JP2005346925A - 有機発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたホールの注入性を有し、低い駆動電圧で、効率の高い発光が可能な有機発光素子の提供。
【解決手段】陽極と、有機発光層と、陰極とを少なくとも具えた電荷注入による有機発光素子において、陽極と有機発光層との間に、In(1−x−y)GaAlN(0≦x≦1かつ0≦y≦0.5かつ0≦1−x−y≦1)の組成を有する無機膜層を挟持することを特徴とする有機発光素子。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL発光素子は、陽極からホールを注入し、および陰極から電子を注入し、これらのキャリアを発光層中で再結合させる時のエネルギーを用いて有機色素を励起して励起子を発生させ、この励起子が基底準位に落ちる時の発光を外部に取り出す原理に基づくものである。
【0003】
当該技術においては、ホールおよび電子の再結合を専ら発光層中で行わせることにより、注入されるキャリア当たりの励起子の発生を増大させて、有機EL発光素子の発光効率を向上させる試みがなされている。この課題に対して、たとえば、特開2000−315581号公報は、発光層両側に無機電荷障壁層を設けることを開示している。すなわち、発光層の陽極側に配置される第1無機電荷障壁層はホールを透過させるが電子を遮断する材料で形成され、一方、発光層の陰極側に配置される第2無機電荷障壁層は、電子を通過させるがホールを遮断する材料で形成される。これら無機電荷障壁層を用いて、ホールおよび電子が発光層に留め、再結合させて励起子の発生を行わせるのである。また、特開2000−268970号公報は、発光層の陽極側に、ホールを通過させるが電子を通過させない無機ホール輸送層を設けることを開示している。
【0004】
また、有機EL素子の効率を向上させるためには、電極(陽極および陰極)からのキャリア注入を行うことも重要である。これらの参考文献においては、陽極または陰極に接触する有機のキャリア(ホールまたは電子)注入層を設けて、発光層に対するキャリア注入を促進している。しかしながら、電極から発光層へのキャリア注入に無機物層を用いることは開示も示唆もされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電極(陽極および陰極)からのキャリア注入を容易にすることは、素子駆動電圧を低下させるための重要な要素である。本発明は、特にホールの注入に関するものである。
【0006】
ホールを効率よく有機膜に注入するためには、主に2つの条件を満足させなければならない。1つは、有機膜と陽極との間のエネルギー障壁が小さいこと、すなわち陽極材料の仕事関数が十分に大きいことである。もう1つは、陽極を形成する材料におけるキャリア密度が高いことである。
【0007】
現在、陽極に用いられている主な材料はInにSnもしくはZnをドープした透明電極である。この表面を酸化処理することで5eV程度の仕事関数を得ているが、有機膜の仕事関数は5.5eV程度であることが多く、未だ0.5eV程度の注入障壁が存在しており、十分な性能を示しているとはいえない。
【0008】
有機膜と陽極とのエネルギー障壁を一定とした場合、それらのキャリアの状態密度が大きいほど、キャリアの注入が容易になる。しかしながら、従来の有機膜の状態密度は約1018/cm程度であり、金属のキャリア密度に比較してかなり小さい。したがって、低電圧で有機発光素子を駆動するためには、有機膜の小さい状態密度を補って、キャリアの注入をより容易にする必要がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様である有機発光素子は、陽極と、有機発光層と、陰極とを少なくとも具えた電荷注入による有機発光素子において、前記陽極と前記有機発光層との間に、In(1−x−y)GaAlN(0≦x≦1かつ0≦y≦0.5かつ0≦1−x−y≦1)の組成を有する無機膜層を挟持することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様である有機発光素子は、陽極と、有機発光層と、陰極とを少なくとも具えた電荷注入による有機発光素子において、前記陽極が、In(1−x−y)GaAlN(0≦x≦1かつ0≦y≦0.5かつ0≦1−x−y≦1)の組成を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様である有機発光素子の製造方法は、インジウム、ガリウムまたはアルミニウムを含む陽極を提供する工程と、前記陽極の表面を窒化処理することにより、In(1−x−y)GaAlN(0≦x≦1かつ0≦y≦0.5かつ0≦1−x−y≦1)の組成を有する無機膜層を形成する工程と、前記無機膜層上に、有機発光層および陰極を積層する工程とを少なくとも具えたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態の有機EL発光素子を示す断面図である。本発明の有機EL発光素子は、陽極2、無機膜層4、有機発光層6および陰極8が積層されている構造を有する。
【0013】
本発明の有機EL発光素子は、通常は基板上に形成される。該基板の位置は、設計に依存し、陽極2と接触していてもよいし、あるいは陰極8と接触していてもよい。もし、有機発光層6における発光を基板を通して取り出す構造を採る場合には、基板は、該発光の波長域において高い透明性を有するべきである。該発光が基板の反対側に取り出される場合には、基板が透明である必要はない。基板としては、ガラス、プラスチック(ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリオレフィンなど)、シリコン等のような材料を用いることができる。
【0014】
陽極2は、正孔の注入を効率よく行うために、仕事関数が大きい材料が用いられる。陽極2用の好適な材料は、ITO、IZO等の導電性金属酸化物を含む。これらの導電性金属酸化物は、可視光領域において透明であるので、陽極側から有機発光層6の発光を取り出す場合に好適である。有機発光層6の発光を陰極側から取り出す場合には、陽極が透明である必要はない。
【0015】
本発明の陽極は、スパッタ法、蒸着法、CVD法などの慣用の方法を用いて形成することができる。
【0016】
本発明において、陽極2と有機発光層6との間に設けられる無機膜層4は、In(1−x−y)GaAlNなる組成を有するIII族窒化物から形成される。ここで、xおよびyは、0≦x≦1、0≦y≦0.5、かつ0≦1−x−y≦1の条件を満たすものである。また、0≦x≦0.8、0≦y≦0.2、かつ0≦1−x−y≦1の条件を満たすことがより好ましい。また、無機膜層4として用いられるIII族酸化物は、好ましくはアモルファス状態にある。
【0017】
上記のような適当な組成を有するIII族窒化物は、ITOまたはIZOより大きな5.6eV程度の仕事関数を示す。この仕事関数は、有機層の仕事関数とほぼ等しい値である。従って、無機膜層4と有機発光層6との間に、ポテンシャル障壁は存在せず、有機発光層6へのホールの注入が円滑に行われる。本発明においてIII族酸化物を用いる場合、その仕事関数が5〜5.6eVの範囲内にあることが好ましい。
【0018】
一方、ITOまたはIZOから形成される陽極2と無機膜層4との間に、ポテンシャル障壁が存在することになる。しかしながら、本発明において無機膜層として用いられるIII族窒化物は、有機発光層の材料と比較して非常に大きなキャリア密度を有する。具体的には、有機発光層材料の状態密度が1018/cm程度であるのに対して、本発明のIII族窒化物は、1020〜1022/cm程度の大きなキャリア密度を有する。したがって、同一の電界を用いた場合、本発明の陽極−無機膜層間には、従来の陽極−有機発光層間の100〜10000倍のキャリアが流れることが可能であると考えられる。そして、より弱い電界を用いた場合でも、十分なキャリアの流動が可能であると考えられる。
【0019】
上記のように、本発明の構成においては、陽極−無機膜層間および無機膜層−有機発光層間の両方において、キャリア(ホール)の移動を容易に行うことが可能となる。その結果として、低電圧での駆動が可能となり、消費電力の小さい有機EL発光素子を提供することが可能となる。
【0020】
本発明の無機膜層は、1〜10nm、好ましくは1〜5nmの膜厚を有する。この範囲内の膜厚を有することによって、上記の効果を実現して、効率的なホール注入を行うことが可能となる。
【0021】
また、本発明の無機膜層を形成するIII族窒化物は、1019〜1020/cm、好ましくは1021〜1022/cmのキャリア密度を有する。前述のように、このような大きな状態密度を有することが、陽極−無機膜層間のホールの移動を容易に行わせるために重要である。なお、キャリア密度は、厚膜を作成して、ファン・デ・ポウ法により測定することができる。
【0022】
さらに、上記のキャリア密度と相関する物性であるが、本発明の無機膜層は、0.05〜0.5Ω・cm、好ましくは0.05〜0.1Ω・cmの抵抗率を有するものである。
【0023】
本発明の無機膜層は、スパッタ法、蒸着法、CVD法などの慣用の方法を用いて形成することができる。これらの方法において、窒素は、単体のガス、アンモニア、ラジカル、あるいはプラズマとして供給してもよい。しかし、好ましくは、適当な組成を有するインジウム、ガリウムまたはアルミニウムを含む陽極の表面を窒化することにより形成される。陽極表面の窒化は、陽極表面を窒素プラズマで処理することにより行うことができる。
【0024】
本発明の有機EL発光素子においては、有機発光層6は、少なくとも有機EL発光層を含み、必要に応じて、ホール注入層、ホール輸送層、および/または電子注入層を介在させた構造を有する。具体的には、下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)有機EL発光層
(2)ホール注入層/有機EL発光層
(3)有機EL発光層/電子注入層
(4)ホール注入層/有機EL発光層/電子注入層
(5)ホール注入層/ホール輸送層/有機EL発光層/電子注入層
(6)ホール輸送層/有機EL発光層
(7)ホール輸送層/有機EL発光層/電子注入層
(上記において、左側に無機膜層、右側に陰極が接続される)
【0025】
上記各層の材料としては、公知のものが使用される。たとえば、青色から青緑色の発光を得るための有機EL発光層中に、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、べンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。
【0026】
本発明においては、無機膜層4と有機EL発光層とが直接接触せず、それらの間にホール注入層および/またはホール輸送層が介在する構成が好ましい。なぜなら、本発明の無機膜層4は、そのキャリア密度が大きいために、有機EL発光層中で発生した励起子を消光する恐れがあるからである。これを防止するために、20nm以上、好ましくは20〜100nmの厚さのホール注入層および/またはホール輸送層を設けることが好ましい。
【0027】
上記の有機発光層またはそれを構成する各層は、蒸着法などの慣用の方法を用いて形成することができる。
【0028】
陰極8としては、仕事関数が小さい材料であるリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その他の金属との合金や化合物を用いられる。これらの仕事関数の小さい材料から成る陰極の有機発光層とは反対側の面に導電性金属上に積層することも可能である。導電性金属として、Al,Ag,Mo,Wなどを用いることが可能である。この導電性金属は、補助電極として機能し、陰極全体の抵抗値を低下させることが可能となる。
【0029】
また、有機発光層6の発光を陰極側から取り出す場合には、陰極が該発光の波長域において高い透明性を有することが求められる。この場合には、前述の仕事関数が小さい材料を極めて薄いもの(10mm以下)とし、その上にITO、IZOなどの透明性導電性酸化物を積層する構造を採ることができる。この構造は、これらの仕事関数の小さい材料を用いることにより効率のよい電子注入を可能とし、さらに極薄膜とすることによりこれら材料による透明性低下を最低限とすることを可能とする。
【0030】
本発明の陰極は、スパッタ法、蒸着法、CVD法などの慣用の方法を用いて形成することができる。
【0031】
本発明の第2の実施形態は、上述のIII族酸化物から形成される陽極と、有機発光層と、陰極とを少なくとも具えた有機発光素子である。
本実施形態において、有機発光層および陰極は第1の実施形態において記載したものと同一の材料および構成を有する。
【0032】
陽極としてIII族酸化物In(1−x−y)GaAlNを用いる場合、xおよびyは、0≦x≦1、0≦y≦0.5、かつ0≦1−x−y≦1の条件を満たすものである。また、0≦x≦0.8、0≦y≦0.2、かつ0≦1−x−y≦1の条件を満たすことがより好ましい。
【0033】
本実施形態の陽極は、スパッタ法、蒸着法、CVD法などの慣用の方法を用いて形成することができる。これらの方法において、窒素は、単体のガス、アンモニアラジカル、あるいはプラズマとして供給してもよい。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
ガラス基板上に無定形のIn:ZnO(ZnOのモル比は5%)をスパッタ法により積層し、厚さ200nmの透明電極を形成して、陽極とした。この透明電極を、幅2mm、間隔0.5mmのストライプパターンが得られるマスクを用いる通常のフォトプロセスを用いて、陽極パターンを形成した。その後に、室温において酸素プラズマを用いてその表面をクリーニングした。
【0035】
次に、室温において窒素プラズマにより処理して、透明電極表面を窒化し、InNの超薄膜(厚さ約0.5nm)を形成した。このInN超薄膜の仕事関数は5.6eVであった。
【0036】
そして、InN超薄膜上に有機発光層を作製した。有機発光層として、無機膜層/ホール輸送層/発光層/電子注入層の4層構成を用い、これらを順次成膜した。無機膜層として厚さ100nmの銅フタロシアニン(CuPc)を、ホール輸送層として厚さ20nmの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を、発光層として厚さ30nmの4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を、および電子注入層として厚さ20nmのアルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq)を用いた。
【0037】
有機発光層の形成後に、陽極のストライプターンと直交する幅2mm、間隔0.5mmのストライプパターンが得られるマスクを用いて、抵抗加熱法により厚さ0.5nmのLiFおよび厚さ200nmのAlを順次積層して、陰極を形成し、有機EL発光素子を得た。
【0038】
なお、本実施例においては、透明電極の表面窒化によって超薄膜のInNを作製したので、InN単独での電気特性を測定することができない。別途、同一組成を有するアモルファス状のInN膜(厚さ100nm)を作製して、その抵抗率およびキャリア密度を測定した結果、それぞれ0.07Ω・cmおよび1.7×1021/cmであった。
【0039】
(比較例1)
InN超薄膜を形成しないことを除いて、実施例1と同様に有機EL発光素子を得た。
【0040】
図2は、実施例1および比較例1の有機EL発光素子の電流電圧特性を比較したグラフである。実施例1の有機EL発光素子は、比較例1のものよりも注入開始電圧(10−6Aの電流が流れ始める電圧)が約0.5V低下している。また、高電圧領域においてもより良好な注入性を示す。
【0041】
(実施例2)
InNに代えてIn0.2Ga0.8N超薄膜(厚さ1nm)をスパッタ法により形成したことを除いて、実施例1と同様に有機EL発光素子を作製した。該スパッタ法は、InおよびGaは通常のエフュージョンセルを供給源とし、窒素をラジカルとして供給し、室温において実施した。形成されたIn0.2Ga0.8N超薄膜の仕事関数は5.6eVであった。
【0042】
本実施例で用いたIn0.2Ga0.8Nの電気特性を、厚さ100nmの厚膜を別途作製して測定した。その結果、抵抗率は0.08Ω・cmであり、キャリア密度は3×1022〜1×1021/cmの間にあった。
【0043】
(実施例3)
In0.2Ga0.8Nに代えてIn0.1Ga0.8Al0.1N超薄膜(厚さ1nm)をスパッタ法により形成したことを除いて、実施例2と同様に有機EL発光素子を作製した。形成されたIn0.1Ga0.8Al0.1N超薄膜の仕事関数は5.1eVであった。
【0044】
本実施例で用いたIn0.1Ga0.8Al0.1Nの電気特性を、厚さ100nmの厚膜を別途作製して測定した。その結果、抵抗率は0.09Ω・cmであり、キャリア密度は3×1022〜1×1021/cmの間にあった。
【0045】
図3は、実施例2、実施例3および比較例1の有機EL発光素子の電流電圧特性を比較したグラフである。実施例2および実施例3の有機EL発光素子は、比較例1のものよりも注入開始電圧が約0.5V低下している。また、高電圧領域においてもより良好な注入性を示す。
【0046】
(実施例4)
ガラス基板上に多結晶のGa0.8Al0.2Nをスパッタ法により積層し、厚さ200nmの透明電極を形成して、陽極とした。この透明電極を、幅2mm、間隔0.5mmのストライプパターンが得られるマスクを用いる通常のフォトプロセスを用いて、陽極パターンを形成した。その後に、室温において酸素プラズマを用いてその表面をクリーニングした。次に、300℃において窒素プラズマによる処理を行った。そしてその上に、実施例1と同様の方法によって、有機発光層および陰極を形成して、有機発光素子を得た。
【0047】
図4は、実施例4および比較例1の有機EL発光素子の電流電圧特性を比較したグラフである。実施例1の有機EL発光素子は、比較例1のものよりも注入開始電圧が約0.3V低下している。また、高電圧領域においてもより良好な注入性を示す。
【0048】
【発明の効果】
本発明にしたがって、陽極と有機発光層との間にIII族酸化物In(1−x−y)GaAlNから形成される無機膜層、あるいは該III族酸化物から形成される陽極を用いることにより、極めて優れたホールの注入性(注入開始電圧および高電圧領域の電流量)に優れた有機発光素子を提供することができる。本発明の有機発光素子は、低電圧が要求されるPDA、携帯電話、ノート型PC等をはじめとする広い用途を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の有機発光素子の概略的断面図である。
【図2】実施例1および比較例1の有機発光素子の電流電圧特性を示すグラフである。
【図3】実施例2、実施例3および比較例1の有機発光素子の電流電圧特性を示すグラフである。
【図4】実施例4および比較例1の有機発光素子の電流電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
2 陽極
4 無機膜層
6 有機発光層
8 陰極

Claims (3)

  1. 陽極と、有機発光層と、陰極とを少なくとも具えた電荷注入による有機発光素子において、前記陽極と前記有機発光層との間に、In(1−x−y)GaAlN(0≦x≦1かつ0≦y≦0.5かつ0≦1−x−y≦1)の組成を有する無機膜層を挟持することを特徴とする有機発光素子。
  2. 陽極と、有機発光層と、陰極とを少なくとも具えた電荷注入による有機発光素子において、前記陽極が、In(1−x−y)GaAlN(0≦x≦1かつ0≦y≦0.5かつ0≦1−x−y≦1)の組成を有することを特徴とする有機発光素子。
  3. インジウム、ガリウムまたはアルミニウムを含む陽極を提供する工程と、
    前記陽極の表面を窒化処理することにより、In(1−x−y)GaAlN(0≦x≦1かつ0≦y≦0.5かつ0≦1−x−y≦1)の組成を有する無機膜層を形成する工程と、
    前記無機膜層上に、有機発光層および陰極を積層する工程と
    を少なくとも具えたことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
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