JP6519910B2 - 有機el素子および有機el素子の製造方法 - Google Patents
有機el素子および有機el素子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6519910B2 JP6519910B2 JP2014251052A JP2014251052A JP6519910B2 JP 6519910 B2 JP6519910 B2 JP 6519910B2 JP 2014251052 A JP2014251052 A JP 2014251052A JP 2014251052 A JP2014251052 A JP 2014251052A JP 6519910 B2 JP6519910 B2 JP 6519910B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- metal
- organic
- film thickness
- electron transport
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K71/00—Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
- H10K71/30—Doping active layers, e.g. electron transporting layers
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/10—OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
- H10K50/14—Carrier transporting layers
- H10K50/16—Electron transporting layers
- H10K50/165—Electron transporting layers comprising dopants
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/80—Constructional details
- H10K50/805—Electrodes
- H10K50/81—Anodes
- H10K50/818—Reflective anodes, e.g. ITO combined with thick metallic layers
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K59/00—Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
- H10K59/80—Constructional details
- H10K59/805—Electrodes
- H10K59/8051—Anodes
- H10K59/80518—Reflective anodes, e.g. ITO combined with thick metallic layers
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K59/00—Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
- H10K59/80—Constructional details
- H10K59/805—Electrodes
- H10K59/8052—Cathodes
- H10K59/80524—Transparent cathodes, e.g. comprising thin metal layers
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/80—Constructional details
- H10K50/805—Electrodes
- H10K50/82—Cathodes
- H10K50/828—Transparent cathodes, e.g. comprising thin metal layers
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/80—Constructional details
- H10K50/85—Arrangements for extracting light from the devices
- H10K50/852—Arrangements for extracting light from the devices comprising a resonant cavity structure, e.g. Bragg reflector pair
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K59/00—Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
- H10K59/10—OLED displays
- H10K59/12—Active-matrix OLED [AMOLED] displays
- H10K59/122—Pixel-defining structures or layers, e.g. banks
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K59/00—Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
- H10K59/80—Constructional details
- H10K59/875—Arrangements for extracting light from the devices
- H10K59/876—Arrangements for extracting light from the devices comprising a resonant cavity structure, e.g. Bragg reflector pair
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K71/00—Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K71/00—Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
- H10K71/40—Thermal treatment, e.g. annealing in the presence of a solvent vapour
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Description
有機EL素子は、一対の電極(陽極および陰極)間に、少なくとも発光層が挟まれた構成を有している。そして、有機EL素子は、多くの場合、発光層の他に、発光層に電子を供給するための機能層(電子輸送層、電子注入層等)が発光層と陰極の間にさらに挟まれた構成を有している。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属は仕事関数が低いため、これらを含む層を機能層に用いると、良好な電子注入性が得られることが知られている。
機能層の劣化を防止するために、特許文献1には、発光層上に無機バリア層を設けた構成の有機EL素子が開示されている。このような無機バリア層によって不純物に対するブロック性が確保され、その無機バリア層よりも前に形成された発光層表面に吸着された不純物による、機能層の劣化を防止することができる。
また、一般に金属の消衰係数が高いため、機能層にアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含むことは、光取り出し効率の向上を阻害する要因となっている。
本発明の一態様に係る有機EL素子は、光反射性の陽極と、前記陽極の上方に配された発光層と、前記発光層上に配された機能層と、前記機能層上に配され、金属層を含む光透過性の陰極と、を有し、前記機能層は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第1金属のフッ化物を含む中間層と、前記中間層上に配され、電子輸送性を有する電子輸送層と、を含み、前記電子輸送層は、電子輸送性を有する有機材料と、前記第1金属のフッ化物における前記第1金属とフッ素との結合を切る性質を有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属である第2金属とを含み、前記中間層に接する前記電子輸送層の第1領域における前記第2金属の濃度は、前記第1領域より前記陰極に近い前記電子輸送層の第2領域における前記第2金属の濃度よりも高いことを特徴とする。
アルカリ金属、アルカリ土類に該当する第1金属のフッ化物は、不純物をブロックする性能が高いので、これを含む中間層は、発光層から電子輸送層に不純物が浸入するのをブロックして、電子輸送層の劣化を防止することができる。そのため、上記態様によれば、発光効率の低下や発光寿命の短縮といった悪影響の発生を抑えることができる。
また、前記第1領域は、前記有機材料に前記第2金属がドープされており、前記第2領域は、前記有機材料に前記第2金属がドープされていないとしてもよい。
上記態様によれば、第2領域での光の吸収を抑えることができ、光取り出し効率を向上させることができる。
第2金属として、バリウムを用いる。バリウムは汎用性のある材料なので、これを用いて機能層を形成することによって、コスト低減に資することができる。
ここで「光共振器構造が青色光に対して2次干渉を示す機能層の膜厚」とは、光共振器構造における光の干渉によって青色光の輝度とxy色度のy値との比(輝度/y値)が極大値を示す機能層の膜厚のうち2番目に小さい膜厚である。
上記態様の有機EL素子においては、2次干渉を示す光共振器構造であるため、1次干渉を示す光共振器構造に比べて機能層の膜厚が厚い。そのため、上記態様によれば、発光層を陰極から遠ざけることができ、その結果、金属層の製造過程での元素拡散や、プラズモンロスを抑制し、良好な内部量子効率を実現することができる。
これによって、青色発光素子から、輝度/y値の高い青色光が取り出されるので、色純度の良好な青色光を効率よく取り出すことができる。
本発明の一態様に係る有機EL素子の製造方法は、光反射性の陽極を形成し、前記陽極の上方に発光層を形成し、前記発光層上に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第1金属のフッ化物を含む中間層を形成し、前記中間層上に、電子輸送性を有する有機材料を用いて電子輸送層を形成し、前記電子輸送層の上方に、金属層を含む光透過性の陰極を形成し、前記電子輸送層を形成する際に、前記中間層に接する前記電子輸送層の第1領域に、前記第1領域の上方の前記電子輸送層の第2領域よりも高い濃度で、前記第1金属のフッ化物における前記第1金属とフッ素との結合を切る性質を有する第2金属を含有させることを特徴とする。
また、中間層に接する電子輸送層の第1領域含まれる第2金属は、中間層に含まれる第1金属のフッ化物における第1金属とフッ素との結合を切って第1金属を遊離させる。遊離した第1金属は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、仕事関数が小さく電子注入性が高い。そのため、上記製造方法によれば、電子輸送層から発光層への電子供給性が良好で、内部量子効率が高い有機EL素子を形成することができる。
以下、実施の形態にかかる有機EL素子について説明する。なお、以下の説明は、本発明の一態様に係る構成および作用・効果を説明するための例示であって、本発明の本質的部分以外は以下の形態に限定されない。
[1.有機EL素子の構成]
図1は、実施の形態に係る有機EL表示パネル100(図12参照)の部分断面図である。有機EL表示パネル100は、3つの色(赤色、緑色、青色)を発光する有機EL素子1(R)、1(G)、1(B)で構成される画素を複数備えている。図1では、その1つの青色の有機EL素子1(B)を中心としてその周辺の断面を示している。
有機EL素子1(R)と、有機EL素子1(G)と、有機EL素子1(B)は、ほぼ同様の構成を有するので、以下では、まとめて有機EL素子1として説明する。
図1に示すように、有機EL素子1は、基板11、層間絶縁層12、画素電極13、隔壁層14、正孔注入層15、正孔輸送層16、発光層17、機能層31、対向電極22、および封止層23を備える。なお、基板11、層間絶縁層12、機能層31、対向電極22、および封止層23は、画素ごとに形成されているのではなく、有機EL表示パネル100が備える複数の有機EL素子1に共通して形成されている。
基板11は、絶縁材料である基材111と、TFT(Thin Film Transistor)層112とを含む。TFT層112には、画素毎に駆動回路が形成されている。基材111は、例えばガラス材料からなる基板である。ガラス材料としては、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英等のガラスなどが挙げられる。
層間絶縁層12は、基板11上に形成されている。層間絶縁層12は、樹脂材料からなり、TFT層112の上面の段差を平坦化するためのものである。樹脂材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。また、図1の断面図には示されていないが、層間絶縁層12には、画素毎にコンタクトホールが形成されている。
画素電極13は、光反射性の金属材料からなる金属層を含み、層間絶縁層12上に形成されている。画素電極13は、画素毎に個々に設けられ、コンタクトホールを通じてTFT層112と電気的に接続されている。
本実施形態においては、画素電極13は、陽極として機能する。
<隔壁層>
隔壁層14は、画素電極13の上面の一部の領域を露出させ、その周辺の領域を被覆した状態で画素電極13上に形成されている。画素電極13上面において隔壁層14で被覆されていない領域(以下、「開口部」という。)は、サブピクセルに対応している。即ち、隔壁層14は、サブピクセル毎に設けられた開口部14aを有する。
隔壁層14は、例えば、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂等)からなる。隔壁層14は、発光層17を塗布法で形成する場合には塗布されたインクがあふれ出ないようにするための構造物として機能し、発光層17を蒸着法で形成する場合には蒸着マスクを載置するための構造物として機能する。本実施形態では、隔壁層14は、樹脂材料からなり、隔壁層14の材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。本実施形態においては、フェノール系樹脂が用いられている。
正孔注入層15は、画素電極13から発光層17への正孔の注入を促進させる目的で、画素電極13上の開口部14a内に設けられている。正孔注入層15は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる層である。上記の内、酸化金属からなる正孔注入層15は、正孔(ホール)を安定的に、または正孔(ホール)の生成を補助して、発光層17に対し正孔(ホール)を注入する機能を有し、大きな仕事関数を有する。本実施の形態においては、正孔注入層15は、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる。
<正孔輸送層>
正孔輸送層16は、親水基を備えない高分子化合物を用い開口部14a内に形成されている。例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物であって、親水基を備えないものなどを用いることができる。
<発光層>
発光層17は、開口部14a内に形成されている。発光層17は、正孔と電子の再結合によりR,G,Bの各色の光を出射する機能を有する。発光層17の材料としては公知の材料を利用することができる。例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質や、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウムなどの燐光を発光する金属錯体等の燐光物質を用いることができる。
機能層31は、中間層18、電子輸送層30、および電子注入層21で構成されている。
中間層18は、発光層17上に形成されており、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選択される第1金属のフッ化物で形成されている。
従って、中間層18は、発光層17、正孔輸送層16、正孔注入層15、隔壁層14の内部や表面に存在する不純物が、機能層31や対向電極22へと侵入するのを防止する働きをなす。
電子輸送層30は、対向電極22から注入された電子を発光層17へと輸送する機能を有する有機材料と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選択され、第1金属のフッ化物(NaF)の結合を切る性質を持つ第2金属とを含む層である。
第2金属は、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなど)またはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)の中で、中間層18に含まれる第1金属のフッ化物における第1金属とフッ素との結合を切る性質を有する金属を用いる。
電子輸送層30の金属ノンドープ領域20の上には、対向電極22から金属ノンドープ領域20への電子注入性を高める目的で電子注入層21が設けられている。電子注入層21の材料としては、例えばフッ化リチウム(LiF)、NaF、キノリノールLi錯体(Liq)、Ba等の電子注入性材料が選択される。
対向電極22は、各サブピクセル共通に設けられており、陰極として機能する。
この対向電極22には、金属材料で形成された金属層が含まれているが、金属層の膜厚は10nm〜30nm程度に薄く設定されて光透過性を有している。金属材料は光反射性の材料であるが、金属層の膜厚を30nm以下と薄くすることによって、光透過性を確保することができる。
このように対向電極22に金属層が含まれることによって、そのシート抵抗値を低くすることができる。金属層の膜厚が10nm以上であれば、その表面抵抗(Rs)を10Ω/□以下の低抵抗にすることができる。
金属層を形成する金属材料としては、銀(Ag)、Agを主成分とする銀合金、アルミニウム(Al)、Alを主成分とするAl合金が挙げられる。Ag合金としては、マグネシウム−銀合金(MgAg)、インジウム−銀合金が挙げられる。Agは、基本的に低抵抗率を有し、Ag合金は、耐熱性、耐腐食性に優れ、長期にわたって良好な電気伝導性を維持できる点で好ましい。
その他の合金として、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、が挙げられる。
金属層は、例えばAg層あるいはMgAg合金層の単層で構成してもよいし、Mg層とAg層の積層構造(Mg/Ag)、あるいは、MgAg合金層とAg層の積層構造(MgAg/Ag)にしてもよい。
<封止層>
対向電極22の上には、発光層17が水分や酸素等に触れて劣化することを抑制する目的で封止層23が設けられている。有機EL表示パネル100はトップエミッション型であるため、封止層23の材料としては、例えばSiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の光透過性材料が選択される。
なお図1には示されないが、封止層23の上に、封止樹脂を介してカラーフィルタや上部基板を貼り合せてもよい。上部基板を貼り合せることによって、正孔輸送層16、発光層17、機能層31を水分および空気などから保護できる。
[2.不純物ブロック性と電子注入性]
正孔注入層15、正孔輸送層16、発光層17をウェットプロセスで形成する場合、これらの層の内部および表面に存在する不純物が電子輸送層30に到達すると、電子輸送層30の有機材料にドープされている金属と反応して、電子輸送層30の機能を低下させる。
隔壁層14をウェットプロセスで形成する場合にも、隔壁層14の内部および表面に存在する不純物が、同様に電子輸送層30の機能低下を引き起こす原因となる。
これに対して、本実施形態に係る有機EL素子1は、発光層17と電子輸送層30との間に、中間層18を備え、中間層18は、アルカリ金属のフッ化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物を含んでいるので、このフッ化物が発光層17側から電子輸送層30側への不純物の侵入を防ぐ。
電子輸送層30の金属ドープ領域19におけるBaのドープ濃度としては、良好な発光効率を得る上で5〜40wt%の範囲内に設定するのが好ましい。
なお、第1金属のフッ化物における第1金属とフッ素との結合を分解する機構は、上記に限られない。発光層17、中間層18、電子輸送層30等の機能を損なわない限り、何れの機構によって第1金属とフッ素との結合が切れてもよい。
ここでは、中間層18を形成する際に、膜厚がD1となるように意図した方法で形成した場合、形成された中間層18の膜厚がD1であるということとする。他の層の膜厚についても同様である。
中間層18の膜厚D1が互いに異なる3種類の有機EL表示パネル100を試験体として保管安定性試験を行った。
試験体における中間層18の膜厚D1は、1nm,4nm,10nmである。
保管安定性試験においては、各試験体に通電して初期輝度を測定し、80℃の環境下に7日間保管した後、再び通電して高温保管後の輝度を測定した。そして各試験体について、輝度保持率(初期輝度に対する高温保管後の輝度の割合〔%〕)を算出した。
図2(a)は、その結果を示すグラフである。
図2(a)に示すように、中間層18の膜厚D1が1nmの場合、輝度保持率が59〔%〕であって、保管安定性は低いが、膜厚D1が4nm以上の場合、輝度保持率が95%以上であり、良好な保管安定性を示している。
なお、膜厚D1が10nmの試験体では、輝度保持率が100%を超える結果となっている。これは、高温保管前の状態において、正孔と電子とのバランスが最適な状態からずれていたのが、高温保管により、最適なバランス状態に近づいたためと考えられる。
図2(b)は、中間層18の膜厚D1が互いに異なる3種類の有機EL表示パネル100についての発光効率比を示すグラフである。膜厚D1は、1,4,10〔nm〕の3種類である。この3種類の各試験体に対して、電流密度が10mA/cm2となるような電圧を印加した際の輝度を測定し、測定された輝度の値から発光効率を算出した。そして、基準となる有機EL表示パネルの発光効率の値を発光効率基準値として、発光効率基準値に対する比(発光効率比)をグラフにプロットした。
この結果から、中間層18の膜厚D1が、1nmよりも薄い場合および10nmよりも厚い場合には、さらに発光効率比が低くなると考えられる。これは、中間層18の膜厚D1が薄くなりすぎると、乖離する第1金属(本実施形態においてはNa)の絶対量が少なくなり、電子輸送層30から発光層17への電子の移動が促進されなくなり、一方、中間層18の膜厚D1が厚くなりすぎると、絶縁層としての機能が強くなって、発光効率が低下するためと考えられる。
[5.各層の光学膜厚と光共振器構造について]
図3は、本実施形態にかかる有機EL素子の光共振器構造における光の干渉を説明する図である。当図では青色発光の発光層17を有する有機EL素子1(B)について示し、ここでは特に有機EL素子1(B)について説明する。
(1)発光層17から出射され対向電極22側に進行した光の一部が、対向電極22を透過して発光素子の外部に出射される第1光路C1と、発光層17から、画素電極13側に進行した光の一部が、画素電極13で反射された後、発光層17および対向電極22を透過して発光素子の外部に出射される第2光路C2とが形成される。そして、この直接光と反射光との干渉が生じる。
(2)発光層17から対向電極22側に進行した光の一部が、対向電極22で反射されて、さらに画素電極13で反射された後、発光素子の外部に出射される第3光路C3も形成される。
第2光路C2と第3光路C3との光学距離の差は図3に示す光学膜厚L2に対応する。この光学膜厚L2は、発光層17、機能層31の合計の光学距離である。
特に、有機EL素子1(B)においては、対向電極22に金属層が含まれているので、対向電極が金属酸化物だけで構成される場合よりも、対向電極22で反射されやすいので、このような干渉も生じやすい。
光学膜厚L3は、画素電極13と対向電極22との間に挟まれた正孔注入層15、正孔輸送層16、発光層17、機能層31の合計の光学距離である。
ただし本発明者の考察によると、青色発光素子に関しては、光取り出し効率が極大値となる光学膜厚に設定すると、取り出される青色光の色度が目標色度に近いとはいえず、むしろ光取り出し効率が極大値をとる光学膜厚からずらして、色度y値の小さい青色光を取り出す光学膜厚を選択する方が好ましいといえる。
そこで、以下に詳細に説明するように、青色発光素子については、輝度とxy色度のy値との比(輝度/y値)が高い値を示すような光学膜厚に調整することとする。
青色の有機EL素子1(B)から取り出される青色光の色度y値がこの目標色度から遠ければ、カラーフィルタ(CF)で大きく色度補正をする必要がある。その場合、光透過率の低いCFを用いざるを得ないので、もとの青色発光素子からの光取り出し効率が大きくても、CF通過後の光取り出し効率は大幅に低下してしまう。
本発明者等は、さらに検討を行った結果、色度y値が0.08以下の青色光を効率よく取り出すには、輝度/y値が高い値を示すように各層の光学膜厚の設定を行えばよいことも見出した。
(光学シミュレーション)
本実施形態に基づく一実施例にかかる青色の有機EL素子1(B)において、正孔輸送層16の膜厚、及び発光層17から機能層31までの合計膜厚を、それぞれ変化させたときに、素子から取り出される青色光の輝度/y値がどのように変化するかをシミュレーションで算出した。
このシミュレーションにおいて、有機EL素子1(B)の各層の屈折率は、460nmの光に対する屈折率の値を用いた。また、このシミュレーションは、対向電極22の膜厚を30nmに固定し、正孔輸送層16の膜厚を5nm〜200nmの範囲で変え、発光層17から機能層31までの合計膜厚を10nm〜200nmの範囲で変えて行った。
ここで、光学膜厚L1は、正孔輸送層16、正孔注入層15、画素電極13の金属酸化物層の光学膜厚の合計なので、正孔注入層15、画素電極13の金属酸化物層の膜厚を固定した場合、正孔輸送層16の膜厚を変化させるのに応じて、光学膜厚L1も変化する。図4の横軸にはその光学膜厚L1の値も表示している。
なお、光学膜厚L3は、光学膜厚L1と光学膜厚L2の和なので、図4中に矢印L3で示す斜め方向に光学膜厚L3が増加するということもできる。
図4に示すグラフを見ると、正孔輸送層16の膜厚が20nm及び155nmを示す縦方向に伸長する破線と、発光層17〜機能層31の合計膜厚が、35nm及び160nmを示す横方向に伸長する破線とが交差する4つの箇所(a,b,c,d)に、輝度/y値のピーク(極大値)が明確に表れている。すなわち、正孔輸送層16の膜厚が20nmあるいは155nm、且つ、発光層17〜機能層31の合計膜厚が35nmあるいは160nmのときに、輝度/y値が極大値を示している。
光学膜厚L1(正孔輸送層16の膜厚)に対する輝度/y値の関係を見ると、a点、b点は1次干渉ピーク、c点、d点は2次干渉ピークに相当し、1干渉ピークでは、2次干渉ピークと比べて輝度/y値が高い値を示している。一方、光学膜厚L2(発光層17〜機能層31の合計膜厚)に対する輝度/y値の関係を見ると、a点、c点は1次干渉ピーク、b点、d点は2次干渉ピークに相当し、1干渉ピークでは2次干渉ピークと比べて輝度/y値が高い値を示している。
以上のことから、有機EL素子1(B)から輝度/y値の高い青色光を取り出すには、光学膜厚L1を干渉ピークに合せて設定するだけでなく、光学膜厚L2も干渉ピークに合せて設定することによって、より高い輝度/y値の青色光を取りせることがわかる。
ここで、光学膜厚L2に関する干渉ピークが大きくなっているのは、対向電極22に金属層が含まれていることが要因と考えられるので、対向電極22に金属層が含まれていることが、光共振効果を高めるのに寄与しているということもいえる。
以下では、光学膜厚L2に着目し、光学膜厚L1を、1次干渉に相当する一定値に固定して、光学膜厚L2を変化させたときに、輝度/y値がどのように変化するかを考察する。
光学膜厚L1が1次干渉に相当するのは、図4に示すように、正孔輸送層16の膜厚20nm、光学膜厚L1が76nmのときである。
図5のグラフに示されるように、光学膜厚L2が小さい方から順に、1次干渉のピーク,2次干渉のピークが存在する。そして、光学シミュレーションにおいて、1次干渉のピークaにおける輝度/y値の極大値は、2次干渉のピークbにおける輝度/y値の極大値よりも高い値である。
ただし、マトリックス法を用いた光学シミュレーションでは、対向電極22の製造過程でAgが発光層17の内部へ拡散し不純物準位が生じることに起因する内部量子効率の低下や、プラズモンロスによる内部量子効率の低下が反映されない。これらの理由による内部量子効率の低下は、青色発光の発光層17を有する有機EL素子1(B)において顕著である。また、機能層31の膜厚が大きく、発光層17が対向電極22から離れていれば、これらの理由による内部量子効率の低下は隠微になる。
その結果を、図6(a)に示す。
図6(a)に示すように、機能層31の膜厚が10nmの場合、実効率が44%であって実測値とシミュレーション結果との差が大きい。しかし、機能層31の膜厚が厚くなるほど実効率が向上し、機能層31の膜厚が125nmの場合、実効率が89%であり、シミュレーション結果に近い性能を示している。
しかし、実効率から推定される青色光の輝度/y値では、2次干渉のピークaにおける極大値が、1次干渉のピークbにおける極大値よりも高い値である点で、光学シミュレーションの結果と相違している。
特に、図6(b)の細線で示すグラフにおいて、2次干渉のピークに相当する発光層17〜機能層31の合計膜厚範囲の中で、1次干渉のピークの極大輝度/y値以上の輝度/y値を示す範囲Aに設定することは、色度が良好な青色光を効率よく取り出す上で好ましい。
なお、図5および図6(b)には、光学膜厚L1が1次干渉ピークに相当するとき(正孔輸送層16の膜厚20nmのとき)について示したが、図4を参照すると、光学膜厚L1が2次干渉ピークに相当するとき(正孔輸送層16の膜厚155nm、光学膜厚L1が305.5nmのとき)も、輝度/Y値の値は全体的に低いものの図5および図6(b)と同様の形状のグラフが得られることがわかる。
このように、有機EL素子1(B)から色度の良好な青色光を効率よく取り出すには、光学膜厚L1を光学干渉に適した範囲に設定した上で、機能層31の光学膜厚を190nm〜228nmの範囲に設定することが好ましい。
ここまでの説明で示したように、中間層18の膜厚D1は、1nm以上、10nm以下の範囲に設定することが好ましい。つまり、機能層31全体の好ましい膜厚(100nm以上、120nm以下の範囲)において中間層18が占める割合は小さく、機能層31を好ましい膜厚に設定するためには、電子輸送層30の膜厚を大きくする必要がある。例えば、中間層18の膜厚D1を4nmに設定した場合、機能層31の膜厚を100nm以上、120nm以下の範囲に収めるに、電子輸送層30の膜厚を96nm以上、116nm以下の範囲に設定することが好ましい。
しかし、金属ノンドープ領域20では、有機材料にBaがドープされていないため、金属ノンドープ領域20の消衰係数は、0.034に抑えられる。そこで、電子輸送層30全体での消衰係数を低く抑えるには、金属ドープ領域19の膜厚を小さく形成し、金属ノンドープ領域20の膜厚を大きく形成することが好ましい。
なお実際は、金属ドープ領域19と金属ノンドープ領域20との境界は明確には分かれておらず、金属ドープ領域19と金属ノンドープ領域20とが、製造の過程で多少混ざり合って形成されている場合もある。ただしその場合でも、電子輸送層30における第2金属の濃度は、電子注入層21側よりも中間層18側で高いので、中間層18のNaFを乖離させる機能を有しつつ、電子輸送層30全体での消衰係数を低く抑えることができる。
有機EL素子1の製造方法について、図7〜図10、図11を参照しながら説明する。なお、図7〜図10は、有機EL素子1の製造過程を模式的に示す断面図であり、図11は、有機EL素子1の製造過程を示す模式工程図である。
まず、図7(a)に示すように、基材111上にTFT層112を成膜して基板11を形成し(図11のステップS1)、基板11上に層間絶縁層12を成膜する(図11のステップS2)。層間絶縁層12の材料である層間絶縁層用樹脂には、本実施形態においては、ポジ型の感光性材料であるアクリル樹脂を用いる。層間絶縁層12は、層間絶縁層用樹脂であるアクリル樹脂を層間絶縁層用溶媒(例えば、PGMEA)に溶解させた層間絶縁層用溶液を基板11上に塗布し、その後、焼成することによって成膜する(図11のステップS3)。この焼成は、150℃以上210℃以下の温度で180分間行う。
そして、サブピクセル毎に、金属材料を真空蒸着法またはスパッタ法で厚み150nm程度に成膜して、図7(b)に示すように、画素電極13を形成する(図11のステップS4)。
そして、マスク蒸着法やインクジェットによる塗布法によって、正孔注入層15の材料を成膜し、焼成することによって、図8(b)に示すように正孔注入層15を形成する(図11のステップS7)。
同様に、発光層17の材料を含むインクを塗布し、焼成(乾燥)することにより、図9(a)に示すように発光層17を形成する(図11のステップS9)。
次に、中間層18の上に、第2金属をドープしながら電子輸送層30の有機材料を真空蒸着法で成膜することによって、図9(c)に示すように電子輸送層30の金属ドープ領域19を形成する(図11のステップS11)。さらに、金属ドープ領域19の上に、第2金属をドープすることなく電子輸送層30の有機材料を真空蒸着法で成膜することによって、図10(a)に示すように電子輸送層30の金属ノンドープ領域20を形成する(図11のステップS12)。
続いて、図10(c)に示すように、電子注入層21の上に、金属材料等を、真空蒸着法、スパッタ法等で成膜することにより、対向電極22を形成する(図11のステップS14)。
以上の工程を経ることにより、有機EL素子1が完成すると共に、複数の有機EL素子1を備えた有機EL表示パネル100ができあがる。なお、封止層23の上にカラーフィルタや上部基板を貼り合せてもよい。
図12は、有機EL表示装置1000の構成を示す模式ブロック図である。当図に示すように、有機EL表示装置1000は、有機EL表示パネル100と、これに接続された駆動制御部200とを有している。駆動制御部200は、4つの駆動回路210〜240と制御回路250とから構成されている。
[実施の形態のまとめ]
本実施の形態に係る有機EL素子1によれば、中間層18によって、発光層17側から電子輸送層30に不純物が浸入するのを防止するので、発光効率の低下や発光寿命の短縮といった悪影響の発生を抑えることができる。
また、電子輸送層30のうち金属ノンドープ領域20には、Baがドープされておらず、消衰係数が0.034に抑えられている。さらに、Baがドープされ消衰係数が大きい金属ドープ領域19の膜厚を10nm〜30nmの範囲に抑え、消衰係数が小さい金属ノンドープ領域20を厚膜化している。そのため、電子輸送層30全体での消衰係数を低く抑えて、良好な光取出し性を実現することができる。
なお、上記説明における膜厚の範囲や膜厚の割合についての条件は、必ずしも開口部14aで規定されるサブピクセルの全領域で満たさなくてもよく、サブピクセルの中央部での膜厚が、上記説明における膜厚の条件を満たしていればよい。
以上、実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることはなく、例えば以下に示すような変形例を実施することも出来る。
(変形例1)上記実施形態における有機EL素子は、正孔注入層15、正孔輸送層16を備えていたが、これらのうち1つ以上の層を備えない構成の有機EL素子も同様に実施することができる。
その場合、例えば、層間絶縁層12上に陰極としての画素電極13および隔壁層14を形成し、開口部14a内において、画素電極13の上に、電子注入層21、電子輸送層30の金属ノンドープ領域20、電子輸送層30の金属ドープ領域19、中間層18、発光層17を順に形成し、その上に、正孔輸送層16、正孔注入層15を形成し、その上に陽極としての対向電極22を形成する。
また、金属ノンドープ領域20におけるBaのドープ濃度を5〜19wt%の範囲に設定する場合、金属ノンドープ領域20において対向電極22からの電子注入性を確保することができる。この場合には、電子注入層21を備えない構成とすることもできる。
13 画素電極(陽極)
17 発光層
18 中間層
19 金属ドープ領域(第1領域)
20 金属ノンドープ領域(第2領域)
21 電子注入層
22 対向電極(陰極)
30 電子輸送層
31 機能層
Claims (12)
- 光反射性の陽極と、
前記陽極の上方に配された発光層と、
前記発光層上に配された機能層と、
前記機能層上に配され、金属層を含む光透過性の陰極と、
を有し、
前記機能層は、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第1金属のフッ化物を含む中間層と、
前記中間層上に配され、電子輸送性を有する電子輸送層と、
を含み、
前記電子輸送層は、電子輸送性を有する有機材料と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第2金属とを含み、
前記中間層に接する前記電子輸送層の第1領域における前記第2金属の濃度は、前記第1領域より前記陰極に近い前記電子輸送層の第2領域における前記第2金属の濃度よりも高い
有機EL素子。 - 前記第1領域は、前記有機材料に前記第2金属がドープされており、
前記第2領域は、前記有機材料に前記第2金属がドープされていない
請求項1に記載の有機EL素子。 - 前記第1金属はナトリウムである
請求項2に記載の有機EL素子。 - 前記第2金属は、前記第1金属のフッ化物における前記第1金属とフッ素との結合を切る性質を有する
請求項3に記載の有機EL素子。 - 前記第2金属はバリウムである
請求項3に記載の有機EL素子。 - 前記発光層は、青色光を出射し、
前記陽極と前記陰極との間には、光共振器構造が形成されており、
前記機能層の膜厚は、前記光共振器構造が前記青色光に対して2次干渉を示す膜厚に設定されている
請求項2に記載の有機EL素子。 - 前記機能層の膜厚は、
当該膜厚を変化させたときに取り出される前記青色光の輝度/y値が示す特性において
、2次干渉のピークに相当する膜厚の範囲内で、且つ輝度/y値が1次干渉のピークの極大値以上となる膜厚に設定されており、
前記輝度/y値は、有機EL素子から取り出される前記青色光の輝度とxy色度のy値との比である
請求項6に記載の有機EL素子。 - 前記中間層の膜厚は、1nm以上10nm以下であり、かつ、前記発光層は青色光を射出するものであって、前記発光層と前記機能層を合わせた膜厚は、150nm以上、170nm以下である
請求項2に記載の有機EL素子。 - 前記中間層の膜厚は、1nm以上10nm以下であり、かつ、前記発光層は青色光を射出するものであって、前記発光層と前記機能層を合わせた光学膜厚は、285nm以上、323nm以下である
請求項2に記載の有機EL素子。 - 前記電子輸送層のうち、前記第1領域となる部分の膜厚は、10nm以上、30nm以下である
請求項4に記載の有機EL素子。 - 前記機能層はさらに、前記電子輸送層上に配され、電子注入性を有する電子注入層を含む
請求項2に記載の有機EL素子。 - 光反射性の陽極を形成し、
前記陽極の上方に発光層を形成し、
前記発光層上に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第1金属のフッ化物を含む中間層を形成し、
前記中間層上に、電子輸送性を有する有機材料を用いて電子輸送層を形成し、
前記電子輸送層の上方に、金属層を含む光透過性の陰極を形成し、
前記電子輸送層を形成する際に、
前記中間層に接する前記電子輸送層の第1領域に、前記第1領域の上方の前記電子輸送層の第2領域よりも高い濃度で、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である第2金属を含有させる、
有機EL素子の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014251052A JP6519910B2 (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | 有機el素子および有機el素子の製造方法 |
US14/962,240 US20160172620A1 (en) | 2014-12-11 | 2015-12-08 | Organic electroluminescence element and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014251052A JP6519910B2 (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | 有機el素子および有機el素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016115717A JP2016115717A (ja) | 2016-06-23 |
JP6519910B2 true JP6519910B2 (ja) | 2019-05-29 |
Family
ID=56112021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014251052A Active JP6519910B2 (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | 有機el素子および有機el素子の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20160172620A1 (ja) |
JP (1) | JP6519910B2 (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10559642B2 (en) | 2014-03-31 | 2020-02-11 | Joled Inc. | Organic light-emitting device having a fluoride and metal based intermediate layer and production method |
JP6538339B2 (ja) | 2014-12-12 | 2019-07-03 | 株式会社Joled | 有機el素子および有機el素子の製造方法 |
JP2018139262A (ja) * | 2017-02-24 | 2018-09-06 | 株式会社Joled | 有機el表示素子、有機el表示パネル、および、有機el表示素子の製造方法 |
JP6754733B2 (ja) * | 2017-07-10 | 2020-09-16 | 株式会社Joled | 有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置および電子機器 |
JP6855362B2 (ja) | 2017-10-27 | 2021-04-07 | 株式会社Joled | 有機電界発光素子、有機電界発光装置および電子機器 |
KR102539570B1 (ko) * | 2017-12-08 | 2023-06-01 | 엘지디스플레이 주식회사 | 유기발광표시장치 |
KR102500612B1 (ko) * | 2017-12-22 | 2023-02-15 | 엘지디스플레이 주식회사 | 유기발광표시장치 |
CN113228328A (zh) * | 2018-12-28 | 2021-08-06 | 株式会社半导体能源研究所 | 发光器件、发光装置、电子设备及照明装置 |
DE112020000691T5 (de) | 2019-02-06 | 2021-10-21 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Licht emittierende Vorrichtung, Licht emittierende Einrichtung, elektronisches Gerät, Anzeigevorrichtung und Beleuchtungsvorrichtung |
JP2020155766A (ja) * | 2019-03-15 | 2020-09-24 | 株式会社Joled | 自発光素子及び自発光素子の製造方法、並びに自発光表示装置、電子機器 |
US11245085B2 (en) | 2019-03-15 | 2022-02-08 | Joled Inc. | Self light-emitting element and manufacturing process of self light-emitting element, self light-emitting display device, and electronic equipment |
US20220231238A1 (en) * | 2019-04-26 | 2022-07-21 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device, light-emitting apparatus, electronic device, and lighting device |
CN114902805A (zh) * | 2020-01-17 | 2022-08-12 | 株式会社日本有机雷特显示器 | 自发光元件及自发光元件的制造方法、以及自发光显示面板、自发光显示装置、电子设备 |
Family Cites Families (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6965197B2 (en) * | 2002-10-01 | 2005-11-15 | Eastman Kodak Company | Organic light-emitting device having enhanced light extraction efficiency |
JP2004247137A (ja) * | 2003-02-13 | 2004-09-02 | Seiko Epson Corp | エレクトロルミネッセンス装置、エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、電子機器 |
US6875320B2 (en) * | 2003-05-05 | 2005-04-05 | Eastman Kodak Company | Highly transparent top electrode for OLED device |
US7196835B2 (en) * | 2004-06-01 | 2007-03-27 | The Trustees Of Princeton University | Aperiodic dielectric multilayer stack |
KR100685414B1 (ko) * | 2004-11-05 | 2007-02-22 | 삼성에스디아이 주식회사 | 유기 전계 발광 표시 소자 및 그의 제조방법 |
JP2007294901A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-11-08 | Canon Inc | 有機発光素子 |
US20070241663A1 (en) * | 2006-04-12 | 2007-10-18 | Toppoly Optoelectronics Corp. | Organic electroluminescent device |
JP2009087760A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Dainippon Printing Co Ltd | エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
KR100922755B1 (ko) * | 2007-12-28 | 2009-10-21 | 삼성모바일디스플레이주식회사 | 유기 발광 소자 |
JP5717944B2 (ja) * | 2008-11-21 | 2015-05-13 | ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド | 有機電界発光素子及びその製造方法 |
JP2011040479A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Panasonic Corp | 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 |
JP5707058B2 (ja) * | 2009-09-01 | 2015-04-22 | ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド | 有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法、表示装置及び照明装置 |
KR101657222B1 (ko) * | 2010-05-14 | 2016-09-19 | 삼성디스플레이 주식회사 | 유기 발광 소자 |
WO2012020452A1 (ja) * | 2010-08-10 | 2012-02-16 | パナソニック株式会社 | 有機発光素子、有機発光装置、有機表示パネル、有機表示装置および有機発光素子の製造方法 |
US9349964B2 (en) * | 2010-12-24 | 2016-05-24 | Lg Chem, Ltd. | Organic light emitting diode and manufacturing method thereof |
US9368734B2 (en) * | 2011-06-21 | 2016-06-14 | Council Of Scientific & Industrial Research | Lithium metal quinolates and process for preparation thereof as good emitting, interface materials as well as N-type dopent for organic electronic devices |
JP2013033872A (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-14 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
CN103718321B (zh) * | 2011-08-03 | 2016-03-30 | 株式会社日本有机雷特显示器 | 有机发光元件 |
JP5990049B2 (ja) * | 2012-07-05 | 2016-09-07 | ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド | 有機電界発光素子 |
KR102084170B1 (ko) * | 2013-07-25 | 2020-03-04 | 삼성디스플레이 주식회사 | 유기발광소자, 이를 포함하는 유기 발광 표시장치 및 그 제조방법 |
-
2014
- 2014-12-11 JP JP2014251052A patent/JP6519910B2/ja active Active
-
2015
- 2015-12-08 US US14/962,240 patent/US20160172620A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016115717A (ja) | 2016-06-23 |
US20160172620A1 (en) | 2016-06-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6519910B2 (ja) | 有機el素子および有機el素子の製造方法 | |
JP6510223B2 (ja) | 有機el素子および有機el素子の製造方法 | |
JP6387566B2 (ja) | 有機el素子 | |
JP6142213B2 (ja) | 有機el素子および有機el素子の製造方法 | |
JP6336042B2 (ja) | 有機el素子および有機el素子の製造方法 | |
JP6082918B2 (ja) | 有機発光装置、およびその製造方法 | |
JP6340616B2 (ja) | 有機el素子、および有機el表示パネル | |
JP2018139262A (ja) | 有機el表示素子、有機el表示パネル、および、有機el表示素子の製造方法 | |
US10665806B2 (en) | Organic EL element and organic EL display panel | |
JP6561281B2 (ja) | 有機el素子および有機el素子の製造方法 | |
WO2015151415A1 (ja) | 有機発光装置および有機発光装置の製造方法 | |
JP7031898B2 (ja) | 発光素子、自発光パネル、および、発光素子の製造方法 | |
US10581019B2 (en) | Organic EL element having reduced electric power consumption by optimizing film thicknesses thereof and method of manufacturing same | |
JP2022031152A (ja) | 表示パネル及び表示装置 | |
JP7423238B2 (ja) | 自発光素子を用いた表示パネル、および、その製造方法 | |
JP6538339B2 (ja) | 有機el素子および有機el素子の製造方法 | |
US20220045133A1 (en) | Display panel and display device | |
JP7424830B2 (ja) | 有機el素子、有機el表示パネルおよび有機el素子の製造方法 | |
JP2021048054A (ja) | 自発光素子を用いた表示パネル、および、その製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181016 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190326 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190412 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6519910 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S303 | Written request for registration of pledge or change of pledge |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316303 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S803 | Written request for registration of cancellation of provisional registration |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316803 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |