JP2002200401A - 高融点有機材料の蒸留精製方法及び装置 - Google Patents

高融点有機材料の蒸留精製方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物を含有する高沸点、高融点有機材料
を、高純度、高歩留、高い生産性で蒸留精製することが
できる精製装置及び精製方法を提供する。 【解決手段】 高融点有機材料を溶融後蒸発させる蒸発
部Aと蒸発気体を凝縮捕集する捕集部B、Cとを有し、
捕集部の温度は下流側に向かってほぼ階段状又は連続的
に低下し、且つ、少なくとも蒸発部と捕集部の一部は誘
電コイル3、7により電磁誘導加熱が可能な材料で構成
されており、更に高融点の有機材料と接触する装置内面
材料が該高融点の有機材料に対して不活性な材料で構成
されている蒸留精製装置及びこれを使用する蒸留精製方
法である。この精製方法は、有機EL材料等の高融点有
機材料の精製に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高融点有機材料の
蒸留精製方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機材料の精製には再結晶、吸
着分離、蒸留、昇華といった手法が用いられる。
【0003】再結晶を用いた精製は物質の温度による溶
解度の差異を利用した精製法であるが、利用できる溶媒
の選択が困難、温度による溶解度差が小さい、溶解度差
はあっても、その溶解度自身が小さく規定量の精製を行
うために大量の溶媒を必要とする等の問題が存在する場
合がある。
【0004】一方、吸着分離を用いる場合、吸着剤の選
択が困難であることや高融点の有機材料は、一般的に汎
用の有機溶媒への溶解度が小さいことが多く、このため
に移動層として用いる溶媒が大量に必要となる。更に、
これら溶媒を使用する精製においては使用した溶媒の除
去が必要となるが、材料によっては溶媒分子との混合結
晶を形成する場合もあり、微量の残留を考慮する必要も
ある。こうしたことが高度な精製度を要求される材料に
おいては問題となる。
【0005】蒸留精製においては、熱的な安定性さえ確
保できれば上記のような問題は考慮する必要はない。し
かし、高融点の材料においては蒸留精度を上げるための
精留部や精製物を捕集部に導くための配管中での閉塞が
大きな問題となり、これを防止するためそれらに強力な
断熱材や配管全体を均一に加熱すること等による保温措
置を施す必要が生じ、これが装置の肥大化や装置メンテ
ナンスを困難なものとしている。分子蒸留は、上記した
問題は比較的生じにくい手法であり、「実験化学講座」
(丸善)基本操作1」中に使用する装置が紹介されてい
る。しかし、目的とする精製物原料に沸点の近い不純物
が含有される場合、精密な分離制御を行うための精留部
を有していないため、目的物質のみを凝縮、捕集するこ
とは困難である。昇華性の材料については分子蒸留と類
似の装置を用いて精製を行えることは公知であり、これ
を改良した方法も特開平12−93701等に示されて
いるが、そもそも昇華性を示す材料は有機化合物全般か
らすればわずかであり、利用できる範囲は限られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微量
から多量の供給原料を均一にしかも短時間に加熱すると
ともに、その加熱温度、及び捕集温度を精度高く制御で
き、それによって一般の方法では精製が困難な高融点有
機材料を効率よく蒸留精製する方法及び装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、高融点有機材
料を溶融後蒸発させる蒸発部と蒸発気体を凝縮捕集する
捕集部とを有し、捕集部の温度は下流側に向かってほぼ
階段状又は連続的に低下し、且つ、少なくとも蒸発部と
捕集部の一部は電磁誘導加熱が可能な材料で構成されて
おり、更に高融点の有機材料と接触する装置内面材料が
該高融点の有機材料に対して不活性な材料で構成されて
なる蒸留精製装置である。溶融状態の高融点の有機材料
に対して不活性な材料としては、金属、ガラス、セラミ
ックス又はふっ素樹脂から選択される材料が好ましく挙
げられる。更に、捕集部分に1又は2以上の堰を設ける
ことも有利である。また、本発明は少なくとも1層が金
属材料から構成される加熱部及び捕集部を有し、その外
周の少なくとも一部にはこれを電磁誘導方式で発熱させ
るための誘導コイルを有しており、捕集部には下流側に
向かって温度がほぼ階段状又は連続的に低下するように
温度勾配が設けられるようにした蒸留精製装置である。
【0008】また、本発明は、前記の蒸留精製装置に、
高融点有機材料を蒸発部に装入して加熱溶融、蒸発さ
せ、該蒸発気体を所定温度範囲に保持された凝縮ゾーン
を有する捕集部に導入して、精製された有機材料を該ゾ
ーンから回収する蒸留精製方法である。
【0009】本発明で精製する有機材料は、格別の制限
はないが、一般の方法では精製困難な高融点を有し、結
晶が溶媒等を取り込み単一結晶となりにくいアモルファ
ス性固体材料に特に有効であり、例えば微量の不純物や
結晶形の相違又は変形が大きな影響を与える事の多い電
子材料、光学材料用の固体材料に対し有効である。この
ような物質としては、エレクトロルミネッセンス素子材
料、半導体素子材料等が挙げられるが、エレクトロルミ
ネッセンス素子材料に適する。
【0010】電磁誘導式の加熱装置は、導電性の金属材
料の周りに配置されたコイルに低周波交流電流を流すこ
とにより発熱を生じさせるものであればよい。電流の周
波数は50〜500Hzが一般的であり、商用周波数でも
差し支えない。
【0011】本発明で用いる精製装置は、加熱部及び捕
集部が連続であっても、途中で連結されていてもよい。
ただし、誘導加熱を有効に行うためには加熱部及び捕集
部は筒状であることが好ましいが、途中で径や断面形状
が異なっていてもよい。精製されるべき有機材料の流れ
の方向にしたがって、上流側に加熱部、下流側に捕集部
を有する。そして、加熱部及び捕集部の少なくとも一部
は電磁誘導加熱できるように、その部分が導電性の金属
材料から構成されており、その周囲にはコイルが配置さ
れている。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の高融点を有する
有機物質の精製を実施するための装置の一例を示す断面
図であり、それぞれ直列に連結された筒状の加熱部A、
捕集部B及び捕集部Cからなる。
【0013】加熱部Aは、内部に加熱室を形成し、しか
も誘導電流により自ら発熱する金属材料性の筒状体1、
筒状体の外周を囲む誘導コイル6、熱伝対4及び温度調
節器8を備えている。誘導コイル6は、交流電源に接続
され、熱伝対4と接続している温度調節器8により、供
給電力が制御される。この筒状体1の形状は、特に制限
はないが、これを横に設置する場合には円筒を長さ方向
に半分に分割したような半円筒形状とし、平らな面を下
面とすることが、原料である固体材料を所定位置に容易
に装入、設置できるので好ましい。また、筒状体1が1
層の金属材料から構成されていても、2層以上の金属材
料から構成されていても、少なくとも1層の金属材料と
他の非金属材料から構成されていても差し支えない。し
かしながら、少なくとも1層は誘導電流により自ら発熱
する金属材料である必要があり、それは磁性体であるこ
とが好ましい。
【0014】精製する固体材料は粉末等の形で連続的に
加熱室に装入してもよいが、ボート等に載せて間欠的に
装入することが簡便である。固体材料が熱により変質し
やすい場合は、連続的に装入するか、少量づつ間欠的に
装入することも可能である。
【0015】加熱は電力を供給することにより行うが、
可及的短時間で精製温度に達するように電力供給量を制
御する。なお、熱容量を小さくすることも昇温速度を早
めるため有効であるので、必要以上に筒状体1の径を大
きくしたり、肉厚を厚くしたりしないことが有利であ
る。
【0016】加熱部Aの下流側には、それより温度が低
く保たれる捕集部が設けられる。なお、加熱部Aと捕集
部の間には、中間温度に保持された中間ゾーンを必要に
より設けることができる。この捕集部は複数のゾーンを
有することが好ましく、少なくとも1つのゾーンは誘導
加熱可能とされている。図面では誘導加熱可能とされた
捕集部Bのゾーンと、そうでない捕集部Cのゾーンが設け
られており、捕集部Bは加熱部Aと連結されている。捕集
部Bは金属材料性の筒状体2、その外周を囲む誘導コイ
ル7、熱電対5及び温度調節器9から構成されて誘導加
熱可能とされている。この捕集部Bの加熱構造について
は、加熱部Aと同様な構造が適用できるが、捕集される
材料が液状である場合は、適当な温度分布に沿った堰を
設けて、所定の温度範囲で凝縮したものを区分してやる
ことも有効である。堰の形状は所定範囲の凝縮液と他の
範囲の凝縮液が混ざらない形状であればよいが、リング
状の隔壁等の形状が好ましい。また、下部に抜出し用の
弁を設けることも有効である。捕集される材料が一旦液
状となり、その後該捕集部において固体状となる場合
は、抜出し用の弁等は不要である。そして、捕集部Bの
下流側には、捕集部Cが連結されている。
【0017】図面では、この捕集部Cは筒状体3からな
るが、その外周は保温されていても、冷却されていて
も、あるいは空気と接触していても差し支えない。ま
た、図面と異なり、捕集部Bの上流側に置かれてもよ
い。また、誘導加熱可能とされた捕集部Bは、1段であ
っても2段以上であってもよいが、目的物として捕集す
べき物質が1種類である場合は、それを捕集する部分だ
けを誘導加熱可能とすることでもよい。誘導加熱する捕
集部Bは、捕集すべき物質が一定以上の純度で捕集され
るように温度を制御され、しかも一定の温度に保たれた
所定長さのゾーンを有するようにされる。すなわち、加
熱部と捕集部にかけて、誘導加熱により温度がほぼ一定
とされたゾーンが2つ以上有り、下流部に向かって順次
温度が低下するようにされる。そして、最も下流部側の
捕集部の出口はトラップ10を介して真空ポンプ11に
つながっている。
【0018】以下、上記の精製装置を用いて、不純物を
含有する高融点有機物質を精製する方法について説明す
る。なお、説明の便宜上、精製原料には、目的の物質と
それより沸点の低い不純物が含まれる場合について説明
する。
【0019】図1の精製装置において、原料である有機
材料を加熱室に装入し、交流電源から誘導コイル6に交
流電源を通じると、加熱部Aの金属材料からなる筒状体
1が電磁誘導加熱により発熱し、装入原料が融解を経て
沸騰温度に達する。筒状体1の温度制御は、熱電対4に
より加熱部Aの温度を測定したり、温度調節器8で交流
電源をオン・オフしたり、インバータ制御することなど
により、設定温度を保持することができる。加熱部Aで
溶融した装入原料中の目的物質と沸点の低い不純物は捕
集部Cの後方にある真空ポンプ11の吸引力により、ガ
スとなって捕集部Bへ移動する。
【0020】捕集部Bへ移動したガスは、目的物質の露
点温度以下の温度で、含まれる低沸点不純物の露点温度
以上の温度に保持された筒状体2で冷却され、筒状体2
の内壁に目的物質のみが凝縮され、捕集される。捕集部
Bにおける発熱とその温度制御は、加熱部Aと同様に行う
ことができる。この温度は、不純物の露点以上の温度で
あって、可及的に低い温度とすることが望ましいが、不
純物が多数あり、微量の混入が許容される不純物であれ
ば、更に温度を低く設定することも可能である。液体と
して捕集することが通常であるが、温度を十分低くすれ
ば、これを固体状で回収することも可能である。しか
し、温度を十分低くすることは、純度向上の点で不利な
場合がある。また、液体で凝縮し、運転中は液体で存在
し、運転終了後に冷却して固体となし、掻き出すという
方法も有利である。凝縮温度が近傍にある不純物を含ん
でいる場合は、液相で捕集した方が好ましく、目的化合
物を捕集する捕集部には、前記の堰や隔壁を設けた多段
にすることが好ましい。そのような不純物がない場合に
は、速やかに固体として捕集してもよい。
【0021】本発明の精製装置において、加熱部A及び
捕集部Bを構成する筒状体1、2は、電磁誘導加熱によ
り発熱させるため、それを構成する筒状の金属材料の全
体が金属材料性であるか、あるいは2層以上の層で形成
され、1層以上が金属材料であるかする必要があるが、
そのうち少なくとも1層が磁性金属材料であることが望
ましい。このような金属磁性材料としては、一般に鉄が
用いられるが、耐熱性と防食性の観点からステンレスを
用いることも可能である。
【0022】筒状体1及び2を電磁誘導加熱させるため
に用いられる誘導コイル6、7及び温度調節器8、9に
は従来から公知の電磁誘導加熱装置に用いられるもので
よい。誘導コイル6及び7は、筒状体1、2を均一に加
熱するため、その外周を所定の長さで囲むように設置す
ることが肝要である。
【0023】このように、電磁誘導加熱により筒状体1
及び2を発熱させることにより、加熱部A及び捕集部Bの
一定のゾーン全体を均一に発熱させることができ、例え
ば室温から400℃に昇温するのに数分から30分程度
と昇温速度が大きく、また温度制御の精度も高くするこ
とができる。
【0024】捕集部Bにおいては、目的の物質のみを凝
集、捕捉し、原料中の不純物をガス状のまま通過させ、
捕集部Bと直結している捕集部Cでこの不純物を凝集、捕
捉する。したがって、捕集部Cは、通常行われている空
冷、又は液冷等により所定の温度、例えば室温程度に冷
却できるようにすることでよい。
【0025】これらの加熱部A、捕集部Bと捕集部Cとの
間には、下流側に向かって温度がほぼ階段状又は連続的
に低下する温度勾配を設けることが、目的の純度を上げ
るとともに回収歩留まりを高くするために必要である。
なお、階段状とは、精製装置でのガスの流れ方向に、温
度がほぼ一定のゾーンが複数あることをいい、連続的に
温度が低下するゾーンを有することを除外しない。そし
て、温度がほぼ一定のゾーンの長さは、一定組成の捕集
容量を確保する観点から定められる。
【0026】精製速度をあげるためには、精製装置内を
減圧にして目的物の蒸発速度を上げることが好ましく、
図1に示すように、捕集部Cの末端側に真空ポンプ11
等を設ける事がよい。また、場合によっては、加熱部A
の入り口方向から窒素ガス等の随伴ガスを供給し、この
随伴ガスにより精製速度を速めることもできる。
【0027】なお、上記の精製方法の説明では、成分と
して目的の物質とそれより沸点の低い不純物が含まれる
場合について説明したが、不純物の沸点が目的の物質よ
り高いものである場合には、まず捕集部Bで不純物が捕
集され、ついで捕集部Cで目的の物質が捕集されること
となる。しかし、目的とする物質が捕集される捕集部
は、誘導加熱可能な捕集部とすることがよく、不純物を
捕集する捕集部は誘導加熱可能でなくてもよい。
【0028】また、上記の実施の態様においては、加熱
部Aと捕集部Bが2つの異なる温度ゾーンを有する、すな
わち電磁誘導加熱式で発熱させて温度調節する1つの捕
集部Bと、通常の冷却法による1つの捕集部Cを備えた精
製装置の例を説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0029】例えば、この捕集部BがB1、B2のように
異なった温度ゾーンが2つあるものなどのように、異な
った温度ゾーンに調整した電磁誘導式で発熱させて温度
調整する捕集部が2つ以上有り、合計3つ以上の異なる
温度ゾーンを有する捕集部を備えたものであってもよ
い。上記例示の場合も、加熱部Aと、捕集部B1、B2と
捕集部Cとの間には下流側に向かって温度がほぼ階段状
に低下する温度勾配を設けることにより、3つの異なる
温度ゾーンを有する捕集部で、ガス中の各成分をその融
点に応じて分縮させることが可能となる。場合によって
は、捕集部Cを省略して、2つ以上の電磁誘導式で発熱
させて温度調節する捕集部のみで目的物質と不純物等の
他成分を分縮させることも可能である。他の部分で凝縮
した液と混ざらないようにするには、隔壁又は堰を備え
た内筒を用いるとよい。
【0030】精製装置に用いる筒状体の径や長さは、有
機材料の種類や処理量によって適宜決定されるが、本発
明の装置は少量から多量まで処理することができ、沸点
が300℃以上、融点が200℃以上の有機材料に対して有用
である。さらに、精製装置を減圧にすることにより、低
温での処理が可能となり不安定な物質の精製にも適して
いる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説
明する。 実施例1 ニトロベンゼン中、4、4’−ジヨードビフェニル、フ
ェニル−1−ナフチルアミン、炭酸カリウム及び銅粉を
反応して得られた有機EL素子中の正孔輸送材量として用
いられるHPLC純度94%のN,N`-ジ-(ナフタレン-1-イ
ル)- N,N’-ジフェニル-ベンジジン(以下、NPBとい
う)を図1に示す装置を用いて精製を行った。加熱部
A、捕集部B、Cは、60mmφ、長さ1000mmのス
テンレス管を共通して用いた。交流電源は200V、6
0Hzとし、温度調節器6、7にはインバータ制御を用
いた。加熱室にNPB10gを長さ方向に半割にした50
mmφ、長さ100mmのガラスボートに乗せて装入
し、加熱部Aの温度を330℃、捕集部Bの温度を300
℃、捕集部Cの外周は室温の空気に接触させてほぼ室温
に維持するとともに、真空ポンプ11により精製装置内
を0.1Torrに減圧した。捕集部Bから回収されたNPBは
5.6g、そのHPLC純度99%であった。なお、運転終
了後、捕集部Bの温度を下げ、NPBは固体として回収し
た。
【0032】実施例2 実施例1の装置に代えて、加熱部Aには、長さ方向に半
割りにした300mmφ、長さ500mmの炭素鋼管を用
い、捕集部Bには100mmφ、長さ500mmの炭素鋼管
を用い、捕集部Cには100mmφ、長さ500mmのステ
ンレス管を用いた。加熱部Aと捕集部B、Cとはフランジ
を介して直結した。加熱部Aに実施例1に用いたのと同
様のNPB100gを縦200mm、横250mm、高さ
20mmのガラスバットに乗せて装入し、加熱部Aの温
度を380℃、捕集部Bの温度を280℃、捕集部3の
外周は室温の空気に接触させてほぼ室温に維持するとと
もに、真空ポンプ11により精製装置内を0.2Torrに
減圧した。捕集部Bから回収されたNPBは50.7g、そ
のHPLC純度99%であった。
【0033】比較例1 実施例6で使用したのと同様のHPLC純度94%のNPB
2.0gを図2に示すガラス製外筒13とガラス製内筒
製の捕集部14とから構成される装置を用いて精製を行
った。捕集部14は、供給される窒素ガスにより冷却さ
れる。ガラス製外筒13の底部に前記原料化合物を装入
した。冷却トラップ16を介して真空ポンプ17により
系内を2.0Torrに減圧し、温度調節計15により温度
制御される加熱部12の温度を390℃として、ガラス
製外筒13の底部のNPBを蒸発させ、これを捕集部14
のガラス外壁に凝縮、固化させて捕集した。捕集された
NPBは1.4g、HPLC純度は96%であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の精製方法によれば、不純物を含
有する高沸点、高融点有機材料を電磁誘導加熱により精
製するとともに、電磁誘導により特定温度に保持された
捕集部で目的の物質のみを選択的に捕集することによ
り、高純度の製品を高い歩留まりで得ることが可能とな
る。また、精製装置も少量のものから多量のものまで取
り扱うことができ、温度制御の精度が高いうえ、精製時
間が短縮できるので精製装置の生産性も高い。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の精製方法を実施するための装置の一
例を示す断面図
【図2】 比較例としてあげた精製装置の一例を示す断
面図
【符号の説明】
A:加熱部 B、C:捕集部 1、2、3:筒状体 4、5:熱伝対 6、7:誘導コイル 8、9:温度調節器 10:冷却トラップ 11:真空ポンプ 12:加熱部 13:ガラス製外筒 14:ガラス製内筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/10 321 H05B 6/10 321 6/26 6/26 (72)発明者 宮崎 浩 福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46− 80 新日鐵化学株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3K059 AB16 AD03 AD04 AD35 4D076 AA14 AA22 BA02 BB01 BC01 CB02 CB03 DA23 4H006 AA02 AD11 BC51 BD82

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高融点有機材料を溶融後蒸発させる蒸発
    部と蒸発気体を凝縮捕集する捕集部とを有し、捕集部の
    温度は下流側に向かってほぼ階段状又は連続的に低下
    し、且つ、少なくとも蒸発部と捕集部の一部は電磁誘導
    加熱が可能な材料で構成されており、更に高融点の有機
    材料と接触する装置内面材料が該高融点の有機材料に対
    して不活性な材料で構成されていることを特徴とする蒸
    留精製装置。
  2. 【請求項2】 高融点有機材料に対して不活性な材料が
    金属、ガラス、セラミックス及びふっ素樹脂から選択さ
    れる材料である請求項1記載の蒸留精製装置。
  3. 【請求項3】 捕集部に1又は2以上の堰を設けた請求
    項1記載の蒸留精製装置。
  4. 【請求項4】 加熱部及び捕集部を有する精製装置にお
    いて、加熱部の少なくとも1層が金属材料であり、その
    外周にはこれを電磁誘導方式で発熱させるための誘導コ
    イルを有し、加熱部の下流側には温度の異なる複数のゾ
    ーンを有することができる捕集部が設けられ、その1つ
    以上のゾーンの少なくとも1層が磁性金属材料であり、
    その外周にはこれを電磁誘導式で発熱させるための誘導
    コイルとを有しており、捕集部には下流側に向かって温
    度がほぼ階段状又は連続的に低下するように温度勾配が
    設けられたことを特徴とする蒸留精製装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の蒸留精
    製装置に、高融点有機材料を蒸発部に装入して加熱溶
    融、蒸発させ、該蒸発気体を所定温度範囲に保持された
    凝縮ゾーンを有する捕集部に導入して該ゾーンから精製
    された有機材料を取出すことを特徴とする蒸留精製方
    法。
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