JP2005026121A - 有機el素子及びその製造方法並びに有機elディスプレイ - Google Patents

有機el素子及びその製造方法並びに有機elディスプレイ Download PDF

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Ikuo Kinoshita
郁雄 木下
Kiyoshi Ozawa
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Abstract

【課題】積層された有機薄膜層における正極接触層の結晶化が抑制され、電子的特性を損なうことなく熱的安定性が向上し、信頼性が高く、発光効率に優れた有機EL素子等の提供。
【解決手段】正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、▲1▼アミン類と、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の化合物とを含有する、▲2▼有機低分子化合物と、無機化合物とを含有する、▲3▼異なる有機低分子化合物を積層した積層構造を有する、▲4▼アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の有機低分子化合物と、正孔の移動を抑制する移動抑制化合物とを含有する、▲5▼単一画素内でパターン化された、のいずれかである有機EL素子である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層された有機薄膜層における正極接触層の結晶化が抑制され、電子的特性を損なうことなく熱的安定性が向上し、信頼性が高く、発光効率に優れた有機EL素子、及び該有機EL素子の効率的な製造方法、並びに、画素の短絡がなく、発光輝度の経時的な低下が効果的に抑制され、信頼性が高く高性能な有機ELディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、自発光、高速応答などの特徴を持ち、フラットパネルディスプレイへの適用が期待されている。該有機EL素子は、一般に、一対の電極の間に有機薄膜層を有してなる。該有機薄膜層は、電荷の注入・輸送・再結合の各機能を空間的に分離し発光効率を高める観点から、一般に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などが積層された積層構造に設計される。
【0003】
前記正孔注入層兼輸送層や前記正孔注入層の材料としては、正孔注入障壁が低く、正孔移動度の大きいフタロシアニン類や芳香族アミン類等の有機低分子化合物が広く一般に用いられている。しかし、これらの有機低分子化合物の場合、熱的に不安定であり、以下のような問題がある。
即ち、図1に示すような積層型の有機EL素子10は、正極14及び負極22の間に、正孔注入層兼輸送層3と発光層4とを含む有機薄膜層が挟持され、有機EL素子10における正孔注入層兼輸送層3は、正極14であるインジウムスズ酸化物(ITO)を形成したガラス基板12上に成膜される。有機EL素子10においては、前記ITOに段差が存在したり、ITOの低抵抗化のための熱処理により、ITOの表面にラフネスが生じ、その上に堆積される正孔注入層兼輸送層の厚みが不均一になることがある。この場合、正極14と負極22との間に電圧を印加すると局部的な電流の集中が生じ、局部的な加熱が生ずる。このとき、前記有機薄膜層を構成する材料が、ガラス転移温度(Tg)が低く移動が生じ易い前記有機低分子化合物であると、該有機薄膜層が結晶化してしまい、画素の短絡や輝度が経時的に低下してしまうという問題がある。
【0004】
従来より使用されてきた前記正孔注入層兼輸送層や前記正孔注入層の材料は、下記構造式(1)で表されガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある)が63℃であるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、該Tgが95℃であるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、該Tgが79℃である1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン(TPAC)、該Tgが75℃である4,4’,4’’−トリ[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)などであり、いずれも該Tgが100℃以下で分子の対称性が高い有機低分子化合物である。
【0005】
【化1】
Figure 2005026121
【0006】
また、前記正孔注入層兼輸送層や前記正孔注入層の材料が、分子の平面性が高く、分子間での会合が生じ易い構造を有する前記有機低分子化合物であると、結晶化し易いという問題がある。例えば、下記構造式(2)で表され、従来より正孔注入層の材料として使用されてきた銅フタロシアニン(CuPc)の場合、分子の平面性が高く、会合体が形成され易く、しかもイオン化ポテンシャル(IP)が小さく、正孔が効率よく注入可能という電子的特性を有する。このため、該銅フタロシアニンを用いて正孔注入層を形成し、更にその上に正孔輸送層を積層した2層構造を有する従来の有機EL素子の場合、該正孔注入層において結晶化が生じ、表面に凸凹が生じ、厚みが不均一になってしまうという問題がある。
【0007】
【化2】
Figure 2005026121
【0008】
そこで、このような問題がない前記正孔注入層兼輸送層や前記正孔注入層の材料として、これらに要求される電子的特性を損なうことなく、(A)前記Tgを向上可能なもの、(B)分子の移動を抑制する立体障害構造を有するもの、などが検討され、トリフェニルアミン単位のスターバースト構造化としての4,4’,4’’−トリ[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(2−TNATA(Tg=113℃):下記構造式(3))(非特許文献1参照)、トリフェニルアミン単位の多量体化(4量体化)したもの(NTPA(Tg=148℃:下記構造式(4))(非特許文献2参照)などの使用が提案されている。
しかしながら、これらの材料の場合、イオン化ポテンシャル(IP)、正孔移動度(μ)等の前記電子的特性が、分子構造の変化により変化してしまい、これを所望の範囲に制御することが困難であるという問題がある。
【0009】
【化3】
Figure 2005026121
【0010】
【化4】
Figure 2005026121
【0011】
また、前記正孔注入層兼輸送層や前記正孔注入層の材料として、前記電子的特性を維持しつつ、(A)前記Tgを向上可能なもの、あるいは(B)分子の移動を抑制する立体障害構造を有するものを、分子設計と分子合成により新たに得ようとすると、時間とコストとが多大となるという問題がある。
【0012】
一方、加熱処理によっても結晶化しないポリスチレン樹脂等の高分子化合物中に正孔注入物質を分散させた正孔注入層を設けた有機薄膜発光素子が提案されている(特許文献1参照)。また、正孔輸送性の高分子化合物を直接正極上に塗布して正孔輸送層を設けた有機EL素子も提案されている。しかし、これらの場合、新たに成膜装置(例えば、スピンコート成膜装置、インクジェット成膜装置など)が必要となってしまう、また、該正孔注入層兼輸送層や該正孔注入層は常圧下で形成されるため、雰囲気の影響を受け易く、その上に堆積される低分子膜との界面特性の再現性が低くなってしまう、また、塗布と蒸着とが混在した不連続プロセスであるため、生産性が低下してしまう、等の問題がある。
【0013】
他方、前記正孔輸送層を2以上の芳香族アミンで形成した有機電界発光素子が提案されている(特許文献2参照)。該有機電界発光素子の場合、該2以上の芳香族アミンが分子構造の類似性が高いため、該芳香族アミンの分子量が小さいと立体障害が十分に機能しない可能性があり、該芳香族アミンの分子量が大きいと蒸着時に熱分解してしまう可能性があるという問題がある。また、この場合、その上に積層する発光層の材料として、8−ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体しか用いることができず、汎用性が低いという問題もある。
【0014】
更に、前記正孔注入層及び前記正孔輸送層が、第3芳香族アミン及び多環式芳香族炭化水素化合物の混合物を含有する有機EL素子が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この場合、該多環式芳香族炭化水素化合物の平面性が高すぎるため、該正孔注入層及び該正孔輸送層の結晶化の抑制効果が該多環式芳香族炭化水素化合物と前記第3芳香族アミンとの混合比に強く依存してしまい、再現性が低いという問題がある。
【0015】
また、一対の電極内の負極に接して設けたバッファー層が、ポルフィリン化合物と、仕事関数が4.0eV以上の金属との混合物、又は、芳香族アミン化合物と、仕事関数が4.0eV以上の金属との混合物を含む有機電界発光素子が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この場合、該バッファー層は、正極ではなく負極に接して設けられるものであり、該正極と接する正極接触層の熱的安定性を高め、結晶化を抑制することはできないという問題がある。
【0016】
また、前記正孔注入層が、芳香族三級アミン誘導体又はフタロシアニン誘導体を含む有機EL素子も提案されている(特許文献5参照)。しかし、この場合、該芳香族三級アミン誘導体又は該フタロシアニン誘導体を単独で使用するのみであり、前記正孔注入層や前記正孔輸送層に要求される前記電子的特性を損なうことなく、前記Tgを向上させること、あるいは分子の移動を抑制することができないという問題がある。
【0017】
したがって、積層形成された有機薄膜層における前記正極接触層の結晶化が抑制され、電子的特性を損なうことなく熱的安定性が向上し、信頼性が高い有機EL素子は、未だ提供されていないのが現状である。
【0018】
【非特許文献1】
Appl.Phys.Lett.,75,3252(1999)
【非特許文献2】
SEIテクニカルレビュー、158、61,(1999)
【特許文献1】
特開平5−21163号公報
【特許文献2】
特開平7−312289号公報
【特許文献3】
特開平10−255985号公報
【特許文献4】
特開平11−297474号公報
【特許文献5】
特開平11−265788号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、積層された有機薄膜層における正極接触層の結晶化が抑制され、電子的特性を損なうことなく熱的安定性が向上し、信頼性が高い有機EL素子及び該有機EL素子の製造方法、並びに、画素の短絡がなく、発光輝度の経時的な低下が効果的に抑制され、信頼性が高い有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、後述する付記1から27に記載した通りである。
本発明の有機EL素子は、正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、▲1▼アミン類と、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の化合物とを含有する第一形態、▲2▼正孔注入性化合物類から選択された有機低分子化合物と、無機化合物とを含有する第二形態、▲3▼正孔注入性化合物類から選択された、異なる有機低分子化合物を積層した積層構造を有する第三形態、▲4▼正孔注入性化合物類(アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類)から選択される少なくとも1種の有機低分子化合物と、正孔の移動を抑制する移動抑制化合物とを含有する第四形態、▲5▼前記正孔注入性化合物類から選択された、異なる有機化合物が平面的に隣接配置された第五形態、のいずれかである。
なお、本発明において、アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類を「正孔注入性化合物類」と称することがある。
該有機EL素子においては、正極と接する正極接触層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入層兼輸送層など)の熱的安定性が向上し、結晶化が抑制される結果、信頼性が高い。
【0021】
本発明の有機EL素子の製造方法は、本発明の前記有機EL素子を製造する方法であって、▲1▼少なくとも2種の低分子化合物を正極上に共蒸着することにより正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含む第一態様、▲2▼少なくとも2種の低分子化合物を正極上に交互に真空蒸着することにより連続積層して正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含む第二態様、▲3▼少なくとも2種の有機低分子化合物をシャドーマスクにより、一画素に対応した正極内で空間的に塗り分けることにより、正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含む第三態様、のいずれかである。
本発明の有機EL素子の製造方法においては、前記正極接触層が、前記第一態様の場合には効率的に連続形成され、前記第二態様の場合には、効率的に連続積層され、前記第三態様の場合には、効率よく塗り分けられる。
【0022】
本発明の有機ELディスプレイは、本発明の前記有機EL素子を用いてなる。
このため、本発明の有機ELディスプレイは、画素の短絡や、発光輝度の経時的な低下が効果的に抑制され、信頼性が高い。
【0023】
【発明の実施の形態】
(有機EL素子)
本発明の有機EL素子は、正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
前記有機薄膜層としては、積層構造を有し、例えば、前記正極と接する正極接触層、発光層、前記負極と接する負極接触層、などを有する。
【0024】
前記正極接触層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入層兼輸送層などが挙げられる。これらは、1つのみ有していてもよいし、2以上積層されていてもよい。
前者の場合、前記正孔注入層兼輸送層を単独で有しているのが好ましく、後者の場合、前記正極上に前記正孔注入層、前記正孔輸送層がこの順に積層されているのが好ましい。
なお、前記正孔注入層は、電界印加時に前記正極から正孔を注入し、前記正孔輸送層へ輸送する機能などを有し、前記正孔輸送層は、電界印加時に前記正孔注入層又は前記正極からの正孔を輸送する機能などを有し、前記正孔注入層兼輸送層は、これらの機能を併有している。
【0025】
本発明において、前記正極接触層が、▲1▼アミン類と、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の化合物とを含有する第一形態、▲2▼前記正孔注入性化合物類から選択された有機低分子化合物と、無機化合物とを含有する第二形態、▲3▼前記正孔注入性化合物類から選択された、異なる有機低分子化合物を積層した積層構造を有する第三形態、並びに、▲4▼正孔注入性化合物類(アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類)から選択される少なくとも1種の有機低分子化合物と、正孔の移動を抑制する移動抑制化合物を含有する第四形態、▲5▼単一画素内でパターン化された(前記正孔注入性化合物類から選択された異なる有機化合物が平面的に隣接配置された)第五形態、のいずれかである必要がある。
【0026】
前記正極接触層が前記第一形態から前記第五形態のいずれかである本発明の有機EL素子においては、前記正孔注入層や前記正孔注入層兼輸送層の材料を分子設計や分子合成により新たに得ることなく、これらの層における前記ガラス転移温度(Tg)を向上させることができ、該正極接触層の熱的安定性を向上させることができ、結晶化を抑制させることができる。
前記正極接触層におけるイオン化ポテンシャル(IP)と移動度(μ)とを殆ど変えずに前記正極接触層における熱的安定性を向上させるには、前記正極接触層中に2種以上の正孔注入性乃至正孔輸送性を有する有機低分子化合物を混合し、組成の揺らぎを大きくし、結晶化が起こり難くすることが有効である。このとき、混合する2種以上の前記正孔注入性化合物類から選択される有機低分子化合物としては、分子間相互作用が小さく、均一な分散が可能となり、前記ガラス転移温度(Tg)を効果的に向上させることができる点で、分子間距離を長く保つことができるものが好ましい。
【0027】
前記有機低分子化合物としては、アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択されるのが好ましい。
前記第一形態の場合、該有機低分子化合物の中で、前記アミン類と、前記フタロシアニン類、前記ポルフィリン類及び前記カルバゾール類から選択される少なくとも1種の化合物とが併用されて前記正極接触層が形成されていることが必要である。
前記第二形態の場合、前記正孔注入性化合物類から選択された前記有機低分子化合物と、無機化合物とが併用されて前記正極接触層が形成されていることが必要である。
前記第三形態の場合、前記正孔注入性化合物類から選択された、異なる有機低分子化合物を積層した積層構造を有する前記正極接触層が形成されていることが必要である。
前記第四形態としては、前記有機低分子化合物と、正孔の移動を抑制する移動抑制化合物とが併用されて前記正極接触層が形成されていることが必要である。前記第五形態としては、単一画素内でパターン化された(前記正孔注入性化合物類から選択された異なる前記有機低分子化合物が平面的に隣接配置された)前記正極接触層が形成されていることが必要である。
なお、該有機低分子化合物は、前記正極接触層中において、前記第一形態又は前記第五形態の場合には、少なくとも2種を含有し、3種以上を含有していてもよく、前記第二形態乃至前記第四形態の場合には、少なくとも1種を含有し、2種以上を含有していてもよい。
【0028】
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、下記構造式(1)で表される、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、下記構造式(5)で表される、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電子的特性の点で、下記構造式(1)で表される、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、下記構造式(5)で表される、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)が好ましい。
【0029】
【化5】
Figure 2005026121
【0030】
【化6】
Figure 2005026121
【0031】
前記フタロシアニン類としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、下記構造式(2)で示す銅フタロシアニン(CuPc)、HPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、ClSiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電子的特性の点で、銅フタロシアニン(CuPc)が好ましい。
【0032】
【化7】
Figure 2005026121
【0033】
前記ポルフィリン類としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポルフィン、エチオポルフィン、メソポルフィン、プロトポルフィン、プロトポルフィン亜鉛、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィン、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィン銅、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィンマグネシウム、5,10,15,20−テトラフェニルポルフィン、5,10,15,20−テトラフェニルポルフィン銅、5,10,15,20−テトラピリジルポルフィン、5,10,15,20−テトラアザポルフィリン、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン、2,7,12,17−テトラ−t−ブチル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン銅、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、5,10,15,20−テトラフェニルポリフィリンが好ましい。
【0034】
前記カルバゾール類としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの名から適宜選択することができ、例えば、カルバゾール、3−アミノカルバゾール、2−アミノカルバゾール、3−アミノ−N−9−エチルカルバゾール、9−メチルカルバゾール、4H−ピラジノ[2,3−b]カルバゾール、7H−ピラジノ[2,3−b]カルバゾール、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルバゾールが好ましい。
【0035】
前記有機低分子化合物の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、200以下が好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)が、200を超えると、蒸着分散性が悪化し、前記正極接触層中に均一に分散させることができなくなることがある。
【0036】
前記有機低分子化合物の分散前又は重合処理後の正孔移動度(μ)としては、特に制限はなく、その他の目的に応じて適宜選択することができるが、大きい程好ましい。
前記正孔移動度(μ)が、10×10−6cm/Vs未満であると、正孔注入製乃至正孔輸送性が十分でないことがある。
【0037】
前記第一形態の場合、前記アミン類と、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の有機低分子化合物との混合モル比(アミン類:有機低分子化合物)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記正極接触層における組成の揺らぎが大きくなり(結晶化が起こりにくくなり)、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができる点で、1:100〜100:1が好ましく、5:100〜100:5がより好ましい。
なお、前記混合モル比が、100:100に近づく程、前記正極接触層における組成の揺らぎが大きくなり(結晶化が起こりにくくなり)、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができ、また、蒸着による組成制御が容易になる点で有利であり、一方、前記数値範囲外であると、前記ガラス転移温度(Tg)の向上効果が十分でないことがある。
【0038】
前記無機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、p型化合物半導体、p型酸化物半導体などが挙げられる。該無機化合物と前記有機低分子化合物とを併用する前記第二形態の場合、該無機化合物が前記有機低分子化合物に比べて蒸着量の制御性が良好であり、該無機化合物と該有機低分子化合物との混合物は熱的に安定でかつ熱伝導性が良好であるので、前記正孔接触層の結晶化を抑制するのに有効である。なお、前記無機化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】
前記p型化合物半導体としては、例えば、カドミウムの硫化物、亜鉛の硫化物、鉛の硫化物、銀の硫化物、アンチモンの硫化物、ビスマスの硫化物、カドミウムのセレン化物、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物、亜鉛のリン化物、ガリウムのリン化物、インジウムのリン化物、カドミウムのリン化物、ガリウム−ヒ素のセレン化物、銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記p型酸化物半導体としては、例えば、TiO、SnO、Fe、SrTiO、WO、ZnO、ZrO、Ta、Nb、V、In、CdO、MnO、CoO、TiSrO、KTiO、CuO、Cr、MoO、Mn、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記第二形態の場合、前記有機低分子化合物と前記無機化合物との混合モル比(有機低分子化合物:無機化合物)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記正極接触層における組成の揺らぎが大きくなり(結晶化が起こりにくくなり)、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができる点で、1:100〜100:1が好ましく、50:100〜100:5がより好ましい。
前記混合モル比が、100:100に近づく程、前記正極接触層における組成の揺らぎが大きくなり(結晶化が起こりにくくなり)、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができ、また、蒸着も容易な点で有利であり、一方、前記数値範囲外であると、前記ガラス転移温度(Tg)の向上効果が十分でないことがある。
【0042】
なお、前記第二形態においては、前記正極接触層中に、前記有機低分子化合物と前記無機化合物とを混合して併用してもよいし、前記正極接触層を、該有機低分子化合物と該無機化合物とを交互に積層して積層構造に形成してもよい。
【0043】
前記正極接触層を積層構造に設計する場合、各層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、薄いほど好ましく、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記各層の厚みは、20nmを超えると、前記正極接触層におけるガラス転移温度(Tg)等を十分に向上させることができず、結晶化を抑制することができないことがあり、また、前記発光層に正孔がスムーズに流れなくなることがある。
前記正極接触層を積層構造に設計する場合、積層数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0044】
前記第三形態の場合、前記正極接触層は、前記有機低分子化合物の少なくとも2種が交互に積層されて多層構造に形成される。この第三形態における前記正極接触層では、各層の同一平面内には同一の分子が並んでいるものの、各層の厚みが薄ければ分散構造と同等となり、その結果、前記正極接触層にいて結晶化が起こりにくくなり、前記ガラス転移温度(Tg)を向上させることができる。
【0045】
前記第三形態の場合、前記正極接触層における各層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、薄いほど好ましく、熱処理により凹凸が発生しても、各層で発生する凹凸が厚み方向で重なる確率が低く、凹凸による電流リークの影響を小さくすることができる点で、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記各層の厚みが、20nmを超えると、前記正極接触層におけるガラス転移温度(Tg)等を十分に向上させることができず、結晶化を抑制することができないことがあり、また、前記発光層に正孔がスムーズに流れなくなることがある。
【0046】
前記第三形態の場合、前記正極接触層における積層数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0047】
前記第四形態の場合、前記正孔注入性化合物類と混合される前記移動抑制化合物としては、例えば、立体構造化合物、蒸着重合性化合物、光重合性化合物、熱重合性化合物などが好適に挙げられる。
【0048】
前記立体構造化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、下記構造式(4)に示すテトラフェニルメタン等のテトラアリールメタンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記立体構造化合物は、立体構造を有するので(例えば、前記テトラフェニルメタンの場合には四面体構造を有するので)、他の構造の分子と混合された場合に、分子間距離の揺らぎが大きくなり(結晶化が起こりにくくなり)、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができ、また、蒸着法により前記正極接触層を容易に形成することができる点で好ましい。
【0049】
【化8】
Figure 2005026121
【0050】
前記蒸着重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、エポキシ樹脂モノマー、ポリケイ皮酸エステル樹脂モノマー、ポリカルベン樹脂モノマー、ポリアミド樹脂モノマー、ポリイミド樹脂モノマー、ポリアミドイミド樹脂モノマー、ポリカルボヒドラジド樹脂モノマー、ポリカルボン酸クロリド樹脂モノマー、ポリアゾメチン樹脂モノマー、ポリ塩化ビニル樹脂モノマー、カーボネート樹脂モノマー、尿素樹脂モノマー、ポリスチレン樹脂モノマー、ポリアクリル樹脂モノマー、ポリウレタン樹脂モノマー、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリイミド樹脂モノマーが好ましい。
【0051】
前記光重合性化合物又は前記熱重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン基含有モノマー、シロキサン基含有モノマー、ビニル基含有モノマー、アセチル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アクリル基含有モノマー、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル基含有モノマーが好ましい。
【0052】
なお、前記正極接触層中に、前記蒸着重合性化合物、前記光重合性化合物又は前記熱重合性化合物を用いた場合、該正極接触層として成膜した後に高分子化処理することによってネットワーク構造を形成することができ、分子の移動を効果的に抑制することができ、結晶化が起こりにくくなり、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができる点で有利である。
【0053】
前記第四形態の場合、前記正孔注入性化合物類と前記移動抑制化合物との混合モル比(正孔注入性化合物類:移動抑制化合物)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記正極接触層における組成の揺らぎが大きくなり(結晶化が起こりにくくなり)、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができる点で、1:100〜100:1が好ましく、50:100〜100:5がより好ましい。
前記混合モル比が、100:100に近づく程、前記正極接触層における組成の揺らぎが大きくなり(結晶化が起こりにくくなり)、ガラス転移温度(Tg)を向上させることができ、また、蒸着による組成制御が容易になる点で有利であり、一方、前記数値範囲外であると、前記ガラス転移温度(Tg)の向上効果が十分でないことがある。
【0054】
前記正極接触層が、前記第一形態乃至前記第四形態の場合には、前記正極の表面の全部又は一部に形成されるが、前記第五形態の場合には、前記単一画素の正極の表面に異なる正孔注入性化合物類が空間的に隣接配置されて形成される。
前記第五形態の場合、前記正極接触層が、前記正孔注入性化合物類から選択される有機低分子化合物の少なくとも2種が塗り分けされてパターン化されているのが好ましい。この場合、塗り分けはシャドーマスクを用いて行うことができ、前記正極接触層を前記混合物により形成する場合や前記積層構造とする場合と同様に結晶化を効果的に抑制することができる。なお、この場合、一画素中の塗り分ける、各パターン領域の面積は、結晶化を抑制するためには狭い方が好ましい。
前記正極接触層が、塗り分けされている場合、その形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、格子状パターン、市松状パターンなどが好適に挙げられる。
【0055】
前記正極接触層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm以下が好ましく、該正極接触層が積層構造である場合、各層の厚みは同一であるのが好ましい。
前記正極接触層の厚みが、20nmを超えると、前記正極接触層におけるガラス転移温度(Tg)等を十分に向上させることができず、結晶化を抑制することができないことがある。
【0056】
前記正極接触層における表面粗さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、触針式段差計による測定値で、20nm以下であるのが好ましく、15nm以下であるのがより好ましい。
前記表面粗さが、20nmを超えると、表面の凹凸による電流リークの影響が大きくなってしまうことがある。
【0057】
本発明の有機EL素子は、上述の通り、正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなり、具体的な層構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の(1)〜(15)、即ち(1)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/負極、(2)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/負極、(3)正極/正孔注入層兼輸送層(正孔輸送層)/発光層/電子輸送層/電子注入層/負極、(4)正極/正孔注入層兼輸送層(正孔輸送層)/発光層/電子輸送層/負極、(5)正極/正孔注入層/正孔注入層兼輸送層(正孔輸送層)/発光層兼電子輸送層/電子注入層/負極、(6)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/負極、(7)正極/正孔注入層兼輸送層(正孔輸送層)/発光層兼電子輸送層/電子注入層/負極、(8)正極/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/負極、(9)正極/正孔注入層/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/電子注入層/負極、(10)正極/正孔注入層/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/負極、(11)正極/正孔注入層兼輸送層兼発光層(正孔輸送層兼発光層)/電子輸送層/電子注入層/負極、(12)正極/正孔注入層兼輸送層兼発光層(正孔輸送層兼発光層)/電子輸送層/負極、(13)正極/正孔注入層兼輸送層兼発光層兼電子輸送層(正孔輸送層兼発光層兼電子輸送層)/負極、(14)正極/正孔注入層兼輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/負極、(15)正極/正孔注入層兼輸送層/発光層兼電子輸送層/負極、などが好適に挙げられる。
【0058】
なお、前記有機EL素子が前記正孔ブロッキング層を有する場合には、前記(1)〜(15)において、前記発光層と前記電子輸送層との間に該正孔ブロッキング層が配置される層構成が好適に挙げられる。また、前記(1)〜(15)において、前記正極に直接接している、前記正孔注入層又は前記正孔注入層兼輸送層が前記正極接触層に該当し、前記正極に直接接している前記正孔注入層上に前記正孔輸送層が設けられている場合には特に該正孔注入層が前記正極接触層に該当する。
【0059】
ここで、前記(15)正極/正孔注入層兼輸送層/発光層兼電子輸送層/負極の構成を有する有機EL素子を図示すると、図2に示す通りであり、有機EL素子10は、ガラス基板12上に形成された正極14(例えば、ITO電極)と、正孔注入層兼輸送層16と、発光層兼電子輸送層20と、負極22(例えば、Al−Li電極)とをこの順に積層してなる層構成を有する。なお、正極14と負極22とは電源を介して互いに接続されている。この有機EL素子10においては、正孔注入層兼輸送層16と発光層兼電子輸送層20とで有機薄膜層8が形成されている。
【0060】
以下、本発明の前記有機EL素子における前記正極接触層以外の各層について説明する。
【0061】
−正極−
前記正極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記正孔注入層に、正孔(キャリア)を供給することができるものが好ましい。
【0062】
前記正極の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、金属、金属酸化物等の電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、これらの中でも、前記有機薄膜層への正孔の注入し易さの点で、仕事関数が4eV以上の材料が好ましい。
前記正極の材料の具体例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、これらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性金属酸化物が好ましく、生産性、導電性、透明性などの観点からはITOが特に好ましい。
【0063】
前記正極の厚みとしては、特に制限はなく、材料等により適宜選択可能であるが、電気抵抗と光吸収とのバランスの観点からは、1〜5000nmが好ましく、20〜200nmがより好ましい。
【0064】
前記正極は、通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス、透明樹脂等の基板上に形成される。
前記基板として前記ガラスを用いる場合、該ガラスからの溶出イオンを少なくする観点からは、前記無アルカリガラス、シリカなどのバリアコートを施した前記ソーダライムガラスが好ましい。
前記基板の厚みとしては、機械的強度を保つのに充分な厚みであれば特に制限はないが、該基材としてガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上であり、0.7mm以上が好ましい。
【0065】
前記正極は、例えば、蒸着法、湿式製膜法、電子ビーム法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、分子積層法、LB法、印刷法、転写法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)により該ITOの分散物を塗布する方法、などの上述した方法により好適に形成することができる。
前記正極は、洗浄、その他の処理を行うことにより、該有機EL素子の駆動電圧を低下させることが可能である。前記その他の処理としては、例えば、前記正極の素材がITOである場合には、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが好適に挙げられる。
【0066】
−発光層−
前記発光層は、電界印加時に前記正極、前記正孔注入層、前記正孔輸送層等から正孔を注入することができ、前記負極、前記電子注入層、前記電子輸送層等から電子を注入することができ、更に該正孔と該電子との再結合の場を提供し、該再結合の際に生ずる再結合エネルギーにより、所望の発光色に発色する発光材料を含有する。
【0067】
前記発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、緑色発光材料、青色発光材料、黄色発光材料、赤色発光材料などが挙げられる。
前記緑色発光材料としては、緑色発光可能なものであれば特に制限はなく、例えば、アルミキノリウム錯体、ベンゾキノリノールBe錯体、などが挙げられる。
前記青色発光材料としては、青色発光可能なものであれば特に制限はなく、例えば、ベンゾオキサゾールZn錯体、キノリノール系錯体、などが挙げられる。
前記黄色発光材料としては、黄色発光可能なものであれば特に制限はなく、例えば、8−キノリノールのZnとの4配位錯体、などが挙げられる。
前記赤色発光材料としては、赤色発光可能なものであれば特に制限はなく、例えば、DCM色素(C. W. Tang, S. A. VanSlyke, and C. H. Chen, Applied Physics Letters vol.65, 3610 (1989))、赤色蛍光発光性を有するポルフィン化合物又はポルフィリン化合物(特開平9−13024号公報、特開平9−296166号公報、特開平11−251061号公報、特開平11−251062号公報、国際公開番号WO98/00474号公報)、赤色蛍光発光性を有するビスアンスレン化合物(特開平11−144868号公報)、などが挙げられる。
【0068】
前記発光層は、公知の方法に従って形成することができるが、例えば、蒸着法により好適に形成することができる。
【0069】
前記発光層の厚みとしては、1〜50nmが好ましく、3〜20nmがより好ましい。
前記発光層の厚みが、前記好ましい数値範囲であると、該有機EL素子により発光される光の発光効率が十分であり、前記より好ましい数値範囲であるとそれが顕著である点で有利である。
【0070】
前記発光層は、前記正孔輸送層、前記電子輸送層などの機能を併有する発光層兼電子輸送層、発光層兼正孔輸送層等として設計されてもよい。
前記発光層、あるいは前記発光層兼電子輸送層、発光層兼正孔輸送層等は、ゲスト材料として前記発光材料を含有し、該ホスト材料の、発光波長が該ゲスト材料の光吸収波長付近にあるのが好ましい。
【0071】
前記ゲスト材料と前記ホスト材料とを併用する場合、有機EL発光が生ずる際、まず、前記ホスト材料が励起される。そして、該ホスト材料の発光波長と、前記ゲスト材料の吸収波長とが重なり合う場合、該ホスト材料から該ゲスト材料へと励起エネルギーが効率的に移動し、該ホスト材料は発光することなく基底状態に戻り、励起状態となった該ゲスト材料のみが励起エネルギーを光として放出し、発光効率に優れる。
【0072】
また、一般に発光分子が単独膜として又は薄膜中に高濃度で存在する場合には、発光分子同士が接近することにより発光分子間で相互作用が生じ、「濃度消光」と呼ばれる発光効率低下現象が起こるが、前記ゲスト材料と前記ホスト材料とを併用する場合、前記ゲスト化合物が、前記ホスト化合物中に比較的低濃度で分散されているので、前記「濃度消光」が効果的に抑制され、発光効率に優れる点で有利である。
【0073】
前記ホスト材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発光波長が該ゲスト材料の光吸収波長付近にあるものが好ましい。
【0074】
前記低分子系ホスト材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(6)で表される芳香族アミン誘導体、下記構造式(8)で表されるカルバゾール誘導体、下記構造式(10)で表されるオキシン錯体、下記構造式(12)で表される1,3,6,8−テトラフェニルピレン化合物、下記構造式(14)で表される、ジスチリルアリーレン誘導体、下記構造式(15)で表されるp−セシキフェニル、下記構造式(16)で表される9,9’−ビアントリル、などが好適に挙げられる。
【0075】
【化9】
Figure 2005026121
【0076】
前記構造式(6)中、nは、2又は3の整数を表す。Arは、2価若しくは3価の芳香族基又は複素環式芳香族基を表す。R11及びR12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、1価の芳香族基又は複素環式芳香族基を表す。前記1価の芳香族基又は複素環式芳香族基としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
【0077】
前記構造式(6)で表される芳香族アミン誘導体の中でも、下記構造式(7)で表されるN,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(NPD)及びその誘導体が好ましい。
【0078】
【化10】
Figure 2005026121
【0079】
【化11】
Figure 2005026121
前記構造式(8)中、Arは、以下に示す、芳香族環を含む2価若しくは3価の基、又は、複素環式芳香族環を含む2価若しくは3価の基を表す。
【0080】
【化12】
Figure 2005026121
これらは、非共役性の基で置換されていてもよく、また、Rは、連結基を表し、例えば以下のものが好適に挙げられる。
【0081】
【化13】
Figure 2005026121
【0082】
前記構造式(8)中、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、水酸基、アミド基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素環基、又は芳香族複素環基を表し、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
前記構造式(8)中、nは、整数を表し、2又は3が好適に挙げられる。
【0083】
前記構造式(8)で表されるカルバゾール誘導体の中でも、Arが、ベンゼン環が単結合を介して2つ連結された芳香族基であり、R13及びR14が水素原子であり、n=2であるもの、即ち、下記構造式(9)で表される4,4’−ビス(9−カルバゾリル)−ビフェニル(CBP)及びその誘導体から選択されるものが、発光効率等に特に優れる点で好ましい。
【0084】
【化14】
Figure 2005026121
【0085】
【化15】
Figure 2005026121
ただし、前記構造式(10)中、R15は、水素原子又は一価炭化水素基を表す。
【0086】
前記構造式(10)で表されるオキシン錯体の中でも、下記構造式(11)で表されるアルミニウムキノリン錯体(Alq)(主発光波長=530nm)が好ましい。
【0087】
【化16】
Figure 2005026121
【0088】
【化17】
Figure 2005026121
ただし、前記構造式(12)中、R16〜R19は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基が好適に挙げられ、これらは更に置換基で置換されていてもよい。
前記構造式(12)で表される1,3,6,8−テトラフェニルピレンの中でも、R16〜R19が水素原子である、即ち、下記構造式(13)で表される1,3,6,8−テトラフェニルピレンが、発光効率等に特に優れる点で好ましい。
【0089】
【化18】
Figure 2005026121
【0090】
【化19】
Figure 2005026121
【0091】
【化20】
Figure 2005026121
【0092】
【化21】
Figure 2005026121
【0093】
−正孔ブロッキング層−
前記正孔ブロッキング層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記正極から注入された正孔を障壁する機能を有しているものが好ましい。
前記正孔ブロッキング層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0094】
前記有機EL素子が前記正孔ブロッキング層を有していると、正極側から輸送されてきた正孔が該正孔ブロッキング層でブロックされ、負極から輸送されてきた電子は該正孔ブロッキング層を通過して前記発光層に到達することにより、該発光層で効率良く電子と正孔との再結合が生じるため、該発光層以外の有機薄膜層での前記正孔と前記電子との再結合を防ぐことができ、目的とする発光材料からの発光が効率的に得られる。
前記正孔ブロッキング層は、前記発光層と前記電子輸送層との間に配置されるのが好ましい。
【0095】
前記正孔ブロッキング層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常1〜500nm程度であり、10〜50nmが好ましい。
前記正孔ブロッキング層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記正孔ブロッキング層は、蒸着法により形成することができる。
【0096】
−電子輸送層−
前記電子輸送層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記負極からの電子を輸送する機能、前記正極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているものが好ましい。
【0097】
前記電子輸送層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アルミニウムキノリン錯体(Alq)等のキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体など、などが挙げられる

【0098】
前記電子輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常1〜500nm程度であり、10〜50nmが好ましい。
前記電子輸送層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0099】
この場合、前記発光層に隣接する該電子輸送層に用いる電子輸送材料としては、前記1,3,6,8−四置換ピレン化合物よりも光吸収端が短波長である電子輸送材料を用いることが、有機EL素子中の発光領域を前記発光層に限定し、前記電子輸送層からの余計な発光を防ぐ観点からは好ましい。前記1,3,6,8−四置換ピレン化合物よりも光吸収端が短波長である電子輸送材料としては、例えば、フェナントロリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体などが挙げられ、下記構造式(18)で表される2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)、2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニルイル)−1,3,4−オキサジアゾール、3−フェニル−4−(1−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4’−ビフェニルイル)−1,2,4,−トリアゾール、などが好適に挙げられる。
【0100】
【化22】
Figure 2005026121
【0101】
【化23】
Figure 2005026121
【0102】
【化24】
Figure 2005026121
【0103】
【化25】
Figure 2005026121
前記電子輸送層は、蒸着法により形成することができる。
【0104】
−電子注入層−
前記電子注入層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記負極からの電子を注入し、電子輸送層へ輸送する機能、を有しているものが好ましい。
【0105】
前記電子注入層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ化リチウム等のアルカリ金属フッ化物、フッ化ストロンチウム等のアルカリ土類金属フッ化物、などが挙げられる。
【0106】
前記電子注入層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常0.1〜10nm程度であり、前記有機薄膜層への電子の注入し易さの点で、0.5〜2nmが好ましい。
前記電子注入層は、蒸着法により形成することができる。
【0107】
−負極−
前記負極としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記有機薄膜層に、具体的には該有機薄膜層が前記発光層のみを有する場合には該発光層に、該有機薄膜層が更に前記電子輸送層を有する場合には該電子輸送層に、該有機薄膜層及び該負極間に電子注入層を有する場合には該電子注入層に、電子を供給することができるものが好ましい。
【0108】
前記負極の材料としては、特に制限はなく、前記電子輸送層、前記発光層などの該負極と隣接する層乃至分子との密着性、イオン化ポテンシャル、安定性等に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、金属酸化物等の導電性化合物、これらの混合物などが挙げられる。
【0109】
前記負極の材料の具体例としては、アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Csなど)、アルカリ土類金属(例えばMg、Caなど)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、これらの合金、などが挙げられる。
【0110】
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、仕事関数が4eV以下の材料が好ましく、アルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、などがより好ましい。
【0111】
前記負極の厚みとしては、特に制限はなく、該負極の材料等に応じて適宜選択することができるが、1〜10000nmが好ましく、20〜200nmがより好ましい。
【0112】
前記負極は、例えば、蒸着法、湿式製膜法、電子ビーム法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、分子積層法、LB法、印刷法、転写法、などの上述した方法により好適に形成することができる。
【0113】
前記負極の材料として2種以上を併用する場合には、該2種以上の材料を同時に蒸着し、合金電極等を形成してもよいし、予め調製した合金を蒸着させて合金電極等を形成してもよい。
【0114】
前記正極及び前記負極の抵抗値としては、低い方が好ましく、数百Ω/□以下であるのが好ましい。
【0115】
−その他の層−
本発明の有機EL素子は、目的に応じて適宜選択したその他の層を有していてもよく、該その他の層としては、例えば、保護層、などが好適に挙げられる。
【0116】
前記保護層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水分や酸素等の有機EL素子を劣化促進させる分子乃至物質が有機EL素子内に侵入することを抑止可能であるものが好ましい。
【0117】
前記保護層の材料としては、例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物、SiN、SiN等の窒化物、MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質などが挙げられる。
【0118】
前記保護層は、例えば、蒸着法、湿式製膜法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、印刷法、転写法、などの上述した方法により好適に形成することができる。
【0119】
本発明の有機EL素子の発光色としては、特に制限はなく、目的に応じて前記発光層の材料を適宜選択することにより、所望の発光色とすることができる。
本発明の有機EL素子の印加電圧の観点からは、電圧10V以下で発光することが望まれ、7V以下で発光するのが好ましく、5V以下で発光するのがより好ましい。
本発明の有機EL素子の発光輝度としては、実用上の観点からは、印加電圧10Vにおいて、100cd/m以上であるのが好ましく、500cd/m以上であるのがより好ましく、1000cd/m以上であるのが特に好ましい。
【0120】
本発明の有機EL素子は、例えば、コンピュータ、車載用表示器、野外表示器、家庭用機器、業務用機器、家電用機器、交通関係表示器、時計表示器、カレンダ表示器、ルミネッセントスクリーン、音響機器等をはじめとする各種分野において好適に使用することができるが、後述する本発明の有機ELディスプレイに特に好適に使用することができる。
【0121】
本発明の有機EL素子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法、例えば、蒸着法により、以下の本発明の有機EL素子を好適に製造することができる。
【0122】
(有機EL素子の製造方法)
本発明の有機EL素子の製造方法は、本発明の前記有機EL素子の製造方法であって、▲1▼少なくとも2種の低分子化合物を正極上に共蒸着することにより正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含む第一態様、▲2▼少なくとも2種の低分子化合物を正極上に交互に真空蒸着することにより連続積層して正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含む第二態様、▲3▼少なくとも2種の前記有機低分子化合物をシャドーマスクにより、正極上に塗り分けられた一画素の正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含む第三態様、のいずれかである。
前記第一態様乃至第三態様において、前記正極接触層形成工程以外の工程としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
前記低分子化合物としては、上述の有機低分子化合物及び上述の無機化合物から選択されるものが好適に挙げられる。
【0123】
前記第一態様における前記共蒸着法は、複数の蒸着源から分子を真空中で同時に飛ばす方法である。
前記蒸着源から飛ばす分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記有機低分子化合物を少なくとも2種、前記有機低分子化合物及び前記無機化合物、などが挙げられる。
前記共蒸着の条件、装置等としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
なお、前記第一態様においては、前記共蒸着法の代わりにフラッシュ蒸着法を用いてもよい。
【0124】
ここで、前記第一態様の一例について説明する。まず、前記正極としてのITO電極を形成したガラス基板を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにて超音波洗浄し、UVオゾン処理する。その後、このITO電極上に前記正孔注入層兼輸送層としてのトリフェニルジアミン(TPD)100モル%に対し、20モル%の銅フタロシアニン(CuPc)を混合した混合物を厚みが150nmとなるように共蒸着法により被覆する。次に、tris(8−hydroxyquinolio)aluminum(Alq)を蒸着速度0.1nm/sの条件にて厚みが50nmとなるように前記正孔注入層兼輸送層上に蒸着して前記発光層兼電子輸送層を形成する。そして、Al−Li合金(Liの含有量=0.5質量%)を蒸着速度0.2nm/sの条件にて厚みが50nmとなるように前記発光層兼電子輸送層上に蒸着して前記負極を形成することにより、有機EL素子が製造される。
【0125】
前記第二態様における前記真空蒸着法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から選択することができる。
前記真空蒸着の条件、装置等としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記第二態様の一例について説明する。例えば、まず、前記正極としてのITO電極を形成したガラス基板を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにて超音波洗浄し、UVオゾン処理する。その後、このITO電極上に、トリフェニルジアミン(TPD)と銅フタロシアニン(CuPc)とをそれぞれ10nmの厚みで交互に真空蒸着法により積層(CuPcを8層、TPDを7層)し、合計の厚みが150nmである積層構造の前記正孔注入層兼輸送層を形成する。次に、tris(8−hydroxyquinolio)aluminum(Alq)を蒸着速度0.1nm/sの条件にて厚みが50nmとなるように前記正孔注入層兼輸送層上に蒸着して前記発光層兼電子輸送層を形成する。そして、Al−Li合金(Liの含有量=0.5質量%)を蒸着速度0.2nm/sの条件にて厚みが50nmとなるように前記発光層兼電子輸送層上に蒸着して負極を形成することにより、有機EL素子が製造される。
【0126】
前記第三態様における前記塗り分けは、目的に応じて適宜選択した方法に従って行うことができ、例えば、金属製のシャドーマスクを用いて蒸着法により行うことができる。具体的には、前記正孔注入性化合物類から選択された2種以上の化合物をシャドーマスク(開口径:50×100μm)を移動(例えば50μm)する毎に順次蒸着させることにより行うことができる。
【0127】
以上の本発明の有機EL素子の製造方法によると、本発明の前記有機EL素子を極めて効率的にかつ容易に製造することができる。
【0128】
(有機ELディスプレイ)
本発明の有機ELディスプレイは、本発明の前記有機EL素子を少なくとも用いていること以外には特に制限はなく、公知の構成を適宜採用することができる。
【0129】
前記有機ELディスプレイは、単色発光のものであってもよいし、多色発光のものであってもよいし、フルカラータイプのものであってもよい。
【0130】
前記有機ELディスプレイをフルカラータイプのものとする方法としては、例えば「月刊ディスプレイ」、2000年9月号、33〜37ページに記載されているように、色の3原色(青色(B)、緑色(G)、赤色(R))に対応する光をそれぞれ発光する有機EL素子を基板上に配置する3色発光法、白色発光用の有機EL素子による白色発光をカラーフィルターを通して3原色に分ける白色法、青色発光用の有機EL素子による青色発光を蛍光色素層を通して赤色(R)及び緑色(G)に変換する色変換法、などが知られている。
【0131】
前記3色発光法によりフルカラータイプの有機ELディスプレイを製造する場合には、青色発光用の有機EL素子、赤色発光用の有機EL素子及び緑色発光用の有機EL素子が必要になる。
【0132】
前記赤色発光用の有機EL素子としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば層構成が、ITO(正極)/前記NPD/下記式で表されるDCJTB 1%アルミニウムキノリン錯体(Alq)/前記Alq/Al−Li(負極)、であるものなどが好適に挙げられる。前記DCJTBは、4−dicyanomethylene−6−cp−julolidinostyryl−2−tert−butyl−4H−pyranである。なお、前記Alqは先に示した通りである。
【0133】
【化26】
Figure 2005026121
【0134】
前記緑色発光用の有機EL素子としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、層構成が、ITO(正極)/前記NPD/ジメチルキナクドリン 1%前記Alq/前記Alq/Al−Li(負極)、であるものなどが好適に挙げられる。
【0135】
前記青色発光用の有機EL素子としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、層構成が、ITO(正極)/前記NPD/スチリルアミン誘導体4.5%・スチリルアリーレン誘導体/前記Alq/Al−Li(負極)、であるものなどが好適に挙げられる。
【0136】
前記有機ELディスプレイの態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、「日経エレクトロニクス」、No.765,2000年3月13日号、55〜62ページに記載されているような、パッシブマトリクスパネル、アクティブマトリクスパネルなどが好適に挙げられる。
【0137】
前記パッシブマトリクスパネルは、例えば、図3に示すように、ガラス基板12上に、互いに平行に配置された帯状の正極14(例えばITO電極)を有し、正極14上に、互いに順番に平行にかつ正極14と略直交方向に配置された帯状の青色発光用の有機薄膜層24、緑色発光用の有機薄膜層26及び赤色発光用の有機薄膜層28を有し、青色発光用の有機薄膜層24、緑色発光用の有機薄膜層26及び赤色発光用の有機薄膜層28上に、これらと同形状の負極22を有してなる。
【0138】
前記パッシブマトリクスパネルにおいては、例えば、図4に示すように、複数の正極14からなる正極ライン30と、複数の負極22からなる負極ライン32とが互いに略直行方向に交差して回路が形成されている。各交差点に位置する、青色発光用、緑色発光用及び赤色発光用の各有機薄膜層24、26及び28が画素として機能し、各画素に対応して有機EL素子34が複数存在している。該パッシブマトリクスパネルにおいて、正極ライン30における正極14の1つと、負極ライン32における負極22の1つとに対し、定電流源36により電流を印加すると、その際、その交差点に位置する有機薄膜層に電流が印加され、該位置の有機EL薄膜層が発光する。この画素単位の発光を制御することにより、容易にフルカラーの画像を形成することができる。
【0139】
前記アクティブマトリクスパネルは、例えば、図5に示すように、ガラス基板12上に、走査線、データライン及び電流供給ラインが碁盤目状に形成されており、碁盤目状を形成する走査線等に接続され、各碁盤目に配置されたTFT回路40と、TFT回路40により駆動可能であり、各碁盤目中に配置された正極14(例えばITO電極)とを有し、正極14上に、互いに順番に平行に配置された帯状の青色発光用の有機薄膜層24、緑色発光用の有機薄膜層26及び赤色発光用の有機薄膜層28を有し、青色発光用の有機薄膜層24、緑色発光用の有機薄膜層26及び赤色発光用の有機薄膜層28上に、これらを全部覆うようにして配置された負極22を有してなる。青色発光用の有機薄膜層24、緑色発光用の有機薄膜層26及び赤色発光用の有機薄膜層28は、それぞれ、正孔輸送層16、発光層18及び電子輸送層20を有している。
【0140】
前記アクティブマトリクスパネルにおいては、例えば、図6に示すように、複数平行に設けられた走査線46と、複数平行に設けられたデータライン42及び電流供給ライン44とが互いに直交して碁盤目を形成しており、各碁盤目には、スイッチング用TFT48と、駆動用TFT50とが接続されて回路が形成されている。駆動回路38から電流を印加すると、碁盤目毎にスイッチング用TFT48と駆動用TFT50とが駆動可能となっている。そして、各碁盤目は、青色発光用、緑色発光用及び赤色発光用の各有機薄膜素子24、26及び28が画素として機能し、該アクティブマトリクスパネルにおいて、横方向に配置された走査線46の1つと、縦方向に配置された電流供給ライン44とに対し、駆動回路38から電流を印加すると、その際、その交差点に位置するスイッチング用TFT48が駆動し、それに伴い駆動用TFT50が駆動し、該位置の有機EL素子52が発光する。この画素単位の発光を制御することにより、容易にフルカラーの画像を形成することができる。
【0141】
本発明の有機ELディスプレイは、例えば、コンピュータ、車載用表示器、野外表示器、家庭用機器、業務用機器、家電用機器、交通関係表示器、時計表示器、カレンダ表示器、ルミネッセントスクリーン、音響機器等をはじめとする各種分野において好適に使用することができる。
【0142】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0143】
(実施例1)
−有機EL素子の作製−
前記有機薄膜層が積層されてなる有機EL素子を以下のようにして作製した。即ち、まず、前記正極としてのITO電極を形成したガラス基板を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにて超音波洗浄し、UVオゾン処理した。その後、このITO電極上に、下記構造式(1)に示すトリフェニルジアミン(TPD)100モル%に対し、20モル%の下記構造式(2)に示す銅フタロシアニン(CuPc)を混合した混合物を、厚みが150nmとなるように共蒸着法により被覆して前記正孔注入層兼輸送層を形成した。次に、前記正孔注入層兼輸送層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(アルミニウムキノリン錯体:Alq)を蒸着速度0.1nm/sの条件にて、厚みが50nmとなるように蒸着して前記発光層兼電子輸送層を形成した。そして、前記発光層兼電子輸送層上に、Al−Li合金(Liの含有量=0.5質量%)を蒸着速度0.2nm/sの条件にて、厚みが50nmとなるように蒸着して前記負極を形成することにより、図2に示すような積層型の有機EL素子を作製した。
【0144】
【化27】
Figure 2005026121
【0145】
【化28】
Figure 2005026121
【0146】
−表面粗さの測定−
前記正孔注入層兼輸送層の表面粗さを測定するため、実施例1において、ITO電極上にトリフェニルジアミン(TPD)100モル%に対し20モル%の銅フタロシアニン(CuPc)を混合した混合物を150nmの厚みとなるように共蒸着法で被覆した段階でこれを取り出し、真空中において80℃で1時間アニール処理を行った。このアニール処理した基板について、大気中で、触針式段差計(sloan technology corporation 製)を用いて表面粗さを測定したところ、表面粗さは10nm以下であった。なお、触針式段差計の分解能は約10nmである。
また、比較実験として、ITO電極上に銅フタロシアニン(CuPc)を単独で150nmの厚さとなるように真空蒸着法で被覆したものに対し、80℃で1時間アニール処理を行った。このアニール処理した基板についても、同様に表面粗さを測定したところ、表面粗さは35nmであった。
【0147】
(実施例2)
−有機EL素子の作製−
実施例1において、前記正孔注入層兼輸送層を、トリフェニルジアミン(TPD)と銅フタロシアニン(CuPc)とをそれぞれ10nmの厚みで交互に真空蒸着法により積層(CuPcを8層で厚み計80nm、TPDを7層で厚み計70nm)し、合計の厚みが150nmである積層構造(交互積層構造)のものを形成した。一方、比較として、CuPc(80nm)とTPD(70nm)とをこの順序で積層したもの(交互積層構造ではないもの)を形成した。これらを真空中において、80℃で1時間アニール処理をした。前記正孔注入層兼輸送層の表面粗さを測定したところ、前者では25nm、後者では35nmであった。
【0148】
(実施例3)
−有機EL素子の作製−
実施例1において、前記正孔注入層兼輸送層を、トリフェニルジアミン(TPD)と銅フタロシアニン(CuPc)との混合物を用いて形成した代わりに、銅フタロシアニン(CuPc)100モル%に対し15モル%のアクリル樹脂モノマーを混合した混合物を共蒸着法により、厚みが150nmとなるように堆積し、低圧水銀ランプを用い10mWで5分間光照射処理を行った。その後、真空中で80℃で1時間アニール処理を行い、前記正孔注入層兼輸送層の表面粗さを測定したところ、表面粗さが10nm以下であった。
【0149】
(実施例4)
−有機EL素子の作製−
実施例1において、前記正孔注入層兼輸送層を、トリフェニルジアミン(TPD)100モル%に対し8モル%の下記構造式(4)で示すテトラフェニルメタンを混合した混合物を共蒸着法により200nmの厚みとなるように堆積して形成した。比較として、前記正孔注入層兼輸送層を、前記TPDを200nm堆積して形成した。
【0150】
【化29】
Figure 2005026121
【0151】
これを真空中で100℃、1時間アニール処理し、前記正孔注入層兼輸送層の表面粗さを測定したところ、前者では、表面粗さが10nm以下であった。後者の比較では、45nm以下であった。
【0152】
(実施例5)
−有機EL素子の作製−
実施例1において、前記正孔注入層兼輸送層を、トリフェニルジアミン(TPD)100重量%に対し、無水ピロメリト酸(PMDA)0.5重量%と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)0.5重量%とを混合した混合物を200nmの厚みとなるように堆積して形成した。なお、無水ピロメリト酸(PMDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とは、共蒸着により前記正極の表面で重合してポリイミド樹脂となる。また、比較として、前記正孔注入層兼輸送層を、前記TPDを200nm堆積して形成した。
これらを100℃で1時間アニール処理し、前記正孔注入層兼輸送層の表面粗さを測定したところ、前者では、表面粗さが10nm以下であった。後者の比較では、45nm以下であった。
【0153】
以上の結果から、前記有機薄膜層における前記正極と接する前記正極接触層(例えば、前記正孔注入層兼前記正孔輸送層)における表面粗さについては、単一の低分子化合物で形成した場合と、低分子化合物の混合物で形成又は該低分子化合物を積層して形成した場合とでは、後者の方が、該正極接触層において結晶化が生じ難いと判断された。これは、前記正孔輸送層等の前記正極接触層は、前記ガラス転移温度(Tg)を境にして、その表面粗さが急激に増加することが報告されており(Thin solid films 273, 202 (1996))、また、前記正孔注入層兼輸送層における平滑性と発光効率とが密接に関係していることが報告されており(Appl. Phys. Lett. 56(9), 799 (1990))、前記正極接触層における前記表面粗さは、混合物層や積層で構成された場合の実効的な前記ガラス転移温度(Tg)の指標とすることができるためである。
また、比較実験の有機EL素子と、実施例の有機EL素子とを対比した結果、実施例の有機EL素子では、同一の駆動電圧で比較すると、発光輝度の経時低下が小さい(長寿命である)ことが確認された。ただし、初期輝度は異なる。
【0154】
ここで、本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、アミン類と、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の化合物とを含有することを特徴とする有機EL素子。
(付記2) アミン類と少なくとも1種の化合物との混合モル比(アミン類:少なくとも1種の化合物)が1:100〜100:1である付記1に記載の有機EL素子。
(付記3) 正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、有機低分子化合物と無機化合物とを交互に積層した積層構造であることを特徴とする有機EL素子。
(付記4) 有機低分子化合物と無機化合物との混合モル比(有機低分子化合物:無機化合物)が1:100〜100:1である付記3に記載の有機EL素子。
(付記5) 正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、異なる有機低分子化合物を積層した積層構造を有することを特徴とする有機EL素子。
(付記6) 積層構造が3層以上で形成された付記4から5のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記7) 積層構造における各層の厚みが20nm以下である付記4から6のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記8) 有機低分子化合物が、アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種である付記3から7のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記9) 無機化合物が、p型化合物半導体及びp型酸化物半導体から選択される少なくとも1種である付記3から8のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記10) 正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の有機低分子化合物と、正孔の移動を抑制する移動抑制化合物とを含有することを特徴とする有機EL素子。
(付記11) 移動抑制化合物が、立体構造化合物、蒸着重合性化合物、光重合性化合物及び熱重合性化合物から選択される少なくともいずれかである付記10に記載の有機EL素子。
(付記12) 立体構造化合物が、テトラアリールメタンである付記11に記載の有機EL素子。
(付記13) 蒸着重合性化合物が、エポキシ樹脂モノマー、ポリケイ皮酸エステル樹脂モノマー、ポリカルベン樹脂モノマー、ポリアミド樹脂モノマー、ポリイミド樹脂モノマー、ポリアミドイミド樹脂モノマー、ポリカルボヒドラジド樹脂モノマー、ポリカルボン酸クロリド樹脂モノマー、ポリアゾメチン樹脂モノマー、ポリ塩化ビニル樹脂モノマー、カーボネート樹脂モノマー、尿素樹脂モノマー、ポリスチレン樹脂モノマー、ポリアクリル樹脂モノマー及びポリウレタン樹脂モノマーから選択される少なくとも1種である付記11から12のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記14) 光重合性化合物及び熱重合性化合物が、スチレン基含有モノマー、シロキサン基含有モノマー、ビニル基含有モノマー、アセチル基含有モノマー、アクリル基含有モノマー及びエポキシ基含有モノマーから選択される少なくとも1種である付記11から13のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記15) 正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、単一画素内でパターン化されたことを特徴とする有機EL素子。
(付記16) パターン化が、格子状及び市松状のいずれかになされた付記15に記載の有機EL素子。
(付記17) パターン化が、アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも2種の有機低分子化合物が塗り分けされてなされた付記15から16のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記18) 正極接触層における表面粗さが、触針式段差計による測定で20nm以下である付記1から17のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記19) 正極接触層が、正孔注入層及び正孔注入層兼輸送層から選択される付記1から18のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記20) 正極及び負極が対向配置され、少なくとも一方が透明である付記1から19のいずれかに記載の有機EL素子。
(付記21) 付記1から20のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法であって、少なくとも2種の低分子化合物を正極上に共蒸着することにより正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
(付記22) 正極接触層が熱重合性化合物を含有し、該正極接触層が加熱処理される付記21に記載の有機EL素子の製造方法。
(付記23) 正極接触層が光重合性化合物を含有し、該正極接触層が光照射処理される付記21に記載の有機EL素子の製造方法。
(付記24) 付記1から20のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法であって、少なくとも2種の低分子化合物を正極上に真空蒸着法にて交互に連続積層することにより正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
(付記25) 付記1から20のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法であって、少なくとも2種の有機低分子化合物をシャドーマスクによる蒸着法にて塗り分けることにより、単一画素内でパターン化された正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
(付記26) 付記1から20のいずれかに記載の有機EL素子を用いたことを特徴とする有機ELディスプレイ。
(付記27) パッシブマトリクスパネル及びアクティブマトリクスパネルのいずれかである付記26に記載の有機ELディスプレイ。
【0155】
【発明の効果】
本発明によると、従来における問題を解決し、積層された有機薄膜層における正極接触層の結晶化が抑制され、電子的特性を損なうことなく熱的安定性が向上し、信頼性が高い有機EL素子、及び該有機EL素子の効率的な製造方法、並びに、画素の短絡がなく、発光輝度の経時的な低下が効果的に抑制され、信頼性が高い有機ELディスプレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の有機EL素子一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の有機EL素子における層構成の一例を説明するための概略説明図である。
【図3】図3は、パッシブマトリクス方式の有機ELディスプレイ(パッシブマトリクスパネル)の一構造例を説明するための概略説明図である。
【図4】図4は、図3に示すパッシブマトリクス方式の有機ELディスプレイ(パッシブマトリクスパネル)における回路を説明するための概略説明図である。
【図5】図5は、アクティブマトリクス方式の有機ELディスプレイ(アクティブマトリクスパネル)の一構造例を説明するための概略説明図である。
【図6】図6は、図5に示すアクティブマトリクス方式の有機ELディスプレイ(アクティブマトリクスパネル)における回路を説明するための概略説明図である。
【符号の説明】
1 有機ELディスプレイ
8 有機薄膜層
10 有機EL素子
12 ガラス基板
14 正極
16 正孔注入層兼輸送層
20 発光層兼電子輸送層
22 負極
24 青色発光用の有機薄膜層
26 緑色発光用の有機薄膜層
28 赤色発光用の有機薄膜層
30 正極ライン
32 負極ライン
34 有機EL素子
36 定電流源
38 駆動回路
40 TFT回路
42 データライン
44 電源供給ライン
46 走査線
48 スイッチング用TFT
50 駆動用TFT

Claims (5)

  1. 正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、アミン類と、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の化合物とを含有することを特徴とする有機EL素子。
  2. 正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、有機低分子化合物と無機化合物とを交互に積層した積層構造であることを特徴とする有機EL素子。
  3. 正極及び負極の間に、積層された有機薄膜層を有してなり、該有機薄膜層における前記正極と接する正極接触層が、アミン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類及びカルバゾール類から選択される少なくとも1種の有機低分子化合物と、正孔の移動を抑制する移動抑制化合物とを含有することを特徴とする有機EL素子。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法であって、少なくとも2種の低分子化合物を正極上に共蒸着することにより正極接触層を形成する正極接触層形成工程を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子を用いたことを特徴とする有機ELディスプレイ。
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