成し、
    前記第1機能層上に有機発光材料からなる有機発光材料層を形成し、
    前記有機発光材料層上に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第1金属の化合物を含む第1中間層を形成し、
    前記第1中間層上に、前記第1金属の化合物における前記第1金属と他の元素との結合を切る性質を有する第2金属を含む第2中間層を形成し、
    前記第2中間層上に、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する機能層を形成する機能層を形成し、
    前記機能層の上方に、陰極を形成し、
    前記第2中間層を形成した後に、前記第1金属が前記有機発光材料層中に拡散することによりキャリア密度が1012/cm3以上、1019/cm3以下である発光層が形成される
    有機EL素子の製造方法。
  6. 前記第1金属は、リチウム、又はナトリウムである
    請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
  7. 前記第2金属は、バリウムである
    請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
  8. 前記第1中間層は、1nm以上、10nm以下の膜厚で形成する
    請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
  9. 前記第2中間層は、0.1nm以上、1nm以下の膜厚で形成する
    請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
  10. 陽極を形成し、
    前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層を形成し、
    前記第1機能層上に有機発光材料からなる有機発光材料層を形成した後、前記有機発光材料層に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属をキャリア密度が1012/cm3以上、1019/cm3以下となるようにドーピングして発光層を形成し、
    前記発光層上に、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する機能層を形成する機能層を形成し、
    前記機能層の上方に、陰極を形成する
    有機EL素子の製造方法。
  11. 陽極を形成し、
    前記陽極の上方に配され正孔注入性および正孔輸送性のうち少なくとも一方の性質を有する第1機能層を形成し、
    前記第1機能層上に有機発光材料及びアルカリ金属またはアルカリ土類金属を、キャリア密度が1012/cm3以上、1019/cm3以下となるように共蒸着することにより発光層を形成し、
    前記発光層上に、電子輸送性および電子注入性のうち少なくとも一方の性質を有する機能層を形成する機能層を形成し、
    前記機能層の上方に、陰極を形成する
    有機EL素子の製造方法。
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