JP2009087760A - エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、量子ドットを含有する発光層を有し、リフトオフ法により発光層を安定してパターニングすることが可能であり、寿命特性が良好なEL素子の製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、第1電極層が形成された基板上にフォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、上記フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、発光領域の上記フォトレジスト層が除去されるように上記フォトレジスト層をパターニングするフォトレジスト層パターニング工程と、上記フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、発光層を形成する発光層形成工程と、残存する上記フォトレジスト層を除去して、上記フォトレジスト層上の上記発光層をリフトオフする発光層パターニング工程とを有することを特徴とするEL素子の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フォトリソグラフィー法を用いて、量子ドットを含有する発光層を形成する、エレクトロルミネッセンス(以下、ELと略す場合がある。)素子の製造方法に関するものである。
EL素子は、対向する2つの電極から注入された正孔および電子が発光層内で結合し、そのエネルギーで発光層中の発光材料を励起し、発光材料に応じた色の発光を行うものであり、自発光の面状表示素子として注目されている。
一般に、EL素子を用いたディスプレイの製造にあっては、発光層等のパターニングがなされている。発光層のパターニング方法としては、発光材料をシャドウマスクを介して蒸着する方法、インクジェット法により塗り分ける方法、フォトリソグラフィー法等が提案されている。
上記の中でも、フォトリソグラフィー法では、蒸着によるパターニング方法と比較すると、高精度のアライメント機構を備えた真空設備等が不要であることから、比較的容易にかつ安価にEL素子を製造することができる。また、フォトリソグラフィー法は、インクジェット法によるパターニング方法と比較すると、パターニングを補助する構造物や基板に対する前処理等を行うことがない点で好ましい。さらに、インクジェットヘッドの吐出精度との関係から、フォトリソグラフィー法の方がより高精細なパターンの形成に対して有利である。
フォトリソグラフィー法による発光層のパターニング方法としては、エッチング法、リフトオフ法等が提案されている。
その中でも、リフトオフ法は、エッチング法と比較すると、発光層がエッチングにさらされないため、エッチングによる発光特性等の性能の低下を抑制することができる。
このようなリフトオフ法では、複数色の発光層をパターニングする場合、例えばパターニングされた1色目の発光層上に、2色目の発光層をパターニングするためのフォトレジスト層が形成される。そのため、発光層が、フォトレジスト溶媒、現像液等に溶解もしくは分散等しないことが必要とされる。
また、近年、半導体からなる量子ドットを用いた発光層を有する発光素子が提案され、開発されている。量子ドットは、半導体の原子が複数集まって数nm〜数十nm程度の結晶を構成するものであり、結晶がこのようなナノサイズまで小さくなると、連続的なバンド構造ではなく、離散的なエネルギー準位を構成するようになる。すなわち、量子サイズ効果が顕著に現れるようになるので、量子ドットよりサイズの大きいバルク結晶に比べ電子の閉じ込め効果が高まり、励起子が再結合する確率を高めることができる。
さらに、量子ドットを用いた発光素子では、発光素子の構成を変更することなく、発光周波数を整調することができる。量子ドットは、量子閉じ込め効果により、大きさに依存した光学特性を示す。例えば、CdSeからなる量子ドットの発光色を、単に量子ドットの大きさを変えることにより、青色から赤色へと変化させることができる。さらに、量子ドットは、比較的狭い半値幅で発光し、例えば半値幅を30nm未満とすることができる。したがって、量子ドットは、発光層の材料として優れているといえる。
なお、量子ドットは、ナノクリスタル、微粒子、コロイドあるいはクラスターなどと呼ばれることもあるが、量子サイズ効果が生ずるものはここでは量子ドットと同じものを示す。
このような量子ドットを用いた発光層の成膜方法としては、例えば、表面にトリ-n-オクチルホスフィンオキシド(TOPO)等の配位子が付着した量子ドットとを含有するコロイド溶液を用いたスピンコート法およびディップコート法などが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この配位子は、量子ドットの表面に付着し、量子ドットの分散安定性を良好なものとしている。
特表2005−522005号公報 特表2006−520077号公報
上記の量子ドットを用いて成膜された発光層を上記リフトオフ法によりパターニングする場合、上述したように発光層がフォトレジスト溶媒、現像液等に溶解もしくは分散等しないことが必要とされる。しかしながら、量子ドットの周囲に付着しているトリ-n-オクチルホスフィンオキシド(TOPO)等の配位子は、多くの溶剤に可溶であるため、パターニングされた発光層上に、他の発光層をパターニングするためのフォトレジスト層を形成するのが困難であった。
また、従来のTOPO等の配位子が表面に付着した量子ドットを用いた発光層では、発光層内での量子ドットの安定性が悪いため、寿命特性に影響を及ぼすおそれがあった。特に、量子ドットが燐光材料である場合には、蛍光材料に比べて燐光材料は寿命が長いために、寿命特性が影響を受けやすい。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、量子ドットを含有する発光層を有し、リフトオフ法により発光層を安定してパターニングすることが可能であり、寿命特性が良好なEL素子の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1電極層が形成された基板上にフォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、上記フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、発光領域の上記フォトレジスト層が除去されるように上記フォトレジスト層をパターニングするフォトレジスト層パターニング工程と、上記フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、発光層を形成する発光層形成工程と、残存する上記フォトレジスト層を除去して、上記フォトレジスト層上の上記発光層をリフトオフする発光層パターニング工程とを有することを特徴とするEL素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、量子ドットの配位子としてシランカップリング剤を用いるので、発光層を硬化されたものとすることができ、発光層内での量子ドットの安定性を良好にすることができ、寿命特性を向上させることが可能である。また、シランカップリング剤は分子設計が比較的容易であるので、種々の機能性を示す官能基を有するシランカップリング剤を用いることにより、寿命特性を改善することが可能である。さらに本発明によれば、シランカップリング剤を含有する発光層形成用塗工液を塗布し硬化して発光層を形成するので、発光層上に他の発光層をパターニングするためのフォトレジスト層を安定して積層することができる。また、発光層中のシランカップリング剤が、発光層の下地層(第1電極層や正孔注入輸送層等)と結合等することにより、発光層と発光層の下地層との密着性を向上させることができる。さらには、発光層の熱安定性(Tg:ガラス転移温度)を向上させることもできる。
また本発明は、N色(Nは2以上の整数)の発光層をパターン状に形成するEL素子の製造方法であって、第1電極層が形成された基板上に、第1色用フォトレジスト層を形成する第1色用フォトレジスト層形成工程と、上記第1色用フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、第1色発光領域の上記第1色用フォトレジスト層が除去されるように上記第1色用フォトレジスト層をパターニングする第1色用フォトレジスト層パターニング工程と、上記第1色用フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第1色発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、第1色発光層を形成する第1色発光層形成工程と、残存する上記第1色用フォトレジスト層を除去して、上記第1色用フォトレジスト層上の上記第1色発光層をリフトオフする第1色発光層パターニング工程と、上記第1電極層が形成され、上記第1色発光層がパターン状に形成された基板上に、第2色用フォトレジスト層を形成する第2色用フォトレジスト層形成工程と、上記第2色用フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、第2色発光領域の上記第2色用フォトレジスト層が除去されるように上記第2色用フォトレジスト層をパターニングする第2色用フォトレジスト層パターニング工程と、上記第2色用フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第2色発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、第2色発光層を形成する第2色発光層形成工程と、残存する上記第2色用フォトレジスト層を除去して、上記第2色用フォトレジスト層上の上記第2色発光層をリフトオフする第2色発光層パターニング工程とを有することを特徴とするEL素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、量子ドットの配位子としてシランカップリング剤を用いるので、発光層を硬化されたものとすることができ、各発光層内での量子ドットの安定性を良好にすることができ、寿命特性を向上させることが可能である。また、シランカップリング剤は分子設計が比較的容易であるので、種々の機能性を示す官能基を有するシランカップリング剤を用いることにより、寿命特性を改善することが可能である。さらに本発明によれば、シランカップリング剤を含有する第1色発光層形成用塗工液を塗布し硬化して第1色発光層を形成するので、第1色発光層を、第2色発光層をパターニングするための第2色用フォトレジスト層に使用するフォトレジスト溶媒および現像液等に不溶とすることができる。また、各発光層中のシランカップリング剤が、各発光層の下地層(第1電極層や正孔注入輸送層等)と結合等することにより、各発光層と各発光層の下地層との密着性を向上させることができる。さらには、発光層の熱安定性(Tg:ガラス転移温度)を向上させることもできる。
上記発明においては、上記N色の発光層が3色の発光層であることが好ましい。一般的に、カラー表示には赤・緑・青の3色の発光層が用いられるからである。
また本発明においては、上記各発光層形成工程にて、上記周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料と溶媒とを含有する上記各発光層形成用塗工液を用い、上記各発光層形成用塗工液を塗布して塗膜を形成した後に、上記塗膜中の上記溶媒を除去しつつ、上記正孔輸送材料を上記第1電極層側に、上記周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを上記塗膜の最表面側に分離して、正孔輸送層と上記各発光層とを一括して形成してもよい。これにより、正孔輸送層および発光層を相分離したものとすることができ、発光効率および寿命特性がより向上するからである。また、正孔輸送層を形成することにより、発光層への正孔の輸送が円滑になるため、発光効率を高めることができるからである。
さらに本発明においては、上記各発光層形成用塗工液が、さらに正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくともいずれか一方を含有していてもよい。量子ドットにこれらの材料を組み合わせることにより、EL素子の製造工程を簡略化できたり、発光層への電荷輸送および、正孔と電子の再結合により生成した励起子のエネルギー移動を効率良く行うことが可能となり、寿命特性の向上が図れたりするからである。
さらに本発明においては、上記フォトレジスト層形成工程前に、上記第1電極層が形成された基板上に、正孔注入材料および硬化性バインダを含有する正孔注入層形成用塗工液を塗布し、硬化して、正孔注入層を形成する正孔注入層形成工程を有していてもよい。正孔注入層を形成することにより、発光層への正孔の注入が安定化するため、発光効率を高めることができるからである。
また本発明においては、上記シランカップリング剤が、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示されるケイ素化合物であってもよい。このようなケイ素化合物は、分子設計が比較的容易であるので、上記X,Yを適宜選択することにより、縮合度等を制御することができる。これにより、発光層内での量子ドットの安定性を所望のものとすることができる。
さらに本発明においては、上記シランカップリング剤が、YSiX(4−n)(ここで、Yは直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性を示す官能基、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した電子輸送性を示す官能基あるいは直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示されるケイ素化合物であってもよい。このようなケイ素化合物は、分子設計が比較的容易であるので、種々の機能性を示す官能基を有するものとすることができ、寿命特性を改善することができるからである。
また本発明においては、上記量子ドットが、半導体微粒子からなるコア部と、上記コア部を被覆し、上記半導体微粒子よりもバンドギャップが大きい材料からなるシェル部とを有することが好ましい。このような構成とすることにより、量子ドットが安定化されるからである。
本発明においては、量子ドットの配位子としてシランカップリング剤を用いるので、配位子による寿命特性の低下を抑制することができるとともに、発光層上に他の発光層をパターニングするためのフォトレジスト層を安定して積層することができるという効果を奏する。
以下、本発明のEL素子の製造方法について詳細に説明する。
本発明のEL素子の製造方法には、少なくとも1色の発光層をパターン状に形成する場合(第1実施態様)、および、N色(Nは2以上の整数)の発光層をパターン状に形成する場合(第2実施態様)の2つの実施態様がある。以下、各実施態様について説明する。
I.第1実施態様
本発明のEL素子の製造方法の第1実施態様は、第1電極層が形成された基板上にフォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、上記フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、発光領域の上記フォトレジスト層が除去されるように上記フォトレジスト層をパターニングするフォトレジスト層パターニング工程と、上記フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、発光層を形成する発光層形成工程と、残存する上記フォトレジスト層を除去して、上記フォトレジスト層上の上記発光層をリフトオフする発光層パターニング工程とを有することを特徴とするものである。
本実施態様のEL素子の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施態様のEL素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、基板1上に第1電極層2をパターン状に形成し、この第1電極層2のパターン間に絶縁層3を形成し、第1電極層2および絶縁層3の上に正孔注入層4を形成する(正孔注入層形成工程)。次に、正孔注入層4上にポジ型フォトレジストを塗布して、フォトレジスト層5を形成する(図1(a)、フォトレジスト層形成工程)。次いで、発光領域10のフォトレジスト層5が除去されるように、フォトマスク11を介してフォトレジスト層5をパターン露光した後、フォトレジスト現像液により現像し、洗浄することにより、パターン状のフォトレジスト層5´を形成する(図1(b)および(c)、フォトレジスト層パターニング工程)。
次に、パターン状のフォトレジスト層5´が形成された正孔注入層4上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布して、発光層6を形成する(図1(d)、発光層形成工程)。続いて、残存するフォトレジスト層5´が除去されるように、フォトマスク12を介してフォトレジスト層5´を露光した後、フォトレジスト現像液により現像し、洗浄することにより、残存するフォトレジスト層5´を除去するとともに、フォトレジスト層5´上の発光層6をリフトオフし、パターン状の発光層6´を形成する(図1(e)および(f)、発光層パターニング工程)。
最後に、発光層6´上に第2電極層7を形成する(図1(g)、第2電極層形成工程)。
上記発光層形成用塗工液には、図2に例示するような周囲にシランカップリング剤21が配置された量子ドット22が用いられている。すなわち、シランカップリング剤21が配位子となって、量子ドット22の表面に付着しており、このようなシランカップリング剤21が表面に付着された量子ドット22が発光層形成用塗工液に用いられている。
量子ドットとシランカップリング剤とは配位結合している。量子ドットが化合物半導体である場合、一般に無機材料の表面は新液性であるので、加水分解されたシランカップリング剤のSi-OH基の-OH基は量子ドットに配位することができる。
本実施態様によれば、上記の周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、発光層を形成するので、発光層内での量子ドットの安定性を良好にすることができ、寿命特性を向上させることが可能である。また、シランカップリング剤は分子設計が比較的容易であるので、種々の機能性を示す官能基を有するシランカップリング剤を用いることにより、寿命特性を改善することが可能である。
また本実施態様によれば、上記の周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、発光層を形成するので、例えばこの発光層上に、他の発光層をパターニングするためのフォトレジストを塗布してフォトレジスト層を形成する際、フォトレジスト溶媒に発光層が溶解等することなく、安定して発光層上にフォトレジスト層を積層することができる。また、フォトレジスト層をパターニングする際、フォトレジスト現像液に発光層が溶解等するのを防ぐことができる。その結果、発光層の特性が低下するのを抑制することができる。
さらに、シランカップリング剤を含有する発光層形成用塗工液を用いて発光層を形成するので、発光層中のシランカップリング剤が、発光層の下地層(第1電極層や正孔注入層等)と結合等することにより、発光層の下地層(第1電極層や正孔注入層等)と発光層との密着性を向上させることができる。また、シランカップリング剤を含有する発光層形成用塗工液を用いて発光層を形成することにより、熱安定性(Tg:ガラス転移温度)の良好な発光層を得ることができる。
以下、本実施態様のEL素子の製造方法の各工程について説明する。
1.フォトレジスト層形成工程
本実施態様におけるフォトレジスト層形成工程は、第1電極層が形成された基板上にフォトレジスト層を形成する工程である。
以下、フォトレジスト層の形成方法、基板および第1電極層について説明する。
(1)フォトレジスト層の形成方法
本実施態様に用いられるフォトレジストとしては、ポジ型フォトレジストが好ましい。ポジ型フォトレジストを用いることにより、フォトレジスト層が剥離し易くなるため、発光層をリフトオフするのに有利だからである。ポジ型フォトレジストとしては、一般的なものを用いることができ、例えば、ノボラック系樹脂、ゴム+ビスアジド系樹脂等を挙げることができる。
また、フォトレジストに用いられるフォトレジスト溶媒としては、一般的なものを使用することができる。本発明においては、シランカップリング剤を含有する発光層形成用塗工液を用いて発光層を硬化させるため、フォトレジスト溶媒を選択する際に、発光層の溶解性等を考慮しなくてもよいのである。中でも、フォトレジスト層形成工程前に、後述する正孔注入層形成工程を行う場合には、フォトレジスト溶媒としては、正孔注入層上にフォトレジストを塗布した際に正孔注入層がフォトレジストに混合したり溶解したりするのを防ぐために、正孔注入層を構成する正孔注入材料等を溶解しないものであることが好ましい。このようなフォトレジスト溶媒としては、例えば特開2006−318876号公報に記載のものを用いることができる。
フォトレジストの塗布方法としては、基板上の全面に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法等が用いられる。
フォトレジスト層の膜厚は、特に限定されるものではないが、0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは0.5μm〜5μmの範囲内である。フォトレジスト層の膜厚が厚すぎると、後述する発光層パターニング工程にて、残存するフォトレジスト層を除去するのが困難となるおそれがあるからである。また、フォトレジスト層の膜厚が薄すぎると、リフトオフ法により発光層を高精細にパターニングすることが困難となるおそれがあるからである。
(2)基板
本実施態様に用いられる基板は、透明性を有していても有さなくてもよい。例えば図1(g)に示すEL素子においてボトムエミッション型とする場合、基板1は透明性を有することが好ましい。一方、例えば図1(g)に示すEL素子においてトップエミッション型とする場合、基板1に透明性は要求されない。また、例えば図1(g)に示すEL素子において両面から光を取り出す場合には、基板1は透明性を有することが好ましい。
透明性を有する基板には、例えば、ガラス等の無機材料や、透明樹脂などを用いることができる。
上記透明樹脂としては、フィルム状に成形可能であれば特に限定されるものではないが、透明性が高く、耐溶媒性、耐熱性の比較的高いことが好ましい。このような透明樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフッ化ビニル(PFV)、ポリアクリレート(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、非晶質ポリオレフィン、またはフッ素系樹脂等が挙げられる。
(3)第1電極層
本実施態様に用いられる第1電極層は、陽極であってもよく陰極であってもよい。一般に、EL素子を製造する際には、陽極側から積層する方が安定してEL素子を作製することができることから、第1電極層が陽極であることが好ましい。
陽極には、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料が好ましく用いられる。一方、陰極には、電子が注入し易いように仕事関数の小さな導電性材料が好ましく用いられる。導電性材料としては、一般に金属材料が用いられるが、有機物や無機化合物を用いてもよい。また、第1電極層には、複数の材料を混合して用いてもよい。
また、第1電極層は、透明性を有していても有さなくてもよく、光の取り出し面に応じて適宜選択される。例えば図1(g)に示すEL素子においてボトムエミッション型とする場合、第1電極層2は透明性を有することが好ましい。一方、例えば図1(g)に示すEL素子においてトップエミッション型とする場合、第1電極層2に透明性は要求されない。また、例えば図1(g)に示すEL素子において両面から光を取り出す場合には、第1電極層2は透明性を有することが好ましい。
透明性を有する導電性材料としては、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、Zn−O−Al、Zn−Sn−O等を好ましいものとして例示することができる。また、透明性が要求されない場合、導電性材料としては、金属を用いることができ、具体的にはAu、Ta、W、Pt、Ni、Pd、Cr、あるいは、Al合金、Ni合金、Cr合金等を挙げることができる。
第1電極層が陽極および陰極のいずれであっても、抵抗が比較的小さいことが好ましい。
第1電極層の成膜方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等を挙げることができる。また、第1電極層のパターニング方法としては、フォトリソグラフィー法を挙げることができる。
2.フォトレジスト層パターニング工程
本実施態様におけるフォトレジスト層パターニング工程は、上記フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、発光領域の上記フォトレジスト層が除去されるように上記フォトレジスト層をパターニングする工程である。
フォトレジスト層をパターン露光する方法としては、例えば、フォトマスクを介して露光する方法、レーザー描画法など、一般的な方法を用いることができる。
パターン露光の際、ポジ型フォトレジストを用いた場合には、少なくとも発光領域が非露光領域となるように露光する。
本実施態様に用いられるフォトレジスト現像液としては、特に限定されるものではない。中でも、フォトレジスト形成工程前に正孔注入層形成工程を行う場合には、フォトレジスト現像液としては、正孔注入層を構成する正孔注入材料等を溶解しないものであることが好ましい。このようなフォトレジスト現像液としては、一般的に使用されている有機アルカリ系現像液を使用できる。また、フォトレジスト現像液として、無機アルカリ系現像液や、第1色用フォトレジスト層の現像が可能な水溶液を使用することもできる。
また、フォトレジスト層を現像した後は、水で洗浄するのが好ましい。
3.発光層形成工程
本実施態様における発光層形成工程は、上記フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、発光層を形成する工程である。
本実施態様における発光層形成工程は、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を用いて、単一の発光層を形成する工程(第1態様)であってもよく、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと、正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくともいずれか一方とを含有する発光層形成用塗工液を用いて、単一の発光層を形成する工程(第2態様)であってもよく、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料とを含有する発光層形成用塗工液用いて、発光層および正孔輸送層を一括して形成する工程(第3態様)であってもよい。以下、各態様に分けて説明する。
(1)第1態様
本態様における発光層形成工程は、上記フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、単一の発光層を形成する工程である。以下、発光層形成用塗工液および発光層の形成方法について説明する。
(i)発光層形成用塗工液
本実施態様に用いられる発光層形成用塗工液は、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有するものであり、通常は周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットが溶媒に分散されたものである。以下、発光層形成用塗工液の各構成について説明する。
(量子ドット)
本態様に用いられる量子ドットとしては、蛍光または燐光を発するものであれば特に限定されるものではない。中でも、量子ドットは、いわゆる化合物半導体を含むことが好ましい。化合物半導体としては、例えば、IV族の化合物、I-VII族の化合物、II−VI族の化合物、II−V族の化合物、III−VI族の化合物、III−V族の化合物、IV−VI族の化合物、I−III−VI族の化合物、II−IV−VI族の化合物、II−IV−V族の化合物等が挙げられる。具体的には、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、GaSe、InN、InP、InAs、InSb、TlN、TlP、TlAs、TlSb、PbS、PbSe、PbTe、またはこれらの混合物が挙げられる。中でも、汎用性および光学特性の観点から、CdSeが好ましい。
量子ドットは、半導体微粒子からなるコア部のみからなっていてもよく、半導体微粒子からなるコア部と、コア部を被覆し、半導体微粒子よりもバンドギャップが大きい材料からなるシェル部とを有するものであってもよい。中でも、量子ドットは、上記コア部と上記シェル部とを有するものであることが好ましい。すなわち、量子ドットは、コアシェル構造を有し、コアシェル型量子ドットであることが好ましい。量子ドットの安定性が向上するからである。
コア部に用いられる半導体微粒子としては、上記化合物半導体の微粒子が好ましく用いられる。
また、シェル部に用いられる材料としては、上記半導体微粒子よりもバンドギャップが大きい材料であれば特に限定されるものではないが、上記半導体微粒子と同様に、上記化合物半導体であることが好ましい。この場合、シェル部に用いられる化合物半導体は、コア部に用いられる化合物半導体と同一であってもよく異なっていてもよい。
上記コアシェル型量子ドットとしては、例えば、コア部/シェル部とすると、CdSe/CdS、CdSe/ZnS、CdTe/CdS、InP/ZnS、GaP/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、GaInP/ZnSe、GaInP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、GaInP/ZnSTe、GaInP/ZnSSe等が挙げられる。中でも、汎用性および光学特性の観点から、CdSe/ZnSが好ましい。
また、量子ドットの形状としては、例えば、球形、棒状、円盤状等を挙げることができる。
なお、量子ドットの形状は、透過型電子顕微鏡(TEM)により確認することができる。
量子ドットの粒径は、20nm未満であることが好ましく、中でも1nm〜15nmの範囲内、特に1nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。量子ドットの粒径が大きすぎると、量子サイズ効果が得られない可能性があるからである。
量子ドットは、その粒径により異なる発光スペクトルを示すことから、目的とする色に応じて量子ドットの粒径が適宜選択される。例えばCdSe/ZnSからなるコアシェル型量子ドットの場合、粒径が大きくなるにつれて発光スペクトルが長波長側にシフトし、粒径が5.2nmの場合は赤色を示し、粒径が1.9nmの場合は青色を示す。
また、量子ドットの粒径分布は比較的狭いことが好ましい。
なお、量子ドットの粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、粉末X線回折(XRD)パターン、またはUV/Vis吸収スペクトルにより確認することができる。
発光層形成用塗工液中の、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットの含有量としては、発光層形成用塗工液中の全固形分を100質量%とすると、50質量%〜100質量%の範囲内であることが好ましく、中でも60質量%〜100質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が少なすぎると、充分な発光が得られない可能性があるからである。また、上記含有量が多すぎると、発光層の成膜が困難となる場合があるからである。
量子ドットの合成方法としては、特表2005-522005号公報、特表2006-520077号公報、特開2007-21670号公報等を参照することができる。
また、量子ドットの表面に付着している配位子を、他の配位子に交換することが可能である。例えば、表面にTOPO等の配位子が付着した量子ドットを多量のシランカップリング剤と混合することで、TOPO等の配位子をシランカップリング剤に置換することができる。配位子を置換する際の温度は、室温程度とするのがよい。
なお、配位子の置換方法については、特開2007-21670号公報等を参照することができる。
TOPO等の配位子が付着した量子ドットの市販品としては、例えば、evident TECHNOLOGIES社製の蛍光性半導体ナノクリスタル「エヴィドット」等を用いることができる。
(シランカップリング剤)
本態様に用いられるシランカップリング剤としては、量子ドットに配位し、量子ドットを安定化させることができ、量子ドットの寿命特性に影響を及ぼさないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、(1)クロロまたはアルコキシシラン等、(2)反応性シリコーンを挙げることができる。
上記(1)のクロロまたはアルコキシシラン等としては、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示されるケイ素化合物が好ましく用いられる。このケイ素化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記式で示されるケイ素化合物において、Xは、末端部および、量子ドットに配位結合する配位結合部となる。なお、末端部は、縮合反応が起こる部位であり、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドット間を結合したり、発光層を不溶化させたり、発光層とその下地層との密着性向上に寄与したりする部位である。
Xで示されるアルコキシル基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
また、上記式で示されるケイ素化合物において、Yは機能性部となる。
例えば、Yがアルキル基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、溶解性に寄与する部位となる。Yがフルオロアルキル基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、撥液性を示す部位となる。Yがビニル基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、π共役系を示す部位となる。Yがアミノ基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、親液性を示す部位となる。Yがフェニル基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、撥水性を示す部位となる。Yがエポキシ基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、硬化性に寄与する部位となる。
Yで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましい。
上記式で示されるケイ素化合物としては、具体的には、特開2000−249821号公報に記載されているもの等を用いることができる。
また、上記(1)のクロロまたはアルコキシシラン等としては、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yは直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性を示す官能基、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した電子輸送性を示す官能基あるいは直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示されるケイ素化合物も好ましく用いられる。このケイ素化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記式で示されるケイ素化合物において、Xは、末端部および、量子ドットに配位結合する配位結合部となる。なお、末端部は、縮合反応が起こる部位であり、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドット間を結合したり、発光層を不溶化させたり、発光層とその下地層との密着性向上に寄与したりする部位である。
Xで示されるアルコキシル基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
また、上記式で示されるケイ素化合物において、Yは機能性部となる。
例えば、Yが、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性を示す官能基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、正孔輸送性を示す部位となる。Yが直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した電子輸送性を示す官能基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、電子輸送性を示す部位となる。Yが直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基の場合、量子ドット間のスペーサーとなり、正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る部位となる。
Yが、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性を示す官能基の場合、中でも、ビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性を示す官能基であることが好ましい。ビニル基およびフェニル基はπ共役系を示す部位だからである。
正孔輸送性を示す官能基としては、例えば、N原子を1つ以上含む芳香族アミン基、置換もしくは未置換の炭素数6〜16のアリール基が挙げられる。
N原子を1つ以上含む芳香族アミン基としては、N原子を1つ以上含む芳香族第3級アミン基が好ましい。具体的には、N,N´−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N´−ビス(フェニル)−ベンジジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等のトリフェニルアミンが挙げられる。トリフェニルアミンとしては、下記式で示される構造を有するものを挙げることができる。
Figure 2009087760
また、炭素数6〜16のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ナフタセニル基、ペンタセニル基等が挙げられる。
Yが、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した電子輸送性を示す官能基の場合、ビニル基もしくはフェニル基を介して結合した電子輸送性を示す官能基であることが好ましい。ビニル基およびフェニル基はπ共役系を示す部位だからである。
電子輸送性を示す官能基としては、例えば、フェナントロリン、トリアゾール、オキサジアゾール、アルミキノリノール等を挙げることができる。具体的には、バソキュプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(Bpehn)、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム(Alq)等が挙げられる。オキサジアゾール、トリアゾールとしては、下記式で示される構造を有するものを挙げることができる。
Figure 2009087760
また、電子輸送性を示す官能基としては、置換もしくは未置換の炭素数6〜16のアリール基も例示される。なお、炭素数6〜16のアリール基については、上記と同様である。
Yが、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基の場合、ビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基であることが好ましい。ビニル基およびフェニル基はπ共役系を示す部位だからである。
正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基としては、例えば、ジスチリルアレーン、多芳香族、芳香族縮合環、カルバゾール、複素環等を挙げることができる。具体的には、下記式で示される4,4'-bis(2,2-diphenyl-ethen-1-yl)diphenyl(DPVBi)、4,4'-bis(carbazol-9-yl)biphenyl(CBP)、4,4''-di(N-carbazolyl)-2',3',5',6'-tetraphenyl-p-terphenyl(CzTT)、1,3-bis(carbazole-9-yl)-benzene(m-CP)、9,10-di(naphtha-2-yl)anthracene(DNA)等が挙げられる。
Figure 2009087760
Figure 2009087760
また、下記式で示される構造を有するものを挙げることができる。
Figure 2009087760
また、正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基としては、置換もしくは未置換の炭素数6〜16のアリール基も例示される。なお、炭素数6〜16のアリール基については、上記と同様である。
また、上記(2)の反応性シリコーンとしては、下記化学式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2009087760
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R,Rがメチル基のものが好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記シランカップリング剤は、電荷輸送性を有していてもよい。電荷輸送性を有するシランカップリング剤とするためには、上記(1)の場合の上記式におけるYを、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性を示す官能基、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した電子輸送性を示す官能基あるいは直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基とすればよい。
(溶媒)
本態様に用いられる発光層形成用塗工液に使用することができる溶媒としては、上記の周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと混合するものであり、白濁その他の影響を及ぼさないものであれば特に限定されるものではない。このような溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく混合して用いてもよい。
(その他)
本態様に用いられる発光層形成用塗工液は、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を含有していてもよい。
また、本態様において、例えば赤色、緑色および青色の三原色の発光層を形成する場合は、赤色、緑色および青色の各色発光層形成用塗工液が用いられる。上述したように、量子ドットは、その粒径により異なる発光スペクトルを示すことから、各色に応じて量子ドットの粒径が調整される。
(ii)発光層の形成方法
本態様においては、上記フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、上記発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、発光層を形成する。
発光層形成用塗工液の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、インクジェット法、キャスト法、LB法、ディスペンサー法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ブレードコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。
上記発光層形成用塗工液の塗布後、塗膜を乾燥させる。乾燥方法としては、均一な発光層を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えばホットプレート、赤外線ヒーター、オーブン等を用いることができる。このような乾燥を行うことにより、加水分解されたシランカップリング剤の縮合反応が進行し、発光層が硬化される。
発光層の厚みとしては、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば1nm〜500nm程度とすることができる。
(2)第2態様
本態様における発光層形成工程は、上記フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと、正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくともいずれか一方とを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、単一の発光層を形成する工程である。
本態様においては、発光層に、発光機能だけでなく、正孔輸送機能や電子輸送機能をもたせることができる。それにより、EL素子の製造工程を簡略化できるとともに、発光層への電荷輸送および、正孔と電子の再結合により生成した励起子のエネルギー移動を効率良く行うことができ、寿命特性の向上が図れる。
なお、発光層の形成方法については、上記第1態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、発光層形成用塗工液について説明する。
(i)発光層形成用塗工液
本態様に用いられる発光層形成用塗工液は、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと、正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくともいずれか一方とを含有するものであり、通常は周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと、正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくともいずれか一方とが、溶媒に分散もしくは溶解されたものである。
発光層形成用塗工液は、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと、正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくともいずれか一方とを含有するものであればよいが、中でも、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと、正孔輸送材料と、電子輸送材料とを含有することが好ましい。量子ドットへの電荷輸送および、正孔と電子の再結合により生成した励起子のエネルギー移動を効率良く行うことができるからである。
なお、シランカップリング剤については、上記第1態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、発光層形成用塗工液の他の構成について説明する。
(量子ドット)
発光層形成用塗工液中の、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットの含有量としては、発光層形成用塗工液中の全固形分を100質量%とすると、10質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、中でも30質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が少なすぎると、充分な発光が得られなかったり、充分に発光層を硬化させることができなかったりする可能性があるからである。また、上記含有量が多すぎると、発光層の成膜が困難となったり、発光層に正孔輸送機能や電子輸送機能等を付与することが困難となったりする場合があるからである。
なお、量子ドットのその他の点については、上記第1態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
(正孔輸送材料)
本態様に用いられる正孔輸送材料としては、例えば、アリールアミン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フルオレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、スピロ化合物等を挙げることができる。具体的には、4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(α−NPD)、N,N´−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N´−ビス−(フェニル)−ベンジジン(TPD)、4,4´,4´´−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(MTDATA)、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)、4,4−N,N´−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、1,4−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ベンゼン(DPVBi)等を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
発光層形成用塗工液が、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料とを含有する場合、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料との混合比は、(周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドット):(正孔輸送材料)=1:0.1〜2程度であることが好ましい。量子ドットの混合比が少なすぎると、充分な発光が得られない可能性があるからである。また、量子ドットの混合比が多すぎると、発光層の成膜が困難となったり、発光層に正孔輸送機能を付与することが困難となったりする場合があるからである。
(電子輸送材料)
本態様に用いられる電子輸送材料としては、例えば、バソキュプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(Bpehn)等のフェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)等のアルミキノリノール錯体などを挙げることができる。
発光層形成用塗工液が、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと電子輸送材料とを含有する場合、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと電子輸送材料との混合比は、(周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドット):(電子輸送材料)=1:0.1〜2程度であることが好ましい。量子ドットの混合比が少なすぎると、充分な発光が得られない可能性があるからである。また、量子ドットの混合比が多すぎると、発光層の成膜が困難となったり、発光層に電子輸送機能を付与することが困難となったりする場合があるからである。
さらに、発光層形成用塗工液が、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料と電子輸送材料とを含有する場合、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料と電子輸送材料との混合比は、(周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドット):(正孔輸送送材料):(電子輸送送材料)=1:0.1〜2:0.1〜2程度であることが好ましい。量子ドットの混合比が少なすぎると、充分な発光が得られない可能性があるからである。また、量子ドットの混合比が多すぎると、発光層の成膜が困難となったり、発光層に正孔輸送機能や電子輸送機能を付与することが困難となったりする場合があるからである。
(溶媒)
本態様に用いられる発光層形成用塗工液に使用することができる溶媒としては、非極性溶媒が好適であり、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく混合して用いてもよい。
(その他)
発光層形成用塗工液は、まず、正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくともいずれか一方を溶媒に溶解させ、さらにこの溶液に周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを分散させて、調製することができる。
なお、発光層形成用塗工液のその他の点については、上記第1態様と同様である。
また、本態様の発光層形成工程にて形成される発光層については、特表2005-522005号公報等に詳しく記載されている。
(3)第3態様
本態様における発光層形成工程は、上記周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料と溶媒とを含有する上記発光層形成用塗工液を用い、上記発光層形成用塗工液を塗布して塗膜を形成した後に、上記塗膜中の上記溶媒を除去しつつ、上記正孔輸送材料を上記第1電極層側に、上記周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを上記塗膜の最表面側に分離して、正孔輸送層と上記発光層とを一括して形成する工程である。
本態様においては、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料と溶媒とを含有する発光層形成用塗工液を、フォトレジスト層がパターン状に形成された基板上に塗布し、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料とを相分離(垂直相分離)させることにより、図3に例示するように、正孔輸送層8と発光層6とを一括して形成することができる。この場合には、正孔輸送層8と発光層6とが相分離したものとなり、正孔輸送層8と発光層6との間に相分離界面23を有することになる。
正孔輸送層と発光層との間に相分離界面を有する場合、図3に例示するように、巨視的には、その相分離界面23が第1電極層2の表面とほぼ平行となり、図4に例示するように、微視的には、発光層6および正孔輸送層8が互いに凹凸状に入り込んだ(重なり合った)状態となる。このため、正孔輸送層と発光層との接触面積が大きくなり、電子と正孔との再結合サイトが広がる。そして、この再結合サイトは、第1電極層から離れた部分に存在するので、結果として発光するサイトが広がる(発光に寄与する分子の数が増加する)。このため、発光効率の向上や、さらなる長寿命化を図ることができる。
また、正孔輸送層と発光層との界面が均一(平坦)でなく、凹凸状であるため、駆動電圧量を上昇させても、一斉に正孔と電子とが励起、結合するのを防止して、発光の強度が急峻に上昇するのを防止することができる。したがって、駆動電圧量に応じて輝度を穏やかに上昇させることができるので、発光輝度のコントロールや、低輝度の階調コントロールを容易に行うことができる。また、駆動電圧を細かく制御するための複雑な周辺回路が不要になるという利点がある。
以下、発光層形成用塗工液および発光層の形成方法について説明する。
(i)発光層形成用塗工液
本態様に用いられる発光層形成用塗工液は、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料と溶媒とを含有するものである。
なお、量子ドットおよびシランカップリング剤については、上記第1態様に記載したものと同様であり、正孔輸送材料および溶媒については、上記第2態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様において、発光層形成用塗工液中の、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットの含有量としては、発光層形成用塗工液中の全固形分を100質量%とすると、10質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、中でも30質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が少なすぎると、充分な発光が得られない可能性があるからである。また、上記含有量が多すぎると、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料とを相分離させることが困難となるからである。
また、発光層形成用塗工液中の、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料との混合比は、(周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドット):(正孔輸送材料)=1:0.1〜2程度であることが好ましい。上記量子ドットの混合比が少なすぎると、充分な発光が得られない可能性があるからである。また、上記量子ドットの混合比が多すぎると、上記量子ドットと正孔輸送材料とを相分離させることが困難となるからである。
本態様に用いられる発光層形成用塗工液は、まず、正孔輸送材料を溶媒に溶解させ、さらにこの溶液に周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを分散させて、調製することができる。
なお、発光層形成用塗工液のその他の点については、上記第1態様と同様である。
(ii)発光層の形成方法
本態様においては、上記フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、上記発光層形成用塗工液を塗布して塗膜を形成した後に、上記塗膜中の上記溶媒を除去しつつ、上記正孔輸送材料を上記第1電極層側に、上記周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを上記塗膜の最表面側に分離して、正孔輸送層と上記発光層とを一括して形成する。
なお、発光層形成用塗工液の塗布方法については、上記第1態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
上記発光層形成用塗工液を塗布して塗膜を形成した後は、塗膜中から溶媒を除去する。溶媒が除去されると、塗膜中では、図4に例示するように、正孔輸送材料(図示なし)が第1電極層2側に、周囲にシランカップリング剤(図示なし)が配置された量子ドット22が塗膜の最表面側に、上下方向に分離し、塗膜が固化される。このようにして正孔輸送層8および発光層6が一括して形成される。すなわち、相分離により、正孔輸送層および発光層が一括して形成される。
このとき、溶媒の種類、正孔輸送材料の重量平均分子量、発光層形成用塗工液中の正孔輸送材料の含有量、発光層形成用塗工液中の量子ドットおよびシランカップリング剤の含有量、溶媒を除去する速度、溶媒を除去する際の雰囲気、発光層形成用塗工液を塗布する下地層の表面性状態等のうち、少なくとも1つの条件を適宜設定することにより、正孔輸送材料と周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットとの相分離の状態を制御することができる。
例えば、溶媒を除去する際の雰囲気を、極性溶媒の蒸気を含有する雰囲気とすることができる。これにより、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットをより確実に塗膜中において上側に集めることができる。この極性溶媒としては、例えば、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類等が挙げられる。
また、上記発光層形成用塗工液の塗布後、塗膜を乾燥させる。乾燥を行うことにより、加水分解されたシランカップリング剤の縮合反応が進行し、発光層が硬化される。なお、乾燥方法については、上記第1態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
発光層の厚みとしては、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば1nm〜500nm程度とすることができる。
4.発光層パターニング工程
本実施態様における発光層パターニング工程は、残存する上記フォトレジスト層を除去して、上記フォトレジスト層上の上記発光層をリフトオフする工程である。
フォトレジスト層を除去する方法としては、ポジ型フォトレジストを用いた場合は、フォトレジスト層を露光し、現像する方法等を用いることができる。
フォトレジスト層を露光する方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えば、フォトマスクを介して露光する方法、レーザー描画法、基板側から露光する方法など、一般的な方法を用いることができる。
なお、現像方法については、上記フォトレジスト層パターニング工程の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
5.正孔注入輸送層形成工程
本実施態様においては、上記フォトレジスト層形成工程前に、上記第1電極層が形成された基板上に正孔注入輸送層を形成する正孔注入輸送層形成工程を行ってもよい。正孔注入輸送層を設けることにより、発光層への正孔の注入が安定化したり、正孔の輸送が円滑になったりするため、発光効率を高めることができる。
正孔注入輸送層は、陽極から注入された正孔を安定に発光層内へ注入する正孔注入機能を有する正孔注入層であってもよく、陽極から注入された正孔を発光層内へ輸送する正孔輸送機能を有する正孔輸送層であってもよく、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものであってもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両方を有する単一の層であってもよい。
なお、上記発光層形成工程にて、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料とを含有する発光層形成用塗工液を用いて、単一の発光層を形成する場合や、正孔輸送層と発光層とを一括して形成する場合には、本工程においては、正孔注入輸送層として正孔注入層を形成することが好ましい。
正孔注入層に用いられる正孔注入材料としては、発光層内への正孔の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェニルアミン類、スターバースト型アミン類、フタロシアニン類、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレンおよびこれらの誘導体等の導電性高分子などを挙げることができる。上記導電性高分子は、酸によりドーピングされていてもよい。具体的には、4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(α−NPD)、4,4´,4´´−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(TDATA)、4,4´,4´´−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(MTDATA)、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等が挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
正孔注入層の膜厚としては、その機能が十分に発揮される膜厚であれば特に限定されるものではないが、具体的には5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmの範囲内である。
また、正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料としては、注入された正孔を安定に発光層内へ輸送することができる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、上記「3.発光層形成工程」の項に記載した正孔輸送材料を用いることができる。
正孔輸送層の膜厚としては、その機能が十分に発揮される膜厚であれば特に限定されるものではないが、具体的には5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmの範囲内である。
本工程においては、発光層形成用塗工液の溶媒に対して不溶となるように、正孔注入輸送層を形成することが好ましい。これにより、正孔注入輸送層上に発光層を形成する際に、発光層形成用塗工液の溶媒が正孔注入輸送層に接触しても、正孔注入輸送層は溶解されないので、安定して発光層を積層することができるからである。また、正孔注入輸送層の特性が低下するのを抑制することができる。
正孔注入輸送層を発光層形成用塗工液の溶媒に対して不溶なものとするために、正孔注入輸送層に、光開始剤等を含有させることができる。例えば、Applied physics letter, Vol 81, (2002)に記載されているような光開始剤等を、導電性高分子に混合することにより、紫外線照射によって硬化させることができる。
中でも、正孔注入輸送層を発光層形成用塗工液の溶媒に対して不溶なものとするには、正孔注入輸送層に、硬化性バインダ、または、熱エネルギーもしくは放射線の作用により溶解性が変化する材料を用いることが好ましい。すなわち、正孔注入輸送層形成用塗工液が、正孔注入材料または正孔輸送材料等と、硬化性バインダ、または、熱エネルギーもしくは放射線の作用により溶解性が変化する材料とを含有することが好ましい。
特に、正孔注入材料または正孔輸送材料等と、硬化性バインダとを含有する正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布し、硬化して、正孔注入輸送層を形成することが好ましい。
以下、正孔注入材料または正孔輸送材料等と、硬化性バインダとを含有する正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布し、硬化して、正孔注入輸送層を形成する場合(第4態様)と、熱エネルギーまたは放射線の作用により溶解性が変化する材料を含有する正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布し、熱エネルギーを付与または放射線を照射して、正孔注入輸送層を形成する場合(第5態様)とに分けて説明する。
(1)第4態様
本態様における正孔注入輸送層形成工程は、正孔注入材料または正孔輸送材料等と、硬化性バインダとを含有する正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布し、硬化して、正孔注入輸送層を形成する工程である。
なお、正孔注入材料および正孔輸送材料については、上述したとおりである。
本態様においては、正孔注入輸送層形成工程が、正孔注入材料および硬化性バインダを含有する正孔注入層形成用塗工液を塗布し、硬化して、正孔注入層を形成する正孔注入層形成工程であることが好ましい。
本態様に用いられる硬化性バインダとしては、熱エネルギーまたは放射線の作用により硬化するものであることが好ましく、例えば、ゾルゲル反応液、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を挙げることができる。なお、ゾルゲル反応液とは、硬化後にゲル化する反応液をいう。
中でも、硬化性バインダは、オルガノポリシロキサンを含むことが好ましい。このオルガノポリシロキサンとしては、例えば特開2000−249821号公報に記載されているもの等を用いることができる。
正孔注入輸送層形成用塗工液は、上記の正孔注入材料または正孔輸送材料等と、硬化性バインダとを溶媒に分散もしくは溶解して調製される。例えば、硬化性バインダがオルガノポリシロキサンを含む場合には、溶媒としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系が好ましく用いられる。
正孔注入輸送層形成用塗工液の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法等が挙げられる。
正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布した後は、硬化する。硬化の方法としては、熱エネルギーの付与、または放射線の照射が挙げられる。
正孔注入輸送層は、パターニングしてもよく、パターニングしなくてもよく、正孔注入材料および正孔輸送材料等の種類に応じて適宜選択される。例えば、正孔注入材料および正孔輸送材料等の導電性が高い場合には、素子のダイオード特性を保ち、クロストークを防ぐために、正孔注入輸送層をパターニングすることが好ましい。一方、正孔注入材料および正孔輸送材料等の抵抗が高い場合には、正孔注入輸送層をパターニングしてもよく、パターニングしなくてもよい。
(2)第5態様
本態様における正孔注入輸送層形成工程は、熱エネルギーまたは放射線の作用により溶解性が変化する材料を含有する正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布し、熱エネルギーを付与または放射線を照射して、正孔注入輸送層を形成する工程である。
ここで、材料の溶解性が変化するとは、材料の主成分が溶解もしくは分散する溶媒の極性が変化することをいう。熱エネルギーまたは放射線の作用により溶解性が変化する材料を含有する層に対して、熱エネルギーを付与または放射線を照射することにより、材料の溶解性を変化させると、正孔注入輸送層形成用塗工液の溶媒と、熱エネルギー付与または放射線照射後の正孔注入輸送層が溶解する溶媒とでは、極性が異なるものとなる。
材料の溶解性が変化する程度としては、熱エネルギー付与または放射線照射後の正孔注入輸送層が、正孔注入輸送層形成用塗工液に用いた溶媒に、実質的に溶解したり混和したりしない程度であればよい。具体的には、熱エネルギー付与または放射線照射後の正孔注入輸送層が正孔注入輸送層形成用塗工液に不溶であればよい。
本態様に用いられる、熱エネルギーまたは放射線の作用により溶解性が変化する材料としては、例えば、親水性有機材料の親水性基の一部または全部が親油性基に変換されたものであり、かつ、熱エネルギーまたは放射線の作用により親油性基の一部または全部が親水性基に戻るものが好適に用いられる。
上記の材料においては、親水性有機材料の親水性基のすべてが親油性基に変換されている必要はない。親水性基が親油性基に変換されている割合としては、一般的な非水系有機溶剤に対して、所望の濃度以上の溶解性を保持し得る程度であればよい。具体的には、水、アルコール系溶剤に溶解もしくは分散する親水性有機材料が、一般的な非水系溶剤である、トルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン等に0.5質量%以上溶解する程度に、親水性基が親油性基に変換されていることが好ましい。
また、上記の材料においては、親油性基のすべてが親水性基に戻る必要はない。親油性基が親水性基に戻る割合としては、正孔注入輸送層が発光層形成用塗工液の溶媒に溶解しない程度であればよい。具体的には、トルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン等に0.5質量%以上溶解する材料が、トルエン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン等に不溶もしくは難溶になる程度に、親油性基が親水性基に戻ることが好ましい。この際、完全に当初の親水性有機材料に戻らなくてもよい。
上記親水性有機材料としては、親水性基を有し、水に分散もしくは溶解するものであり、正孔注入輸送層に求められる機能を発揮するものであれば特に限定されるものではない。正孔注入輸送層が正孔注入層である場合には、例えば、特開2006−318876号公報に記載されているもの等を挙げることができる。
親水性有機材料における親水性基を親油性基に変換する方法としては、熱エネルギーまたは放射線の作用により親油性基の一部または全部が親水性基に戻ることから、保護反応を利用する方法であることが好ましい。ここで、保護反応とは、親水性基を誘導体化して、一時的に親水性基に保護基を導入する反応をいう。保護反応としては、例えば特開2006−318876号公報に記載されているもの等を挙げることができる。
正孔注入輸送層形成用塗工液は、上記の親水性有機材料の親水性基の一部または全部が親油性基に変換された材料を、溶媒に分散もしくは溶解することにより調製することができる。この際、溶媒としては、親油性の材料を分散もしくは溶解できるものが用いられる。このような溶媒としては、例えば特開2006−318876号公報に記載されているもの等を用いることができる。
また、正孔注入輸送層形成用塗工液中の、親水性有機材料の親水性基の一部または全部が親油性基に変換された材料の濃度としては、材料の成分または組成によって異なるものではあるが、通常、0.1質量%以上で設定され、好ましくは1質量%〜5質量%程度である。
正孔注入輸送層は、上記正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布して得られる塗膜に、熱エネルギーを付与または放射線を照射して、塗膜の溶解性を変化させることにより、形成することができる。上記正孔注入輸送層形成用塗工液の塗布後には、乾燥を行ってもよい。熱エネルギーの付与および放射線の照射については、例えば特開2006−318876号公報に記載されている条件とすることができる。
なお、熱エネルギーまたは放射線の作用により材料の溶解性が変化するメカニズムについては、特開2006−318876号公報に詳しく記載されている。
正孔注入輸送層は、パターニングしてもよく、パターニングしなくてもよく、正孔注入材料の種類に応じて適宜選択される。例えば、正孔注入材料の導電性が高い場合には、素子のダイオード特性を保ち、クロストークを防ぐために、正孔注入輸送層をパターニングすることが好ましい。一方、正孔注入材料の抵抗が高い場合には、正孔注入輸送層をパターニングしてもよく、パターニングしなくてもよい。
6.電子注入輸送層形成工程
本実施態様においては、上記発光層パターニング工程後に、上記発光層上に電子注入輸送層を形成する電子注入輸送層形成工程を行ってもよい。電子注入輸送層を設けることにより、発光層への電子の注入が安定化したり、電子の輸送が円滑になったりするため、発光効率を高めることができる。
電子注入輸送層は、陰極から注入された電子を安定に発光層内へ注入する電子注入機能を有する電子注入層であってもよく、陰極から注入された電子を発光層内へ輸送する電子輸送機能を有する電子輸送層であってもよく、電子注入層および電子輸送層が積層されたものであってもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両方を有する単一の層であってもよい。
なお、上記発光層形成工程にて、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと電子輸送材料とを含有する発光層形成用塗工液を用いて、単一の発光層を形成する場合には、本工程においては、電子注入輸送層として電子注入層を形成することが好ましい。
電子注入層に用いられる電子注入材料としては、発光層内への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、Ba、Ca、Li、Cs、Mg、Sr等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の単体、アルミリチウム合金等のアルカリ金属の合金、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のフッ化物、ポリメチルメタクリレートポリスチレンスルホン酸ナトリウム等のアルカリ金属の有機錯体などを挙げることができる。また、Ca/LiFのように、これらを積層して用いることも可能である。
電子注入層の膜厚としては、その機能が十分に発揮される膜厚であれば特に限定されるものではないが、具体的には0.1nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5nm〜100nmの範囲内である。
また、電子輸送層に用いられる電子輸送材料としては、注入された電子を発光層内へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、上記「3.発光層形成工程」の項に記載した電子輸送材料を用いることができる。
電子輸送層の膜厚としては、その機能が十分に発揮される膜厚であれば特に限定されるものではないが、具体的には1nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1nm〜50nmの範囲内である。
さらに、電子注入機能および電子輸送機能の両方を有する単一の層の形成材料としては、Li、Cs、Ba、Sr等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属がドープされた電子輸送材料を挙げることができる。電子輸送材料としては、バソキュプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(Bpehn)等のフェナントロリン誘導体が挙げられる。また、電子輸送材料とドープされる金属とのモル比率は、1:1〜1:3の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1:1〜1:2の範囲内である。アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属がドープされた電子輸送材料は、電子移動度が比較的大きく、金属単体に比べて透過率が高い。
電子注入機能および電子輸送機能の両方を有する単一の層の膜厚としては、その機能が十分に発揮される膜厚であれば特に限定されるものではないが、具体的には0.1nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1nm〜50nmの範囲内である。
電子注入輸送層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法等のドライプロセスであってもよく、スピンコート法等のウェットプロセスであってもよい。本発明においては、発光層が硬化されているので、ウェットプロセスの場合であっても安定して発光層上に電子注入輸送層を形成することができる。
7.第2電極層形成工程
本実施態様においては、通常、上記発光層パターニング工程後に、発光層上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程が行われる。
第2電極層は、第1電極層と対向する電極であればよく、陽極であってもよく陰極であってもよい。
第2電極層を形成する材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。例えば、第2電極層側から光を取り出す場合には、第2電極層は透明性を有することが好ましい。一方、第1電極層側から光を取り出す場合には、第2電極層に透明性は要求されない。なお、導電性を有する材料については、上記第1電極層の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、第2電極層の成膜方法およびパターニング方法については、上記第1電極層の成膜方法およびパターニング方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
8.絶縁層形成工程
本実施態様においては、上記フォトレジスト層形成工程前に、基板上の第1電極層のパターンの開口部に絶縁層を形成する絶縁層形成工程を行ってもよい。絶縁層は、隣接する第1電極層のパターン間での導通や、第1電極層および第2電極層間での導通を防ぐために設けられるものである。この絶縁層が形成された部分は、非発光領域となる。
絶縁層は、基板上の第1電極層のパターンの開口部に形成されるものであり、通常は第1電極層のパターンの端部を覆うように形成される。
この絶縁層の形成材料としては、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、無機材料等を用いることができる。
また、絶縁層の形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
9.その他の工程
本実施態様のEL素子の製造方法は、少なくとも1色の発光層をパターン状に形成するものであり、上記のフォトレジスト層形成工程、フォトレジスト層パターニング工程、発光層形成工程および発光層パターニング工程を複数回繰り返し行うことにより、2色、3色、4色または5色の発光層をパターン状に形成することができる。
II.第2実施態様
本発明のEL素子の製造方法の第2実施態様は、N色(Nは2以上の整数)の発光層をパターン状に形成するEL素子の製造方法であって、第1電極層が形成された基板上に、第1色用フォトレジスト層を形成する第1色用フォトレジスト層形成工程と、上記第1色用フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、第1色発光領域の上記第1色用フォトレジスト層が除去されるように上記第1色用フォトレジスト層をパターニングする第1色用フォトレジスト層パターニング工程と、上記第1色用フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第1色発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、第1色発光層を形成する第1色発光層形成工程と、残存する上記第1色用フォトレジスト層を除去して、上記第1色用フォトレジスト層上の上記第1色発光層をリフトオフする第1色発光層パターニング工程と、上記第1電極層が形成され、上記第1色発光層がパターン状に形成された基板上に、第2色用フォトレジスト層を形成する第2色用フォトレジスト層形成工程と、上記第2色用フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、第2色発光領域の上記第2色用フォトレジスト層が除去されるように上記第2色用フォトレジスト層をパターニングする第2色用フォトレジスト層パターニング工程と、上記第2色用フォトレジスト層がパターン状に形成された上記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第2色発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、第2色発光層を形成する第2色発光層形成工程と、残存する上記第2色用フォトレジスト層を除去して、上記第2色用フォトレジスト層上の上記第2色発光層をリフトオフする第2色発光層パターニング工程とを有することを特徴とするものである。
本実施態様のEL素子の製造方法は、第1色発光層および第2色発光層をパターニングする工程を表現したものであるが、第1色から第N色までのすべての発光層について上記の第1色発光層および第2色発光層をパターニングする工程と同様にしてパターニングすることができる。
本実施態様のEL素子の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図5および図6は、3色の発光層をパターン状に形成する、本実施態様のEL素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、基板1上に第1電極層2をパターン状に形成し、この第1電極層2のパターン間に絶縁層3を形成し、第1電極層2および絶縁層3の上に正孔注入層4を形成する(正孔注入層形成工程)。
次に、正孔注入層4上にポジ型フォトレジストを塗布して、第1色用フォトレジスト層5aを形成する(図5(a)、第1色用フォトレジスト層形成工程)。次いで、第1色発光領域10aの第1色用フォトレジスト層5aが除去されるように、フォトマスク11aを介して第1色用フォトレジスト層5aをパターン露光した後、フォトレジスト現像液により現像し、洗浄することにより、パターン状の第1色用フォトレジスト層5a´を形成する(図5(b)および(c)、第1色用フォトレジスト層パターニング工程)。次に、パターン状の第1色用フォトレジスト層5a´が形成された正孔注入層4上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第1色発光層形成用塗工液を塗布して、第1色発光層6aを形成する(図5(d)、第1色発光層形成工程)。続いて、残存する第1色用フォトレジスト層5a´が除去されるように、フォトマスク12aを介して第1色用フォトレジスト層5a´を露光した後、フォトレジスト現像液により現像し、洗浄することにより、残存する第1色用フォトレジスト層5a´を除去するとともに、第1色用フォトレジスト層5a´上の第1色発光層6aをリフトオフし、パターン状の第1色発光層6a´を形成する(図5(e)および(f)、第1色発光層パターニング工程)。
次に、パターン状の第1色発光層6a´が形成された基板1上に、ポジ型フォトレジストを塗布して、第2色用フォトレジスト層5bを形成する(図5(g)、第2色用フォトレジスト層形成工程)。次いで、第2色発光領域10bの第2色用フォトレジスト層5bが除去されるように、フォトマスク11bを介して第2色用フォトレジスト層5bをパターン露光した後、フォトレジスト現像液により現像し、洗浄することにより、パターン状の第2色用フォトレジスト層5b´を形成する(図5(h)および(i)、第2色用フォトレジスト層パターニング工程)。次に、パターン状の第2色用フォトレジスト層5b´が形成された正孔注入層4上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第2色発光層形成用塗工液を塗布して、第2色発光層6bを形成する(図5(j)、第2色発光層形成工程)。続いて、残存する第2色用フォトレジスト層5b´が除去されるように、フォトマスク12bを介して第2色用フォトレジスト層5b´を露光した後、フォトレジスト現像液により現像し、洗浄することにより、残存する第2色用フォトレジスト層5b´を除去するとともに、第2色用フォトレジスト層5b´上の第2色発光層6bをリフトオフし、パターン状の第2色発光層6b´を形成する(図6(a)および(b)、第2色発光層パターニング工程)。
次に、パターン状の第1色発光層6a´および第2色発光層6b´が形成された基板1上に、ポジ型フォトレジストを塗布して、第3色用フォトレジスト層5cを形成する(図6(c)、第3色用フォトレジスト層形成工程)。次いで、第3色発光領域10cの第3色用フォトレジスト層5cが除去されるように、フォトマスク11cを介して第3色用フォトレジスト層5cをパターン露光した後、フォトレジスト現像液により現像し、洗浄することにより、パターン状の第3色用フォトレジスト層5c´を形成する(図6(d)および(e)、第3色用フォトレジスト層パターニング工程)。次に、パターン状の第3色用フォトレジスト層5c´が形成された正孔注入層4上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第3色発光層形成用塗工液を塗布して、第3色発光層6cを形成する(図6(f)、第3色発光層形成工程)。続いて、残存する第3色用フォトレジスト層5c´が除去されるように、フォトマスク12cを介して第3色用フォトレジスト層5c´を露光した後、フォトレジスト現像液により現像し、洗浄することにより、残存する第3色用フォトレジスト層5c´を除去するとともに、第3色用フォトレジスト層5c´上の第3色発光層6cをリフトオフし、パターン状の第3色発光層6c´を形成する(図6(g)および(h)、第3色発光層パターニング工程)。
最後に、パターン状の第1色発光層6a´、第2色発光層6b´および第3色発光層6c´の上に第2電極層7を形成する(図6(i)、第2電極層形成工程)。
本実施態様によれば、上記の周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する各発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、各発光層を形成するので、各発光層内での量子ドットの安定性を良好にすることができ、寿命特性を向上させることが可能である。また、シランカップリング剤は分子設計が比較的容易であるので、種々の機能性を示す官能基を有するシランカップリング剤を用いることにより、寿命特性を改善することが可能である。
また本実施態様によれば、上記の周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第1色発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、第1色発光層を形成するので、第1色発光層上に、第2色発光層をパターニングするためのフォトレジストを塗布して第2色用フォトレジスト層を形成する際、フォトレジスト溶媒に第1色発光層が溶解等することなく、安定して第1色発光層上に第2色用フォトレジスト層を積層することができる。また、第2色用フォトレジスト層をパターニングする際、フォトレジスト現像液に第1色発光層が溶解等するのを防ぐことができる。さらには、第1色発光層と第3色用フォトレジスト層の関係、第2色発光層と第3色フォトレジスト層との関係も同様である。したがって、上記の各工程において、各発光層の特性が低下するのを抑制することができる。
さらに、シランカップリング剤を含有する各発光層形成用塗工液を用いて各発光層を形成するので、各発光層中のシランカップリング剤が、各発光層の下地層(第1電極層や正孔注入層等)と結合等することにより、各発光層の下地層(第1電極層や正孔注入層等)と各発光層との密着性を向上させることができる。また、シランカップリング剤を含有する各発光層形成用塗工液を用いて各発光層を形成することにより、熱安定性(Tg:ガラス転移温度)の良好な各発光層を得ることができる。
本実施態様においては、複数回にわたりフォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることにより、複数色の発光層をパターン状に形成することができる。例えば、上記の第1色、第2色および第3色発光層形成工程では、第1色、第2色および第3色発光層形成用塗工液にそれぞれ異なる種類の量子ドットが用いられる。量子ドットは、その粒径により異なる発光スペクトルを示すことから、各色に応じて量子ドットの粒径を調整すればよい。
なお、第1色用フォトレジスト層形成工程、第1色用フォトレジスト層パターニング工程、第1色発光層形成工程、第1色発光層パターニング工程、第2色用フォトレジスト層形成工程、第2色用フォトレジスト層パターニング工程、第2色発光層形成工程、および第2色発光層パターニング工程については、上記第1実施態様に記載したフォトレジスト層形成工程、フォトレジスト層パターニング工程、発光層形成工程および発光層パターニング工程とそれぞれ同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、本実施態様においても、上記第1実施態様に記載した正孔注入輸送層形成工程、電子注入輸送層形成工程、および絶縁層形成工程等を行うことができる。
さらに、第N色発光層パターニング工程後は、上記第1実施態様と同様に、通常、第2電極層形成工程が行われる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(正孔注入層の形成)
まず、ITOがパターニングされた、6インチ□、板厚1.1mmのITO基板を洗浄した。
次に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の水分散体(Baytron P CH8000、スタルク社製)に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(TSL8350、東芝シリコーン社製)を、全固形分に対するシランカップリング剤の濃度が5%になるように添加し、正孔注入層形成用塗工液を調製した。次いで、上記正孔注入層形成用塗工液を0.5mlとり、上記基板の中心部に滴下して、2500rpmで20秒間のスピンコーティングを行った。これにより、膜厚800Åの正孔注入層を形成した。次いで、正孔注入層を150℃で10分間乾燥し、不溶化させた。
(第1色用フォトレジスト層の形成)
次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製、OFPR-800)を2mlとり、上記正孔注入層が形成された基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。この際、500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持した。そして、膜厚1μmの第1色用フォトレジスト層を形成した。続いて、フォトレジスト層に80℃で30分間プリベークを行った。その後、上記第1色用フォトレジスト層が形成された基板を、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第1色発光領域に紫外露光した。次いで、レジスト現像液(東京応化社製、NMD-3)で20秒間現像後、水洗し、露光部の第1色用フォトレジスト層を除去した。
(第1色発光層の形成)
赤色発光の量子ドットの分散液(エビデントテクノロジー社製 Maple-Red Orange)に、シランカップリング剤を添加し、配位子を置換した。
具体的には、まず、テトラメトキシシラン(LS-540、信越化学工業製)5gと、フェニルトリメトキシシラン(LS-2750、信越化学工業製)1gと、0.01NのHCl 2gとを室温にて12時間攪拌し、共重合化合物(シランカップリング剤)を得た。この共重合化合物にトルエンを加えて攪拌して溶解させ、シランカップリング剤の10wt%トルエン溶液を得た。
次に、アルゴンガス雰囲気で、上記量子ドットの分散液1gを攪拌しながら、室温(26℃)で上記シランカップリング剤の10wt%トルエン溶液2gを滴下した。この反応液を12時間攪拌した後、アルゴンガス雰囲気から大気雰囲気へ変更し、蒸発飛散した量のトルエンを添加した後、エタノールを8g滴下した。次いで、遠心分離によって沈殿物を反応液から分離した後、下記に示す手順で再沈殿による精製を行った。
すなわち、沈殿物をトルエン4gと混合して分散液とし、この分散液にエタノール10gを滴下することにより精製された沈殿物を得た。
このようにして得られた再沈殿液を遠心分離することにより、シランカップリング剤で保護された量子ドットの精製物を得た。
次いで、上記シランカップリング剤で保護された量子ドットをトルエンに分散させた赤色発光層形成用塗工液を調製した。
この赤色発光層形成用塗工液を1mlとり、上記第1色用フォトレジスト層がパターニングされた基板の中心部に滴下して、2500rpmで20秒間のスピンコーティングを行い、第1色発光層を形成した。続いて、第1色発光層を100℃で15分間加熱し、不溶化させた。その後、上記第1色発光層が形成された基板を、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第1色発光領域以外の領域に紫外露光した。次いで、レジスト現像液(東京応化社製、NMD-3)で20秒間現像後、水洗し、露光部の第1色用フォトレジスト層を除去し、第1色用フォトレジスト層上の第1色発光層をリフトオフした。
(第2色用フォトレジスト層の形成)
次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製、OFPR-800)を2mlとり、上記第1色発光層がパターニングされた基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。この際、500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持した。そして、膜厚1μmの第2色用フォトレジスト層を形成した。続いて、第2色用フォトレジスト層に80℃で30分間プリベークを行った。その後、第2色用フォトレジスト層が形成された基板を、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第2色発光領域に紫外露光した。次いで、レジスト現像液(東京応化社製、NMD-3)で20秒間現像後、水洗し、露光部の第2色用フォトレジスト層を除去した。
(第2色発光層の形成)
次に、緑色発光の量子ドットの分散液(エビデントテクノロジー社製 Adirondack Green)を用いて、上記の赤色発光層形成用塗工液の調製と同様にして、緑色発光層形成用塗工液を調製した。
この緑色発光層形成用塗工液を1mlとり、上記第2色用フォトレジスト層がパターニングされた基板の中心部に滴下して、2500rpmで20秒間のスピンコーティングを行い、第2色発光層を形成した。続いて、第2色発光層を100℃で15分間加熱し、不溶化させた。その後、第2色発光層が形成された基板を、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第2色発光領域以外の領域に紫外露光した。次いで、レジスト現像液(東京応化社製、NMD-3)で20秒間現像後、水洗し、露光部の第2色用フォトレジスト層を除去し、第2色用フォトレジスト層上の第2色発光層をリフトオフした。
(第3色用フォトレジスト層の形成)
次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製、OFPR-800)を2mlとり、上記第1色発光層および第2色発光層がパターニングされた基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。この際、500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持した。そして、膜厚1μmの第3色用フォトレジスト層を形成した。続いて、第3色用フォトレジスト層に80℃で30分間プリベークを行った。その後、上記第3色用フォトレジスト層が形成された基板を、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第3色発光領域に紫外露光した。次いで、レジスト現像液(東京応化社製、NMD-3)で20秒間現像後、水洗し、露光部の第3色用フォトレジスト層を除去した。
(第3色発光層の形成)
次に、青色発光の量子ドットの分散液(エビデントテクノロジー社製 Lake Placid Blue)を用いて、上記の赤色発光層形成用塗工液の調製と同様にして、青色発光層形成用塗工液を調製した。
この青色発光層形成用塗工液を1mlとり、上記第3色用フォトレジスト層がパターニングされた基板の中心部に滴下して、2500rpmで20秒間のスピンコーティングを行い、第3色発光層を形成した。続いて、第3色発光層を100℃で15分間加熱し、不溶化させた。その後、第3色発光層が形成された基板を、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第3色発光領域以外の領域に紫外露光した。次いで、レジスト現像液(東京応化社製、NMD-3)で20秒間現像後、水洗し、露光部の第3色用フォトレジスト層を除去し、第3色用フォトレジスト層上の第3色発光層をリフトオフした。
(電子注入輸送層および第2電極層の形成)
上記第1色発光層、第2色発光層および第3色発光層がパターニングされた基板を、100℃で1時間乾燥した。その後、これらの発光層上に、真空蒸着によりBAlq2を厚み30nm、Alq3を厚み20nmで成膜し、電子注入輸送層を形成した。この電子注入輸送層上に、ITOパターンと直交するような開口部を有するメタルマスクを用いて、LiFを10Åの厚みで蒸着し、さらにAlを100nmの厚みで蒸着し、第2電極層を形成した。このようにして、EL素子を作製した。
(EL素子の発光特性の評価)
ITO電極側を正極、Al電極側を負極に接続し、ソースメーターにより直流電流を印加した。10V印加時に、第1色発光層、第2色発光層および第3色発光層より発光が認められた。
[実施例2]
(第1色用フォトレジスト層の形成)
まず、ITOがパターニングされた、6インチ□、板厚1.1mmのITO基板を洗浄した。
次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製、OFPR-800)を2mlとり、上記基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。この際、500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持した。そして、膜厚1μmの第1色用フォトレジスト層を形成した。続いて、第1色用フォトレジスト層に80℃で30分間プリベークを行った。その後、上記第1色用フォトレジスト層が形成された基板を、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第1色発光領域に紫外露光した。次いで、レジスト現像液(東京応化社製、NMD-3)で20秒間現像後、水洗し、露光部の第1色用フォトレジスト層を除去した。
(第1色発光層の形成)
上記実施例1において赤色発光の量子ドットの分散液(エビデントテクノロジー社製 Maple-Red Orange)を用いて調製されたシランカップリング剤で保護された量子ドットと、トリアゾールと、TPDとをトルエンに分散させた赤色発光層形成用塗工液を調製した。この際、各材料の混合比を、シランカップリング剤で保護された量子ドット40質量部、トリアゾール30質量部、TPD 30質量部とした。
この赤色発光層形成用塗工液を1mlとり、上記第1色用フォトレジスト層がパターニングされた基板の中心部に滴下して、25000rpmで20秒間のスピンコーティングを行い、膜厚100nmの第1色発光層を形成した。続いて、第1色発光層を100℃で15分間加熱し、不溶化させた。その後、上記第1色発光層が形成された基板を、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第1色発光領域以外の領域に紫外露光した。次いで、レジスト現像液(東京応化社製、NMD-3)で20秒間現像後、水洗し、露光部の第1色用フォトレジスト層を除去し、第1色用フォトレジスト層上の第1色発光層をリフトオフした。
(第2色用フォトレジスト層の形成)
上記第1色用フォトレジスト層の形成と同様にして、第1色発光層がパターニングされた基板上に第2色用フォトレジスト層を形成し、パターニングした。
(第2色発光層の形成)
上記実施例1において緑色発光の量子ドットの分散液(エビデントテクノロジー社製 Adirondack Green)を用いて調製されたシランカップリング剤で保護された量子ドットを用いて、上記の赤色発光層形成用塗工液と同様にして、緑色発光層形成用塗工液を調製した。
この緑色発光層形成用塗工液を用いて、上記第1色発光層の形成と同様にして、第2色発光層を形成し、パターニングした。
(第3色用フォトレジスト層の形成)
上記第1色用フォトレジスト層の形成と同様にして、第1色発光層および第2色発光層がパターニングされた基板上に第3色用フォトレジスト層を形成し、パターニングした。
(第3色発光層の形成)
上記実施例1において青色発光の量子ドットの分散液(エビデントテクノロジー社製 Lake Placid Blue)を用いて調製されたシランカップリング剤で保護された量子ドットを用いて、上記の赤色発光層形成用塗工液と同様にして、青色発光層形成用塗工液を調製した。
この青色発光層形成用塗工液を用いて、上記第1色発光層の形成と同様にして、第3色発光層を形成し、パターニングした。
(第2電極層の形成)
上記第1色発光層、第2色発光層および第3色発光層がパターニングされた基板を、100℃で1時間乾燥した。その後、これらの発光層上に、ITOパターンと直交するような開口部を有するメタルマスクを用いて、Mg:Ag(9:1)を厚み100nm、Agを厚み200nmで蒸着し、第2電極層を形成した。このようにして、EL素子を作製した。
(EL素子の発光特性の評価)
ITO電極側を正極、Ag電極側を負極に接続し、ソースメーターにより直流電流を印加した。10V印加時に、第1色発光層、第2色発光層および第3色発光層より発光が認められた。
本発明のEL素子の製造方法の一例を示す工程図である。 周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを示す模式図である。 本発明のEL素子の製造方法における発光層形成工程の一例を示す模式図である。 本発明のEL素子の製造方法における正孔輸送層および発光層の相分離を説明するための模式図である。 本発明のEL素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明のEL素子の製造方法の他の例を示す工程図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … 第1電極層
3 … 絶縁層
4 … 正孔注入層
5、5´ … フォトレジスト層
6、6´ … 発光層
7 … 第2電極層
8 … 正孔輸送層
21 … シランカップリング剤
22 … 量子ドット

Claims (9)

  1. 第1電極層が形成された基板上にフォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、
    前記フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、発光領域の前記フォトレジスト層が除去されるように前記フォトレジスト層をパターニングするフォトレジスト層パターニング工程と、
    前記フォトレジスト層がパターン状に形成された前記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、発光層を形成する発光層形成工程と、
    残存する前記フォトレジスト層を除去して、前記フォトレジスト層上の前記発光層をリフトオフする発光層パターニング工程と
    を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. N色(Nは2以上の整数)の発光層をパターン状に形成するエレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    第1電極層が形成された基板上に、第1色用フォトレジスト層を形成する第1色用フォトレジスト層形成工程と、
    前記第1色用フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、第1色発光領域の前記第1色用フォトレジスト層が除去されるように前記第1色用フォトレジスト層をパターニングする第1色用フォトレジスト層パターニング工程と、
    前記第1色用フォトレジスト層がパターン状に形成された前記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第1色発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、第1色発光層を形成する第1色発光層形成工程と、
    残存する前記第1色用フォトレジスト層を除去して、前記第1色用フォトレジスト層上の前記第1色発光層をリフトオフする第1色発光層パターニング工程と、
    前記第1電極層が形成され、前記第1色発光層がパターン状に形成された基板上に、第2色用フォトレジスト層を形成する第2色用フォトレジスト層形成工程と、
    前記第2色用フォトレジスト層をパターン露光し、現像して、第2色発光領域の前記第2色用フォトレジスト層が除去されるように前記第2色用フォトレジスト層をパターニングする第2色用フォトレジスト層パターニング工程と、
    前記第2色用フォトレジスト層がパターン状に形成された前記基板上に、周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを含有する第2色発光層形成用塗工液を塗布し、硬化して、第2色発光層を形成する第2色発光層形成工程と、
    残存する前記第2色用フォトレジスト層を除去して、前記第2色用フォトレジスト層上の前記第2色発光層をリフトオフする第2色発光層パターニング工程と
    を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記N色の発光層が3色の発光層であることを特徴とする請求項2に記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記各発光層形成工程にて、前記周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットと正孔輸送材料と溶媒とを含有する前記各発光層形成用塗工液を用い、前記各発光層形成用塗工液を塗布して塗膜を形成した後に、前記塗膜中の前記溶媒を除去しつつ、前記正孔輸送材料を前記第1電極層側に、前記周囲にシランカップリング剤が配置された量子ドットを前記塗膜の最表面側に分離して、正孔輸送層と前記各発光層とを一括して形成することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記各発光層形成用塗工液が、さらに正孔輸送材料および電子輸送材料の少なくともいずれか一方を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記フォトレジスト層形成工程前に、前記第1電極層が形成された基板上に、正孔注入材料および硬化性バインダを含有する正孔注入層形成用塗工液を塗布し、硬化して、正孔注入層を形成する正孔注入層形成工程を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 前記シランカップリング剤が、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示されるケイ素化合物であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 前記シランカップリング剤が、YSiX(4−n)(ここで、Yは直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性を示す官能基、直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した電子輸送性を示す官能基あるいは直接またはビニル基もしくはフェニル基を介して結合した正孔輸送性および電子輸送性の両方を示し得る官能基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示されるケイ素化合物であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 前記量子ドットが、半導体微粒子からなるコア部と、前記コア部を被覆し、前記半導体微粒子よりもバンドギャップが大きい材料からなるシェル部とを有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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