JPH0724205A - 昇華方法 - Google Patents

昇華方法

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JPH0724205A
JPH0724205A JP19205693A JP19205693A JPH0724205A JP H0724205 A JPH0724205 A JP H0724205A JP 19205693 A JP19205693 A JP 19205693A JP 19205693 A JP19205693 A JP 19205693A JP H0724205 A JPH0724205 A JP H0724205A
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JP
Japan
Prior art keywords
crucible
powder
heat
sublimating material
heating
Prior art date
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Pending
Application number
JP19205693A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Marukawa
敏 丸川
Yoshinori Takada
善典 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Cable Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority to JP19205693A priority Critical patent/JPH0724205A/ja
Publication of JPH0724205A publication Critical patent/JPH0724205A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇華性物質を安定に蒸発させうる昇華方法の
開発。 【構成】 内部に開口率が5〜95%の熱伝導性多孔板
(2)を1段又は2段以上設置してなる耐熱性坩堝
(1)に昇華性物質の粉末(5)を収容し、前記坩堝の
外部より加熱(4)して昇華性物質の粉末を昇華させる
昇華方法。 【効果】 昇華による単位時間あたりのガス発生量をほ
ぼ一定にでき、昇華性物質の蒸着膜をほぼ一定の成長速
度で形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華によるガス発生の
安定性に優れて蒸着重合などに好適な昇華方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機物等の蒸気をノズルから噴出してク
ラスターを形成し、これをイオン化して運動エネルギー
を与え、それを支持体上に供給し蒸着させて種々の薄膜
を形成するクラスターイオンビーム(ICB)蒸着方式
が提案されている。従来、前記方式等における蒸気の発
生方法としては、噴出ノズル付円筒状カーボン製坩堝に
原料物質を収容して坩堝の外部より加熱する方法が知ら
れていた。
【0003】しかしながら、前記の方法においては、例
えば3,3'−ビスアミノフェニルスルホンの如く一旦
熔融したのちに蒸発する物質の場合には安定した蒸発速
度を示すものの、ピロメリット酸二無水物の如き昇華性
の物質の場合には蒸発速度が不安定で目的とする組成の
薄膜が形成できないなどの問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、昇華性物質
を安定に蒸発させることができる昇華方法の開発を課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に開口率
が5〜95%の熱伝導性多孔板を1段又は2段以上設置
してなる耐熱性坩堝に昇華性物質の粉末を収容し、前記
坩堝の外部より加熱して昇華性物質の粉末を昇華させる
ことを特徴とする昇華方法を提供するものである。
【0006】
【作用】本発明者らは上記従来方法の問題点を克服する
ために鋭意研究を重ねる中で、坩堝外部よりの加熱方式
では坩堝内壁近傍の物質が優先的に昇華して空隙が形成
され、熱の伝導性が低下して坩堝中央部の物質が加熱不
足となり昇華しにくくなると考え、熱伝導性の金属粒塊
を坩堝内に分散配置する方法を試みた。しかし、蒸発速
度の安定性の向上に改善は認められず蒸発速度が経時的
に減少した。また粒塊の分散配置で昇華性物質を収容で
きる空間の減量が大きいことも欠点となった。
【0007】従って、本発明の多孔板設置方式で物質を
安定に昇華させることができて一定性に優れる蒸発速度
を得ることができる理由は、坩堝内に収容した昇華性物
質の粉末に対する熱伝導が安定していることによるもの
と考えられる。
【0008】
【実施例】本発明の方法は、耐熱性坩堝の内部に開口率
が5〜95%の熱伝導性多孔板を1段又は2段以上設置
し、それに昇華性物質の粉末を収容して外部より加熱
し、前記の粉末を昇華させるものである。
【0009】図1に本発明に用いうる耐熱性坩堝を例示
した。1が筒状の坩堝本体で、11はその着脱可能な
蓋、12は蓋11に形成した蒸気噴出ノズルである。ま
た2が熱伝導性多孔板で、3はスペーサを兼ねる支持足
である。なお、4はヒータ、5は昇華性物質の粉末であ
る。
【0010】坩堝本体は、カーボンや金属などの耐熱性
材料を用いて適宜な形態に形成されていてよく、発生蒸
気の流通や昇華性物質の粉末の収容作業性などが良好な
筒状等のシンプルな容器形態が好ましい。孔付き蓋(1
1)における孔は、蒸気噴出ノズルとなり断熱膨張によ
るクラスターを形成させる。
【0011】熱伝導性多孔板は、外部より加熱された坩
堝本体の熱を坩堝の内部に効果的に伝導して、坩堝内に
収容した昇華性物質の粉末を昇華させるための内部熱源
となるものである。従って熱伝導性多孔板の好ましい形
成材料は、アルミニウムや銅の如き熱伝導性に優れる金
属、就中、金や銀、白金等の化学的安定性にも優れる金
属である。
【0012】また熱伝導性多孔板は、発生蒸気の通路と
なる孔を多数有するが、その多孔に基づく開口率は5〜
95%とされ、就中20〜80%、特に30〜70%の
開口率が好ましい。その開口率が5%未満では発生蒸気
が坩堝内に滞留しやすくなり、95%を超えると熱伝導
量に乏しくて昇華効率が低下しやすい。従ってかかる点
より熱伝導性多孔板の好ましい形態は、ネット形態ない
し可及的にネット形態に近い状態に穿孔処理を施したも
のである。
【0013】本発明において熱伝導性多孔板は、耐熱性
坩堝の内部に1段又は2段以上設置され、昇華性物質の
必要な収容スペースが確保できる範囲において可及的に
多段の設置が好ましい。熱伝導性多孔板を2段以上設置
する場合には、坩堝内に収容する昇華性物質の粉末層に
対して可及的に均等配分することが好ましい。
【0014】従って熱伝導性多孔板は、坩堝本体の底部
や蓋部の伝熱量を考慮して熱伝導性多孔板を介し昇華性
物質の粉末層に対する伝熱量が可及的に均等になるよう
に少なくとも1段が設けられ、2段以上設ける場合には
間隔を設けて配置される。その場合、当該多孔板間の間
隔の維持は、多孔板と一体的に形成した支持足による方
式、所定高さのスペーサを介在させる方式などの適宜な
方式で行ってよい。
【0015】坩堝に対する外部加熱方式については、例
えば坩堝の外周に電熱コイルや電熱板を配置する方式、
電磁誘導により加熱する方式などの適宜な方式を採用す
ることができる。
【0016】昇華処理は、例えば熱伝導性多孔板を設置
した耐熱性坩堝内に昇華性物質の粉末を充填収容して外
部より加熱することにより行うことができる。昇華対象
の粉末については特に限定はなく、昇華の目的に応じて
適宜に選択してよい。
【0017】ちなみに本発明の昇華方法は、蒸着重合膜
の形成などに好ましく適用することができる。すなわち
蒸着重合は、例えば2種類のモノマーの蒸気を適宜な支
持体上に二元ICB蒸着方式で供給して重合反応させる
ものであるが、本発明はその場合において昇華性物質か
らなるモノマーを昇華させて蒸気とする際などに好まし
く使用することができる。
【0018】実施例1 高さが4cmで直径が約2cmのカーボン製坩堝(容量約1
0ml)の内部に開口率が60%の銀製メッシュを5mmの
間隔で6段設置し、それにピロメリット酸二無水物の粉
末を9ml入れてICB装置に装着し、1/106Tor
rの真空下、坩堝を170℃に加熱しつつピロメリット
酸二無水物を昇華させ、その蒸気を70℃に加熱した石
英基板上に供給して蒸着させるICB蒸着方式で膜を形
成しつつ、水晶振動子により膜成長速度の経時変化を所
定時間ごとに調べた。
【0019】比較例 カーボン製坩堝内に銀製メッシュを設けないほかは実施
例1に準じて膜を形成しつつ、その膜成長速度の経時変
化を所定時間ごとに調べた。
【0020】前記の結果を次表に示した。
【0021】表より、実施例1においては60分経過後
も初期とほぼ同じ成長速度で膜が形成されており、これ
より安定した昇華が達成されてガス発生量がほぼ一定し
ていることがわかる。しかし比較例では20分経過時よ
り膜の成長速度が低下しはじめて時間経過と共にその低
下率が増大し、また膜成長速度のバラツキも大きく昇華
によるガス発生量が不安定であることがわかる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、昇華性物質を安定に蒸
発させることができて昇華による単位時間あたりのガス
発生量をほぼ一定にすることができる。その結果、昇華
性物質の蒸着膜をほぼ一定の成長速度で形成することな
どが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐熱性坩堝を例示した断面図
【符号の説明】
1:坩堝本体 11:蓋 12:蒸気噴出ノズル 2:熱伝導性多孔板 3:支持足 4:ヒータ 5:昇華性物質の粉末

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に開口率が5〜95%の熱伝導性多
    孔板を1段又は2段以上設置してなる耐熱性坩堝に昇華
    性物質の粉末を収容し、前記坩堝の外部より加熱して昇
    華性物質の粉末を昇華させることを特徴とする昇華方
    法。
JP19205693A 1993-07-05 1993-07-05 昇華方法 Pending JPH0724205A (ja)

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